JP4386477B2 - スイッチギヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、母線側導体と負荷側導体とを接離する主回路開閉器の可動電極と、これに操作力を伝達する伝達部材とを、主回路開閉器を収容する真空容器の内部にて連結してあるスイッチギヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
母線からの受電を、各種の負荷機器、他の電気室に配電すべく用いられるスイッチギヤ(閉鎖配電盤)は、母線との接続のための母線側導体、負荷への送電ケーブルとの接続のための負荷側導体等の接続導体と共に、母線側導体と負荷側導体とを接離する主回路開閉器、負荷側導体を接地するための接地開閉器、監視制御に必要な制御機器等の内部機器を、接地金属製の外箱内に適宜に配設して構成されている。
【0003】
このようなスイッチギヤの一種として、10-7Torr前後の高真空に維持された真空容器の内部に大電流の開閉を行う主回路開閉器を収容し、高真空中での大なる絶縁耐力と良好なアークの消弧作用とを利用して前記開閉を安定して行わせるようにしたスイッチギヤがある。
【0004】
図9は、実開昭54−183669号公報に開示されたスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。このスイッチギヤは、その両側を蓋板16,17により閉塞された真空容器15の内部において、一方の蓋板16に支持された母線側導体18と、他方の蓋板17に支持された負荷側導体19とを同軸上にて対向させ、これらの対向端部に固定接点22,23を夫々固設して固定電極を構成すると共に、前記真空容器15の周壁にベローズ25を介して軸長方向への移動可能に操作ロッド24を支持し、この操作ロッド24の先端に固設された橋絡導体26の両側に前記固定接点22,23に各別に対向する可動接点27,28を夫々固設して可動電極を構成し、蓋板16の外側への母線側導体18の延長端を、接続導体20を介して図示しない母線に接続し、また蓋板17の外側への負荷側導体19の延長端を、接続導体21を介して図示しない負荷への送電ケーブルに接続して主回路開閉器を構成してなる。
【0005】
このように構成された主回路開閉器においては、真空容器15の外側にて操作ロッド24を操作して橋絡導体26を移動させ、これの両側の可動接点27,28を固定接点22,23に接離させることにより、母線側導体18と負荷側導体19との間にて開閉動作を行わせることができる。
【0006】
即ち、図中に実線にて示す如く、橋絡導体26の両側の可動接点27,28が固定接点22,23に接触した閉路状態においては、母線からの電流は、接続導体20、母線側導体18、固定接点22及び可動接点27を経て橋絡導体26に流れ、更に可動接点28、固定接点23、負荷側導体19及び接続導体21を経て負荷側に送電される一方、図中に2点鎖線にて示す如く、橋絡導体26両側の可動接点27,28を固定接点22,23から離反せしめた開路状態においては、可動接点27,28と固定接点22,23との間にて前記電流が遮断される。
【0007】
なお真空容器15の内面は、該真空容器15の周壁に取り付けたアークシールド29と、両側の蓋板16,17に夫々立設されたシールド筒30,31とにより覆ってあり、これらにより遮断動作時に主回路アークによって発生する金属蒸気を捉えて、真空容器15の内側に露出する絶縁物への付着を防止する構成としてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如く構成されたスイッチギヤにおいて、操作ロッド24は、真空容器15の外側にて自動操作又は手動操作され、この操作力を橋絡導体26及び可動接点27,28からなる可動電極に伝える操作部材としての作用をなす。従って、操作ロッド24が自動操作される構成においては、操作機構への異常電流の流入による事故の発生を防止するために、また操作ロッド24が手動操作される構成においては、この操作を行う作業者の安全確保のために、前述の如く開閉される主回路電流が操作部材としての操作ロッド24に流入することを防ぐことが必要であり、従来から、操作ロッド24の中途部、即ち、一側の橋絡導体26の取り付け端から、他側の操作端までの間の適宜位置に絶縁体製の連結部材を介装し、前記主回路電流の流入を絶つようにしている。
【0009】
このような連結部材は、真空容器15の内部及び外部に設けることができるが、内部に設けた場合、高真空中での絶縁耐力を利用して短寸の連結部材を使用することができるのに対し、外部に設けた場合、所定の絶縁特性を得るべく絶縁部材の周囲に、六フッ化硫黄等の絶縁ガスにて満たされた絶縁室を設ける等の追加構成が必要となることから、省寸法化されたスイッチギヤを得るためには、前記連結部材を真空容器の内部に設ける方が有利である。
