JP4375802B2 - 編地の接合方法 - Google Patents
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Description
本出願人は、すでに、接合されて襠が形成される一方の筒状編地が他方の編地に対し垂直となる状態よりも両編地間の間隔が広がる方向に大きな角度で回転させることのできる編地の接合方法を開発し提供している(国際公開第01/88243号パンフレットに示す)。
この接合方法は、接合する二つの筒状編地の双方に同じコースの襠部分を形成しておき、前編地部と後編地部との境界から近い側のループ同士および遠い側のループ同士が重なるように重ね合わせて伏目処理を行うことにより、筒状編地の接合部分に襠を形成する。
この襠を有する編地の接合方法により、身体の動きの自由度が高いニットウェアを提供できるようになった。
ところで、前記した接合方法については、人間の動きを考えると、例えばセーターの場合、前編地の方が後編地よりも襠を大きくする方が、ニットウェアとしての着心地がさらに良くなる。
前編地の襠を後編地よりも大きくするには、前身頃と前袖との接合領域となるウェール数を、後身頃と後袖との接合領域のウェール数よりも多くとる必要がある。
ところが、前後の接合領域のウェール数が異なるようにして、編地の接合を行うと、接合が完了した時点で、襠の少ない側の編地(後身頃)について、ベッドにおける身頃から遠い側の編目の一部が反対側のベッド(前ベッド)に回された状態になってしまう。
即ち、このように前後の接合領域に差がある襠を形成していくと、襠が大きい前編地部は、後編地部の編幅より狭くなっていく。そこで、前後のベッドに係止される編地の幅に差があまり出ないようにするため、後編地部のベッド上の側端ループを反対側のベッド上の側端ループの外側に移動させる回し込み編成を行う。
このように回し込み編成を行うと、襠を形成する前に後ベッドの身頃側から最も離れた針に係止されていたループが前ベッドに移ったままで接合が完了してしまうことになる。そこから身頃と両袖を一つの筒状に編成していくと、もともと後ベッドにあったループは前ベッドに移動したままその上にループが形成されることになる。
ここで、後ベッドにあったループが前ベッドに移されると、ループはねじられた状態で前ベッドの針に移される。その上にループが形成されるとループがねじられたままとなり好ましくない。特に、袖においては、ねじれたループが目に付く箇所に現れてしまい好ましくない。
そこで、ねじりを防止するために、第18図に示すように、襠の形成が終わった時点で、袖については、後編地部の身頃から遠い側端部のループは後ベッドに、前編地の身頃から遠い側端部のループが前ベッドに戻るように、身頃と袖を接合する前に編地を回しておくことが行われる。
第18図(a)は、脇までの編成が終了した状態を示し、点線で示す部分(311a,311b,312a,312b,321a,321b,331a,331b)が前後編地の接合領域を示している。第18図の(b)は、襠の形成を行うために袖について回し込み編成を行った状態を示している。
しかしながら、第18図(b)に示すように予め編地を回しておいて襠を形成する場合、接合領域を接合していく際に、前編地の接合においては、例えば前身頃31aの接合領域312aと接合される左袖33の接合領域は、第18図(a)のときの後編地の接合領域331bと前編地の接合領域331aとになる。
このような状態で接合した場合には、左右の袖32,33の前後編地部の境界部分が、身頃31の前後編地部の境界部分よりも前側に位置ずれが生じてしまう。
そこで、本発明は、襠の接合開始時に前後編地部の境界となる端部のループが他方のベッドに回し込みされていないようにして、編みやすく、かつ、動きやすい襠を有する編地を編成することができる編地の編成方法を提供することを目的とする。
まず、編地の接合工程において、対向するベッドに、前編地部の接合領域と後編地部の接合領域とを、襠の大きい接合領域のループが係止される編針の針数と襠の小さい接合領域のループが係止される編針の針数とが同じ針数の領域で、それぞれの接合領域両端部が対向するように、一方の襠の接合領域のループを針抜き状態で、他方の襠の接合領域のループを総針状態で編針に係止させておく。
その後に、接合する筒状編地の側端に位置する接合領域の最終コースのループともう一方の筒状編地の接合領域の最終コースのループを、前編地部と後編地部の境界から近い側のループ同士および遠い側のループ同士が重なるように重ね合わせて伏目処理して筒状編地の接合部分に襠を形成し、接合した筒状編地に続いて一つの筒状編地を編成する。
さらに、第一編地と第二編地とを接合する場合における接合開始前の工程は、以下の工程で行なうことが好ましい。
1)第一編地の前編地または後編地のいずれか一方の接合領域のループを対向するベッドに目移しする第1工程。
2)前後何れか一方のベッドを左右何れかの方向へラッキングしながら、第二編地について回し込み編成を行い、第一編地については第二編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、第1工程で目移しされた接合領域のループを第二編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第一編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第2工程。
3)第二編地の前編地または後編地のうち第1工程で目移しした接合領域と同じ大きさの接合領域を有する編地において、接合領域のループを対向するベッドに目移しする第3工程。
4)前後何れか一方のベッドを前記第2工程とは逆方向にラッキングしながら、
第一編地について回し込み編成を行い、第二編地については第一編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、第3工程で目移しされた接合領域のループを第一編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第二編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第4工程。
また、第一編地を挟んで第二編地と第三編地をそれぞれ編成し、第一編地と第二編地、第一編地と第三編地を接合する場合における接合開始前の工程は以下の工程を含むことが好ましい。
1)第一編地の第二編地と接合される前後いずれか一方の接合領域のループを対向するベッドに目移しするとともに、第三編地における第一編地で目移しした接合領域と同じ襠の大きさの接合領域のループを対向するベッドに目移しする第1工程。
