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JP4382007B2 - ピストンリングの切出し装置 - Google Patents
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本発明は、例えば車両用エンジン部品であるピストンにピストンリングを組付ける際に使用される切出し装置に関する。
従来、例えば車両用エンジン部品であるピストンにピストンリングを組付ける作業は自動化されており、複数枚が積層されたピストンリングを一枚づつ切出してピストンに嵌装するような装置構成が一般的である。この際、ピストンリングの内でも特にオイルリングの上下に嵌装されるサイドリングは、厚みが0.4mm程度と薄いため、オイルリングの上方または下方に組み付けるためには、一枚づつ確実に切出すことが必要である。
このため、複数枚が積層されたリングを下方から一枚づつ切出す装置として、案内ロッドに嵌合し積層されるリングのうち、最下端より一本上のリングを逃がし手で係止しておき、最下端のリングに向けて上方からエアを吹付けることにより案内ロッドの下方で待機する移送板上に切り出すような技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
特開平6−277957号公報
ところが、上記技術のようにエアで切出す技術の場合、ピストンリングには防錆油等のオイルが塗布されているのが一般的であるため、リング同士が密着して離れにくくなっており、一定のエア圧をかけただけでは離間しなかったり、あるいは、離間させるためにエア圧を高めると次のリングまで一緒に離間させたりするような不具合があった。このため、このような不具合を是正するため、エアの吹付けポイントを一点に厳密に絞ったり、センサと組合せて確実に一本づつリングが切出されるようエア圧を強めたり、複数回エアを吹付けたりする等、制御が複雑なものとなっていた。
そこで本発明は、積層されるピストンリングをピストンに組み付けるため、簡素な構成でありながら確実に一枚づつ切出すことができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、マガジンに積層されるピストンリングをマガジン上端部の切出し位置から一枚づつ切出す切出し装置であって、積層されるピストンリングを切出し位置まで所定ストロークづつ上昇させることのできる上昇手段と、少なくとも切出し位置において最上段のリング径を拡径させることのできる拡径手段と、切出し位置において最上段のリングと次段のリングとの間に挿入可能で、先端部には回転時に最上段のリングだけを持ち上げ、次段より下方のリングには負荷を与えないような切欠き部が設けられた縁切り部材と、縁切り部材を縁切り部材の進行方向を回転軸とした軸周りに回転させることのできる回転手段を備え、前記縁切り部材を、最上段のリングと次段のリングとの間に挿入した後、軸周りに回転させることにより最上段のリングを切出すようにしたことを特徴とするピストンリングの切出し装置。

そして、マガジンの形態としては、例えば上方内部を中空部とし、この中空部に軸方向を合わせてピストンを挿入できるようにし、マガジンの外周部にピストンリングを嵌合状態で積層する。そして、中空部内にピストンを挿入してリング嵌装部と切出し位置を位置合わせした後、ピストンリングを最上段の一枚から順次上方に一枚づつ切出すとともに、切出す時点でリング径がピストンの径より大きくなるようにしておけば、切出しと同時にリングは縮径してピストンのリング嵌装部に組付けることができる。
この際、例えば最上段のリングをマガジンの上端部ぎりぎりの位置まで上昇させ、この位置を切出し位置とした後、最上段のリングと次段のリングとの間に縁切り部材を挿入した後、軸周りに回転させて最上段のリングを切出せば、最上段のリングだけの切出しが確実に行われ、二枚が一緒に切出されるような不具合がない。
また本発明では、前記縁切り部材の先端部に、回転時に最上段のリングだけを持ち上げ、次段より下方のリングには負荷を与えないような切欠き部を設けるようにした。そしてこのような切欠き部を設けることにより、次段より下方のリングには全く悪影響がなくなり、しかもより円滑に切出すことができる。
マガジンに積層されるピストンリングを上方から順次一枚づつ切出す装置において、積層されるピストンリングを上昇手段で所定ストロークづつ上昇させ、切出し位置において最上段のリングと次段のリングとの間に縁切り部材を挿入した後、軸周りに回転させて切出すことにより、確実に一枚だけを切出すことができる。しかも、構成は簡素で且つ安価に構成できる。
また、縁切り部材の先端部に、回転時に最上段のリングだけを持ち上げ、次段より下方のリングには負荷を与えないような切欠き部を設けることにより、より円滑に切出すことができる。
