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JP4386444B2 - 上編地と下編地との間隔を拡大できる三次元立体編物及びその製造方法 - Google Patents
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JP4386444B2 - 上編地と下編地との間隔を拡大できる三次元立体編物及びその製造方法 - Google Patents

上編地と下編地との間隔を拡大できる三次元立体編物及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸でつないだ三次元立体編物で、特に上編地と下編地の間隔を大きくひろげ内部に液体、粉体、気体等を充填して使用する、例えばエアバッグ、ゴムボート、エアマット、ウォーターベット等の基材となる三次元立体編物に関するものである。
三次元立体編物については、二列の編針列を有する経編機を用い、各編針列にて地糸により編地を形成すると共に、これらの編地を連結糸により連結して編成した二面式立体経編地が周知のものとなっている。
このような、三次元立体編物を使用した技術として、特許文献1においては、簡易浴槽を構成する部位に三次元立体編物からなるエアバッグを使用した技術が開示されている。
特許文献2においては、横編機においてエアジャッキやエアバッグなどに用いる気密の袋体を製作するに際し、袋体の補強材として使用することができる編組織と編成方法、編成装置が提案されている。これらの技術は、三次元立体編物の特性を応用したものとして、広く知られている。しかしながら、これら開示された三次元立体編物の編成方法は、二列の針床を介して前後の編地を編成し、前後の編地に対して複数の挿入糸を交互に連結することで、編み上げている。前後の編地間の距離は、二列の針床の間隔によって決まり、編機の機構上90mm程度が限界とされており、しかも、前後の編地間の距離の広い生地は、加工工程で上下編地にズレを生じ、加工難度の高いものであった。また、さらに厚手のクッション体とするためには、三次元立体編物に他のクッション体を何層か重ね合わして使用する技術が特許文献3に開示されている。
特開2001−37662号公報 特開平10−195740号公報 特開2002−325657号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、従来編機を使用して、編地への各種加工時は通常の編地のように加工可能で、上下編地間の距離は編み上がり直後の厚みのままを保持し、最終製品になる段階で上下編地間の距離を飛躍的に広げて使用する、三次元立体編物の編成方法と三次元立体編物を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、上下編地間を繋ぐ連結糸を編地に部分的に挿入して固定する連結糸保持糸として、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有する繊維を使用することと、止め糸は上下編地間を一部連結しない組織で編上げた後、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有する連結糸保持糸を取り除き、止め糸によって上下編地間の距離が保たれる状態にした後、各加工工程を経て、最終製品になる段階で該止め糸の連結をなくすことにより、上下編地間の距離を飛躍的に広げられることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸と止め糸でつないだ三次元立体編物において、前記上編地と下編地の中にあって前記連結糸を部分的に挿入し保持する連結糸保持糸は、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有しており、前記連結糸は地組織に一部編み込まずに前記連結糸保持糸に挿入される組織で編成し、さらに前記止め糸は上編地と下編地とを部分的につないでいることを特徴とする三次元立体編物。
[2]前記立体編物を構成する地糸および前記連結糸は150〜1000デシテックスの合成繊維マルチフィラメントからなり、前記連結糸保持糸が50〜700デシテックスの溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有する繊維からなることに特徴のある前項1記載の三次元立体編物。
[3]前記連結糸保持糸が少なくとも溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で取り除かれ、かつ前記止め糸により上編地と下編地とを部分的につないでいる連結をなくすことにより、互いに離間して配置された上編地と下編地との距離を、連結糸保持糸が取り除かれ、止め糸の連結がなくなる前よりも2倍以上広げられることに特徴のある前項1または2に記載の三次元立体編物
