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JP4388488B2 - 回路遮断器の引き外し装置 - Google Patents
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JP4388488B2 - 回路遮断器の引き外し装置 - Google Patents

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この発明は、回路遮断器の引き外し装置、特に、電源側に接続される主回路遮断器とその負荷側に接続される複数の分岐回路遮断器がある回路網において、事故回路に直接関係する分岐回路遮断器のみが動作し、他の健全な回路はそのまま給電を継続するような選択遮断システムに利用される主回路遮断器の引き外し装置に関するものである。
従来技術における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路は、この発明による実施の形態におけると同様に、図1に示すように構成されている。
図1において、電源側に比較的容量の大きい主回路遮断器(ブレーカーB1)が接続され、この主回路遮断器の負荷側に複数個の分岐回路遮断器(ブレーカーB2,B3)が並列に接続されている。これら遮断器は負荷や配線を過電流および短絡電流から保護するために設けられており、過電流が流れると遮断器に組み込まれた引き外し装置がトリップ動作して遮断器接点が開極動作を行い、電流を遮断して負荷や配線の保護が行われる。
図1を例に取ると、ブレーカーB1の負荷側S1の地点で事故が発生した場合、ブレーカーB1の引き外し装置がトリップ動作して、事故電流が遮断される。しかしながら、同時にブレーカー1の負荷側にあるブレーカーB2,B3に対する給電も全て停止してしまうこととなる。
もう一例として、ブレーカーB2の負荷側S2の地点で事故が発生する場合を挙げる。この場合、事故電流が流れるのはブレーカーB1,B2であり、ブレーカーB1がトリップ動作してしまうことで健全な回路であるブレーカーB3への給電も停止してしまう。
以上のように、一般的には事故が発生すると他の健全な回路への給電までもが停止してしまうが、しかしながら、可能な限り健全な回路への給電は継続させる必要がある。
そこで、分岐回路で発生する事故への対策として、事故に直接関係するブレーカーのみが動作して他の健全な回路はそのまま給電を継続させるような保護方式である選択遮断方式が採用されている。同方式では主回路遮断器と分岐回路遮断器の両者の動作特性曲線を考慮する必要があり、下位遮断器の接続点で事故が発生した場合、同遮断器が事故電流を遮断する時間の間だけ、上位遮断器の開極動作を遅らせなければならない。例えば、両遮断器の動作特性曲線が図2のようであるとすれば、両者の特性は交差していないため過電流の全領域で選択遮断が可能であると言える。
上位遮断器の開極動作は遮断器に組み込まれている引き外し装置によって行われており、上述した特性を実現させるには、引き外し装置に下位遮断器が過電流を遮断する間だけ動作させないようすればよい。
選択遮断方式に関しては現在までに幾つかの技術が用いられており、以下に示した、機械的な引き外し動作の遅延方式もその中の一つである。
従来技術においては、リンク機構によって選択遮断システムを実現することができる回路遮断器の引き外し装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1において、回路を流れる電流が閾値を越えたときは可動コア19が動作ばね23を蓄勢するとともに係合手段(動作ピン22)を介して動作部材(イナーシャローラ21)を変位させながら途中まで吸引される。しかし、動作部材(イナーシャローラ21)がストッパ手段(イナーシャローラ保持腕20a)によってその変位が阻止されるため、可動コア19はトリップラッチ15の掛止が解除されるトリップシャフト動作腕14aに係合する位置まで吸引されない。この状態において電流が低下して可動コア19と固定コア18の吸引力が弱まったとき、蓄勢されていた動作ばね23が放勢して可動コア19の吸引時とは逆方向に動作部材(イナーシャローラ21)を変位させる。
このように、動作ばね23の放勢によって変位した動作部材(イナーシャローラ21)が、復帰ばね24の作用により元の位置に復帰するまでに、電流の値が再び閾値を越えて可動コア19が再吸引されたとき、係合手段(動作ピン22)と係合することがないため可動コア19はストッパ手段(イナーシャローラ保持腕20a)の影響を受けることなく十分に移動してトリップシャフト動作腕14aに係合しトリップラッチ15の掛止を解除させて開路遮断器を開極状態とする。
この技術を用いた遮断器を用いた電気回路においては、引き外し装置の動作の閾値を越える電流が1回流れても、この回路遮断器は開路状態とならない。
特開平10−229589号公報
