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JP4388191B2 - 電源切替装置 - Google Patents
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JP4388191B2 - 電源切替装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に電力を供給する交流電源を2つの電源の間で切り替える電源切替装置に関し、例えば、負荷に電力を供給する電源を商用電源と自家用発電設備との間で切り替える電源切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コジェネレーション等の自家用発電設備を有する需要家(以下「自家発需要家」という)において、図11に示すように昼間は自家用発電設備から、夜間は商用電源から電力を負荷に供給するために、負荷に電力を供給する電源(以下「電力供給源」という)を自家用発電設備と商用電源との間で切り替える電源切替装置が使用されている。この電源切替装置は、負荷への電力の供給を停止することなく、かつ、2つの電源が同時に負荷に接続される状態すなわち2つの電源間でのオーバラップ(以下「電源オーバラップ」という)を生じさせることなく、電力供給源を切り替えることが要求される。
【0003】
図12は、上記のように負荷への電力供給の停止も電源オーバラップも招くことなく2つの電源の間で電力供給源を切り替える従来の電源切替装置の概略構成を示すブロック図である。この電源切替装置6は、負荷7へ電力を供給する電源を第1の電源1と第2の電源2との間で切り替えるものであって、第1の開閉部61および第2の開閉部62という2つの開閉部と、制御装置64とを備えている。第1の開閉部61の一端は第1の電源1に、第2の開閉部62の一端は第2の電源2にそれぞれ接続され、第1および第2の開閉部61,62の他端は互いに接続されかつ負荷7に接続されている。制御装置64は、負荷への電力供給の停止も電源オーバラップも招くことなく第1および第2の電源1,2の間で電力供給源を切り替えるべく、第1および第2の開閉部61,62を相反的に開閉させる。
【0004】
一般に電源切替装置は、スイッチの形式により半導体式と機械式とハイブリッド式とに分類される。半導体式ではサイリスタなどの半導体スイッチにより開閉部が構成され、機械式では機械式の開閉器により開閉部が構成され、ハイブリッド式では半導体スイッチと機械式開閉器との組み合わせにより開閉部が構成される。ところで、電源オーバラップを回避しつつ電力供給源を切り替えようとすると、その切替の際に、負荷がいずれの電源からも瞬間的に切り離された状態(以下「瞬断状態」という)となる。この瞬断状態の期間が長いと負荷への供給電圧の低下が許容範囲を越えて負荷に影響を及ぼす。半導体式やハイブリッド式の電源切替装置では、電源切替時における瞬断状態の期間(以下「切替時間」という)はマイクロ秒のオーダであるため、通常、電源切替によって負荷へ影響が及ぶことはない。しかし、半導体スイッチはON時の抵抗が大きいため、半導体式やハイブリッド式の電源切替装置は効率の点で機械式の電源切替装置に比べ劣っている。これに対し機械式の電源切替装置は、効率の点で有利ではあるが、下記に述べるように、電源切替時における瞬断状態の期間である切替時間が長くなる(例えば20ms程度になる)という問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
機械式の開閉器では、閉極状態において交流電流が流れているときに遮断指令を受けると、その交流電流がゼロとなる時点(以下「電流ゼロ点」という)で開極状態となる。従来の一般的な機械式開閉器では、閉極状態において遮断指令を受け取ってから接触子が機械的に離れた状態となるまでの時間(「開極時間」と呼ばれる)が長いため(通常50ms以上、すなわち60Hz電源における3サイクル以上)、開極状態となる電流ゼロ点を特定することができない。ところで、電源切替時に電源オーバラップを回避するには、機械式の電源切替装置における2つの開閉器のうち閉極状態にあった開閉器(以下「閉状態開閉器」という)が開極状態になった後に他方の開閉器である開極状態にあった開閉器(以下「開状態開閉器」という)が閉極状態になるようにしなければならない。したがって、電源切替装置において従来の一般的な機械式開閉器を用いた場合には、切替指令を受けてから開状態開閉器に閉極動作を開始させるまでの時間を長くしなければならない。その結果、電源切替時における瞬断状態の期間(切替時間)も長くなり(例えば20ms)、電源切替によって負荷が影響を受ける。
【0006】
そこで本発明では、電源オーバラップを回避しつつ、かつ、負荷に影響を与えるような長い切替時間を生じさせることなく、交流電源を切り替えることのできる機械式の電源切替装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、負荷に電力を供給する交流電源を切替指令に応じて第1および第2の電源の間で切り換える電源切替装置であって、
前記第1の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第1の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第1の開閉器と、
前記第2の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第2の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第2の開閉器と、
前記切替指令を受け取り、前記第1および第2の電源の前記負荷へ同時接続が回避されるように、前記切替指令に応じて前記第1および第2の開閉器を相反的に開閉させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記切替指令を受け取ると、前記第1および第2の開閉器のうち閉極状態にある閉状態開閉器に直ちに開極動作を開始させるとともに、前記第1および第2の開閉器のうち開極状態にある開状態開閉器に、前記閉状態開閉器の開極動作の完了後であって当該開極動作の完了時点から予め決められた切替時間だけ経過する前に当該開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を開始させることを特徴とする。