[4]前記連結糸保持糸が50〜700デシテックスの水溶解性繊維からなることに特徴のある前項1乃至3に記載の三次元立体編物。
[5]前記止め糸に張力をかけることにより止め糸を切断し、上編地と下編地とを部分的につないでいる止め糸による連結をなくすことに特徴のある前項1乃至4に記載の三次元立体編物。
[6]互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸と止め糸でつないだ三次元立体編物において、上下編地の中にあって連結糸を保持する連結糸保持糸を溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で取り除くことと、止め糸の連結をなくすことにより、互いに離間して配置された上編地と下編地との距離を、連結糸保持糸が取り除かれ、止め糸の連結がなくなる前よりも2倍以上広げることに特徴のある三次元立体編物の製造方法。
[1]の発明によれば、互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸でつないだ三次元立体編物において、連結糸を保持する連結糸保持糸は、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有する連結糸保持糸からなっており、連結糸は一部地組織に編み込まずに前記連結糸保持糸に挿入される組織で編成しているので、連結糸保持糸が溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で無くなれば、連結糸の一部が保持されないで屈曲したままの状態で上編地と下編地との間でつながりのない形態とすることができる。さらにこの形態は、前記止め糸で上編地と下編地とを部分的につないでいることになるので、全ての加工工程を経て、該止め糸による連結がなくなり上編地と下編地を引き離す方向に力が加われば、前記屈曲した連結糸が伸ばされて上編地と下編地間の距離を広げることができる。
[2]の発明によれば、前記立体編物を構成する地糸および前記連結糸は150〜1000デシテックスの合成繊維マルチフィラメントからなっているので、上編地と下編地は十分な編密度と強度が確保され、連結糸も上下編地を適度な強度で連結することができる。また、前記連結糸保持糸が50〜700デシテックスの溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有する繊維からなるので、例えば温水に通すことによって連結糸保持糸が温水に溶けてなくなり、地糸に編み込まれた連結糸間の屈曲した連結糸の長さ分だけ、止め糸による連結がなくなった時に上編地と下編地の距離が広げられる。
[3]の発明によれば、前記連結糸保持糸を少なくとも溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で取り除くことにより連結糸保持糸と連結糸との連結部が無くなり、前記無くなった連結部の数の連結糸が保持されないで屈曲したままの状態とすることができる。このことにより、上下編地を広げる方向に強い力がかからないかぎり、編み上がりの厚さを維持したままで、各加工工程を経ることができ、好適な加工性を得ることができる。さらに最後の工程で、前記止め糸の上編地と下編地とを部分的につないでいる連結がなくなることにより、上編地と下編地との距離を、連結糸保持糸が取り除かれる前よりも2倍以上広げることができる。
[4]の発明によれば、連結糸保持糸が50〜700デシテックスの水溶解性繊維からなるので水に浸漬することによって簡単に連結糸保持糸を水に溶けてなくすことができる。
[5]の発明によれば、止め糸に張力をかけることにより止め糸を切断でき、上編地と下編地とを部分的につないでいる止め糸の連結をなくすことができるので、地糸に編み込まれた連結糸間の屈曲した長さ分だけ上編地と下編地の距離が広げられる。
[6]の発明によれば、互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸でつないだ三次元立体編物において、上下編地の中にあって、連結糸を保持する連結糸保持糸を、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で取り除き、かつ止め糸の連結をなくすことにより、互いに離間して配置された上編地と下編地との距離を、連結糸保持糸が取り除かれ、止め糸の連結がなくなる前よりも最終的に2倍以上広げられる三次元立体編物の製造方法を提供することができる。
次に、この発明に係る三次元立体編物の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの実施形態の三次元立体編物を模式的に描写したもので、三次元立体編物1は、互いに離間して配置された上編地2と下編地3との間を連結糸4によってつながれている。上編地2と下編地3を構成する編地は、地糸5と連結糸保持糸6によって編まれている。連結糸4は連結糸保持糸6のシンカーループに挿入された編組織7となっている。連結糸保持糸6は、熱をかけたり、温水中を通したりすると、溶解したり分解して無くなってしまう性質を持っている。溶解する連結糸保持糸6のシンカーループに挿入された連結糸7は屈曲してそのままの状態を維持し、溶解しない地糸5に編み込まれた連結糸8は連結点9として上下編地に固定されている。広げるべき上編地2と下編地3との距離は、この溶解しない地糸5に編み込まれた連結点9の間の連結糸の長さによって決まる。