特許文献1に示された構成では、このような選択遮断方式を可能にする引き外し装置として、部品点数が多くリンク機構を含む複雑な構成となる。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、簡潔な構成により選択遮断動作を実現することによって、上位遮断器は下位遮断器が過電流を遮断するまでの間、開極動作に至ることはなく、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続できるようにしようとするものである。
この発明に係る回路遮断器の引き外し装置では、電源側に接続される上位遮断器と、前記上位遮断器に分岐して接続される複数の下位遮断器とについて、前記上位遮断器と前記下位遮断器との選択遮断を行わせる回路遮断器の引き外し装置において、前記上位遮断器の引き外し装置は、過電流による磁気吸引力により変位して引き外し動作を行う磁性材料からなる作動部材と、前記作動部材の初期位置からの変位に応じて前記作動部材に抑止力を付与し過電流の最初の半サイクルでは前記作動部材を前記過電流による磁気吸引力に抗して初期位置から変位した所定位置に抑止し前記作動部材による引き外し動作を阻止する抑止手段とを備え、過電流が次の半サイクルにも継続するときは前記作動部材を前記抑止手段により抑止された所定位置から過電流による磁気吸引力により変位させて引き外し動作を行わせるようにしたものである。
この発明によれば、簡潔な構成により選択遮断動作を実現することによって、上位遮断器は下位遮断器が過電流を遮断するまでの間、開極動作に至ることはなく、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することができる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図6までについて説明する。図1は実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路を示す接続図である。図2は実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路で選択遮断を可能とする上位遮断器と下位遮断器の動作特性曲線図である。図3は実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す断面図である。図4は実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す上面図である。図5は実施の形態1における可動鉄片を付勢する復帰バネの斜視図である。図6は実施の形態1における引き外し装置に流れる過電流を示す波形図である。
実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路を示す図1において、電源側に比較的容量の大きい主回路遮断器(ブレーカーB1)が接続され、この主回路遮断器の負荷側に複数個の分岐回路遮断器(ブレーカーB2,B3)が並列に接続されている。これら遮断器は負荷や配線を過電流および短絡電流から保護するために設けられており、過電流が流れると遮断器に組み込まれた引き外し装置がトリップ動作して遮断器接点が開極動作を行い、電流を遮断して負荷や配線の保護が行われる。
ブレーカーB1の負荷側S1の地点で事故が発生した場合、ブレーカーB1の引き外し装置がトリップ動作して、事故電流が遮断される。
また、ブレーカーB2の負荷側S2の地点で事故が発生した場合には、事故電流が流れるのはブレーカーB1,B2であり、ブレーカーB1がトリップ動作してしまうことで健全な回路であるブレーカーB3への給電が停止しないようにするために、ブレーカーB1のトリップ動作よりも先にブレーカーB2がトリップ動作するように、選択遮断動作が行われる。
分岐回路で発生する事故への対策として、事故に直接関係するブレーカーのみが動作して他の健全な回路はそのまま給電を継続させるような保護方式である選択遮断方式が採用されているのである。
図2に示すように、主回路遮断器としてのブレーカーB1の動作特性は動作特性曲線Mのように設定され、分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3の動作特性は動作特性曲線Nのように設定されており、両者の特性は交差していないため過電流の全領域で選択遮断が可能であると言える。
下位遮断器を構成する分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3の接続点で事故が発生した場合、同遮断器が事故電流を遮断する時間の間だけ、上位遮断器を構成する主回路遮断器としてのブレーカーB1の開極動作を遅らせることができる。
上位遮断器の開極動作は遮断器に組み込まれている引き外し装置TAによって行われており、上述した特性を実現させるには、引き外し装置TAを下位遮断器が過電流を遮断する間だけ動作させないようすればよい。
