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JP4385504B2 - 窒化物半導体基板及びその製造方法 - Google Patents
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JP4385504B2 - 窒化物半導体基板及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を表面に有する窒化物半導体基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、転位密度の低い窒化物半導体基板を製造するために、サファイア、スピネル、炭化ケイ素のような窒化物半導体と異なる異種基板の上に、窒化物半導体を基板に対して横方向に成長させる方法(以下、ELOG成長法(Epitaxially Lateral OverGrowh)と呼ぶ)が種々検討されている。窒化物半導体が横方向に成長する領域において、窒化物半導体の成長起点において発生した転位は、窒化物半導体の成長と共に横方向にのみ進行するため、低転位密度の窒化物半導体を成長させることができる。
【0003】
例えば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1988)pp.L309−L312には、サファイア基板上に成長させた窒化物ガリウム上にSiO2等の保護膜を部分的に形成し、この上に窒化ガリウムを成長させることが開示されている。SiO2上には窒化ガリウムが直接成長しないため、保護膜されていない領域を成長起点として、窒化ガリウムが横方向に成長する。したがって、SiO2上に低転位密度の窒化ガリウムを成長させることができる。
【0004】
また、特開平11-145516号公報には、SiO2保護膜を形成する代りに、シリコン基板上に成長したAlGaN層をストライプ状にエッチングしてシリコン基板を部分的に露出させ、この上に窒化ガリウムを成長させる方法が開示されている。窒化ガリウムはシリコン基板上にはエピタキシャル成長しないため、AlGaN層をシード結晶として、窒化ガリウムが横方向にエピタキシャル成長する。したがって、シリコン基板の露出部分の上に低転位密度の窒化ガリウムを成長させることができる。
【0005】
これらのELOG成長法によれば、従来のバッファ層を用いて成長させた窒化物半導体層に比べて、結晶欠陥密度を2桁以上減少させることができる。したがって、これらのELOG成長法によって製造された窒化物半導体基板に、LED素子、LD素子、受光素子などの種々の窒化物半導体素子を形成することにより、窒化物半導体素子の寿命特性を飛躍的に向上させることができる。例えば、ELOG成長させた窒化ガリウム基板を用いて製造された窒化ガリウム系化合物半導体レーザは、1万時間以上の連続発振を達成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、窒化物半導体素子、特に青色を発光可能な窒化ガリウム系化合物半導体レーザには、さらなる寿命特性の向上が期待されている。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来のELOG成長により製造された窒化物半導体基板よりも、さらに結晶欠陥の少ない窒化物半導体基板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本件の第1発明に係る窒化物半導体基板は、窒化物半導体と異なる異種基板の上に、
周期的なストライプ状に形成された第1の保護膜と、
前記第1の保護膜を覆って、基板全面に形成された第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層上に、前記第1の保護膜のストライプ中央部分と前記第1の保護膜のない部分とを隠すように形成された第2の保護膜と、
前記第2の保護膜を覆って、基板全面に形成された第2窒化物半導体層とを特徴とする。
【0009】
即ち、本件の第1発明においては、SiO2等の保護膜を用いたELOG成長を2回行い、2回目のELOG成長の保護膜開口部を、1回目のELOG成長時の保護膜に対して特定の位置に配置することにより、より欠陥密度の小さな窒化物半導体基板を得る。
【0010】
第1窒化物半導体層は、第1保護膜を用いてELOG成長によって形成されている。このため、欠陥密度は、第1保護膜の開口部上において高く、第1保護膜上において低くなる。但し、第1保護膜の中央部は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0011】
そこで、2回目のELOG成長を行うための第2保護膜を、第1保護膜のストライプ中央部の上と開口部の上とに形成する。これにより、第1窒化物半導体層内を貫通する転位は殆ど第2保護膜によって遮断して、第2窒化物半導体層の転位密度を、第1窒化物半導体層よりも一層低くすることができる。
【0012】
また、本件の第2発明に係る窒化物半導体基板は、窒化物半導体と異なる異種基板の上に、
エッチングにより周期的なストライプ状に形成された窒化物半導体から成るシード結晶と、
前記シード結晶を覆って、基板全面に形成された第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層上に、前記シード結晶と、隣接するシード結晶同士の略中央部分とを隠すように形成された第2の保護膜と、
前記第2の保護膜を覆って、基板全面に形成された第2窒化物半導体層とを有する。
【0013】
即ち、本件の第2発明においては、1回目にエッチングを用いたELOG成長、2回目にSiO2等の保護膜を用いたELOG成長を行い、2回目のELOG成長の保護膜開口部を、1回目のELOG成長時のエッチングパターンに対して特定の位置に配置することにより、より欠陥密度の小さな窒化物半導体基板を得る。
