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JP4371815B2 - 高濃度ホルムアルデヒド溶液、その製造およびその反応 - Google Patents
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高濃度ホルムアルデヒド溶液、その製造およびその反応 Download PDF

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Description

本発明は、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールからなる混合物の形で、ホルムアルデヒドを含有する水性ホルムアルデヒド溶液、その製造方法、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液を用いての反応生成物の製造、ならびに本発明による水性ホルムアルデヒド溶液の使用に関する。ホルムアルデヒドは、重要な工業化学材料であり、かつ、多くの工業製品および消費製品を製造するために使用される。現在、50を超える工業分野において、ホルムアルデヒドは、その多くが水性溶液の形でかまたはホルムアルデヒド含有合成樹脂の形で使用されている。商業的に入手可能な水性ホルムアルデヒド溶液は、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でホルムアルデヒドを、20〜55質量%の全濃度で含有している。したがって、工業的合成において、この水性ホルムアルデヒド溶液を使用する場合には、ホルムアルデヒドと一緒に添加されるが、一般に合成においては必要とされない多量の水がその妨げとなる。この高い水の添加量は、反応器の大きさ、その周辺装置ならびに生成物の後処理を制限するものである。さらに、過剰の水は処理され、かつ廃水として除去しなければならない。場合によっては、水を、著しいエネルギー投入によって熱的に除去することが必要不可欠である。したがって、合成における水の添加量の減少が望ましく、この場合、これは、水性ホルムアルデヒド溶液の使用する場合に、可能な限り高い濃度の水性ホルムアルデヒド溶液を使用することが必要とされる。
しかしながら、このような高濃度の水性ホルムアルデヒド溶液の製造および使用には問題があり、それというのも、極めて高濃度の溶液の場合には、特に低い温度の際に、固体の沈殿が生じるためである。30質量%以上のホルムアルデヒドを有する水性ホルムアルデヒド溶液は、室温での貯蔵の場合であってもすでに混濁し、それというのも、高いポリオキシメチレングリコール(HO(CHO)H;n≧8)が形成され、かつ沈殿するためである(Ulmman's Encyclopedia of Industryal Chemistry, Edition 2000 electronic release, Formaldehyde; chapter 2(physical properties), 2.2 (aqueous solutions), 第2頁, 第3パラグラフ)。水性ホルムアルデヒド溶液中に存在する生成物の溶解性は、高い温度で増加するものの、カニッツアーロ反応によって、望ましくない蟻酸が形成される。製造される高濃度のホルムアルデヒド溶液は、たとえば、高い温度および高い圧力下での蒸留によって、高い蟻酸含量および低いpH−値を有する。
ホルムアルデヒドを使用する合成における水添加量は、さらに、パラホルムアルデヒドまたはトリオキサンとして固体の形でホルムアルデヒドを使用することによって減少させることができるが、しかしながら、これらの固体は、プロセス技術の点において取り扱いが困難であり、かつ、水性ホルムアルデヒド溶液の場合よりも製造に極めてコストがかかる。
GB1190682では、減圧下での蒸留によって、少なくとも1個の蒸留工程で、水性ホルムアルデヒド溶液を濃縮するための方法に関する。この工程において、それぞれの蒸留工程中の蒸留温度は、濃縮溶液の安定化温度を下廻り、かつ蒸留は、溶液の混濁が生じない程度に続けられる。それぞれの蒸留工程に引き続いて、溶液を、濃縮溶液の安定化温度を上廻るようにすることで、老化段階に導く。安定化温度は、ポリオキシメチレングリコールが沈殿する温度を下廻る。これらの方法を用いて、75〜85%の濃度を有する水性ホルムアルデヒド溶液を製造することができる。これらの方法は、極めて複雑であり、それというのも、高濃度の溶液は、記載によれば、数回もの濃縮および老化工程によってのみ得られるためである。また、GB1190682では、高濃度の溶液の安定化の期間およびその期間が濃縮溶液を用いて他の反応を実施するのに十分であるかどうかについては何ら記載もない。さらに、GB1190682では、蒸留方法においてのみ濃縮される。
