JP4377500B2 - 弾性表面波装置及び弾性表面波装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器等の無線通信回路に用いられる弾性表面波装置に関し、特に表面実装が可能な弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
従来から、電波を利用する電子機器のフィルタ,遅延線,発振器等の素子として種々の弾性表面波装置が用いられている。
【0003】
近年、特に小型・軽量でかつフィルタとしての急峻遮断性能が高い弾性表面波フィルタが、移動体通信分野における携帯端末装置のRF段及びIF段のフィルタとして多用されている。
【0004】
この携帯端末装置は、小型・軽量化が進むとともに、複数の通信システムに対応するマルチバンド化のために、内蔵する回路が増加してきており、携帯端末装置に使用される電子部品には、実装密度向上のために、表面実装可能な小型部品が強く要望されている。携帯端末装置のキーパーツである弾性表面波フィルタにおいても、低損失かつ通過帯域外の遮断特性とともに、表面実装可能な小型の弾性表面波フィルタが要求されている。
【0005】
現在、弾性表面波装置はキャンパッケージ型やセラミックパッケージ型が実用化されおり、セラミックパッケージ型は、キャンパッケージ型に比べ、表面実装可能で小型化が実現可能なものとして広く用いられている。
【0006】
第1世代のセラミックパッケージ型弾性表面波装置は、パッケージ内に接着固定した弾性表面波素子とパッケージの内部電極とを、ワイヤ−ボンディングにより電気接続していたが、ワイヤーボンディングを用いることにより、パッケージ外形が大きくなり、弾性表面波装置は内蔵する弾性表面波素子の5倍〜6倍の占有面積となっていた。
【0007】
これを解決し小型化を図るために、第2世代のセラミックパッケージ型弾性表面波フィルタ装置として、例えば図15に示すように、圧電基板1上に励振電極である櫛歯状電極2及び配線電極3が形成された弾性表面波素子をパッケージ内部にフェースダウンボンディングした弾性表面波装置J1が実用化されている。
【0008】
このように、弾性表面波素子表面に形成され配線電極3に接続された金属バンプ12とパッケージ基体15に形成された内部電極11aとを接続することにより電気的接続を行うため、ワイヤーボンディングを使用する必要がなく、そのため、第1世代のセラミックパッケージ型弾性表面波装置に比べ、約2分の1の小型化が図られている。なお、図中、13はパッケージ蓋体、14はパッケージ枠状体、11はパッケージ基体15に形成された電極、11bは側面電極、11cは下面電極である。
【0009】
しかしながら、上記第2世代のフェースダウン実装方式のセラミックパッケージ型弾性表面波装置においても、パッケージ外形の大きさは、内蔵する弾性表面波フィルタ素子の約3倍もあり、十分に小型化されていない。
【0010】
さらに、弾性表面波素子のパッケージへの実装方法は、デバイスチップをウエハから切断した後に、個別のパッケージを用いて組み立てを行うために、量産性に欠けるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明はこのような課題に対処するためになされたものであり、外形の占有面積の大きさが内蔵する弾性表面波素子とほぼ等しいまでに小型化が可能で、かつ、信頼性の高い表面実装可能な弾性表面波装置を提供すること、及びウエハ状態でパッケージングまで行うことが可能な量産性に優れた弾性表面波装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の弾性表面波装置は、圧電基板上に弾性表面波を発生させる励振電極及び該励振電極に接続される配線電極を形成し、励振電極及び配線電極を絶縁性保護体で被覆し、絶縁性保護体内に、該絶縁性保護体を貫通し且つ屈曲部を有する導体を配設するとともに、この導体を、配線電極と、絶縁性保護体の表面に形成される外部電極の双方に接続させたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる弾性表面波装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1及び図2に本発明に係る弾性表面波装置S1,S2を模式的に示す要部断面図である。
【0015】
