JP4385890B2 - 画像処理方法及び周波数成分補償部、当該周波数成分補償部を含む画像処理装置並びに画像処理プログラム - Google Patents
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Description
この3板式のカラーカメラは、入射光をダイクロイックミラー等で赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に色分解し、色分解した光情報を3個の撮像センサによってそれぞれ赤、緑、青のデジタル画像に変換するようにしたものであり、光学系の構造は複雑になるものの高画質の画像を得ることができることから、主に業務用のカラービデオカメラや高級デジタルスチルカメラ等に利用されている。
そして、単板式のカラーカメラにあっては、その構造上、欠落している色成分を予測補間するといった色補間処理が必要となってくるが、この色補間処理の際には、画像全体に対して、いわゆるローパスフィルタ(Low Pass Filter:低域強調フィルタ、以下、適宜「LPF」と略す)等をかけた場合と同様な現象が発生するため、高い空間周波数成分(以下、高周波数成分と略す)がカットされて画像の鮮鋭度あるいはMTF(Modulation Transfer Function:解像度)が低下してしまうといった問題がある。
そのため、このように性能の低いカメラレンズを採用した場合には、前述した色補間処理に加えて、さらにそのカメラレンズを通過することで低下した画像の周波数特性を補償するための処理を行う必要があるが、このような補償回路を新たに設けることは色補間処理との整合性をとるための処理が複雑となるばかりでなく、コストや設置スペースが必要となるため、携帯電話のような限られたスペースやコスト、リソース等の制限が多いカメラ等に適用することは極めて困難である。
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施するようにした画像処理方法であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理することを特徴とするものである。
そこで、本発明では、カメラレンズを通過する際に喪失した高周波数成分と、色補間処理にて失われた高周波数成分とを、その色補間処理後に一括して同時に補償処理するようにしたものであり、これによって、レンズ補償用の処理回路を新たに設ける必要がなくなるため、性能の低いカメラレンズによる周波数特性の低下を効果的に補償しつつ、コストやスペースの増加といった問題を確実に回避することが可能となる。
また、本発明でいう「レンズ」とは、一般的なカメラレンズのように光を収束する機能を有するものだけでなく、透明の保護板のように撮像センサに入射する光を透過することにより、周波数成分を減衰させてしまうような、いわゆる「光通過媒体」の全てを含むものとする(以下の画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、半導体装置においても同じである)。
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施するようにした画像処理方法であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで失われた周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償すべくフィルタリング処理を実施するようにしたことを特徴とするものである。
発明1または2に記載の画像処理方法において、前記周波数成分の補償係数は前記レンズの通過位置に応じて変化する値を利用することを特徴とするものである。
従って、本発明はその高周波数成分の補償係数をカメラレンズの通過位置に応じて設定(変化)するようにしたものであり、これによって、性能の低いカメラレンズによる周波数特性の低下を均一に補償することができる。
発明1または2に記載の画像処理方法において、前記周波数成分の補償係数として、前記レンズの中心から周縁部方向への距離に応じて変化する値を利用することを特徴とするものである。
すなわち、前述したように性能の低いカメラレンズは、レンズ特性がカメラレンズの中心から周縁部方向への距離に応じて大きく変化(劣化)するため、周波数特性の低下もその位置によって大きく変わってくる。
発明1または2に記載の画像処理方法において、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数をその領域毎に設定することを特徴とするものである。
そのため、本発明では画像をカメラレンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記高周波数成分の補償係数をその領域毎に変化させるようにしたものであり、これによって、大量の補償係数を用いる必要がなくなって限定した数の補償係数のみで処理を実現することができる。なお、その領域の分割数は、一般に4〜7程度あれば視覚的に十分な補償画面を得ることができる。
発明1または2に記載の画像処理方法において、前記画像を複数のブロックに分割し、前記高周波数成分の補償係数をそのブロック毎に設定するようにしたことを特徴とするものである。
これによって、補償係数を距離によって逐次計算、または保持する必要がなくなり、限定した数の補償係数のみで処理を実現することができる。
発明1〜6のいずれかに記載の画像処理方法において、前記画像中のエッジ部を判別し、そのエッジ部に対して前記周波数成分の補償処理を実施することを特徴とするものである。
すなわち、前述したように、性能の低いカメラレンズのレンズ特性は、一般に周辺にいくほど劣化することから補償処理も周辺にいくほど強くする必要があるため、画像の平坦部においては撮像センサ等に起因するノイズも増幅されて画像の滑らかさが失われる可能性がある。
発明1〜7のいずれかに記載の画像処理方法において、前記色補間処理後の画像の輝度信号に対して前記高周波数成分の補償処理を実施することを特徴とするものである。