2)前後何れか一方のベッドを左右何れかの方向へラッキングしながら、
第二編地について回し込み編成を行い、第一編地および第三編地については第二編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、第1工程で目移しされた接合領域のループを第二編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第一編地および第三編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第2工程。
3)第一編地の第三編地と接合される第1工程で目移しした接合領域と同じ大きさの接合領域のループを対向するベッドに目移しするとともに、第二編地における第一編地で目移しした接合領域と同じ襠の大きさの接合領域のループを対向するベッドに目移しする第3工程。
4)前後何れか一方のベッドを第2工程と逆方向にラッキングしながら、第三編地について回し込み編成を行い、第一編地および第二編地については第三編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、
第3工程で目移しされた接合領域のループを第三編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第一編地および第二編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第4工程。
本発明の編地の接合方法は、接合開始前において、前編地部の接合領域と後編地部の接合領域について、襠の小さい接合領域については針抜きでループを針に係止させ、襠の大きい接合領域については総針でループを針に係止させるようにして(部分的に総針にする場合を含む)、対向するベッドの同じ数の針の領域に前後の接合領域のループを係止させることを特徴とする。その結果、接合開始時において、前編地部は常に前ベッドに、後編地部は常に後ベッドに分けて係止させることができる。
このように編成することにより、襠を有する編地の編成が行いやすく、さらに、外観、シルエットも良好なものなる。しかも、接合完了後において、前後の編地部の境界部分にループの捻りが生ずることなく、しかも、接合部分における前後の境界部分も第18図に示すようにずれることなく、ほぼ一致させることができる。
また本発明の接合方法は、筒状編地がタイツやパンツなどの右足部と左足部である場合に適用することができるし、筒状編地がセーターの身頃と左右の袖である場合にも適用することができる。
セーターなどの身頃と袖を有する編地の場合は、前側編地の接合領域を大きくし、また、パンツの場合は、後側の編地の接合領域を大きくすることにより、動きやすいニットウェアを提供できる。
本発明の作用を説明する。例えば、本発明の筒状編地を4枚ベッドで編成する場合、本発明では少なくとも二つの筒状編地を編成する。そして、これら筒状編地を編地の接合工程において、まず、対向するベッドに、襠の大きい接合領域と襠の小さい接合領域とを、それぞれの接合領域両端部を対向させて付属させる。
例えば、筒状編地を総針で編成する場合には、襠の大きい接合領域では隣り合う針にループを係止させ、襠の小さい接合領域では、襠の大きい接合領域のループが係止される編針の針数と同じ針数の領域で、針抜き状態で編針に係止させておく。
また、筒状編地を針抜き編成する場合でも、襠の大きい接合領域では隣り合う針にループを係止させ、襠の小さい接合領域では、襠の大きい接合領域のループが係止される編針の針数と同じ針数の領域で、ループを針抜き状態で編針に係止させておく。
例えば、総針状態から襠の小さい接合領域を針抜きにする方法としては、襠の小さい接合領域のループを対向するベッドに目移ししておいて、ベッドのラッキング動作に伴って回し込みを行いながら針抜き状態にしていく。また、針抜き状態から襠の大きい接合領域を総針にする方法としては、襠の大きい接合領域のループを対向するベッドに目移ししておいて、ベッドのラッキング動作に伴って回し込みを行いながら総針の状態にしていく。
この回し込みの回転方向は、一方の筒状編地において接合領域を針抜きまたは総針状態する場合の回し込みの回転方向と、他方の筒状編地において接合領域を針抜きまたは総針状態にする場合の回し込みの回転方向とを逆にする。
このようにすることにより、一つの筒状編地について回し込みの回転が正逆回転されるので、接合開始前に、前編地部の両側端部のループを前ベッドに、後編地部の両側端部のループを後ベッドに位置させることができる。
4枚ベッド横編機を用いる場合、筒状編地を総針で編成しておいて、襠の小さい側の接合領域のループを針抜き状態となるように針に係止させて、襠の小さい側の接合領域を針抜き状態にして接合を開始する。
また、4枚ベッド横編機を用いる場合、筒状編地を針抜き編成により編成しておいて、襠の大きい側の接合領域のループを総針状態(針抜きにならない状態)となるように針に係止させて、襠の小さい側の接合領域を針抜き状態のまま接合を開始することもできる。
また、2枚ベッド横編機により本発明の接合方法を行う場合には、筒状編地を針抜き編成により編成する。この場合、襠の小さい側の接合領域のループは、2本置きの針抜きとした状態となるように針に係止させて接合を開始することができる。
そして、襠の小さい側の接合領域を針抜き状態にした後に、筒状編地を接合する。接合する筒状編地の側端に位置する接合領域のループともう一方の筒状編地の接合領域のループを、前編地部と後編地部の境界から近い側のループ同士および遠い側のループ同士が重なるように重ね合わせ伏目処理して接合する。
接合の一つの方法としては、接合される側の編地を一方の側端側から他端側に向かい伏目処理する編成と、もう一方の筒状編地の接合領域のループを側端のループから前編地部同士、後編地部同士が重なるように接合領域のループを重ねる編成を並行して行う。この接合方法では接合領域のループ同士を重ねる編成と、伏目処理する編成を並行して行い、前編地部の接合領域の接合と、後編地部の接合領域の接合を独立して行う。
また、もう一つの接合方法では、まず、接合する筒状編地を回し込み編成により反対方向に回転させ、双方の筒状編地の接合領域のループを同じ針ベッド上に係止させる。そして、接合される側の編地を一方の側端側から他端側に向かい伏目処理する編成を行いながら、もう一方の筒状編地の接合領域のループを側端のループから前編地部同士、後編地部同士が重なるように接合領域のループを重ねて接合する。
この接合方法では、接合領域のループ同士を重ねる編成と、伏目処理する編成を並行して行い、前編地部の接合領域の接合と、後編地部の接合領域の接合を一連に行う。
