JP4376977B2 - リパーゼ阻害剤、食品添加物及び食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリパーゼ阻害剤に関し、さらに詳しくは安全性が高く、リパーゼに起因する食品の劣化を防止することのできるリパーゼ阻害剤に関する。さらに、肥満や高脂血症などの成人病予防に有用なリパーゼ阻害剤に関する。本発明はまた、血中トリグリセライド低下剤に関し、さらに詳しくは安全性が高く、高トリグリセライド血症の治療及び予防に有用な血中トリグリセライド低下剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品中に含まれる脂肪は、食品原料に含まれているリパーゼや、食品中に混入した微生物由来のリパーゼにより加水分解を受け、グリセロールと遊離脂肪酸に分解される。この遊離脂肪酸は、変敗や悪臭の原因となり、食品の品質保持の観点から遊離脂肪酸の発生を抑制することが重要な課題となっている。
また、近年、栄養過多等の原因による種々の成人病が増加している。このような成人病のうち、特に糖尿病、高トリグリセライド血症といった高脂血症、肥満などの予防や治療を目的として、リパーゼ阻害剤といった消化酵素に対する阻害剤が注目されてきている。
さらに、食品にあらかじめ酵素に対する阻害剤を配合しておく方法が考えられている。
【0003】
今まで、ホスファチジルコリン (K. Taniguti 等、Bull. Facul. Agric. Meiji Univ. 73巻、 9〜26頁 (1986年))、大豆蛋白 (K. Satouchi 等、Agric. Biol. Chem. 38 巻、97〜101 頁(1974年); K. Satouchi 等、Agric. Biol. Chem. 40 巻、889-897 頁(1976年))、タンニン (S. Ahimura等、日食工、41巻、 561-564頁 (1994年))、シャクヤク、オオレン、オオバク、ボタンピ、ゲンノショウコ、チャ、クジンなどの生薬の溶媒抽出エキス(特開昭64−90131 号公報)、ピーマン、かぼちゃ、しめじ、まいたけ、ひじき、緑茶、紅茶及びウーロン茶の水抽出物(特開平3−219872号公報)ドッカツ、リョウキョウ、ビンロウシ、ヨバイヒ、サンペンズ、ケツメイシの抽出物(特開平5−255100号公報)などがリパーゼ阻害活性を有するものとして知られているが、物質自身の性状や効果の面で未だ十分ではない。
また最近ケルセチンなど、ある種の糖を含まない遊離のフラボノイドにもリパーゼ阻害作用を示すことが開示された(特開平7-61927 号公報) 。
食品中の脂肪によるの変敗や悪臭といった劣化は、とりわけ微生物由来のリパーゼにより分解される遊離脂肪酸が原因となることが知られているが、上記のフラボノイド類の微生物由来リパーゼに対する阻害活性は検討されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れたリパーゼ阻害活性を示し、且つ安全性が高く、糖尿病、高脂血症、肥満などの予防や治療に有用であるとともに、微生物由来のリパーゼに対しても優れた阻害活性を示し食品の劣化の防止に役立つリパーゼ阻害剤を提供することである。本発明はまた、安全性が高く優れた血中トリグリセライド低下作用を発揮する血中トリグリセライド低下剤を提供することである。また、本発明の目的は、上記リパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤を含む食品添加物を提供し、さらに、上記リパーゼ阻害剤、血中トリグリセライド低下剤あるいは上記食品添加物を配合した食品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安全性が高く、哺乳類及び微生物由来のリパーゼを同時に阻害する新規なリパーゼ阻害物質を見出すべく、更に溶解性も考慮しながら、糖などを含んだフラボノイド類を中心に各種フラボノイド類について鋭意検討した。その結果、ある種のフラボノイド類及びそれらの配糖体が優れたリパーゼ阻害活性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
さらに、上記フラボノイド類の配糖体の一種であるヘスペリジンが、優れた血中トリグリセライド低下作用を有することを見出した。
従って本発明は、下記一般式(I)または下記一般式(II)で示されるフラボノイド類及びそれらの配糖体からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するリパーゼ阻害剤に関する。
