JP4382944B2 - 電動補助自転車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動補助自転車に関し、特に、踏力に電動補助力を与えるための電源用バッテリに回生電流を供給することができる電動補助自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペダルに加えられた踏力を後輪に伝達するための人力駆動系と、踏力に応じて前記人力駆動系に補助動力を付加させることができるモータ駆動系とを備えた電動補助自転車が知られている。例えば、特開平10−250673号公報には、クランク軸およびその軸受等を含む人力駆動系と、モータによる補助動力をクランク軸に合力させる駆動系とを単一のハウジングに収容した駆動装置を有する自転車が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電動補助自転車には電動補助力を与えるためのモータ用電源としてバッテリが搭載されるが、1回のバッテリ充電で長時間走行できるのが望ましい。そこで、自転車の自走期間中のエネルギを有効に利用するため回生発電によりバッテリを充電することが考えられる。例えば、ブレーキレバーの操作を検出して回生装置に回生動作を指令する電動補助自転車用の回生制御装置が提案されている(特開平8−140212号公報参照)。
【0004】
しかし、電動補助自転車の駆動系には通常一方向にのみ回転を伝達するワンウェイクラッチが設けられているため、ブレーキ動作中の車輪の回転によって回生電流を得ることはできなかった。車輪の回転によってブレーキ動作中に回生電流を生じさせる具体的な構造は上記公報にも提案されていない。そこで、従来、実用性のある回生装置を有する電動補助自転車の提案が望まれている。
【0005】
本発明は、上記要望に鑑み、ブレーキ動作中の車輪の回転による回生電流でバッテリを充電できる電動補助自転車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、踏力を伝達するペダルクランク軸を含む人力駆動部と該人力駆動部に合成される補助動力を発生させるモータを含むモータ駆動部とを有する電動補助自転車において、前記モータ駆動部の回転を後輪に伝達する第1のワンウェイクラッチと、後輪を制動させるブレーキ手段と、前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第1のワンウェイクラッチを直結する直結手段とを具備した点に第1の特徴がある。第1の特徴によれば、第1のワンウェイクラッチが直結されることにより、走行中のブレーキ操作時に後輪の回転がモータ駆動部に伝達されて回生電流が生起される。
【0007】
また、本発明は、チェーンを介して後輪に直結された駆動スプロケットと、前記ペダルクランク軸の回転を前記駆動スプロケットに伝達する第2のワンウェイクラッチとを具備し、前記モータ駆動部が前記第1のワンウェイクラッチを介して前記駆動スプロケットに結合されている点に第2の特徴がある。第2の特徴によれば、ペダルクランク軸は第2のワンウェイクラッチを介して駆動スプロケットと結合されているので、駆動スプロケットに対して従動することはない。したがって、制動中に後輪の回転はペダルクランク軸に伝達されず、ペダルが回転されることもない。
【0008】
また、本発明は、筒状の後輪ハブを具備し、前記モータ駆動部が前記後輪ハブ内に収容されていると共に、前記第1のワンウェイクラッチが前記モータ駆動部の出力軸および前記後輪ハブ間に設けられている点に第3の特徴がある。第3の特徴によれば、ペダルクランク軸の近くにモータ駆動部を設置しないので、ペダルクランク軸周辺の構成要素のレイアウトに自由度が増す。
【0009】
また、本発明は、前記第1のワンウェイクラッチが、同軸上でその内周および外周にそれぞれ配置された部材を結合するよう構成され、前記直結手段が、前記各部材を側方から押圧して互いを直結するよう構成されている点に第4の特徴があり、ワンウェイクラッチを直結するための構造が簡素化される。
【0010】
また、本発明は、前記直結手段が、前記ブレーキ手段の操作力で付勢される点に第5の特徴があり、電気的駆動手段を用いることなく直結手段を駆動することができる。
【0011】
また、本発明は、前記ブレーキ手段の操作を検出する検出手段と、前記検出手段による操作検出に応答して前記直結手段を付勢する電磁手段とを具備した点に第6の特徴があり、直結手段に機械的駆動力を伝達するためのメカニズムを簡略化できる。