【0008】
上記第1の発明によれば、機械式の電源切替装置により切替指令に応じて2つの交流電源の間で電力供給源が切り換えられ、この電源切替の際に開状態開閉器は、閉状態開閉器の開極動作の完了後であって当該開極動作の完了時点から予め決められた切替時間だけ経過する前に、閉極動作を完了する。ところで後述のように、電源切替において切替時間(瞬断状態の期間)が10ms以下であれば、負荷の種類を問わず負荷に影響が及ばないことが知られている。また、上記第1の発明における第1および第2の開閉器の開極時間は電流ゼロ点間隔よりも短いため、切替指令を受け取ってから前記開極動作の完了時点までの時間(開極動作時間)の変動幅は電流ゼロ点間隔であり、電流ゼロ点間隔は、第1および第2の電源として例えば60Hzの3相交流電源を想定した場合、約2.8msである。したがって、負荷に影響が及ばないような短い切替時間を設定したとしても、開極動作時間の変動に拘わらず、閉状態開閉器の開極動作の完了後であって当該開極動作の完了時点からその切替時間だけ経過する前に開状態開閉器の閉極動作が完了するように開状態開閉器に閉極動作を開始させることが可能である。よって、上記第1の発明において、負荷の種類に応じて切替時間を適切に設定することにより(負荷の種類が限定されない場合は10ms以下に設定)、電源オーバラップを回避しつつ、電源切替による負荷への影響を抑えることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記制御手段が前記切替指令を受け取った受取時点から前記開極動作の完了時点までの時間間隔である開極動作時間の最小値として最短開極動作時間を定義し、かつ当該開極動作時間の最大値として最長開極動作時間を定義するものとすると、前記制御手段は、前記切替指令の前記受取時点から前記最長開極動作時間だけ経過した後であって前記切替指令の前記受取時点から前記最短開極動作時間と前記切替時間との和の時間だけ経過する前に前記開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を前記開状態開閉器に開始させることを特徴とする。
【0010】
上記第2の発明によれば、切替指令の受取時点から最長開極動作時間だけ経過した後であって、切替指令の受取時点から最短開極動作時間と切替時間との和の時間だけ経過する前に、前記開状態開閉器の閉極動作が完了する。このため、負荷の種類に応じて切替時間を適切に設定することにより(負荷の種類が限定されない場合は10ms以下に設定)、開極動作時間の変動に拘わらず、電源オーバラップを回避しつつ、電源切替による負荷への影響を抑えることができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、
前記制御手段が前記切替指令を受け取った受取時点から前記開極動作の完了時点までの時間間隔である開極動作時間の最大値として最長開極動作時間を定義するものとすると、前記制御手段は、前記切替指令の前記受取時点から前記最長開極動作時間だけ経過した直後の期間であって前記切替時間と前記電流ゼロ点間隔との差に相当する期間に前記開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を前記開状態開閉器に開始させることを特徴とする。
【0012】
上記第3の発明によれば、前記切替指令の前記受取時点から前記最長開極動作時間だけ経過した直後の期間であって前記切替時間と前記電流ゼロ点間隔との差に相当する期間に前記開状態開閉器の閉極動作が完了する。そして上記第3の発明では、第1および第2の開閉器の開極時間は電流ゼロ点間隔よりも短いため、開極動作時間の変動幅は電流ゼロ点間隔である。したがって、負荷の種類に応じて切替時間を適切に設定することにより(負荷の種類が限定されない場合は10ms以下に設定)、開極動作時間の変動に拘わらず、電源オーバラップを回避しつつ、電源切替による負荷への影響を抑えることができる。
【0013】
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかにおいて、
前記第1および第2の電源は、周波数が60Hzの3相交流電源であり、
前記制御手段は、前記切替指令を受け取ってから6.8ミリ秒に前記閉状態開閉器の開極時間を加算した時間だけ経過した後であって、前記切替指令を受け取ってから4.0ミリ秒に前記閉状態開閉器の開極時間および前記切替時間を加算した時間だけ経過する前に、前記開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を前記開状態開閉器に開始させることを特徴とする。
【0014】
上記第4の発明では、第1および第2の電源は周波数が60Hzの3相交流電源であるため、電流ゼロ点間隔は約2.8msである。また、機械式の開閉器である高速度3相遮断器において3相交流電源を遮断すると、1相目のバルブが開極してから約4ms後には残りの2相のバルブが開極状態となっていることが、後述の実験結果よって検証されている。したがって、開極動作時間は、最長で"開極時間+2.8+4"[ms]であり、最短で"開極時間+4"[ms]である。これに対応して上記第4の発明では、切替指令を受け取ってから6.8ミリ秒に開極時間を加算した時間だけ経過した後であって、切替指令を受け取ってから4ミリ秒に開極時間および切替時間を加算した時間だけ経過する前に、開状態開閉器の閉極動作が完了するように構成されている。したがって、上記第4の発明によれば、負荷の種類に応じて切替時間を適切に設定することにより(負荷の種類が限定されない場合は10ms以下に設定)、開極動作時間の変動に拘わらず、電源オーバラップを回避しつつ、電源切替による負荷への影響を抑えることができる。
【0015】
第5の発明は、負荷に電力を供給する交流電源を切替指令に応じて第1および第2の電源の間で切り換える電源切替装置であって、
前記第1の電源と前記負荷との間に挿入された機械式の第1の開閉器と、
前記第2の電源と前記負荷との間に挿入された機械式の第2の開閉器と、