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は各々独立して、水素原子または−OR(Rは水素原子、メチル基、−C(O)−(CH2)2 −CH3 または糖の残基である。)を表す。但しR2 及びR4 がともに−OHの時は、R1 、R3 及びR5 の少なくとも1つは−OR′(但しR′はメチル基、−C(O)−(CH2)2 −CH3 または糖の残基である。)を表す。〕
【0008】
【化4】
【0009】
〔式中R6 、R7 及びR8 は各々独立して、水素原子または−OR(Rは水素原子、メチル基または糖の残基である。)を表す。〕
本発明はまた、上記リパーゼ阻害剤を含有する食品添加物に関する。
本発明はさらに、上記リパーゼ阻害剤または食品添加物を含有する食品に関する。
また、本発明はヘスペリジンを有効成分とする血中トリグリセライド低下剤に関する。
上記血中トリグリセライド低下剤はまた、食品に添加することができ、従って本発明は、該血中トリグリセライド低下剤を含有する食品添加物、さらに該血中トリグリセライド低下剤あるいは食品添加物を含有する食品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記一般式(I)または(II) で示されるフラボノイド類の配糖体を構成する糖としては、例えばグルコース、ルチノース(L-ラムノース−D-グルコース) 、アピオシル−グルコースなどが挙げられる。
本発明のリパーゼ阻害剤の有効成分である上記一般式(I)で示されるフラボノイド類及びそれらの配糖体の具体例として、ケンフェロール 7,4'−ジメトキシ−8−ブチリルエステル、ルテオリン−7−グルコシド、ルテオリン−4’−グルコシド、ルテオリン−3',7−ジグルコシド、イソクェルシトリン、アピゲニン−7−グルコシド、ケンフェロール−3−ルチノシド、アピインなどが挙げられる。
上記有効成分の一般式(I)における具体的構造は次に示すとおりである。
【0011】
【表1】
【0012】
また、本発明のリパーゼ阻害剤の有効成分である上記一般式(II)で示されるフラボノイド類及びそれらの配糖体の具体例として、ヘスペリジン、ナリンゲニン、ナリンゲニン−7−グルコシド、ヘスペレチンを挙げることができる。
これらの一般式(II)における具体的な構造は下記に示すとおりである。
【0013】
【表2】
【0014】
一般式(I)及び(II)で示される化合物は、主に植物など天然物より得ることができ、しかも数種の混合物として抽出・分離精製されることが多い。本発明では、リパーゼ阻害活性で特徴づけられるので、天然物の抽出エキスの状態でも、また精製処理を加えたもの、さらには単一物質まで分離した状態と、どの段階でも使用することができる。
例えばルテオリン-7- グルコシドはモクセイソウ(Reseda luteola L.) の全草、スイカズラの花、ジギタリスの葉、クララの葉などに含まれる。イソクェルシトリンはケルセチンの配糖体でドクダミ、ワタ、クワなどに含まれる。アピゲニン-7- グルコシドはコスモスの白花に含まれる。ケンフェロール-3- ルチノシドはヒルガオの茎、葉、またクサソテツの葉に含まれる。アピインはアビゲニンの配糖体で、パセリの葉や種子、またスズメノエンドウの地上部に含まれる。
【0015】
ヘスペリジンは、みかん、レモン、橙などの果皮や生薬の陳皮から得られるフラボン配糖体で、みかんのメタノール抽出エキス中にはおよそ4%含まれていている。本発明では、このような抽出エキスの状態でも、またヘスペリジンを単一物質にまで精製しても用いることができる。
さらに抽出段階や、単一物質としたヘスペリジン自身を酸やアルカリ、または酵素などで処理すると、ヘスペリジンの糖が切断されヘスペレチンにすることができ、しかもこのヘスペレチンもリパーゼ阻害効果を示す。
ヘスペリジンは、既に「天然物便覧」(1981年、食品と科学社、152 頁)に収録され、苦味剤としての用途がある。
ヘスペレチンはヘスペリジンとしてレモン、みかん、橙などの果皮に含まれる。
中果皮の発達している系統のものはナリンジンを含み、中果皮の薄い系統のものはヘスペリジンを含有するものが多い、夏みかんは両系統の間種と見られているが成分においてもナリンジンとヘスペリジンを含有する。
ヘスペリジンはヘスペレチンの配糖体であり、抗毛細血管透過作用がある。
ナリンゲニンは配糖体ナリンジンとして、橙、温州みかん、夏みかん、ザボンなどの果皮に含まれ、苦味はない。
