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JP4383036B2 - 消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体 - Google Patents
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JP4383036B2 - 消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体 - Google Patents

消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体に関する。
特に、本発明は、水素化された消化できない食物繊維を含む可溶性の水素化されたデンプン誘導体であって、当該誘導体を調製するための原料産物と比較して、色値が少なくとも50%低く、かつその還元糖含量が、多くても30%低減されたものに関する。
【0002】
また、本発明は、その還元糖含量を著しく変更することなく、消化できない食物繊維を含有する可溶性のデンプン誘導体を酸性媒体中に安定化させること、および脱色(decolourise)することを可能にする水素化の方法にも関する。
【0003】
本発明の目的では、表現「消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体」とは、特に、デンプン誘導体に食物性繊維(dietetic fibres)と同じ特性を与える、加水分解とトランスグルコシレーション(transglucosylation)反応(これは加水分解反応の際に起こる)との組合せによって産生されたデンプン誘導体を意味すると解する。
【0004】
【従来の技術】
前記の食物性繊維は、当業者に、人の健康に対するそれらの有益な効果が認識されている。これらの繊維は、一般に、二つのカテゴリー、すなわち可溶性繊維と不溶性繊維とに分類される。
【0005】
可溶性繊維、例えばペクチンおよびイヌリンは、腸内細菌フローラによって発酵される。かかる発酵は、短鎖脂肪酸を結腸内に放出し、これらは結腸のpHを低減し、結果的に、病原性細菌の繁殖を制限する効果を有する。
【0006】
不溶性繊維、例えばセルロース、耐性デンプン、またはトウモロコシまたはダイズ繊維は、胃腸管において、本質的に機械的な役割を有する。これらは、腸内フローラによりほんの僅かに発酵するだけで、腸内輸送の時間を低減することに寄与する。
【0007】
デンプンを処理して、食物繊維特性をデンプンに付与し、かくして耐性デンプンを得るために開発された多くの技術が、当該技術分野で公知である(ENGLYST and CUMMINGS in American Journal of Clinical Nutrition in 1987, volume 45 pp423-431)。
【0008】
通常、デンプンは、高温で食用の酸で処理される。この熱処理は、酸の量、デンプンの水分含量、および使用した温度範囲に従って、ピロデキストリン(pyrodextrin)、白色または黄色デキストリンのようなタイプのデンプン誘導体を生成する。これらのデンプン誘導体は、ヒトの小腸における消化および吸収に対して耐性である。
【0009】
標準的なデンプンおよびマルトデキストリンは、α-1,4およびα-1,6型のグルコシド結合のみを有するが、酸性条件下での熱処理は、ヒトの消化酵素によって加水分解されない1,2および1,3型の異常な結合(αまたはβアノメリズム(anomerism)として)も生じる。
【0010】
多くの場合、これらの物理的処理は、かくして得られたデンプン誘導体の食物繊維特性を補強すべく、酵素処理で補われる。特許EP368451およびUS5264568では、例えば、ピロデキストリンを調製する方法が記載されており、ここではその食物繊維特性が、高温における、溶液中のデキストリンまたはピロデキストリンに対するα-アミラーゼまたはいくつかのα-アミラーゼの連続的な作用によって補強される。
【0011】
欧州特許第530111号には、特定の条件下で、脱水した、酸性化されたトウモロコシデンプンの押し出しにより得られた、消化できないデキストリンが記載されている。この処理は、熱耐性αアミラーゼの作用で補足されてもよい。
【0012】
出願人は、その特許出願EP1006128において、15から35%の1-6グルコシド結合、20%未満の還元糖含量、5未満の多分散系係数(polydispersity index)、および多くても4500g/molの数平均分子量Mnを有する“分枝状マルトデキストリン”についても記載している。
