以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置は用紙搬送装置を有するものである。この用紙搬送装置は画像形成装置の装置本体1の内部に組み込まれている。すなわち、キャスター付きの装置本体1の内部には、多段構造をなす複数(図例では4つ)の用紙収容カセット2,…が組み込まれている。各々の用紙収容カセット2,…は、画像形成の対象となる用紙3を積層状態で収容するもので、それぞれ装置本体1に対して着脱可能に組み込まれている。これらの用紙収容カセット2,…は、収容される用紙3のサイズや種類によってカセット全体のサイズや形状が異なるものの、基本的には同様の構成となっている。
各々の用紙収容カセット2の内部には用紙積載板(トレイ)4が設けられている。用紙積載板4は、図示しない昇降機構によって上下動可能に支持されている。この用紙積載板4を備える用紙収容カセット2には複数枚(多数枚)の用紙3を積載状態に収容可能となっている。また、用紙収容カセット2を装置本体1内に装着した際には、用紙積載板4に積載された用紙3のうち、最上位の用紙3の高さが予め設定された所定(一定)の高さとなるように、用紙積載板4が水平状態を維持したまま昇降機構の駆動により上昇する構成となっている。また、最上段の用紙収容カセット2には、複数枚のタブ紙を積載状態で収容可能となっている。この最上段の用紙収容カセット2に対しては、用紙の一辺から突出するタブの部分(凸形状部)をピックアップローラ5による用紙の送り出し方向と反対側(図1の右側)に向けた状態でタブ紙が収容されるようになっている。
ピックアップローラ5及び捌きローラ6は、用紙収容カセット2に収容された用紙3を搬送路に向けて給紙するものである。このうち、ピックアップローラ5は、上記所定の高さに配置された最上位の用紙3に対して接離可能に設けられている。ピックアップローラ5を接離動作させるための駆動源にはソレノイドを用いることができる。ピックアップローラ5は、用紙収容カセット2に収容された用紙3を第1搬送路R1に向けて送り出すものである。用紙の送り出しに際しては、用紙積載板4に積載された最上位の用紙3にピックアップローラ5が所定の圧力で押し付けられ、この状態でピックアップローラ5が図の時計回り方向に回転することにより、最上位の用紙3から順に矢印方向に送り出されるようになっている。
捌きローラ6は、ピックアップローラ5による用紙の送り出し方向に配置されている。この捌きローラ6は、用紙収容カセット2に収容された用紙3が複数枚重なって搬送(重送)されることを防止するために、ピックアップローラ5によって送り出された用紙3を1枚ずつ捌いて(分離して)送り出すものである。この捌きローラ6により、各々の用紙収容カセット2からは1枚ずつ分離した形で用紙3が順に送り出される。また、こうして送り出された用紙3は、装置本体1の内部で用紙の搬送路R1〜R6上に適宜配置された各々のローラ(後述)によって搬送される。因みに、ピックアップローラ5と捌きローラ6は、各々の用紙収容カセット2,…と1:1の対応関係で設けられている。
捌きローラ6による用紙の送り出し方向には搬送ローラ7が配置されている。搬送ローラ7は、ほぼ垂直に形成された第1搬送路R1上に所定の間隔で複数設けられている。これら複数の搬送ローラ7は、各々の用紙収容カセット2に対応する捌きローラ6によって送り出された用紙3を第1搬送路R1に沿って上方に搬送するものである。
搬送ローラ7による用紙の搬送方向には、プレレジストローラ8とレジストローラ9とが順に配置されている。プレレジストローラ8とレジストローラ9は、第1搬送路R1から連続して形成された第2搬送路R2上に設けられている。プレレジストローラ8は、各々の搬送ローラ7によって搬送された用紙3をレジストローラ9に向けて搬送するものである。レジストローラ9は、プレレジストローラ8によって搬送された用紙3を画像転写部10に向けて搬送するものである。
画像転写部10は、レジストローラ9によって搬送された用紙3に画像を転写する部分(本発明における画像形成部に相当する部分)であり、この画像転写部10に用紙3を送り込むことで当該用紙3に画像が形成されるようになっている。画像転写部10では、像担持体となる中間転写ベルト11が支持ローラ12によって支持されるとともに、支持ローラ12のベルト巻き付け部に転写用の加圧ローラ13が圧接した状態に保持されている。また、画像転写部10においては、中間転写ベルト11を挟む支持ローラ12と加圧ローラ13の圧接部分を通過するときに、中間転写ベルト11から用紙3に画像が形成(転写)されるようになっている。