本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤の有効成分は、市場で一般に入手できるものもあり、本発明ではそのような市販品を使用してもよい。
本発明で使用する上記有効成分はいずれも、極めて毒性の低いものである。
【0016】
【試験例1】
本発明の有効成分である各種フラボノイド類及びそれらの配糖体のリパーゼ阻害活性について試験を行った。その方法及び結果を説明する。
リパーゼ阻害活性は、0.1 mM の4−メチルウンベリフェリルオレエートを含む McIlvaine緩衝液(0.1M; pH7.4)0.1ml を基質として、各フラボノイド類溶液10μl 、適量の豚膵由来リパーゼ(シグマ社製)及び McIlvaine緩衝液で全量を0.2ml として、37℃で20分間酵素反応させた。
なお、対照としてフラボノイド類溶液を無添加で同様に試験した。
反応後、0.1N HCl 1.0 ml を反応液に加えて酵素反応を止め、次にクエン酸ナトリウム溶液で反応液を pH4.3 に調製した後、リパーゼにより基質から生成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光を励起波長320nm、蛍光波長を450nmで定量した。
各検体における阻害率を(%)を、〔(対照の蛍光強度−各検体の蛍光強度)/対照の蛍光強度〕×100より求めた。
豚膵由来リパーゼをシュードモナス由来のリパーゼ(シグマ社製)に変えて、同様に実施した。
その結果、フラボノイド類 100μg/ml添加で、下記表3のように阻害効果を示した。
【0017】
【表3】
【0018】
従来、豚膵由来由来リパーゼを阻害することが知られているケルセチン及びアピゲニンについて、上記と同様の試験を行った。その結果を下記に示す。
【0019】
【表4】
上記結果より、ケルセチン及びアピゲニンは微生物由来のリパーゼに対して阻害活性を示さないことが判った。
【0020】
【試験例2】
ヘスペリジンの血中トリグリセライド低下作用について試験を行った。その方法及び結果を説明する。
5週齢SDラット(SLCより購入)15匹を1群5匹に分け、ステンレス製の代謝ゲージ内で個別に固型飼料で1週間予備飼育後、実験飼料を4週間投与した。実験飼料中のヘスペリジン(ナカライテスク製)は、I群が0%、II群が5%、III 群が10%となるように添加した。飼料、水は自由摂取とした。飼料投与試験終了後、一夜絶食させ、エーテル麻酔下で心臓より採血し、血中のトリグリセライドをビジョンキット(ダイナボット社製)にて測定した。その結果を下記表5に示す。
【0021】
【表5】
【0022】
【試験例3】
上記試験例2のラットをCDF系マウス(SLCより購入)に替えて、同様に試験した。その結果を下記表6に示す。
【表6】
表5及び6に示される結果より明らかなように、ヘスペリジンは顕著に血中のトリグリセライド値を低下させた。
【0023】
製造例
本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤の有効成分は、市販品もあり容易に入手できるものもあるが、例えばミカンの果皮(陳皮)よりヘスペリジンの抽出例を示す。
陳皮(ウチダ漢方(株)製)100gをメタノール500ml で沸騰下2時間還流抽出した。抽出液を濾過により得、メタノールを減圧下で濃縮乾固した。メタノール抽出物30gを得た。
メタノール抽出物からは、カラムクロマトグラフィーなどの適当な手段にてヘスペリジンを精製することができる。一例をあげると、高速液体クロマトグラフィーにてヘスペリジンを単一物質まで分離・精製することができる。
カラムとして LiChrosorb PR18(4×250nm)を、移動層に20%アセトニトリル水溶液を用い、285nmを指標として実施すると、メタノールエキス3gより約100mg のヘスペリジンを得ることができた。
ここで、陳皮メタノールエキス及びヘスペリジンについて、各種濃度でリパーゼ阻害活性を試験した。試験法は試験例1と同じである。
その結果を表7及び表8に示す。
【0024】
【表7】
ヘスペリジンのリパーゼ阻害活性
50%阻害は豚膵由来リパーゼに対して32μg /ml 、シュードモナス由来リパーゼに対して132μg /ml であった。
【0025】
【表8】
陳皮メタノールエキスのリパーゼ阻害活性
50%阻害は豚膵由来リパーゼに対して250μg /ml 、シュードモナス由来リパーゼに対して228μg /ml であった。
【0026】
