JP4380331B2 - 回転炉の鉄皮の保護方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2や特許文献3には、回転炉の炉体の出口付近に補助バーナを設けて炉体の出口付近においても燃焼を行うことによって、出口付近におけるスラグの付着を防止する発明が開示されている。
図1は、ロータリーキルンに代表される回転炉1の炉体2の長手方向への断面の一例を模式的に示す説明図であり、図2はこの回転炉1の炉体2の長手方向への温度分布の一例を示すグラフである。さらに、図3は、ロータリーキルンに代表される回転炉1の炉体2に特許文献2又は特許文献3により開示された発明を適用した場合の長手方向への断面の一例を模式的に示す説明図である。
これらの本発明に係る回転炉の鉄皮の保護方法において、さらに、冷却水を供給した後に一定時間冷却水の供給を停止してから、鉄皮の温度を測定し、この温度が再度上昇して温度管理域を逸脱する場合に冷却水の供給を再開することが望ましい。
これらの本発明に係る回転炉の鉄皮の保護方法において、回転炉の耐火物の厚みが200〜400mmである場合には、管理温度は200℃以上であることが例示される。
本実施の形態では、略述すると、(1)回転炉の炉体を構成する鉄皮の表面の温度を、炉体長手方向の各部位毎及び炉体円周方向の各部位毎に測定するという第1の工程と、(2)炉体長手方向について測定した温度が予め定めた管理温度域を逸脱した部位に対して、炉体長手方向に配置した複数の冷却水供給部それぞれから鉄皮の外面に供給される冷却水の量を、複数の冷却水供給部それぞれ毎に個別に調整するとともに、炉体円周方向について測定した温度が予め定めた管理温度域を逸脱した部位が鉄皮の外面に冷却水を供給する冷却水供給部を通過する時に、所望の量の冷却水を供給することによって逸脱した部位の温度を管理温度域内とするという第2の工程とを経ることによって、回転炉の鉄皮を保護する。そこで、この第1の工程及び第2の工程について順次説明する。
本実施の形態では、第1の工程として、回転炉の炉体を構成する鉄皮の表面の温度を、炉体長手方向の各部位毎及び炉体円周方向の各部位毎に測定する。これにより、鉄皮のうちで損耗の進行した損耗部を特定する。
図4及び図5に示すように、回転炉1を構成する耐火物の内壁温度は、炉体長手方向に関して同じ位置であっても、溶鋼から生じる生成物の付着状況等による影響を受けて一定とはならず、炉内の内壁に付着したスラグ等の生成物が炉体2の回転等の作用によって部分的に脱落することにより、付着物が少ないために比較的高温となる部分(最上部−C点間、C点−D点間、D点−E点間、E点−F点間)が局部的かつ不可避的に発生する。
図7は、溶融操業中の回転炉1の炉内温度が1280℃である場合における耐火物8の残存厚みと鉄皮9の温度との関係の一例を示すグラフである。
(i)鉄皮9が過熱された程度によらずに冷却水11を一定の量で供給するため、鉄皮9の温度が比較的低い耐火物の非損耗部まで過剰に冷却することとなり、この耐火物に熱収縮を発生させてクラック等の損傷を発生させる恐れがある。
(iv)図9は、鉄皮9の円周方向についての温度変化サイクルを示すグラフである。同図にグラフで示すように、回転炉1の炉底部付近には溶融金属が溜まり、鉄皮9の表面の同じ部位でも円周方向の下部を通過するタイミングで鉄皮9の温度が最も上昇するため、炉体2の下部における耐火物損耗部分の保護を強化する必要がある。
本実施の形態では、回転炉1の鉄皮9の温度を測定することにより検出及び特定された炉体2の耐火物8の損耗部の損耗の度合いに応じて、この損耗部を部分的に適切に冷却することにより、回転炉1の耐火物8の損耗、さらには耐火物8の損耗に起因した鉄皮9の溶損を効果的に抑制してその延命を図る。
図10は、本実施の形態における冷却水供給方法の一例を経時的に例示するグラフである。
これにより、冷却水14を常時供給しないため、耐火物損耗部を検出することができる。このため、上述した不具合2を解決することができる。
図11は、本実施の形態における鉄皮温度測定及びトラッキング制御方法の一例を示す模式的説明図である。図11に示すように、温度測定を行う放射温度計12を、回転する炉体2を介して冷却水供給部13とは反対側に配置し、冷却水14がかからない部分で測定したデータ(温度・周方向位置情報)を回転に同期させて冷却水供給部13までトラッキングさせて、冷却水供給部13で損耗度に応じた適正な量の冷却水14を供給する。
図12は、本実施の形態における炉体下部通過時の保護操作の一例を示す模式的説明図である。図12に示すように、冷却水14がかからない部分で測定したデータ(温度・周方向位置情報)を回転に同期させて冷却水供給部13までトラッキングさせたトラッキングデータを用いて、損耗部が炉体下部を通過するタイミングで炉体2の回転速度を調節することにより、耐火物損耗部が高温部に曝される時間を相対的に短縮し、これにより、損耗の局部進行を抑えることができる。
このように、本実施の形態によれば、工程1及び工程2を経て、さらに工程3〜工程5を行うことによって、逸脱した部位の温度を管理温度域内とすることができる。このため、回転炉1の耐火物の損耗を効果的に抑制することができ、回転炉の鉄皮を保護することができる。これにより、従来は1ヶ月程度であった補修周期を例えば約6ヶ月程度にまで大幅に延長できることによって保守コストの抑制や稼働率の改善等を図ることができる。
