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JP4382268B2 - 移動式防音装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道工事にともなう騒音が近隣に拡散することを防止するための移動式防音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の鉄道の軌道を改修する工事は、鉄道車両が走行しない夜間に行なうことが多く、かかる改修工事を特に市街地において実施する場合には、近隣への騒音拡散を防止することが要求される。
このような騒音拡散防止対策の一つとして、軌道の両側に防音壁を立てることが考えられるが、かような防音壁は近隣の日照を阻害すると共に美観上の問題もあり、さらに、軌道の上方は覆われていないので騒音拡散防止効果が充分に得られないという欠点がある。
【0003】
また建設作業現場をトンネル状に覆って雨天時の建設作業を可能にするための仮設屋根装置があり、これを騒音拡散防止手段として転用することも考えられている。しかしながら、既存鉄道の軌道改修工事では、夜間に車両が走行しない時間が3時間程度と短いため、上記従来の仮設屋根装置のように設置や撤去に時間がかかるものは使用できず、しかも昼間は電車の走行に支障が無いように安全に撤去・収納する必要があるが、そのような仮設屋根装置は無い。
さらに、既存鉄道の軌道には送電線や支柱などがあり、これらの送電線などが障害物となって、上記従来の仮設屋根装置を転用することを不可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の問題点に着目し、これを解決せんとしたものであり、その課題は、設置や撤去が簡単であり、昼間の電車走行に支障を与えないように安全に収納することができて、さらに、送電線や支柱などの障害物を回避することが可能な移動式防音装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、鉄道工事にともなう騒音が近隣に拡散することを防止するための装置であって、該装置は、鉄道の軌道の上方を覆って空洞部を形成するために軌道の両側へ分割可能かつ連結可能に形成された一対の被覆部材と、前記軌道の両側に立設された電柱などの障害物の内側で前記軌道の走行方向に一対の被覆部材を移動可能にするための走行手段と、前記一対の被覆部材を前記軌道の両側に分割したときに前記一対の被覆部材がそれぞれ転倒しないように着脱自在に保持する収納部材と、該収納部材を前記軌道に接近させたり離隔させたりするための収納部材可動手段とを備え、前記一対の被覆部材は前記軌道の走行方向に伸縮自在に形成されたことを特徴とする移動式防音装置が提供される。
【0006】
前記一対の被覆部材には、例えば、相互に突き合わせられる部位の一方に引掛け部材を設け、この引掛け部材が係止する掛受け部材を他方の部位に設け、さらに、前記引掛け部材と前記掛受け部材との係止状態を着脱自在に固定するロック部材を設けても良く、これにより、一対の被覆部材を分割可能かつ連結可能に形成することができる。なお、収納部材と各被覆部材にも、前記一対の被覆部材と同様に、引掛け部材、掛受け部材及びロック部材を設けても良く、収納部材は各被覆部材を着脱自在に保持することができる。
【0007】
また前記収納部材可動手段としては、例えば、前記走行手段までレールを敷設し、このレール上を走行する車輪を前記収納部材の下面に設けても良く、これにより収納部材を前記軌道に接近させたり離隔させたりすることが可能になる。
【0008】
本発明の移動式防音装置において、前記各被覆部材は、各別に車輪を設けた複数の骨組材を並設し、該複数の骨組材を膜材で被覆して各骨組材に固定し、隣合う骨組材間の間隔を広げるように移動することにより前記被覆部材を伸長可能とする一方で、隣合う骨組材間の間隔を狭くするように移動することにより前記被覆部材を収縮可能にしても良い。
【0009】
また本発明の移動式防音装置において、前記走行手段としてのレールを前記軌道の両側の電柱などの障害物の内側に敷設し、該レールには切断区間を形成し、前記収納部材は前記一対の被覆部材を該切断区間から前記レールに移載可能に形成することができる。
