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JP4382626B2 - 音声信号レベル制御装置及びその方法 - Google Patents
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音声信号を一定のダイナミックレンジの中で伝送するために、信号レベルの圧縮や伸長処理を行うが、この様なレベルを圧縮や伸長処理を行うに際して、音声信号のひずみや聴感上の異常感をできるだけなくすようにしたレベル制御方式が要求される。この様なレベル制御方式の一例として、特許文献1に開示の技術があり、図5にその機能ブロック図を示している。
図において、入力音声信号を入力部101により制御用信号と被制御用信号とに2分する。2分した音声信号のうち制御用信号は、制御区間決定部102に導いて、音声信号の信号波形が零レベルの時間軸と交差する点の間の1区間乃至複数の区間毎に当該制御用信号を区切って、順次に制御区間を設定する。
一方、被制御信号は、記憶遅延部105に導き、制御区間決定部102の制御により上述した制御区間に対応する区間毎に区切って記憶する。また、制御区間決定部102において上述の制御区間毎に区切った制御用信号は、制御情報抽出部103に導き、それぞれの制御区間内における信号レベルの制御に用いるレベル情報、例えば、信号振幅のピーク値、あるいは、自乗平均値などを各制御区間毎に抽出する。
制御情報抽出部103からのかかる抽出出力を圧縮(伸長)比決定・制御信号作成部104に導き、信号レベル値に対応させてあらかじめ順次に設定しておいた圧縮(伸長)比のうち、入力の抽出レベル情報に対応した値の圧縮(伸長)比を選定し、その圧縮(伸長)比に対応し、かつ、それぞれの制御区間内においては変化せず一定のレベル制御信号を形成して制御部106に導く。
一方、制御区間に対応させて区切り、記憶遅延部105に記憶した被制御信号も、圧縮(伸長)比決定・制御信号作成部104からの制御信号の始端に対応して読出し、同じく制御部106に導く。制御部106においては、上述したレベル制御信号と被制御信号との乗算を行い、もって、順次の制御区間毎に入力音声信号のレベル制御が完了する。制御部106からの乗算出力を出力部107に導いて一旦記憶したのち、レベル制御出力信号として順次に取出す。
上述のように、入力音声信号は、順次の制御区間毎に区切られ、それぞれの制御区間内においては一定で変化のないレベル制御を受けることになり、制御レベルの変化は、入力音声信号波形が零レベルとなる各制御区間の境界のみで生ずることになる。従って、レベル制御出力音声信号の順次の制御区間内における信号波形は入力音声信号の信号波形と全く相似となり、信号波形の変化は、信号波形自体が零レベルとなる各制御区間の境界においてのみ生ずることになるので、聴感上何らの異常感も生じない。すなわち、各制御区間の境界では被レベル制御出力音声信号波形が零レベルとなり、その前後における信号波形の傾斜のみが入力音声信号波形とは相違することになるので、レベル制御に付随して生ずるひずみや異常感は大幅に軽減される。
上述した本方式による音声信号のレベル制御の態様を図6に示す信号波形の例について説明すると、入力音声信号波形(A)における信号波形と零レベルの時間軸との順次交差点(ゼロクロス点)間における、例えばピークレベルをレベル情報として抽出すると、レベル制御情報(B)の実線方形で示す波形が得られる。しかして、入力音声信号のゼロクロス点毎に区切った期間(ゼロクロス区間)の数については、例えば、4期間毎に信号波形を区切って前述した制御区間とし、順次の制御区間における4個ずつの上述した実線方形のうち最高レベルのものをもって、それぞれの制御区間におけるレベル情報とすれば、レベル制御情報(B)の点線で示す方形波形となる。
音声信号の、例えばレベル圧縮を行う場合には、信号レベルの高い部分ほど圧縮率を大きくするのであるから、上述した点線の方形波形の高低とは逆の関係に信号レベルを制御することになり、レベル制御情報(B)に対応した制御信号(C)が得られる。この制御信号(C)の各制御区間に対応する大小に比例して原信号レベルを圧縮すると、そのレベル制御出力信号波形(D)において点線で示す入力信号が実線で示すように圧縮され、原信号のレベルの大きい部分ほど大幅に圧縮されるが、出力信号波形全体としてはほぼ入力信号波形と相似しており、ひずみや異常な変化は認められない。
また、上述の音声信号レベル制御方式を改良した技術として、特許文献2に開示の技術もある。
特公昭57−41861号公報 特開昭59−221017号公報
上述した従来の技術においては、信号のゼロクロス点(信号波形がゼロレベルの時間軸と交差する点)を境として、当該音声信号を区切った、いわゆるゼロクロス区間分の音声データを常に保持するために記憶遅延部(メモリ)が必要である。ここで、音声信号の伝送周波数帯域は、一般に、20Hz〜20,000Hzの帯域であり、そのために図7に示すように20Hzの音声におけるゼロクロス区間の音声遅延を保有するとなると、25ms(1/20Hzの半分の周期)の音声遅延が常に存在することになる。また、その遅延に必要なメモリを保有する必要がある。周波数帯域を更に低い成分へ広げる場合には、更に音声遅延が発生することになる。