【0012】
また、本発明は、前記第1のワンウェイクラッチを介して前記モータ駆動部に結合された駆動スプロケットと、後輪と同軸に設けられたリヤスプロケットと、前記駆動スプロケットおよび前記リヤスプロケットを直結するチェーンと、前記リヤスプロケットの回転を後輪に伝達するための第3のワンウェイクラッチと、前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第3のワンウェイクラッチを直結する第2の直結手段とを具備した点に第7の特徴がある。第7の特徴によれば、ブレーキ操作をしない惰行時には第3のワンウェイクラッチは直結されないので、後輪の回転はチェーンに伝達されない。したがって、ブレーキ操作によって回生発電がなされるとともに、ブレーキ操作をしない惰行時には余分な負荷が後輪に付加されないので軽快に惰行させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の駆動装置を有する電動補助自転車の側面図、図2は図1の要部拡大図である。電動補助自転車の車体フレーム2は、車体前方に位置するヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から下後方に延びたダウンパイプ22と、ダウンパイプ22の終端部近傍から上方に立上がるシートポスト23とを備える。ダウンパイプ22とシートポスト23との結合部およびその周辺部は、上下に2分割されて着脱される樹脂カバー33により覆われている。ヘッドパイプ21の上部にはハンドルポスト27Aを介して操向ハンドル27が回動自在に挿通され、ヘッドパイプ21の下部にはハンドルポスト27Aに連結されたフロントフォーク26が支承されている。フロントフォーク26の下端には前輪WFが回転自在に軸支されている。
【0014】
車体フレーム2の下部には、踏力補助用の電動モータMを含む駆動装置としての電動補助ユニット1が、ダウンパイプ22の下端の連結部92、シートポスト23に溶接されたバッテリブラケット49の前部に設けられた連結部91、およびブラケット49の後部の連結部90の3か所でボルト締めされて懸架されている。連結部90では電動補助ユニット1とともにチェーンステー25が共締めされている。
【0015】
電源キーによりオン・オフされる電動補助ユニット1の電源スイッチ部29がダウンパイプ22上のヘッドパイプ21の近傍に設けられている。電源スイッチ29の取付位置は図示の位置に限らず、例えば、ハンドルポスト27A前方のハンドル27上に設けても良い。また、電源補助ユニット1は、例えば赤外線信号を使ったリモートコントロールスイッチ(後述)によってその電源を投入するようにすることができる。その場合、電源スイッチ部29には、リモートコントロールスイッチから送出される赤外線信号を受信する受信機を設ける。
【0016】
電動補助ユニット1には駆動スプロケット13が設けられていて、ペダルクランク軸(以下、単に「クランク軸」という)101の回転は駆動スプロケット13からチェーン6を通じてリアスプロケット14に伝達される。なお、駆動スプロケット13とリヤスプロケット14とは、回生発電を可能にするためリジッド取付け、つまり双方のスプロケットの一方がいずれの方向に回転しても他方がこれに追従して回転するような取付けになっている。
【0017】
ハンドル27にはブレーキレバー27Bが設けられており、このブレーキレバー27Bが操作されたことは、ブレーキワイヤ39を通じて後輪WRのブレーキ装置(図示せず)に伝達される。さらに、ブレーキワイヤ39は電動補助ユニット1に分岐し、ブレーキレバー27Bの操作はブレーキワイヤ39の変位として後述の回生発電装置動作用のカムにも伝達される。
【0018】
この自転車では、ダウンパイプ22とシートポスト23との結合部が電動補助ユニット1の前部にレイアウトされているので、電動補助ユニット1を低位置に配置でき、低重心化が図られている。また、車体フレーム2の高さを低く抑えられるので“跨ぎ易さ”も良好である。
【0019】