通常、図1の状態で編上げた後、各種加工をしてから上編地と下編地との距離を広げる。図2はこの実施形態の三次元立体編物の連結糸保持糸6を溶解し、止め糸(図示せず)を引き切って、上編地2と下編地3との距離を広げた状態を模式的に描写したものである。
本発明において、連結糸を保持する連結糸保持糸は、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有し、例えば、水溶性ビニロン糸(水酸化ビニルアルコール)、融点の低いポリプロピレン糸、ポリ乳酸糸等を挙げられる。中でも水溶性繊維が扱いやすく好ましい。繊度は50〜700デシテックスであればよい。
上編地2および下編地3は、地糸5と連結糸保持糸6と止め糸(図示せず)によって編まれている。立体編物の組織構造としては、特に限定されるものではなく、上下の地組織は同じ編組織であってもよいし異なる編組織でもよい。例えば、上編地および下編地を鎖組織とし、上下の地組織の間を連結糸と止め糸が編み込みあるいは挿入される組織であればよい。地糸5および連結糸は150〜1000デシテックスの合成繊維マルチフィラメントからなることが好ましい。合成繊維マルチフィラメントとしたのは、広く離間して使用する例えばゴムボートや簡易浴槽等に使用される場合は、強度と耐久性が必要で、また、連結糸保持糸を溶解等するときに十分その加工に耐えられるものである必要があることから、天然繊維等は使用しないほうが好ましい。合成繊維マルチフィラメントとしては、ポリアミド、ポリエステル、ビニロン、アラミド等のマルチフィラメントが好適で、繊維断面としては丸断面でも、扁平もしくは異形断面であってもよい。また、150デシテックスを下回る細い糸では強度が弱くなり好ましくない。1000デシテックスを上回る太い糸では編成が困難となり好ましくない。より好ましくは200〜500デシテックスの合成繊維マルチフィラメントからなることが好ましい。
連結糸保持糸が溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの処理がなされ、連結糸を保持しなくなった後は上編地および下編地に編み込まれた連結糸と止め糸によって上編地および下編地が連結されており、図1の距離を保ったまま次の加工が行なわれる。上編地と下編地の連結は、最終工程で止め糸による連結がなくなった時に上編地と下編地の距離が広げられる。止め糸の繊維の種類としては、特に限定しないが引張強度の弱い糸、あるいは、連結糸保持糸が溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの処理がなされる時に連結糸保持糸ほどに破壊されない程度の、連結糸保持糸より太い、水溶性ビニロン糸(水酸化ビニルアルコール)、融点の低いポリプロピレン糸、ポリ乳酸糸等を挙げられる。引張強度が9.8N/1本以下であれば、上編地および下編地を引き離しながら止め糸を引き切って、図2の状態にすることができる。
本発明に係る編機としては、9〜32ゲージの二列針床を有する編機が好ましい。9ゲージを下回る粗いゲージでは密度が粗く寸法安定性に劣り好ましくない。また、32ゲージを上回る細かいゲージでは糸が細くなり強度が弱くなり好ましくない。より好ましくは18〜28ゲージの二列針床のダブルラッシェル機が好ましい。また編密度としては15〜40コース/インチの密度に編成されるのが好ましい。より好ましくは20〜30コース/インチがよい。
また、図1に示すように、連結糸は地組織に編み込まないで連結糸保持糸のシンカーループに挿入した組織7と、地組織に編み込んだ組織8になっている。図2においてa.b.c.の部分は、連結糸が溶解性の連結糸保持糸のシンカーループに挿入し保持された部分で、熱をかけたり、温水中を通したりして、連結糸保持糸が溶解して無くなり、その後、止め糸(図示せず)を引き切って上下方向に広げた状態を示している。本発明は、連結糸保持糸が溶解して無くなった後、上下方向に力を加えられない限り連結糸4は図1のような屈曲した状態を保ち、最終製品になってから、例えば図2のように内部に空気等の充填物を注入し、止め糸を引き切って上下方向に広げるものである。
このようにして編上げられた生地は、例えばエアーマット用の生地の場合には、まず温水で洗浄して水溶性の連結糸保持糸を溶かし、乾燥機で乾燥し、その後、上編地2および下編地3の外側の面を隠蔽フィルムで遮蔽し、エアーマットの大きさに裁断し、空気が漏れないように周辺部の加工をし、空気を注入しエアーマットを得る。このようにして、安定した圧力分布を示すエアーマットを得ることができる。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