【0010】
しかしながら、真空容器15の内部に連結部材を設けた場合、この連結部材の表面に、共通の真空容器15内に配された主回路開閉器の遮断動作時に主回路アークによって発生する金属蒸気が付着するという問題がある。この金属蒸気は導電性を有することから、連結部材の表面抵抗、及び沿面破壊電圧が低下し、可動電極から操作部材への主回路電流の流入を防ぎ得なくなり、更に、経時的に増量する付着金属により絶縁性が保てなくなり、地絡事故の発生を招来する虞れもあり、製品の信頼性が維持できないという問題があった。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主回路開閉器と共通の真空容器の内部に、可動電極と操作部材とを連結する絶縁体製の連結部材を配した構成において、金属蒸気の付着に伴う絶縁特性の低下を防ぎ、長期に亘って良好な絶縁特性を維持し得るスイッチギヤを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のスイッチギヤは、真空容器の内部において主回路開閉器の可動電極と操作部材とを連結する絶縁体製の連結部材を、絶縁体製の芯材の外側を、該芯材よりも表面粗度の小さい外面を有する絶縁体製の表面材により被覆した層構造を備えて構成したものである。
【0025】
この発明においては、広く用いられている酸化アルミニウムを主成分とする絶縁体製の芯材の表面を、例えば、酸化珪素を主成分とする絶縁体等、芯材として用いたそれよりも表面粗度が小さい絶縁体により被覆して連結部材を構成する。金属蒸気の付着面となる絶縁体の表面粗度が小さいことから、沿面破壊電圧が高く、良好な絶縁特性が得られる。
【0026】
請求項2の発明のスイッチギヤは、真空容器の内部において主回路開閉器の可動電極と操作部材とを連結する絶縁体製の連結部材と主回路開閉器との間に、真空容器内側の金属部分との接触を絶ち、真空容器の一部に絶縁支持して遮蔽部材を配し、この遮蔽部材を真空容器の外部の定電位部に接続したものである。
【0027】
この発明においては、真空容器内側の主回路開閉器と連結部材との間に遮蔽部材を配し、主回路アークにより発生する金属蒸気を前記遮蔽部材に付着させ、連結部材への付着を軽減して、この付着に伴う絶縁特性の悪化を防止する。
【0029】
この発明においては、真空容器の一部に絶縁支持された金属製の遮蔽部材を、真空容器外部の定電位部に接続し、接地電位又は負電位に保ち、主回路アークにより発生する金属蒸気をこの遮蔽部材に確実に捉え、連結部材への付着を軽減して、この付着に伴う絶縁特性の悪化を防止する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
参考形態1
図1は、参考形態1のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。このスイッチギヤは、高真空に保たれた真空容器11の内部に、母線側導体3と負荷側導体4との間にて開閉動作を行う主回路開閉器を構成してなる。母線側導体3は、真空容器11の一側の端壁の略中央部を貫通する態様に絶縁体製の支持部材 10aを介して支持され、また負荷側導体4は、真空容器11の周壁の一部を貫通する態様に絶縁体製の支持部材 10bを介して支持されている。
【0031】
真空容器11の他側の端壁には、ベローズ7を介して軸長方向への移動可能に操作ロッド6bが支持されており、真空容器11の内側に延びる操作ロッド6bの端部には、可動電極6aが、絶縁体製の連結部材5を介して後述するように連結してある。可動電極6aの先端は、前記母線側導体3と略同軸上に突き合わせてあり、この可動電極6aの先端部と固定電極としての母線側導体3の先端部とには、固定接点1と可動接点2とが夫々固着されている。
【0032】
真空容器11の周壁に支持された前記負荷側導体4の内側端部は、可撓性を有する接続導体8を介して固定部材9に接続してある。固定部材9は、連結部材5との連結側となる可動電極6aの端部に一体に設けた電極部材6cに接合されている。この負荷側導体4の外側端部は、図示しない負荷への送電ケーブルに接続され、また真空容器11の端壁に支持された前記母線側導体3の外側端部は、図示しない母線に接続されている。
【0033】
真空容器11の他方の端壁に支持された前記操作ロッド6bの外側端部は、図示しない操作機構に連結され、該操作ロッド6bは、前記操作機構の動作に応じて軸長方向に移動せしめられるようになしてあり、この移動が連結部材5を介して可動電極6aに伝えられ、該可動電極6aの先端の可動接点2が固定接点1に接離し、母線側導体3と負荷側導体4との間、即ち、母線と負荷への送電ケーブルとの間にて電流の開閉が行われる。
【0034】