【0013】
これらの分枝状マルトデキストリンは、特に消化できない特性を示す。その結果、小腸でのその消化を妨げることによりそのカロリー値を低減させ、かくして消化できない繊維の源を構成する。
【0014】
参考までに、その不溶性繊維レベルは、一般には、AOAC法第985-29(1986)に従って測定して、乾燥物質ベースで50%より高い。
【0015】
しかしながら、高温におけるこれら全てのデンプン誘導体の調製は、前記製品の着色の問題をほぼ同時に伴う。
【0016】
これらの着色の問題は、消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体の産生の時点で真っ先に現れうる。
【0017】
次いで、用いる装置のセッティングを細かく調節することに制約がある。従って、欧州特許第530111号では、産物の高度な着色が、押し出しパラメーターを制限することによって部分的に低減される。170℃の温度を超えるべきではない。
【0018】
次に、これらの着色の問題は、特許出願EP477089に示されるように、精製工程で見ることができる。
【0019】
αアミラーゼで処理されたピロデキストリンのかかる精製は、通常、クロマトグラフィー樹脂で行われ、これは、かくして得られた高分子量化合物から残留グルコースを除くことを可能にする。
【0020】
精製は、着色の問題を避けるために20から70℃の温度で行われるべきである。これは、70℃より高い温度では、産物が褐色になり、かつ前記精製カラムを離れる際には劣化してしまうからである。しかしながら、この温度調節は、最終産物の色値を部分的に低減させるだけである。
【0021】
従って、以下の三つの解決手段が、着色、さらには臭いに関するこれらの問題を改善するのに推奨される。
【0022】
第一の解決手段は、活性炭上で脱色する技術を用いることからなる。
【0023】
かくして、活性炭での、または樹脂上を通過させることによるデキストリンの脱色(20から70℃の温度にて)が、特許出願EP485304および欧州特許第516491号に記載されている。
【0024】
しかしながら、当業者に既知であるように、この脱色技術は、扱いにくく、単調で退屈である。というのもこれは、用いた活性炭カラムを再生させる必要があるだけでなく、かくして得られた脱色化溶液を強カチオン性樹脂で脱塩化し、次いで、弱塩基アニオン性樹脂で脱塩化して依然として存在する無機塩を全て除く必要があるからである。
【0025】
第二の解決手段は、脱色化しようとする溶液に脱色剤を添加することからなる。
【0026】
ポリデキストロースを脱色するための、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、または塩化ナトリウム型の漂白剤の添加が、米国特許第4622233号に記載されている。
【0027】
しかしながら、これらの漂白剤は中性ではなく、また、脱色しようとする産物の物理的性質を変更してしまう。かかる欠点は、消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体の場合にはいっそう顕著である。
【0028】
第三の解決手段は、先の二つより満足できるものであり、脱色しようとする産物を水素化することからなる。
【0029】
いかなる理論にも束縛されることなく、着色の現象は、通常、高温で着色しがちな産物における不飽和結合の存在によるものである。
【0030】
一つにはこれらの不飽和結合は、デンプン誘導体の還元力に関連する:これらは、窒素含有誘導体の存在下で、高温にて、MAILLARD反応の着色産物を与えるカルボニル官能基である。
【0031】
あるいは、これらの不飽和結合は、アルケン型の結合(酸性媒体中で、高温、さらには非常に高温で反応させた際に間接的に生じる)に対応するか、または、重合および脱水の産物(フミン型(humin-type)産物)に対応する。
【0032】
悪い味(無水グルコースに関連する)および着色のかかる問題に対する解決手段としての、ポリデキストロースの(またはポリマルトースの)水素化が、例えば、特許出願WO92 14761に記載されている。
【0033】
溶媒中において脱色剤を用いて処理することによりこの欠点を克服することが公知であるが、特許出願WO92 14761において提案されている好ましい技術は、水素化触媒および水素の存在下で加熱することからなる。
【0034】
かくして、触媒水素化は、中性に近いpHで、高圧高温(90から120バールおよび140から160℃)で、しかも30分から1時間の反応時間で、ニッケル系の触媒を用いて実施される。
【0035】