【0010】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の移動式防音装置は、鉄道工事にともなう騒音が近隣に拡散することを防止するための装置であって、図1及び図2は昼間時における移動式防音装置のそれぞれ正面図及び平面図であり、図5は図1の部分拡大図である。図1及び図2において、移動式防音装置は、軌道35の両側へ分割された一対の被覆ユニット部材12と、軌道35の両側に立設された電柱33の内側で軌道35の走行方向に被覆ユニット部材12を移動するための移動用レール15と、一対の被覆ユニット部材12を軌道35の両側に分割したときに各被覆ユニット部材12がそれぞれ転倒しないように着脱自在に保持する収納部材10と、この収納部材10を軌道35に接近させたり離隔させたりするための引込みレール17とを備える。
なお、図1、図3、図5及び図6において、車両限界は符号31の一点鎖線で示し、建築限界は符号32の一点鎖線で示した。
【0011】
前記被覆ユニット部材12は、縦方向に延びる支柱とこの支柱の上端から軌道35に向けて突出する梁材とからなる骨組材12aを所定間隔で複数並設し、複数の骨組材12aのそれぞれ支柱の外側と梁材の上側とを膜材12bで被覆して固定し、各骨組材12aの下端には前記移動用レール15上および後述の移載用レール14上を走行可能な移動用サドル13を取り付けて構成する。
【0012】
ここで、一方の被覆ユニット12における骨組材12aの梁材の先端12cには引掛け部材(図示せず)を設け、他方の被覆ユニット部材12における骨組材12aの梁材の先端12cには前記引掛け部材が係止する掛受け部材(図示せず)を設け、さらに、引掛け部材と掛受け部材の一方には両者の係止状態を着脱自在に固定するロック部材(図示せず)を設ける。なお、各骨組材12aの支柱には、収納部材10に着脱自在に固定する固定装置22、すなわち、上述の引掛け部材、掛受け部材及びロック部材と同様な装置を設ける。
また前記膜材12bとしては、例えば、鉛入りエアチューブを使用することができる。さらに、前記移動用サドル13は、手動式あるいは電動式のものを使用することができる。
【0013】
上記構成により、一対の被覆ユニット12を骨組材先端12cにおいて接合し、膜材12bの長さを限界として隣合う骨組材12aどうしが離れるように各骨組材12aを移動させれば、被覆ユニット部材12は伸長し、逆に、骨組材12aどうしの間隔が狭くなるように各骨組材12aを移動させれば、被覆ユニット部材12は収縮する。
【0014】
また前記収納部材10は、片持ち梁状の骨組材12aの複数を保持する反力が得られるような重量に鉄骨などから形成した収納架台11と、前記引込みレール17上を走行可能なように収納部材10の下面に取り付けられた車輪16と、移動用レール15に平行な配置で収納架台11の前面下部に設けられた移載用レール14とを備える。
なお、収納架台11の前面下部には、移動式防音装置の収納時に線路側への移動を防止するための歯止め19が設けられるように、また後面下部には装置の脱落を防止するためのストッパー21が設けられるようにする。
また前記引込みレール17は作業台18の上に敷設し、この作業台18の高さは、軌道35における道床34の高さ、あるいは扛上工事においては扛上後の道床34の高さに応じて設定する。
【0015】
一方、前記移動用レール15には、収納部材10の移載用レール14に対向する区間を切断して切断区間15aを形成する。収納部材10を軌道35に接近させて、切断区間15aに移載用レール14を嵌入させれば、移載用レール14と移動用レール15とは接続されて、被覆ユニット部材12は移載用レール14と移動用レール15との間で移載可能になる。
【0016】
次に、移動式防音装置の作用について説明する。
昼間時において、移動式防音装置は鉄道車両の走行を阻害しないように、図1、図2及び図5のように配置されている。すなわち、一対の被覆ユニット部材12は収縮された状態で軌道35の両側へ分割され、その移動用サドル13が移載用レール14の上に載った状態でそれぞれ固定装置22により収納部材10に固定されている。このとき、収納部材10は、引込みレール17上を後方に移動して軌道35から離隔した位置で歯止め19及びストッパー21により停止されている。
【0017】
一方、夜間作業時において、移動式防音装置は図3及び図4のように配置され、鉄道の軌道35の上方を覆って空洞部を形成し、これにより、空洞部における工事中の騒音が近隣に拡散することを防止する。