図1は、開路状態を示しており、この状態から操作ロッド6bを、図の左方向に移動させることにより、可動接点2は、連結無部材5及び可動電極6bを介して押圧されて固定接点1に接触して閉路状態が得られる。このとき、図示しない母線からの主回路電流は、母線側導体3、固定接点1及び可動接点2を経て可動電極6aに流れ、更に、固定部材9、接続導体8及び負荷側導体4を経て図示しない送電ケーブルに送電される。
【0035】
一方、この閉路状態において、図の右方向に操作ロッド6bを移動させることにより、連結部材5及び可動電極6bを介して作用する引張力により可動接点2が固定接点1から引き離され、図1に示す開路状態が得られ、母線側導体3から負荷側導体4への主回路電流の流れが遮断される。なお、固定接点1と可動接点2とは真空容器11の内部に配してあり、図示の如く、両接点1,2間に大きく離反させることなく主回路電流の遮断が行われる。
【0036】
図2は、可動電極6aと操作ロッド6bとの連結部分の側断面図である。本図には、図1中に破線により囲って示すA部の構成が示してある。可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5は、前記閉路時に可動電極6aと操作ロッド6bとの間を絶縁し、前記閉路状態において可動電極6aを流れる主回路電流が操作ロッド6bに流入することを防ぐ作用をなすものである。この連結部材5は、図示の如く、可動電極6a及び操作ロッド6bよりも大径の円板状の部材であり、操作ロッド6bとの連結側に、該操作ロッド6bの軸と交叉する方向に所定長張り出す張り出し部が、全周に亘って周設された形状となっている。この張り出し部の張り出し長さは、真空中において必要とされる絶縁沿面長さを超える長さに設定してある。このような連結部材5との連結側となる可動電極6aの端部に一体に設けた電極部材6cは、連結部材5よりも大きく、該連結部材5との対向側に凹部6dを備えている。可動電極6aと連結部材5とは、前記凹部6dに連結部材5を内包する態様に接合された構成となっている。
【0037】
前述の如く構成されたスイッチギヤにおいて、主回路電流の遮断のために可動接点2を固定接点1から引き離す際に、これらの接点1,2間にアーク放電が発生し、このアーク内の高温に曝されることにより接点1,2の表面が溶融し、その一部は金属蒸気となり、この金属蒸気及び金属蒸気が寄り集まって形成された液状金属粒子が、接点1,2と周辺部材との間の圧力差、及び前記アークの膨張力の作用により周辺に飛散し、真空容器11内部の各部材に付着する。
【0038】
このような金属蒸気の付着は、可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5の表面にも生じるが、この連結部材5は、前述の如く操作ロッド6bとの連結側に張り出し部を備えており、また可動電極6aの端部の電極部材6cに設けた凹部6dに内包されており、連結部材5の主回路開閉器との対向側が電極部材6cにより覆われ、連結部材5の外周面に空間を隔てて対向する凹部6dの周縁が庇としての作用をなす。従って、連結部材5の外周面、及び連結部材5の操作ロッド6bとの連結側の面、即ち、固定接点1及び可動接点2と対向しない側の面は、前記金属蒸気の付着が少ない清浄な状態に保たれる。
【0039】
連結部材5の大きさは、外周面の幅を加えた張り出し部の張り出し長さが、真空中において必要とされる絶縁沿面長さを超えるように設定する。これにより、可動電極6aと操作ロッド6bとの間には、所望の絶縁沿面長さが、金属蒸気の付着が少なく良好な清浄度にて確保されたこととなり、良好な沿面絶縁特性を長期に亘って維持することができる。従って、連結部材5は、操作ロッド6bへの主回路電流の流入を防ぐという作用を確実に達成することができ、この流入に伴う事故の発生を防止し、信頼性の高いスイッチギヤを提供することが可能となる。
【0041】
次に以上の如きスイッチギヤの製造方法に付いて述べる。このスイッチギヤを構成する各部材は、真空容器11の内部の高真空中にて用いられることから、夫々の形状への加工の後に有機溶剤を用いた脱脂洗浄を行い、表面の清浄度を保った状態で組み立てを行う。固定接点1及び可動接点2は、銅を主成分とする合金を所望の形状に加工し、これら夫々を無酸素銅製の母線側導体3と可動電極6aとに接合し、また可動電極6aの中途部には、前記固定部材9を接合する。なおこれらの接合部には、主回路電流を損失なく導通させ得ること、また開閉動作に耐え得る強度を有することが要求されることから、ろう付け、溶接、ねじ止め等の接合手段を採用する。
【0042】