【0014】
第1窒化物半導体層は、エッチングを用いたELOG成長によって形成されており、その欠陥密度は、シード結晶の上部の領域において高く、シード結晶同士の間の領域であるシード間領域において低くなる。但し、シード間領域の中央部は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0015】
そこで、2回目のELOG成長を行うための保護膜を、シード結晶の上部と、シード間領域の中央部の上部とに形成することにより、第1窒化物半導体層内を貫通して進行してきた転位を殆ど保護膜によって遮断して、第2窒化物半導体層の転位密度を、第1窒化物半導体層よりも一層低くすることができる。
【0016】
また、本件の第3発明に係る窒化物半導体基板は、窒化物半導体と異なる異種基板の上に、
周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された第1の保護膜と、
前記第1の保護膜を覆って、基板全面に形成された第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層の全面に形成された窒化物半導体から成る欠陥分散層と、
前記欠陥分散層上に、周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された第2の保護膜と、
前記第2の保護膜を覆って、基板全面に形成された第2窒化物半導体層とを有することを特徴とする。
【0017】
即ち、本件の第3発明においては、SiO2等の保護膜を用いたELOG成長を2回行い、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長の間に窒化物半導体層の厚膜成長を行って、1回目のELOG成長時に残っていた欠陥を分散させることにより、より欠陥密度小さな窒化物半導体基板を得る。
【0018】
第1窒化物半導体層は、保護膜を用いたELOG成長によって形成されており、欠陥密度は、第1保護膜の開口部上において高く、第1保護膜上において低くなる。また、第1保護膜の中央部は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0019】
欠陥分散層は、数10μm以上、好ましくは30μm以上の厚膜に形成されており、第1保護膜の中央部及び開口部に集中している結晶欠陥を均一に分散させる役割を果たす。この欠陥分散層の上に、2回目のELOG成長によって第2窒化物半導体層を形成する。第2窒化物半導体層の成長起点には、欠陥分散層から進行してきた転位が存在するが、その密度は1回目のELOG成長の時の成長起点の転位密度に比べて遥かに小さい。したがって、第2窒化物半導体層は、第1窒化物半導体層に比べて、より欠陥密度の小さな良好な結晶となる。
【0020】
この第3発明においては、欠陥分散層によって欠陥を分散・平均化するため、2回目のELOG成長時の保護膜位置は任意となる。したがって、保護膜のストライプ幅と開口部幅の比をより大きく設定して、低欠陥密度領域をより広面積に形成することが可能となる。また、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長との厳密な位置合わせが不用となるため、窒化物半導体基板の製造も容易となる。
【0021】
また、本件の第4発明に係る窒化物半導体基板は、窒化物半導体と異なる異種基板の上に、
周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された窒化物半導体から成るシード結晶と、
前記シード結晶を覆って、基板全面に形成された第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層の全面に形成された窒化物半導体から成る欠陥分散層と、
前記欠陥分散層上に、周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された保護膜と、
前記保護膜を覆って、基板全面に形成された第2窒化物半導体層とを有することを特徴とする。
【0022】
本件の第4発明に係る窒化物半導体基板は、1回目のELOG成長を、エッチングを用いた方法によって行う他は、本件の第3発明と同様である。即ち、1回目にエッチングを用いたELOG成長、2回目にSiO2等の保護膜を用いたELOG成長を行い、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長の間に窒化物半導体層の厚膜成長を行って、1回目のELOG成長時に残っていた欠陥を分散させることにより、より欠陥密度小さな窒化物半導体基板を得る。
【0023】
第3発明と同様に、第2窒化物半導体層の成長起点には、欠陥分散層から進行してきた転位が存在するが、その密度は1回目のELOG成長の時の成長起点に存在した転位密度に比べて遥かに小さい。したがって、第3窒化物半導体層は、第2窒化物半導体層に比べて、より欠陥密度の小さな良好な結晶となる。
【0024】
また、この第4発明においても、欠陥分散層によって欠陥を分散・平均化するため、2回目のELOG成長時の保護膜の形状及び位置は任意となる。したがって、保護膜のストライプ幅と開口部幅の比をより大きく設定して、低欠陥密度領域をより広面積に形成することが可能となる。また、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長との厳密な位置合わせが不用となるため、窒化物半導体基板の製造も容易となる。
【0025】
本発明において、保護膜としては、融点1200℃以上の金属、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びこれらの多層膜等を用いることができる。
【0026】