電動補助ユニット1にはクランク軸101が回転自在に支承され、クランク軸101の左右両端にはクランク11を介してペダル12が軸支されている。電動補助ユニット1から後方側に延出される左右一対のチェーンステー25の終端間には、駆動輪としての後輪WRが軸支されている。シートポスト23の上部および両チェーンステー25の終端間には、左右一対のシートステー24が設けられている。シートポスト23の上端にはシート30が備えられ、シートパイプ31はシート30の高さを調整するためシートポスト23内で摺動できるように装着されている。
【0020】
シート30の下方でシートポスト23の後部には、収納ケースに収容されたバッテリ4が取り付けられている。バッテリ4は複数のバッテリセルからなり、長手方向が略上下方向となるようシートポスト23に沿って設置される。
【0021】
図2は電動補助ユニット1の断面図、図3は図2のA−A矢視図である。電動補助ユニット1のケースは本体70、ならびにその両側面にそれぞれ取付けられる左カバー70Lおよび右カバー70Rからなる。ケース70ならびに左カバー70Lおよび右カバー70Rは軽量化のため樹脂成型品によって製作される。ケース本体70の周囲には前記ダウンパイプ22やバッテリブラケット49の連結部90,91,92にそれぞれ適合するハンガー90a,91a,92aが形成されている。本体70には軸受71が設けられ、右カバー70Rには軸受72が設けられている。軸受71の内輪にはクランク軸101が内接し、軸受72の内輪にはクランク軸101と同軸でクランク軸101に対してその外周方向に摺動自在に設けられたスリーブ73が内接している。すなわち、クランク軸101は軸受71と軸受72によって支持されている。
【0022】
スリーブ73にはボス74が固定されていて、このボス74の外周には、例えばラチェット機構からなるワンウェイクラッチ(第1のワンウェイクラッチ)75を介してアシストギヤ76が設けられている。アシストギヤ76は軽量化の観点から樹脂製であるのが好ましく、また、静粛性等の観点からヘリカルギヤとするのがよい。
【0023】
スリーブ73の一端部にはギヤ73aが形成されていて、このギヤ73aを太陽ギヤとしてその外周に3つの遊星ギヤ77が配置されている。遊星ギヤ77は支持プレート102に立設した軸77aで支持されており、さらに支持プレート102はワンウェイクラッチ(第2のワンウェイクラッチ)78を介してクランク軸101に支持されている。遊星ギヤ77は踏力検知用リング79に対して、その内周に形成されたインナギヤに噛み合っている。スリーブ73の端部(ギヤが形成されていない側)にはチェーン6によって前記リヤスプロケット14に結合されている駆動スプロケット13が固定されている。
【0024】
踏力検知用リング79はその外周に張出したアーム79a,79bを有しており、アーム79a,79bは、アーム79aと本体70との間に設けられた引張りばね80、およびアーム79bと本体70との間に設けられた圧縮ばね81によってクランク軸101の、走行時回転方向と反対の方向(図中時計方向)に付勢されている。圧縮ばね81はリング79のがたつき防止のために設けられる。アーム79bにはリング79の回転方向の変位を検出するためのポテンショメータ82が設けられている。
【0025】
アシストギヤ76にはスプリングワッシャ85を介して回生発電用の円板状クラッチプレート86が隣接配置されており、さらにクラッチプレート86には、スプリングワッシャ85に抗してプレート86をアシストギヤ76側に押圧するためのプレッシャプレート87が隣接配置されている。クラッチプレート86およびプレッシャプレート87はいずれもスリーブ73に対してその軸方向に摺動自在に設けられている。
【0026】
プレッシャプレート87はそのハブ部分に形成された傾斜面に当接させたカム88によってクラッチプレート86寄りに偏倚される。カム88はシャフト89によって右カバー70Rに回動自在に支持されており、このシャフト89の端部つまり右カバー70Rから外部に突出した部分にはレバー7が固着されている。レバー7はブレーキワイヤ39に結合されていて、ブレーキがかけられたときにブレーキワイヤ39によってレバー7が回動し、このレバー7の回動に伴ってカム88はシャフト89を中心に回動する。
【0027】
前記アシストギヤ76にはモータMの軸に固定されたピニオン83が噛み合っている。モータMは3相のブラシレスモータであり、ネオジウム(Nd−Fe−B系)磁石の磁極110を有するロータ111と、その外周に設けられたステータコイル112と、ロータ111の側面に設けられた磁極センサ用のゴム磁石リング(N極とS極とが交互に配置されてリングを形成したもの)113と、ゴム磁石リング113に対向して配置され、基板114に取付けられたホールIC115と、ロータ111の軸116とからなる。軸116は左カバー70Lに設けられた軸受98とケース本体70に設けられた軸受99で支持されている。
