JP4384432B2 - 圧電アクチュエータの評価方法及び測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電変位素子及び圧電アクチュエータに関し、より詳しくは例えば加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ、燃料噴射用インクジェクター、インクジェットプリンタ用印刷ヘッド、圧電共振子、発振器、超音波モーター、超音波振動子、フィルタ等に適し、特に広がり振動、伸び振動、厚み立て振動を利用した印刷ヘッドとして好適に用いられる圧電変位素子及び圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、圧電セラミックスを利用した製品としては、例えば圧電アクチュエータ、フィルタ、圧電共振子(発信子を含む)、超音波振動子、超音波モーター、圧電センサ等がある。
【0003】
これらの中で、圧電アクチュエータは、電気信号に対する応答速度が10−6秒台と非常に高速であるため、半導体製造装置のXYステージの位置決め用圧電アクチュエータやインクジェットプリンタの印刷ヘッドに用いられる圧電アクチュエータ等に応用されている。
【0004】
インクジェット方式を利用した印刷ヘッドは、例えば図6(a)に示したように、圧電アクチュエータ51が、流路部材53の上に設けられた構造を有する(例えば、特許文献1参照)。流路部材53は、複数のインク加圧室53aが隔壁53bによって仕切られ、インク加圧室53aは圧電アクチュエータ51に当接するように並設されている。
【0005】
圧電アクチュエータ51は、圧電セラミック層54を共通電極の役割を兼ねた導電性の振動板55上に設け、圧電セラミック層54の上に表面電極56を設けられている。表面電極56は、図6(b)に示したように、圧電セラミック層54の表面に複数配列されることにより、複数の圧電変位部57が形成されたものである。この圧電アクチュエータ51は、インク加圧室53aの直上に表面電極56が位置するようにして流路部材53上に配置している。
【0006】
上記のような印刷ヘッドは、共通電極55と所定の表面電極56との間に電圧を印加して該表面電極56直下の圧電セラミック層54を変位させることにより、インク加圧室53a内のインクを加圧して、流路部材53の底面に開口したインク吐出口58よりインク滴を吐出する。
【0007】
このような印刷ヘッドに用いられる圧電アクチュエータは、複数の変位素子を支持基板に接着し、積層圧電体素子の電極部と支持基板の配線パターンとを導電性接着剤等で電気的に接続する。その後、個々の圧電素子に一定の電圧を印加し、各変位素子の変位量を測定することが行われている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−34321号公報図1
【特許文献2】
特開2003−39657号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載の評価方法では、圧電アクチュエータを支持部材に接合してから圧電アクチュエータの不良の判別を行うため、製造工数が増えると共に、不良が発生した時には支持部材と、支持部材に接合する工程が無駄になり、コスト上昇の大きな要因となっていた。
【0010】
ところが、径方向振動モードd31を利用した変位素子が基板表面に複数並んだ圧電アクチュエータの場合には、支持部材を接合しないで変位量を評価すると、隣接する変位素子が振動の干渉を起こして、電圧を印加していないのに変位していまって、正確な変位量の測定が困難であるという問題があった。
【0011】
従って、本発明は、支持部材に接合しなくても、簡便な方法で正確な測定の可能な圧電アクチュエータの評価方法及び測定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、測定装置に備えられている複数の溝を備えた保持板上に、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で個々に拘束し、しかる後に該変位素子に一定の電圧を印加して発生した変位量を測定することを特徴とするものである。
【0013】
前記複数の溝を備えた保持板を用いて、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して圧電アクチュエータを、例えば、機械的な固定や真空吸着等の手法によって保持して、前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で拘束するため、測定する変位素子は変位可能であり、かつその周囲をそれぞれ拘束することができ、隣接する変位素子への振動の影響を低減することが可能になる。その結果、圧電アクチュエータを支持部材に接着しなくても脱着が容易で、各変位素子に電圧を印加することによって変位特性を容易に評価することができる。
