JP4372902B2 - グル検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は製本の技術分野に属する。特に、製本の際に、表紙と中身の天地を誤ってくるんだクルミ本であるグルを検知する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
無線綴製本機(上製綴製本機)においてクルミ本の中身(本文)を供給するときにその天地の誤りを検知するグル検知装置がある。このタイプのグル検知装置は中身の背印(背部の目印)に基づいて良否判定を行う。折丁の順序が見分け易いように折丁の背になる部分には書名や折りの順序を示す数字が刷り込まれている(背丁)。また、落丁、乱丁、取込等を発見し易いように折丁の背になる部分には正しく丁合した場合に斜線に並ぶような位置に目印が刷り込まれている(背標)。中身の背部には、この背丁、背標による特徴的な背印が存在するから、たとえば、天地の誤りによって濃淡が変化する部位を光学的なセンサで検出し、それに基づいて天地の誤りを検知することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のグル検知装置は、中身の背部に存在する背印の濃淡を検出するため、背印が現れにくく安定しない綴じ方(たとえば、あじろ綴じ)であると背印の濃淡を検出することができない。また、カラー印刷物で背印がカラーであると背印の濃淡を検出することが困難である。すなわち、上述のグル検知装置は使用できなかったり、使用できても誤動作が非常に多く生産阻害となるという課題がある。
【0004】
また、上述のグル検知装置は中身グル(本文グル)の検知装置であって表紙グルの検知装置ではない。一般的な無線綴製本機においては無線綴は丁合からの連続工程となっている関係で完全な中身グルはまず起きることはない。ただし、綴り仮製本の投げ込み作業では中身グルの検知装置は重要である。一方、表紙は無線綴製本機においてオペレータによって供給され、しかも一度に多くの表紙を供給することができる。そのため、発生頻度が小さくても大量の表紙グルが発生することとなる。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものである。その目的は、中身の背部に存在する背印の有無や状態に影響されるため高い信頼性を得ることができない従来のグル検知装置の問題点を解消することにある。すなわち、クルミ本の表紙の天地の誤りを高い信頼性で検知することができるグル検知装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決する手段】
上記の課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、本発明の請求項1に係るグル検知装置は、無線綴製本機において表紙を中身にくるみクルミ本と成した後にそのクルミ本の表紙を撮像する撮像手段と、撮像手段によって得られる撮像画像の内の所定の判定領域における所定の色の面積を演算する色面積演算手段と、色面積演算手段によって演算された面積に基づいて前記クルミ本の表紙の向きの適否を判定する判定手段を備えるようにしたものである。本発明によれば、クルミ本の中身ではなく、それよりも画像が安定している表紙の撮像画像に基づいて適否の判定が行われる。また、表紙の撮像画像の内の、天地の誤りによって大きく画像の形状および/または色が変化するような所定の判定領域における所定の色の面積に基づいて適否の判定が行われる。したがって、クルミ本の表紙の天地の誤りを高い信頼性で検知することができるグル検知装置が提供される。
【0007】
また本発明の請求項2に係るグル検知装置は、無線綴製本機において表紙を中身にくるみクルミ本と成した後に、そのクルミ本の表紙を撮像し撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段の撮像領域を照明する照明手段と、前記撮像信号を入力してディジタルデータに変換し撮像画像を得るA/D変換(analog-to-digital converting)手段と、前記撮像画像の内部において判定領域を設定する判定領域設定手段と、前記判定領域における表示色の内から指定色を設定する指定色設定手段と、前記指定色に基づいて前記判定領域から指定色領域を抽出する指定色領域抽出手段と、前記指定色領域の画素数を計数し指定色領域数を出力する指定色領域数計数手段と、判定基準となる表紙の前記指定色領域数である基準指定色領域数と、判定対象となる表紙の前記指定色領域数である検査対象指定色領域数とを比較して前記表紙の向きの良否判定出力を行う良否判定手段と、を有するようにしたものである。