更に可動電極6aの他側端部には、電極部材6cの凹部6dに内包した連結部材5を介して操作ロッド6bを接合し、更に、この操作ロッド6bの中途部には、ベローズ7の一縁を接合しておく。連結部材5と可動電極6a及び操作ロッド6bの接合部には、開閉操作力に耐え得る強度が必要であり、絶縁体製の連結部材5の接合面をモリブデンを含む合金によりメタライズ処理し、この処理部と可動電極6a及び操作ロッド6bとをろう付けすることにより高強度での接合を実施する。可動電極6aと電極部材6cとの接合は、ろう付け、溶接又はねじ止めにより実現することができる。また可動電極6aと電極部材6cとは、一体加工品として構成することもできる。
【0043】
一方真空容器11は、複数に分割可能な容器部材により構成し、これらの部材の所定位置に接合された支持部材 10a,10bに母線側導体3及び負荷側導体4を取り付け、また操作ロッド6bの取り付け部にベローズ7の他縁を接合し、更に、可動電極6bの固定部材9と負荷側導体4とに接続導体8の両端部を接合して、最後に、高真空に維持された加熱炉の内部にて各容器部材を接合して構成する。なお真空容器11の材料としては、ステンレス鋼等の真空部材向けの金属を用いる。
【0044】
真空容器11を構成する容器部材への支持部材 10a,10bの接合、及びベローズ7の接合は、連結部材5におけると同様、支持部材 10a,10b及びベローズ7の接合面をメタライズ処理し、この処理部と容器部材とをろう付けすることにより実現する。なおこの接合においては、接合強度よりも高い密閉度が得られることが要求されることから、ろう材を厚めに塗布してろう付けを実施する。また接続導体8の両端の接合は、主回路電流を損失なく導通させると共に、可動電極6bの変位に追随した接続導体8の変形により負荷側導体4に発生する応力を軽減することを目的として、ねじ止めにより接合するのが望ましい。
【0045】
以下本発明の他の参考形態及び実施の形態について夫々の図面を参照して説明する。なお図3〜図6には、図2と同様、本発明の特徴部分となる連結部材5の近傍、即ち、図1中に破線により囲って示すA部の構成が示してあり、図示しない他の部分の構成及び動作は、図1と同様であり、これらの説明は省略する。
【0049】
参考形態2
図3は、参考形態2のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。このスイッチギヤにおいては、図2の参考形態におけると同様に、連結部材5との連結側となる可動電極6aの端部に、連結部材5よりも大きく、先端側に凹部6dを備える電極部材6cが一体的に接合されていると共に、連結部材5の操作ロッド6bとの連結側端面にも凹部5aが設けてあり、可動電極6aと連結部材5とが、前記凹部6dに連結部材5を内包する態様に接合され、更に連結部材5と操作ロッド6bとが、前記凹部5aに操作ロッド6bの端部を内包する態様に接合された構成となっている。
【0050】
この構成によれば、連結部材5の主回路開閉器との対向側が電極部材6cにより覆われ、前記凹部6dの周縁が庇としての作用をなすから、連結部材5の周面、及び操作ロッド6bとの連結側端面への金属蒸気の付着が抑制され、これらの面が清浄に保たれる上、連結部材5に設けた凹部5aの内面に沿った長さが絶縁沿面距離となるから、小径の連結部材5を用いることができる。なおこの実施の形態においても、可動電極6aと電極部材6cとを一体加工品として構成できる。
【0051】
参考形態3
図4は、参考形態3のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。このスイッチギヤにおいては、可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5が、図示の如く、円柱体の外周に軸長方向に並設された複数の張り出し部5b,5c,5dを備えた構成となっている。連結部材5は、図2の参考形態と同様、可動電極6aの端部に設けた凹部(図示せず)に内包させてある。
【0052】
この構成によれば、複数の張り出し部5b,5c,5dの夫々の操作ロッド6bとの連結側の面が、主回路アークによって発生する金属蒸気の付着が少ない清浄な面として残り、これらの面により十分な絶縁沿面距離が確保され、長期に亘って良好な絶縁特性が得られる。
【0053】
参考形態4
図5は、参考形態4のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。このスイッチギヤにおいて可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5は、可動電極6a及び操作ロッド6bと略同径の円柱形の部材として構成されており、この連結部材5の外側に環状をなす絶縁物を接合して、軸長方向に並設された複数の張り出し部5e,5fが形成されている。張り出し部5e,5fを有する連結部材5は、図2の参考形態と同様、可動電極6aの端部に設けた凹部(図示せず)に内包させてある。
【0054】
