JP4387693B2 - 旋削加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にメッキ層を有する工作物の旋削加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋盤で外周を加工する工作物の代表的なものとして、例えば印刷用のロールがある。こうしたロールは、新しく製造する場合の他、使用により表面が劣化した場合にも、ロールの劣化した表面を微少量削り取るために、一般に旋盤を用いて旋削加工によるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷ロールなどのロールには外周表面にメッキ層を設けたものが多く使用されている。このメッキ層を有するロールを旋削加工すると、メッキとロールの接着性が比較的弱いため、旋削に伴い切削部のメッキ層がはがれ、このはがれたメッキ層に引っ張られるように未加工部位のメッキ層までもがはがれてしまい、このはがれたメッキ層が帯状になってしまうことがある。このようにして形成された帯状のメッキ層は、ロールやロールを支持するチャックなどに巻き付いて正常な機械の動作を妨げたり、ロールの未旋削部や旋削工具などの旋盤内の部位、ロールの旋削加工を施した後の部位に触れ、特にロールの旋削加工を施した後の部位に触れる場合には、その表面に傷を付けてしまうなどの問題点を有していた。
【0004】
これを避けるため、従来は旋削加工を施す前にメッキ層をはがす工程を設けざるを得ず、作業工程、設備などがかかることにより、コストが高くなる、再使用までの期間が長くなるなどの問題点を有していた。
【0005】
尚、出願人はメッキ層を有する工作物の旋削加工について特許文献1などを調査したが、上述の問題点に関するものは見つからなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−202401号公報
【0007】
本発明は従来の技術の有する上述の問題点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、メッキ層を有するロールを事前処理することなく旋削加工して表面性状を回復させることのできる旋削加工装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために本発明の旋削加工装置は、外周にメッキ層を有する工作物の旋削加工装置であって、切削工具を保持する部位に、工作物と切削工具との接触点近傍の工作物の未加工部を押圧する押圧手段を設け、前記押圧手段は、前記切削工具に隣接し該切削工具の移動方向前方に配置されて前記未加工部に向け流体を噴出する複数のノズルを備え、該ノズルが開口する前記押圧手段の前記未加工部側表面は、前記未加工部の外径よりも大きい弧となって、該未加工部との間に隙間を有することを特徴とするものである。この場合、流体としては切削液を用いるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態の一例について図面に基づき説明する。図1は本発明を適用し旋盤にてロールを加工している状態を示す模式図であって、旋盤のベッド(図示せず)上に図示しない主軸台、心押台が設けられ、それぞれに回転可能にチャック1、心押センタ2が取り付けられ、このチャック1及び心押センタ2によりロール8が支持されている。ベッド(図示せず)上にはロールの回転軸線に平行及び直角な方向に移動可能に刃物台3が設けられ、刃物台3にはタレット4が回転可能に保持されている。タレットの端面及び外周には複数のホルダ5が取り付けられており、ホルダ5にはロールに旋削加工を施すための切削工具であるバイト6が固定されている。この状態でバイト6をロール8に接触させて図中の矢印方向に刃物台を移動させることにより、ロール表面を旋削加工する。尚、これまで述べた点は従来より実施されている旋盤によるロール加工を異なるところはない。
【0010】
ロールを加工するためのバイト6が固定されたホルダ5には、旋削加工時にロール8の未加工部8aを押圧する押圧手段7がバイト6の移動方向前方に隣接して取り付けられている。
【0011】
この押圧手段7について図2、図3に基づき説明する。図2は押圧手段7の主要構成を示す平面図、図3は押圧手段7を反バイト側から見た側面図である。図2において、押圧手段7はボルト9によりホルダ5に固定されている。押圧手段7のロール側表面7aには複数のノズル10が設けられており、刃物台3又はタレット4を介して供給される切削液(図示せず)が管11を経由し押圧手段7内を通りノズル10よりロール8に向けて吐出されるようになっている。ここで、バイト6と押圧手段のロール側表面7aとの間隔は極力小さいのが好ましい。
【0012】
押圧手段7のロール側表面7aは図3に示すように、ロール外径より僅かに大きい弧となっており、弧の曲率は、ロール8の未加工部8aの外径との隙間が例えば1mm程度になるなど極力小さくするのが好ましい。
【0013】
続いて本発明による旋削加工について説明する。外周に未加工部を有するロール8をチャック1と心押センタ2により支持させ、図示しない主軸の回転によりチャック1を介してロール8を回転させる。そして、刃物台3をバイト6がロール8の未加工部分に接触するように位置決めするとともに、切削液を刃物台3側から供給し、管11を経由して押圧手段7のノズル10より吐出させる。
続いて刃物台3を図1の矢印方向に移動させることにより、ロール8の未加工部8aを旋削加工する。
【0014】
この旋削加工時、ロール8の未加工部8a表面のメッキ層は、切削点でロールから剥離し、この剥離が未加工部8aに伝わろうとするが、ノズル10から吐出された切削液が未加工部8aのメッキ層を押圧するため、未加工部8aのメッキ層がはがれることがない。
【0015】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、切削液とは別の流体を用いても良いし、ノズル10の形状、個数、押圧手段のロール側表面7aの形状、寸法などは適宜変更可能である。また、本発明は印刷用ロールの旋削に限定されるものではなく、表面にメッキ層を有する工作物であれば適用可能である。その他本発明の主旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1の発明によれば、ロール表面にメッキ層を有したままの状態で旋削加工が可能となるので、メッキ層をはがすための前工程が不要となり、加工時においてもはがれたメッキ層が加工済みの表面に傷を付けたり、機械に巻き付いて加工の妨げとなることがなくなる。これによりロールの旋削にかかる時間を短縮できるので、時間・設備に伴うコストを低減することができる。
【0017】
さらに、本発明の請求項1の発明によれば、押圧に流体を用いるので、機械的な接触による押圧とは異なり、容易に押圧の程度を調整可能な構成を、簡易な装置で実現することが可能となる。
【0018】
本発明の請求項2の発明によれば、流体として切削液を用いるので、切削点の冷却や潤滑のために従来より旋盤に設けられている切削液ポンプやポンプから刃物台、タレットまでの切削液経路をそのまま流用することができ、専用の流体供給手段を設ける必要がないので、安価かつ簡易な構成で実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用し旋盤にてロールを加工している状態を示す模式図
【図2】 押圧手段7の主要構成を示す平面図
【図3】 押圧手段7を反バイト側から見た側面図
【符号の説明】
1・・チャック、2・・心押センタ、3・・刃物台、4・・タレット、5・・ホルダ、6・・バイト、7・・押圧手段、7a・・押圧手段のロール側表面、8・・ロール、8a・・ロール外周の未加工部、8b・・ロール外周の加工済み部、9・・ボルト、10・・ノズル、11・・管
Claims (2)
- 外周にメッキ層を有する工作物の旋削加工装置であって、切削工具を保持する部位に、工作物と切削工具との接触点近傍の工作物の未加工部を押圧する押圧手段を設け、
前記押圧手段は、前記切削工具に隣接し該切削工具の移動方向前方に配置されて前記未加工部に向け流体を噴出する複数のノズルを備え、該ノズルが開口する前記押圧手段の前記未加工部側表面は、前記未加工部の外径よりも大きい弧となって、該未加工部との間に隙間を有することを特徴とする旋削加工装置。 - 前記流体が切削液である請求項1記載の旋削加工装置。
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