また、水酸化ホウ素ナトリウムまたは水酸化ホウ素カリウムのような還元剤を用いることも可能である。
【0036】
例えば、水酸化ホウ素ナトリウムを用いた反応では、反応は、少なくとも0.5%の前記水酸化ホウ素を必要とし、かつ、9から12の間に調節されたアルカリ性のpH、および80℃までの温度で実施する必要がある。
【0037】
次いで、混入したホウ酸イオンを、メタノールに通すこと、またはイオン交換に通すことによって除く。最後に、還元されたポリデキストロースを、一以上のイオン交換樹脂で精製する。
【0038】
しかしながら、これら二つの方法は、効果的に脱色されたポリデキストロースをもたらすが、何の還元力も示さない産物を生じ、用いられる全水素化の条件が、その分子から不飽和結合のあらゆる源を完全に除いてしまう。
【0039】
かかる問題を解決すべく、欧州特許第338151号では、水素化によるグリコシドの脱色を確実にするために、より穏やかな条件下で実施することが提案された。
【0040】
ここでグリコシドは、“フミン”型混入物と結合して、“暗い黄色(dark yellow)”から“ブラックコーヒー色(black coffee)”の範囲にわたる色を有するという欠点を示す、n-ブチルグルコシドまたはアルキルグルコシド型の化合物である。
【0041】
ここで再び、これらの混入物を除去するために吸着性樹脂、還元酸または漂白剤を用いるよりも、特定の触媒水素化技術を用いることが提案される。
【0042】
触媒水素化は、6から12時間までの間、IB、IIIB、IVB、VI、VII、およびVIII群の触媒から選択された触媒を用いて(好ましい金属はNi、Pt、Ga、Pd、CoおよびMoである)、促進剤を用いてまたは用いない条件下で実施される。
【0043】
反応温度はより低いものであって、40から50℃の間であるが、反応pHは、少なくとも8、好ましくは10から13の間、さらに好ましくは11から12の間とすべきである。これは、アルキルグルコシドが、アルカリ性媒体中で安定な化合物だからである。
【0044】
用いる水素化圧は、高く、140バールのオーダーである。
【0045】
これまでの本文の結論は、既知の技術は、還元力のようなその物理化学的特徴を犠牲にしなければ、または当該適用分野で例えば上記分枝状マルトデキストリンについて要求されるような酸性pHにおける安定性を犠牲にしなければ、消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体の脱色にはそもそも適合していないということである。
【0046】
それゆえ、着色を軽減し、かつ、特に還元力に関するその物理化学的特徴を保存することができ、そして任意に酸性pH値で経時的に優れた安定性を有する、消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体を得るという、満足されていない要求が存在する。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
本願出願人は、多くの調査研究を経て、新たなタイプの産物、すなわち、特定の消化できない食物繊維を含む可溶性の水素化デンプン誘導体を発明し製造することによって、これまで満足できないと考えられていた、これら全ての目的を満足するメリットを得た。
【0048】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明にかかる消化できない食物繊維を含む可溶性の水素化デンプン誘導体は、それを調製するための原料である繊維含有可溶性デンプン誘導体と比較して、
−少なくとも50%低減されたICUMSA色値、および
−多くても30%低減された還元糖含量
を有することを特徴とする。
【0049】
出願人の知るところでは、本発明に係る消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体の実用的な特性を保持するために、その還元糖含量を、それを調製するための原料であるデンプン誘導体よりも30%低くするべきではない。
【0050】
本発明に係る消化できない食物繊維を含有する水素化または非水素化の可溶性デンプン誘導体のICUMSA色値の測定は、以下の方法で実施される。
【0051】
本発明に係る消化できない食物繊維を、200g/lの濃度で含む、水素化または非水素化可溶性デンプン誘導体の溶液を調製し、吸収を、1cmの光学的通過長を有するプラスティックキュベットにおいて420nmで測定する。
【0052】
ICUMSA色値の測定は、以下の比率を算出することにより測定される。
ICUMSA色値 = [OD x 10]/[c x d]
ここで、“OD”は420nmで測定された光学密度であり、“c”は溶液の濃度であり、“d”はその密度である。