また、本件発明において、第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層の合計膜厚を十分に厚くすれば、第2窒化物半導体層の形成後に異種基板を除去して、窒化物半導体のみから成る基板としても良い。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
本実施の形態においては、SiO2等の保護膜を用いたELOG成長を2回行い、2回目のELOG成長の保護膜開口部を、1回目のELOG成長時の保護膜に対して特定の位置に配置することにより、より欠陥密度の小さな窒化物半導体基板を得る。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体基板を示す模式断面図である。サファイア等の異種基板10の上に、バッファ層を介して形成された窒化物半導体層12と、第1保護膜14と、第1窒化物半導体層16と、第2保護膜18と、第2窒化物半導体層20が形成されている。窒化物半導体層12、第1窒化物半導体層16、及び第2窒化物半導体層20は、いずれも一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有する。但し、これらは互いに異なる組成であっても良い。
【0029】
第1窒化物半導体層16は、保護膜を用いたELOG成長によって形成されている。即ち、第1保護膜14は、窒化物半導体がエピタキシャル成長しにくいSiO2等の材料によって周期的なストライプ形状に形成されており、第1窒化物半導体層16は、第1保護膜の開口部13から成長を開始して、第1保護膜14の上においては横方向に成長する。
【0030】
異種基板10の表面において発生した転位11は、開口部13においては、結晶の成長と共に縦方向に進行する一方、第1保護膜14上においては、結晶の成長と共に横方向にのみ進行する。このため、欠陥密度は、開口部13上において高く、第1保護膜14上において低くなる。但し、第1保護膜14の中央部15は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体16が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0031】
第2窒化物半導体層20は、2回目のELOG成長によって形成されている。即ち、第2保護膜18は、第1保護膜14と同様に、窒化物半導体がエピタキシャル成長しにくい材料によって周期的なストライプ形状に形成されており、第2窒化物半導体層は、第2保護膜18の開口部19から成長を開始して、第2保護膜18上においては、横方向に成長する。
【0032】
ここで、第2保護膜18は、第1窒化物半導体層16のうち貫通転位の存在する領域を全て覆うように、第1保護膜14のストライプ中央部15と開口部13との上に形成されている。即ち、第2保護膜18は、第1保護膜14上であって、第1保護膜14の中央部15を除いた両サイドに開口部19を有するように形成されている。したがって、第1窒化物半導体層16内を貫通する転位は殆ど第2保護膜18によって遮断され、第2窒化物半導体層18に進行しない。また、第2窒化物半導体層20は、第1窒化物半導体層16のうち、転位密度の低い領域を起点として成長を開始し、さらに第2保護膜18上で横方向に成長するため、第2保護膜18上では、第1窒化物半導体層16よりも一層転位密度が低くなる。
【0033】
以下、この窒化物半導体基板の製造方法及び好適な材料について説明する。まず、窒化物半導体と異なる異種基板10を準備する。異種基板10には、サファイア基板の他に、SiC基板、スピネル(=MgAl24)基板、シリコン基板等を用いることができる。中でも、その上に成長する窒化物半導体層の結晶性の観点から、サファイア基板又はSiC基板を用いることが好ましい。尚、これらの基板材料の主面をオフアングルさせた基板、より好ましくはステップ状にオフアングルさせた基板用いると結晶欠陥をより少なくすることができる。
【0034】
次に、バッファ層(図示せず)を介して窒化物半導体層12を成長させる。バッファ層には、例えば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等を900℃以下の温度で膜厚数十Å〜数百Åに成長させて形成する。尚、窒化物半導体の成長方法、基板の種類によってはバッファ層を省略することもできる。窒化物半導体層12は、例えば、アンドープGaN、Si等をドープしたn型GaNを、900〜1100℃、好ましくは1050℃で成長させて形成することができる、。窒化物半導体層12の膜厚は、例えば、1〜20μm、好ましくは2〜10μmとする。
【0035】
次に、窒化物半導体層12の上に第1の保護膜14を形成する。第1の保護膜14の材料には、表面に窒化物半導体が成長しにくいか若しくは成長しない材料を選択する。例えば、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SixNy)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)等の酸化物、窒化物、又はこれらの多層膜の他、1200℃以上の融点を有する金属等を用いることができる。これらの材料は、窒化物半導体の成長温度である600℃〜1100°の温度にも耐え、その表面に窒化物半導体が成長しないか、成長しにくい性質を有している。
【0036】
第1保護膜14は、開口部13を残して、周期的なストライプ形状に形成する。第1保護膜14のストライプ幅を、開口部13の幅よりも幅広に形成することが好ましい。例えば、第1保護膜14のストライプ幅を、開口部幅の1〜20倍に形成する。第1保護膜14のストライプ幅は、開口部の幅を5μm以下とする場合は、2〜30μmであり、好ましくは5〜20μm、より好ましくは5〜15μmとする。この範囲であれば、その上に成長する窒化物半導体層16の結晶欠陥を有効に減少させることができる。また、第1の保護膜14の膜厚は、例えば、0.01〜5μmであり、好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.1〜2μmとする。第1の保護膜14は、例えば、蒸着、スパッタ又はCVD等を適当な気相成長法用いて成長させることができる。第1保護膜14を所定の領域に選択的に形成するためには、予め所定形状のフォトレジストを形成しておき、その上に第1保護膜14を気相成長させれば良い。