ヨーロッパ特許EP−A1063221は、溶液を反応させるための方法に関し、この場合、この溶液は、互いに化学的に平衡な少なくとも2個の化合物と、少なくとも1個の他の化合物との混合物であり、その際、化学的に平衡な材料の溶液は、非平衡の成分を有する2個の画分に分離され、化学平衡が完全に再度確立される前に他の化合物と反応する。ポリオキシメチレングリコールの鎖の長さに関する正確な詳細および全組成物におけるその製造、さらにはこれらの溶液が安定な時間における作用については示されていない。
したがって、本発明の目的は、取り扱いが容易であり、かつ、単段階または多段階の方法で容易に製造可能であり、かつ、水性ホルムアルデヒド溶液を使用する合成において、合成における水添加量が減少する程度に使用することができる、高濃度ホルムアルデヒド溶液を提供する。
これらの目的は、モノマーホルムアルデヒド、メチルグリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドを、全濃度x≦65質量%で含有する、水性ホルムアルデヒド溶液によって達成される。
したがって、本発明による高濃度の水性ホルムアルデヒド溶液は、ポリオキシメチレングリコール
Figure 0004371815
の平均モル質量が、ホルムアルデヒド濃度の関数として、式I:
Figure 0004371815
[式中、
Figure 0004371815
は、平均モル質量を示し、
xは、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドの全濃度 質量%(ホルムアルデヒド全濃度)を示す]
によって得られる値と同じまたはそれを下廻る。
式Iは、全濃度xに関して0〜95質量%の範囲で有効である。
ホルムアルデヒドと水(メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコール)との反応生成物の平均モル質量
Figure 0004371815
は、ホルムアルデヒド濃度の関数として、以下の表に示した値と同じかまたはそれを下廻り、この場合、これは、選択されたホルムアルデヒド濃度に関して示すものである:
Figure 0004371815
他の温度および他のホルムアルデヒド濃度の場合の値は、式Iを使用することによって得ることができる。好ましくは、式Iによって値を少なくとも5%下廻る、ホルムアルデヒドと水との反応生成物の平均モル質量
Figure 0004371815
を有する混合物である。特に好ましくは、式Iによる値を少なくとも10%下廻る混合物であり、かつさらに好ましくは、値を少なくとも20%下廻る混合物である。本発明による溶液は、さらに他の成分、たとえば安定化剤を含有していてもよい。
他方では、商業的に入手可能なホルムアルデヒド溶液において、ポリオキシメチレングリコールの平均モル質量
Figure 0004371815
は、温度およびホルムアルデヒド濃度の関数として、以下の表で示されたように選択された条件下で示される:
商業的に入手可能なホルムアルデヒド溶液
Figure 0004371815
前記表による商業的に入手可能な溶液は、さらに他の成分、たとえば安定化剤を、少量含有するものである。
メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの平均濃度は、たとえば、H−または13C−NMR−分光計を用いて、刊行物に示された方法で、測定することができる[Hahnenstein, I., Albert, M., Hasse, H., Kreiter, C. G., Maurer, G., NMR spectroscopic and Densimetric Study of Reaction Kinetics of Formaldehyde Polymer Formation in Water, Deuterium Oxide, and Methanol, Ind. eng. Chem. Res. (1995) 34, 440-450]。水性ホルムアルデヒド溶液の全ホルムアルデヒド濃度は、通常の方法で、かつ刊行物に記載された方法、たとえば亜硫酸適定によって測定される[J.F. Walker, Formaldehyde, 2nd edition, Reinhold Publ. Comp., New York, 1953, S. 382ff.]。
本発明によるホルムアルデヒド溶液は、簡単に、低コストで、短時間で製造することができる。製造中において溶液を老化させないか、あるいは、老化は望ましくない。さらに、本発明によるホルムアルデヒド溶液は、平衡化溶液または非平衡化溶液から製造することができる。
これらの本発明による高濃度の水性ホルムアルデヒド溶液の使用によって、