中間転写ベルト11は、可視化されたトナー画像を担持しつつ、このトナー画像をベルトの回転によって画像転写部10へと移送するものである。具体例として、中間転写ベルト11には例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分に対応する複数の感光体(不図示)の表面に形成されたトナー画像が一次転写され、この一次転写されたトナー画像が中間転写ベルト11の回転によって画像転写部10へと送られて用紙に二次転写される。その際、各々の感光体表面へのトナー画像の形成は、画像形成装置が複写機であれば図示しない画像読み取り装置(スキャナ等)によって読み取られた画像信号に基づいて行われ、ファクシミリ装置やプリンタ装置であれば図示しない通信手段やネットワーク手段等を介して受信した画像信号に基づいて行われる。
画像転写部10の下流側には、バキューム搬送部14、画像定着部15、搬送ローラ16及び排出ローラ17が順に配置されている。先述した第2搬送路R2は、プレレジストローラ8から画像転写部10を経由して排出ローラ17へと至る搬送路をいう。第2搬送路R2上において、バキューム搬送部14は画像転写部10で画像(トナー画像)が転写された用紙3の裏面(画像が転写された面と反対側の面)をバキューム式で吸着しつつ、当該用紙3を画像定着部15へと搬送するものである。画像定着部15は、用紙3に転写された画像を加圧、加熱作用によって定着させるものである。搬送ローラ16は、画像定着部15で画像の定着が行われた用紙3を搬送するもので、排出ローラ17は、搬送ローラ16によって搬送された用紙3を排出トレイ18へと排出するものである。
搬送ローラ16の下流側では第2搬送路R2から斜め下方に第3搬送路R3が分岐している。第3搬送路R上には搬送ローラ19が配設されている。搬送ローラ19は搬送ローラ16によって第3搬送路R3へと送り出された用紙3を用紙反転部20へと搬送するものである。
用紙反転部20は、画像転写部10に用紙3を再搬送したり、排出トレイ18に用紙3を排出したりするにあたって、当該用紙3を表裏反転させるための部分である。この用紙反転部20は、装置本体1内に複数の用紙収容カセット2,…を装着するために確保されたカセット収納空間に対し、このカセット収納空間に隣接する装置本体1内の片側に形成されている。用紙反転部20にはほぼ垂直に第4搬送路R4が形成されている。また、第4搬送路R4上には搬送方向(垂直方向)に所定の間隔を隔てて第1反転ローラ21と第2反転ローラ22が配設されている。第1反転ローラ21は、用紙反転部20への用紙の取り込み位置となる第4搬送路4の入口近傍(用紙反転部20の上端部)に配置されている。第2反転ローラ22は、垂直方向に沿う第4搬送路R4の略中間部に配置されている。
また、用紙反転部20においては、第1反転ローラ21と第2反転ローラ22との間で第4搬送路R4から斜め上方に第5搬送路R5が分岐している。第5搬送路R5上には所定の間隔で複数(図例では6つ)の搬送ローラ25,…が配設され、これら複数の搬送ローラ25,…を用いて再搬送部26が形成されている。
再搬送部26は、画像転写部10で片面(第一面)に画像が転写された用紙3を両面印刷のために再び画像転写部10に送り込むべく、第2搬送路R2上のプレレジストローラ8及びレジストローラ9に向けて用紙3を搬送するものである。第5搬送路R5は、用紙反転部20とプレレジストローラ8との間で、第4搬送路R4と第2搬送路R2を繋ぐ状態に形成されている。
一方、用紙反転部20の第1反転ローラ21からは、排出ローラ17に向かって第6搬送路R6が分岐して形成されている。第6搬送路R6は、第3搬送路R3を経て用紙反転部20に取り込んだ用紙3を表裏反転させて排出トレイ18に排出するための搬送路である。因みに、上述した搬送路R1〜R6の分岐部分ではそれぞれ図示しないゲート部材によって用紙の進行方向が適宜切り換えられる構成となっている。
図2は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置のレジストローラ周辺の構成を示す図である。図において、レジストローラ9は、複数(図例では6つ)のローラ対91,92,93,94,95,96によって構成されている。レジストローラ9を構成するローラ対の個数は、画像形成装置で取り扱う最大の用紙幅に応じて適宜設定されるものである。ちなみに、図2においては、用紙の搬送方向から見た場合のレジストローラ9の配置状態を示している。
上記複数のローラ対91〜96は、先述した第2搬送路R2上において、用紙の搬送方向と直交する方向(図2の左右方向)に所定の間隔で配設されている。このうち、ローラ対91は、駆動ローラ91Aと従動ローラ91Bによって構成されている。同様に、ローラ対92は駆動ローラ92Aと従動ローラ92Bによって構成され、ローラ対93は駆動ローラ93Aと従動ローラ93Bによって構成され、ローラ対94は駆動ローラ94Aと従動ローラ94Bによって構成され、ローラ対95は駆動ローラ95Aと従動ローラ95Bによって構成され、ローラ対96は駆動ローラ96Aと従動ローラ96Bによって構成されている。