【0008】
本発明によれば、無線綴製本機において表紙を中身にくるみクルミ本と成した後に、撮像手段によりそのクルミ本の表紙が撮像され撮像信号が出力され、照明手段により撮像手段の撮像領域が照明され、A/D変換手段により撮像信号が入力されディジタルデータに変換され撮像画像が得られ、判定領域設定手段により撮像画像の内部において判定領域が設定され、指定色設定手段により判定領域における表示色の内から指定色が設定され、指定色領域抽出手段により指定色に基づいて判定領域から指定色領域が抽出され、指定色領域数計数手段により指定色領域の画素数が計数され指定色領域数が出力され、良否判定手段により判定基準となる表紙の指定色領域数である基準指定色領域数と、判定対象となる表紙の指定色領域数である検査対象指定色領域数とが比較され表紙の向きの良否判定出力が行われる。本発明によれば、クルミ本の中身ではなく、それよりも画像が安定している表紙の撮像画像に基づいて適否の判定が行われる。また、表紙の撮像画像の内の、天地の誤りによって大きく画像の形状および/または色が変化するような所定の判定領域における所定の色の面積に基づいて適否の判定が行われる。したがって、クルミ本の表紙の天地の誤りを高い信頼性で検知することができるグル検知装置が提供される。
【0009】
また本発明の請求項3に係るグル検知装置は、請求項2に係るグル検知装置において、前記クルミ本はベルトコンベアに載せられて搬送されており、前記クルミ本が所定の位置に到達したことを検出して到達信号を出力する到達検出手段を有し、前記撮像手段は前記到達信号に同期して前記撮像を行うようにしたものである。本発明によれば、ベルトコンベアに載せられて搬送されるクルミ本がグル検知の対象される。
また本発明の請求項4に係るグル検知装置は、請求項2または3に係るグル検知装置において、前記照明手段が照明し前記撮像手段が撮像を行う前記撮像領域を設定する撮像領域設定手段を有するようにしたものである。本発明によれば、撮像領域の設定を適正に行うことができる
また本発明の請求項5に係るグル検知装置は、請求項2〜4のいずれかに係るグル検知装置において、前記良否判定出力を入力して不良品と判定されたクルミ本を良品とは区分して排出する不良品区分排出手段を有するようにしたものである。本発明によれば、表紙グルの不良品は良品とは区分して排出される。
また本発明の請求項6に係るグル検知装置は、請求項2〜5のいずれかに係るグル検知装置において、前記良否判定出力を入力して判定が不良品の場合に警報出力を行う警報出力手段を有するようにしたものである。本発明によれば、表紙グルの不良品を検知すると警報が出力される。
また本発明の請求項7に係るグル検知装置は、請求項2〜6のいずれかに係るグル検知装置において、前記良否判定出力を入力して不良品の判定が所定回数連続する場合に前記無線綴製本機の運転を停止するための停止信号の出力を行う停止信号出力手段を有するようにしたものである。本発明によれば、表紙グルの不良品を連続して検知すると無線綴製本機の運転が自動停止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について実施の形態により説明する。まず、本実施形態のグル検知装置の全体像について説明する。本実施形態のグル検知装置の構成の一例を図1に絵図で示す。また、本実施形態のグル検知装置の無線綴製本機における設置の一例を図2に、無線綴部の構成の一例を図3に絵図で示す。図1において、1は撮像手段、2は照明手段、3はグル検知装置の本体、4は警報手段、5は到達検出手段、6は撮像領域設定手段、7は操作入力手段、31はディスプレイモニター、32は異常復帰ボタンスイッチ、33は機械停止ボタンスイッチ、34は設定/運転切替スイッチ、100a,100b,100cはクルミ本、104はレイダウンコンベアである。また、図2において、101は丁合機、102はバインダー、103はカバーフィーダ、104はレイダウンコンベア、105はグル検知位置、106は不良品排出手段、107は三方断裁機である。図3において、201はバイブレータ部、202はミーリング部、203はサンディング部、204はラフニング部、205はブラッシング部、206は背糊付部、207は横糊付部、208は表紙フィーダ、209は表紙クルミ同調部、210はプレス部、211はバインダー出口、211はレイダウン部である。