前記切替指令を受け取り、前記第1および第2の電源の前記負荷へ同時接続が回避されるように、前記切替指令に応じて前記第1および第2の開閉器を相反的に開閉させる制御手段と、
前記第1および第2の開閉器のうち閉極状態にある閉状態開閉器が開極動作を開始したときに当該開極動作の完了を検出する検出手段と、
を備え、
前記第1および第2の開閉器の閉極動作時間は、予め決められた切替時間よりも短く、
前記制御手段は、前記切替指令を受け取ると、前記第1および第2の開閉器のうち閉状態開閉器に直ちに開極動作を開始させ、当該開極動作の完了が前記検出手段によって検出された時点で、前記第1および第2の開閉器のうち開極状態にある開状態開閉器に閉極動作を開始させることを特徴とする。
【0016】
上記第5の発明によれば、機械式の電源切替装置により切替指令に応じて2つの交流電源の間で電力供給源が切り換えられ、この電源切替の際に開状態開閉器は、閉状態開閉器の開極動作の完了が前記検出手段によって検出された時点で閉極動を開始する。そして上記第5の発明における第1および第2の開閉器の閉極動作時間は、予め決められた切替時間よりも短い。よって、上記第5の発明において、負荷の種類に応じて切替時間を適切に設定し(負荷の種類が限定されない場合は10ms以下に設定)、その設定に応じた閉極動作時間を有する開閉器を使用することにより、開極動作時間の変動に拘わらず、電源オーバラップを回避しつつ、電源切替による負荷への影響を抑えることができる。
【0017】
第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかにおいて、
前記切替時間は10ミリ秒以下であることを特徴とする。
【0018】
後述のように、電源切替において切替時間(瞬断状態の期間)が10ms以下であれば、負荷の種類を問わず負荷に影響が及ばないことが知られている。したがって、上記第5の発明によれば、電源オーバラップを回避しつつ、負荷の種類を問わず電源切替による負荷への影響を抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
<基礎検討>
まず、本発明の実施形態に係る電源切替装置を実現するための基礎検討について説明する。
【0020】
(1)切替時間
電気共同研究会(社団法人)より平成2年7月18日に発行された「電気協同研究」第46巻第3号において瞬時電圧低下対策専門委員会による論文“瞬時電圧低下対策”が公表されており、ここには、各種負荷機器の瞬時電圧低下の影響例を示す図3が開示されている。図3によれば、いずれの負荷機器についても、電圧低下の継続時間が10ms(0.01秒)以下であれば、電圧低下の程度によらずその電圧低下は負荷に影響しないことがわかる。したがって、電源切替装置による電源切替時の瞬断状態の期間すなわち切替時間が10ms以下であれば、その電源切替は負荷には影響を及ぼさない。
【0021】
(2)開極時間と開極動作時間
前述のように、従来の一般的な機械式開閉器では、開極時間が長いため(通常50ms以上)、閉極状態において遮断指令を受けてから開極状態(電気的に閉じた状態)になるまでの時間である開極動作時間が確定しなかった。しかし、近年、3相3台の真空バルブのそれぞれに電磁反発装置が付加され、開極時間の非常に短い3相一括形の交流遮断器が開発されている。このような高速度3相遮断器は、例えば特開平9−180600号公報に開示されており、その開極時間は1ms程度であって従来に比べ大幅に短縮されている。ところで、例えば60Hzの3相交流の場合、図4に示すように、1サイクルの間隔は1s/60Hz=0.0166…[s]すなわち約16.7msであり、電流ゼロ点間隔は1s/60Hz/3相/2=0.00277…[s]すなわち約2.8msである。したがって、上記の高速度3相遮断器の開極時間は電流ゼロ点間隔に比べて十分に短い。このように開極時間が電流ゼロ点間隔よりも短い開閉器(遮断器)では、上記従来の一般的な機械式開閉器とは異なり、開極動作時間が確定する。
【0022】
すなわち、開極時間が電流ゼロ点間隔よりも短い開閉器では、図5に示すように、遮断指令を受けた時点からその時点以降の直近の電流ゼロ点までの時間が開極時間よりも長い場合(時点Aで遮断指令を受けた場合)には、その直近の電流ゼロ点C01で開極状態となる。ただし図5では、直近の電流ゼロ点C01よりも開極時間だけ前の時点をT1としている。また、遮断指令を受けた時点からその時点以降の直近の電流ゼロ点までの時間が開極時間よりも短い場合(時点Bで遮断指令を受けた場合)には、その直近の電流ゼロ点C01で開極状態とはならないが、その直近の電流ゼロ点の次の電流ゼロ点C02で必ず開極状態となる。したがって、遮断指令の時点が決まれば開極動作時間が確定する。しかし、図5からわかるように、開極動作時間は、遮断指令を受けた時点と電流ゼロ点との時間的関係によって変動し、電流ゼロ点から開極時間だけ前の時点T1の直前に遮断指令を受け取った場合に最短となり、その時点T1の直後に遮断指令を受け取った場合に最長となる。そして開極動作時間は、最短で開極時間に等しく、最長で開極時間と電流ゼロ点間隔との和に相当する時間となる。したがって、開極時間が電流ゼロ点間隔よりも短い機械式開閉器では、開極動作時間の変動幅は電流ゼロ点間隔となる。
【0023】
なお、図5は、単相の交流電源に対する機械式開閉器(または3相遮断器を構成する1つのバルブ)について開極動作のタイミングを示したものであるが、3相3台のバルブを含む3相遮断器において遮断指令を受けた後にいずれか1相のバルブが開極状態となるときのタイミングも同様である。すなわち、遮断指令を受けた時点からその時点以降の直近の電流ゼロ点までの時間が開極時間よりも長い場合には、その直近の電流ゼロ点で3相のうちいずれか1相のバルブが開極状態となる。一方、遮断指令を受けた時点からその時点以降の直近の電流ゼロ点までの時間が開極時間よりも短い場合には、その直近の電流ゼロ点では3相のバルブはいずれも開極状態とはならず、その直近の電流ゼロ点の次の電流ゼロ点で3相のうちいずれか1相のバルブが開極状態となる。そして、遮断指令を受けてから3相のうちいずれか1相のバルブが開極状態となるまでの時間の変動幅は、上記と同様、電流ゼロ点間隔である。
【0024】
(3)電源切替の制御方法