【0014】
特に、前記複数の変位素子のうち、前記溝と位置が合せられている一部の変位素子について、前記電圧の印加と変位量の測定を順次行うことが好ましい。これにより、隣接する変位素子への振動の影響を低減しつつ、個々の変位素子の変位量及び変位の分布を正確に評価することができる。また、一部の変位素子の測定値から全体の分布が推定でき、コスト低減に貢献することができる。
【0015】
また、本発明の他の圧電アクチュエータの評価方法は、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、測定装置に備えられている複数の溝を備えた保持板上に、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で個々に拘束し、しかる後に該変位素子に一定の圧力を外部から加えて発生した電圧を測定することを特徴とするものである。
【0016】
前記複数の溝を備えた保持板を用いて、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して圧電アクチュエータを、例えば、機械的な固定や真空吸着等の手法等によって保持して、前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で拘束するため、測定する変位素子は変位可能であり、かつその周囲をそれぞれ拘束することができ、隣接する変位素子への振動の影響を低減することが可能になる。その結果、圧電アクチュエータを支持部材に接着しなくても脱着が容易で、各変位素子を機械的に変位させ、変位素子に発生した電圧又は圧電g定数を測定することによって変位特性を容易に評価することができる。
【0017】
特に、前記複数の変位素子のうち、前記溝と位置が合わせられている一部の変位素子について、前記圧力の印加と電圧の測定を順次行うことが好ましい。これにより、隣接する変位素子への振動の影響を低減し、個々の変位素子の変位特性を正確に評価することができる。
【0018】
また、前記複数の変位素子のうち、前記溝と位置が合わせられている一部の変位素子を機械的に同時に変位させ、発生した電圧を同時に測定することが好ましい。これにより、隣接する変位素子への振動の影響を低減し、個々の変位素子の変位特性を正確に評価することができるとともに、測定時間の短縮を行うことができる。
【0019】
さらに、前記保持板として、前記溝と位置が合わせられる前記変位素子の外周部に対応する複数の貫通孔を備えたものを用い、前記拘束が、前記複数の貫通孔を減圧することにより行われることが好ましい。これにより、隣接する変位素子への振動の影響を顕著に低減し、個々の変位素子の変位をより正確に評価することができる。
【0020】
また、本発明の測定装置は、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、複数の前記変位素子が変位可能なように該変位素子の外周を拘束して保持する保持手段と、前記変位素子の変位を測定する変位測定手段と、前記変位素子に電圧を印加する電圧印加手段とを具備することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の他の測定装置は、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、複数の前記変位素子が変位可能なように該変位素子の外周を拘束して保持する保持手段と、前記変位素子を機械的に変位させるための加圧手段と、前記変位素子に発生した電圧を測定する電圧測定手段とを具備することを特徴とするものである。
【0022】
このような構成の測定装置においては、隣接する変位素子が振動して干渉するのを抑制でき、簡便に、且つ高精度で変位特性を評価することができる。
【0023】
また、前記保持手段に、真空チャックを用いたことが好ましい。圧電アクチュエータの一方の面を保持板に載置し、該保持板の前記変位素子の外周に設けられた貫通孔を減圧することによって、圧電アクチュエータにおける個々の変位素子の外周部を容易に拘束することができ、また、測定後の圧電アクチュエータの取り外しも容易である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、振動板上に複数の変位素子を具備する圧電アクチュエータの評価方法に関するものであり、図を用いて説明する。
【0025】
本発明の圧電アクチュエータの測定装置は、図1(a)に示したように、圧電アクチュエータ101を保持するための保持手段102と、圧電アクチュエータ101を構成する変位素子の変位測定を行う変位測定手段103と、変位素子に電圧を印加するための電圧印加手段104とを具備する。
【0026】