【0028】
ケース本体70の、車体前方寄りにはモータMを制御するためのドライバ用のFETやコンデンサを含むコントローラ100が設けられており、このFETを通じてステータコイル112に給電される。コントローラ100は、踏力検出器としてのポテンショメータ82で検出された踏力に応じてモータMを動作させ、補助動力を発生する。
【0029】
ケース本体70やカバー70L,70Rは軽量化の観点から樹脂成型品で構成するのが好ましいが、その一方で、軸受の周囲等は強度を高める必要がある。そこで、本実施形態では軸受の周囲に鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金等、金属の補強部材105,106,107を配している。特に、ケース本体70に配置される補強部材は、クランク軸101の軸受71およびモータ軸116の軸受99、ならびに車体への取付部材となるハンガー90a,91a,92a等、大きい荷重が予想される部位を補強するものであるため、各部分の補強部材を互いに連結して一体的な補強プレート105を形成した。この補強プレート105によれば、各軸受やハンガーの周囲に配置されたそれぞれの補強部材が互いに他と連絡して補強効果を一層高めている。
【0030】
補強プレート105は、軸受71および軸受99、ならびにハンガー90a,91a,92aの周囲の補強部材をすべて連結するものに限らず、これらの補強部材のうち互いに近接するもの同士、例えばハンガ90aの周囲の補強部材と軸受99の周囲の補強部材とを連結したり、軸受71の周囲の補強部材と軸受99の周囲の補強部材またはハンガ90a,91a,92aの1つとを連結したりするものでもよい。なお、これら補強部材105,106,107は樹脂成型時にケース70やカバー70L,70Rと一体で形成するのがよい。
【0031】
上記構成の電動補助ユニット1では、クランク11を介してクランク軸101に踏力が加わると、クランク軸101は回転する。クランク軸101の回転はワンウェイクラッチ78を介して支持プレート102に伝達され、遊星ギヤ77の軸77aを太陽ギヤ73aの回りに回転させ、遊星ギヤ77を介して太陽ギヤ73aは回転させられる。この太陽ギヤ73aが回転することによってスリーブ73に固着されている駆動スプロケット13が回転する。
【0032】
後輪WRに負荷が加わると、その大きさに応じて前記踏力検知用リング79が回動し、その回動量はポテンショメータ82で検出される。ポテンショメータ82の出力つまり負荷に対応した出力が予定値より大きいときはその負荷の大きさに応じてモータMが付勢され補助動力が発生される。補助動力は、クランク軸101で発生された人力による駆動トルクと合成されて駆動スプロケット13へ伝達される。
【0033】
走行時、車両を減速させるためブレーキをかけると、ブレーキワイヤ39によりカム88がシャフト89を中心に回動し、プレッシャプレート87がクラッチプレート86を押圧する。そうすると、クラッチプレート86がアシストギヤ76側に偏倚し、クラッチプレート86を介してボス74とアシストギヤ76とが結合し、ボス74の回転はアシストギヤ76に伝達される。したがって、制動中の駆動スプロケット13の回転はスリーブ73、ボス74およびアシストギヤ76を通じてピニオン83に伝達される。ピニオン83の回転はインナロータ111に伝達され、その結果ステータコイル112に起電力が生じて回生発電が行われる。発電により生じた電流はコントローラ100を通じてバッテリ4に供給され、バッテリ4が充電される。なお、ブレーキ操作中のスリーブ73の回転によって遊星ギヤ77が回転し、支持プレート102が回転するが、ワンウェイクラッチ78の作用により、支持プレート102の回転はクランク軸101には伝達されない。
【0034】
前記プレッシャプレート87はカム88によって付勢するのに代えて、次のように電磁式としてもよい。図4は、プレッシャプレート87の付勢手段の変形例に係る断面図であり、図2と同符号は同一または同等部分を示す。同図において、右カバー70Rには軸受72に近接した位置にリニアソレノイド89aを取付けている。ソレノイド89aのプランジャ88aはクランク軸101に平行に変位可能に設けられている。ソレノイド89aにはブレーキ操作を検出するための、図示しないスイッチ手段(例えばブレーキワイヤ39の動きに連動する)を介して前記バッテリ4から動作電流が供給される。ソレノイド89aは、電流が供給されるとプランジャ88aがプレッシャプレート87側に突出するように設定されている。