a)不活性の成分の割合(水添加量)を減少させることによって、空時収量(RZA)が増加し、さらに小さい装置の使用によって資本経費が減少し、
b)生じる廃水量が減少し、かつ、
c)熱的工程におけるエネルギーを削減し、この場合、これは、水の分離除去を必要としないためである。
したがって、たとえば、20.8t/hのメタンジフェニルジアミン(MDA)からの26.2t/hのメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)の製造は、200kt/aのMDIプラントに相当し、この場合、これは、8.2t/hの50質量%濃度の水性ホルムアルデヒド溶液を必要とする。これは、4.1t/hの水添加量に相当する。65質量%濃度の水性ホルムアルデヒド溶液の添加によって、水添加量をほぼ半分の2.2t/hにすることが可能である。
本発明によれば、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でホルムアルデヒドを、全濃度≧65質量%で、一般には−5〜150℃の温度で、好ましくは10〜100℃の温度で、特に好ましくは室温〜50℃まで、固体を生じることなく(固体不含)含有する水性ホルムアルデヒド溶液を提供可能であることが見出された。本発明の目的のために、固体不含であることは、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液中での固体含量が、一般に<1質量%、好ましくは<0.5質量%、特に好ましくは<0.1質量%の固体含量であることを意味する。
高濃度の水性ホルムアルデヒド溶液中での固体の沈殿は、技術水準において当然とされていたようなポリオキシメチレングリコールの量を減少させることによってではなく、平均鎖長(平均モル質量で算定されたもの)を減少させることによって回避できることが見出された。この方法において、このような高濃度のホルムアルデヒド溶液において、固体の沈殿が通常生じるような温度であってさえも、適切な化合物との反応を実施するための十分な時間において安定(固体の沈殿がない)な、高濃度の水性ホルムアルデヒド溶液を提供することができる。
本発明の目的のために、水性ホルムアルデヒド溶液は、少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも10質量%の水を含有するホルムアルデヒド溶液である。
本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、好ましくは、一般には−5〜180℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは室温〜50℃の温度で、すなわち、通常のホルムアルデヒドを含む反応を実施する温度で、少なくとも1分、好ましくは5分、特に好ましくは1時間に亘って、固体の沈殿を生じないことを示す。
したがって、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、適切な化合物との任意の反応が挙げられた時間内で生じるように使用することができる。
さらに、本発明による溶液において有利であるのは、高い全ホルムアルデヒド濃度であっても、少ない蟻酸濃度を示すことである。商業的に入手可能な49質量%濃度のホルムアルデヒド溶液では(安定化剤として1.0〜2.0質量%のメタノールを含むもの)、pH値は通常50℃で3.0〜3.5である。たとえば65質量%といった高い濃度のホルムアルデヒドを含有する本発明による溶液は、明らかに高いpH値を示し(たとえば、4.0〜6.0)、したがって、蟻酸量はわずかである。
固体の沈殿を減少させるために、化学反応において干渉しうる安定化剤の使用は、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液の場合には必要不可欠ではない。しかしながら、安定化剤を使用することも可能である。この場合、任意の安定化剤を使用することができる。安定化剤を使用する場合には、好ましくは、アルコール、特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールならびに尿素およびメラミンから選択した安定化剤を使用する。
ホルムアルデヒドは高い反応性を示すが、この反応性を示す時間は、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液を合成において、特に工業的合成において使用するのに十分な時間である。
したがって、本発明によって、モノマーホルムアルデヒド、メチルグリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドを、≧65質量%、好ましくは≧70質量%、特に好ましくは≧75質量%の全濃度で含有する、高濃度の水性ホルムアルデヒド溶液を提供することが可能である。
