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JP4382576B2 - 非埋込み型柱脚の施工方法及び非埋込み型柱脚構造 - Google Patents
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非埋込み型柱脚の施工方法及び非埋込み型柱脚構造 Download PDF

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Description

本発明は、鉄骨造(S造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)において鉄骨柱の立設に用いられる非埋込み型柱脚に関する。
従来から、S造やSRC造において柱を立設する場合には、鉄骨柱の下部を基礎部分に埋設する埋込み形式の柱脚構造と、鉄骨柱を基礎部分には埋設しない非埋込み形式とが知られている。本発明は、後者の非埋込み型柱脚に関し、S造の根巻き型やSRC造における非埋込み型柱脚を含む。この非埋込み型柱脚の場合の柱脚部分の耐力は、一般的に柱を介して柱脚部分に作用する曲げモーメントに対するアンカーボルトの引抜き耐力及びコンクリートの圧縮耐力等により求められる。この非埋込み型柱脚は、鉄骨柱の下部を基礎部分に埋設する埋込み型柱脚に比べて基礎梁の配筋などに関する施工性が良好なことから需要も大きい。しかしながら、ベースプレートより上方の柱頭部を構成する鉄骨の鉄量に対してベースプレートより下方の柱脚部を構成するアンカーボルトの鉄量が少ないことからくる柱脚部の強度的な弱点が兵庫県南部地震において露呈したとの報告もなされており、これが近時非埋込み型柱脚の適用が控えられている大きな理由となっている。そこで、柱脚部分の耐力不足を補うために、アンカーボルトを取囲む柱主筋の配筋量を増やして全体の耐力を増すという手法も従来から採用されているところであるが、それには配筋スペースや施工性の低下の点から限界があった。因みに、建築物の構造関係技術基準解説書(財団法人日本建築センター)では、非埋込み型柱脚を採用する場合には、柱脚部の軸方向鉄量(主筋断面積+アンカーボルト断面積)を柱頭部の軸方向鉄量(鉄骨断面積+主筋断面積)と等量又はそれ以上にして引張剛性及び耐力の急変を避けた設計を指導している(ここでは個々の鉄材の設計基準強度は捨象されている)。
ところで、地震時に柱脚部に作用する外力としては、柱に作用する横方向成分の外力に基づいて柱脚部に派生する曲げモーメントだけでなく、柱に対して軸方向に作用する重力や、地震時に作用する縦方向成分の外力、あるいは躯体に作用する横方向成分の外力によって躯体の重心のまわりに作用する回転モーメントによって個々の柱に作用する軸方向の外力がそのまま柱脚部にも作用することはいうまでもない。また、柱頭部を介して大きな引張力が作用した場合には、ベースプレートより上方の躯体部分はそのまま持上げられ、ベースプレートより下方の柱脚部に変形が集中しやすいという問題もあった。従来の非埋込み型の柱脚構造の場合には、以上のように、地震時に作用する縦方向成分の外力や、躯体に作用する横方向成分の力によって躯体の重心のまわりに作用する回転モーメントによって手前側の柱に作用する上方への軸力が問題となった。すなわち、非埋込み型柱脚を構成するアンカーボルトには、柱を介して作用する曲げモーメントによる引張力のほかに、以上の上方への軸力による引張力が加わるため、両引張力が加算されて耐力不足が生じて建物の崩壊の原因になる場合もあった。
そこで、非埋込み型柱脚構造の良好な施工性を維持しながら、ベースプレートに設けた開口部を上下に貫通する鉄筋を配筋し、そのベースプレートを上下に貫通する鉄筋によって地震時等に柱脚部に作用する大きな引張力や曲げモーメントに対抗し得る強い抗力を確保しようという技術が開示されるに至っている(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、この従来技術は、ベースプレートを上下に貫通した鉄筋を採用した点では優れているものの、その鉄筋の作用に頼りすぎた嫌いがあり、従来のベースプレートに設置するアンカーボルトの効用を軽視している点で、それらの貫通鉄筋とアンカーボルトとの組合わせに基づく効率的な抗力の保持やベースプレートの下方領域の有効利用に関する掘下げは充分なものとはいえなかった。