上記の接合方法により筒状編地を接合することで、接合される筒状編地の接合領域のループともう一方の筒状編地の接合領域のループが前編地部と後編地部の境界から近い側のループ同士および遠い側のループ同士が重なるように重ね合わされる。その結果、一方の筒状編地を他方の筒状編地に対し、襠を中心に両編地間の間隔が広がる方向に従来よりも大きな角度まで回転させることが可能となり、着用者の身体の動きに対する自由度が高く、着心地のよいニットウエアとなる。
第2図は、第1図のセーター1の完成図、
第3図は、第3図(a)は第二実施例のパンツに襠を形成する編成ステップ図、第3図(b),第3図(c)は第一実施例のセーターに襠を形成する編成ステップ図、
第4図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第5図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第6図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第7図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第8図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第9図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第10図は、第一実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第11図な、第二実施例において二つの編地を接合して形成されるパンツを示す図、
第12図は、第二実施例による二つの編地の接合を示す編成コース図、
第13図は、第二実施例による二つの編地の接合を示す編成コース図、
第14図は、第二実施例による二つの編地の接合を示す編成コース図、
第15図は、第三実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第16図は、第三実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第17図は、第三実施例による三つの編地の接合を示す編成コース図、
第18図は、従来の筒状編地(セーター)の接合を示す編成コース図の一部であり、接合が完了した状態を示す。
そして、前後下部ベッド間および対向する下部ベッドと上部ベッド間で目移しが可能になっている。本実施例では、後ベッドが前ベッドに対し相対的にラッキング可能な横編機を使用するものとする。
なお、実施例3は、筒状編地を針抜き編成により編成しておいて、襠の大きい側の接合領域のループを総針状態(針抜きにならない状態)となるように針に係止させ、襠の小さい側の接合領域は針抜き状態のままで接合を開始するようにしたものである。
第1図は、本実施例の編地の接合方法により脇部2a,2bに襠3a,3bが形成されたセーター1の展開図および編成工程図であり、第2図はセーター1の完成図である。第2図では、襠3a,3b付近に袖4,5と身頃6のウェール方向を示している。本実施例は、身頃と袖の前編地側の接合領域(ウェール数)と、後編地側の接合領域(ウェール数)の大きさが異なる襠を有する編地の接合方法である。
セーター1は、身頃6の裾ゴム7および左右両袖4,5の袖口8,9から編成が開始され(ステップA)、脇部2a,2bで袖4,5と身頃6の接合を開始するまでの間は、それぞれ独立した筒状の編地として編成される(ステップB)。
袖4,5について、線I−OおよびM−Pまでの編成が完了すると接合工程に移る(ステップC)。接合工程では、右袖4のI−Hと身頃6のi−hを、左袖5のM−Lと身頃6のm−lを接合し、この接合により襠3a,3bが形成される。
本実施例では、右袖4のI−H、身頃6のi−h、左袖5のM−L、身頃6のm−lが接合領域となる。さらに、第1図および第2図には示していないが、身頃と袖の前編地側の接合領域(ウェール数)は、後編地側の接合領域(ウェール数)よりも大きくとっている。
続いて左右の袖4,5と身頃6を一つの筒状の編地として編成しながら、袖4,5を身頃6側に移動させ、右袖4のH−Gと身頃のh−gを、左袖5のL−Kと身頃6のl−kを接合する(ステップD)。
ステップDが終わると、右袖4のG−Fおよび左袖5のK−Jを身頃のg−fおよびk−jと接合する(ステップE)。このステップEでは、袖4,5に対する給糸を終了し、身頃6を適宜コース編成する毎に袖4,5を身頃6側に移動させて袖4,5と身頃6を接合する。
袖4,5と身頃6の接合完了後、衿首用開口10を形成した前身頃6aと後身頃6bを左右の肩部11a,11bで接合しセーター1が完成する。以下接合工程で袖4,5と身頃6を接合して襠3a,3bを形成する実施例1として説明し、パンツの右足部と左足部との接合部分に襠を形成する場合を実施例2として説明する。なお、接合工程以外の編成は公知であるため、接合工程における編成のみを示す。
さらに、本発明は、二つの編地を接合する場合と三つの編地を接合する場合で編成が異なり、第3図を使用しそれぞれの編成方法の概略を説明する。第3図のaは二つの編地、第3図のbとcは三つの編地を接合する編成を示す。
二つの編地の接合では、第一編地21の前部分21aを第二編地22の前部分22a側に移動させて行う編成▲1▼と、第二編地22の後部分22bを第一編地21の後部分21b側に移動させる編成▲2▼を行って襠3a,3bを形成する。編成▲1▼と編成▲2▼は同時に行っても順番に行ってもよい。編成▲1▼と▲2▼を同時に行えばベッドのラッキング回数が少なく済み効率的な編成を行うことができる。
特に、本実施例では、前編地の接合領域と後編地の接合領域の大きさが異なっても、接合開始前に、ベッド上での前後の接合領域が同じ大きさになるように、襠の小さい接合領域のループを針抜きにベッドの針に係止させることにより、前編地部と後編地部の接合領域における総針数の差を解消しているので、編成▲1▼と編成▲2▼を同時に行える。
また、三つの編地の接合では、例えば、第3図のbに示すように、まず、第二編地32の後部分32bを第一編地31の後部分31b側に移動させて行う編成▲1▼と、第三編地33の前部分33aを第一編地31の前部分31a側に移動させて行う編成▲2▼を行う。
次に、第3図のcに示すように、第二編地32の前部分32aを第一編地31の前部分31a側に移動させて行う編成▲3▼と、第三編地33の後部分33bを第一編地31の後部分31b側に移動させて行う編成▲4▼を行う。これら編成▲1▼〜▲4▼を行うことにより襠3a,3bを形成する。