駆動ローラ91A〜96Aは、それぞれ共通の回転軸23上に固定状態で取り付けられている。回転軸23は図示しないモータ等の駆動源によって回転するものである。この回転軸23が回転すると、これと一体に各々の駆動ローラ91A〜96Aも回転する。
一方、従動ローラ91B〜96Bは、それぞれ個別のローラ支持機構31,32,33,34,35,36に回転自在に支持されている。各々のローラ支持機構31〜36はいずれも同様の構成となっているため、ここでは一例としてローラ支持機構31の構成について図2及び図3を参照しつつ説明する。
ローラ支持機構31は、ソレノイド311を駆動源とし、このソレノイド311の駆動により、図3(A)に示すように従動ローラ91Bを駆動ローラ91Aに圧接させたり、図3(B)に示すように従動ローラ91Bを駆動ローラ91Aから離間させたりするものである。従動ローラ91Bは、ローラ支持ブラケット312に設けられた支軸313に回転自在に取り付けられている。ローラ支持ブラケット312には板バネ等のバネ部材314の一端が固定されている。バネ部材314の他端には一対のリンク部材315が固定されている。
一対のリンク部材315は、枢軸316に回転自在に嵌合されている。枢軸316は、上記回転軸23と平行に配置されたもので、各々のローラ支持機構31〜36に共通の軸となっている。一対のリンク部材315は、その下端側を枢軸316に嵌合していることから、枢軸316を中心に揺動する。また、一対のリンク部材315の上端側にはソレノイド311の出力ロッド317が連結ピン318によって連結されている。出力ロッド317は、ソレノイド311の駆動状態に応じて進退動作するものである。ここでは、ソレノイド311の具体的な動作例として、ソレノイド311の駆動状態を第1の駆動状態にすると出力ロッド317が進出(突出動作)し、ソレノイド311の駆動状態を第2の駆動状態にすると出力ロッド317が後退(引き込み動作)するものとする。
このローラ支持機構31において、ソレノイド311を第1の駆動状態にして出力ロッド317を進出させた場合は、図3(A)に示すように、従動ローラ91Bがバネ部材314の付勢力(バネ力)をもっって駆動ローラ91Aに圧接した状態となる。このようにローラ対91を圧接させた状態で、上記回転軸23と一体に駆動ローラ91Aを回転させると、駆動ローラ91Aの回転にしたがって従動ローラ91Bも回転する。よって、ローラ対91の圧接部分で用紙をニップ(挟持)することにより、駆動ローラ91Aの回転にしたがって用紙を搬送することが可能となる。
これに対して、ソレノイド311の駆動状態を第1の駆動状態から第2の駆動状態に切り替えて出力ロッド317を後退させた場合は、図3(B)に示すように、一対のリンク部材315が枢軸316を中心に揺動し、これによって従動ローラ91Bが駆動ローラ91Aから離間した状態となる。そのため、上記回転軸23と一体に駆動ローラ91Aを回転させても、従動ローラ91Bが回転することはない。
一方、他のローラ支持機構32,33,,34,35,36についても、それぞれに対応するソレノイド321,331,341,351,361を駆動することにより、上記ローラ支持機構31の場合と同様の動作により、各々のローラ対92,93,94,95,96で個別に、駆動ローラ92A,93A,94A,95A,96Aに従動ローラ92B,93B,94B,95B,96Bを圧接させたり、駆動ローラ92A,93A,94A,95A,96Aから従動ローラ92B,93B,94B,95B,96Bを離間させたりすることが可能となっている。
図4は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送制御系の構成として、特に、ソレノイドの駆動を制御する制御系の構成を示すブロック図である。図において、制御部27は、上述した複数(6つ)のソレノイド311,321,331,341,351,361の駆動状態を個別に制御するものである。タブ検知部28は、画像形成の対象となる用紙がタブ紙であるか否かを判別し、タブ紙であると認識した場合は、そのタブ位置を検知するものである。タブ検知部28によるタブ位置の検知結果は制御部27に入力される。これに対して、制御部27は、タブ検知部28の検知結果に基づいてソレノイド311,321,331,341,351,361の駆動状態を制御する。具体的な制御形態については後段で詳しく説明する。