発明1〜8のいずれかに記載の画像処理方法において、前記周波数成分の補償処理は、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うことを特徴とするものである。
これによって、レンズ中心からの距離またはxy座標のみで決定する補償係数を用いることができるため、処理を単純にすることができる。また、視覚的にも十分な補償結果を得ることができる。
レンズを介して取り込んだ画像に対して所定の画像処理を施して出力する画像処理装置であって、前記レンズを通過してきた画像を取り込む撮像センサと、前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、前記色補間処理後の画像に対して前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償すべくフィルタリング処理を実施する周波数成分補償部と、前記周波数成分補償部で補償処理が実施された画像を出力する画像出力部と、を有することを特徴とするものである。
発明10に記載の画像処理装置において、前記撮像センサが単板式のカラー撮像センサであることを特徴とするものである。
すなわち、前述したように色補間処理は単板式のカラー撮像センサの場合には原則として必ず要求されるため、この単板式の撮像センサを採用した画像処理装置の場合に発明10のような効果をより顕著に発揮することができる。
発明10に記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部は、前記周波数成分の補償係数を前記レンズの通過位置に応じて利用するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、性能の低いカメラレンズによる周波数特性の低下を均一に補償することができる。
発明10に記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部は、前記周波数成分の補償係数として、前記レンズの中心から周縁部方向への距離に応じて変化する値を利用するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、発明4と同様に、性能の低いカメラレンズによる周波数特性の低下を均一に補償することができる。
発明10に記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部は、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数をその領域毎に設定するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、発明5と同様に、大量の補償係数を用いる必要がなくなって限定した数の補償係数のみで処理を実現することができる。
発明10に記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部は、前記画像を複数のブロックに分割し、前記高周波数成分の補償係数をそのブロック毎に設定するになっていることを特徴とするものである。
これによって、発明6と同様に、補償係数を距離によって逐次計算、または保持する必要がなくなり、限定した数の補償係数のみで処理を実現することができる。
発明10〜15に記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部は、前記画像中のエッジ部を判別し、そのエッジ部に対して前記周波数成分の補償処理を実施するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、発明7と同様に、画像の滑らかさを失わずに可視的に必要な領域のみに効果的に補償特性を実現することができる。
発明10〜15に記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部は、前記色補間処理後の画像の輝度信号に対して前記高周波数成分の補償処理を実施することを特徴とするものである。
これによって、発明8と同様に、輝度信号に対して前記周波数成分の補償処理を実施すれば、RGB信号に対して処理を実施するよりも効果的に補償特性を実現することができる。また、輝度信号(Y)にのみ補償処理を実施すれば良いため、処理が簡易になり、視覚的にも十分な結果が得られる。
発明10〜17のいずれかに記載の画像処理装置において、前記周波数成分補償部による前記周波数成分の補償処理は、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性に合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うようになっていることを特徴とするものである。
これによって、発明9と同様に、レンズ中心からの距離またはxy座標のみで決定する補償係数を用いることができるため、処理を単純にすることができる。また、視覚的にも十分な補償結果を得ることができる。
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理プログラムであって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償すべくフィルタリング処理を実施する周波数成分補償機能をコンピュータに実現させることを特徴とするものである。
レンズを介して撮像センサで取り込んだ画像に対して所定の画像処理を施して出力する半導体装置であって、
前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、前記色補間処理後の画像に対して前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と前記色補間処理部での色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施する周波数成分補償部と、を有することを特徴とするものである。
〔発明21〕 発明21の画像処理方法は、
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明22〕 発明22の画像処理方法は、