なお、編成▲1▼〜▲4▼は第3図に示すように、▲1▼と▲2▼および▲3▼と▲4▼を並行して行ってもよいし、編成▲1▼〜▲4▼を自由な順番で行うこともできる。編成▲1▼と▲2▼を並行して先に行い、続いて▲3▼と▲4▼を並行して行う場合、或いはその逆に▲3▼と▲4▼を先に行い、続いて▲1▼と▲2▼を行った場合にはベッドのラッキング回数が少なくて済み効率的な編成を行える。
三つの編地の接合の場合も、前編地の接合領域と後編地の接合領域の大きさが異なっても、接合開始前に、ベッド上での前後の接合領域が同じ大きさになるように、襠の小さい接合領域のループを針抜きにベッドの針に係止させることにより、前編地部と後編地部の接合領域における総針数の差を解消することができる。
以下、三つの編地を接合する接合方法として身頃と袖を有するセーターについて第一実施例で、二つの編地を接合する接合方法としてパンツについて第二実施例で説明する。
<第一実施例>
三つの筒状編地を接合して第1図のセーター1に襠3a,3bを形成する編成を第4図〜10の編成コース図を使用して説明する。第一実施例のセーターは、前編地の襠量が後編地の襠量よりも多くなるように、具体的には、前編地の襠量がウェール8本分、後編地の襠量がウェール4本分となる場合である。
そして本実施例は、襠を形成するために、身頃6の編地を一方の側端側から他端側に向かい伏目処理する編成と、身頃6の右脇側の接合領域のループに右袖4の編地の接合領域のループとを側端のループから前編地部同士、後編地部同士が重なるように重ねる編成と、身頃6の左脇側の接合領域のループに左袖5の編地の接合領域のループとを側端のループから前編地部同士、後編地部同士が重なるように重ねる編成とを並行して行う。
さらに、第一実施例では接合領域のループ同士を重ねる編成と、伏目処理する編成を並行して行うが、前編地部の接合領域の接合と、後編地部の接合は独立して行う。即ち、本実施例では上記第3図のb、cの編成▲1▼と▲2▼を並行して先に行い、続いて▲3▼と▲4▼を並行して行う。
第4図から第10図の左端の数字はステップ番号を示し、FUは前上部ベッド、FDは前下部ベッド、BDは後下部ベッド、BUは後上部ベッドを意味する。
第4図に示すステップ1は、襠3a,3bの形成開始前の状態を示している。左側の鎖線3aで囲んだループが襠3aを形成する接合領域のループであり、右側の鎖線3bで囲んだループが襠3bを形成するループである。
ステップ1で示す襠3a,3bは、後ベッドに係止される後編地の接合領域のループの一部が最終的に前編地の襠として用いられる。そして、後編地の接合領域が少ないので、前編地の接合領域に用いられる針の数に合わせるように、次のステップで後ベッドにおいて、襠の小さい接合領域については、針抜きでループを係止させるようにループを移動させていく。
まず、ステップ2において、身頃6の後編地における右袖側の接合領域のループを前上部ベッドFUに目移しするとともに、左袖5の後編地における接合領域のループを前上部ベッドFUに目移しする。
ステップ3では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、右袖4については、後編地の身頃側端部のループを前下部ベッドFDの前編地の側端部のループの横に目移しし、前編地の外側端部のループを後下部ベッドBDの後編地の側端部のループの横に目移しして回し込み編成を行う。
さらに、身頃6と左袖5については、それぞれ第4図において右側端部のループを前下部ベッドFDの前編地の側端部のループの横に目移しして回し込み編成を行いながら、前上部ベッドFUに係止されている接合領域のループのうち右袖4から遠い側端部のループを一目だけ後下部ベッドBDに戻す動作を行う。
ステップ4では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、身頃6と左袖5について、それぞれ前上部ベッドFUに係止されている接合領域のループのうち右袖4から遠い側端部のループを一目だけ後下部ベッドBDに戻す。ステップ5は、ステップ3と同じ動作である。
そして、接合領域のループの数が多い場合には、ステップ4からステップ5のラッキングと目移しの動作を繰り返す。ステップ4からステップ5のラッキングと目移しの動作により、襠の小さい身頃6の後編地の右袖側の接合領域と左袖5の後編地の接合領域のループは1針抜きで針に係止された状態となる。
そして、ステップ6において、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、前上部ベッドFUに係止されている残りのループを後下部ベッドBDに戻す。次に、身頃6の左袖側接合領域と、右袖4の接合領域について、前記したステップ2からステップ6と同じラッキングと目移しの動作を行う(ステップ7からステップ11)。この場合、ラッキングの方向は、ステップ2からステップ6までとは逆向きとなる。
ステップ11の状態で、襠の小さい身頃6の後編地の左袖側の接合領域と右袖4の後編地の接合領域のループも1針抜きで針に係止された状態となり、点線3a,3bで示す枠内がそれぞれの接合領域となる。ステップ11に示すように、後編地の接合領域となるループ数(ウェール数)は、前編地の接合領域となるループ数(ウェール数)より4つ少ない状態となる。
このように、後編地側の接合領域となるループ数は少ないが、筒状編地は、ベッド上において、前後の長さがほぼ対称となるように配置することができる。そして、右袖4および左袖5の身頃とは反対側の端部のループが、対向するベッドに回し込まれず、これら端部のループは、前記ステップ1の状態と同じになる。
本実施例では、各袖の身頃とは反対側の端部のループを、ステップ1と同じ状態で前後の編地部の端に位置させたままを維持できる。そのため、従来のようにループが回し込みされた状態にならないので、ループの捩れは発生しない。したがって、接合を開始する前であっても、袖にループを形成していくことができる。このように、接合開始前に新たにループ、例えば1コース編成を行うことができれば、接合開始前に重ね目が形成されていたとしても、その重ね目を針から外し、これら重ね目に続けて新たにループを形成することができる。このように新たに形成されたループにより目移しを行うことができるようになるので編成がしやすくなる。
そして、この状態から襠3a,3bを形成していく。まず、ステップ12からステップ15では、袖と身頃との重ね目による接合を行う。ステップ12では、右前袖4aを後上部ベッドBUに移し、同時に左後袖5bを前上部ベッドFUに目移しする。ステップ13では後ベッドを右に2ピッチラッキングさせた後、右前袖4aを前下部ベッドFDに移し、同時に左後袖5bを後下部ベッドBDに目移しする。この目移しにより、袖の側端部における二つのループが身頃の側端部の二つのループに重ね合わされる(ループ61,62)。