この構成によれば、複数の張り出し部5e,5fの夫々の操作ロッド6bとの連結側の面が、主回路アークによって発生する金属蒸気の付着が少ない清浄な面として残り、これらの面により十分な絶縁沿面距離が確保され、長期に亘って良好な絶縁特性が得られると共に、前記張り出し部5e,5fが、連結部材5と別部材により構成されるから、簡素な形状を有する部材の組み合わせにより所望の効果が得られる。なお、張り出し部5e,5fを形成する絶縁物と連結部材5との接合部には高い強度は不要であり、この接合は、接着等の適宜の手段により実現し得る。
【0055】
実施の形態1
図6は、本発明に係るスイッチギヤの実施の形態1の要部の構成を示す側断面図である。このスイッチギヤにおいて可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5は、可動電極6a及び操作ロッド6bと略同径の円柱形の部材として構成されており、該連結部材5は、図中に一部を破断して示す如く、芯材5gの外側に表面材5hを被覆し、層構造を有して構成されている。
【0056】
芯材5gは、酸化アルミニウム(アルミナ)を主成分とする絶縁物であり、また表面材5hは、例えば、酸化珪素を主成分とする絶縁物等、芯材5gを構成するアルミナよりも粗度が小さい緻密な表面を有する絶縁物により、1mm以下の厚さを有して形成されている。
【0057】
この構成によれば、主回路アークによって発生する金属蒸気は連結部材5の表面材5hに付着することになり、この表面材5hは、前述の如く表面粗度が小さい絶縁体であり、沿面破壊電圧が高く、また内部からのガス放出量も少ない。従って、操作ロッド6bへの主回路電流の流入を有効に抑制することができ、良好な絶縁特性が得られる。また、表面材5hの粗度が小さいことから、製造時にこれの表面に付着した汚損物質を容易に除去することができ、製造に伴う表面汚損の復元が確実に行なえる。これにより、製造段階における不良品の発生率を低下させ、信頼性の高いスイッチギヤを得ることができるという付加的な効果が得られる。
【0058】
実施の形態2
図7は、本発明に係るスイッチギヤの実施の形態2の要部の構成を示す側断面図である。本図においては、図3〜図6と異なり、図1と略同一の範囲の構成が示されているが、連結部材5の周辺、即ち、図中に破線により囲ったB部以外の各部材の構成は、図1に示すスイッチギヤと同じであり、同一又は相当する部品に共通の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
このスイッチギヤの特徴的な構成は、可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5と、可動電極6aの移動によって開閉される主回路開閉器との間に、連結部材5の外側を囲う態様に遮蔽部材14が配してあるところにある。この遮蔽部材14は、主回路開閉器との対向側を縮径せしめた薄肉の円筒体であり、支持ロッド13を介して真空容器11の周壁に支持され、該真空容器11の内側の金属部分との直接的な接触を絶って配してある。
【0060】
この構成によれば、主回路アークによって発生して連結部材5に向かう金属蒸気は、該連結部材5への到達前に遮蔽部材14に捉えられることとなり、金属蒸気の付着に伴う連結部材5の沿面耐圧特性の経時的な低下を有効に抑制することができる。なお前記遮蔽部材14は、導体製又は絶縁体製のいずれであってもよいが、絶縁体製とした場合、高電位に保たれた可動電極6bとの離隔距離を小さくすることができ、前記金属蒸気の捕捉をより効果的に行なわせることができる。
【0061】
実施の形態3
図8は、本発明に係るスイッチギヤの実施の形態3の要部の構成を示す側断面図である。本図は、図7における前記B部の構成が示してあり、図示しない他の部分の構成は図7と同様であり、これらの説明は省略する。
【0062】
このスイッチギヤは、図7におけると同様に、可動電極6aと操作ロッド6bとを連結する連結部材5と、可動電極6aの移動によって開閉される主回路開閉器との間に、連結部材5の外側を囲う態様に遮蔽部材14が、真空容器11の内側の金属部分との接触を絶って配してある。この遮蔽部材14を支持する支持ロッド13は、真空容器11の周壁に固設された絶縁体製の支持部材 10cを貫通して外部に延長してあり、この延長端は、図示の如くに接地されている。
【0063】