測定装置の構成を示す一例として、図2に示すように、圧電アクチュエータ111の保持手段として保持板112を介して減圧容器113に吸引して固定する。なお、減圧容器113は、真空ポンプ114で減圧されている。また、変位測定手段は、コンピュータ116により制御された復調器117と、これに接続されたレーザー変位計118と、個々の変位素子の電極部に正確に触針するためのCCDカメラ119と、圧電定数測定器121とで構成される。
【0027】
さらに、電圧印加手段103は、直流電源120と、圧電アクチュエータ111までの配線で構成される。
【0028】
また、本発明の他の圧電アクチュエータの測定装置は、図1(b)に示したように、圧電アクチュエータ101を保持するための保持手段105と、圧電アクチュエータ101を構成する変位素子に圧力を加える加圧手段105と、変位素子に発生した電圧又は圧電定数を測定するための電圧測定手段106とを具備する。
【0029】
以下に、各手段について具体的に説明する。
【0030】
本発明において評価対象となる圧電アクチュエータは、振動板上に複数の変位素子が設けられたものである。このような圧電アクチュエータの構造の一例を図3に示した。
【0031】
圧電アクチュエータ2は、セラミック振動板3と、セラミック振動板3上に順次形成された内部電極5、圧電セラミック層4、及び複数の表面電極6とを具備し、変位素子7が表面電極6と内部電極5とで挟持された圧電セラミック層4とで構成され、セラミック振動板3上には複数の変位素子7が形成されている。
【0032】
このような変位素子の大きさは、例えば縦10mm、横10mmの振動板の上に、2個以上、特に50個以上、更には100個以上、より好適には200個以上集積されており、これらの変位特性とそのばらつきを精度良く、しかも簡便な方法によって評価することが必要となっている。
【0033】
保持手段102は、圧電アクチュエータを拘束し、且つ該圧電アクチュエータに設けられた変位素子の変位を可能にするための手段であり、特に、複数の変位素子のうち、一部の変位素子の外周部を個々に拘束することができる手段を備えることが重要である。
【0034】
また、圧電アクチュエータを保持するために、複数の貫通孔及び/又は溝を備えた保持板を用い、その上に圧電アクチュエータ載置した状態で保持するのが良い。このような保持板は、印刷ヘッドに用いる流路部材と類似の材質や類似の形状及び大きさを有していることが、印刷ヘッドとして使用する状態を再現することによって、より正確な評価を行う上で好ましい。
【0035】
具体的な保持手段としては、クランプ等により機械的に固定することを例示できる。さらに、隣接点との干渉を抑制するように、個々の変位素子の外周部を固定することが重要である。全ての変位素子を測定しない場合であっても、測定する変位素子の外周部を固定させ、振動させることがより正確な評価のために必要であり、更に全ての変位素子を外周部で固定させることが好ましい。
【0036】
例えば、変位素子の外周部に保持板の複数の貫通孔が配置するように、圧電アクチュエータを保持板に載置し、減圧して保持することができる。これは、いわゆる真空チャックであり、多数の変位素子をその外周部で同時に保持することが容易であり、その結果、隣接する変位素子との干渉を抑制でき、変位特性をより精度良く評価することが可能となる。
【0037】
真空チャックとは、圧電アクチュエータの一方の主面を減圧にしてその際の吸引力によって圧電アクチュエータを保持するものである。例えば、図4(a)に示したように、減圧容器123の試料固定部124と真空ポンプに連結された排気管(図示せず)に接続された真空排気口125を通して減圧容器123の内部が減圧状態になる。
【0038】
従って、保持板121、圧電アクチュエータ122を減圧容器123の試料固定部124の上に載置すると、保持板121に設けられた貫通孔128aを介して圧電アクチュエータの一部が吸引され、その吸引力で圧電アクチュエータが保持される。
【0039】
保持板121に設けられた貫通孔128aは、表面電極126又は変位素子127よりも僅かに大きい程度の大きさにして変位素子127の外周部を固定するものであり、且つ変位素子127が自由に変位することができるようになっている。
【0040】
また、図4(b)に示したように、保持板131が、複数の貫通孔138aや溝138b、138cを具備し、溝138bよって変位素子が変位可能となる。また、貫通孔138cが一部の変位素子の周囲部に、貫通孔138aを取り囲み、且つ互いに連結するように設けられ、貫通孔138aと連結させて溝138cを減圧することによって変位素子の外周部を吸引して固定する。貫通孔138aの数は任意に決定できるが、排気速度及び真空到達圧を考慮すれば、測定する変位素子10個以下に1個、特に測定する変位素子2〜5個に1個の割合で貫通孔138aを設ければよい。なお、図4(b)では溝138bは溝138cに連結して減圧されているが、溝138bは大気圧のままで用いても良い。
