JP4381566B2 - 瓦屋根の棟部に設置する簡易換気棟 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観上、棟部にのし瓦が多数段積み重ねられた状態にする様にした瓦屋根の棟部に設置する簡易換気棟に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、神社、仏閣及びこれに類する建築物における大棟、降棟、隅棟等の棟部aの構造としては、図7に示す様に、台風や地震の水平力に抵抗させるために棟木bから棟束cを立設し、下方から台のし瓦d、のし瓦eを順次葺土fを介在させながら銅線gで緊結させて積み重ねた構造と成っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記棟構造にあっては、下記の通り解決せねばならない課題があった。
(1)屋根裏に溜まった空気を外部へ排出出来ない。
(2)のし瓦e間には葺土fを介在させているために棟部aが重くなって、建築物への負担が大きく、特に地震に対し弱い。
(3)長期間の風雨等によって葺土fが崩れ棟部aの形態が悪化する。
(4)棟部aの構築には、高度な熟練技術が要求される。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術に基づく、(1)〜(4)の課題に鑑み、上下方開口状のボックスと、該ボックスの両側面の縦横方向に多数配列し、釘等により固定した、のし面を備える棒のし瓦と、ボックスの上部に葺設し、釘等により固定したのし瓦と、該のし瓦上に跨がる様に被冠して釘等により固定した冠瓦とにより構成し、のし瓦及び冠瓦間に通気部位を形成し、X状に交差させた固定金具の先端部をボックスの内面に、基端部を屋根下地に夫々固定する様にした簡易換気棟を屋根の棟部に立設、固定することによって、第1にボックスの下方開口部から通気部位までの屋根裏の空気の排出経路を確保可能にし、第2に葺土が不要になることによって、棟部の軽量化を図ると共に、経時劣化を防止する様にし、第3に乾式工法になることによって、作業の容易化を図る様にして、上記課題を解決する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、2に示す様に、棟部に設置する簡易換気棟1にあっては、上下方開口状のボックス2と、該ボックス2の両側面の縦横方向に配列固定した複数の棒のし瓦3、3a…を主構成部材として構成されている。
又、ボックス2にあっては、末広状に形成してその両側面を傾斜面にし、上面を、中央が高い山形状に形成している。
具体的には、ボックス2を形成するためのボックス枠4と、該ボックス枠4の両側部に形成した傾斜状の側面壁板5、5aと、ボックス枠4上面部にへ字状に並列固定した上面壁板7、7aとにより構成し、かかるボックス2の表面に防水層8を形成している。
ボックス枠4にあっては、ハ字状に配置した一対の側枠板9、9aと、該側枠板9、9aの上下部間に横架した一対の上下方枠板10、10a から成る複数個の内枠体11、11a …を所定間隔毎に列設すると共に、内枠体11、11a …における上方枠板10の中央上方に設けた、内枠体11、11a …の配列方向に長い連結枠12により、内枠体11、11a …を連結一体化して形成されている。
又、連結枠12の上面に換気切欠6、6a…を設けている。
そして、側面壁板5、5aを各内枠体11、11a …の側枠板9、9aの外側面に固定し、上面壁板7、7aの外端部を各内枠体11、11a …の側枠板9、9aの上端面に、内端縁部を連結枠12に固定して、上面壁板7、7a間に上方開口部を形成し、側面壁板5、5a及び上面壁板7、7aの表面を防水シート等で被覆して防水層8を形成し、ボックス2を形成している。
【0006】
棒のし瓦3、3a…にあっては、図3、4に示す様に、断面形状が箱のし瓦の側部と略同一になる様に、断面円弧状の基体15a の一側部に固定突部15を上方突設すると共に、該固定突部15に孔16、16a …を貫設している。
具体的には、その上面13を外方への緩やかな傾斜曲面状若しくは傾斜平面状に形成すると共に、外方におけるのし面14を、上面13の外縁部より内方に傾斜平面状に連続形成されており、一方、内方における上部側に固定突部15を上方突設すると共に、該固定突部15に複数個の穴16、16a …を形成し、かかる棒のし瓦3、3a…の固定突部15の穴16、16a …を貫通させた釘、ビス等の固定具17を、ボックス2における側面壁板5、5aに打ち込んで、ボックス2に棒のし瓦3、3a…を固定している。