特開2001−40768号公報 特開2001−65056号公報
本発明は、以上のような従来の技術的事情に鑑み、非埋込み型柱脚構造の有する良好な施工性を維持、その非埋込み型柱脚構造におけるベースプレートとアンカーボルトとの組合わせからなる強度的な特性を活用しながら、より効率的に柱脚部の耐力を補強し得る非埋込み型柱脚の施工技術を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記課題を解決するため、請求項1及び請求項3の発明では、鉄骨柱を立設する角形状のベースプレートの少なくとも四隅をそれぞれ基礎コンクリートに定着したアンカーボルトにより締付け固定するとともに、それらの隣接するアンカーボルトを結ぶ直線に沿う方向にフランジ部が配置されるように前記鉄骨柱をベースプレート上に固着し、かつ前記アンカーボルトの周囲に前記ベースプレートの上方へ延設した状態に主筋を配筋して柱脚部に作用する回転モーメントに対抗させるとともに、前記各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3以下に縮小した範囲内において軸心が前記ベースプレートを上下に貫通するように適宜数の補強筋を配筋して柱脚部に作用する軸力に対する引張耐力を補強するという技術手段を採用した。すなわち、一方で、柱脚部に作用する回転モーメントに対し、ベースプレートより下方の領域ではアンカーボルトとその周囲に配筋した主筋とにより対抗させ、ベースプレートより上方の領域では前記フランジ部を有する鉄骨柱とその周囲に配筋した主筋とにより対抗させるとともに、他方で、縮小した前記範囲内に配筋した前記補強筋により柱脚部に作用する軸力に対する引張耐力を補強するという技術手段を採用した。因みに、補強筋の配筋位置が各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる前記四辺形の各辺の1/3を超えて、アンカーボルトの近くになると、外力の方向によっては圧縮域に入ることも想定され、全ての補強筋が引張軸力に対して有効に機能しなくなる。請求項2及び請求項4の発明では、前記ベースプレートの直下の柱脚部断面において、(Aa・Fa+Ar・Fr+As・Fs)/(Ac・Fc+As・Fs)≧0.7(但し、Aa:アンカーボルトの断面積、Fa:アンカーボルトの設計基準強度、Ar:補強筋の断面積、Fr:補強筋の設計基準強度、Ac:鉄骨柱の断面積、Fc:鉄骨柱の設計基準強度、As:柱主筋の断面積、Fs:柱主筋の設計基準強度)の条件を満たすように施工するという技術手段を採用した。
本発明によれば、ベースプレートとアンカーボルトとの組合わせを採用し、ベースプレートより下方の領域ではアンカーボルトとその周囲に配筋した主筋とにより、またベースプレートより上方の領域では前記フランジ部を有する鉄骨柱とその周囲に配筋した主筋とによって回転モーメントに対抗させるとともに、各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3以下に縮小した範囲内に配筋した補強筋によって軸力に対する引張耐力を補強するという技術手段を採用したので、それらの両手段が相俟って次の効果を得ることができる。
(1)鉄骨柱を基礎部分には埋設しない非埋込み型柱脚を採用したので施工性が良好である。
(2)補強筋はその軸心が各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3以下に縮小した範囲内に収るように配筋したので、ベースプレートとアンカーボルトとの組合わせによる従来の効率的な曲げ耐力に殆ど影響することなく、その曲げ耐力を確実に維持することができる。
(3)ベースプレートより下方の領域ではアンカーボルトとその周囲に配筋した主筋とにより、またベースプレートより上方の領域では前記フランジ部を有する鉄骨柱とその周囲に配筋した主筋とにより、柱脚部に作用する回転モーメントに対して的確に対抗することが可能である。
(4)しかも、鉄骨柱のフランジ部を隣接するアンカーボルトを結ぶ直線に沿う方向に配置するようにしたので、アンカーボルトによってフランジ部の設置位置が制約されることなくベースプレートの周辺部に設置できるので、回転モーメントに対してより効果的に対抗することが可能である。