本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、水または水を含有する混合物を、好ましくは、一般に、1秒〜5時間、好ましくは5秒〜1時間、特に好ましくは10秒〜30分での急速に除去することで製造される。得られた水性ホルムアルデヒド溶液は、驚くべきことに、かつ技術水準における一般的なコンセンサスと比較して、化学反応に関して十分な時間、一般には少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分、特に好ましくは少なくとも1時間に亘って、固体の沈殿を生じることなく保持することができる。特に、高い温度での老化は必要ではない。温度を上げることは一般にはあまり望ましくない。
本発明による水性ホルムアルデヒド溶液の製造は、以下の工程によって実施される:
水およびモノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドを含む出発混合物5〜65質量%、かつ場合によっては他の成分、たとえば、安定化剤を含有する水性ホルムアルデヒド溶液を、混合物の種々の成分が出発混合物よりも高い濃度で存在する少なくとも2個の画分に分離し、その際、少なくとも2個の画分の少なくとも1個の画分は、出発混合物と比較して水を著しく減少させたものであり、その結果、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドが、≧65質量%、好ましくは≧70質量%、特に好ましくは≧75質量%の全濃度で存在する。
使用された水性ホルムアルデヒド溶液の成分は、本発明による方法において、平衡または非平衡状態であってもよい。
少なくとも2個の画分は、好ましくは、第1画分は一般的な低沸点画分を有するものであり、この場合、これは、モノマーホルムアルデヒドおよびメチレングリコールを含有し、かつ第2画分は、一般に高沸点画分を有するものであり、この場合、これは、水、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールを含有する。第1画分は、さらに、水性ホルムアルデヒド溶液から除去された水を含有している。
本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、適した分離工程によって得られる。
本発明による方法の好ましい実施態様において、分離は、水性ホルムアルデヒド溶液を少なくとも部分的に蒸発させる少なくとも1個の分離工程を含む分離法によって実施され、熱的分離をおこなう。熱的分離は、一段階かまたは多段階で、並流または対流で実施することができる。これは、たとえば、蒸留装置中でおこなうことができる。
本発明による方法の特に好ましい実施態様において、水または水を含有する混合物の除去は急速におこなわれる。その際、分離は、1秒〜5時間、好ましくは5秒〜1時間、特に好ましくは10秒〜30分で実施される。
特に好ましくは、少なくとも部分的蒸発は、単一工程の蒸発の形でおこなわれる。蒸発装置としては、たとえば、自然対流型蒸発器、強制循環型蒸発器、上昇膜型蒸発器、薄膜型蒸発器および流下膜型蒸発器、ならびに撹拌容器が適している。好ましくは、本発明による方法において、膜型蒸発器を使用する。適した膜型蒸発器は、たとえば、EP−A1063221で開示されている。これは、薄膜型蒸発器である。さらに、本発明においては流下膜型蒸発器が好ましい。
さらに好ましい実施態様において、少なくとも部分的に、蒸発は、ヘリカルチューブ型またはコイルチューブ型蒸発器中で実施する。適したヘリカルチューブ型またはコイルチューブ型蒸発器は、Chem.Ing.Tech.68(6)、1996、第706頁〜第710頁およびChem.Ing.Tech.42(6)、1970、第349頁〜第354頁において開示されている。ヘリカルチューブ型またはコイルチューブ型蒸発器を使用する場合には、出発溶液を、圧力下でプレヒーターに供給して加熱し、その後に減圧して蒸気を形成する。その後に溶液を濃縮して、後続の加熱されたヘリカルチューブ中で最終生成物にする。
特に好ましくは、本発明による方法において、薄膜型蒸発器、ヘリカルチューブ型またはコイルチューブ型蒸発器および流下膜型蒸発器から選択される膜型蒸発器を使用する。