以降の各実施例では、全長14m、直径5m、処理能力2500乾燥トン/月、回転周期20分の並行流式ロータリーキルンを用いた。処理原料は、石炭、廃プラスチック及び酸化鉄を含む製鉄ダストである。この並行流式ロータリーキルンの炉内温度は1300℃以上の高温であり、耐火物の損耗が無い場合(厚み363mm)でも、鉄皮の表面温度は200℃以上に達する。
図13のグラフにおける曲線Aは冷却を行わない場合の鉄皮の温度分布を示し、曲線Bは従来法の長手方向に一定量の冷却水を供給した場合の鉄皮の温度分布を示し、さらに曲線Cは鉄皮の温度が400℃以上となる点のみ冷却水を供給した場合の鉄皮の温度分布を示す。なお、鉄皮の温度は放射温度計を用いて炉体円周方向に対して真横から測定したものである。
また曲線Bから、バーナの炎先端付近の温度が300℃付近にまで低減されるが、その他の部分(出側付近及び入側付近等)では、150℃以下にまで過剰に冷却されたことが分かる。
また、曲線Eの場合は局部損耗部と健全部位の区別なく常時一定量の冷却水を供給するために、300℃を超える鉄皮の過熱部は解消されるものの、健全部の温度は200℃以下にまで過剰に冷却されたことがわかる。
図17に示すグラフにおいて、曲線Jは冷却水を常時供給しながら鉄皮の温度測定を行った場合を示し、曲線Kは一定周期毎に冷却水の供給を停止して鉄皮の温度測定を行った場合を示す。なお、図17に示すグラフの結果は、同じ耐火物損耗部の鉄皮の温度分布を比較したものであり、鉄皮の温度は炉体側面から放射温度計を用いて測定している。
これに対し、耐火物損耗部が炉体下部が通過するタイミングでのみ炉体回転速度を(1/20)rpmから(1/10)rpmに速度調整を行うと、曲線Mに示すように、耐火物損耗部の鉄皮の温度上昇が緩和され、耐火物を高温から保護できることがわかる。
Claims (8)
- 回転炉の炉体を構成する鉄皮の表面の温度を、炉体円周方向の各部位毎に測定し、測定した当該温度が予め定めた管理温度域を逸脱した部位に対して、当該部位が前記鉄皮の外面に冷却水を供給する冷却水供給部を通過する時に、所望の量の冷却水を供給することによって、前記逸脱した部位の温度を前記管理温度域内とするとともに、前記管理温度域を逸脱した炉体円周方向の部位が炉体下部を通過する時以外の時には、前記炉体の回転速度を(1/20)rpm以上(1/10)rpm以下とし、前記管理温度域を逸脱した炉体円周方向の部位が前記炉体下部を通過する時には、前記炉体の回転速度を(1/10)rpm超とすることを特徴とする回転炉の鉄皮の保護方法。
- 回転炉の炉体を構成する鉄皮の表面の温度を、炉体長手方向の各部位毎及び炉体円周方向の各部位毎に測定し、前記炉体長手方向について測定した当該温度が予め定めた管理温度域を逸脱した部位に対して、炉体長手方向に配置した複数の冷却水供給部それぞれから該鉄皮の外面に供給される冷却水の量を、前記複数の冷却水供給部それぞれ毎に個別に調整するとともに、前記炉体円周方向について測定した前記温度が予め定めた管理温度域を逸脱した部位が前記鉄皮の外面に冷却水を供給する冷却水供給部を通過する時に、所望の量の冷却水を供給することによって、前記逸脱した部位の温度を前記管理温度域内とし、さらに、前記管理温度域を逸脱した炉体円周方向の部位が炉体下部を通過する時以外の時には、前記炉体の回転速度を(1/20)rpm以上(1/10)rpm以下とし、前記管理温度域を逸脱した炉体円周方向の部位が前記炉体下部を通過する時には、前記炉体の回転速度を(1/10)rpm超とすることを特徴とする回転炉の鉄皮の保護方法。
- 前記冷却水供給部からの冷却水の供給量を、前記鉄皮の温度実績に基づいて、修正する請求項1または請求項2に記載された回転炉の鉄皮の保護方法。
- さらに、前記冷却水を供給した後に一定時間該冷却水の供給を停止してから、前記鉄皮の温度を測定し、該温度が再度上昇して前記温度管理域を逸脱する場合に前記冷却水の供給を再開する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された回転炉の鉄皮の保護方法。
- 前記管理温度域を逸脱した部位に対する前記冷却水の供給、又は前記炉体の回転速度の調整は、温度測定点から前記冷却水供給部までの間、又は該温度測定点から前記炉体下部までの間で、当該部位の温度及び位置情報をトラッキングすることにより行われる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された回転炉の鉄皮の保護方法。
- 前記管理温度域は400℃以下である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された回転炉の鉄皮の保護方法。
- 前記回転炉の耐火物の厚みが200〜400mmである場合には、前記管理温度は200℃以上である請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された回転炉の鉄皮の保護方法。
- 前記鉄皮の表面の温度の測定は、該鉄皮の表面であって前記冷却水が直接かからない部位で行われる請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された回転炉の鉄皮の保護方法。
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