(5)以上により、前記補強筋への回転モーメントの影響は大幅に縮小されるので、補強筋が引張軸力に対して効率的に機能し、引張耐力を的確に強化し得る。とりわけ鉄骨柱を十字状に配置すれば、外力の方向に関わらず全ての補強筋が引張軸力に対して効率的に機能するので引張耐力が更に的確に強化される。
(6)ベースプレートより上方の柱頭部の各鉄部材の断面積×設計基準強度を加えた総鉄部材強度に対するベースプレートより下方の柱脚部の総鉄部材強度を1以下に抑えても地震等の外力に対する十分な耐力を得ることができる。したがって、材料コストの低減、柱脚部の小型化に有効である。
本発明は、S造の根巻き型やSRC造の非埋込み型柱脚に広く適用することができる。ベースプレートとしては角形状のものを使用し、鉄骨柱の具体的な配置に応じて正方形のものや長方形のものが使用される。なお、ここで角形状とは、ほぼ正方形や長方形のものであればよく、各隅部を面取りしたりアールをとったりしたものでもよい。さらに、矩形を構成する1辺の両側部に傾斜部が含まれた変則的な多角形状の場合なども含まれる。アンカーボルトとしては、角形状のベースプレートの少なくとも四隅を締付け固定するため、4本以上のアンカーボルトが使用される。ベースプレートの四隅のほか、各辺の中間部にアンカーボルトを追加したり、四隅に2本ずつのアンカーボルトを使用するようにしてもよい。要は、それぞれのアンカーボルトの軸心を通過する直線によって四辺形が得られるものであればよい。因みに、ここにいう四辺形は厳密なものである技術的な必要性はなく、ほぼ四辺形であればよい。ベースプレートとアンカーボルトの具体的な形態に関しては、地震時等に鉄骨柱を介してベースプレートに伝達される回転モーメントに対応可能な耐力を備えるものであれば、ベースプレートの形状や厚さ、アンカーボルトの直径や設置本数など、各部の具体的な形態に関しては任意の設定が可能である。また、鉄骨柱側の具体的構成に関しては、隣接するアンカーボルトを結ぶ直線に沿う方向にフランジ部が配置される形態の鉄骨柱であれば、広く適用することが可能である。さらに、ベースプレートを上下に貫通するように配筋する補強筋に関しては、その補強筋による引張耐力の増加により、各アンカーボルトの耐力と相俟って地震時等に柱脚部に作用する軸力に対応可能なものであれば、その直径やその表面形状、設置本数などに関しては任意の設定が可能である。補強筋は、前記各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3以下に縮小した範囲内において、軸心がベースプレートを上下に貫通するように配筋する。因みに、補強筋の長さに関しては、コンクリートとの定着作用から少なくともベースプレートの上下の各々に埋込まれる長さを鉄筋の直径の20〜40倍程度に設定するのが適当である。また、前述のようにベースプレートの直下の柱脚部断面において、(Aa・Fa+Ar・Fr+As・Fs)/(Ac・Fc+As・Fs)≧0.7の条件を満たすように設定すればよく、前記構造関係技術基準解説書で一般的に推奨される等量又はそれ以上という条件は満たさず、1以下に設定した場合であっても、前記条件を満たせば必要な耐力を確保することが可能である。勿論、1以上でもよいことはいうまでもない。なお、補強筋の下部あるいは上部の位置関係を保持するため、補強筋用の添プレートを設けることも有効である。

以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1は本発明の一実施例としてSRC造に適用した場合を示したものであり、右半分を断面として配筋状態を示した配筋状態図である。また、図2はそのベースプレートの上方の柱頭部の横断面図、図3はベースプレートの平面図、図4はベースプレートの直下の柱脚部の横断面図である。図中1は角形状のベースプレートであり、本実施例では正方形状のベースプレート1の上面側に十字状の鉄骨柱2の下端部を溶接した場合を示した。図3に示したように、ベースプレート1には、四隅にアンカーボルトの挿通孔3を形成し、中央部に補強筋貫通用の開口部4を形成している。そして、図1及び図4に示したように、ベースプレート1の四隅の挿通孔3のそれぞれに、予め基礎コンクリート5中に定着させたアンカーボルト6を挿通するとともに、ベースプレート1の中央部に形成した開口部4に、同じく基礎コンクリート5中に予め定着させた適宜数、本実施例では4本の補強筋7の上方部を貫通させ、各アンカーボルト6に螺合したナット8によりベースプレート1を締付け固定することにより鉄骨柱2を立設することになる。因みに、本実施例では、各アンカーボルト6の軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ約1/5に縮小した四隅に補強筋7の軸心が位置するように配筋した場合を例示したが、1/3以下の範囲内に補強筋7の軸心が位置するように配筋すれば、同様の耐力が得られる。なお、図中9は梁主筋、10はスターラップ筋、11は柱主筋、12はフープ筋であり、13、14はアンカーボルト6の下部に設けた定着板とナット、15、16は補強筋7の下部に設けた定着板とナット、17、18は補強筋7の上部に設けた定着板とナット、また19はSRC造用の柱コンクリートである。