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明23〕 発明23の画像処理方法は、
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明24〕 発明24の画像処理方法は、
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明25〕 発明25の画像処理方法は、
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする。
〔発明26〕 発明26の画像処理方法は、
レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする。
〔発明27〕 発明27の画像処理方法は、
発明21ないし26のいずれかに記載の画像処理方法において、前記周波数成分の補償係数は、前記レンズの通過位置に応じて変化する値を利用することを特徴とする。
〔発明28〕 発明28の画像処理方法は、
発明21ないし26のいずれかに記載の画像処理方法において、前記周波数成分の補償係数として、前記レンズの中心から周縁部方向への距離に応じて変化する値を利用することを特徴とする。
〔発明29〕 発明29の画像処理方法は、
発明21ないし28のいずれかに記載の画像処理方法において、前記画像中のエッジ部を判別し、そのエッジ部に対して前記周波数成分の補償処理を実施することを特徴とする。
〔発明30〕 発明30の画像処理方法は、
発明21ないし29のいずれかに記載の画像処理方法において、前記色補間処理後の画像の輝度信号に対して前記周波数成分の補償処理を実施することを特徴とする。
〔発明31〕 発明31の周波数成分補償部は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明32〕 発明32の周波数成分補償部は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明33〕 発明33の周波数成分補償部は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明34〕 発明34の周波数成分補償部は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする。
〔発明35〕 発明35の周波数成分補償部は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする。
〔発明36〕 発明36の周波数成分補償部は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする。
〔発明37〕 発明37の画像処理装置は、
レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、発明21ないし26のいずれかに記載の周波数成分補償部と、画像出力部と、を含むことを特徴とする。
〔発明38〕 発明38の画像処理装置は、
発明37に記載の画像処理装置において、前記撮像センサが単板式のカラー撮像センサであることを特徴とする。
〔発明39〕 発明39の画像処理プログラムは、
発明21ないし30のいずれかに記載の画像処理方法を実施する周波数成分補償機能をコンピュータに実現させることを特徴とする。
図1は、本発明に係る画像処理装置100の実施の一形態を示したものである。
図示するように、この画像処理装置100は、任意の被写体を捉えるためのカメラレンズ(以下、単に「レンズ」と称す)10と、このレンズ10を介して通過してきた画像を取り込むための単板式の撮像センサ20と、この撮像センサ20で取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部30と、この色補間処理部30及び前記レンズ10で失われた高周波数成分とを同時に補償処理するための周波数成分補償部40と、この周波数成分補償部40で補償処理が実施された画像を出力する画像出力部50とから主に構成されている。
すなわち、この周波数成分補償部40は、後に詳述するが、前記色補間処理部30における色補間処理後の画像に対して前記レンズ10を通過することで失われた(減衰した)高周波数成分と、前記色補間処理部30での色補間処理にて失われた高周波数成分とを一括して同時に補償すべく高域強調フィルタリング(HPF)処理を実施する機能を提供するものであり、これによって、従来のようにレンズ補償用の処理回路を設ける必要がなくなるため、性能の低いレンズによる周波数特性の低下を効果的に補償しつつ、コストやスペースの増加を確実に回避することが可能となる。
なお、撮像センサを用いた画像処理装置では、他に撮像センサをコントロールするためのブロック(例えば露出制御等)や、色を処理するためのブロック(例えば、オートホワイトバランス)などが必要になることがあるが、本発明にはそれらのブロックは関与するところが少なく、従来の技術などを用いれば構成することができるので、本実施の形態では省略する。
先ず、通常一般的なレンズの周波数通過特性は、前述したようにMTFという定数で定義される。このMTFとは一般的にレンズ10中心からの距離によって変化する係数であり、単位距離内の黒と白のペアの繰り返しラインを撮影し、その黒と白の通過再現特性によって定義される。
同表において、左列欄の「20」、「40」、「60」、「80」は、それぞれ距離1mm内における黒と白のラインペアの本数で表される周波数(Lp/mm)を示したものであり、上行欄の「0」、「0.47」、〜「2.35」は、それぞれのレンズ中心から径方向の距離(像高(mm))を示したものである。また、同表中「S」は、サジタル方向を意味し、「T」はタンジェンタル方向を意味するものである。
例えば、40(Lp/mm)の場合、レンズの中心位置でのタンジェンタル方向のMTFは、「89%」であるが、レンズ中心から0.94mm離れた位置にて再現されるタンジェンタル方向のMTFは「64%」、同じくレンズ中心から1.88mm離れた位置にて再現されるタンジェンタル方向のMTFは「46%」となっている。