【0035】
したがって、ブレーキが操作されてバッテリ4から電流が供給されると、プランジャ88aが突出してプレッシャプレート87はクラッチプレート86側に押圧される。その結果、クラッチプレート86はばね85に打ち勝ってボス74側に変位し、ワンウェイクラッチ75をロックし、ボス74とアシストギヤ76とを結合する。
【0036】
次に、第2実施形態を説明する。図5は第2実施形態に係る電動補助リヤユニットの断面図である。後輪軸34はその両端に形成されたねじ部およびそれに螺着されるナット35,35によって固着されたチェーンステー25で支持されている。なお、後輪軸34の両端はチェーンステー25だけでなく、シートステー24や、荷台や後輪のカバー等を支持するステーも結合されるが、ここでは図の煩雑を避けるため図示を省略している。後輪軸34と同軸に設けられたモータMは3相のブラシレスモータであり、ネオジウム(Nd−Fe−B系)磁石の磁極110を有するロータ111と、その外周に設けられたステータコイル112とからなる。このインナロータ111の側面には磁極センサ用のゴム磁石リング113と、ゴム磁石リング113に対向して配置され、基板114に取付けられたホールIC115とが設けられている。
【0037】
インナロータ111を収容するモータハウジング36はハウジング本体36aとキャップ36bとからなる。ハウジング本体36aはキャップ36bを介して後輪軸34に固着され、かつハウジング本体36aは軸受37を介してインナロータ111の細径部外周に係合している。キャップ36bとハウジング本体36aとの間に前記基板114が挟持され、これらキャップ36bと基板114との間の空間にコントローラ100が収容される。
【0038】
前記モータハウジング36を覆うように後輪ハブ38が設けられ、この後輪ハブ38の側面には止めねじ40によってカバー41が固着されており、後輪ハブ38はこのカバー41の中心部に嵌合された軸受42とハウジング本体36aの外周に嵌合された軸受43とを介して回転自在に後輪軸34に支持されている。さらに、後輪ハブ38と前記インナロータ111の細径部外周との間にはワンウェイクラッチ44が介挿されている。このワンウェイクラッチ44はコイル112に通電されてインナロータ111が付勢されたときに、インナロータ111の回転に伴って後輪ハブ38が回転するように係合方向が設定されている。
【0039】
前記カバー41にはワンウェイクラッチ45を介して軸34と同軸にリヤスプロケット46が設けられている。リヤスプロケット46はチェーン6を介して、図示しない駆動スプロケットと連結される。第2実施形態では電動補助用のモータを後輪ハブ38内に設けたので、電動補助力を人力による踏力に合力させるための、第1実施形態に係るような電動補助ユニット1は設けない。この第2実施形態では、踏力を伝達させるクランク軸を車体フレーム2に固定した軸受に支持させ、かつこのクランク軸に駆動スプロケットを直結してあればよい。但し、踏力検知用リング79をクランク軸に関して設置し、その付勢用のばねや回動量検知のためのポテンショメータ等は第1実施形態を適宜変形して設ける。
【0040】
ワンウェイクラッチ45は前記クランク軸に踏力が加わってリヤスプロケット46が回転したときにカバー41と係合し、踏力が解除されたときにカバー41とリヤスプロケット46との係合が解除されるよう設定される。
【0041】
インナロータ111の、ゴム磁石リング113が設けられた側とは反対側の側面にはスプリングワッシャ85を介して回生発電用の円板状クラッチプレート86が隣接配置されており、さらにクラッチプレート86には、スプリングワッシャ85に抗してプレート86をアシストギヤ76側に押圧するためのプレッシャプレート87が隣接配置されている。クラッチプレート86およびプレッシャプレート87はいずれも後輪軸34に対してその軸方向に摺動自在に設けられている。
【0042】