実施の形態1における上位遮断器としての主回路遮断器を構成するブレーカーB1からなる回路遮断器の引き外し装置TAの構成を示す図3および図4において、遮断器引き外し装置TAは遮断器筐体内に収納されて遮断器本体と一体となっている。遮断器自体に事故などによって過電流が流れると引き外し装置TAが動作してトリップバー7のラッチ10に対する引き外し動作が行われ、図には示していないリンク機構を介して遮断器接点を開極する構造となっている。
図3および図4では、電路1は遮断器接点(図示せず)に機械的に接続され、遮断器接点を開離するための引き外し装置TAのフレーム2は電路1に対向するように取り付けられている。フレーム2には磁性材料からなる可動鉄片3が軸4を中心に回転自在に組み込まれ、さらに、可動鉄片3に対して時計方向に抗力を付与する復帰バネ(a)5および復帰バネ(b)6から成っている。
ここに示されている2つの復帰バネ5,6は図5のようなダブルトーションバー構造のバネである。図5(a)は復帰バネ(a)5の外形構成を示す斜視図である。図5(b)は復帰バネ(b)6の外形構成を示す斜視図である。
復帰バネ(a)5および復帰バネ(b)6は、実施するに当たり可動鉄片3に対して抗力を付与できるものならば、バネの種類(板バネ、コイルバネ等々)は問わない。
復帰バネ(a)5は可動鉄片3に対して常時抗力を付与しているため、回路が健全な状態では図の位置が可動鉄片の定位置である。復帰バネ(b)6は可動鉄片3が復帰バネ(a)5の抗力に逆らいながら反時計に回転変位する途中から抗力を追加付与する構造となっている。
可動鉄片3が復帰バネ(a)5および復帰バネ(b)6からの抗力を押し切り、反時計に回転変位し到達した位置には回転自在なトリップバー7が設けられており、トリップバー7は可動鉄片3が接触する動作腕8とラッチ10を保持するラッチホルダー9から成っている。ラッチ10は図には示していないが遮断器接点の開極動作機構にリンクしており、ラッチホルダー9の保持が解除されると遮断器接点が開極動作する。
このような構成で、電路1に短絡事故等によって図6に示すような波形の過電流が流れると、可動鉄片3に対向する電路1の磁束が可動鉄片3の磁気回路に流れて磁気吸引力が発生する。
図6の領域R1のように、電流値がピークP1に向かって増大するにつれ磁気吸引力も次第に増大し、可動鉄片3は復帰バネ(a)5からの抗力に反してトリップバー7との距離を縮める反時計方向に、軸4を中心にして回転変位し始める。変位開始時、可動鉄片3に作用する磁気吸引力は電流値の増大と電路1との距離が接近することで増大していくが、途中で復帰バネ(b)6に衝突して抗力が新たに加わり、さらに過電流が領域R2に入り電流零点にむかうことで磁気吸引力が弱まるため、可動鉄片3は一旦、その位置で停滞、または時計方向に後退しようとする。
その後、電流が領域R3に入りピークP2にむかって再び増大していくと、可動鉄片3が初期位置よりも電路1に近い位置に有るため、発生する磁気吸引力が過電流の領域R1よりも大きく発生し、復帰バネ(a)5および復帰バネ(b)6の抗力を十分に押し切ることが可能になり、動作腕8に接触してトリップバー7に時計方向の回転力を発生させる。これにより、トリップバー7が回転してラッチホルダー9のラッチ10との係合を解除して、図には示していない遮断器接点の開極動作を伝達するリンク機構が動作し始め、接点の開極に至る。
従って、この引き外し装置TAが組み込まれた上位遮断器としての主回路遮断器を構成するブレーカーB1は過電流の最初の0.5サイクルで開極動作に至ることはない。
これに対して、下位遮断器としての分岐回路遮断器を構成するブレーカーB2,B3には、復帰バネ(b)6等を含む引き外し装置TAの構成は採用されておらず、ブレーカーB2,B3は過電流の最初の0.5サイクルで開極動作を的確に行うように構成されているので、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器としてのブレーカーB2だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することが可能になる。ブレーカーB1は最初の0.5サイクルでは開極動作を行うことなく給電を継続し、ブレーカーB3は事故電流が流れることなく閉極状態を維持するものであって、ブレーカーB3が接続された健全な分岐回路は正常状態に保持され、負荷に給電を継続することになる。