本発明のリパーゼ阻害剤の有効成分は、上記式(I)で示されるフラボノイド類及びそれらの配糖体、並びに上記式(II) で示されるフラボノイド類及びそれらの配糖体の中から選ばれる1種、あるいは2種以上とすることができる。
本発明のリパーゼ阻害剤はその有効成分である上記のフラボノイド類及びそれらの配糖体の他に添加剤を含んでもよい。また該有効成分を適当な助剤とともに任意の形態に製剤化して、経口または非経口投与が可能なリパーゼ阻害剤とすることができる。さらに本発明のリパーゼ阻害剤は他の有効成分を含んでいてもよい。
また本発明の血中トリグリセライド低下剤は、その有効成分であるヘスペリジンの他に添加剤を含んでもよい。またヘスペリジンを適当な助剤とともに任意の形態に製剤化して、経口または非経口投与が可能な血中トリグリセライド低下剤とすることができる。さらに本発明の血中トリグリセライド低下剤は他の有効成分を含んでいてもよい。
【0027】
以下に、本発明のリパーゼ阻害剤及び血中トリグリセライド低下剤の投与方法、投与量及び製剤化の方法を示す。
本発明のリパーゼ阻害剤及び血中トリグリセライド低下剤は、経口及び非経口投与のいずれも使用可能であり、経口投与する場合は、軟・硬カプセル剤又は錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤として投与される。非経口投与する場合は、注射剤、点滴剤及び固体状または懸濁粘稠液状として持続的な粘膜吸収が維持できるように坐薬のような剤型で投与され得るが、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内及び静脈内注射、局所への塗布、噴霧、坐剤、膀胱内注射などの外用的投与法等も用いることができる。
投与量は、投与方法と病気の悪性度、患者の年齢、病状や一般状態、病気の進行度等に依って変化し得るが、大人では通常、1日当たり有効成分として0.5〜5,000mg、小人では通常、0.5〜3,000mgが適当である。
本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤における有効成分の割合は、剤型によって変更され得るが、通常、経口または粘膜吸収に投与されるとき、約0.3 〜15.0重量%が適当であり、非経口投与されるときは、ほぼ0.01〜10重量%が適当である。
また、本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤の製剤化に当たっては、常法に従い、水溶液、油性製剤などにして、皮下あるいは静脈注射用製剤とすることができる他、カプセル剤、錠剤、細粒剤等の剤型に製剤化して経口用に供することができる。
【0028】
また、有効成分に長時間の保存に耐える安定性及び耐酸性を付与して薬効を完全に持続させるために、更に医薬的に許容し得る被膜を施して製剤化すれば、すぐれた安定性を有するリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤とすることができる。
本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤の製剤化に用いられる界面活性剤、賦形剤、滑沢剤、佐剤及び医薬的に許容し得る被膜形成物質等を挙げれば、次の通りである。
本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤の崩壊、溶出を良好ならしめるために、界面活性剤、例えばアルコール、エステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類等の1種又は2種以上を添加することができる。
また、賦形剤として、例えば、庶糖、乳糖、デンプン、結晶セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の1種又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
【0029】
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等を1種または2種以上添加することができ、また矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッカリン、糖、マンニット、オレンジ油、カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸等の甘味剤、香料、着色剤、保存料等を含有させてもよい。
