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JP4385477B2 - 振動型ジャイロスコープおよびその製造方法 - Google Patents
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JP4385477B2 - 振動型ジャイロスコープおよびその製造方法 - Google Patents

振動型ジャイロスコープおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動型ジャイロスコープおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振動型ジャイロスコープを使用することが検討されている。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうした振動型ジャイロスコープにおいては、回転軸に対して垂直な方向へと向かって延びるように、振動子を配置することが望ましい。こうした振動型ジャイロスコープを提供するために、本出願人は、特開平11−281372号公報において、基部と、基部の周縁から径方向に突出する複数の駆動振動系と、基部の周縁から径方向に突出する複数の検出振動系とを備える平面型振動子を開示した。
【0004】
しかし、本発明者がこの振動子を製作し、振動子の主面に所定の配線パターンを形成し、更に検波回路を設けて回転角速度の検出を行ってみると、特に矩形波の駆動電圧信号を使用して振動子を駆動したときなどに、次の問題が生ずることがあった。即ち、振動子に二つの検出振動系を設け、各検出振動系からの検出信号をそれぞれ検出し、二つの検出信号の差をとり、検波前の検出信号を得た。この検出信号には、矩形波の立ち上がり時の雑音パルスに応答してノイズピークが現れている。ノイズの大きさは、ノイズピークの面積に比例する。そして、検波後のノイズ信号のノイズレベルは、例えば3.2mVとなった。出力を20mV/(°/sec)に合わせたときに、これは、0.16°/secの回転角速度に相当する。
【0005】
本発明者は、この問題を解決するために、特願平11−217058号明細書において、振動型ジャイロスコープの駆動電極、検出電極への配線パターンを工夫した。これによってノイズ信号のノイズレベルは著しく減少したが、いまだ未知の原因によるノイズ信号があった。
【0006】
本発明の課題は、振動型ジャイロスコープのノイズ信号のノイズレベルを低減することである。
【0007】
本発明にかかる、振動子を備えている振動型ジャイロスコープは、振動子が、一対の主面、側面、振動子の重心が位置する基部、この基部の周縁部から径方向に突出する細長い支持部と、該支持部の長手方向に直交する方向に向かって延びる各一対の駆動振動片とを有する駆動振動系及び、それぞれ基部の周縁部から径方向に突出して延びる細長い検出振動片からなる検出振動系を備えた振動子において、駆動振動片の少なくとも側面上に駆動電極が形成され、検出振動片の少なくとも側面上に検出電極が形成され、基部の周縁部上に形成され、駆動電極に接続されている第一の導電膜、および第一の導電膜が形成されていない周縁部上に形成されており、検出電極に接続されている第二の導電膜を備えており、周縁部に割断面が形成されており、この割断面において前記第一の導電膜と第二の導電膜の境界が形成され、第一の導電膜と第二の導電膜が絶縁されていることを特徴とする。
また、振動子の実質的に割断面以外の側面の全体が、第一の導電膜および第二の導電膜によって被覆されていることを特徴とする。
また、振動子が複数の検出振動系を備えており、各検出振動系ごとにそれぞれ第二の導電膜が形成されており、各第二の導電膜と第一の導電膜とがそれぞれ割断面において絶縁されていることを特徴とする。
また、振動子が複数の駆動振動系を備えており、各駆動振動系ごとにそれぞれ第一の導電膜が形成されており、各第一の導電膜と第二の導電膜とがそれぞれ割断面において絶縁されていることを特徴とする。
また、本発明にかかる、振動子を備えている振動型ジャイロスコープを製造する方法は、振動型ジャイロスコープが、振動子の側面上に形成されている駆動電極、振動子の側面上に形成されている検出電極、側面上に形成されており、駆動電極に接続されている第一の導電膜、および側面上に形成されており、検出電極に接続されている第二の導電膜を備えており、振動子が、一対の主面と側面と振動子の周縁から突出する突出部とを備えており、振動子およびこの振動子の突出部に連結されている基板本体を備えている基板を準備し、振動子を基板本体から突出部において割断することによってこの突出部の割断面で第一の導電膜と第二の導電膜とを絶縁することを特徴とする。