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る切出し装置全体の概要を示す平面図、図2は図1を拡大した正面図、図3はマガジンの説明図、図4は昇降手段の説明図、図5は縁切り機構を拡大した平面図、図6は縁切り部材の拡大図、図7は縁切り機構の正面図、図8は図5のA−A線断面図、図9はピストンとピストンリングの分解斜視図、図10はピストンとピストンリングの組付け状態を示す説明図、図11はピストンリングの組付方法を示す説明図である。
本発明に係るピストンリングの切出し装置は、積層されるピストンリングをピストンに組み付ける際、一枚づつ確実に切出すことができるようにされ、縁切り部材を最上段のリングと次段のリングとの間に挿入した後、縁切り部材を軸周りに回転させることによって切出すことを特徴としている。
そこで、まず本切出し装置を説明する前に、ピストンPとピストンリングrの組付状態について図9、図10に基づき説明する。
図9及び図10に示すように、ピストンPには、トップリングrを嵌装せしめるためのトップ溝mと、セカンドリングrを嵌装せしめるためのセカンド溝mと、オイルリングrや上下一対のサイドリングrを嵌装せしめるためのボトム溝mが形成されており、各リングr〜rには切れ目が形成されて所定範囲内で径の拡大、収縮が自在にされている。なお、本明細書では、これらトップリングr、セカンドリングr、オイルリングr、サイドリングrを総称してリングrと称する。
そして、本切出し装置は、いずれのリングの嵌装にも適用することができるが、本実施例では、ボトム溝mに一方側のサイドリングr4を嵌装する例を代表例として説明する。なお、ボトム溝mへのリングの嵌装は、最初にオイルリングrを組付けた後、上下の隙間にサイドリングrを組付けるような手順である。
次に、本切出し装置1について説明する。
本切出し装置1は、図1、図2に示すように、上部側にピストンP挿入用の中空部2hを有するマガジン2と、このマガジン2の外周部に嵌合した状態で積層されるリングrを所定ストロークごと上昇させる後述の上昇手段3(図4)と、最上段のリングrを所定の切出し位置にセットするための一対の光センサ4と、最上段のリングrを切出し位置にセットした後、最上段のリングrと次段のリングrとの間に縁切り部材6を挿入するための縁切り機構5を備えており、前記マガジン2の上端部付近には、図3に示すように、上方に向けて径が広がるテーパ部2t(図3)が設けられ、切出し位置におけるリングrの径を拡大させる拡径手段として構成されている。
そして、図3にも示すように、マガジン2の上部側内部には、前述のように中空部2hが形成されており、この中空部2hの内径は、ピストンPを挿入できるよう、ピストン径より大径にされている。
また、中空部2hを形成するマガジン2の上端壁部には、直径方向に対面する一対の切欠部7が設けられ、前記一対の光センサ4は、これら切欠部7を結ぶ直線の延長線上に配設されている。そして、この光センサ4は、エリアセンサであり、切欠部7を通して一方側の光センサ4から送信される光量を他方側の光センサ4で検知できるようにされている。そして、下方からリングrが上昇して切欠部7を覆うようになると、切欠部7を通過する光が遮られるため、受信する光量の関係から最上段のリングrの位置が算出できるようにされている。
前記上昇手段3は、図4に示すように、ボールネジシャフト8に連結されるリング支持台10と、ボールネジシャフト8を回転駆動するサーボモータ11を備えており、リング支持台10は、積層されるピストンリングrの最下段のリング下面を支持するとともに、サーボモータ11の回転駆動によってリングrを所定ストロークごと上昇させることができるようにされている。
なお、このリングrを上昇させる際の上昇速度制御は、前記光センサ4によって最上段のリングrが切欠部7に差し掛かったことが検知されると、それまでの上昇速度を緩めてゆっくり上昇させるよう制御し、最上段のリングrの僅かな厚み分がマガジン2上に突出した時点(これを切出し位置という。)で上昇を停止させるよう制御するようにしている。
前記縁切り機構5は、図5乃至図8に示すように、ロッドレスシリンダ等の駆動源12によって所定方向に往復動自在な移動板13と、この移動板13の上部に取付けられる支持部材14を備えており、前記縁切り部材6は支持部材14の軸受15によって回転自在に支持されている。
また、前記移動板13上には、縁切り部材6を軸周りに回転させることのできる回転手段としての回転機構16が設けられている。
この回転機構16は、移動板13に取り付けられるシリンダ支持板17と、このシリンダ支持板17に取付けられるシリンダ18と、このシリンダ18のロッド18a先端に取付けられる連結板20と、この連結板20に上下に取付けられるラックバー21及びガイドバー22と、これらラックバー21及びガイドバー22を摺動自在に支持し且つ移動板13に取り付けられるガイド部材23を備えており、前記ラックバー21のラック部21rが、前記縁切り部材6の基端側のピニオンギヤ24に噛合している。