さらに、少なくとも部分的に、蒸発は、塔、好ましくは反応塔中でおこなうことが可能である。たとえば、商業的に入手可能なホルムアルデヒド溶液を、一般に−5〜150℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは室温〜50℃で、反応塔中で減圧し、好ましくは圧力を著しく減少させることによって、ホルムアルデヒドの高いホモログが溶液中に維持され、かつモノマーホルムアルデヒド、水および場合によってはメチレングリコールが蒸発する。この蒸発方法において、温度は圧力に依存する。圧力は、一般には1ミリバール〜40バール、好ましくは10ミリバール〜11バール、特に好ましくは50ミリバール〜1バールである。
同様に、ホルムアルデヒド溶液から水を、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールに対しての不活性であるか、あるいはほぼ反応しない化合物と水との化学反応によって、たとえば、水が消費される反応によって除去することも可能である。たとえば、反応蒸留工程も可能である。
蒸留を含む前記分離方法の他に、少なくとも部分的な水の除去のために、吸着方法も使用することができ、すなわち、この方法は、吸着によって分離を達成するものである。モレキュラーシーブを用いて、好ましくは、3〜10オングストロームの孔径を有するモレキュラーシーブを用いての乾燥が特に有用である。抽出工程はあまり適していない。試験された結晶化工程では、この工程が適していないことが証明されている。
本発明による方法の一つの実施態様において、膜型蒸発器中で、低沸点成分の急速な蒸発がおこなわれる。
図1は本発明による方法のフローチャートを示す図である。
ホルムアルデヒドを含有する水性粗溶液4、たとえば、市販の20〜55質量%濃度の水性ホルムアルデヒド溶液を、供給管路を介して導入する。この溶液は、一般的ではあるが相互の化学平衡においては必要ではない複数個の化合物、すなわち、水、モノマーホルムアルデヒド(HCHO)、メチルグリコール(CH(OH))を含有し、この場合、これらはホルムアルデヒドから、水と反応させることによって得られ、かつ、ポリオキシメチレングリコール(HO(CHO)H、その際、n=2〜30)は、メチレングリコールの縮合によって形成されるものである。
この粗溶液4を、膜型蒸発器1に供給する。この場合、好ましくは、水の急速な除去によって、望ましい留分5(本発明による水性ホルムアルデヒド溶液)と残りの留分6(低沸点留分、すなわち、モノマーホルムアルデヒド、場合によってはメチレングリコールおよび水を含有する)とを分離する。その後に、これらの望ましい留分(本発明による水性ホルムアルデヒド溶液)を、その後に、一般には主要反応系2に供給し、この場合、これらは、さらに出発材料9と反応させ、生成物10を形成する。
残りの留分6は、多くの場合において、全工程の他の箇所においてさらに使用することができる。この場合において、装置/流3、7、8は不必要にある。特に、残りの留分6は、メタノールからホルムアルデヒドを製造するための通常の方法において、吸着器中でスクラビングのための液体として使用することが有利であり、その後に、有利にはスクラビングのための水と置換する。残りの留分6は、前記に示すように他の箇所で使用しない場合には、図1において示された工程が適切である。この場合、留分6は分離装置3に供給され、その際、水は、適した方法で(たとえば、蒸留または抽出によって)除去される(排水器8)。このようにして得られた溶液7は、供給された粗溶液4と一緒に混合し、かつ再度、膜型蒸発器1に導入する。分離装置1においては短い滞留時間が有利である一方で、分離装置3の場合には滞留時間は重要ではない。一般に、工業的蒸留の場合に生じる滞留時間(数分〜数時間)が適している。実際には、さらに長い滞留時間が好ましい。装置1と3との間、あるいは3と1との間に貯蔵容器(流6または7)を挿入することは必ずしも、必要ではない。
装置1における熱処理の適切な処理条件は、一般には5℃〜150℃、好ましくは10℃〜100℃の温度であり、かつ一般には、0.1ミリバール〜40バールの絶対圧である。膜型蒸発器を使用する場合には、大気圧下で20〜100℃の温度が特に好ましい。EP−A−1063221で開示された薄膜型蒸発器の他に、蒸発器表面上の液状膜に対する機械的作用のない、膜型蒸発器を使用することができる。このような流下膜型または下降流(falling flow)蒸発器の伝熱表面は、管状または平板状で形成されている。膜型蒸発器の種々の操作様式は、EP−A0063221またはChem.Ing.Tech.42(6)、1970、第349頁〜第354頁において、およびChem.Ing.Tech.68(6),1996,第706頁〜第710頁に記載されている。
一段階または多段階での蒸発、たとえばフラッシュ蒸発によって蒸発装置中で分離する場合には、一般には50〜180℃、好ましくは>100〜180℃の温度、一般には0.2バール〜10バールの圧力が適しており、これにより、好ましく水の急速な除去が達成される。