弾性表面波装置S1,S2は、例えばタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト型結晶構造を有する単結晶、またはPZTやZnO等の、圧電セラミックスその他の材料から成る圧電基板1上に、少なくとも1対の櫛歯状電極から成り弾性表面波を発生させる励振電極2と、これに接続される配線電極とが配設され、励振電極2及び配線電極3を絶縁性保護体6で被覆したものである。
【0016】
ここで、励振電極2はアルミニウムやその合金等の金属から成り、その両端に反射器電極が配設されたり、これらの複数が直列及び/又は並列に接続されていてもよい。また、配線電極3は励振電極2に接続され、励振電極2と同様な金属材料から構成される。また、絶縁性保護体6は熱硬化性樹脂(エポキシ系、シリコーン系、フェノール系、ポリイミド系、ポリウレタン系等)、熱可塑性樹脂(ポリフェニレンサルファイド等)、又は低融点ガラス等から成るものとする。
【0017】
絶縁性保護体6内には、絶縁性保護体6を貫通しかつ複数の屈曲部(5z,5y)を有する金属(銅,金,ニッケル等の単体や合金)や導電性樹脂等から成る柱状導体5を配設しており、この柱状導体5は、励振電極2と同様な材質から成る配線電極3と、絶縁性保護体6の表面に形成した半田バンプ等の金属材料から成る外部電極7との双方に接続されている。
【0018】
そして、励振電極2の振動空間11を確保するために、金属,樹脂,またはガラス等から成るカバー体4を、絶縁性保護体6と励振電極2との間に配設している。
【0019】
柱状導体5は、例えば図1,図3(a)に示すように、2つの柱状部5a,5bを1つの平板状部5cで接続するのが最も簡単な構造である。また、図3(b),(d),(e)に示すように、1つの平板状部5cを屈曲させたり、平面外形が円弧状等の自由曲線を含むように形成することも可能である。なお、図3(a)〜(e)の各図は、柱状導体5の平面図及び側面図を図示したものである。後記する図4〜図6においても、導体の平面図及び側面図を図示したものとする。
【0020】
また、図2,図3(c)に示すように、3つの柱状部5a,5b,5dと2つの平板状部5c,5eで構成することも可能である。このように屈曲部を増やすことにより、応力緩和の効果がいっそう大きくなる。
【0021】
また、図3(a),(b),(e)に示すように、第1の柱状部5aの中心軸に対し、第2の柱状部5bの中心軸をずらすようにしてもよく、これにより、外部電極7の配置や圧電基板1上の電極配置等に自由度を持たすことができ、電極パターンの最適位置設計を行うことができる。
【0022】
また、上記例では柱状部が円柱状のものを示したが、三角柱状や四角柱状などの多角柱状のものとしてもよい。また、図3(a)〜(e)を複数個組合せることにより、すなわち、例えば図4に示すように、屈曲部を増やした構造も本発明に含まれることはもちろんである。このように、屈曲部を多数設けることにより、外部電極7に働く応力が柱状導体に緩和されて伝達されるため、圧電基板1への影響を極力抑えることができる。これにより、弾性表面波装置を回路基板に半田等で実装して使用する際に、実装時の熱歪みや温度変化による応力が柱状の電極5を介して圧電基板1に伝わり、特性が著しく劣化したり、場合によっては圧電基板にクラックが発生するという問題を極力防止でき、高信頼性を有する弾性表面波装置を得ることができる。
【0023】
また、図5(a),(b)に示すように、平板状部5cの上下で柱状部の数を異なるようにしてもよく、また、図5(c)に示すように、平板状部5cを狭くし柱状部どうしが重なるようにしてもよい。
【0024】
また、図6に示すように、下側導体5(5a,5c,5b)と上側導体5’(5’a,5’b,5’c)とが分離されるように配設してもよく、これにより、例えば下側導体を信号用とした場合に、上側導体を信号用又は接地用にすることができ、また、下側導体を接地用としたときに上側導体を信号用又は接地用にすることができる。
【0025】
いずれにしろ、屈曲部を複数設けることにより、プリント基板等に半田等で接続された外部電極7に加わる外部応力が柱状導体を通じて圧電基板1に働くことによる緩和効果により、破損を極力防止することができる。
【0026】
また、図7(b)に示すように、外部電極7の位置が弾性表面波装置の端部側にあっても、図7(a)に示すように、圧電基板1上における電極位置,態様(配線位置,態様)の自由度を拡大させることが可能である。このように、圧電基板1上では不規則な位置にある電極(配線)を保護体6の外部に形成される外部電極7の位置を規則配置とすることも可能であり、圧電基板1上の電極(配線)位置は、外部回路基板の配線により制限される外部電極7の位置,態様に制限されることがない。