また、突出部と基板本体との間に複数の割断部位が存在しており、各割断部位を同時に割断することを特徴とする。また、複数の割断部位の間に、振動子および基板本体から割断によって切り離される割断片が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明者は、前述の振動子においてノイズ信号が発生する原因について検討した結果、振動子の側面上の電極のパターニングが難しいことに注目した。例えば水晶のような圧電単結晶からなる振動子においては、駆動振動片、検出振動片の側面上と主面上との双方に電極を設け、主面上の電極と側面上の電極との間に電界を発生させている。この際には、主面上の電極だけでなく、側面上の電極も高精度でパターニングする必要がある。これには以下の方法がある。
(1)開口部を有するメタルマスクを利用し、開口部内で金属を振動子表面に直接成膜する。
(2)フォトリソグラフを用いた電極エッチング法、リフトオフ法。
(3)レーザーによって金属膜をアブレーション加工し、除去する方法。
【0009】
しかし、いずれの方法も、振動子の主面上のパターニングの際には高精度を実現し易いが、側面上のパターニングを精確に行うことは難しかった。このため、側面上の電極の形状の精度が低く、振動片ごとに主面上の電極との位置関係にずれが生じていたものと思われる。
【0010】
これに対して、本発明者は、駆動電極および検出電極に接続されている各導電膜をそれぞれ振動子の側面上に形成し、振動子に突出部を設け、この突出部において第一の導電膜と第二の導電膜とを絶縁することを想到した。つまり、突出部の形状によって第一の導電膜と第二の導電膜との境界をパターニングすることにした。これによって、第一のの導電膜と第二の導電膜との境界におけるパターニングが容易かつ精確に行える。これによって、側面上の駆動電極、検出電極のパターニングを、別途、精確に行う必要がなくなり、従って側面上の駆動電極、検出電極と主面上の各電極との相対的位置の変位やずれなどに起因するノイズ信号を低減することに成功した。
【0011】
また、本発明者は、振動子を備えている振動型ジャイロスコープを製造する方法であって、振動子が一対の主面と、側面と、振動子の周縁から突出する突出部とを備えており、振動子およびこの振動子の突出部に連結されている基板本体を備えている基板を準備し、振動子を基板本体から突出部において割断することを特徴とする。
【0012】
割断とは、予め破損し易いような形状を有する、突出部と基板本体との間の割断部位を、振動子に応力を加えることによって破損させ、振動子を基板本体から切り離すことである。こうした割断方法は、上述のように側面上の導電膜のパターニングに利用できる。また、非常に容易に多数の振動子を成形できる方法である。
【0013】
好ましくは、突出部に割断面が形成されており、この割断面において第一の導電膜と第二の導電膜とが絶縁されている。これによって、各導電膜の境界が割断面によって自動的に精確にパターニングされる。
【0014】
好ましくは、振動子の実質的に割断面以外の側面の全体が、第一の導電膜および第二の導電膜によって被覆されている。これによって、最初の基板の段階では振動子の側面の全体にわたって導電膜を形成し、次いで各振動子を基板本体から割断することで、割断面以外の部分に自動的に導電膜がパターニングされる。
【0015】
好ましくは、振動子が複数の検出振動系を備えており、各検出振動系ごとにそれぞれ第二の導電膜が形成されており、各第二の導電膜と第一の導電膜とがそれぞれ突出部において絶縁されている。また、振動子が複数の駆動振動系を備えており、各駆動振動系ごとにそれぞれ第一の導電膜が形成されており、各第一の導電膜と第二の導電膜とがそれぞれ突出部において絶縁されている。
【0016】
本発明を好適に適用できる振動子は、振動子の重心が位置する基部、この基部の周縁部から突出する複数の駆動振動系および基部の周縁部から突出する少なくとも一つの検出振動系を備えており、振動型ジャイロスコープが、各駆動振動系にそれぞれ形成されている各駆動電極、基部の少なくとも一方の主面上に、各駆動電極に対応してそれぞれ形成されている配線パターンおよび各配線パターンに接続されている電力供給パッドを備えており、各配線パターンおよび前記各電力供給パッドが互いに接続されておらず、各配線パターンに対して独立して電力が供給される。
【0017】
これによって、信号電圧波の立ち上がり時の雑音に応答して検波前の検出信号に生ずるノイズピークが、著しく抑制される。