図6に示したように、制御単位がゼロクロス区間であり、その区間を検出するためには、伝送周波数帯域の最低周波数に依存した音声遅延が発生する。また、図6の如く、ゼロクロス区間をまたいだ(2周期)制御区間があり、それを実現するには、更に多くの遅延が発生(遅延メモリが必要)することになる。
本発明の目的は、音声遅延をできるだけ少なくして、かつ音声ひずみも最小とすることが可能な音声信号レベル制御装置及び音声信号レベル制御方法を提供することである。
本発明によれば、音声信号のレベル制御をなす音声信号レベル制御装置であって、
前記音声信号の周波数を高域成分と低域成分とに分離する周波数分離手段と、
前記高域成分が前記低域成分より大なる場合に、前記音声信号の少なくとも一ゼロクロス区間毎に所定の一定レベルに制御する第一の制御手段と、
前記低域成分が前記高域成分以上の場合に、前記音声信号のレベル制御をダイナミック処理する第二の制御手段と、
を含むことを特徴とする音声レベル制御装置が得られる。
本発明によれば、音声信号のレベル制御をなす音声信号レベル制御方法であって、
前記音声信号の周波数を高域成分と低域成分とに分離する周波数分離ステップと、
前記高域成分が前記低域成分より大なる場合に、前記音声信号の少なくとも一ゼロクロス区間毎に所定の一定レベルに制御する第一の制御ステップと、
前記低域成分が前記高域成分以上の場合に、前記音声信号のレベル制御をダイナミック処理する第二の制御ステップと、
を含むことを特徴とする音声信号レベル制御方法が得られる。
本発明の作用を述べる。音声信号の周波数成分のうち高域成分が大なる場合には、遅延は少ないので、従来と同様に、ゼロクロス区間の、例えば、ピーク値に応じた一定の乗数をもってレベル制御を行い、逆に低域成分が大なる場合には、遅延が生じないように、ダイナミックなリアルタイム処理によるレベル制御を行うよう構成する。これにより、遅延が少なくまたひずみも少ない音声レベル制御が可能になる。
本発明によれば、音声データの周波数成分として高域成分レベルが大なる場合には、ゼロクロス区間のデータに対して予め定められた定数を乗算し、低域成分レベルが大なる場合には、ダイナミック処理を行うようにすることによって、音声遅延をできるだけ少なくし、かつ音声ひずみも最小とすることが可能となるという効果がある。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態を示すブロック図である。図において、HPF1及びLPF2は入力デジタル音声信号aに対して周波数分割を行うための高域通過フィルタ及び低域通過フィルタであり、周波数特性は図2に示す如くであるものとする。ゼロクロス検出部3はHPF1を通過した高域成分の音声データbを入力として、音声データのサインフラグの変化によりゼロクロス検出信号eを出力する。なお、サインフラグとは、データの正負を表わすためのデータの先頭のフラグである。
ピークデータ検出部4はゼロクロス区間におけるピーク値データdを検出するものであり、またピークデータ検出部5はLPF2を通過した低域成分の音声データcを入力として、ピークデータ(ピーク値)fを検出するものである。乗数算出部7は、ピークデータ検出部4,5及びゼロクロス検出部3の各出力d,e,f及び外部から供給されているATK(アタック)定数g,REL(レリーズ)定数hを用いて、音声データに乗ずるための乗数jを算出するものである。遅延メモリ6は乗数jの算出までに要する時間T分の音声データaの遅延をなすものである。演算部8はこの遅延メモリ6の出力iに乗数jを乗じてレベル圧縮した音声データkを出力するものである。
入力デジタル音声信号aは周波数分割を行うためのHPF1及びLPF2へ入力されると共に、遅延メモリ6へ入力される。図2に示したカットオフ周波数fCHを有するHPF1と、カットオフ周波数fCLを有するLPF2とにより、音声信号aは周波数成分に応じて各フィルタを通過する。HPF1を通過した音声データbに対しては、ゼロクロス区間制御を行う。よって、音声データbのサインフラグの変化により、ゼロクロス検出部3はゼロクロス検出信号eを乗数算出部7へ出力する。
このゼロクロス検出信号eが出力されるまでの間に、ピークデータ検出部4はゼロクロス検出区間において最も大きな値dを常時更新し続けており、ゼロクロス検出信号eの発生タイミングにおいて、乗数算出部7はピークデータdを取込むことになる。一方、ピークデータ検出部5はLPF2を通過した音声データcのピークデータfを検出して乗数算出部7へ出力する。
乗数算出部7は、ゼロクロス検出信号eと、HPF領域のピークデータdと、LPF領域のピークデータfとにより、ゼロクロスタイミングeにおけるピークデータの大きな方の値を選択して、音声データに乗ずる乗数jを決定する。いま、HPF領域のピークデータdがLPF領域のそれfよりも大であるとすると、ゼロクロス区間の音声データに対して、ピークデータeに応じて予め定められた同一の乗数jを出力する。すなわち、d>fの場合には、高域周波数成分が大であり、音声データの遅延は大とならないので、図5,6にて説明した、従来と同一のレベル制御を行うのである。