プレッシャプレート87をクラッチプレート86寄りに偏倚させるカム88が、第1実施形態と同様に設けられる。カム88を支持するシャフト89は後輪ハブ38の第2のカバー47によって回動自在に支持されており、このシャフト89の端部つまり第2のカバー47から外部に突出した部分にはレバー7が固着されている。レバー7はブレーキワイヤ39に結合されていて、ブレーキがかけられたときにブレーキワイヤ39によってレバー7が回動し、このレバー7の回動に伴ってカム88はシャフト89を中心に回動する。
【0043】
シャフト89にはブレーキシュー48が固着されており、レバー7の回動に伴ってカム88と同様に回動する。ブレーキシュー48は後輪ハブ38の内周面に押圧されて後輪ハブ38の回転を制動するよう構成される。なお、第2のカバー47の周囲には後輪ハブ38との間を密封するシール部材49が設けられる。
【0044】
上記構成の第2実施形態では、クランク軸に加わった踏力はチェーン6を介してリヤスプロケット46に伝達され、リヤスプロケット46の回転に伴い、ワンウェイクラッチ45を介して後輪ハブ38が回転させられる。踏力が予定の基準値を超えたときにステータコイル112に電流が供給される。この電流の大きさは踏力に対応して変化させられる。ステータコイル112に電流が供給されるとインナロータ111が回転され、インナロータ111の回転はワンウェイクラッチ44を介して後輪ハブ38に伝達される。すなわち、モータMによる補助力が人力による踏力に合成される。
【0045】
走行中にブレーキがかけられるとブレーキワイヤ39を通じてシャフト89が回動させられ、プレーシャプレート87によってクラッチプレート86が変位させられ、後輪ハブ38とインナロータ111とが直結される。その結果、後輪ハブ38の回転がインナロータ111に伝達され、ステータコイル112に回生電流が生起される。この回生電流はコントローラ100を通じてバッテリ4に供給されるのは第1実施形態と同様である。
【0046】
さらに、第2実施形態は次のように変形することができる。まず、リヤスプロケット46の回転をワンウェイクラッチ45を介して後輪ハブ38に伝達するのに代えて、駆動スプロケットとクランク軸との間にワンウェイクラッチを介在させてもよい。要は、ワンウェイクラッチを介してクランク軸の回転が後輪ハブ38に伝達されるように構成してあればよい。また、プレッシャプレート87を付勢するカム88に代えて図4のようなソレノイドを設けてもよいのも第1実施形態と同様である。
【0047】
また、第1実施形態に次の構成を付加することができる。図6は、第1実施形態の変形例に係る後輪ハブ周辺の断面図である。同図において、後輪軸34はその両端に形成されたねじ部に螺着されたナット35,35によってチェーンステー25に固着されている。後輪ハブ50は軸受51,51によって後輪軸34に回転自在に支持されていて、その一端にはワンウェイクラッチ(第3のワンウェイクラッチ)54を介してリヤスプロケット46が支持されている。後輪軸34の前記スプロケット46が固着された側の延長部分には軸方向に摺動自在にクラッチプレート52が設けられていて、クラッチプレート52と前記リヤスプロケット46との間にはスプリングワッシャ53が挟まれている。前記クラッチプレート52の背面側つまり後輪軸34の軸端側にはリニヤソレノイド56が設けられ、そのプランジャ55先端が前記クラッチプレート52の背面に当接している。ソレノイド56のコイルには前記ソレノイド89aと同様、ブレーキ操作に応答してバッテリ4から電流が供給される。
【0048】
図6において、前記電動補助ユニット1により踏力および電動補助力が前記チェーン6を介してリヤスプロケット46に伝達されると後輪ハブ50が回転して後輪WRは回転させられる。走行中のブレーキ操作に応答してソレノイド56が付勢されるとプランジャ55がクラッチプレート52側に変位し、クラッチプレート52はスプリングワッシャ53に抗してワンウェイクラッチ54側に偏倚しワンウェイクラッチ54をロックする。
【0049】
このように、電動補助ユニット1による駆動力が与えられている場合、およびブレーキ操作中にだけリヤスプロケット46は後輪ハブ50と直結されるので、ブレーキ操作をしない惰行時には、チェーン6は循環動作をしない。したがって惰行時の負荷が軽減され、軽快な走行感覚が得られる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなとおり、請求項1〜請求項7の発明によれば、ブレーキ操作時に第1のワンウェイクラッチが直結されてモータ駆動部による回生発電を行うことができるので、この回生電流をモータ駆動部の電源の充電に用いることができる。特に、請求項2の発明によれば第2のワンウェイクラッチにより回生発電時にペダルクランク軸が回転しないし、第7の特徴によれば、ブレーキ操作を行わない惰行時には軽快な惰行性能が得られる。