【0041】
さらに、図4(c)に示したように、多孔質体からなる支持板141を用いることもできる。この多孔質体は、実質的に多数の貫通孔を有するものであり、圧電アクチュエータを当接部の全ての部位で吸引することができる。なお、変位素子が変位するために溝148bが設けられている。
【0042】
なお、保持板は、貫通孔と溝との両方を持つ必要はなく、圧電アクチュエータの変位素子の変位が可能なように溝を備えた保持板を用いて、貫通孔を減圧する以外の方法で部分的な拘束を行なっても良い。
【0043】
変位測定手段については、図2に示すように、圧電アクチュエータ111の保持手段として保持板112を介して減圧容器113に吸引して固定した状態で、レーザードップラー振動計とカルバノミラーの組み合わせによる非接触で変位測定可能なレーザードップラー変位計118で振動を計測し、コンピュータ116により制御された復調器117によってセンシングした振動の情報を速度信号として復調し、アナログ信号として出力することができる。
【0044】
また、変位測定手段の別の方法として、圧電定数を測定してその値から変位分布の情報を得ることができる。具体的な測定手段としては、個々の変位素子の電極部に正確に触針・加圧するためにCCDカメラ119を搭載し、測定する変位素子をパソコンでモニターして、機械的に変位した際に生じる表面電荷を計測して圧電定数測定器121と接続して圧電g定数として出力することができる。
【0045】
電圧印加手段103は、直流電源120を用いて圧電アクチュエータ111より配線された個別電極と共通電極(GND)との間に所望の入力電圧を印加する。
【0046】
次に、圧電特性の評価方法について図を用いて説明する。
【0047】
まず、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを固定する。固定には、機械的衝撃を避け、破壊を防止するとともに、変位素子が自由振動を行わせるために、位置が変位素子と合うようになっている複数の溝を備えた保持板を用いることが重要である。
【0048】
例えば、圧電アクチュエータ2を、保持板1に形成された貫通孔や溝を介して真空チャックによって吸引し、個々の変位素子の外周部を拘束することができる。この時、少なくとも測定する変位素子は自由振動が可能でなければならず、隣接する変位素子の影響をも考慮すれば、少なくとも1/3以上、特に1/2以上、更には2/3以上の変位素子が外周部で拘束されていることが精密な測定を行う点で好ましい。
【0049】
圧電アクチュエータは、振動板の上に変位素子が設けられていれば、どのような形状のものでも適応することができる。即ち、平板に多数の変位素子が一平面に分布し、各変位素子が個別に制御されていれば良い。例えば、図3に示したように、圧電アクチュエータ2は、振動板3の表面に、共通電極5、圧電セラミック層4、複数の表面電極6が順次形成されてなり、圧電セラミック層4を共通電極5と表面電極6とで挟持するように設けられた変位素子7が、振動板の表面に複数設けられている。
【0050】
なお、保持手段としては真空チャック以外の方法であっても良い。
【0051】
本発明によれば、このように固定した圧電アクチュエータの変位素子を、2種類の手法を用いて評価することができる。
【0052】
第一の発明においては、変位素子に一定の電圧を印加して発生した変位量を直接測定する手法である。即ち、電圧を変位に変化させ、変位を測定する方法である。この方法の特徴は、変位量を直接測定することができ、特に複数の変位素子が圧電磁器表面に形成された圧電アクチュエータの変位ばらつきを簡単に測定することができる。
【0053】
例えば、図5(a)に示したように、保持板11に圧電アクチュエータ12が固定されている。圧電アクチュエータ12は、振動板13の上に共通電極15、圧電セラミック層14、複数の個別電極16が順次形成され、共通電極15と個別電極16とで挟持された部位の圧電セラミックス層14で構成される変位素子17が複数表面に形成されている。そして、各々の変位素子17は、外部の電子制御回路に独立して接続されており、所望の変位素子17に電圧を印加する。
【0054】
電極16と共通電極15との間に電圧が印加されると、図5(b)に示したように、電圧が印加された共通電極15と個別電極16に挟持された部位の圧電セラミック層14が変形し、保持板11に設けられた溝18bの空間に向かって変位する。即ち、変位素子17が振動する。
【0055】
なお、図5においては、貫通孔18aに連結した溝18cによって変位素子の外周部が拘束されている。
【0056】
変位の測定には、レーザー変位計等の変位測定手段を用いて測定することによって、圧電アクチュエータの特性評価、特に変位量の面内分布を簡単に評価することができる。