この構成によれば、主回路アークによって発生して連結部材5に向かう金属蒸気は、該連結部材5への到達前に遮蔽部材14に捉えられる。このとき遮蔽部材14は、前記支持ロッド13を介して接地電位に維持されている一方、主回路アークによって発生する金属蒸気の一部は、一般的に正の電位を有してイオン化した状態にあり、この金属蒸気は、接地電位に保たれた遮蔽部材14に引き寄せられ、これの表面に確実に捉えられる。従って、遮蔽部材14により囲われた連結部材5への金属蒸気の付着量をより効果的に低減することができ、沿面耐圧特性の経時的な低下を有効に抑制することができる。なお、この実施の形態においては、支持ロッド13を介して遮蔽部材14を接地した構成について述べたが、支持ロッド13を介して負の電位を有する定電位部に接続してもよく、この場合、イオン化した金属蒸気を、更に効果的に捕捉することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1の発明に係るスイッチギヤにおいては、可動電極と操作部材とを連結する絶縁体製の連結部材を、芯材の外側を該芯材よりも表面粗度の小さい外面を有する絶縁体製の表面材により被覆して連結部材を構成したから、連結部材の金属蒸気の付着面となる絶縁体の表面粗度が小さく、沿面破壊電圧が高く、良好な絶縁特性が得られ、長期に亘って良好な絶縁特性を維持することが可能となり、主回路電流の操作部材への流入を確実に防止して、高い信頼性を得ることができる。
【0071】
また請求項2の発明に係るスイッチギヤにおいては、連結部材と主回路開閉器との間に、真空容器内側の金属部分との接触を絶って遮蔽部材を配したから、主回路アークにより発生する金属蒸気を遮蔽部材に捉え、連結部材への付着を軽減することができ、この付着に伴う絶縁特性の悪化を抑制して、長期に亘って良好な絶縁特性を維持することができ、主回路電流の操作部材への流入を確実に防止することが可能となる。
【0072】
更に請求項2の発明に係るスイッチギヤにおいては、遮蔽部材を真空容器の外部の定電位部に接続し、接地電位又は負電位に保つ構成としたから、主回路アークにより発生する金属蒸気をこの遮蔽部材に一層確実に捉えることができ、連結部材への付着を軽減して、この付着に伴う絶縁特性の悪化をより有効に防止することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考形態1のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。
【図2】 図1のスイッチギヤにおける可動電極と操作ロッドとの連結部分の側断面図である。
【図3】 参考形態2のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。
【図4】 参考形態3のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。
【図5】 参考形態4のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。
【図6】 本発明に係るスイッチギヤの実施の形態1の要部の構成を示す側断面図である。
【図7】 本発明に係るスイッチギヤの実施の形態2の要部の構成を示す側断面図である。
【図8】 本発明に係るスイッチギヤの実施の形態3の要部の構成を示す側断面図である。
【図9】 従来のスイッチギヤの要部の構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 固定接点、2 可動接点、3 母線側導体、4 負荷側導体、5 連結部材、5a 凹部、5b〜5f 張り出し部、5g 芯材、5h 表面材、6a 可動電極、
6b 操作ロッド、6c 電極部材、6d 凹部、14 遮蔽部材。
Claims (2)
- 固定電極に対する可動電極の接離により母線側導体と負荷側導体とを開閉する主回路開閉器と、可動電極に前記接離のための操作力を伝える操作部材と、該操作部材と前記可動電極とを連結する絶縁体製の連結部材とを共通の真空容器の内部に備えてなり、連結部材は、絶縁体製の芯材の外側を、該芯材よりも表面粗度の小さい外面を有する絶縁体製の表面材により被覆した層構造を備えることを特徴とするスイッチギヤ。
- 固定電極に対する可動電極の接離により母線側導体と負荷側導体とを開閉する主回路開閉器と、可動電極に前記接離のための操作力を伝える操作部材と、該操作部材と前記可動電極とを連結する絶縁体製の連結部材とを共通の真空容器の内部に備えてなり、前記主回路開閉器と連結部材との間に、前記真空容器内側の金属部分との接触を絶って配してあり、前記真空容器の一部に固設された絶縁物で支持され、該真空容器の外部の定電位部に接続された遮蔽部材を備えることを特徴とするスイッチギヤ。
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| JP07994098A JP4386477B2 (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | スイッチギヤ |
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