上記のように、開極時間が電流ゼロ点間隔よりも短い機械式開閉器を用いると、開極動作時間が確定する。しかし、この開極動作時間は、切替指令の時点に依存し、電流ゼロ点間隔に相当する変動幅を有している。したがって、上記のような機械式の高速度3相遮断器を用いた電源切替装置によって電源を切り替える際において負荷に影響を与えないようにするには、この開極動作時間の変動を考慮した上で、切替時間が10ms以下となるようにその高速度3相遮断器の開閉を制御しなければならない。
【0025】
図6は、このための電源切替の制御方法を示すタイミング図であって、この図では、負荷に電力を供給する電源を2つの3相交流電源の間で切り替える場合が想定されている。また、電源切替装置における2つの機械式開閉器として共に高速度3相遮断器が使用され、各3相遮断器は3相交流の各相に対応する3つのバルブを含んでおり、それらの開極時間は1msであって、その3相交流の電流ゼロ点間隔よりも短いものとする。以下では、その3相交流の周波数は60Hzであって電流ゼロ点間隔は2.8msであるものとして、電源切替の制御方法を説明する。
【0026】
電源切替装置は、切替指令を受け取ると、その内部の2つの開閉器のうち閉状態開閉器に直ちに遮断指令を出して開極動作を開始させる。この閉状態開閉器の開極動作時間は、前述のように、電流ゼロ点から開極時間(1ms)だけ前の時点(図5に示された時点T1)の直後に遮断指令(切替指令)を受け取った場合に最長となり、電流ゼロ点から開極時間だけ前の時点(時点T1)の直前に遮断指令(切替指令)を受け取った場合に最短となる。なお、3相交流電源を切り替える場合には、電源装置における各開閉器は3個のバルブを含むが、以下において、このような開閉器については、それら3個のバルブの全てが電気的に開いている状態(電気的に遮断されている状態)を開極状態または開状態といい、それら3個のバルブの全てが電気的に閉じている状態を閉極状態または閉状態というものとする。また、このような開閉器における開極動作時間とは、閉状態において遮断指令(切替指令)を受け取ってから3個のバルブの全てが電気的に開いた状態となるまでの時間をいうものとする。
【0027】
開極動作時間が最長となる場合(以下「最長ケース」という)では、切替指令を受け取った時点以降の直近の電流ゼロ点(以下「切替指令後1つ目の電流ゼロ点」という)では閉状態開閉器における3台のバルブはいずれも閉極状態のままであり、その次の電流ゼロ点(以下「切替指令後2つ目の電流ゼロ点」という)で3相のうちいずれか1相のバルブ(以下「1相目のバルブ」という)が開極する(図5参照)。すなわち、切替指令を受け取ってから1+2.8=3.8[ms]後に1相目のバルブが開極する。これに対し、開極動作時間が最短となる場合(以下「最短ケース」という)では、切替指令後1つ目の電流ゼロ点で3相のうちいずれか1相のバルブ(1相目のバルブ)が開極する。すなわち、切替指令を受け取ってから1ms(開極時間)後に1相目のバルブが開極する。いずれのケースにおいても、1相目のバルブの開極後における電源電流は1相が欠相状態となって残りの2相の波形が歪み、1相目のバルブが開極してから約4ms後に残りの2相のバルブが開極する。このことは実験により検証されている。
【0028】
図7はこの実験の結果を示している。この実験で使用された試験回路の構成は図8に示す通りであって、電源切替装置に使用される2個の機械式開閉器のうちの一方の開閉器(第1開閉器)を構成する3個のバルブは、この試験回路における3個の供試器Bt1,Bt3,Bt5に相当し、他方の開閉器(第2開閉器)を構成する3個のバルブは、この試験回路における他の3個の供試器Bt2,Bt4,Bt6に相当する。実際の電源切替装置ではこれら2つの開閉器に異なる電源が接続されるが、この試験回路では商用電源が第1および第2開閉器の双方に保護遮断器Bb1,Bb2および短絡変圧器Tr1,Tr2を介して接続されている。そして、この実験では、上記の2つの機械式開閉器として、開極時間が1.5ms以下であって定格操作電圧(100V)における開極時間が1.0msの高速度3相遮断器が使用されている。図7(a)に示したA相、B相、C相の電圧は、図8に示した試験回路において電圧測定用分圧器Deによって測定されるA相、B相、C相の対地電圧VA 、VB 、VC にそれぞれ相当し、図7(b)に示したA相、B相、C相の電流は、図8に示した試験回路において電流測定用変流器CTによって測定されるA相、B相、C相の負荷電流にそれぞれ相当する。この実験における試験条件は下記の通りである。なお下記において、試験電圧は負荷側の線間電圧であり、試験電流は各負荷リアクトルLを流れる電流(負荷電流)、操作電圧は制御装置の電圧である。
(1)試験電圧: 6.6kV
(2)試験電流: 600A
(3)試験周波数:60Hz
(4)操作電圧: AC100V
上記のように試験電圧(線間電圧)は6.6kVで、試験電流は600Aであるので、各相の対地電圧は6.6/31/2=3.8kVであり、負荷リアクトル容量は(各相の対地電圧)×(各相の試験電流)×3=(6.6/31/2)×600×3=6859kVAである。以上の試験条件の下、図7(b)に示すように、“切替指令が出されると、B相の電流が遮断されてから3.8ms後にA相およびC相の電流が遮断される”という結果が得られている。これは、“遮断指令を受け取った開閉器では1相目のバルブが開極してから約4ms後に残りの2相のバルブが開極する”ことを示している。
【0029】
上記のようにして、最長ケースでは切替指令を受けてから3.8+4=7.8[ms]後に閉状態開閉器の開極動作が完了し、最短ケースでは切替指令を受けてから1+4=5[ms]後に閉状態開閉器の開極動作が完了する。最短ケースと最長ケースとを比較すると、開極動作時間(切替指令を受け取ってから閉状態開閉器における3相のバルブの全てが開極状態となるまでの時間)は、2.8[ms]すなわち電流ゼロ点間隔だけ異なる。このように開極動作時間が変動しても電源切替によって負荷に影響が及ばないようにするには、図6に示されているように、最短ケースにおいて閉状態開閉器の開極動作が完了する時点Tsから、許容される切替時間の最大値(以下「許容最大切替時間」という)である10msだけ経過した時点Tcまでに、他方の開閉器である開状態開閉器が閉極動作を完了するようにしなければならない。また、上記のように開極動作時間が変動しても電源オーバラップが生じないようにするには、最長ケースにおいて閉状態開閉器の開極動作が完了する時点TL以降に他方の開閉器である開状態開閉器が閉極動作を完了するようにしなければならない。したがって、開極動作時間に変動に拘わらず本発明の目的を達成するためには、最長ケースにおいて閉状態開閉器の開極動作が完了する時点TL以降であって、最短ケースにおいて閉状態開閉器の開極動作が完了する時点Tsから許容最大切替時間(10ms)だけ経過した時点Tcよりも前に、開状態開閉器が閉極動作を完了するようにしなければならない。