LPF領域のピークデータfがHPF領域のピークデータd以上の場合、すなわちf≧dの場合には、ATK乗数g及びREL乗数hを用いてダイナミックに乗数jを決定して出力する。なお、ATK定数であるアタック定数は、あるスレッショルドレベル以上の音声データが入力されたときに音声データの抑圧を行う際、この抑圧量が90%に達するまでの時間を決定する定数である。また、REL定数であるレリーズ定数は、抑圧状態から、スレッショルドレベル以下の音声データになったときに抑圧量を開放する際、抑圧量が90%開放されるまでの時間を決定する定数である。これら定数g,hを用いてダイナミックに、すなわちリアルタイムに、音声データの抑圧制御を行うものである。
図3は本発明の他の実施の形態のブロック図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。図1の構成では、音声データaの高域と低域の周波数成分の大小比較を、乗数算出部7において行っているが、図3においては、レベル比較部9を設けて、このレベル比較部9において、HPF出力レベルbとLPF出力レベルcとの比較を行って、どちらの周波数帯域に音声データの成分が多く含まれているかを判断している。この判断結果mを乗数算出部7へ供給することにより、f≧dの場合には、乗数算出部7はゼロクロス信号eを待たずに、ダイナミック処理を実行することができ、より高速性が得られる。
図4は本発明の更に他の実施の形態のブロック図であり、図1及び図3と同等部分は同一符号により示している。本例においては、図3のHPF1及びLPF2に対して、周波数特性を外部よりそれぞれ設定可能としたものであり、図2に示したカットオフ周波数fCH及びfCLを、外部制御信号n及びpにより任意に可変制御するようになっている。これにより、音声遅延を最大限許容できる帯域まで、ゼロクロス区間制御を行うことが可能になる。なお、図1の例においても同様に、HPF1及びLPF2の周波数特性を制御することができることは勿論である。
上記実施の形態においては音声データに高域成分が多い場合に、ゼロクロス区間のピークデータに対応した一定レベルの制御を行っているが、ゼロクロス区間の自乗平均値に応じた一定レベルの制御を行っても良く、また、レベル制御区間を、一ゼロクロス区間を単位としてではなく、複数のゼロクロス区間を単位として、レベル制御を行っても良いことは明らかである。
本発明の一実施の形態を示すブロック図である。 図1のHPF1及びLPF2の周波数特性を示す図である。 本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。 本発明の別の実施の形態を示すブロック図である。 従来技術を説明するためのブロック図である。 図5のブロックの動作を示す図である。 従来技術の問題点を説明する図である。
符号の説明
1 HPF
2 LPF
3 ゼロクロス検出部
4,5 ピークデータ検出部
6 遅延メモリ
7 乗数算出部
8 演算部
9 レベル比較部

Claims (6)

  1. 音声信号のレベル制御をなす音声信号レベル制御装置であって、
    前記音声信号の周波数を高域成分と低域成分とに分離する周波数分離手段と、
    前記高域成分が前記低域成分より大なる場合に、前記音声信号の少なくとも一ゼロクロス区間毎に所定の一定レベルに制御する第一の制御手段と、
    前記低域成分が前記高域成分以上の場合に、前記音声信号のレベル制御をダイナミック処理する第二の制御手段と、
    を含むことを特徴とする音声レベル制御装置。
  2. 前記周波数分離手段は、前記音声信号の前記高域成分を通過させる高域通過フィルタと、前記低域成分を通過させる低域通過フィルタとを有し、
    前記第一の制御手段は、前記ゼロクロス区間のピークデータに応じて予め定められた一定レベルに、前記音声信号を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の音声レベル制御装置。
  3. 前記高域通過フィルタ及び前記低域通過フィルタの各周波数特性は変化自在であることを特徴とする請求項2記載の音声レベル制御装置。
  4. 音声信号のレベル制御をなす音声信号レベル制御方法であって、
    前記音声信号の周波数を高域成分と低域成分とに分離する周波数分離ステップと、
    前記高域成分が前記低域成分より大なる場合に、前記音声信号の少なくとも一ゼロクロス区間毎に所定の一定レベルに制御する第一の制御ステップと、
    前記低域成分が前記高域成分以上の場合に、前記音声信号のレベル制御をダイナミック処理する第二の制御ステップと、
    を含むことを特徴とする音声信号レベル制御方法。
  5. 前記周波数分離ステップは、前記音声信号の前記高域成分を通過させる高域通過フィルタ及び前記低域成分を通過させる低域通過フィルタとにより行われ、
    前記第一の制御ステップは、前記ゼロクロス区間のピークデータに応じて予め定められた一定レベルに、前記音声信号を制御するようにしたことを特徴とする請求項4記載の音声信号レベル制御方法。
  6. 前記高域通過フィルタ及び前記低域通過フィルタの各周波数特性を変化自在とするステップを更に含むことを特徴とする請求項5記載の音声レベル制御方法。
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