【0011】
撮像手段1はCCD(charge coupled device )等のエリアセンサと結像光学系を有するカメラ(撮像装置)である。撮像手段1は無線綴製本機において表紙を中身にくるみクルミ本と成した後に、その表紙を撮像して撮像信号を出力する。図1、図2、図3に示す一例において、クルミ本100a,100b,100cは、レイダウンコンベア104の上に間隔をあけて寝かせ置かれて流れるように搬送される。このレイダウンコンベア104は、カバーフィーダ103の下流、不良排出手段106の上流に設けられている。このレイダウンコンベア104の直近にグル検知位置105が設けられている。撮像手段1は、このグル検知位置105において、クルミ本100a,100b,100cの撮像を行う。
【0012】
照明手段2は撮像手段1の撮像領域を照明する。照明手段2にはリング形状の蛍光灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、等やそれらに光ファイバーや反射鏡を組み合わせた周知の照明装置を使用することができ特に限定はない。グル検知位置105における特殊な条件、たとえば外光の変動等が存在する場合がある。撮像に悪影響が生じないように、遮光や十分な照度が得られるようにする等の処置は当然の設計事項である。
【0013】
本体3は撮像手段1の撮像信号を入力し演算を行って良否判定を行う部分である。本体3は、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、専用演算装置、等のデータ処理装置のハードウェアとソフトウェアによって構成することができる。図1に示すように、本体3のパネルには、ディスプレイモニター31、異常復帰ボタンスイッチ32、機械停止ボタンスイッチ33、設定/運転切替スイッチ34、等が付属している。本体3の構成と動作については詳細を後述する。
【0014】
警報出力手段4は本体3の良否判定データを入力する。そして、良否判定データが不良品を示す場合、すなわちグルを検知した場合に警報を出力する。警報出力手段4はブザーとそれに供給する電源のON/OFFを行うリレー回路、等により構成することができる。
【0015】
到達検出手段5はレイダウンコンベア104に載せられて搬送されているクルミ本100a,・・・が、所定の位置に到達したことを検知して到達信号を出力する。所定の位置とは、通常は、撮像領域にクルミ本が収まる位置である。到達検出手段5は、投光部と受光部とを有する反射型または透過型の光スイッチ、等により構成することができる。
【0016】
撮像領域設定手段6は前述の照明手段2が照明し撮像手段1が撮像を行う撮像領域を設定する。図1に示す一例においては、リング状の蛍光灯を有する照明手段2のリングの中央に存在する孔を通して撮像手段1が撮像を行う構成となっており、撮像手段1と照明手段2とは一体となっている。撮像領域設定手段6は、その一体となっている撮像手段1と照明手段2とを、レイダウンコンベア104の上方の空間において、所定の位置に移動可能かつ固定可能に支持する。図1に示すように、撮像領域設定手段6は、撮像手段1を支持するハンドル付きのステージと、そのステージを一端において支持するアームと、テーブルに固定して設けられアームの他端を固定または自由にするレバー付きの支持部材とによって構成される。
【0017】
操作入力手段7は、グル検知機を操作するための入力をオペレータが行うグル検知機の部分である。主として、判定領域、指定色、等の設定入力において使用される。
【0018】
ここで、本実施形態のグル検知装置を適用する無線綴製本機について、簡単に説明しておく。前述したように図2に一例を示す製本機において、製本機は丁合機101、バインダー102、カバーフィーダ103、レイダウンコンベア104、不良品排出手段106、三方断裁機107、等を連結した構成を有する。グル検知位置105はレイダウンコンベア104の近傍にある。丁合機101は折丁を各折の順番に揃えて1冊分づつまとめる動作を行う。