【0037】
次に、第1の保護膜14を覆って、基板全面に第1窒化物半導体層16を成長させる。第1窒化物半導体層16には、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn型GaNを用いることができる。前述の通り、第1窒化物半導体層16は、開口部13にある窒化物半導体層12の上から成長を開始し、第1保護膜14の上を横方向に成長して、第1保護膜14の略中央部15で互いに接合する。したがって、第1保護膜14の上において欠陥密度が小さくなる。第1窒化物半導体層16の膜厚は、第1保護膜14の10倍以上に成長することが好ましい。例えば、第1窒化物半導体層16の膜厚は、1〜50μm、好ましくは2〜40μm、より好ましくは5〜30μm、もっとも好ましくは膜厚10〜20μmとする。
【0038】
次に、第1窒化物半導体層16の上に、第2保護膜18を形成する。第2保護膜18の形成前に、第1窒化物半導体層16の表面を研磨してフラットな面としておいても良い。第2保護膜18は、第1保護膜14のストライプ中央部15及び開口部13を覆うように、ストライプ状に形成する。第2保護膜18は、図1に示すように全て同一のストライプ幅に形成しても良いが、第1保護膜14のストライプ中央部15を覆う部分と開口部13を覆う部分とで異なる幅に形成しても良い。例えば、第2保護膜18のうち、第1保護膜14のストライプ中央部15を覆う部分は、第1窒化物半導体層15の接合部を覆うことができれば良いため、第1保護膜14の開口部13を覆う部分に比べて幅を細くすることができる。尚、第2保護膜18に用いることのできる材料及び成長方法は、第1保護膜16と同様である。
【0039】
次に、第2窒化物半導体層20を、第2の保護膜18を覆って、基板全面に成長させる。第2窒化物半導体層20には、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn型GaNを用いることができる。第2窒化物半導体層20は、第1窒化物半導体層16のうち欠陥の少ない領域から成長を開始し、第2保護膜18の上を横方向に成長して、第2保護膜18の略中央部19で互いに接合する。したがって、接合部17を除いて、第2保護膜18の上において欠陥密度が一層小さくなる。第2窒化物半導体層20の膜厚は、1〜50μm、より好ましくは5〜30μmとする。
【0040】
尚、本実施の形態においては、第1保護膜14と異種基板10の間に窒化物半導体層12を形成する場合を例に示したが、窒化物半導体層12の形成を省略して、異種基板10の上に第1保護膜14を直接形成しても良い。この場合、第1保護膜14の形成後、適当なバッファ層を介して第1窒化物半導体層を形成することが好ましい。
【0041】
実施の形態2
本実施の形態においては、1回目にエッチングを用いたELOG成長、2回目にSiO2等の保護膜を用いたELOG成長を行い、2回目のELOG成長の保護膜開口部を、1回目のELOG成長時のエッチングパターンに対して特定の位置に配置することにより、より欠陥密度の小さな窒化物半導体基板を得る。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体基板を示す模式断面図である。サファイア等の異種基板22の上に、バッファ層を介して形成され、ストライプ形状にエッチングされた窒化物半導体から成るシード結晶24と、第1窒化物半導体層26と、保護膜28と、第2窒化物半導体層30が形成されている。シード結晶24、第1窒化物半導体層26、及び第2窒化物半導体層30は、いずれも一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有する。但し、これらは互いに異なる組成であっても良い。
【0043】
第1窒化物半導体層26は、エッチングを用いたELOG成長によって形成されている。サファイア等の異種基板22の上に形成されたシード結晶24は、周期的なストライプ状にエッチングされており、第1窒化物半導体層26はシード結晶24の上面又は側面を成長起点として成長する。第1窒化物半導体層26は、シード結晶24の上部の領域においては、縦方向に成長する一方、シード結晶24同士の間の領域(以下、シード間領域)においては、横方向に成長する。
【0044】
したがって、異種基板22とシード結晶24の界面において発生した転位25は、シード結晶24上部の領域においては、結晶の成長と共に縦方向に進行する一方、シード間領域においては、結晶の成長と共に横方向にのみ進行する。このため、欠陥密度は、シード結晶24の上部の領域において高く、シード間領域において低くなる。但し、シード間領域の中央部27は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体層26が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0045】
第2窒化物半導体層30は、2回目のELOG成長によって形成されている。即ち、保護膜28は、窒化物半導体がエピタキシャル成長しにくい材料によって周期的なストライプ形状に形成されており、第2窒化物半導体層30は、保護膜28の開口部29から成長を開始して、保護膜28上においては、横方向に成長する。
【0046】