ステップ14では、右後袖4bを前上部ベッドFUに移し、同時に左前袖5aを後上部ベッドBUに目移しする。ステップ15では後ベッドを左に2ピッチラッキングさせた後、右後袖4bを後下部ベッドBDに移し、同時に左前袖5aを前下部ベッドFDに目移しする。この目移しにより、袖の側端部における二つのループが身頃の側端部の二つのループに重ね合わされる(ループ63,64)。
そして、図示していないが、右袖側の4つの二重ループ61,63が係止される針に身頃編成用に用いていた給糸口(ヤーンフィーダ)から給糸してループ61,63に続く新たなループを形成し、左袖側の4つの二重ループ62,64が係止される針に左袖編成用に用いていた給糸口から給糸してループ62,64に続く新たなループを形成する。
なお、本実施例では、伏目処理は左右の襠形成領域において、それぞれ異なる給糸口(ヤーンフィーダ)を用いて行う。但し、この給糸口については編成図では省略している。
そして、ステップ16により、右後袖4bとその横に形成された二つの新しいループ65a,65bとを前上部ベッドFUに移し、同時に左前袖5aとその横に形成された二つの新しいループ66a,66bとを後上部ベッドBUに目移しする。
ステップ17では、後ベッドを左に1ピッチラッキングさせた後、前上部ベッドFUに係止されているループ65a,65bを後下部ベッドBDに移し、後上部ベッドBUに係止されているループ66a,66bを前下部ベッドFDに目移しする。ループ66aの目移しにより二重ループ67が形成される。
ステップ18では、後下部ベッドBDのループ65aに続く新たなループ68aを形成し、前下部ベッドFDのループ67,66bに続く新たなループ68b,68cを形成する。ステップ19では、さらに、後ベッドを左に1ピッチラッキングさせた後、左前袖5aの身頃側端部のループを前下部ベッドFDに目移しする。この目移しにより二重ループ69が形成される。
ステップ20では、後下部ベッドBDのループ65bに続く新たなループ70aを形成し、前下部ベッドFDのループ68b,69に続く新たなループ70b,70cを形成する。
そして、ステップ21では、後下部ベッドBDに係止されているループ70a,68aを前上部ベッドFUに目移し、前下部ベッドFDに係止されているループ70b,70cを後上部ベッドBUに目移しする。
ステップ22では、後ベッドを左に1ピッチラッキングさせた後、前上部ベッドFUに係止されているループ70a,68aを後下部ベッドBDに移し、後上部ベッドBUに係止されているループ70b,70cを前下部ベッドFDに目移しする。ここで、ループ68aの目移しにより二重ループ71になり、ループ70bの目移しにより二重ループ72となる。
そして、ステップ23により、ループ71を係止する針に一方の給糸口から給糸してループ71に続く新たなループ73を形成し、ループ72,70cを係止する針に他方の給糸口から給糸してループ72,70cに続く新たなループ74,75を形成する。
ステップ24では、後ベッドを左に1ピッチラッキングさせた後、前上部ベッドFUに係止されている右端のループを後下部ベッドBDに移しループ70aに重ね合わせる(ループ76)。また、後上部ベッドBUに係止されている左端のループを前下部ベッドFDに目移して、ループ75に重ね合わせる(ループ77)。
そして、ステップ25により、ループ76を係止する針に一方の給糸口から給糸してループ76に続く新たなループ78を形成し、ループ74,77を係止する針に他方の給糸口から給糸してループ74,77に続く新たなループ79,80を形成する。
そして、ステップ26において、後下部ベッドBDに係止されているループ78,73を前上部ベッドFUに目移し、前下部ベッドFDに係止されているループ79,80を後上部ベッドBUに目移しする。
ステップ17からステップ26の動作を繰り返していき、接合領域のループがなくなったとき、ステップ27に示すように、前上部ベッドFUに係止されている右袖4の後編地4bと後上部ベッドBUに係止されている左袖5の前編地5aとを後下部ベッドBDと前下部ベッドFDに移す。
これまでの動作で、右袖4の後編地4bと身頃6の後編地6bとの接合および左袖5の前編地5aと身頃6の前編地6aとの接合と身頃の伏目処理が並行して行われる。
次に、ステップ28からステップ39において、右袖4の前編地4aと身頃6の前編地6aとの接合および左袖5の後編地5bと身頃6の後編地6bとの接合と身頃の伏目処理を行う。
ステップ28では、右前袖4aと前身頃6aの右袖側端部の2ループを後上部ベッドBUに移し、同時に左後袖5bと後身頃6bの左袖側端部の2ループを前上部ベッドFUに目移しする。
ステップ29では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせた後、後上部ベッドBUに係止されている前身頃6aの右袖側端部の2ループを前下部ベッドFDに移す(ループ81,82)。前上部ベッドFUに係止されている後身頃6bの左袖側端部の2ループを後下部ベッドBDに目移しする(ループ83,84)。これらループのうち、ループ82は二重ループが形成される。ステップ30では、前下部ベッドFDのループ81,82に続く新たなループ85a,85bを形成し、後下部ベッドBDのループ83に続く新たなループ85cを形成する。
ステップ31では、さらに、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせた後、右前袖4aの身頃側端部のループを前下部ベッドFDに目移しする。この目移しにより二重ループ86が形成される。ステップ32では、前下部ベッドFDのループ86,85bに続く新たなループ87a,87bを形成し、後下部ベッドBDのループ84に続く新たなループ87cを形成する。
そして、ステップ33では、前下部ベッドFDに係止されているループ87a,87bを後上部ベッドBUに目移し、後下部ベッドBDに係止されているループ85c,87cを前上部ベッドFUに目移しする。
ステップ34では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせた後、後上部ベッドBUに係止されているループ87a,87bを前下部ベッドFDに移し、前上部ベッドFUに係止されているループ85c,87cを後下部ベッドBDに目移しする。ここで、ループ87bの目移しにより二重ループ88になり、ループ85cの目移しにより二重ループ89となる。