【0027】
次に、上記弾性表面波装置の製造方法の一例について説明する。
【0028】
最初に、本発明に係わる弾性表面波装置のカバー体の製造方法を説明する。なお、図9においてはカバー体4を1つ形成する場合について示すが、実際には、図8に示すように、ウエハW上に多数のカバー体Aが形成されるものとする。このように、まず最初にカバー体AをウエハW上に多数形成し、その後、別に用意した圧電性のウエハ上に弾性表面波素子領域を多数形成し、二つのウエハを重ねて接合し、ウエハWを研磨等により除去した後に、絶縁性保護体で封止し、さらに、外部電極を絶縁性保護体上に形成して、最後に個々のチップに分離して弾性表面波装置を完成させる。
【0029】
まず、図9(a)に示すように、弾性表面波素子を形成する圧電性のウエハと同サイズのウエハの領域10にメッキ用の電極膜4aを形成する。このウエハには圧電基板,シリコン基板,またはガラス基板を用いることができ、後工程で簡便に除去できる材質のものを使用する。電極膜4aは例えば銅等の金属材料を用いスパッタ成膜により厚さ0.2μm〜1μm程度に形成する。
【0030】
次に、図9(b)に示すように、カバー体4の上部に相当する箇所のメッキ用ガイドをフォトリソグラフィーにより形成する。フォトレジスト9aの厚さは50μm〜100μmとする。
【0031】
次に、図9(c)に示すように、銅の電解メッキによりカバー体の上部に相当する部分4bを形成する。この電解液には、硫酸銅0.5〜1.0×103 mol /m3 と硫酸1.5〜2×103 mol /m3 を用い、参照電極には塩化カリウム・塩化銀の標準電極を用いる。
【0032】
次に、図9(d)に示すように、カバー体の壁部に相当する部分のメッキ用ガイドをフォトリソグラフィーにより形成する。フォトレジスト9bの厚みは50μm〜100μm、また壁の厚さに相当する溝の幅は50μm〜100μm程度とする。
【0033】
次に、図9(e)に示すように、銅の電解メッキによりカバー体の壁部に相当する部分4cを形成し、その後、カバー体4cの上にスクリーン印刷により低融点ガラス8を厚さ5〜10μmで形成する。最後に、フォトレジストを除去しカバー体が配列された基板が完成する。
【0034】
次に、本発明に係わる弾性表面波装置の製造方法について説明する。図10〜図12は弾性表面波装置の製造工程を示した図である。なお、これら図においても、図9と同様に圧電基板であるウエハの、ある領域の断面図のみを模式的に示している。
【0035】
まず、図10(a)に示すように、圧電基板1上に櫛歯状の励振電極2及び第1の配線電極3aを形成する。圧電基板1には、ニオブ酸リチウム結晶基板,タンタル酸リチウム結晶基板,水晶結晶基板,四ホウ酸リチウム結晶基板,ランガサイト結晶基板,PZT基板等の圧電基板を用いる。励振電極2及び第1の配線電極3aはアルミニウムまたは銅等を添加したアルミニウム合金が用いられる。励振電極2は弾性表面波を励振及び受信を行うためのものであり、この例では単層としているが、電極の耐電力性向上のため多層電極とすることもある。これらの成膜は蒸着又はスパッタで行い、厚さ0.2μm〜1μmである。
【0036】
次に、図10(b)に示すように、第2の配線電極3bをフォトリソグラフィーにより選択的に形成する。第2の配線電極3bの電極材料としてニッケル,クロム,チタン等と銅が用いられる。第2の配線電極3bの厚さは0.2μm〜0.5μmである。
【0037】
次に、図10(c)に示すように、図9で説明したウエハ上に形成したカバー体を圧電ウエハ上に位置を合わせ載置させ、不活性ガス雰囲気中で低融点ガラスを接着剤とし接着する。低融点ガラスの接着温度は350℃〜450℃である。
【0038】
次に、図10(d)に示すように、カバー体形成用に用いた基板(ウエハ)及びメッキ用電極4aの一部を研磨により除去する。研磨は研磨剤のみのメカニカル研磨による粗研磨とメカノケミカル研磨の2段階で行う。
【0039】
次に、図10(e)に示すように、柱状部をメッキで形成するためのメッキ用ガイドをフォトリソグラフィーで形成する。フォトレジスト9の厚さは100μm〜400μm程度とし、また、柱状導体用の孔の径は50μm〜200μm程度とする。
【0040】
次に、図11(a)に示すように、銅の電解メッキにより、第1の柱状部5aを形成する。電解液には、硫酸銅0.5〜1.0×103 mol /m3 と硫酸1.5〜2×103 mol /m3 を用い、参照電極には塩化カリウム・塩化銀の標準電極を用いる。