又、棒のし瓦3、3a…にあっては、図3に示す様に、2枚1組として分離可能に押出成形し、使用時に分離する様にするのが望ましい。
又、棒のし瓦3、3a…をボックス2に配列固定する場合、両側面壁板5、5aに型紙を貼り、それに沿って行うのが望ましく、その型紙も、例えばCAD等で作図し原寸大でプリントアウトしたものを使用すれば設計図通りの棟部が構築可能になる。
【0007】
又、ボックス2における上面壁板7、7a上にのし瓦18、18a を載置すると共に、該のし瓦18、18a を、その内端側を貫通させて上面壁板7、7aに打ち込んだ釘、ビス等の固定具19により固定すると共に、該のし瓦18、18a に跨がる様に冠瓦20に被冠し、該冠瓦20を貫通させた釘、ビス等の固定具21をボックス2に打ち込んで冠瓦20をボックス2に固定している。
又、のし瓦18、18a にあっては、内端側上面に防水堤22、22a を一体突設し、他方冠瓦20にあっては、両下端面の夫々に複数個の突脚部23、23a …を一体突設し、該突脚部23、23a …によりのし瓦18、18a 及び冠瓦20間に通気部位24を形成している。
尚、図3に示す様に、ボックス2の側面壁板5、5aに固定する棒のし瓦3、3a…の配列状態は千鳥状であるが、かかる配列状態に何ら限定されない。
又、ボックス2にあっては、棟部を1個で構成したり、複数個のものを列設して構成してもどちらでもよいが、棟部が長い場合、後者の方が望ましい。
【0008】
次に、上記した簡易換気棟1を使用した棟構造1としては、図1に示す様に、棟束26、26a …の無い棟部にボックス2を設置する場合、ボックス2内の側枠板9、9aに、X状に交差させた固定金具31、31a の先端を固定すると共に、連結金具の下端部を屋根側に固定して、棟部にボックス2を設置している。
尚、固定金具31、31a にあっては、細長板を中間部で90度捻転して形成されたものである。
又、棟束26、26a …の有る棟部にボックス2を設置する場合、図5に示す様に、屋根の構造部材である棟木25上に、該棟木25の長さ方向に所定間隔で立設された複数本の棟束26、26a …の上部にボックス2の連結枠12を載架し固定して、ボックス2を棟束26、26a …に固定し、又棟束26、26a …の下方両側部にして棟際に配置される桟瓦27の上方に、下部横木28、28a が棟長さ方向にわたって架設され、かかる下部横木28、28a に分割した台のし瓦29、29a を、その内端側に貫通させた釘、ビス等の固定具30を打ち込んで固定している。
又、図6に示す様な棟金具40上に設けた棟木41に設置する簡易換気棟1にあっては、ボックス2を、下部中央に棟木41の嵌合切込42、42a …が形成された枠板43、43a …と、該枠板43、43a …の両側部に固設した傾斜状の側面枠板44、44a と、各枠板43、43a …の上部の両側部に固設された直角三角形状の受け板45、45a と、枠板43、43a …中央上方に設けて、該枠板43、43a …を連結一体化した、枠板43、43a …の配列方向に長い連結枠46とにより構成している。
そして、棟木41上に簡易換気棟1を、枠板43、43a …の嵌合切込42、42a …に棟木41を嵌め込む様にして載置、固定して、棟部に簡易換気棟1を設置している。
【0009】
次に本発明に係る簡易換気棟の作用について説明する。
屋根裏の空気は、先ず棟部に設置された簡易換気棟1におけるボックス2の下方開口部よりボックス2内に流入し、次にボックス2の上方開口部よりのし瓦18、18a 及び冠瓦20間の空間部を介して通気部位24より外部へ排出される。
又、通気部位24より吹き込んだ雨水は、のし瓦18、18a の防水堤22、22a に当たってのし瓦18、18a の表面を流下し外部へ排出される。
【0010】
【発明の効果】
要するに本発明は、屋根の棟部に立設する上下方開口状のボックス2と、該ボックス2の両側面の縦横方向に多数配列し固定した、のし面14を備える棒のし瓦3、3a…と、ボックス2の上部に葺設固定したのし瓦18、18a と、該のし瓦18、18a 上に跨がる様に被冠した冠瓦20とにより構成し、のし瓦18、18a 及び冠瓦20間に通気部位24を形成し、X状に交差させた固定金具31、31a の先端部をボックス2の内面に固定して、固定金具31、31a の基端部を屋根下地に固定する様にしたので、屋根下地に対しボックス2は柔接続であるため、地震がきても建物側と同期振動せず、固定金具31、31a の免震作用により簡易換気棟1の振動を抑止することが出来る。