そして、ステップ35により、前下部ベッドFDのループ87a,88に続く新たなループ90a,90bを形成し、後下部ベッドBDのループ89に続く新たなループ90cを形成する。
ステップ36では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせた後、後上部ベッドBUに係止されている右端のループを前下部ベッドFDに移しループ90aに重ね合わせる(ループ91)。また、前上部ベッドFUに係止されている左端のループを後下部ベッドBDに目移して、ループ87cに重ね合わせる(ループ92)。
そして、ステップ37により、前下部ベッドFDのループ91,90bに続く新たなループ93a,93bを形成し、後下部ベッドBDのループ92に続く新たなループ93cを形成する。
そして、ステップ38において、前下部ベッドFDに係止されているループ93a,93bを後上部ベッドBUに目移し、後下部ベッドBDに係止されているループ90c,93cを前上部ベッドFUに目移しする。
ステップ29からステップ38の動作を繰り返していき、接合領域のループがなくなったとき、ステップ39に示すように、後上部ベッドBUに係止されている右袖4の前編地4aと前上部ベッドFUに係止されている左袖5の後編地5bとを前下部ベッドFDと後下部ベッドBDに移す。
ステップ27からステップ39の動作により、右袖4の前編地4aと身頃6の前編地6aとの接合および左袖5の後編地5bと身頃6の後編地6bとの接合と身頃の伏目処理が並行して行われる。そして、接合が完了するとステップ39の状態となり、襠の形成が完了する。
<第二実施例>
以下第11図に示すパンツ41を編成する場合を例に二つの編地を接合する編成を、第12図〜第14図の編成コース図を使用して説明する。なお、本実施例では上記第3図のaの編成▲1▼と▲2▼を並行して行う場合を説明する。パンツ41は右足部42と左足部43と、胴部分44からなり、右足部42と左足部43の接合箇所に襠45a,45bが形成される。さらに、第二実施例は、第一実施例と異なり、針抜き形成後にループの重ね(第一実施例のステップ12〜ステップ15)を行わずにすぐに襠の形成が開始される。
右足部42は第3図のaにおいて左足部43が第一編地21に、右足部42が第二編地22に対応する。第12図のステップ1は、襠の形成開始前であり右足部42と左足部43が隣接している。鎖線45で囲んだループが襠を形成する接合領域全体のループである。
第12図〜第14図の左端の数字はステップ番号を示し、FUは前上部ベッド、FDは前下部ベッド、BDは後下部ベッド、BUは後上部ベッドを意味する。
ステップ1で示す襠は、後ベッドに係止される後編地のループの一部が最終的に前編地の襠として用いられる。そして、後編地の接合領域が少ないので、前編地の接合領域に用いられる針の数に合わせるように、次のステップで後ベッドにおいて、針抜きでループを係止させるようにループを移動させていく。
まず、ステップ2において、左足部43の後編地における接合領域のループを前上部ベッドFUに目移しする。
ステップ3では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、右足部42については、後編地の左足部側端部のループを前下部ベッドFDに目移しし、前編地の外側端部のループを後下部ベッドBDに目移しして回し込み編成を行う。さらに、左足部43については、第12図において右側端部のループを前下部ベッドFDに目移して回し込み編成をしながら、前上部ベッドFUに係止されている接合領域の右足側から遠い端部のループを一目だけ後下部ベッドBDに戻す。
ステップ4では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、左足部43について、前上部ベッドFUに係止されている接合領域のループのうち右足部42から遠い側端部のループを一目だけ後下部ベッドBDに戻す。
そして、接合領域のループの数が多い場合には、ステップ4からステップ5のラッキングと目移しの動作を繰り返す。ステップ4からステップ5のラッキングと目移しの動作により、左足部43の後編地の接合領域のループは1針抜きで針に係止された状態となる。
そして、ステップ6において、ラッキングを1ピッチして前上部ベッドFUに係止されている残りのループを後下部ベッドBDに戻す。
次に、右足部42の接合領域について、前記したステップ2からステップ6と同じラッキングと目移しの動作を行う(ステップ7からステップ11)。この場合、ラッキングの方向は、ステップ2からステップ6までとは逆向きとなる。
ステップ11の状態で、点線で示す枠451内が前編地側の接合領域となり、枠452内が後編地側の接合領域となる。ステップ11に示すように、後編地の接合領域となるループ数(ウェール数)は、前編地の接合領域となるループ数(ウェール数)より4つ少ない状態となる。
このように、後編地側の接合領域となるループ数は少ないが、筒状編地は、ベッド上において、前後の長さがほぼ対称となるように配置することができる。そして、右足部42と左足部43の外側端部のループは、対向するベッドに回し込まれず、これら端部のループは、前記ステップ1の状態と同じになる。
本実施例では、右足部42と左足部43の前後の編地の端部のループがそれぞれのベッドにおいて端に位置させたままを維持できる。その結果、ループの捩れが起きないことから、接合を開始する前であっても、右足部42と左足部43にループを形成していくことができる。
そして、この状態から襠を形成していく。第13図に示すステップ12では、左前足部43aのループを後上部ベッドBUに目移しするとともに、右足部42の左足部43側側端ループを残して右後足部42bのループを前上部ベッドFUに目移しする。
ステップ13では、後ベッドを左に1ピッチラッキングし右前足部42aの左足部43側側端ループ46を後上部ベッドBU上の左前足部43aの右足部42側側端ループと重ねて重ね目48を形成する。
ステップ14では更に後ベッドを左に1ピッチラッキングし、前記重ね目48を前下部ベッドFDに移して右足部42の左足部43側側端ループと重ねて3重ループ49を形成する。
ステップ15では、後ベッドを右に1ピッチラッキングし、後下部ベッドBDに係止されていた右後足部42bの左足部43側側端ループ47を前上部ベッドFUに移して重ね目50を形成する。
ステップ16では、後ベッドを左に1ピッチラッキングし、前記重ね目50を後下部ベッBDドに係止されている左後足部43bの右足部42側側端ループ51と重ねて3重ループ52を形成する。