【0051】
また、請求項3の発明によれば、ペダルクランク軸周辺のレイアウトの自由度を高めることができ、請求項4の発明によれば、回生のための第1のワンウェイクラッチを直結させる構造が簡素化される。
【0052】
さらに、請求項5の発明によれば、電気的駆動手段を用いずにワンウェイクラッチを直結させられるし、第6の特徴によれば、機械的駆動手段を用いずにワンウェイクラッチを直結させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電動補助自転車の側面図である。
【図2】 電動補助ユニットの要部断面図である。
【図3】 図2のA−A位置での断面図である。
【図4】 ワンウェイクラッチの直結手段を示す断面図である。
【図5】 後輪ハブに内蔵されたモータ駆動部の断面図である。
【図6】 第3のワンウェイクラッチを含む後輪ハブの断面図である。
【符号の説明】
1…電動補助ユニット、 2…車体フレーム、 4…バッテリ、 13…駆動スプロケット、 29…電源スイッチ部、 38,50…後輪ハブ、 39…ブレーキワイヤ、 46…リヤスプロケット、 54…第3のワンウェイクラッチ、70…ケース本体、 75…第1のワンウェイクラッチ、 78…第2のワンウェイクラッチ、 86…クラッチプレート、 100…コントローラ、 101…ペダルクランク軸、 102…遊星ギヤ支持プレート、 111…インナロータ、 112…ステータコイル 116…モータの軸
Claims (6)
- 踏力を伝達するペダルクランク軸を含む人力駆動部と該人力駆動部に合成される補助動力を発生させるモータを含むモータ駆動部とを有する電動補助自転車において、
同軸上でその内周および外周にそれぞれ配置された部材を結合するよう構成され、前記モータ駆動部の回転を後輪に伝達する第1のワンウェイクラッチと
後輪を制動させるブレーキ手段と、
前記各部材を側方から押圧して互いを直結するよう構成され、前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第1のワンウェイクラッチを直結する直結手段とを具備したことを特徴とする電動補助自転車。 - チェーンを介して後輪に直結された駆動スプロケットと、
前記ペダルクランク軸の回転を前記駆動スプロケットに伝達する第2のワンウェイクラッチとを具備し、
前記モータ駆動部が前記第1のワンウェイクラッチを介して前記駆動スプロケットに結合されていることを特徴とする請求項1記載の電動補助自転車。 - 筒状の後輪ハブを具備し、
前記モータ駆動部が前記後輪ハブ内に収容されていると共に、
前記第1のワンウェイクラッチが前記モータ駆動部の出力軸および前記後輪ハブ間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動補助自転車。 - 前記直結手段が、前記ブレーキ手段の操作力で付勢されることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のいずれかに記載の電動補助自転車。
- 前記ブレーキ手段の操作を検出する検出手段と、
前記検出手段による操作検出に応答して前記直結手段を付勢する電磁手段とを具備したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電動補助自転車。 - 前記第1のワンウェイクラッチを介して前記モータ駆動部に結合された駆動スプロケットと、
後輪と同軸に設けられたリヤスプロケットと、
前記駆動スプロケットおよび前記リヤスプロケットを直結するチェーンと、
前記リヤスプロケットの回転を後輪に伝達するための第3のワンウェイクラッチと、
前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第3のワンウェイクラッチを直結する第2の直結手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載の電動補助自転車。
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