吸着方法による水の除去は、一般は5〜100℃、好ましくは20〜70℃、最も好ましくは室温で、好ましくは大気圧〜8バールで、特に好ましくは大気圧で実施する。
本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、多くの使用可能性を有している。原則として、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、水性ホルムアルデヒド溶液は要求される任意の工程において使用される。このような使用は、著しい方法の変更を必要とせず、簡単に、従来使用されていたホルムアルデヒド溶液と置換することができ、減少した水添加量の利点を得ることができる。
したがって、本発明の他の対象は、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと反応性の化合物(ホルムアルデヒド自体を含む)との、モノマー、オリゴマーおよびポリマーの反応生成物の製造方法であり、その際、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液を使用する。
モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと反応する好ましい化合物は以下の群から選択される:
●アミノ基含有化合物、この場合、シッフ塩基を形成するか、あるいはマンニッヒ反応をおこなう。例えば、アミンと本発明による水性ホルムアルデヒド溶液および水素と反応させることによってメチルアミンが形成される。アンモニアの使用によって、ヘキサメチレンテトラミンを製造することが可能であり、かつ塩化アンモニウムとの反応によって、モノメチルアミン、ジメチルアミンまたはトリメチルアミンおよび蟻酸を、反応条件とは無関係に形成する。本発明による水性ホルムアルデヒド溶液とアンモニアおよびケトンとの反応によって、イミダゾールを製造することができる。尿素との反応によっては、モノトリメチロール尿素、ジメチロール尿素およびトリメチロール尿素が得られ、その一方で、メラミンとの反応によって、メチロールメラミンが形成され、その際、メラミン樹脂は、メラミンと本発明による水性ホルムアルデヒド溶液との重縮合によって形成される。
●ジオール、この場合、これは、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液との反応によって環状エーテル、たとえば、グリコールと本発明による水性ホルムアルデヒド溶液とからジオキソランを形成する;さらにアルコール、チオール、カルボン酸を含む。
●アルデヒド(ホルムアルデヒド自体を含む)、この場合、これは、アルドール反応によって多価アルコール、たとえば、糖、ペンタエリトリット、トリメチロールプロパンおよびネオペンチルグリコールを形成する。
●マロネートまたはケトン(ならびに第1アルデヒド)、これらはCH−基をカルボニル基の隣りに有するものであって、この場合には、二重結合が形成される。
●ヒドロキルアミン、ヒドラジンまたはセミカルバジド、この場合、これらは、ホルムアルデヒドオキシムおよび相応してヒドラゾンまたはセミカルバゾンを形成する。
●アセチレン、この場合、これらは、レッペ−付加反応中で、2−ブチン−1,4−ジオールを形成し、さらにブタンジオールに水素化することができる。
●芳香族化合物、たとえばベンゼン、アニリンまたはトルイジンであり、この場合、これらは、相応してジフェニルメタン誘導体、たとえばジアミノジフェニルメタン(MDA)を形成する。
●オレフィン、この場合、これらは、酸触媒プリンス−反応(Prins reaction)によってα−ヒドロキシメチル化合物を形成することが可能である。
これらの場合において、芳香族化合物およびオレフィンはそれぞれ、挙げられた官能基に加えてか、あるいはその代わりに、他の官能基を有するかまたは官能基を有していなくてもよい。
他の重要な反応は、ホルムアルデヒドの三量化であり、トリオキサンが形成される。この場合、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液は、1個の反応器中で、酸触媒の存在下で反応させる。トリオキサン−ホルムアルデヒド−水混合物を分離し、濃縮し、かつこれからトリオキサンを、不活性溶剤を用いて抽出する。この水/ホルムアルデヒド−留分は、工程の開始点に再循環させる。本発明による水性ホルムアルデヒド溶液の使用は、高濃度および低含水量であるためにこの反応においては特に有利であり、それというのも、この方法においては、水を蒸発させるための多くのエネルギーを必要としないためである。