そして、ステップ17において、前記3重ループ49に続く新たなループ53を形成し、ステップ18において、前記3重ループ52に続く新たなループ54を形成する。
ステップ19からステップ30では、ステップ13からステップ18と同様の編成を対象となるループについて行う。ステップ30では、右前足部42aの右端部のループが三重ループ59となり、後下部ベッドBDに係止されているループを前上部ベッドFUに目移しして、二重ループ60を形成する。
ステップ31では、ステップ30で形成された二重ループ60とともに前上部ベッドFUに係止されている右後足部42bのループの全てを後下部ベッドBDに目移しする。さらに、後上部ベッドBUに係止されている左前足部43aのループの全てを前下部ベッドFDに目移しする。こうして、ステップ31に示すように、右足部42と左足部43の接合が完了し、襠45a,45bが形成される。上記編成により形成された襠45a,45bは、左前足部43aを右前足部42aのループと重ねることで前側に襠45aが、右後足部42bを左後足部43bのループと重ねることで後側に襠45bが形成される。本実施例では、前編地側の襠を大きくしたが、後編地の襠を大きくするようにしてもよい。
<第三実施例>
第三実施例は、4枚ベッド横編機を用いて筒状編地を針抜き編成により編成しながら三つの筒状編地を接合して第1図のセーター1を形成する。第三実施例では、襠の大きい側の接合領域のループを総針状態となるように針に係止させてから襠を形成した。
第15図から第17図に示す編成コース図は、三つの筒状編地を脇まで編成した状態から、接合開始前までの編成工程を示す。第三実施例のセーターも、前編地の襠量が後編地の襠量よりも多くなるようにしている。
本実施例の第15図から第17図も、左端の数字はステップ番号を示している。なお、本実施例のセーターは、4枚ベッド横編機を用いて編成を行うが、編成工程図においては、前上部ベッドと後上部ベッドとを省略しており、前下部ベッドはFDで示し、後下部ベッドはBDで示している。
第15図に示すステップ1は、袖4,5と身頃6とを接合する前の状態を示しており、各筒状編地は前後のベッドにおいて針抜きで編成されている。ステップ1において、鎖線30で囲んだループが襠を形成するための接合領域のループである。
本実施例では、後ベッドに係止される後編地の接合領域のループの一部が最終的に前編地の襠として用いられる。そして、後編地の接合領域が少ないので、襠の大きい接合領域について総針状態となるようにループを針に係止させるように接合領域のループを移動させていく。
まず、ステップ2において、身頃6の前編地6aにおける右袖側の接合領域のループを後下部ベッドBDの空針に目移しするとともに、左袖5の前編地5aにおける接合領域のループを後下部ベッドBDの空針に目移しする。
ステップ3では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、右袖4については、後編地の身頃側端部のループを前下部ベッドFDの前編地の側端部のループの横に目移しし、前編地の外側端部のループを後下部ベッドBDの後編地の側端部のループの横に目移しして回し込み編成を行う。
さらに、身頃6と左袖5については、後下部ベッドBDに係止されている接合領域のループのうち右袖4から遠い側端部のループを一目だけ前下部ベッドFDに戻し、身頃6の左袖側端部のループは、前下部ベッドFDの前編地の側端部のループの横に目移して回し込み編成を行う。
ステップ4では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、身頃6と左袖5について、それぞれ後下部ベッドBDに係止されている接合領域のループのうち右袖4から遠い側端部のループを一目だけ前下部ベッドFDに戻す。
ステップ5では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、身頃6と左袖5について、それぞれ後下部ベッドBDに係止されている接合領域のループのうち右袖4から遠い側端部のループを一目だけ前下部ベッドFDに戻す。左袖5の後編地の身頃から遠い側端部のループを前下部ベッドFDの前編地の側端部のループの横に目移して回し込み編成を行う。
ステップ6では、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、身頃6と左袖5について、それぞれ後下部ベッドBDに係止されている接合領域のループのうち右袖4から遠い側端部のループを一目だけ前下部ベッドFDに戻す。右袖4の後編地の身頃側端部のループを前下部ベッドFDの前編地の側端部のループの横に目移して回し込み編成を行う。
ステップ7は、ステップ4と同じ動作を行う。本実施例よりも前後の接合領域が大きい場合には、ステップ1の接合領域30において前編地側の接合領域となっているループがなくなるまで、ステップ3からステップ7の動作を繰り返す。そして、ステップ8では、後ベッドを左に2ピッチラッキングさせて、身頃6と左袖5について、それぞれ後下部ベッドBDに係止されている右袖側端部のループを一目だけ前下部ベッドFDに目移しする。
ステップ9は、後ベッドを右に1ピッチラッキングさせて、身頃6の前編地6aにおける左袖側の接合領域のループを後下部ベッドBDの空針に目移しするとともに、右袖4の前編地4aにおける接合領域のループを後下部ベッドBDの空針に目移しする。
そして、身頃6の左袖側接合領域と、右袖4の接合領域について、前記したステップ2からステップ7と同じようなラッキングと目移しの動作を行う(ステップ10からステップ14)。この場合、ラッキングの方向は、ステップ2からステップ7までとは逆向きとなる。
そして、ステップ15では、後ベッドを左に1ピッチラッキングさせて、身頃6と右袖4について、それぞれ後下部ベッドBDに係止されている右袖側端部の二つのループを前下部ベッドFDに目移しする。
ステップ16の状態で、襠の大きい身頃6の前編地6aの接合領域と左右の袖4,5の前編地4a,5aの接合領域301a,301bのループが針抜きとならない総針状態で針に係止された状態となる。そして、襠の小さい接合領域302a,302bは針抜き状態のままとなる。なお、ステップ16の状態から1コース新たに編成を行うことが好ましい。
このように、筒状編地を針抜きで編成する場合にも、後編地側の接合領域となるループ数は少ないが、筒状編地は、ベッド上において、前後の長さがほぼ対称となるように配置することができる。そして、右袖4および左袖5の身頃とは反対側の端部のループは、対向するベッドに回し込まれず、これら端部のループは、前記ステップ1の状態と同じになる。