【0030】
そこで本制御方法では、切替指令を受け取ってから7.8msだけ経過した時点TLと切替指令を受け取ってから5+10=15msだけ経過した時点Tcとの間に開状態開閉器が閉極動作を完了するように、開状態開閉器に閉極動作を開始させる。具体的には、電源切替装置における開閉器の閉極動作時間が例えば12msの場合には、切替指令を受けた時点と切替指令後3ms(=15−12[ms])経過した時点との間に、開状態開閉器に閉極動作を開始させればよい。また、閉極動作時間が例えば8msの場合には、切替指令を受けた時点と切替指令後7ms(=15−8[ms])経過した時点との間に、開状態開閉器に閉極動作を開始させればよい。さらに、閉極動作時間が例えば6msの場合には、切替指令後1.8ms(=7.8−6[ms])経過した時点と切替指令後9ms(=15−6[ms])経過した時点との間に、開状態開閉器に閉極動作を開始させればよい。なお、開状態開閉器の閉極動作を開始すべき期間を上記の期間よりも更に限定してもよい。このような限定により、切替時間を短縮して負荷への影響をより確実に抑え、電源オーバラップをより確実に回避することが可能となる。
【0031】
<実施形態>
以下、本発明の各実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、両電源101,102は、周波数が60Hzの3相交流電源であるものとする。
【0032】
<1.第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電源切替装置の構成を示す図である。この電源切替装置100は、負荷120に電力を供給する電源(電力供給源)を外部から与えられる切替信号Sswに応じて2つの3相交流電源の間で切り替える装置であって、図1に示した例では、コジェネレーション等の自家用発電設備101と商用電源102との間で電力供給源を切り替える。図1に示すように、この電源切替装置100は、2つの機械式開閉器すなわち第1の開閉器10および第2の開閉器20と、制御装置110とを備えている。
【0033】
第1および第2の開閉器10,20は、前述の高速度3相遮断器であって、共に、開極時間は1ms、閉極動作時間は10±2[ms]である。第1の開閉器10は、3相交流の各相にそれぞれが対応する3個の真空バルブ11,12,13を有しており、これらは電磁反発力によって開極する。第2の開閉器20も、同様の構成であって、電磁反発力によって開極する3個の真空バルブ21,22,23を有している。
【0034】
制御装置110には、切替指令を示す切替信号Sswが電源切替装置100の外部(例えば外部の切替スイッチ)から供給される。制御装置110は、その切替信号Sswに基づき、第1の開閉器10に第1の開閉制御信号Sc1を、第2の開閉器20に第2の開閉制御信号Sc2を、それぞれ供給する。第1および第2の開閉制御信号Sc1,Sc2は、遮断指令および開極指令を示す信号であって、第1の開閉制御信号Sc1は第1の開閉器10の開閉(3個の真空バルブ11〜13の開閉)を指示し、第2の開閉制御信号Sc2は、第2の開閉器20の開閉(3個の真空バルブ21〜23の開閉)を指示する。ここで第1の開閉器10に開極動作を開始させる際にはLレベルの第1の開閉制御信号Sc1が供給され、第1の開閉器10が開状態(遮断状態)となった後も第1の開閉制御信号Sc1はLレベルのままとなる。一方、第1の開閉器10に閉極動作を開始させる際にはHレベルの第1の開閉制御信号Sc1が供給され、第1の開閉器10が閉状態となった後も第1の開閉制御信号Sc1はHレベルのままとなる。このように第1の開閉制御信号Sc1の論理レベルは、第1の開閉器10の開閉状態(開状態か閉状態か)に対応している。第2の開閉制御信号Sc2も同様に、第2の開閉器20の開閉状態(開状態か閉状態か)に対応している。この電源切替装置100は、切替信号Sswによって切替指令を受け取ると、第1および第2の開閉制御信号Sc1,Sc2で第1および第2の開閉器10,20の開閉を制御することにより、負荷120へ電力を供給する電源を切り換える。
【0035】
次に、上記のように構成された第1の実施形態に係る電源切替装置100の制御動作の詳細を図2を参照しつつ説明する。図2は、自家用発電設備101と商用電源102のいずれか一方から負荷120に電力が供給されている状態において、本実施形態の電源切替装置100が切替指令を受けたときの制御装置110の動作を示している。
【0036】
電源切替装置100が切替指令を受け取ると、制御装置110は以下のように動作する。まず、第1および第2の開閉器10,20のいずれか一方または双方の開閉状態(開状態か閉状態か)を、第1および第2の開閉制御信号Sc1,Sc2の論理レベル(HレベルかLレベルか)により判定する(ステップS10,S30)。
【0037】
ステップS10において第1の開閉器10が開状態であると判定された場合、および、ステップS30において第2の開閉器20が閉状態であると判定された場合には、第1の開閉器10には閉極動作を、第2の開閉器20には開極動作を開始させる(ステップ20)。このときの開極動作および閉極動作の開始タイミングは次の通りである。
【0038】