ホルムアルデヒドまたは環状エタノール、たとえば1,3,5−トリオキサンの重合は、ポリオキシメチレン(POM)を形成する。トリオキサンと環状エーテル、たとえばエチレンオキシドとの共重合によって、改質化されたPOMsの形成が導かれる。このようなPOMsは、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液からの気相重合、沈殿重合、溶液重合または塊重合によって製造することができる。
本発明による水性ホルムアルデヒドと尿素、メラミン(例えば前記)、ウレタン、シアンアミド、芳香族スルホンアミド、アミンおよびフェノールと一緒に縮合することによって、多くの合成ポリマー(合成樹脂)を製造することができる。
さらに、グリコール酸を、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液とCOとから製造することができる。ヒドロシアン酸と本発明による水性ホルムアルデヒド溶液とを反応させることによって、グリコールニトリルを製造することができる。
これらの列記は排他的なものではない。有機化学および技術化学の教科書(たとえば、Ulmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6. Eidition, 2000 electronic release, Schichwort: Formaldehyde; Kap.3 (Chemical Properties) または、J. Frederic Walker “Formaldehyde”/American Chemical Society monographs series 1964)に、他の反応例が挙げられている。しかしながら、この列記は、単に、有機合成のすべての分野における構成単位としての、ホルムアルデヒドの工業的重要性について例証しているにすぎない。これらは、医薬または農薬分野における小さいトン数(tonnage)の中間体、たとえばオキシム、およびジフェニルメタン誘導体のような大きいトン数の生成物の双方に適用される。
したがって、本発明の他の対象は、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液を、合成ポリマー製造のため(たとえば、合成樹脂、アミノ樹脂)であり;肥料製造のため;多くの有機化合物合成のため(たとえば、ヘキサメチレンテトラミン、多価アルコール、たとえばペンタエリトリット、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジフェニルメタン誘導体、オキシム、環状エーテル、トリオキサンおよびブチンジオール、α−ヒドロキシメチル化合物、グリコールニトリル);染料の製造(たとえば、フクシン);木材用接着剤(wood glues)、たとえばフェノールホルムアルデヒド樹脂中、およびポリオキシメチレンおよび改質化ポリオキシメチレンの製造のために使用することを提供する。
前記に示されたすべての製造方法において、本発明による水性ホルムアルデヒド溶液の使用が可能である。従来使用されていた水性ホルムアルデヒド溶液を使用した場合と比較して、水添加量が著しく減少し、それによって、空時収量は増加し、かつ資本経費は、小さい装置の使用によって減少した。生じる廃水量が減少し、エネルギーの削減が、水の熱的除去において達成された。
本発明は以下の実施例によってさらに説明される。
実施例
薄層蒸発器中での高濃度のホルムアルデヒド溶液の製造
供給管路を介して、30質量%のホルムアルデヒド−粗溶液を20℃で供給した。
図2は、高濃度のホルムアルデヒド溶液を製造するための膜型蒸発器の実験規模での配置を示した。
例1
77質量%濃度のホルムアルデヒド溶液の製造
Figure 0004371815
例2
69質量%濃度のホルムアルデヒド溶液の製造
Figure 0004371815
本発明による方法のフローチャート図。
本発明による高濃度のホルムアルデヒド溶液を製造するための膜型蒸発器の実験配置を示す図。
符号の説明
1 膜型蒸発器、 2 主要反応系、 3 分離装置(任意)、 4 粗溶液、 5 好ましい留分(本発明による水性ホルムアルデヒド溶液)、 6 残りの留分(低沸点留分)、 7 再循環された溶液(任意)、 8 搬出流(任意)、 9 出発材料、 10 生成物、 11 フロー調節器およびディスプレイ、 12 ディスプレイおよび記録機を含む計量器、 13 はかり1、 14 容器1、 15 ポンプ1、 16 膜型反応器、 17 ディスプレイ、記録機および調節器を含む温度測定点、 18 ディスプレイ、記録機および調節器を含む圧力測定器、 19 ディスプレイ、記録機および調節器を含む温度測定点、 20 容器2、 21 ディスプレイおよび記録機を含む充填レベル測定器、 22 ポンプ2、 23 ディスプレイおよび記録機を含む分析装置、 24 熱交換器1、 25 はかり2、 26 容器3、 27 ディスプレイおよび記録機を含む計量計、 28 熱交換器2、 29 容器4、 30 ディスプレイおよび記録機を含む充填レベル測定器、 31 ポンプ3、 32 はかり3、 33 容器5、 34 ディスプレイおよび記録機を含む計量計、 35 熱交換器3、 36 真空ポンプ1