次に、施工方法の具体例に関して概略的に説明する。図5はアンカーボルト6を所定位置にセットした状態を例示した施工状態図であり、図6はそのA−A断面図である。アンカーボルト6のセットは、図示のように捨てコンクリート20上の所定位置にアングル材等からなる位置決め部材21を4本使用して内方に四角形が形成されるように固定し、その各隅部にアングル材等からなる4本の支柱22を立設するとともに、それらの4本の支柱22の外側に、本例では図6に示したように一体的な形状に形成した定着板23を外嵌して適宜の支持部材により所定高さに支持した上、その定着板23の四隅にそれぞれアンカーボルト6を立設し、さらにそれらの各アンカーボルト6の上方の位置関係を上部添プレート24により保持することにより行われる。因みに、本例では一体的な定着板23を4本のアンカーボルト6の共通の定着板として使用した場合を例示したが、図1に示した定着板13のように個別的に設けるものでもよい。なお、図6に示したように、定着板23の中央開口部に支持片25を形成し、その支持片25を介して補強筋7の挿通孔26を有する補強筋下部用添プレート27を支持するようにしてもよい。
次に、図7に示した施工状態図のように、補強筋7の下端部を前記補強筋下部用添プレート27の各挿通孔26に挿通してナットにより固定するとともに、それらの補強筋7の各上端部を、図8の平面図に示したように、前記上部添プレート24の中央開口部に設けた支持片28により支持可能な補強筋上部用添プレート29の各挿通孔30に挿通することにより、4本の補強筋7がセットされる。因みに、補強筋上部用添プレート29は、予め支持片28を介して上部添プレート24に支持固定しておき、その上部添プレート24に支持固定された補強筋上部用添プレート29の挿通孔30に対して補強筋7の各上端部を挿通するように構成してもよいし、補強筋7の各上端部を挿通孔30に挿通した後に補強筋上部用添プレート29を支持片28を介して上部添プレート24側に支持固定するように構成してもよい。なお、補強筋7が1本の場合には、定着板23の中央開口部に設けた下方の支持片25と上部添プレート24の中央開口部に設けた上方の支持片28にそれぞれ1個の挿通孔を形成しておき、補強筋7の上下をそれらの挿通孔に対して挿通することにより所定位置にセットすることができる。また、補強筋7の設置本数に関係なく、下方を補強筋下部用添プレート27の挿通孔26に挿通した上、その下端部を捨てコンクリート上に接地させることにより自重を受けるように構成してもよい。
以上のようにして、アンカーボルト6と補強筋7の所定位置へのセットが完了したら、次に図9及び図10に示したように、梁主筋9、スターラップ筋10、柱主筋11、フープ筋12等の配筋作業を行う。この配筋作業においては、埋込み形式の柱脚構造のように、鉄骨柱の下部が柱脚部の下方まで埋設されることはなく、梁主筋9との干渉が解消されるので、配筋作業が大幅に容易化される。以上の配筋作業が完了したら、図11及び図12に示したように、柱脚部及び基礎梁の部分に基礎コンクリート5を打設する。そして、その基礎コンクリート5の固化により、図示のように基礎コンクリート5の上方にアンカーボルト6及び補強筋7の上部と柱主筋11が露出した状態で固定されることになる。
しかる後、図13に示したように、前記基礎コンクリート5上の所定位置にレベル調整用のモルタル31を設置し、前述のように鉄骨柱2の下端部を溶接したベースプレート1を、その四隅に設けた各挿通孔3にアンカーボルト6を挿通しながら前記モルタル31上に載置するとともに、図14に示したように鉄骨柱2の直立状態等を微調整した上、図15のように上方からナット8により締付け固定することにより、鉄骨柱2を所定位置に立設する。その際に、図15に示したように、鉄骨柱2の中央部の十字状部分の各間隙部には補強筋7が配置されることになる。本実施例では、それらの補強筋7の各上端部に前述の定着板17とナット18を装着して定着作用の増加を図っている。