【0053】
それゆえ、本発明に係る水素化デンプン誘導体は、少なくとも50%低減されたICUMSA色値と、多くても30%低減された還元糖含量を有する。
【0054】
以下に例示するように、ある商業的に入手できる消化できないデキストリンのICUMSA色値は、1500単位のオーダーである。その不溶性繊維レベルは、一般に乾燥物質ベースで25%のオーダー(AOAC法No.985-29(1986)に従って測定した値)であり、その還元糖含量は9%のオーダーである。
【0055】
本発明によれば、出願人は、多くても800単位、好ましくは750単位のICUMSA色値を有し、かつ、確かに低減されてはいるが、乾燥ベースで少なくとも6%の還元糖含量を有する誘導された産物を提案する。
【0056】
さらに、その不溶性繊維レベルは不変であり、25%のオーダーのままであることが観察される。
【0057】
特許出願EP1006128に記載された分枝状マルトデキストリンのICUMSA色値について、例えば、32%の1-6グルコシド結合、2.5%の還元糖レベル、2.15の高分子インデックス(polymolecularity index)、および2480g/molの数平均分子量Mnによって特徴付けられる製品が、900単位のオーダーの色値を有する。上述したように、その不溶性繊維レベルは、AOAC法No.985-29(1986)に従って測定して、乾燥物質ベースで55%のオーダーである。
【0058】
以降において、出願人は、多くても400単位の、好ましくは多くても350単位のICUMSA色値を有し、かつ、確かに低減されてはいるが、乾燥ベースで少なくとも2%の還元糖含量を有する、本発明に係る誘導産物を提案する。
【0059】
ここで再び、本発明に係る消化できない食物繊維を含む水素化デンプン誘導体が、55%のオーダーの未変化の不溶性繊維レベルを有することが観察される。
【0060】
pHの関数として、本発明に係る水素化デンプン誘導体の色値のバリエーションを調べるためにさらなる測定が実施された。
【0061】
この試験は、500g/lで水素化または非水素化形態の消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体の溶液を調製し、酸性、中性および塩基性のpH値に前記溶液のpHを調節し、かくして調製された溶液を80℃で15分間熱した後に色差を測定することからなる。
【0062】
以下に示すように、本発明にかかる消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体のICUMSA色値は、酸性媒体で安定であり、アルカリ性pH値に近づくにつれて増大するという不安定性を示す。
【0063】
この酸性pHにおける安定性は、企図される応用に酸性調製条件下で着色しないことが必要とされる食品分野における、本発明に係る消化できない食物繊維を含む可溶性の水素化デンプン誘導体の使用を可能にする。
【0064】
本発明に係る消化できない食物繊維を含有する可溶性の水素化デンプン誘導体を調製するために、脱色方法は、還元糖含量が30%より多くは低減されないが、その色値を有意味に低減、すなわち少なくとも50%低減するような条件下で、前記デンプン誘導体を水素化することからなる。
【0065】
消化できない食物繊維を含有する可溶性のデンプン誘導体を脱色する第一の方法では、デンプン誘導体の水素化が、触媒の存在下で水素を用いて実施される。
【0066】
触媒は、有利に、ニッケル、ルテニウム、パラジウムおよびプラチナからなる群から選択され、好ましくはニッケルである。
【0067】
着色を著しい率で、すなわち少なくとも50%低減するような、そして、本発明に係る消化できない食物繊維を含有する水素化された可溶性のデンプン誘導体の還元糖含量を30%より多く低減させないような水素化条件を調節するために、出願人は、その操作が乾燥ベースで10から40%、好ましくは乾燥ベースで15から25%の間の乾燥物質含量を有する製品を用いて実施されるべきであり、水素化は好ましくは30から90℃の間の温度で実施すべきことを見出した。
【0068】
有利に、水素化は1から50バールの間の圧力で、0.5から5時間、好ましくは0.5から2時間実施される。
【0069】
出願人は、水素化処理を最もよく釣り合わせる、すなわち、過剰にその還元力を低減すること無しに、処理される製品の色値を可能な限り低減することを可能にする操作条件を選択したというメリットを得た。
【0070】
これらの水素化条件は、ポリデキストロースを完全に還元することにより脱色するために一般に記載される温度および圧力条件よりもはるかに低い。