ここで、保護膜28は、第1窒化物半導体層26のうち貫通転位の存在する領域を全て覆うように、シード結晶24の上部と、シード間領域の中央部27の上部とに形成されている。即ち、保護膜28は、シード間領域の上部であって、シード間領域の中央部27を除いた両サイドに開口部29を有するように形成されている。したがって、第1窒化物半導体層26内を貫通して進行してきた転位は殆ど保護膜28によって遮断され、第2窒化物半導体層30に進行しない。また、第2窒化物半導体層30は、第1窒化物半導体層26のうち、転位密度の低い領域を起点として成長を開始し、さらに保護膜28上で横方向に成長するため、保護膜28上では、第1窒化物半導体層26よりも一層転位密度が低くなる。
【0047】
以下、この窒化物半導体基板の製造方法及び好適な材料について説明する。
まず、窒化物半導体と異なる異種基板22を準備する。異種基板22には、サファイア基板の他に、SiC基板、スピネル(=MgAl24)基板、シリコン基板等を用いることができる。中でも、その上に成長する窒化物半導体層の結晶性の観点から、サファイア基板又はSiC基板を用いることが好ましい。尚、これらの基板材料の主面をオフアングルさせた基板、より好ましくはステップ状にオフアングルさせた基板を用いると結晶欠陥をより少なくすることができる。
【0048】
次に、バッファ層(図示せず)を介してシード結晶24を成長させる。バッファ層には、例えば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等を900℃以下の温度で膜厚数十Å〜数百Åに成長させて形成する。尚、窒化物半導体の成長方法、基板の種類によってはバッファ層を省略することもできる。シード結晶24は、例えば、アンドープGaN、Si等をドープしたn型GaNを、900〜1100℃、好ましくは1050℃で成長させる。シード結晶24の膜厚は、少なくとも500Å以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上とする。
【0049】
次に、成長させたシード結晶24を、周期的なストライプ形状にエッチングして異種基板22を露出させる。エッチングは、異種基板22の一部を取り除く深さまで行うことが好ましい。異種基板22を削る深さは、例えば、500〜3000Å、好ましくは1000〜2000Åとする異種基板22の一部を削る深さまでエッチングをしておくことにより、シード結晶24の側面から成長する第2窒化物半導体26が異種基板22に干渉を受けることを防止して、第1窒化物半導体層26の結晶性をより良好にすることができる。また、エッチングをする場合、エッチング面が、図2に示すように異種基板に対して端面がほぼ垂直になる形状だけでなく、順メサ形状や逆メサ形状、或いは階段状であっても良い。
【0050】
次に、ストライプ状にエッチングされたシード結晶24を覆って、基板全面に、第1窒化物半導体層26を成長させる。第1窒化物半導体層26には、シード結晶24と同様の材料を用いることができる。第1窒化物半導体26を成長させる際に、不純物(例えば、Si、Ge、Sn、Be、Zn、Mn、Cr、及びMg等)をドープして成長させる、又は窒化物半導体の原料となるIII族とV族の成分の供給モル比を、III族が多くなるように調整することにより、横方向の成長を縦方向の成長に比べて促進させることができるため好ましい。また、第1窒化物半導体層26の成長時の圧力を、常圧以上で行うことが好ましい。例えば、常圧(=ほぼ1気圧)〜2.5気圧、より好ましくは常圧〜1.5気圧で行う。このような圧力条件で行うと、第1窒化物半導体層26の表面の面状態を良好にできる点で好ましい。
【0051】
次に、第1窒化物半導体層26の上に、保護膜28を形成する。保護膜28の材料、形成法、膜厚等は、実施の形態1における第1保護膜18と同様とすることができる。保護膜28の形成前に、第1窒化物半導体層26の表面を研磨してフラットな面としておいても良い。保護膜28は、シード結晶24及びシード間領域の中央部27を覆うように、ストライプ状に形成する。保護膜28は、図2に示すように全て同一のストライプ幅に形成しても良いが、ストライプ状のシード結晶24を覆う部分と、シード間領域の中央部27を覆う部分とで異なる幅に形成しても良い。例えば、保護膜28のうち、シード間領域の中央部27を覆う部分は、第1窒化物半導体層26の接合部を隠すことができれば良いため、シード結晶24を覆う部分に比べて幅を細くすることができる。
【0052】
次に、保護膜28を覆って、基板全面に、第2窒化物半導体層30を成長させる。第2窒化物半導体層30には、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn型GaNを用いることができる。第2窒化物半導体層30は、第1窒化物半導体層26のうち欠陥の少ない領域から成長を開始し、保護膜28の上を横方向に成長して、保護膜28の略中央部で互いに接合する。したがって、接合部を除いて、保護膜28の上において欠陥密度が一層小さくなる。第2窒化物半導体層30の膜厚は、1〜50μm、より好ましくは5〜30μmとする。
【0053】
尚、上記実施の形態1又は2においては、ストライプ状に保護膜形成等を行うことによりELOG成長を行ったが、格子状又は島状に保護膜形成等を行うことによってもELOG成長は可能である。この場合にも、実施の形態1又は2と同様の原理に基づいて、1回目のELOG成長時の全ての高欠陥密度領域を覆うように、2回目のELOG成長の保護膜形成を行うことにより、低欠陥密度の窒化物半導体基板を製造することができる。しかし、保護膜形成等を格子状又は島状に行って1回目のELOG成長をさせた場合、接合部の形状が複雑となるため、2回目のELOG成長の保護膜位置の特定が困難となる問題があり、好ましくない。
【0054】
実施の形態3
本実施の形態においては、SiO2等の保護膜を用いたELOG成長を2回行い、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長の間に窒化物半導体層の厚膜成長を行って、1回目のELOG成長時に残っていた欠陥を分散させることにより、より欠陥密度小さな窒化物半導体基板を得る。