懸濁剤、湿潤剤のような佐剤としては、例えば、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含有させることができる。
また、被膜形成物質としては、セルロース、糖類等の炭水化物誘導体として酢酸フタル酸セルロース(CAP)、またアクリル酸系共重合体、二塩基酸モノエステル類等のポリビニル誘導体としてアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体が挙げられる。
また、上記被膜形成物質をコーティングするに際し、通常使用されるコーティング剤、例えば可塑剤の他、コーティング操作時の薬剤相互の付着防止のための各種添加剤を添加することによって被膜形成剤の性質を改良したり、コーティング操作をより容易ならしめることができる。
【0030】
本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤はまた、食品、健康食品に配合することができ、食品添加物の成分とすることもできる。食品中に配合する場合は、食品に対して有効成分として0.001〜15重量%が適当であり、さらに0.01〜10重量%配合することが好ましいが、食品の種類によって、上記の範囲よりも少なく、または多く配合することができる。例えば、錠菓やビスケット等の補助食用の食品に配合するときは、15重量%以上配合させることができる。食品に応じて、その製造過程で本発明のリパーゼ阻害剤あるいは血中トリグリセライド低下剤を適宜配合することができる。
本発明のリパーゼ阻害剤、血中トリグリセライド低下剤あるいは食品添加物を配合させる食品の種類は特に限定されるものではなく、例えば、パン、麺、ビスケット、ホットケーキ、錠菓等の穀粉や澱粉を含有する食品、ドレッシング、ドリンク等を挙げることができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
実施例1(錠菓及び錠剤)
卵殻カルシウム108g、ピロリン酸第二鉄2g、アスコルビン酸40g、微結晶セルロース40g、還元麦芽糖285g、ヘスペリジン0.5gをミキサーによって常法により混和した後、打錠し、錠菓及び錠剤を製造した。
実施例2(ビスケット)
小麦粉120g、ヘスペリジン0.12g、砂糖35g、ショートニング15g、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニウム0.75g、水20gを用いて、常法によりドウを作成し、成型、焙焼してビスケットを製造した。
【0032】
実施例3(パン)
小麦粉3kg、ヘスペリジン30g、イースト60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、水2070gを用いて、常法によりドウを作成し、成型、焙焼してパンを製造した。
実施例4(麺)
準強力小麦粉に対して、1重量%のヘスペリジン、34重量%の水、1重量%の食塩及び1重量%のかんぷんを加えたものを、12分間混捏した後、麺機にて数回圧延、成形して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、安全性が高く、かつ膵臓由来のみならず微生物由来のリパーゼに対して高いリパーゼ阻害活性を有するリパーゼ阻害剤を提供することができる。また、安全性が高く優れた血中トリグリセライド低下作用を発揮する血中トリグリセライド低下剤を提供することができる。これらのリパーゼ阻害剤及び血中トリグリセライド低下剤は、食品に容易に添加配合することができ、特にリパーゼ阻害剤は食品のリパーゼに起因する劣化を防止することができる。また食品のカロリーを減少させることができる。さらに、脂質の過剰摂取による肥満、高トリグリセライド血症といった高脂血症など、近年の食生活を反映している成人病の予防や治療にも有用である。
Claims (3)
- ケンフェロール−7,4'−ジメトキシ−8−ブチリルエステル、ケンフェロール−3−ルチノシド及びアピインからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するリパーゼ阻害剤。
- ケンフェロール−7,4'−ジメトキシ−8−ブチリルエステルを有効成分として含有するリパーゼ阻害剤を含む食品添加物。
- ケンフェロール−7,4'−ジメトキシ−8−ブチリルエステルを有効成分として含有するリパーゼ阻害剤を配合した食品。
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