【0041】
次に、図11(b)に示すように、フォトレジスト9を除去する。その後、柱状導体形成用の第2の配線電極3bの一部を、第1の柱状部5a及びカバー体4をマスクにしてエッチングにより除去する。エッチングにはウエットエッチング又はRIE等のドライエッチングが用いられる。
【0042】
次に、図11(c)に示すように、熱硬化樹脂のトランスファーモールドにより樹脂層6aを形成する。この時、樹脂を上部から押えるダイの面に厚さ約100μm樹脂フィルムを装着しておくことにより、柱状導体の上部を樹脂層から露出させることができる。樹脂層6aの厚さは100μm〜400μm程度とする。
【0043】
次に、図11(d)に示すように、フォトリソグラフィーにより選択的に第1の平板状部5fを形成した後、第2の平板状部5gを形成し、その後、第3の柱状部形成用のメッキガイド用をフォトレジスト9で形成する。第1の平板状部には金,銅等が用いられ、第2の平板状部にはニッケル,クロム,チタン等と銅が用いられる。第1の平板状部の厚さは0.5μm〜10μm、第2の平板状部の厚さは0.2μm〜0.5μmである。また、フォトレジスト9の厚さは10μm〜200μmである。
【0044】
次に、図12(a)に示すように、図11(a)と同様の方法で銅の電解メッキにより第3の柱状体5dを形成する。
【0045】
次に、図12(b)に示すようにフォトレジスト9を除去し、その後、第2の平板状部5gの一部を、第3の柱状部5dをマスクにしてエッチングにより除去する。このエッチングにはウエットエッチング又はRIE等のドライエッチングが用いられる。
【0046】
次に、図12(c)に示すように、熱硬化樹脂のトランスファーモールドにより樹脂層6aを形成する。この時、樹脂を上部から押えるダイの面に厚さ約100μm樹脂フィルムを装着しておくことにより、柱状導体の上部を樹脂層から露出させることができる。樹脂層6bの厚さは10μm〜200μmである。
【0047】
次に、図12(d)に示すように、図12(a)〜(d)の工程を繰り返すことにより、平面状電極5,第2の柱状導体5b,及び第3の樹脂層6cを形成する。
【0048】
最後に、図2に示すように、クリーム半田を柱状導体5の上部にスクリーン印刷し、リフロ−することにより半田バンプからなる外部電極7を形成し、弾性表面波装置が多数個含まれたウエハが完成する。このウエハをダイシング等で切断・分離することにより、所望の弾性表面波装置が得られる。
【0049】
かくして、高信頼性且つチップサイズと同等な大きさの小型な弾性表面装置を、量産性に富んだ大幅に工程が簡略化された製造方法で製造することができる。
【0050】
なお、図1,図2に示すように、圧電基板1の裏面に樹脂層66を形成しておいてもよい。ダイシング工程を経て製造された本発明のウエアレベルパッケージング弾性表面波装置は、回路基板への塔載時に圧電基板側をマウンター装置のコレット等でつかまれるため、基板が損傷することがある。このように、圧電基板の裏面に樹脂層を設けることにより、この基板損傷を防止することができる。
【0051】
また、図13(a),(b)及び図14(a),(b)は、それぞれラダー型フィルタ及び二重モード共振器型フィルタにおける、本発明のカバー体4の一例を平面的に説明する図である。各図(a)は圧電基板1上の櫛歯状電極及び配線電極のパターンを示し、各図(b)は、カバー体4の壁面(凹部)における断面模式図を示したものである。各図(b)において、励振電極2の上部に相当する部分のみカバー体4の凹部を設けることにより、カバー体4の機械的信頼性を大きく向上させることができる。
【0052】
特に、励振電極2及び配線電極3の占める面積が大きい場合には、金属からなるカバー体4の凹部を励振電極2毎に分割することにより、更に機械的信頼性を向上するのに有効である。カバー体4に形成された複数個の凹部は、それぞれが独立した凹部であれば有効であるのはいうまでもないが、機械的強度を損なわないように凹部どうしが繋がっていても同様の効果が得られる。これにより、更に信頼性の高い小型化可能な弾性表面波装置を提供することができる。
【0053】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0054】
まず、図10(a)に示すように、圧電基板1上に励振電極2と第1の配線電極3aを形成した。圧電基板1として厚さ350μmの36°Yカットタンタル酸リチウム基板を用い、励振電極2及び配線電極3の第1層目の配線電極3aにはアルミニウム合金(銅含有率1%)を用いた。電極厚さは2000〜4000Åとした。第2の配線電極3bにはニッケル,銅の2層電極を用い、それぞれの厚さは1000Å,2000Åとし、フォトリソグラフィーを用いて選択的に形成した。