【0055】
図3は、本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体基板を示す模式断面図である。サファイア等の異種基板10の上に、バッファ層を介して形成された窒化物半導体層12と、第1保護膜14と、第1窒化物半導体層16と、窒化物半導体から成る欠陥分散層32と、第2保護膜34と、第2窒化物半導体層36が形成されている。窒化物半導体層12、第1窒化物半導体層16、欠陥分散層32、及び第2窒化物半導体層36は、いずれも一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有する。但し、これらは互いに異なる組成であっても良い。
【0056】
第1窒化物半導体層16は、実施の形態1と同様に、保護膜を用いたELOG成長によって形成されている。欠陥密度は、保護膜の開口部13上において高く、第1保護膜14上において低くなる。また、第1保護膜14の中央部15は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体16が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0057】
欠陥分散層32は、数10μm以上の厚膜に形成されており、第1保護膜14の中央部15及び開口部13に集中している結晶欠陥を均一に分散させる役割を果たす。こうして欠陥が分散された欠陥分散層32は、窒化物半導体層12に比べて、欠陥密度が大きく減少している。
【0058】
この欠陥分散層32の上に、第2窒化物半導体層36が、2回目のELOG成長によって形成されている。即ち、第2保護膜34は、第1保護膜14と同様に、窒化物半導体がエピタキシャル成長しにくい材料によって周期的なストライプ形状に形成されており、第2窒化物半導体層36は、第2保護膜18の開口部39から成長を開始して、第2保護膜18上においては横方向に成長する。第2窒化物半導体層36の成長起点となる開口部39には、欠陥分散層32から進行してきた転位が存在するが、その密度は1回目のELOG成長の時に比べて遥かに小さい。したがって、第2保護膜34上の第2窒化物半導体層36は、第1保護膜14上の第1窒化物半導体層16に比べて、より欠陥密度の小さな良好な結晶となる。
【0059】
本実施の形態においては、欠陥分散層32によって欠陥を分散・平均化するため、2回目のELOG成長時の保護膜位置は任意となる。即ち、実施の形態1又は2の方法と異なり、2回目のELOG成長時の保護膜位置及び寸法は、1回目のELOG成長時の保護膜パターンに制約を受けることがない。したがって、保護膜のストライプ幅と開口部幅の比をより大きく設定して、低欠陥密度領域をより広面積に形成することが可能となる。また、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長との厳密な位置合わせが不用となるため、窒化物半導体基板の製造も容易となる。
【0060】
以下、この窒化物半導体基板の製造方法及び好適な材料について説明する。まず、異種基板10の上に1回目のELOG成長を行って第1窒化物半導体層16を形成するまでは、実施の形態1と同様である。
【0061】
次に、窒化物半導体から成る欠陥分散層32を形成する。欠陥分散層32には、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn型GaNを用いることができる。欠陥分散層32の成長方法は特に限定されないが、厚膜に成長させるために、ハライド気相成長法(HVPE)を用いることが好ましい。欠陥分散層32は、欠陥をより均一に分散させる観点からは、厚い方が有利であり、少なくとも10μm以上、好ましくは50μm以上、さらに好ましくは200μm以上、最も好ましくは400μm以上であることが望ましい。
【0062】
但し、異種基板10の上に形成する窒化物半導体層の総厚が厚くなる程、基板全体が反り易くなり、その後の素子形成が困難となる。したがって、欠陥分散層32の厚みは、その後の素子形成が可能な範囲に止める必要がある。例えば、厚さ1mmで直径2インチのサファイア基板を異種基板として用いた場合、反り防止の観点からは、窒化物半導体の総厚が少なくとも200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下とすることが望ましい。尚、異種基板の厚さが厚く、直径が小さい程、反りが起き難くなるため、より厚い欠陥分散層32を形成することが可能となる。
【0063】
次に、欠陥分散層32の上に、第2保護膜34を形成する。第2保護膜34の形成位置及び寸法は、第1保護膜14に関係なく定めることができるため、低欠陥密度領域ができるだけ広くなるように形成することが好ましい。例えば、第2保護膜34を周期的なストライプ形状に形成し、ストライプ幅を、開口部幅の1〜20倍に形成する。第2保護膜34のストライプ幅は、開口部の幅を5μm以下とする場合は、2〜30μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは5〜15μmとすることが望ましい。この範囲であれば、その上に成長する窒化物半導体層36の結晶欠陥を有効に減少させることができる。また、第2保護膜34の膜厚、材料、形成法等は、実施の形態1における第1保護膜14と同様である。
【0064】
次に、第2窒化物半導体層36を、第2保護膜34を覆って、基板全面に成長させる。第2窒化物半導体層36には、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn型GaNを用いることができる。第2窒化物半導体層36の膜厚は、1〜50μm、より好ましくは5〜30μmとする。
【0065】
実施の形態4