図3に示す編組織により下記仕様による三次元立体編物の生地を得た。
編機:ダブルラッシェル機(22ゲージ/インチ、釜間距離6mm)、ウェール密度:22本/インチ、コース密度25.7本/インチ、表編地の編糸(L1 L2):235dtex/24fナイロンBCFマルチフィラメント、裏編地の編糸(L7 L8):235dtex/24fナイロンBCFマルチフィラメント、連結糸(L5):280dtex/48fポリエステルマルチフィラメント、連結糸保持糸(L3 L6):110dtex/30f水溶解性ビニロン、止め糸(L4):40/2ポリエステル65%レーヨン35%(引張強度9.1N/1本)、表編地の組織:クインズコード、裏編地の組織:クインズコードとし、厚さ6mmの三次元立体編物の生地を得た。次に該立体編物の生地を80℃の温水で30分間ウィンスの洗い工程を経て、150℃3分間乾燥しセット加工した。表編地と裏編地を手で持ち、止め糸を引き切る程度の弱い力で引っ張ったところ、表編地と裏編地の距離を60mmとすることができた。
<実施例2>
図4に示す編組織とした以外は実施例1と同様にして厚さ6mmの三次元立体編物の生地を得、止め糸を引き切る程度の弱い力で引っ張ったところ、表編地と裏編地の距離を80mmとすることができた。
<比較例1>
実施例1において、止め糸(L4)を30/2ポリエステル65%レーヨン35%(引張強度28N/1本)とした以外は実施例1と同様にして厚さ6mmの三次元立体編物の生地を得、止め糸を引き切る程度の弱い力で引っ張ったところ、引き切れずに表編地と裏編地の距離を広げることができなかった。
この発明の一実施形態に係る三次元立体編物の概略断面図である。 図1の三次元立体編物の表編地と裏編地の距離を広げたときの概略断面図である。 この発明の一実施形態に係る三次元立体編物の編組織図である。 この発明の一実施形態に係る三次元立体編物の編組織図である。
符号の説明
1・・・三次元立体編物
2・・・上編地
3・・・下編地
4・・・連結糸
5・・・地糸
6・・・連結糸保持糸
7・・・連結糸がシンカーループに挿入された編組織(シンカーループに挿入された連結糸)
8・・・連結糸が地糸に編み込まれた編組織(地糸に編み込まれた連結糸)
9・・・連結点
L1 L2・・表編地の編糸
L7 L8・・裏編地の編糸
L3 L6・・連結糸保持糸
L4・・止め糸
L5・・連結糸

Claims (6)

  1. 互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸と止め糸でつないだ三次元立体編物において、前記上編地と下編地の中にあって前記連結糸を部分的に挿入し保持する連結糸保持糸は、溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有しており、前記連結糸は地組織に一部編み込まずに前記連結糸保持糸に挿入される組織で編成し、さらに前記止め糸は上編地と下編地とを部分的につないでいることを特徴とする三次元立体編物。
  2. 前記立体編物を構成する地糸および前記連結糸は150〜1000デシテックスの合成繊維マルチフィラメントからなり、前記連結糸保持糸が50〜700デシテックスの溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの性質を有する繊維からなることに特徴のある請求項1記載の三次元立体編物。
  3. 前記連結糸保持糸が少なくとも溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で取り除かれ、かつ前記止め糸により上編地と下編地とを部分的につないでいる連結をなくすことにより、互いに離間して配置された上編地と下編地との距離を、連結糸保持糸が取り除かれ、止め糸の連結がなくなる前よりも2倍以上広げられることに特徴のある請求項1または2に記載の三次元立体編物
  4. 前記連結糸保持糸が50〜700デシテックスの水溶解性繊維からなることに特徴のある請求項1乃至3に記載の三次元立体編物。
  5. 前記止め糸に張力をかけることにより止め糸を切断し、上編地と下編地とを部分的につないでいる止め糸による連結をなくすことに特徴のある請求項1乃至4に記載の三次元立体編物。
  6. 互いに離間して配置された上編地と下編地とを連結糸と止め糸でつないだ三次元立体編物において、上下編地の中にあって連結糸を保持する連結糸保持糸を溶解、溶融、分解、脆化のいずれかの方法で取り除くことと、止め糸の連結をなくすことにより、互いに離間して配置された上編地と下編地との距離を、連結糸保持糸が取り除かれ、止め糸の連結がなくなる前よりも2倍以上広げることに特徴のある三次元立体編物の製造方法。
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