又、ボックス2の下方開口部から通気部位24までの排気経路を形成することが出来るため、屋根裏に溜まった空気を外部へ排出することが出来る。
又、簡易換気棟1の主体はボックス2であるため、棟内への雨水の浸入を防止出来、棒のし瓦3、3a…にはのし面14が形成されているため、外観上も良好となり、而も葺土を一切使用しておらず、単にボックス2、棒のし瓦3、3a…、のし瓦18、18a 及び冠瓦20で構成されているため、軽量化が図られ、耐震性及び耐久性を具備させることが出来る。
又、棒のし瓦3、3a…の固定は、釘等の打ち込みだけであるため、作業性が極めて簡単となり、而もボックス2の両側面に棒のし瓦3、3a…の配列パターンが表示された型紙を貼り付ければ、棒のし瓦3、3a…を配列パターンに沿って単に整列させてボックス2に固定出来るため、棟として均整のとれた形態にすることを容易化出来る。
よって、かかる構成にしたことで、棟部は屋根上で構築せずに地上で構築したものをクレーン等で引き上げて据え付けるだけで良く、高所作業を可能な限り省略することが出来、よって安全性の向上を図ることが出来る。
【0011】
又、通気部位24を、冠瓦20の両下端面に設けた突脚部23、23a …により形成したので、単に冠瓦20を被冠するだけで通気部位24を形成することが出来る。
又、のし瓦18、18a の内端側上面に防水堤22、22a を形成したので、通気部位24から吹き込んだ雨水の室内への侵入を防止出来、よって防水機能を具備した換気棟にすることが出来る。
【0012】
又、ボックス2の上面を山形状にしたので、のし瓦18、18a をボックス2上に載置するだけで傾斜状態にすることが出来る。
【0014】
又、断面円弧状の基体15a の一側部に固定突部15を上方突設したので、棒のし瓦3、3a…のボックス2への固定作業は、固定突部15を適宜手段によりボックス2に固定するだけであるため、従来の様にのし瓦を葺設するための葺土を不要にすることか出来、のし瓦の葺設作業の容易化を図ることが出来、而も固定突部15に孔16、16a …を貫設したので、孔16、16a …を通した釘等の固定具17をボックス2に打ち込むだけで、棒のし瓦3、3a…をボックス2に固定することか出来るため、棒のし瓦3、3a…の固定作業の容易化を図ることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】棟構造を示す概略断面図である。
【図2】簡易換気棟の一部断面斜視図である。
【図3】2枚を分離可能に連結一体化された状態の棒のし瓦の端面図である。
【図4】棒のし瓦の側面図である。
【図5】図1の他の実施例を示す概略断面図である。
【図6】図1の他の実施例を示す概略断面図である。
【図7】従来の棟構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2 ボックス
14 のし面
3、3a… 棒のし瓦
15 固定突部
15a 基体
16、16a … 孔
18、18a のし瓦
20 冠瓦
22、22a 防水堤
23、23a … 突脚部
24 通気部位
31、31a 固定金具
Claims (3)
- 屋根の棟部に立設する上下方開口状のボックスと、該ボックスの両側面の縦横方向に多数配列し固定した、のし面を備える棒のし瓦と、ボックスの上部に葺設固定したのし瓦と、該のし瓦上に跨がる様に被冠した冠瓦とにより構成し、のし瓦及び冠瓦間に通気部位を形成し、X状に交差させた固定金具の先端部をボックスの内面に、基端部を屋根下地に夫々固定する様にしたことを特徴とする瓦屋根の棟部に設置する簡易換気棟。
- 通気部位を、冠瓦の両下端面に設けた突脚部により形成したことを特徴とする請求項1記載の瓦屋根の棟部に設置する簡易換気棟。
- ボックスの上面を山形状にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の瓦屋根の棟部に設置する簡易換気棟。
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