【0057】
また、多数の変位素子の変位特性を短時間で評価するために、前記変位素子の外周部を拘束した後に、複数の変位素子に順次電圧を印加すると同時に、レーザードップラー変位計により個々の変位素子の中心部をスキャンして次々に測定すると、多数の変位素子の特性評価時間を短縮できる。
【0058】
第二の発明においては、変位素子に一定の変位を機械的に与え、発生した電圧変位量を測定する手法である。即ち、変位を電圧に変化させ、電圧を測定する方法である。
【0059】
例えば、個別電極16に機械的に圧力を印加して圧電逆効果により個別電極16に発生した電圧又を測定し、ばらつきを評価しても良いが、個別電極16に発生した電荷を計測し、圧電g定数を評価しても良い。圧電d31定数と圧電g定数は相関関係にあることを利用して変位のバラツキを算出することができる。
【0060】
また、多数の変位素子の測定時間は、測定する変位素子を同時に機械的に変位させ、発生した電圧を同時に測定して短縮しても良いし、圧電g定数測定の測定を順次又は同時に行って短時間で測定することも可能である。コンピュータによってデータを処理すれば、多数の変位素子についての変位特性評価を短時間で実施することが容易になる。
【0061】
なお、機械的な圧力を加えるのは、具体的には個別電極6に均一に圧力が印加されるように触針ピンを用いても良いし、保持板側を真空、個別電極側を大気圧又は加圧状態にした時の圧力差を用いて、その圧力差で発生する電圧又は圧電g定数を測定しても良い。
【0062】
【実施例】
実施例1
まず、図3に示した圧電アクチュエータを作製した。即ち、PZT系圧電セラミックスを用いた圧電アクチュエータを準備した。その形状は、縦20mm、横20mm、厚さ0.05mmで、その表面に250個の変位素子が設けられ、図3に示したものと同じ構造のものを用いた。
【0063】
圧電アクチュエータの一方の面を、図5に示した保持板に載置し、該保持板の貫通孔を減圧にすることによって、圧電アクチュエータの個々の変位素子の外周を拘束した。
【0064】
次いで、共通電極と個別電極の電極間に直流電圧20Vを印加し、変位量をレーザードップラー変位計により変位素子の中心部を測定した。そして、複数の変位素子にレーザーをスキャンし、次々に変位素子の測定を行った。
【0065】
全部で50個の変位素子の変位測定を行った結果、平均変位量が72nm、そのばらつきが±15nmであった。
【0066】
次に、この圧電アクチュエータを、従来のように支持部材に接着剤を用いて接合し、レーザードップラー変位計を用いて変位量を測定したところ、平均変位量が70nm、そのばらつきが±12nmであり、本発明の評価方法の値とほほ一致し、正確であることがわかった。
【0067】
実施例2
実施例1で用いた圧電アクチュエータ基板を使用し、図4(c)の保持板を用いた以外は実施例1と同様の方法で固定した。次いで、溝を焼く20Paの真空状態にするとともに、個別電極側を加圧した状態で圧電アクチュエータの多数の変位素子を同時に変位させ、圧電逆効果により変位素子で発生した電荷を順次圧電g定数を測定した。
【0068】
全部で100個の変位素子の圧電g31定数測定を行った結果、平均が72×10−4Vm/N、そのばらつきが±10×10−4Vm/Nであった。
【0069】
次に、この圧電アクチュエータを、従来のように支持部材に接着剤を用いて接合し、圧電g31定数を同様に測定した結果、平均が70×10−4Vm/N、ばらつきが10×10−4Vm/Nというバラツキであり、本発明の評価方法の値とほほ一致し、正確であることがわかった。
【0070】
比較例
実施例1と同様にして、圧電アクチュエータに保持板を載置し、該保持板を減圧することなく、0〜20Vの直流電圧を印加した結果、隣接素子の干渉を受けて変位測定を繰り返すたびに変位自身が変化し、変位量自身評価不可能であった。
【0071】
【発明の効果】
本発明の圧電アクチュエータの測定装置は、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエタを、複数の前記変位素子が変位可能なように該変位素子の外周を拘束して保持する保持手段と、前記変位素子を機械的に変位させるための加圧手段と、前記変位素子に発生した電圧を測定する電圧測定手段とを具備することにより、支持部材に接合することなく、また、圧電体を切断することなく、簡便な方法によって、個々の変位素子の変位や圧電定数d31を精度よく測定することが可能となる。また、本発明の圧電アクチュエータの測定方法は、振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、測定装置に備えられている複数の溝を備えた保持板上に、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で個々に拘束し、しかる後に該変位素子に一定の電圧を印加して発生した変位量を測定することにより、製品に近い状態となってから圧電アクチュエータの不良の判別を行うまでの工数、不良発生時の支持部材の無駄を無くし、低コストでかつ正確に圧電アクチュエータを評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定装置を示すもので、(a)が第一の発明に関する構成図、(b)が第二の発明に関する構成図である。