【0018】
この場合に特に好ましくは、基部内において、各配線パターンおよび各電力供給パッドが、振動子の重心を中心として反対側に設けられている。これによって、検出振動系への電気機械的影響を一層低減できる。
【0019】
更に好ましくは、基部内において、各配線パターンおよび各電力供給パッドが、振動子の重心を中心として略回転対称(略中心対称)の位置に設けられている。これは、一つの配線パターンおよび一つの電力供給パッドを、振動子の重心を中心として所定角度回転させると、他の配線パターンおよび電力供給パッドの位置に位置することを意味している。
【0020】
この実施形態において特に好ましくは、振動子が二つの駆動振動系、各駆動振動系にそれぞれ対応する二つの配線パターンおよび各駆動振動系に対応する二つの電力供給パッドを備えており、各配線パターンおよび各電力供給パッドが、振動子の重心を中心として略点対称の位置に設けられている。
【0021】
本発明の特に好適な実施形態においては、各駆動振動系が、それぞれ、基部から延びる細長い支持部と、この支持部から支持部に対して交差する方向に延びる少なくとも一片の駆動振動片とを備えており、駆動振動片がその支持部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動し、振動子が所定面内で回転したときに支持部がその基部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動する。こうした形態の振動子を使用した場合には、本発明の作用効果が著しく増幅される。
【0022】
また、本発明は、振動子を備えている振動型ジャイロスコープを製造する方法であって、振動子が、一対の主面と側面と振動子の周縁から突出する突出部とを備えており、振動子および振動子の前記突出部に連結されている基板本体を備えている基板を準備し、振動子を基板本体から突出部において割断することを特徴とする。
【0023】
この場合に特に好ましくは、複数の割断部位の間に、振動子および基板本体から割断によって切り離される割断片が設けられている。この場合には、割断片を押圧することによって、振動子を基板本体から容易に切り離すことができ、この際に振動子に余計な圧力がかからない。これによって、振動子の微細な変形に起因するノイズを防止できる。こうしたノイズの問題は、駆動振動モードおよび検出振動モードが所定面内にあるような振動型ジャイロスコープにおいて、特に重要である。
【0024】
また、本発明者は、振動子が、一対の主面、側面、振動子の重心が位置する基部、この基部の周縁部から突出する細長い支持部、この支持部から伸びる駆動振動片および基部から突出する検出振動片を備えており、振動型ジャイロスコープが、駆動振動片の側面上に形成されている駆動電極、検出振動片の側面上に形成されている検出電極を備えている場合に、支持部の両側の側面上にそれぞれ導電膜を形成し、各側面上の各導電膜を互いに導通させることによって、やはり前述のノイズが減少することを見出した。
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1を、振動子2の一方の主面2a側から見た概略平面図であり、図2は、ジャイロスコープ1を、振動子2の他方の主面2b側から見た概略平面図である。
【0027】
振動子2は、基部9、一対の駆動振動系3A、3Bおよび一対の検出振動系4A、4Bを備えている。本例の基部9は、振動子の重心GO(振動子が振動していないときの重心)を中心として四回対称の略正方形をなしており、各駆動振動系3A、3B、各検出振動系4A、4Bは、それぞれ、基部9の周縁部9aの各辺から突出している。なお、本例では、基部9の中央部分に支持孔10が形成されており、支持孔10の中に重心GOが位置している。
【0028】
各駆動振動系3A、3Bは、それぞれ、基部9の周縁部9aから径方向に突出する細長い支持部6A、6Bと、支持部6A、6Bの長手方向に直交する方向に向かって延びる各一対の駆動振動片5A、5B、5C、5Dとを備えている。8は、各駆動振動片と各支持部との連結部分である。6aは支持部の付け根であり、6bは支持部の先端部分である。各検出振動系4A、4Bは、それぞれ、基部9の周縁部9aから径方向に突出して延びる細長い検出振動片7A、7Bからなっている。
【0029】
駆動振動片5A、5B、5C、5Dの一方の主面2a上には、図1に示すように、駆動電極11A、11B、11C、11Dが形成されており、各駆動振動片の他方の主面2b上には、図2に示すように、駆動電極11E、11F、11G、11Hが形成されている。駆動振動片5A、5B、5C、5Dの各側面上には、駆動電極11J、11K、11L、11M、11N、11P、11Q、11Rが形成されている。