【0055】
次に、図10(c)に示すように、シリコン基板10上に形成されたカバー体4aを低融点ガラス8で接着し、その後、研磨機を用いシリコン基板10及びカバー体4aの一部を除去した。このときの研磨液は水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液にコロイダルシリカを混入させたものを使用して行った。
【0056】
次に、図10(e),図11(a)に示すように、第1の柱状部5aをメッキにて形成するためのガイドをフォトレジストで形成し、銅の電解メッキにて第1の柱状部5aを形成した。このときの第1の柱状部5aの直径は100μm、高さは200μmとした。
【0057】
次に、図11(c),(d)に示すように、メッキガイド用のフォトレジストを除去した後、熱硬化性のモールド用樹脂を用い、トランスファーモールドによる封止を行った。樹脂を上部から押えるダイに100μm厚の耐熱樹脂フィルムを装着することにより、第1の柱状部5aの上部が第1の樹脂層6aから露出させるようにした。第1の樹脂層6aの厚みは約200μmとした。
【0058】
次に、図12(a)〜(d)に示すように、平板状部5c,第3の柱状部5d,第2の樹脂層6b,平板状部5e,第2の柱状部5b、及び第3の樹脂層6cを順次形成した。
【0059】
平板状部には銅の単層電極及びニッケル,銅の2層電極を用い、それぞれの厚さは1μm,1000Å,2000Åとした。柱状部には銅メッキを用い、厚さは100μmとした。
【0060】
次に、クリーム半田を10μmの厚さで、柱状導体5の上部にスクリーン印刷した後、リフローを270℃で行い、外部電極7となる半田バンプを形成した。
【0061】
最後に、基板をダイシングにより弾性表面波装置(チップ)を1 個ずつに分離し、弾性表面波装置を完成した。得られた弾性表面波装置は、櫛歯状電極がカバー体および絶縁性保護体である封止樹脂により保護されているとともに、柱状導体に応力緩和用の屈曲部が設けられていることにより、−40℃〜85℃の温度サイクル試験においても、圧電基板の損傷は無く、しかも特性劣化は全く観測されなかった。また、弾性表面波フィルタ素子(1mm×1.5mm)とほぼ同じ占有面積の小型化及び、高さ0.8mmの低背化が実現できた。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳細に述べたように、本発明の弾性表面波装置によれば、弾性表面波素子の配線電極と外部電極を接続する導体に複数個の屈曲部を設けることにより、外部電極に加わる応力を十分に緩和できるため、温度変化等により劣化の生じない高信頼性の弾性表面波装置を提供できる。
【0063】
また、導体に屈曲部を設けることにより、弾性表面波素子の配線電極位置と外部電極位置を圧電基板の平面方向で異ならせることができる。これにより外部電極や配線パターンの配置態様に自由度を持たすことができ、電極の最適設計を行うことができる。
【0064】
また、圧電基板を下部筐体とし、樹脂モールドにより封止を行いそれを上部筐体とすることができ、従来のセラミックパッケージ等が不要となり、大幅な小型・軽量化が図れ、外形の占有面積の大きさが、内蔵する弾性表面波素子とほぼ等しい、究極的に小型化された表面実装可能な弾性表面波装置を提供することができる。
【0065】
また、全ての製造工程をウエハプロセスで行うことができ、ウエハ単位の加工で弾性表面波装置を多数個同時に形成できる、すなわち、樹脂封止まで完了したウエハをダイシング工程で個別の弾性表面波装置にカッティングすることにより完成品を得ることができるため、従来のダイシング工程以降の工程のように個別に弾性表面波素子を組み立てる必要が無く、しかも処理能力の小さいダイボンダー,ワイヤーボンダー,シーム溶接機等の組立装置が不要となり、大幅に工程を簡略化するとともに、量産性の高い弾性表面波装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる弾性表面波装置の実施形態を説明する断面模式図である。
【図2】本発明に係わる他の弾性表面波装置の実施形態を説明する断面模式図である。
【図3】(a)〜(e)は、それぞれ本発明に係わる導体の構造例を模式的に説明する平面図と側面図である。