Claims (10)

  1. モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形で、全濃度x≧65質量%でホルムアルデヒドを含有する、水性ホルムアルデヒド溶液において、ポリオキシメチレングリコールの平均モル質量
    Figure 0004371815
    が、ホルムアルデヒド濃度の関数として、式(I)
    Figure 0004371815
    [式中、
    Figure 0004371815
    は平均モル質量を示し、
    xは、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドの全濃度を質量%で示す(全ホルムアルデヒド濃度)]により得られる値と同じかまたはそれを下廻り、
    その際、水性ホルムアルデヒド溶液は、少なくとも10質量%の水を含有する、水性ホルムアルデヒド溶液。
  2. 固体の沈殿が、少なくとも5秒に亘って生じない、請求項1に記載の水性ホルムアルデヒド溶液。
  3. 溶液が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、尿素およびメラミンから選択された安定化剤を含む、請求項1または2に記載の水性ホルムアルデヒド溶液。
  4. モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドの出発混合物 5〜65質量%、および場合により他の成分、たとえば安定化剤を含有する水性ホルムアルデヒド溶液を、一段階の熱的分離によって、少なくとも部分的に蒸発させ、出発混合物と比較して混合物の種々の化合物が増加した少なくとも2個の画分にし、その際、その少なくとも2個の画分中の少なくとも1個は、出発混合物と比較して水が減少しており、それによって、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドが、これらの画分中に、全濃度≧65質量%で存在し、その際、分離後に、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールの形でのホルムアルデヒドが、全濃度≧65質量%で存在する画分についての、高められた温度での老化をおこなわないことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の水性ホルムアルデヒド溶液を製造するための方法。
  5. 分離を1秒〜5時間でおこなう、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも部分的な蒸発を、膜型蒸発器中でおこなう、請求項4または5に記載の方法。
  7. 少なくとも部分的な蒸発を、反応塔中でおこなう、請求項4または5に記載の方法。
  8. 熱的分離を、10〜150℃の温度でおこなう、請求項4に記載の方法。
  9. モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと反応性の化合物(ホルムアルデヒド自体を含む)との、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの反応生成物を製造するための方法において、請求項1から3までのいずれか1項の水性ホルムアルデヒド溶液を使用することを特徴とする、モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと、これらと反応性の化合物(ホルムアルデヒド自体を含む)との、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの反応生成物の製造方法。
  10. モノマーホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび/またはポリオキシメチレングリコールと反応性の化合物を、アミノ基含有化合物;アルコール;チオール;カルボン酸;ジオール;アルデヒド(ホルムアルデヒド自体を含む);マロネート;ケトン;ヒドロキシアミン、ヒドラジン、セミカルバジド;アセチレンおよびそれぞれの場合において挙げられた官能基に加えてか、あるいはそれに代えて、他の官能性基を有するか、あるいは官能基を有していなくてもよい、芳香族化合物およびオレフィンから成る群から選択する、請求項9に記載の方法。
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