【0071】
消化できない食物繊維を含む可溶性デンプン誘導体を脱色するための第二の方法では、水素化は、水酸化ホウ素ナトリウムおよび水酸化ホウ素カリウムからなる群から選択された還元剤、好ましくは水酸化ホウ素ナトリウムの存在下で実施される。
【0072】
水素化は、乾燥ベースで0.5%未満の水酸化ホウ素ナトリウムを用いて、9未満の非制御pHで実施される。
【0073】
かくして、出願人は、室温で、pH調節無しに、乾燥ベースで0.5%より高い水酸化ホウ素の量を極めて正確に選択することにより、30%より大幅に還元糖含量を低減することなく、消化できない食物繊維を含有する可溶性デンプン誘導体の脱色を50%より高くすることが可能であることを示したというメリットを得た。
【0074】
出願人は、乾燥ベースで10から40%、好ましくは乾燥ベースで15から25%の乾燥物質含量で、消化できない食物繊維を含有する可溶性デンプン誘導体の溶液にとって、乾燥ベースで0.5%以上の水酸化ホウ素の量が、その還元力の全てを喪失させることを示した。
【0075】
本発明の他の特徴および利点は、以下の実施例を読むことによって明らかになるであろう。しかしながら、これらは、例示のために与えられており、限定するものではない。
【0076】
【実施例】
実施例1
欧州特許第1006128号に従って、32%の1-6グルコシド結合、2.5%の還元糖含量、2.15の高分子インデックス、および2480g/molの数平均分子量Mnを有する分枝状マルトデキストリンの溶液を20%の乾燥物質含量で調製した。
【0077】
ICUMSA色値は、900単位の値と測定された。
【0078】
前記溶液の水素化を、乾燥ベースで5%の量のラネーニッケル触媒の存在下で実施した。水素は40バールの圧力で供給された。この反応を、3つの温度、40℃、80℃、および130℃で、1時間、1600rpmで攪拌しながら、600mlのバッチ水素化反応器において実施した。
【0079】
以下の表1は、ICUMSA色値と、反応の最後に測定した還元糖含量を示す。
【表1】
Figure 0004383036
【0080】
還元糖含量を過度に変更することなく、得られる色値において最も満足できる低減を可能にする水素化条件は、20%のDMを有する溶液の水素化温度を80℃の値にセットし、40バールの圧力で1時間反応させたものである。
【0081】
本発明にかかる消化できない食物繊維を含む水素化された可溶性デンプン誘導体、すなわちそのICUMSA色値が60%低減され、還元糖含量が20%のオーダーで低減されたものが得られた。
【0082】
第一のさらなる研究を、ラネーニッケルを用いた、消化できない食物繊維を含有する前記可溶性デンプン誘導体の脱色の際の、触媒のリサイクルを調べるために行った。80℃で、40バールの水素で、1時間の反応で、4回のリサイクリングを行い、リサイクルされた触媒の質を、グルコースを水素化する能力について調べた。
【0083】
反応速度(rate constant)の測定は、触媒のエボリューションを評価することを可能にする。かくして、触媒が活性において僅かな低減を示すにしても、最終的な産物の色値は、リサイクリングで350から450の範囲であり、反応速度は1.3Rch−1と一定のままであり、これは、新鮮な触媒と同じであることが見出された。それゆえ、触媒のリサイクリングを考えることができる。
【0084】
第二のさらなる研究を、酸性pHにおける産物の色値の安定性を調べるために実施した。350単位のICUMSA色値を有する本発明に係る消化できない食物繊維を含有する水素化可溶性デンプン誘導体を選択した。開始産物は、900単位のICUMSA色値を有する。それゆえ、安定性の試験は、80℃で15分間加熱された、試験される500g/lの産物を含む種々のpH(酸性、中性および塩基性)における、溶液のICUMSA色値を測定することによって実施した。
【0085】
以下の表2は、加熱処理前後に得られた色値を示す。
【表2】
Figure 0004383036
【0086】
この結果は、かくして脱色された産物が、酸性pHで顕著な安定性を有し、これが、企図される応用に酸性調製条件下で着色がないことが必要とされる食品分野における、本発明に係る消化できない食物繊維を含む可溶性水素化デンプン誘導体の使用を可能にすることを示す。
【0087】
実施例2
20%の乾燥物質含量を有する商品名FIBERSOL 2EとしてMATSUTANI社から市販されている消化できないデキストリンの溶液を調製した。
【0088】
ICUMSA色値は、1450単位の値と測定された。
【0089】