このように、レンズのMTFはサジタル方向とタンジェンタル方向の2種類があり、同じ像高でもかなりの差があるため、周波数低下の補償処理はそれぞれの方向毎に行うことが必要となってくる。
そこで、本実施の形態ではこのMTF値として、サジタル・タンジェンタルの2方向の平均値を用いるようにしたものであり、以下の表2は表1で求めたサジタル方向とタンジェンタル方向のMTFの平均を算出した結果である。
図2は、この表2の各数値をグラフ表記したものである。
そして、図3はこの図2の周波数通過特性を周波数軸に変換してグラフ化したものであり、Lp/mmを撮像センサ20の画素の大きさ5.6μmとして周波数軸に置き換えて示したものである。画素距離5.6μmにて再現できる最大周波数をπとして考えると、Lp/mmの周波数変換式は、
f=π/6.25×5.6/80×(Lp/mm)
または、f=π×5.6×((Lp/mm)/1000×2)にて定義できる。
そして、この図3からもわかるように、レンズの周辺にいくほど周波数成分の通過特性が低下し、レンズ端ではかなり低い周波数成分から通過特性が落ちることがわかる。なお、以下の表3は、この図3のオリジナルデータを示したものである。
図示するように、通常の色補間処理は、各画素毎に1つの色しかもたない単板式の撮像センサの画像データから各画素RGBの値をもつデータに変換するために、近傍のセンサ素子出力を用いて各画素がRGBの値をもつように処理し(簡易色変換と呼ぶ)、さらにそのデータを輝度信号(Y)と、色差信号(C)に分割して処理を行っている。
ただし、前述したようにレンズの特性は、レンズ中心からの像高によって変化するため、HPFの係数はレンズ中心からの距離によって変化させる必要がある。
このようにレンズ特性が離散値の周波数特性であるため、連続値からなる色補間フィルタと合成した周波数特性も離散値で得られることになる。その合成した周波数特性を示したのが図6であり、そのオリジナルデータは、以下の表4に示すとおりである。
本実施の形態においては、色補間アルゴリズムにて使用するHPFのフィルタサイズは、3×3の大きさとする。一般に範囲の大きいフィルタを用いるほどより適切に周波数補償が可能であるが、使用する係数が増えるほどフィルタの設計が困難となる。また、実際の使用に関して離散値→連続値への近似などが困難になる。
先ず、前記ではレンズ10と色補間の特性を1次元的に考えてきたので、本発明に係るHPFの設計も1次元で行い、それを2次元に拡張する。
このときの設計基準としては、以下の2つに基準を採用する。
2.レンズ×色補間×設計HPFの結果、通過特性として1.0以上の値がでないようにする。ただし、実際に設計した結果、「1.01」程度までの値は許容することにする。また、「2.24」の位置に関しては高周波部分での有効な補償を実現するため「1.08」としてある。
r≦84 a=0.28+0.001428571×r
84<r≦168 a=0.4
168<r≦252 a=0.4 +0.00047619×(r−168)
252<r≦336 a=0.44+0.00261904×(r−252) …(2)
なお、1次元で「−a 1+2a −a」のフィルタを3×3の2次元のフィルタに拡張すると、以下のようになる。
−a+2a2 (1+2a)2 −a+2a2
a2 −a+2a2 a2 …(3)
そして、このようにして得られた本発明に係る新規フィルタを用いて周波数補償を行った画像を観察した結果、レンズ中心に相当する画像中心部分は従来と同様にクリアな画像が得られ、また、周辺部分は完全にクリアとはいえないものの、ボケた感じの画像をかなり補償できることがわかった。また、後述の実施の形態に示すよう、色補間処理に対する周波数補償とレンズの補償とを別々の補償機能により補正した場合よりも、より高画質な画像を得ることができる。
レンズ10を通過することによってボケた画像は、本来の情報がレンズのLPF効果によって削られている(なくなっている)ことから、完全に元には修復できない一方で、周辺部はHPFの効果が強いので、画像ノイズ・画素バラツキ等も増幅してしまう欠点がある。その結果、平坦部では、画像の滑らかさが失われる問題が発生している。
従来のエッジ強調フィルタとエッジ判定フィルタは、注目する値の重み「1」を付与するかしないかのみで切り替えることができる。従って、エッチ判定フィルタの出力値を用いてエッジ判定を行い、かつその値を注目画素に加算してエッジ強調係数とできる。なお、図9はHPFとエッジ判定フィルタの例を示したものである。
また、中心からの距離で分割するのではなく、画像を縦横の格子で区切って、格子毎に強調係数を決定する方法もある。すなわち、中心からの距離ではその距離を算出するために平方根の計算が必要になるが、格子に分割した判断にすると平方根の計算が必要なくなり、計算に要する処理が容易となる。
図11は、前述した図3で得られているレンズのそれぞれの位置に対して3×3の補償フィルタを想定して補償した結果である。実際には、1次元を想定して設計してあるので3タップのFIRフィルタを施してある。
図7の特性と比較すると、補償の特性が十分に得られていないことがわかる。数値的にいえば、レンズ中央において周波数「2.111」の通過特性を比較すると、本発明方法では、0.747(74.7%)の通過特性が得られているのに対し、図13では0.665(66.5%)の通過特性しか得られない。
なお、以下の表8は、図11に関する具体的な数値データを、また、表9は図13に関する具体的な数値データをそれぞれ示したものである。
Claims (19)
- レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、
前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、
前記補償処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする画像処理方法。 - レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、
前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、