本実施の形態の窒化物半導体基板は、1回目のELOG成長を、エッチングを用いた方法によって行う他は、実施の形態3と同様である。即ち、1回目にエッチングを用いたELOG成長、2回目にSiO2等の保護膜を用いたELOG成長を行い、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長の間に窒化物半導体層の厚膜成長を行って、1回目のELOG成長時に残っていた欠陥を分散させることにより、より欠陥密度小さな窒化物半導体基板を得る。
【0066】
図4は、本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体基板を示す模式断面図である。サファイア等の異種基板22の上に、バッファ層を介して形成され、ストライプ形状にエッチングされた窒化物半導体から成るシード結晶24と、第1窒化物半導体層26と、窒化物半導体から成る欠陥分散層32と、保護膜34と、第2窒化物半導体層46が形成されている。シード結晶24、第1窒化物半導体層26、欠陥分散層32、及び第2窒化物半導体層46は、いずれも一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有する。但し、これらは互いに異なる組成であっても良い。
【0067】
第1窒化物半導体層26は、実施の形態2と同様に、エッチングを用いたELOG成長によって形成されている。欠陥密度は、シード結晶24の上部の領域において高く、シード間領域において低くなる。但し、シード間領域の中央部27は、左右から横方向に成長してきた第1窒化物半導体層26が互いに接合するため、欠陥密度が高くなる。
【0068】
欠陥分散層32は、数10μm以上の厚膜に形成されており、シード結晶24の上部及びシード間領域の中央部27に集中している結晶欠陥を均一に分散させる役割を果たす。こうして欠陥が分散された欠陥分散層32は、シード結晶24中に比べて、欠陥密度が大きく減少している。
【0069】
この欠陥分散層32の上に、第2窒化物半導体層46が、実施の形態3と同様に、2回目のELOG成長によって形成されている。即ち、保護膜44は、周期的なストライプ形状に形成されており、第2窒化物半導体層46は、保護膜44の開口部から成長を開始して、保護膜44上においては横方向に成長する。第2窒化物半導体層46の成長起点となる開口部49には、欠陥分散層32から進行してきた転位が存在するが、その密度は1回目のELOG成長時の成長起点にある転位密度に比べて遥かに小さい。したがって、保護膜44上の第2窒化物半導体層46は、第1窒化物半導体層26に比べて、より欠陥密度の小さな良好な結晶となる。
【0070】
本実施の形態においても、実施の形態3と同様に、欠陥分散層32によって欠陥を分散・平均化するため、2回目のELOG成長時の保護膜位置は任意となる。したがって、保護膜のストライプ幅と開口部幅の比をより大きく設定して、低欠陥密度領域をより広面積に形成することが可能となる。また、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長との厳密な位置合わせが不用となるため、窒化物半導体基板の製造も容易となる。
【0071】
以下、この窒化物半導体基板の製造方法及び好適な材料について説明する。まず、異種基板22の上に1回目のELOG成長を行って第1窒化物半導体層26を形成するまでは、実施の形態2と同様である。
【0072】
次に、窒化物半導体から成る欠陥分散層32を形成する。欠陥分散層32に好適な材料、成長法、膜厚等は、実施の形態3における欠陥分散層32と同様である。
【0073】
次に、欠陥分散層34の上に、第2保護膜34を形成する。第2保護膜34の形成位置及び寸法は、シード結晶24に関係なく定めることができるため、低欠陥密度領域ができるだけ広くなるように形成することが好ましい。例えば、保護膜44を周期的なストライプ形状に形成し、ストライプ幅を、開口部幅の1〜20倍に形成する。開口部の幅を5μm以下とする場合は、保護膜44のストライプ幅は、2〜30μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは5〜15μmとすることが望ましい。この範囲であれば、その上に成長する窒化物半導体層46の結晶欠陥を有効に減少させることができる。また、保護膜44の膜厚、材料、形成法等は、実施の形態1における第1保護膜14と同様である。
【0074】
次に、第2窒化物半導体層46を、保護膜44を覆って、基板全面に成長させる。第2窒化物半導体層46には、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn型GaNを用いることができる。第2窒化物半導体層46の膜厚は、1〜50μm、より好ましくは5〜30μmとする。
【0075】
尚、上記実施の形態1乃至4においては、異種基板を残して窒化物半導体基板を構成する例について説明したが、本発明の方法に従って窒化物半導体層を成長させた後に異種基板を除去して、窒化物半導体のみから成る基板としても良い。第1窒化物半導体層の成長後に異種基板を除去する場合、第1窒化物半導体層の膜厚が、70〜500μm、好ましくは100〜300μm、更に好ましくは100〜250μmとなるように形成することが望ましい。この範囲であると研磨して第1の窒化物半導体層のみとしてもクラックが入りにくくハンドリングが容易となり好ましい。また、異種基板を除去すると、素子構造を形成する際に窒化物半導体基板に反りがなくなり、結晶性の良好な素子構造を得ることができる。尚、異種基板の除去は、欠陥分散層又は第2窒化物半導体層の成長後に行っても良い。
【0076】
また、上記実施の形態においては、ELOG成長を2回行う場合についてのみ説明したが、ELOG成長を3回以上行って窒化物半導体基板を構成しても良い。その場合には、上記実施の形態1又は3において用いた原理と同様の原理を、3回目以降のELOG成長層に対して適用することができる。
【0077】
【発明の効果】