【図4】本発明に係わる他の導体の構造例を模式的に説明する平面図と側面図である。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ本発明に係わる他の導体の構造例を模式的に説明する平面図と側面図である。
【図6】本発明に係わる他の導体の構造例を模式的に説明する平面図と側面図である。
【図7】本発明に係わる他の導体の構造例を模式的に説明する平面図と側面図である。
【図8】本発明に係わるカバー体を作製するためのウエハの様子を説明する斜視図である。
【図9】(a)〜(f)はそれぞれ本発明に係わる弾性表面波装置のカバー体の製造工程を模式的に説明する断面図である。
【図10】(a)〜(e)はそれぞれ本発明に係わる弾性表面波素子の製造工程を模式的に説明する断面図である。
【図11】(a)〜(d)はそれぞれ本発明に係わる弾性表面波素子の製造工程を模式的に説明する断面図である。
【図12】(a)〜(d)はそれぞれ本発明に係わる弾性表面波素子の製造工程を模式的に説明する断面図である。
【図13】(a)はラダー型弾性表面波フィルタ素子の電極パターンを示す平面模式図であり、(b)はカバー体を説明するための断面模式図である。
【図14】(a)は二重モード共振器型弾性表面波フィルタ素子の電極パターンを示す平面模式図であり(b)はカバー体を説明するための断面模式図である。
【図15】従来の弾性表面波装置を説明する断面模式図である。
【符号の説明】
1 :圧電基板
2 :励振電極(1対の櫛歯状電極)
3 :配線電極
3a:第1の配線電極
3b:第2の配線電極
4 :カバー体
4a:カバー体形成用金属膜
4b:カバー体上部
4c:カバー体壁部
5,5’:柱状導体(導体)
5a:第1の柱状部
5b:第2の柱状部
5c:平板状部
5d:第3の柱状部
5e:平板状部
5f:第1の平板状部
5g:第2の平板状部
6 :樹脂層(絶縁性保護体)
6a:第1の樹脂層
6b:第2の樹脂層
6c:第3の樹脂層
7 :外部電極
8 :低融点ガラス
9 :フォトレジスト
9a:フォトレジスト
9b:フォトレジスト
10 :基板
66 :樹脂層
S1,S2:弾性表面波装置
Claims (7)
- 圧電基板と、
前記圧電基板上に配置される励振電極と、
前記圧電基板上に配置され、前記励振電極に接続される配線電極と、
前記励振電極の振動空間を構成する凹部を有し、外周縁が前記圧電基板の直上領域内に位置するようにして前記圧電基板に接着されるカバー体と、
前記カバー体を覆う絶縁性保護体と、
前記絶縁性保護体上に配置される外部電極と、
前記絶縁性保護体内に配設されるとともに、前記配線電極と、前記外部電極の双方に接続され、前記配線電極から前記外部電極への接続経路において屈曲部を有する柱状導体と、を備えた弾性表面波装置。 - 前記柱状導体は、前記配線電極に接続される第1の柱状部、前記外部電極に接続される第2の柱状部、及び前記第1、第2の柱状部に接続される平板状部とからなり、
前記第1の柱状部の中心軸に対し、前記第2の柱状部の中心軸が前記圧電基板の中心側に位置している請求項1に記載の弾性表面波装置。 - 前記絶縁性保護体が樹脂からなる請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
- 前記カバー体が、金属、樹脂、ガラスのいずれかにより形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波装置。
- 前記柱状導体は、メッキにより形成された柱状部を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性表面波装置。
- 前記外部電極は、前記圧電基板の直上領域内に位置している請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性表面波装置。
- 複数の弾性表面波素子領域を有する圧電性のウエハ上に励振電極及び配線電極を形成する工程と、
前記圧電性のウエハ上に前記励振電極の振動空間を構成する凹部を有するカバー体を形成する工程と、
メッキにより形成された柱状部と、前記柱状部に接続され、フォトリソグラフィにより形成された平板状部と、を有し、前記配線電極に接続される柱状導体を形成する工程と、
前記カバー体を覆う絶縁性保護体を形成する工程と、
前記絶縁性保護体上に前記柱状導体と接続される外部電極を形成する工程と、
前記圧電性のウエハを前記弾性表面波素子領域ごとに切断する工程と、を含む弾性表面波装置の製造方法。
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