すなわち、切替指令を受け取ると、Lレベルの第2の開閉制御信号Sc2を第2の開閉器20に供給することにより、第2の開閉器20に直ちに開極動作を開始させる(ステップS26)。これにより、図6に示したように、最長で7.8ms後、最短で5ms後に、第2の開閉器20の開極動作が完了する。一方、第1の開閉器10に対しては、切替指令を受け取るとタイマーをスタートさせて所定時間Twだけ待機した後に、Hレベルの第1の開閉制御信号Sc1を供給することにより閉極動作を開始させる(ステップS22,S23)。ここで、待機する所定時間(以下「待機時間」という)Twを適切に設定することにより、図6に示したように、最長ケースにおいて第2の開閉器20(閉状態開閉器)の開極動作が完了する時点TL以降であって、最短ケースにおいて第2の開閉器20の開極動作が完了する時点Tsから許容最大切替時間(10ms)だけ経過した時点Tcよりも前に、第1の開閉器10(開状態開閉器)が閉極動作を完了するようにしている。すなわち、本実施形態では両電源101,102の周波数は60Hzであり、第1および第2の開閉器10,20の開極時間は1msであるので、切替指令後7.8ms経過した時点TLと切替指令後15ms経過した時点Tcとの間に開状態開閉器が閉極動作を完了するように、開状態開閉器に閉極動作を開始させるべく上記の待機時間Twを設定している。
【0039】
具体的には、第1および第2の開閉器10,20の閉極動作時間を10±2msであることを考慮し、1〜3msの範囲から選択された適切な値を待機時間Twとして設定している。例えば、この待機時間Twを1msと設定した場合には、切替指令を受け取ってから最短で1+(10−2)=9[ms]後、最長で1+(10+2)=13[ms]後に、第1の開閉器10の閉極動作が完了する。また、この待機時間Twを3msと設定した場合には、切替指令を受け取ってから最短で3+(10−2)=11[ms]後、最長で3+(10+2)=15[ms]後に、第1の開閉器10の閉極動作が完了する。
【0040】
一方、ステップS10において第1の開閉器10が開状態ではないと判定された場合、および、ステップS30において第2の開閉器20が閉状態ではないと判定された場合には、第1の開閉器10は閉状態にあり、第2の開閉器20は開状態にあるので、第1の開閉器10には開極動作を、第2の開閉器20には閉極動作を開始させる(ステップS40)。このときの開極動作および閉極動作の開始タイミングは、第1の開閉器10と第2の開閉器20とを入れ替えれば前述のステップS20の場合と同様である。すなわち、切替指令を受け取ると、閉状態にある第1の開閉器10に直ちに開極動作を開始させる(ステップS42)。一方、開状態にある第2の開閉器20に対しては、切替指令を受け取るとタイマーをスタートさせて、1ms〜3msの範囲から選択された適切な所定時間Twだけ待機した後に、閉極動作を開始させる(ステップS46,S47)。
【0041】
以上のように本実施形態では、開極時間が電源の電流ゼロ点間隔よりも短い開閉器が使用されているため、開極動作時間の変動幅は電流ゼロ点間隔(2.8ms)である。そして、切替指令を受け取ると、第1および第2の開閉器10,20のうち閉状態開閉器は直ちに開極動作を開始し、開状態開閉器は、切替指令を受け取ってから1〜3msの間の適切な待機時間Twだけ経過した時点で閉極動作を開始する。その結果、切替指令後7.8ms経過した時点TLと切替指令後15ms経過した時点Tcとの間に開状態開閉器が閉極動作を完了する。これは、最長ケースにおいて閉状態開閉器が開極動作を完了する後であって、最短ケースにおいて閉状態開閉器が開極動作を完了する時点から許容最大切替時間(10ms)だけ経過する前までに、開状態開閉器の閉極動作が完了することを意味する。したがって、本実施形態によれば、電源オーバラップが回避され、電源切替によって負荷が影響されることもない。
【0042】
<2.第2の実施形態>
図9は、本発明の第2の実施形態に係る電源切替装置の構成を示す図である。この電源切替装置200は、第1の実施形態と同様、負荷120に電力を供給する電源(電力供給源)を、外部から与えられる切替信号Sswに応じて、2つの3相交流電源である自家用発電設備101と商用電源102との間で切り替える装置である。この電源切替装置200の構成要素のうち第1の実施形態に係る電源装置(図1)おける構成要素と同一のものについては同一の符号を付して説明を省略する。ただし、本実施形態における第1および第2の開閉器10,20の閉極動作時間は、10ms以下であるものとする。以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態について説明する。
【0043】
本実施形態の電源切替装置200は、第1および第2の開閉器10,20の開極動作の完了を電圧低下に基づいて検出するための電圧検知器30を備えており、電圧検知器30は、第1および第2の開閉器10,20のいずれかが開極動作を完了したか否かを示す検出信号Sdを出力する。本実施形態における制御装置210は、第1の実施形態とは異なり、切替信号Sswとともに電圧検知器30からの検出信号Sdに基づいて第1および第2の開閉制御信号Sc1,Sc2を生成し、これらを第1および第2の開閉器10,20にそれぞれ供給する。
【0044】
次に、上記のように構成された第2の実施形態に係る電源切替装置の制御動作の詳細を図10を参照しつつ説明する。図10は、自家用発電設備101と商用電源102のいずれか一方から負荷120に電力が供給されている状態において、本実施形態の電源切替装置200が切替指令を受けたときの制御装置210の動作を示している。図10におけるステップのうち図2におけるステップと同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。以下では、本実施形態における制御装置210の動作のうち第1の実施形態における制御装置110の動作と相違する部分を中心に説明する。
【0045】
ステップS50は、第1の開閉器10が開状態にあって第2の開閉器20が閉状態にある場合において切替指令を受けたときの制御装置210の動作を示している。この場合、切替指令を受け取ると、Lレベルの第2の開閉制御信号Sc2を第2の開閉器20に供給することにより、第2の開閉器20に直ちに開極動作を開始させる(ステップS56)。一方、第1の開閉器10に対しては、電圧検知器30からの検出信号Sdに基づき第2の開閉器20の開極動作の完了が検出されるまで待機した後に、Hレベルの第1の開閉制御信号Sc1を供給することにより閉極動作を開始させる(ステップS52,S53)。本実施形態における第1の開閉器10の閉極動作時間は10ms以下であるため、第1の開閉器10は、第2の開閉器20の開極動作が完了してから最大許容切替時間(10ms)が経過する前に閉極動作を完了する。