この発明による実施の形態1によれば、電源側に接続される主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器と、前記主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器から並列に分岐して接続され負荷回路に接続される分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3からなる複数の下位遮断器とについて、前記主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器と前記分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3からなる下位遮断器との選択遮断を行わせる回路遮断器の引き外し装置において、前記ブレーカーB1からなる上位遮断器の引き外し装置TAは、過電流による磁気吸引力により変位して引き外し動作を行う磁性材料からなる可動鉄片3で構成される作動部材と、前記可動鉄片3で構成される作動部材の変位に応じて前記可動鉄片3で構成される作動部材に抑止力を付与し過電流の最初の半サイクルでは前記可動鉄片3で構成される作動部材を所定位置に抑止し前記可動鉄片3で構成される作動部材による引き外し動作を阻止する抑止手段とを備え、過電流が次の半サイクルにも継続するときは前記作動部材を前記抑止手段により抑止された所定位置から過電流による磁気吸引力により変位させて引き外し動作を行わせるようにするとともに、前記ブレーカーB1からなる上位遮断器の引き外し装置TAには、前記可動鉄片3で構成される作動部材に対して引き外し動作と反対方向の抗力を付与する第1の復帰バネ(a)5と、前記可動鉄片3で構成される作動部材が変位すると前記可動鉄片3で構成される作動部材に途中から抗力を追加付与する前記抑止手段としての第2の復帰バネ(b)6を設けたので、前記作動部材が変位すると前記作動部材に途中から抗力を追加付与する第2の復帰バネを設けて、簡潔な構成により選択遮断動作を実現することによって、上位遮断器は下位遮断器が過電流を遮断するまでの間、開極動作に至ることはなく、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することができる。
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図7および図8について説明する。図7は実施の形態2における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す断面図である。図8は実施の形態2における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す上面図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態2における上位遮断器としての主回路遮断器を構成するブレーカーB1(図1参照)からなる回路遮断器の引き外し装置TAの構成を示す図7および図8において、遮断器引き外し装置TAは遮断器筐体内に収納されて遮断器本体と一体となっている。遮断器自体に事故などによって過電流が流れると引き外し装置TAが動作してトリップバー7のラッチ10に対する引き外し動作が行われ、図には示していないリンク機構を介して遮断器接点を開極する構造となっている。
図7および図8では、電路1は遮断器接点に機械的に接続され、遮断器接点の引き外し装置のフレーム2は電路1に対向するように取り付けられている。フレーム2には磁性材料からなる可動鉄片3が軸4を中心に回転自在に組み込まれ、さらに、可動鉄片3に対して時計方向に抗力を付与する復帰バネ5から成っている。
ここに示されている復帰バネ5は図5(a)のようなダブルトーションバー構造のバネである。復帰バネ5は、実施するに当たり可動鉄片3に対して抗力を付与できるものならば、バネの種類(板バネ、コイルバネ等々)は問わない。
復帰バネ5は可動鉄片3に対して常時抗力を付与しているため、回路が健全な状態では図の位置が可動鉄片3の定位置である。さらに、可動鉄片3にはエアダッシュポット11が取り付けられており、可動鉄片3が反時計方向に回転変位すると抗力が付与される構造となっている。
可動鉄片3が復帰バネ5からの抗力を押し切り、反時計に回転変位し到達した位置には回転自在なトリップバー7が設けられており、トリップバー7は可動鉄片3が接触する動作腕8とラッチ10を保持するラッチホルダー9から成っている。ラッチ10は図には示していないが遮断器接点の開極動作機構にリンクしており、ラッチホルダー9の保持が解除されると遮断器接点が開極動作する。
このような構成で、電路1に短絡事故等によって図6に示すような過電流が流れると、可動鉄片3に対向する電路1の磁束が可動鉄片3の磁気回路に流れて磁気吸引力が発生する。
図6の領域R1のように、電流値がピークP1に向かって増大するにつれ磁気吸引力も次第に増大し、可動鉄片3は復帰バネ5からの抗力に反してトリップバー7との距離を縮める反時計方向に、軸4を中心にして回転変位し始める。変位開始初期、可動鉄片3に作用する磁気吸引力は電流値の増大と電路1との距離が接近することで増大していくが、途中でエアダッシュポット11からの抗力が増大していき、さらに過電流が領域R2に入り電流零点にむかうことで磁気吸引力が弱まるため、可動鉄片3は一旦、その位置で停滞、または時計方向に後退しようとする。