【0019】
バインダー102およびカバーフィーダ103は、すなわち無線綴部は、図3により詳しい絵図が示されている。図3において、バイブレータ部201は1冊分づつまとめられた折丁の背部分の位置を揃えて背部分を平らにする。ミーリング部202は背部分を切り削る。サンディング部203はミーリングした背部分を仕上げる。ラフニング部204はガリを入れる。ブラッシング部205は背部分に付着し紙粉を除去する。背糊付部206は荒び出しを行った背部分に糊(ホットメルト系の接着剤)を塗工する。横糊付部207は中本ノド元へ糊を塗工する。
【0020】
表紙クルミ部207は表紙を供給する。表紙くるみ同調部209はその表紙とまとめられた1冊分の折丁(「中身」という)とを同調させて所定の位置においてくるみ貼り合わせる。プレス部210は貼り合わせた後の背部分を押圧して密着し糊付けを完全にするとともに成形しクルミ本と成す。このクルミ本はバインダー出口211より排出され、レイダウン部212によって寝かせ置かれ移送される。
【0021】
レイダウンコンベア104上のクルミ本はグル検知位置105においてグル検知装置によってグル検知が行われる。さらに、コンベアによって搬送され、不良排出手段106に至り、そのクルミ本が不良品、すなわちグルである場合には不良排出手段106において不良品スタックに排出される。そのクルミ本が良品である場合には三方断裁機107に至り、三方断裁機107において化粧断ちが行われ、良品スタックに排出される。
【0022】
次に、本実施形態のグル検知装置におけるデータ処理について説明する。本実施形態のグル検知装置におけるデータ処理手段の構成の一例を図4にブロック図で示す。図4において、1は撮像手段、2は照明手段、4は警報出力手段、5は到達検出手段、6は撮像領域設定手段、71は判定領域設定手段、72は指定色設定手段、104はクルミ本搬送手段(レイダウンコンベア)、106は不良品排出手段、108は良品排出手段、301はA/D変換手段、302は画像記憶手段、303は指定色領域抽出手段、304は指定色領域数計数手段、305は基準指定色領域数記憶手段、306は検査対象指定色領域数記憶手段、307は良否判定手段、308は停止信号出力手段である。
【0023】
また、本実施形態のグル検知装置におけるデータ処理過程を図5、図6にフロー図で示す。図5(A)はグル検知における全体のデータ処理過程のフロー図であり、グル検知の過程は、大別してステップS1の設定過程とステップS2の運転過程とから構成されることを示している。図5(B)はステップS1の設定過程の細部の過程を示しており、図6はステップS2の運転過程の細部の過程を示している。
【0024】
図4、図5、図6に基づき、本実施形態のグル検知装置におけるデータ処理について説明する。すでに、無線綴製本機において製本が進行中か、休止中においてすでにでき上がったクルミ本を手挿入する、等により、クルミ本はクルミ本搬送手段(レイダウンコンベア)104によってグル検知位置105に搬送されるものとする。まず、設定過程におけるステップS101(撮像領域設定)において、オペレータは、設定/運転切替スイッチを設定とする。また、搬送されるクルミ本における適正な領域の撮像が行われるように、撮像領域設定手段6において撮像手段1と照明手段2の位置を調節して撮像領域を設定をする(図1とその説明参照)。撮像手段1の撮像領域は照明手段2によって照明が行われる。このとき、到達検出手段5との位置関係が考慮されるが、必要に応じて到達検出手段5の位置設定も行う。
【0025】
次に、ステップS102(基準画面登録)において、到達検出手段5は搬送されているクルミ本が撮像領域に到達したことを検知して到達信号を出力する。撮像手段1は到達信号を入力し、その到達信号に同期して撮像を行うことにより、クルミ本の表紙を撮像し撮像信号を出力する。A/D変換(analog-to-digital converting)手段301は、アナログ信号である撮像信号をディジタルデータに変換して撮像画像を生成する。その撮像画像は画像記憶手段302に記憶される。オペレータは本体3のモニタ31(図1参照)に画像記憶手段302に記憶されている撮像画像を表示する指示入力を操作入力手段7から行い、撮像画像に不備な点、たとえば撮像範囲が不適切、焦点が合っていない(ピンボケ)、等が存在するか否かを確認する。不備な点が存在する場合には、不備を除く処置を行って繰り返し撮像を行う。不備な点が存在しなければ、次のステップに進む。