【0046】
ステップS60は、第1の開閉器10が閉状態にあって第2の開閉器20が開状態にある場合において切替指令を受けたときの制御装置210の動作を示している。この場合の制御装置210の動作は、第1の開閉器10と第2の開閉器20とを入れ替えれば前述のステップS50の場合と同様である。すなわち、切替指令を受け取ると、第1の開閉器10に直ちに開極動作を開始させる(ステップS72)。一方、第2の開閉器20に対しては、電圧検知器30からの検出信号Sdに基づき第1の開閉器0の開極動作の完了が検知されるまで待機した後に閉極動作を開始させる(ステップS76,S77)。したがって、第2の開閉器20の閉極動作時間は10ms以下であるため、この場合も、第2の開閉器20は、第1の開閉器10の開極動作が完了してから最大許容切替時間(10ms)が経過する前に閉極動作を完了する。
【0047】
以上のようにして本実施形態では、切替指令を受け取ると、第1および第2の開閉器10,20のうち閉状態開閉器は直ちに開極動作を開始し、開状態開閉器は、閉状態開閉器の開極動作の完了を電圧検知器30で検出した時点で閉極動作を開始する。そして本実施形態における第1および第2の開閉器の閉極動作時間は10ms以下であるため、閉状態開閉器の開極動作が実際に完了した時点とその時点から最大許容切替時間(10ms)だけ経過した時点との間に開状態開閉器が閉極動作を完了する。したがって、本実施形態によれば、電源オーバラップが回避され、電源切替によって負荷が影響されることもない。
【0048】
なお、本実施形態では、電源切替に際に、閉状態開閉器の開極動作の完了が検出されてから開状態開閉器の閉極動作が開始されるため、開極動作時間が確定する必要はない。したがって、第1の実施形態とは異なり、第1および第2の開閉器10,20の開極時間は電流ゼロ点間隔よりも長くてもよい。
【0049】
<3.変形例>
上記の第1および第2の実施形態では、切り換えるべき電源の周波数は60Hzであるとしているが、電源の周波数が50Hzの場合であっても、上記の第1および第2の実施形態と同様の構成の電源切替装置が実現可能であり、同様の効果が得られる。すなわち、電源の周波数が50Hzの場合であっても、第1の実施形態と同様、電源の切替の際に、最長ケースにおいて閉状態開閉器が開極動作を完了する後であって、最短ケースにおいて閉状態開閉器が開極動作を完了する時点から許容最大切替時間(10ms)だけ経過する前までに、開状態開閉器の閉極動作を完了させるような構成が実現可能である。また、電源の周波数が50Hzの場合であっても、第2の実施形態と同様、電源の切替の際に、閉状態開閉器の開極動作の完了を検出した後であって、その完了の検出時点から最大許容切替時間(10ms)だけ経過する前までに、開状態開閉器の閉極動作を完了させるような構成が実現可能である。
【0050】
また、上記の第1および第2の実施形態では、負荷120の種類に拘わらず電源切替が負荷120に影響を及ぼさないようにするために最大許容切替時間を10msとしているが、負荷120の種類が限定されている場合には、そのような負荷120が電源切替によって影響されないような最大許容切替時間として10ms以上の値を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電源切替装置の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る電源切替装置が切替指令を受けたときの制御装置の動作を示すフローチャート。
【図3】各種負荷機器の瞬時電圧低下の影響例を示す図。
【図4】3相交流電源における電流ゼロ点間隔を示す図。
【図5】開極時間が電源の電流ゼロ点間隔よりも短い機械式開閉器の開極動作を説明するための図。
【図6】第1の実施形態における電源切替の制御方法を説明するためのタイミング図。
【図7】第1の実施形態において使用される開閉器である機械式の高速度3相遮断器によって3相交流電源を遮断したときの実験結果である電圧および電流の変化を示す図。
【図8】図7に示す実験結果を得るために使用した試験回路の構成を示す回路図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る電源切替装置の構成を示すブロック図。
【図10】第2の実施形態に係る電源切替装置が切替指令を受けたときの制御装置の動作を示すフローチャート。
【図11】電源切替装置の使用例を示す図。
【図12】従来の電源切替装置の概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
10 …第1の開閉器(機械式の高速度3相遮断器)
20 …第2の開閉器(機械式の高速度3相遮断器)
30 …電圧検知器
11〜13 …真空バルブ
21〜23 …真空バルブ
100…電源切替装置
101…自家用発電設備
102…商用電源
110…制御装置
120…負荷
200…電源切替装置
210…制御装置
Ssw …切替信号
Sc1 …第1の開閉制御信号
Sc2 …第2の開閉制御信号

Claims (5)

  1. 負荷に電力を供給する交流電源を切替指令に応じて第1および第2の電源の間で切り換える電源切替装置であって、
    前記第1の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第1の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第1の開閉器と、
    前記第2の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第2の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第2の開閉器と、
    前記切替指令を受け取り、前記第1および第2の電源の前記負荷へ同時接続が回避されるように、前記切替指令に応じて前記第1および第2の開閉器を相反的に開閉させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記切替指令を受け取ると、前記第1および第2の開閉器のうち閉極状態にある閉状態開閉器に直ちに開極動作を開始させるとともに、前記第1および第2の開閉器のうち開極状態にある開状態開閉器に、前記閉状態開閉器の開極動作の完了後であって当該開極動作の完了時点から予め決められた切替時間だけ経過する前に当該開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を開始させ