そして、シリンダ18の作動によってラックバー21が進退動すると、ピニオンギヤ24が回転し、縁切り部材6が軸周りに回転するようにされている。
また、縁切り部材6の先端部には、図5に示すように、薄板平板状の片側が部分的に切り落とされた切欠き部6kが設けられており、この切欠き部6kは、縁切り部材6先端の平面部を水平にして切出し位置の最上段のリングrと次段のリングrとの間に挿入した後、縁切り部材6を軸周りに回転させると、最上段のリングrだけを持ち上げ、次段より下方のリングrには負荷がかからないような形態にされている。
すなわち、図6の拡大図に示すように、縁切り部材6の回転軸jを中心にして切欠き部6kが下方に向くように回転させると、切欠き部6k以外の先端部分で上方のリングrだけを上方に押上げ、切欠き部6kの箇所は、下方のリングrに何ら押圧力を加えることがないようにされている。
以上のようなピストンリングの切出し装置1の作用等について図11に基づき説明する。
まず、マガジン2に積層したリングrを上昇手段3で上昇させつつ光センサ4でモニターし、図11(a)に示すように、最上段のリングrが切欠部7に差し掛かった時点で、それまでの上昇速度を緩めてゆっくり上昇させる。そして、(b)に示すように、最上段のリングrがマガジン2の上端部に到達し、僅かな厚み分がマガジン2上に突出した時点でサーボモータ11を停止させる。最上段のリングrのこの位置が切出し位置である。
次いで、(c)に示すように、マガジン2上端の中空部2hにピストンPを頭部側から挿入し、所定の位置にセットする。この際、本実施例では、ピストンPのボトム溝mには既にオイルリングrと一方側のサイドリングrが組み込まれており、ピストンPのセット位置は、他方側のサイドリングrを組み込むためのボトム溝mの隙間が切出し位置よりやや上方になる位置である。
そして、ピストンPの位置決めが完了すると、縁切り機構5の駆動源12が作動して縁切り部材6が前進し、(d)に示すように、その先端部が最上段のリングrと次段のリングrとの間に挿入される。
そして、挿入が終えると、回転機構16のシリンダ18が作動してラックバー21、ピニオンギヤ24の作用によって縁切り部材6が軸周りに回転し、切出し位置の最上段のリングrを上方に押上げる。すると、(e)に示すように、最上段のリングrはマガジン2の上端を外れて縮径しながら切出され、所定の隙間に嵌合する。すなわち、自動的に組付けが完了する。
この際、縁切り部材6の切欠き部6kの作用により、次段より下方のリングrには全く負荷がかからず、何らの悪影響もない。
なお、以上の実施例ではリングrとして一方側のサイドリングrを代表例にして説明したが、その他のトップリングrやセカンドリングrにも適用可能である。
以上のような要領により、複雑な制御も必要なく、確実に一枚だけを切出すことができる。
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
ピストンにピストンリングを組付ける際、積層されるピストンリングに防錆油等が塗布されているような場合でも確実に一枚づつ切出して組付けることができ、複雑な制御回路等が不必要となる。
本発明に係る切出し装置全体の概要を示す平面図 図1を拡大した正面図 マガジンの説明図 昇降手段の説明図 縁切り機構を拡大した平面図 縁切り部材の拡大図 縁切り機構の正面図 図5のA−A線断面図 ピストンとピストンリングの分解斜視図 ピストンとピストンリングの組付け状態を示す説明図 ピストンリングの組付方法を示す説明図
符号の説明
1…切出し装置、2…マガジン、2t…テーパ部(拡径手段)、3…上昇手段、6…縁切り部材、6k…切欠き部、16…回転機構、r…リング、P…ピストン。

Claims (1)

  1. マガジンに積層されるピストンリングをマガジン上端部の切出し位置から一枚づつ切出す切出し装置であって、積層されるピストンリングを切出し位置まで所定ストロークづつ上昇させることのできる上昇手段と、少なくとも切出し位置において最上段のリング径を拡径させることのできる拡径手段と、切出し位置において最上段のリングと次段のリングとの間に挿入可能で先端部には回転時に最上段のリングだけを持ち上げ、次段より下方のリングには負荷を与えないような切欠き部が設けられた縁切り部材と、縁切り部材を縁切り部材の進行方向を回転軸とした軸周りに回転させることのできる回転手段を備え、前記縁切り部材を、最上段のリングと次段のリングとの間に挿入した後、軸周りに回転させることにより最上段のリングを切出すようにしたことを特徴とするピストンリングの切出し装置。
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