前記溶液の水素化を、乾燥ベースで5%の量のラネーニッケル触媒の存在下で実施した。水素は40バールの圧力で供給された。この反応を、80℃の温度で、1時間、実施例1の最適化された条件に従って1600rpmで攪拌しながら、600mlのバッチ水素化反応器において実施した。
【0090】
以下の表3は、ICUMSA色値と、反応の最後に測定した還元糖含量を示す。
【表3】
Figure 0004383036
【0091】
かくして、本発明に係る消化できない食物繊維を含む水素化可溶性デンプン誘導体、すなわち、そのICUMSA色値が51%低減され、かつ還元糖含量が25%のオーダーで低減されたものを得た。
【0092】
実施例3
32%の1-6グルコシド結合、2.5%の還元糖レベル、2.15の高分子インデックス、および2480g/molの数平均分子量Mnを有する分枝状マルトデキストリンの溶液を20%の乾燥物質含量で調製した。これは実施例1と同じである。ICUMSA色値は900単位であった。
【0093】
これに、室温および大気圧で、乾燥ベースで0.1%の水酸化ホウ素ナトリウムを加え、pH調節することなく、この反応を1時間進めた。最終的な反応pHは8.5であった。
【0094】
200単位のICUMSA色値を有する、1.8%の還元糖含量の産物が得られた。
【0095】
かくして、本発明に係る消化できない食物繊維を含む水素化可溶性デンプン誘導体、すなわち、そのICUMSA色値が78%低減され、かつ還元糖含量が28%のオーダーで低減されたものを得た。

Claims (10)

  1. 分枝状マルトデキストリンを脱色することによって得られる水溶性水素化デンプン誘導体であって、
    −前記分枝状マルトデキストリンの脱色は、水素を用いて、触媒の存在下、30から90℃の範囲の温度にて、デンプン誘導体が水素化される条件下で、前記分枝状マルトデキストリンを水素化することによって実施されるか、あるいは
    −前記分枝状マルトデキストリンの脱色は、乾燥物質ベースで0.5%未満の水酸化ホウ素ナトリウムの存在下、9未満の非制御pHで、室温にて、デンプン誘導体が水素化される条件下で、前記分枝状マルトデキストリンを水素化することによって実施され;
    水素化が実施される前の前記分枝状マルトデキストリンと比較して、ICUMSA色値が少なくとも50%低減されており、かつ、還元糖含量が30%以上は低減されておらず;かつ
    −多くても800単位のICUMSA色値、および
    −乾燥物質ベースで少なくとも6%の還元糖含量
    を有する、水溶性水素化デンプン誘導体。
  2. ICUMSA色値が酸性媒体中で安定である、請求項1記載の水溶性水素化デンプン誘導体。
  3. −多くても750単位のICUMSA色値、および
    −乾燥物質ベースで少なくとも6%の還元糖含量
    を有する、請求項1記載の水溶性水素化デンプン誘導体。
  4. −多くても400単位のICUMSA色値、および
    −乾燥物質ベースで少なくとも2%の還元糖含量
    を有する、請求項1記載の水溶性水素化デンプン誘導体。
  5. −多くても350単位のICUMSA色値、および
    −乾燥物質ベースで少なくとも2%の還元糖含量
    を有する、請求項4記載の水溶性水素化デンプン誘導体。
  6. 請求項水溶性水素化デンプン誘導体を含む、食品。
  7. 分枝状マルトデキストリンを脱色して水溶性水素化デンプン誘導体を得る方法であって、
    水素化が実施される前の前記分枝状マルトデキストリンと比較して、還元糖含量が30%以上は低減されず、かつ、ICUMSA色値が少なくとも50%低減される条件下で前記分枝状マルトデキストリンを水素化する工程を含み、
    前記水溶性水素化デンプン誘導体が
    −多くても800単位のICUMSA色値、および
    −乾燥物質ベースで少なくとも6%の還元糖含量
    を有し、
    −前記分枝状マルトデキストリンの水素化を、水素を用いて、触媒の存在下、30から90℃の範囲の温度にて実施するか、あるいは
    −前記分枝状マルトデキストリンの水素化を、乾燥物質ベースで0.5%未満の水酸化ホウ素ナトリウムの存在下、9未満の非制御pHで、室温にて実施する、方法
  8. 触媒が、ニッケル、ルテニウム、パラジウムおよびプラチナからなる群から選択される、請求項記載の方法。
  9. 水素化が、触媒を使用して、1から50バールの圧力で、0.5から5時間実施される、請求項記載の方法。
  10. 触媒によって水素化される分枝状マルトデキストリンの乾燥物質含量が、乾燥物質ベースで10から40%の間である、請求項記載の方法。
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