その後、電流が領域R3に入りピークP2にむかって再び増大していくと、可動鉄片3が初期位置よりも電路1に近い位置に有るため、発生する磁気吸引力が過電流の領域R1よりも大きく発生し、復帰バネ5とエアダッシュポット11の抗力を十分に押し切ることが可能になり、動作腕8に接触してトリップバー7に時計方向の回転力を発生させる。これにより、トリップバー7が回転してラッチホルダー9のラッチ10との係合を解除して、図には示していない遮断器接点の開極動作を伝達するリンク機構が動作し始め、接点の開極に至る。
従って、この引き外し装置TAが組み込まれた上位遮断器としての主回路遮断器を構成するブレーカーB1(図1参照)は過電流の最初の0.5サイクルで開極動作に至ることはない。
これに対して、下位遮断器としての分岐回路遮断器を構成するブレーカーB2,B3(図1参照)には、エアダッシュポット11等を含む引き外し装置TAの構成は採用されておらず、ブレーカーB2,B3は過電流の最初の0.5サイクルで開極動作を的確に行うように構成されているので、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器としてのブレーカーB2だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することが可能になる。ブレーカーB1は最初の0.5サイクルでは開極動作を行うことなく給電を継続し、ブレーカーB3は事故電流が流れることなく閉極状態を維持するものであって、ブレーカーB3が接続された健全な分岐回路は正常状態に保持され、負荷に給電を継続することになる。
この発明による実施の形態2によれば、電源側に接続される主回路遮断器としてのブレーカーB1(図1参照)からなる上位遮断器と、前記主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器から並列に分岐して接続され負荷回路に接続される分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3(図1参照)からなる複数の下位遮断器とについて、前記主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器と前記分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3からなる下位遮断器との選択遮断を行わせる回路遮断器の引き外し装置において、前記ブレーカーB1からなる上位遮断器の引き外し装置TAは、過電流による磁気吸引力により変位して引き外し動作を行う磁性材料からなる可動鉄片3で構成される作動部材と、前記可動鉄片3で構成される作動部材の変位に応じて前記可動鉄片3で構成される作動部材に抑止力を付与し過電流の最初の半サイクルでは前記可動鉄片3で構成される作動部材を所定位置に抑止し前記可動鉄片3で構成される作動部材による引き外し動作を阻止する抑止手段とを備え、過電流が次の半サイクルにも継続するときは前記作動部材を前記抑止手段により抑止された所定位置から過電流による磁気吸引力により変位させて引き外し動作を行わせるようにするとともに、前記ブレーカーB1からなる上位遮断器の引き外し装置TAには、前記可動鉄片3で構成される作動部材に対して引き外し動作と反対方向の抗力を付与する復帰バネ5と、前記作動部材が引き外し動作方向に変位すると前記可動鉄片3で構成される作動部材に抗力を付与する前記抑止手段としてのエアダッシュポット11を設けたので、作動部材が変位すると作動部材に抗力を付与するエアダッシュポットを設けて、簡潔な構成により選択遮断動作を実現することによって、上位遮断器は下位遮断器が過電流を遮断するまでの間、開極動作に至ることはなく、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することができる。
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図9および図10について説明する。図9は実施の形態3における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す断面図である。図10は実施の形態3における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す上面図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態3における上位遮断器としての主回路遮断器を構成するブレーカーB1(図1参照)からなる回路遮断器の引き外し装置TAの構成を示す図9および図10において、遮断器引き外し装置TAは遮断器筐体内に収納されて遮断器本体と一体となっている。遮断器自体に事故などによって過電流が流れると引き外し装置TAが動作してトリップバー7のラッチ10に対する引き外し動作が行われ、図には示していないリンク機構を介して遮断器接点を開極する構造となっている。
図9および図10において、電路1は遮断器接点に機械的に接続され、遮断器接点の引き外し装置のフレーム2は電路1に対向するように取り付けられている。フレーム2には磁性材料からなる可動鉄片3が軸4を中心に回転自在に組み込まれ、さらに、可動鉄片3に対して時計方向に抗力を付与する復帰バネ5から成っている。