    前記制御手段が前記切替指令を受け取った受取時点から前記開極動作の完了時点までの時間間隔である開極動作時間の最小値として最短開極動作時間を定義し、かつ当該開極動作時間の最大値として最長開極動作時間を定義するものとすると、前記制御手段は、前記切替指令の前記受取時点から前記最長開極動作時間だけ経過した後であって前記切替指令の前記受取時点から前記最短開極動作時間と前記切替時間との和の時間だけ経過する前に前記開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を前記開状態開閉器に開始させることを特徴とする、電源切替装置。
  2. 負荷に電力を供給する交流電源を切替指令に応じて第1および第2の電源の間で切り換える電源切替装置であって、
    前記第1の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第1の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第1の開閉器と、
    前記第2の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第2の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第2の開閉器と、
    前記切替指令を受け取り、前記第1および第2の電源の前記負荷へ同時接続が回避されるように、前記切替指令に応じて前記第1および第2の開閉器を相反的に開閉させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記切替指令を受け取ると、前記第1および第2の開閉器のうち閉極状態にある閉状態開閉器に直ちに開極動作を開始させるとともに、前記第1および第2の開閉器のうち開極状態にある開状態開閉器に、前記閉状態開閉器の開極動作の完了後であって当該開極動作の完了時点から予め決められた切替時間だけ経過する前に当該開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を開始させ
    前記制御手段が前記切替指令を受け取った受取時点から前記開極動作の完了時点までの時間間隔である開極動作時間の最大値として最長開極動作時間を定義するものとすると、前記制御手段は、前記切替指令の前記受取時点から前記最長開極動作時間だけ経過した直後の期間であって前記切替時間と前記電流ゼロ点間隔との差に相当する期間に前記開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を前記開状態開閉器に開始させることを特徴とする、電源切替装置。
  3. 負荷に電力を供給する交流電源を切替指令に応じて第1および第2の電源の間で切り換える電源切替装置であって、
    前記第1の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第1の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第1の開閉器と、
    前記第2の電源と前記負荷との間に挿入され、閉極状態において前記第2の電源から前記負荷へ流れる電流が零になる電流ゼロ点の時間間隔である電流ゼロ点間隔よりも開極時間が短い機械式の第2の開閉器と、
    前記切替指令を受け取り、前記第1および第2の電源の前記負荷へ同時接続が回避されるように、前記切替指令に応じて前記第1および第2の開閉器を相反的に開閉させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記切替指令を受け取ると、前記第1および第2の開閉器のうち閉極状態にある閉状態開閉器に直ちに開極動作を開始させるとともに、前記第1および第2の開閉器のうち開極状態にある開状態開閉器に、前記閉状態開閉器の開極動作の完了後であって当該開極動作の完了時点から予め決められた切替時間だけ経過する前に当該開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を開始させ
    前記第1および第2の電源は、周波数が60Hzの3相交流電源であり、
    前記制御手段は、前記切替指令を受け取ってから6.8ミリ秒に前記閉状態開閉器の開極時間を加算した時間だけ経過した後であって、前記切替指令を受け取ってから4ミリ秒に前記閉状態開閉器の開極時間および前記切替時間を加算した時間だけ経過する前に、前記開状態開閉器の閉極動作が完了するように、当該閉極動作を前記開状態開閉器に開始させることを特徴とする、電源切替装置。
  4. 負荷に電力を供給する交流電源を切替指令に応じて第1および第2の電源の間で切り換える電源切替装置であって、
    前記第1の電源と前記負荷との間に挿入された機械式の第1の開閉器と、
    前記第2の電源と前記負荷との間に挿入された機械式の第2の開閉器と、
    前記切替指令を受け取り、前記第1および第2の電源の前記負荷へ同時接続が回避されるように、前記切替指令に応じて前記第1および第2の開閉器を相反的に開閉させる制御手段と、
    前記第1および第2の開閉器のうち閉極状態にある閉状態開閉器が開極動作を開始したときに当該開極動作の完了を検出する検出手段と、
    を備え、
    前記第1および第2の開閉器の閉極動作時間は、予め決められた切替時間よりも短く、
    前記制御手段は、前記切替指令を受け取ると、前記第1および第2の開閉器のうち閉状態開閉器に直ちに開極動作を開始させ、当該開極動作の完了が前記検出手段によって検出された時点で、前記第1および第2の開閉器のうち開極状態にある開状態開閉器に閉極動作を開始させることを特徴とする、電源切替装置。
  5. 前記切替時間は10ミリ秒以下であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の電源切替装置。
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