【図2】本発明の測定装置の一例を示す構成図である。
【図3】本発明の測定に用いる圧電アクチュエータの一部を示す概略断面である。
【図4】本発明の測定装置の保持手法の一例を示すもので、(a)が固定方法を示す斜視図、(b)が保持板の斜視図、(c)が他の保持板の斜視図である。
【図5】本発明の保持手法で保持された圧電アクチュエータの一例を示すもので、(a)が電圧印加前の断面図、(b)が電圧印加後の断面図である。
【図6】従来の印刷ヘッドを示すもので、(a)が概略断面図、(b)が平面図である。
【符号の説明】
2、12、122・・・圧電アクチュエータ
3、13・・・振動板
4、14・・・圧電セラミック層
5、15・・・共通電極
6、16、126・・・個別電極
7、17、127・・・変位素子
11、121、131、141・・・保持板
18a、128a、138a・・・貫通孔
18b、148b・・・溝
18c、138c・・・溝
101・・・圧電アクチュエータ
102・・・保持手段
103・・・変位測定手段
104・・・電圧印加手段
105・・・加圧手段
106・・・電圧測定手段
123・・・減圧容器
124・・・試料固定部
125・・・真空排気口
Claims (9)
- 振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、測定装置に備えられている複数の溝を備えた保持板上に、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して、前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で個々に拘束し、しかる後に該変位素子に一定の電圧を印加して発生した変位量を測定することを特徴とする圧電アクチュエータの評価方法。
- 前記複数の変位素子のうち、前記溝と位置が合わせられている一部の変位素子について、前記電圧の印加と変位量の測定を順次行うことを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータの評価方法。
- 振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、測定装置に備えられている複数の溝を備えた保持板上に、前記溝と前記変位素子との位置が合うように載置して前記変位素子の外周部を前記溝の周囲で個々に拘束し、しかる後に該変位素子に一定の圧力を外部から加えて発生した電圧又は圧電定数を測定することを特徴とする圧電アクチュエータの評価方法。
- 前記複数の変位素子のうち、前記溝と位置が合わせられている一部の変位素子について、前記圧力の印加と電圧の測定又は圧電定数の測定を順次行うことを特徴とする請求項3記載の圧電アクチュエータの評価方法。
- 前記複数の変位素子のうち、前記溝と位置が合わせられている一部の変位素子を機械的に同時に変位させ、発生した電圧又は圧電定数を同時に測定することを特徴とする請求項3又は4記載の圧電アクチュエータの評価方法。
- 前記保持板として、前記溝と位置が合わせられる前記変位素子の外周部に対応する複数の貫通孔を備えたものを用いて、前記拘束が、前記複数の貫通孔を減圧することにより行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の圧電アクチュエータの評価方法。
- 振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、複数の前記変位素子が変位可能なように該変位素子の外周を拘束して保持する保持手段と、前記変位素子の変位を測定する変位測定手段と、前記変位素子に電圧を印加する電圧印加手段とを具備することを特徴とする圧電アクチュエータの測定装置。
- 振動板上に複数の変位素子が設けられた圧電アクチュエータを、複数の前記変位素子が変位可能なように該変位素子の外周を拘束して保持する保持手段と、前記変位素子を機械的に変位させるための加圧手段と、前記変位素子に発生した電圧を測定する電圧測定手段とを具備することを特徴とする圧電アクチュエータの測定装置。
- 前記保持手段に、真空チャックを用いたことを特徴とする請求項7又は8記載の圧電アクチュエータの測定装置。
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