ここに示されている復帰バネ5は図5(a)のようなダブルトーションバー構造のバネである。復帰バネ5は、実施するに当たり可動鉄片3に対して抗力を付与できるものならば、バネの種類(板バネ、コイルバネ等々)は問わない。
復帰バネ5は可動鉄片3に対して常時抗力を付与しているため、回路が健全な状態では図の位置が可動鉄片の定位置である。さらに、フレーム側板12には樹脂等から成るブレーキ板13が取り付けられており、可動鉄片3が反時計方向に回転変位するとブレーキ板13に接触して抗力が増大する構造となっている。
可動鉄片3が復帰バネ5からの抗力を押し切り、反時計に回転変位し到達した位置には回転自在なトリップバー7が設けられており、トリップバー7は可動鉄片が接触する動作腕8とラッチ10を保持するラッチホルダー9から成っている。ラッチ10は図には示していないが遮断器接点の開極動作機構にリンクしており、ラッチホルダー9の保持が解除されると遮断器接点が開極動作する。
このような構成で、電路1に短絡事故等によって図6に示すような過電流が流れると、可動鉄片3に対向する電路1の磁束が可動鉄片3の磁気回路に流れて磁気吸引力が発生する。
図6の領域R1のように、電流値がピークP1に向かって増大するにつれ磁気吸引力も次第に増大し、可動鉄片3は復帰バネ5からの抗力に反してトリップバー7との距離を縮める反時計方向に、軸4を中心にして回転変位し始める。変位開始初期、可動鉄片3に作用する磁気吸引力は電流値の増大と電路1との距離が接近することで増大していくが、変位の途中でブレーキ板13からの抗力が新たに加わり、さらに過電流が領域R2に入り電流零点にむかうことで磁気吸引力が弱まるため、可動鉄片3は一旦、その位置で停滞、または時計方向に後退しようとする。
その後、電流が領域R3に入りピークP2にむかって再び増大していくと、可動鉄片3が初期位置よりも電路1に近い位置に有るため、発生する磁気吸引力が過電流の領域P1よりも大きく発生し、復帰バネ5とブレーキ板13の抗力を十分に押し切ることが可能になり、動作腕8に接触してトリップバー7に時計方向の回転力を発生させる。これにより、トリップバー7が回転してラッチホルダー9のラッチ10との係合を解除して、図には示していない遮断器接点の開極動作を伝達するリンク機構が動作し始め、接点の開極に至る。
従って、この引き外し装置TAが組み込まれた上位遮断器としての主回路遮断器を構成するブレーカーB1(図1参照)は過電流の最初の0.5サイクルで開極動作に至ることはない。
これに対して、下位遮断器としての分岐回路遮断器を構成するブレーカーB2,B3(図1参照)には、ブレーキ板13等を含む引き外し装置TAの構成は採用されておらず、ブレーカーB2,B3は過電流の最初の0.5サイクルで開極動作を的確に行うように構成されているので、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器としてのブレーカーB2だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することが可能になる。ブレーカーB1は最初の0.5サイクルでは開極動作を行うことなく給電を継続し、ブレーカーB3は事故電流が流れることなく閉極状態を維持するものであって、ブレーカーB3が接続された健全な分岐回路は正常状態に保持され、負荷に給電を継続することになる。
この発明による実施の形態3によれば、電源側に接続される主回路遮断器としてのブレーカーB1(図1参照)からなる上位遮断器と、前記主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器から並列に分岐して接続され負荷回路に接続される分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3(図1参照)からなる複数の下位遮断器とについて、前記主回路遮断器としてのブレーカーB1からなる上位遮断器と前記分岐回路遮断器としてのブレーカーB2,B3からなる下位遮断器との選択遮断を行わせる回路遮断器の引き外し装置において、前記ブレーカーB1からなる上位遮断器の引き外し装置TAは、過電流による磁気吸引力により変位して引き外し動作を行う磁性材料からなる可動鉄片3で構成される作動部材と、前記可動鉄片3で構成される作動部材の変位に応じて前記可動鉄片3で構成される作動部材に抑止力を付与し過電流の最初の半サイクルでは前記可動鉄片3で構成される作動部材を所定位置に抑止し前記可動鉄片3で構成される作動部材による引き外し動作を阻止する抑止手段とを備え、過電流が次の半サイクルにも継続するときは前記作動部材を前記抑止手段により抑止された所定位置から過電流による磁気吸引力により変位させて引き外し動作を行わせるようにするとともに、前記ブレーカーB1からなる上位遮断器の引き外し装置TAには、前記可動鉄片3で構成される作動部材に対して引き外し動作と反対方向の抗力を付与する復帰バネ5と、前記可動鉄片3で構成される作動部材が引き外し動作方向に変位すると前記可動鉄片3で構成される作動部材に途中から摺動接触して抗力を付与する前記抑止手段としての樹脂等で形成されたブレーキ板13からなるブレーキ部材を設けたので、作動部材が変位すると作動部材に途中から抗力を付与するブレーキ部材を設けて、簡潔な構成により選択遮断動作を実現することによって、上位遮断器は下位遮断器が過電流を遮断するまでの間、開極動作に至ることはなく、事故発生箇所に直接関係する下位遮断器だけが開極動作して事故電流を遮断し、健全な他の分岐回路は正常な給電を継続することができる。