本件の第1又は第2発明によれば、ELOG成長を2回行い、2回目のELOG成長の保護膜開口部を、1回目のELOG成長時のパターンに対して特定の位置に配置するため、1回目のELOG成長時に残存していた貫通転位を保護膜によって遮断して、2回目のELOG成長膜中の転位密度を一層低くすることができる。
【0078】
また、本件の第3又は第4発明によれば、ELOG成長を2回行い、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長の間に窒化物半導体層の厚膜成長を行って、1回目のELOG成長時に残っていた欠陥を分散させることにより、より欠陥密度小さな窒化物半導体基板を得ることができる。
【0079】
欠陥分散層によって欠陥を分散・平均化するため、2回目のELOG成長時の保護膜位置は任意となる。したがって、保護膜のストライプ幅と開口部幅の比をより大きく設定して、低欠陥密度領域をより広面積に形成することが可能となる。また、1回目のELOG成長と2回目のELOG成長との厳密な位置合わせが不用となるため、窒化物半導体基板の製造も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体基板を模式的に示す断面図である。
【図2】 図2は、本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体基板を模式的に示す断面図である。
【図3】 図3は、本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体基板を模式的に示す断面図である。
【図4】 図4は、本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体基板を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10、22 異種基板、
14 第1保護膜
18、34 第2保護膜
24 シード結晶、
28、44 保護膜、
16、26 第1窒化物半導体層、
20、30、36、46 第2窒化物半導体層。

Claims (7)

  1. 窒化物半導体と異なる異種基板の上に、
    周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された第1の保護膜と、
    前記第1の保護膜を覆って、基板全面に形成された第1窒化物半導体層と、
    前記第1窒化物半導体層の全面に形成された窒化物半導体から成る欠陥分散層と、
    前記欠陥分散層上に、周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された第2の保護膜と、
    前記第2の保護膜を覆って、基板全面に形成された第2窒化物半導体層とを有する窒化物半導体基板。
  2. 窒化物半導体と異なる異種基板の上に、
    周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された窒化物半導体から成るシード結晶と、
    前記シード結晶を覆って、基板全面に形成された第1窒化物半導体層と、
    前記第1窒化物半導体層の全面に形成された窒化物半導体から成る欠陥分散層と、
    前記欠陥分散層上に、周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成された保護膜と、
    前記保護膜を覆って、基板全面に形成された第2窒化物半導体層とを有する窒化物半導体基板。
  3. 前記欠陥分散層の厚さが、30μm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の窒化物半導体基板。
  4. 前記保護膜が、融点1200℃以上の金属、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及びこれらの多層膜から成る群から選択された1種から成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  5. 窒化物半導体と異なる異種基板の上に、第1の保護膜を周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成する工程と、
    前記第1の保護膜を覆って、基板全面に、第1窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記第1窒化物半導体層の全面に、窒化物半導体から成る欠陥分散層を形成する工程と、
    前記欠陥分散層上に、第2の保護膜を周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成する工程と、
    前記第2の保護膜を覆って、基板全面に、第2窒化物半導体層を形成する工程とを備えた窒化物半導体基板の製造方法。
  6. 窒化物半導体と異なる異種基板の上に、窒化物半導体から成るシード結晶を周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成する工程と、
    前記シード結晶を覆って、基板全面に、第1窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記第1窒化物半導体層の全面に、窒化物半導体から成る欠陥分散層を形成する工程と、
    前記欠陥分散層上に、保護膜を周期的なストライプ状、格子状又は島状に形成する工程と、
    前記保護膜を覆って、基板全面に、第2窒化物半導体層を形成する工程とを備えた窒化物半導体基板の製造方法。
  7. さらに、前記異種基板を除去する工程を備えた請求項5又は6に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
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