【0030】
本例においては、各駆動振動片において、一方の主面上の駆動電極11A、11B、11C、11Dと、他方の主面上の駆動電極11E、11F、11G、11Hとを電気的に接続し、同電位とする。これと共に、各駆動振動片において、側面上の各駆動電極を同電位とする。そして、主面上の駆動電極と側面上の駆動電極との間に、交流電圧信号を印加することによって、矢印A、Bに示すように、各駆動振動片に屈曲振動を励振する。
【0031】
この際、駆動振動片5Aと5Bとが同位相で共振し、駆動振動片5Cと5Dとが同位相で共振し、屈曲振動片5A−5Dの駆動振動の全体の重心が、振動子の重心GO上か、またはその近傍に位置するようにする。
【0032】
この状態で、振動子1を所定面(X−Y面)内でωのように回転させると、回転中にコリオリ力が振動子1に作用する結果、各支持部6A、6Bは、矢印C、Dのように、その付け根6aを中心として屈曲振動する。この際、支持部6Aと6Bとの各屈曲振動の位相は、重心GOを中心として周方向に見たときに反対向きになる。これに対応して、各検出振動片7A、7Bは、矢印E、Fに示すように、その付け根を中心として屈曲振動する。支持部6Aと検出振動片7A、支持部6Bと検出振動片7Bとは、重心GOを中心として周方向に見たときに、任意の時点において互いに逆方向へと屈曲している。
【0033】
各検出振動片7A、7Bの一方の主面2a上には、検出電極14A、14Bが形成されており、各検出振動片の他方の主面2b上には、検出電極14C、14Dが形成されており、各検出振動片の側面上には、検出電極14E、14F、14G、14Hが形成されている。
【0034】
本例では、基部9の4箇所に突出部24が形成されており、各突出部24に割断面25が設けられている。そして、振動子の側面のほぼ全面が、割断面25を除いて導電膜18、19、20、21によって被覆されている。そして、各割断面25には導電膜は設けられておらず、従って各導電膜は割断面において絶縁されている。
【0035】
駆動振動系3Aに属する側面上の各駆動電極11J、11K、11L、11Mと、支持部6Aの各側面上の導電膜26A、26Bとは、すべてつながっており、第一の導電膜18の一部を構成している。駆動振動系3Bに属する側面上の各駆動電極11N、11R、11Q、11Pと、支持部6Bの各側面上の導電膜26C、26Dとは、すべてつながっており、第一の導電膜20の一部を構成している。
【0036】
また、検出振動系4Aに属する側面上の各検出電極14E、14Fは、互いにつながっており、第二の導電膜21の一部を構成している。検出振動系4Bに属する側面上の各検出電極14G、14Hは、互いにつながっており、第二の導電膜19の一部を構成している。
【0037】
振動子の一方の主面2a上には、側面上の駆動電極11J、11K、11L、11M用の配線パターン12Aが形成されており、その末端が電力供給パッド13Aに接続されている。また、主面2a上には、主面上の駆動電極11C、11Dに電力を供給するための配線パターン38Aおよびパッド13Bが形成されている。
【0038】
振動子の他方の主面2b上には、側面上の駆動電極11N、11P、11R、11Qに電力を供給するための配線パターン12Bが形成されており、また、主面2b上の駆動電極11E、11F用の配線パターン38Bが形成されている。各配線パターン12B、38Bは、それぞれ貫通孔の内壁面上の導電膜23、主面2a上の配線パターン22を通して、パッド13C、13Dに対して接続されている。
【0039】
従って、電力供給パッド13A、13Bと、13C、13Dとの間に交流電圧信号を印加することによって、駆動振動片5A、5B、5C、5Dをそれぞれ矢印A、Bのように屈曲振動させることができる。
【0040】
検出振動片7Aの主面上の各検出電極14A、14Cは、それぞれパッド35B、35Hに接続されている。検出振動片7Aの側面上の各検出電極14E、14Fは、パッド35C、35I、35A、35Gに接続されている。
【0041】
検出振動片7Bの主面上の各検出電極14B、14Dは、それぞれパッド35E、35Lに接続されている。検出振動片7Bの側面上の各検出電極14G、14Hは、パッド35F、35J、35D、35Kに接続されている。
【0042】
各検出振動片7A、7Bが屈曲振動すると、主面上の検出電極14A、14C、14B、14Dと、側面上の検出電極14E、14F、14G、14Hとの間で信号電圧が発生する。