以上のようにして、ベースプレート1を介して鉄骨柱2が所定位置に立設された場合には、図16に示したように柱主筋11を必要に応じてガス圧接等の適宜の継手32を介しながら延長し、フープ筋12を所定高さにセットした上、その周囲に所定の型枠を形成して柱コンクリート19を打設することにより、図17及び図18に示したように本実施例の目的であるSRC造の柱33を形成することができ、所期の作業が終了することになる。
次に具体的な実験例に関して説明する。図19は実験に使用した本発明に係る他の実施例のベースプレート直上の柱部分を示した横断面図である。また、図20及び図21は実験に使用した比較例のベースプレート直上の柱部分を示した横断面図である。図19に示したように、本実験に使用した実施例においては、ベースプレート34の四隅に180mmの軸心間距離をとって4本のアンカーボルト35を正方形の各隅部に設置した。また、ベースプレート34に形成した円形開口部36内に50mmの軸心間距離をとって4本の補強筋37を正方形の各隅部に設置した。すなわち、本実施例では、各アンカーボルト35の軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3.6に縮小した四隅にそれぞれの軸心が位置するように4本の補強筋37を配筋した場合を例示した。なお、図中38はH形鋼からなる鉄骨柱、39は柱主筋、40はフープ筋、41は柱外壁面である。
図20に示したように、比較例1は、前記実施例から補強筋37の使用を排除した形態からなる。また、比較例2は、図21に示したように補強筋37の配筋位置をベースプレート34の外周部に変更した形態からなる。なお、前記実施例と比較例2においては、同じ構成部材を採用し、前述の(Aa・Fa+Ar・Fr+As・Fs)/(Ac・Fc+As・Fs)≧0.7の条件を満たすように設定した。
試験体として前記実施例と比較例1,2を用い、それぞれ上方から所定の引張軸力を負荷しながら、水平方向の交番荷重を加える引張曲げ負荷実験を行い、各部の歪みを測定するとともに破壊性状を観察した。なお、引張曲げ負荷実験においては、基礎梁上端から2mの高さに水平力を加え、そのときの柱脚部の変位角に着目して負荷の大きさを徐々に増やしながら交番荷重を加えるという負荷方式を採用した。破壊性状の観察は、実験終了後に破壊部分のコンクリートをはつって内部のアンカーボルト35や補強筋37などの状態を観察した。
前記引張曲げ負荷実験において、全試験体とも柱部及び柱部と基礎梁との境界部分に水平方向のひび割れが発生し、柱主筋39に沿った縦方向のひび割れも観察された。また、本実施例に係る試験体の方が比較例1,2の試験体より大きな変位角においてアンカーボルト35が破壊することが確認された。さらに、同変位角時においては、本実施例の場合の方が比較例1,2に比べて大きな耐力上昇が確認された。すなわち、本実施例の場合には、比較例1,2に比べてより大きな外力に対抗し得る優れた耐力・変形性能が得られることが確認された。なお、各部材の歪み分布状態の分析によれば、比較例2に係る試験体のアンカーボルト35が破壊された荷重において、比較例2の場合は補強筋37の歪みが小さく、コンクリートとの付着破壊が生じていると推測されるのに対し、実施例の場合は、柱脚部に歪みが集中し、補強筋37が有効に機能していることが推察された。また、破壊性状の観察によれば、比較例1,2に係る試験体の場合は、べースプレート34が上方向及び水平方向に大きく変位したのに対し、実施例に係る試験体の場合には、それらの比較例1,2に比べてベースプレート34の変位が上方向及び水平方向ともかなり小さいことが確認された。