前記フィルタリング処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする画像処理方法。 - レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、
前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、
前記補償処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする画像処理方法。 - レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、
前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、
前記フィルタリング処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする画像処理方法。 - レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、
前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、
前記補償処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする画像処理方法。 - レンズを通過して撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する画像処理方法であって、
前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、
前記フィルタリング処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記周波数成分の補償係数は、前記レンズの通過位置に応じて変化する値を利用することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記周波数成分の補償係数として、前記レンズの中心から周縁部方向への距離に応じて変化する値を利用することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記画像中のエッジ部を判別し、そのエッジ部に対して前記周波数成分の補償処理を実施することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像処理方法において、
前記色補間処理後の画像の輝度信号に対して前記周波数成分の補償処理を実施することを特徴とする画像処理方法。 - レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、
前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする周波数成分補償部。 - レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、
前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記画像を前記レンズの中心から同心円上に複数の領域に分け、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする周波数成分補償部。 - レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、
前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする周波数成分補償部。 - レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、
前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記画像を複数のブロックに分割し、前記周波数成分の補償係数を前記複数の領域毎に設定するものである、ことを特徴とする周波数成分補償部。 - レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、
前記レンズを通過することで減衰した前記画像中の周波数成分と、前記色補間処理にて失われた前記画像中の周波数成分とを、前記色補間処理後に一括して補償処理するものであり、前記補償処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする周波数成分補償部。 - レンズと、撮像センサと、前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、画像出力部と、を含む画像処理装置にさらに含まれる周波数成分補償部であって、
前記色補間処理後の画像に対して、前記レンズを通過することで減衰した周波数成分と、前記色補間処理にて失われた周波数成分とを一括して補償、または一括して補償及びエッジ強調すべくフィルタリング処理を実施するものであり、前記フィルタリング処理が、前記レンズのサジタル方向とタンジェンタル方向との特性を合成し、中心からの距離から決定する一次元の補償係数を用いて行うものである、ことを特徴とする周波数成分補償部。 - レンズと、
撮像センサと、
前記レンズを通過して前記撮像センサで取り込まれた画像に対して色補間処理を実施する色補間処理部と、
請求項11ないし16のいずれか一項に記載の周波数成分補償部と、
画像出力部と、を含む、
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項17に記載の画像処理装置において、
前記撮像センサが単板式のカラー撮像センサであることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の画像処理方法を実施する周波数成分補償機能をコンピュータに実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
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