【0043】
本例では、各配線パターンおよび電力供給パッドが、重心GOを中心として互いに回転対称の位置にある。
【0044】
好ましくは、振動子が所定面内に延びている。これは厚さにして1mm以下の範囲内に複数の振動系が形成されている場合を含む。
【0045】
振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO、LiTaO、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O)単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。
【0046】
本発明の振動子を圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZT等の圧電セラミックスがある。
【0047】
各突出部24は、振動子内において絶縁が必要な位置に設けるものであり、その限りにおいて特に位置は限定されない。突出部24の割断面25の幅は、絶縁を充分に行える幅であれば限定されないが、実用上は0.1mm以上が好ましい。
【0048】
複数の突出部24を設ける場合には、各突出部24が、振動子の重心Oに対して回転対称の位置にあることが好ましい。ここで、回転対称とは、重心Oを中心として特定の突出部を回転させたときに、隣接する突出部の位置にくることを言う。図1、図2の例では突出部は4回対象の位置にある。
【0049】
図1、図2の振動子を基板から切り出す際には、好ましくは図3−図5に示すような基板33を使用する。基板33は、基板本体30と、本体30内に形成された所定個数の振動子1とからなる(図5の例では振動子は4個である)。基板本体30と振動子との間には、溝27A、27B、27C、27Dが形成されている。振動子の例えば4個の突出部24が、基板本体30と、それぞれ割断片28を通して接続されている。
【0050】
各割断領域を図4に拡大して示す。各割断片28と各突出部24との間には割断部29があり、各割断片28と基板本体30の突出部24との間にも割断部29がある。割断部29には凹み31が形成されている。割断片28を押圧することによって、2つの割断部29を同時に割断させ、振動子を割断片28および本体30から切り離す。
【0051】
以下、具体的な実験結果を示す。
まず、図3−図5に示す基板33を製造した。具体的には、厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ200オングストロームのクロム膜と、厚さ5000オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
【0052】
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜として形成した。
【0053】
得られた振動子の基部2の各辺の長さは6.0mmとした。また、各支持部6A、6Bの長さ、検出振動片7A、7Bの長さは、6.0mmとした。各支持部、各屈曲振動片の幅は1.0mmとした。各検出電極の寸法は、幅0.6mm×長さ2.8mmであり、検出振動片の付け根から1.2−4.0mmの位置に形成されていた。各駆動電極の寸法は、幅0.6mm×長さ2.8mmであった。振動子2の中央部に、0.75mm×0.75mmの正方形の支持孔10を形成した。
【0054】
この基板33から、前述のようにして振動子2を割断した。次いで、支持孔10に直径0.6mmの金属ピンを通し、金属ピンに対して振動子をシリコーン樹脂接着剤によって接着した。
【0055】
この振動子に対して、4ボルトの矩形波による自励振発振駆動を行い、駆動振動を生じさせ、振動子2を所定面内で回転させた。駆動振動の固有共振周波数は22.2kHzであり、検出振動モードの固有共振周波数は23.0kHzである。回転角速度の検出感度を測定した結果、20mV/°/secの信号が得られた。
【0056】
この状態で、非回転時の電気ノイズ成分を測定したところ、0.03mVと非常に低くなっていた。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、振動型ジャイロスコープのノイズ信号のノイズレベルを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1を、振動子2の一方の主面2a側から見た概略平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る振動型ジャイロスコープ1を、振動子2の他方の主面2b側から見た概略平面図である。