この発明による実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路を示す接続図である。図2は実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路での背景技術における一般的な遮断器の接続を示す回路図である。 この発明による実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置が適用される保護対象回路での選択遮断を可能にする上位遮断器と下位遮断器の動作特性曲線図である。 この発明による実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す断面図である。 この発明による実施の形態1における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す上面図である。 この発明による実施の形態1および実施の形態2ならびに実施の形態3における可動鉄片を付勢する復帰バネの斜視図である。 この発明による実施の形態1および実施の形態2ならびに実施の形態3における引き外し装置に流れる過電流を示す波形図である。 この発明による実施の形態2における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す断面図である。 この発明による実施の形態2における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す上面図である。 この発明による実施の形態3における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す断面図である。 この発明による実施の形態3における回路遮断器の引き外し装置の要部を示す上面図である。
符号の説明
1 電路、2 フレーム、3 可動鉄片、4 軸、5 復帰バネ(a)、6 復帰バネ(b)、7 トリップバー、8 可動腕、9 ラッチホルダー、10 ラッチ、11 エアダッシュポット、12 フレーム側板、13 ブレーキ板。

Claims (4)

  1. 電源側に接続される上位遮断器と、前記上位遮断器に分岐して接続される複数の下位遮断器とについて、前記上位遮断器と前記下位遮断器との選択遮断を行わせる回路遮断器の引き外し装置において、前記上位遮断器の引き外し装置は、過電流による磁気吸引力により変位して引き外し動作を行う磁性材料からなる作動部材と、前記作動部材の初期位置からの変位に応じて前記作動部材に抑止力を付与し過電流の最初の半サイクルでは前記作動部材を前記過電流による磁気吸引力に抗して初期位置から変位した所定位置に抑止し前記作動部材による引き外し動作を阻止する抑止手段とを備え、過電流が次の半サイクルにも継続するときは前記作動部材を前記抑止手段により抑止された所定位置から過電流による磁気吸引力により変位させて引き外し動作を行わせるようにしたことを特徴とする回路遮断器の引き外し装置。
  2. 前記上位遮断器の引き外し装置には、前記作動部材に対して引き外し動作と反対方向の抗力を付与する第1の復帰バネと、前記作動部材が変位すると前記作動部材に途中から抗力を追加付与する前記抑止手段としての第2の復帰バネを設けたことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器の引き外し装置。
  3. 前記上位遮断器の引き外し装置には、前記作動部材に対して引き外し動作と反対方向の抗力を付与する復帰バネと、前記作動部材が引き外し動作方向に変位すると前記作動部材に抗力を付与する前記抑止手段としてのエアダッシュポットを設けたことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器の引き外し装置。
  4. 前記上位遮断器の引き外し装置には、前記作動部材に対して引き外し動作と反対方向の抗力を付与する復帰バネと、前記作動部材が引き外し動作方向に変位すると前記作動部材に途中から抗力を付与する前記抑止手段としてのブレーキ部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器の引き外し装置。
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