本実施例も、各袖の身頃とは反対側の端部のループを、ステップ1と同じ状態で前後の編地部の端に位置させたままを維持できる。そのため、従来のようにループが回し込みされた状態にならないので、ループの捩れは発生しない。したがって、接合を開始する前であっても、袖にループを形成していくことができる。
したがって、ステップ16の状態から1コース新たに編成を行う場合には、新たに形成されたループにより目移しを行うことができるようになるので編成がしやすくなる。
そして、この状態から第一実施形と同様に襠を形成していく。本実施例も、襠を形成するために、身頃6の編地を一方の側端側から他端側に向かい伏目処理する編成と、身頃6の右脇側の接合領域のループに右袖4の編地の接合領域のループとを側端のループから前編地部同士、後編地部同士が重なるように重ねる編成と、身頃6の左脇側の接合領域のループに左袖5の編地の接合領域のループとを側端のループから前編地部同士、後編地部同士が重なるように重ねる編成とを並行して行う。
さらに、第三実施例でも接合領域のループ同士を重ねる編成と、伏目処理する編成を並行して行うが、前編地部の接合領域の接合と、後編地部の接合は独立して行う。即ち、本実施例では上記第3図のb、cの編成▲1▼と▲2▼を並行して先に行い、続いて▲3▼と▲4▼を並行して行う。
なお、第三実施例のように、筒状編地を針抜きで編成しておいて、襠の大きい接合領域を総針状態にしていく接合方法についは、第二実施例のようなパンツやタイツタイプにも適用できるのはもちろんである。
3a,3b…襠
4…右袖
5…左袖
6…身頃
7…裾ゴム
8…右袖口
9…左袖口
10…衿首用開口
11a,11b…肩部
21…第一編地
22…第二編地
31…第一編地
32…第二編地
33…第三編地
41…パンツ
42…右足部
43…左足部
45a,45b…襠
Claims (3)
- 左右方向に延び、かつ前後に対向する少なくとも一対のベッドを具え、前記対向するベッドの少なくとも前後一方のベッドが左右にラッキング可能に構成される横編機で前編地部と後編地部がコース方向に連続して編成される筒状編地を少なくとも二つ編成し、これら筒状編地を前編地部と後編地部とで襠の大きさが異なる接合領域を重ね合わせて接合する編地の接合方法であって、
編地の接合工程において、
対向するベッドに、前編地部の接合領域と後編地部の接合領域とを、襠の大きい接合領域のループが係止される編針の針数と襠の小さい接合領域のループが係止される編針の針数とが同じ針数の領域で、それぞれの接合領域両端部が対向するように、一方の襠の接合領域のループを針抜き状態で、他方の襠の接合領域のループを総針状態で編針に係止させた後に、
接合する筒状編地の側端に位置する接合領域のループともう一方の筒状編地の接合領域のループを、前編地部と後編地部の境界から近い側のループ同士および遠い側のループ同士が重なるように重ね合わせて伏目処理して筒状編地の接合部分に襠を形成し、接合した筒状編地に続いて一つの筒状編地を編成することを特徴とする編地の接合方法。 - 請求の範囲第1項に記載の編地の接合方法であって、第一編地と第二編地とを接合する場合において、第一編地と第二編地との接合開始前の工程が以下の工程を含むことを特徴とする。
1)第一編地の前編地または後編地のいずれか一方の接合領域のループを対向するベッドに目移しする第1工程。
2)前後何れか一方のベッドを左右何れかの方向へラッキングしながら、
第二編地について回し込み編成を行い、第一編地については第二編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、第1工程で目移しされた接合領域のループを第二編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第一編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第2工程。
3)第二編地の前編地または後編地のうち第1工程で目移しした接合領域と同じ大きさの接合領域を有する編地において、接合領域のループを対向するベッドに目移しする第3工程。
4)前後何れか一方のベッドを前記第2工程とは逆方向にラッキングしながら、
第一編地について回し込み編成を行い、第二編地については第一編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、第3工程で目移しされた接合領域のループを第一編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第二編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第4工程。 - 請求の範囲第1項に記載の編地の接合方法であって、第一編地を挟んで第二編地と第三編地をそれぞれ編成し、第一編地に第二編地と第三編地とを接合する場合において、第一編地と第二編地と第三編地の接合開始前の工程が以下の工程を含むことを特徴とする。
1)第一編地の第二編地と接合される前後いずれか一方の接合領域のループを対向するベッドに目移しするとともに、第三編地における第一編地で目移しした接合領域と同じ襠の大きさの接合領域のループを対向するベッドに目移しする第1工程。
2)前後何れか一方のベッドを左右何れかの方向へラッキングしながら、
第二編地について回し込み編成を行い、第一編地および第三編地については第二編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、第1工程で目移しされた接合領域のループを第二編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第一編地および第三編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第2工程。
3)第一編地の第三編地と接合される第1工程で目移しした接合領域と同じ大きさの接合領域のループを対向するベッドに目移しするとともに、第二編地における第一編地で目移しした接合領域と同じ襠の大きさの接合領域のループを対向するベッドに目移しする第3工程。
4)前後何れか一方のベッドを第2工程と逆方向にラッキングしながら、第三編地について回し込み編成を行い、第一編地および第二編地については第三編地から遠い端部のループを対向するベッドに目移しする回し込み編成を行いながら、
第3工程で目移しされた接合領域のループを第三編地から遠い端部のループから順番に対向するベッドに戻す動作を繰り返して、第一編地および第二編地の接合領域においてループを針抜き状態または総針状態で配置させる第4工程。
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