【図3】振動子1と、振動子に接続されている基板本体30とを備えている基板33の主要部を概略的に示す平面図である。
【図4】図3において、振動子と基板本体との接続部分を拡大して示す平面図である。
【図5】基板本体30と振動子2とを備える基板33を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 振動型ジャイロスコープ 2 振動子 2a 一方の主面 2b 他方の主面 3A、3B 駆動振動系 4A、4B 検出振動系 5A、5B、5C、5D 駆動振動片 6A、6B 支持部 7A、7B 検出振動片 9 基部 11A−11R 駆動電極 12A、12B、38A、38B 配線パターン 13A−13F 電力供給パッド 14A−14H 検出電極 18、20 第一の導電膜 19、21 第二の導電膜 24 割断面 25 突出部 26A、26B、26C、26D支持部の側面上の導電膜 27A、27B、27C、27D 振動子と基板本体との間の溝 28 割断片 29 割断部 30 基板本体 33 基板

Claims (7)

  1. 振動子を備えている振動型ジャイロスコープであって、前記振動子が、一対の主面、側面、振動子の重心が位置する基部、該基部の周縁部から径方向に突出する細長い支持部と、該支持部の長手方向に直交する方向に向かって延びる各一対の駆動振動片とを有する駆動振動系及び、それぞれ基部の周縁部から径方向に突出して延びる細長い検出振動片からなる検出振動系を備えた振動子において、
    前記駆動振動片の少なくとも側面上に駆動電極が形成され、前記検出振動片の少なくとも側面上に検出電極が形成され、
    前記基部の周縁部上に形成され、前記駆動電極に接続されている第一の導電膜、および前記第一の導電膜が形成されていない周縁部上に形成されており、前記検出電極に接続されている第二の導電膜を備えており、
    前記周縁部に割断面が形成されており、この割断面において前記第一の導電膜と第二の導電膜の境界が形成され、前記第一の導電膜と第二の導電膜が絶縁されていることを特徴とする振動型ジャイロスコープ。
  2. 前記振動子の実質的に前記割断面以外の側面の全体が、前記第一の導電膜および前記第二の導電膜によって被覆されていることを特徴とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
  3. 前記振動子が複数の検出振動系を備えており、各検出振動系ごとにそれぞれ前記第二の導電膜が形成されており、各第二の導電膜と前記第一の導電膜とがそれぞれ前記割断面において絶縁されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の振動型ジャイロスコープ。
  4. 前記振動子が複数の駆動振動系を備えており、各駆動振動系ごとにそれぞれ前記第一の導電膜が形成されており、各第一の導電膜と前記第二の導電膜とがそれぞれ前記割断面において絶縁されていることを特徴とする、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  5. 振動子を備えている振動型ジャイロスコープを製造する方法であって、
    前記振動型ジャイロスコープが、
    前記振動子の前記側面上に形成されている駆動電極、
    前記振動子の前記側面上に形成されている検出電極、
    前記側面上に形成されており、前記駆動電極に接続されている第一の導電膜、および
    前記側面上に形成されており、前記検出電極に接続されている第二の導電膜を備えており、
    前記振動子が、一対の主面と側面と前記振動子の周縁から突出する突出部とを備えており、
    前記振動子およびこの振動子の前記突出部に連結されている基板本体を備えている基板を準備し、
    前記振動子を前記基板本体から前記突出部において割断することによってこの突出部の割断面で前記第一の導電膜と前記第二の導電膜とを絶縁することを特徴とする、振動型ジャイロスコープの製造方法。
  6. 前記突出部と前記基板本体との間に複数の割断部位が存在しており、各割断部位を同時に割断することを特徴とする、請求項5記載の振動型ジャイロスコープの製造方法。
  7. 前記複数の割断部位の間に、前記振動子および基板本体から割断によって切り離される割断片が設けられていることを特徴とする、請求項6記載の振動型ジャイロスコープの製造方法。
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