【0026】
次に、ステップS103(判定領域設定)において、オペレータはモニタ31に同時表示された撮像画像と判定領域枠とに基づいて判定領域を設定する。すなわち、判定領域枠を操作し適正な位置と寸法が得られたところで判定領域を設定する指示入力を操作入力手段7から行う。判定領域は、一色の面積が大きい絵柄によって充たされ、表紙を反対向きにしたとき同色がないか、同色があっても面積的に大きな差異を有する表紙の領域が適正である。判定領域の設定は判定領域設定手段71において行われ、設定された判定領域のデータは判定領域設定手段71によって記憶される。
【0027】
次に、ステップS104(指定色設定)において、オペレータはモニタ31に表示されている判定領域枠の内側の撮像画像において指定色を設定する。指定色は、表紙を反対向きにしたとき指定色と同色がないか、同色があっても面積的に大きな差異を有する絵柄の部位の色が適正である。指定色を設定すると判定領域における指定色の部分、すなわち指定色領域の面積に相当する画素数の計数が行われる。この計数の過程は次のステップにより行われる。すなわち、まず、判定領域の設定と指定色の設定が行われると指定色領域抽出手段303によって指定色領域が抽出される。次に、指定色領域数計数手段304によって指定色領域数の計数が行われる。その指定色領域数は基準指定色領域数記憶手段305に記憶される。オペレータはその指定色領域の画素数を確認し指定色を設定する参考とすることができる。
【0028】
次に、ステップS105(許容範囲設定)において、オペレータは指定色領域の画素数の許容範囲を設定する。表紙の絵柄濃度や撮像条件の微妙な変動によって良品のクルミ本であっても撮像を行う度に指定色領域の画素数は変動する。許容範囲は、この正常な変動をグルと誤判定するのを防止するためにある。しかし、許容範囲を大きくし過ぎると不良品のクルミ本であっても良品とする誤判定が起きることとなる。したがって、適正な許容範囲を設定する必要がある。許容範囲は、前述の指定色領域の画素数において、上限値と下限値を設定することと同等である。その上限値と下限値は良否判定手段307に記憶される。
【0029】
次に、ステップS106(運転準備)において、設定/運転切替スイッチを運転とする。レイダウンコンベア104において正常な向きにクルミ本を流し、グル検知機において良品判定が行われることを確認する。次に、レイダウンコンベア104において正常とは逆向きにクルミ本を流し、グル検知機において不良品判定が行われることを警報等により確認する。この動作確認において異常がある場合には設定過程をやり直す。異常がなければ、次のステップである「運転」に進む。
【0030】
次に、無線綴製本機の運転が開始され、クルミ本がレイダウンコンベア104によって搬送される。運転過程におけるステップS201(到達検出)において、到達検出手段5は、クルミ本が前述(S102)の所定の位置に到達するのを監視しつづけ、グル検知機は待機状態となっている。そしてクルミ本が所定の位置に到達したことを検出すると到達信号を出力する。
次に、ステップS202(撮像)において、その到達信号に同期して撮像手段1はクルミ本の表紙を撮像する。撮像手段1が出力する撮像信号は、A/D変換手段301によってデジタルデータに変換され撮像画像が得られる。
次に、ステップS203(画像記憶)において、その撮像画像は画像記憶手段302に記憶される。
【0031】
次に、ステップS204(指定色領域抽出)において、指定色領域抽出手段303は、前述(S104)の指定色に基づいて前述の(S103)の判定領域から指定色領域を抽出する。
ここで指定色領域の抽出方法について一例を説明する。たとえば、指定色の原色成分RGB(red,green,blue)に対して上限値と下限値の閾値を設定する。そして、すべての閾値の条件を満たす画素の集合として指定色領域を定義する。同じ色(色相)でも明るさ(明度)が変化するような場合において、明るさの異なる同じ色の領域を抽出する場合には、上限値と下限値の閾値の幅を色相において小さく、明度において大きくする。たとえば、RGB成分に対して、下記の数1により色相(r,g)と明度(l)を演算し、色相(r,g)と明度(l)に対して閾値を設定し、その閾値の条件を満たす画素の集合として指定色領域を定義する。