夜間作業を開始するに際して、最初に、歯止め19及びストッパー21を外し、被覆ユニット12を収納した収納部材10を、図5の位置から軌道35に向けて引込みレール17上を走行させて図6の位置まで移動し、一対の被覆ユニット12を骨組材先端12cどうしで突き合わせにして、ここで引掛け部材、掛受け部材及びロック部材により連結する。このとき、移載用レール14は切断区間15aに嵌入して移動用レール15に接続されており、これにより、この連結された一対の被覆ユニット12は移載用レール14から移動用レール15に移載される。
そして、連結された一対の被覆ユニット12は、移動用レール15上を走行して工事箇所まで移動し、工事箇所において一対の被覆ユニット12は伸長される。
なお、連結した一対の被覆ユニット12は、その長さや工事箇所の長さに応じて、図4のように2つ並べて使用することも可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の移動式防音装置では、一対の被覆部材により鉄道の軌道の上方を覆って空洞部を形成し、この空洞部で夜間工事を行なうように構成されているので、夜間の騒音は従来の防音壁に比べて20〜25デシベル程度低くすることができる。
【0019】
また本発明の移動式防音装置では、鉄道の軌道の上方を覆って空洞部を形成するための一対の被覆部材が軌道の両側へ分割可能かつ連結可能に形成されると共に、一対の被覆部材は収縮自在に形成されているので、鉄道工事を行なう際には、収納部材に保持された一対の被覆部材を軌道まで移動して連結し、走行手段により軌道の両側の電柱などの障害物の内側で工事箇所まで移動し、ここで一対の被覆部材を伸長すれば、工事箇所に簡単に設置することができる。また工事終了後は、一対の被覆部材を走行手段により収納部材の在る位置まで移動し、ここで一対の被覆部材を収縮し、軌道の両側へ分割して収納部材で保持すれば、軌道上から簡単に撤去することができる。
したがって、本発明の移動式防音装置によれば、設置と撤去のそれぞれの作業は、5〜10分程度の極めて短い時間で終了させることが可能になる。
【0020】
さらに、本発明の移動式防音装置では、一対の被覆部材が軌道の両側へ分割可能に形成されると共に、分割時には、一対の被覆部材がそれぞれ収納部材により転倒しないように着脱自在に保持されるので、昼間の電車走行に支障を与えないように安全に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる移動式防音装置の昼間時における正面図である。
【図2】本発明にかかる移動式防音装置の昼間時における平面図である。
【図3】本発明にかかる移動式防音装置の夜間作業時における正面図である。
【図4】本発明にかかる移動式防音装置の夜間作業時における平面図である。
【図5】図1の部分拡大図である。
【図6】収納部材が被覆部材をレールに移載する様子を示した正面図である。
【符号の説明】
10 収納部材
12 被覆ユニット(被覆部材)
12a 骨組材
12b 膜材
13 移動用サドル(走行手段)
15 移動用レール(走行手段)
16 車輪(収納部材可動手段)
17 引込みレール(収納部材可動手段)
30 鉄道
33 支柱
35 軌道
36 電線

Claims (3)

  1. 鉄道工事にともなう騒音が近隣に拡散することを防止するための装置であって、該装置は、鉄道の軌道の上方を覆って空洞部を形成するために軌道の両側へ分割可能かつ連結可能に形成された一対の被覆部材と、前記軌道の両側に立設された電柱などの障害物の内側で前記軌道の走行方向に一対の被覆部材を移動可能にするための走行手段と、前記一対の被覆部材を前記軌道の両側に分割したときに前記一対の被覆部材がそれぞれ転倒しないように着脱自在に保持する収納部材と、該収納部材を前記軌道に接近させたり離隔させたりするための収納部材可動手段とを備え、前記一対の被覆部材は前記軌道の走行方向に伸縮自在に形成されたことを特徴とする移動式防音装置。
  2. 前記各被覆部材は、各別に車輪を設けた複数の骨組材を並設し、該複数の骨組材を膜材で被覆して各骨組材に固定し、隣合う骨組材間の間隔を広げるように作動させて前記被覆部材を伸長可能とする一方で、隣合う骨組材間の間隔を狭くするように作動させて前記被覆部材を収縮可能とすることを特徴とする請求項1記載の移動式防音装置。
  3. 前記走行手段としてのレールを前記軌道の両側の電柱などの障害物の内側に敷設し、該レールには切断区間を形成し、前記収納部材は前記一対の被覆部材を該切断区間から前記レールに移載可能に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動式防音装置。
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