本発明の実施例としてSRC造に適用した場合を、右半分を断面して示した配筋状態図である。 同実施例におけるベースプレートの上方の柱部分を示した横断面図である。 同実施例におけるベースプレートを示した平面図である 同実施例におけるベースプレートの直下の柱脚部の横断面図である。 アンカーボルトを所定位置にセットした状態を例示した施工状態図である。 図5中のA−A断面図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 図7を上方からみた平面図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 図9を上方からみた平面図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 図11を上方からみた平面図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 図14を上方からみた平面図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 次の施工手順を示した施工状態図である。 図17を上方からみた平面図である。 実験に使用した本発明に係る他の実施例のベースプレート直上の柱部分を示した横断面図である。 同実験に使用した比較例1のベースプレート直上の柱部分を示した横断面図である。 同実験に使用した比較例2のベースプレート直上の柱部分を示した横断面図である。
符号の説明
1…ベースプレート、2…鉄骨柱、3…挿通孔、4…開口部、5…基礎コンクリート、6…アンカーボルト、7…補強筋、8…ナット、9…梁主筋、10…スターラップ筋、11…柱主筋、12…フープ筋、13…定着板、14…ナット、15…定着板、16…ナット、17…定着板、18…ナット、19…柱コンクリート、20…捨てコンクリート、21…位置決め部材、22…支柱、23…定着板、24…上部添プレート、25…支持片、26…挿通孔、27…補強筋下部用添プレート、28…支持片、29…補強筋上部用添プレート、30…挿通孔、31…レベル調整用のモルタル、32…継手、33…柱、34…ベースプレート、35…アンカーボルト、36…円形開口部、37…補強筋、38…鉄骨柱、39…柱主筋、40…フープ筋、41…柱外壁面

Claims (4)

  1. 鉄骨柱を立設する角形状のベースプレートの少なくとも四隅をそれぞれ基礎コンクリートに定着したアンカーボルトにより締付け固定するとともに、それらの隣接するアンカーボルトを結ぶ直線に沿う方向にフランジ部が配置されるように前記鉄骨柱をベースプレート上に固着し、かつ前記アンカーボルトの周囲に前記ベースプレートの上方へ延設した状態に主筋を配筋して柱脚部に作用する回転モーメントに対抗させるとともに、前記各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3以下に縮小した範囲内において軸心が前記ベースプレートを上下に貫通するように適宜数の補強筋を配筋して柱脚部に作用する軸力に対する引張耐力を補強することを特徴とする非埋込み型柱脚の施工方法。
  2. 前記ベースプレートの直下の柱脚部断面において、次の条件を満たすように施工することを特徴とする請求項1に記載の非埋込み型柱脚の施工方法。
    (Aa・Fa+Ar・Fr+As・Fs)/(Ac・Fc+As・Fs)≧0.7
    但し、Aa:アンカーボルトの断面積、Fa:アンカーボルトの設計基準強度、Ar:補強筋の断面積、Fr:補強筋の設計基準強度、Ac:鉄骨柱の断面積、Fc:鉄骨柱の設計基準強度、As:柱主筋の断面積、Fs:柱主筋の設計基準強度
  3. 鉄骨柱を立設する角形状のベースプレートと、基礎コンクリートに定着され前記ベースプレートの少なくとも四隅をそれぞれ締付け固定するための複数本のアンカーボルトと、それらの隣接するアンカーボルトを結ぶ直線に沿う方向にフランジ部が配置されるように前記ベースプレート上に固着した鉄骨柱と、前記アンカーボルトの周囲に前記ベースプレートの上方へ延設した状態に配筋した主筋とを備え、かつ前記各アンカーボルトの軸心を通過する直線によって得られる四辺形の各辺をそれぞれ1/3以下に縮小した範囲内において軸心が前記ベースプレートを上下に貫通するように適宜数の補強筋を配筋して柱脚部に作用する軸力に対する引張耐力を補強したことを特徴とする非埋込み型柱脚構造。
  4. 前記ベースプレートの直下の柱脚部断面において、次の条件を満たすことを特徴とする請求項3に記載の非埋込み型柱脚構造。
    (Aa・Fa+Ar・Fr+As・Fs)/(Ac・Fc+As・Fs)≧0.7
    但し、Aa:アンカーボルトの断面積、Fa:アンカーボルトの設計基準強度、Ar:補強筋の断面積、Fr:補強筋の設計基準強度、Ac:鉄骨柱の断面積、Fc:鉄骨柱の設計基準強度、As:柱主筋の断面積、Fs:柱主筋の設計基準強度
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