【数1】
l = R+G+B
r = R/(R+G+B)
g = G/(R+G+B)
【0032】
次に、ステップS205(領域数(面積)計数)において、指定色領域数計数手段304は前述の指定色領域の画素数を計数し指定色領域数を出力する。その指定色領域数は検出対象指定色領域数記憶手段306に記憶される。
【0033】
次に、ステップS206(良否判定)において、良否判定手段307は基準指定色領域数記憶手段305に記憶されている基準画像の指定色領域数と、検出対象指定色領域数記憶手段306に記憶されている検査対象画像の指定色領域数と、良否判定手段307に記憶されている許容範囲(上限値と下限値)とに基づいて、クルミ本の表紙の向きの良否判定出力を行う。その良否判定出力は、図4に示すように、良品排出手段108、不良品排出手段106、警報出力手段4、停止信号出力手段308によって入力される。
【0034】
図2に示す不良品排出手段106(請求項の不良品区分排出手段)は不良品(グル)を製造ラインから除去する装置であり、良品は製造ラインに残り引き続き加工が行われる。図4に示す良品排出手段108と不良品排出手段106とは、このように、一方だけで済ませることもできる。不良品排出手段106、良品排出手段108は良否判定出力を入力すると、その良否判定出力の対象となっているクルミ本がコンベアによって搬送されてそれらの位置に到達するまで、それらの動作を遅延させる。それらの動作はクルミ本の到達と同期する。
【0035】
警報出力手段4は良否判定出力が不良品(グル)の場合には直ちに警報を出力する。この警報は、異常復帰32ボタンスイッチがオペレータによって押される、等により警報解除されない限り出力され続ける。一方、良否判定出力が良品の場合にはそのままの状態を続ける。すなわち、警報出力がある場合には警報出力が続けられ、警報出力がない場合には警報は出力されない。
【0036】
停止信号出力手段308は、良否判定出力を入力して不良品の判定が所定回数連続する場合に無線綴製本機の運転を停止するための停止信号を出力する。この停止信号によって無線綴製本機の運転が停止させられることにより、オペレータがしばらく対応できないような状況下においても不良品の大量発生を防止することができる。
【0037】
次に、ステップS207(終了)において、運転を終了するか否かの判定が行われる。たとえば、オペレータが機械停止ボタンスイッチ33を操作して機械停止を実行した場合には、その操作の後の最初のこのステップにおいて図6に示す運転のデータ処理過程を終了する。そのような終了の指示入力がない場合には上述のステップS201に戻って以降の過程を繰り返す。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に係るグル検知装置によれば、クルミ本の表紙の天地の誤りを高い信頼性で検知することができるグル検知装置が提供される。また本発明の請求項2に係るグル検知装置によれば、クルミ本の表紙の天地の誤りを高い信頼性で検知することができるグル検知装置が提供される。また本発明の請求項3に係るグル検知装置によれば、ベルトコンベアに載せられて搬送されるクルミ本をグル検知の対象とすることができる。また本発明の請求項4に係るグル検知装置によれば、撮像領域の設定を適正に行うことができるまた本発明の請求項5に係るグル検知装置によれば、表紙グルの不良品は良品とは区分して排出することができる。また本発明の請求項6に係るグル検知装置によれば、表紙グルの不良品を検知して警報を出力することができる。また本発明の請求項7に係るグル検知装置によれば、表紙グルの不良品を連続して検知した場合には無線綴製本機の運転を自動停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグル検知装置の構成の一例を示す絵図である。
【図2】本発明のグル検知装置の無線綴製本機における設置の一例を示す絵図である。
【図3】本発明のグル検知装置の無線綴製本機における無線綴部の構成の一例を示す絵図である。
【図4】本発明のグル検知装置におけるデータ処理手段の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明のグル検知装置におけるデータ処理過程を示すフロー図(その1)である。
【図6】本発明のグル検知装置におけるデータ処理過程を示すフロー図(その2)である。
【符号の説明】
1 撮像手段
2 照明手段
3 グル検知装置の本体
4 警報手段
5 到達検出手段
6 撮像領域設定手段
7 操作入力手段
31 ディスプレイモニター
32 異常復帰ボタンスイッチ
33 機械停止ボタンスイッチ
34 設定/運転切替スイッチ
100a,100b,100c クルミ本
101 丁合機
102 バインダー
103 カバーフィーダ
104 レイダウンコンベア
105 グル検知位置
106 不良品排出手段
107 三方断裁機
201 バイブレータ部
202 ミーリング部
203 サンディング部
204 ラフニング部
205 ブラッシング部
206 背糊付部
207 横糊付部
208 表紙フィーダ
209 表紙クルミ同調部
210 プレス部
211 バインダー出口
212 レイダウン部
301 A/D変換手段
302 画像記憶手段
303 指定色領域抽出手段
304 指定色領域数計数手段
305 基準指定色領域数記憶手段
306 検査対象指定色領域数記憶手段
307 良否判定手段
308 停止信号出力手段
Claims (7)
- 無線綴製本機において表紙を中身にくるみクルミ本と成した後にそのクルミ本の表紙を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって得られる撮像画像の内の所定の判定領域における所定の色の面積を演算する色面積演算手段と、
前記色面積演算手段によって演算された面積に基づいて前記クルミ本の表紙の向きの適否を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするグル検知装置。 - 無線綴製本機において表紙を中身にくるみクルミ本と成した後に、そのクルミ本の表紙を撮像し撮像信号を出力する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像領域を照明する照明手段と、
前記撮像信号を入力してディジタルデータに変換し撮像画像を得るA/D変換(analog-to-digital converting)手段と、
前記撮像画像の内部において判定領域を設定する判定領域設定手段と、
前記判定領域における表示色の内から指定色を設定する指定色設定手段と、
前記指定色に基づいて前記判定領域から指定色領域を抽出する指定色領域抽出手段と、
前記指定色領域の画素数を計数し指定色領域数を出力する指定色領域数計数手段と、
判定基準となる表紙の前記指定色領域数である基準指定色領域数と、判定対象となる表紙の前記指定色領域数である検査対象指定色領域数とを比較して前記表紙の向きの良否判定出力を行う良否判定手段と、
を有することを特徴とするグル検知装置。 - 請求項2記載のグル検知装置において、前記クルミ本はベルトコンベアに載せられて搬送されており、前記クルミ本が所定の位置に到達したことを検出して到達信号を出力する到達検出手段を有し、前記撮像手段は前記到達信号に同期して前記撮像を行うことを特徴とするグル検知装置。
- 請求項2または3記載のグル検知装置において、前記照明手段が照明し前記撮像手段が撮像を行う前記撮像領域を設定する撮像領域設定手段を有することを特徴とするグル検知装置。
- 請求項2〜4のいずれか記載のグル検知装置において、前記良否判定出力を入力して不良品と判定されたクルミ本を良品とは区分して排出する不良品区分排出手段を有することを特徴とするグル検知装置。
- 請求項2〜5記載のグル検知装置において、前記良否判定出力を入力して判定が不良品の場合に警報出力を行う警報出力手段を有することを特徴とするグル検知装置。
- 請求項2〜6記載のグル検知装置において、前記良否判定出力を入力して不良品の判定が所定回数連続する場合に前記無線綴製本機の運転を停止するための停止信号の出力を行う停止信号出力手段を有することを特徴とするグル検知装置。
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