続いて、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。まず、ユーザは、画像形成装置の操作パネル(不図示)を使って所望の画像形成条件(例えば、画像形成の濃度や部数、両面印刷の指定など)を入力した後、操作パネル内のスタートボタンを押す。このとき、操作パネルを用いたユーザの入力操作により、最上段の用紙収容カセット2が選択されたものとすると、この最上段の用紙収容カセット2に対応するピックアップローラ5と捌きローラ6の回転により、最上位の用紙3が図中矢印方向(左方向)に送り出される。この場合、最上段の用紙収容カセット2にはタブ紙が収容されているため、この用紙収容カセット2から送り出される用紙3はタブ紙となる。そうした場合、画像形成装置における用紙3の搬送動作は、図示しない搬送制御部によって次のように制御される。
まず、画像形成の対象となる用紙3がタブ紙であるか否かは、ユーザの入力操作によって用紙収容カセット2が選択された時点でタブ検知部28で判別される。すなわち、ユーザの入力操作によって最上段の用紙収容カセット3が選択された場合は、画像形成の対象となる用紙3がタブ紙であると判定し、それ以外の用紙収容カセット3が選択された場合は、画像形成の対象となる用紙3がタブ紙ではなく通常の矩形の用紙であると判定する。
その後、用紙収容カセット2から送り出された用紙3は、搬送ローラ7の回転により第1搬送路R1に沿って上方に搬送され、プレレジストローラ8へと受け渡される。さらに用紙3は、プレレジストローラ8の回転により第2搬送路R2に沿ってレジストローラ9側に搬送される。このとき、タブ検知部28では、例えば搬送方向と直交する方向に配置された複数のタブ検知センサから得られる検知信号、あるいは搬送方向と直交する方向に移動するタブ検知センサから得られる検知信号に基づいて、用紙のタブ位置を検知する。タブ検知センサは、第1搬送路R1の出口の近傍又は第2搬送路R2の入口の近傍に設けられるものである。具体的なタブ位置の検知方法については、特開2003−192144号公報や特開2001−13823号公報に記載された方法を採用することが可能である。また、タブ検知センサから得られる検知信号に基づいて、用紙がタブ紙であるか否かを判別することも可能である。
その後、プレレジストローラ8の回転にしたがって用紙3の先端(タブと反対側の用紙3の辺部)を回転停止状態のレジストローラ9の圧接部分(用紙をニップする部分)に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を補正する。その際、用紙3のループは、レジストローラ9の手前(上流側)で第2搬送路R2に設けられた膨らみ部(不図示)に形成される。また、レジストローラ9への用紙3の突き当てに先立って、制御部27は、全てのソレノイド311,321,331,341,351,361を第1の駆動状態(図3(A)参照)とすることにより、レジストローラ9を構成する各々のローラ対91〜96を圧接状態に保持する。したがって、画像転写部10で用紙3の第一面に画像を形成するにあたっては、搬送方向の上流側からプレレジストローラ8で送り込んだ用紙3の先端を複数のローラ対91,92,93,94,95,96の圧接部分に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を適切に補正することができる。
次いで、画像転写部10での画像の到達タイミングに合わせてレジストローラ9を回転させることにより、画像転写部10に用紙3を送り込む。画像転写部10では、中間転写ベルト11に担持されたトナー画像が、ベルト支持ローラ12と加圧ローラ13との圧接部分で、中間転写ベルト11の表面から用紙3の第一面(例えば、タブの部分)に転写される。
こうして第一面に画像が形成された用紙3は、バキューム搬送部14によって画像定着部15に送られる。画像定着部15では、一対のローラ間に用紙3をニップしつつ、当該一対のローラ間に加えられる加圧作用と加熱作用によって用紙3の表面に画像が定着される。画像定着部15から送り出された用紙3は、当該用紙3が片面印刷用であれば、搬送ローラ16の回転により排出ローラ17へと受け渡され、さらに排出ローラ17の回転により排出トレイ18へと排出される。
また、画像定着部15から送り出された用紙3が両面印刷を指定されたものであれば、搬送ローラ16の回転と図示しないゲート部材の切り換え動作により、用紙3が第2搬送路2から第3搬送路R3へと導かれる。第3搬送路R3に導かれた用紙3は搬送ローラ19の回転により用紙反転部20へと送り込まれる。
用紙反転部20では、搬送ローラ19によって送られた用紙3が第1反転ローラ21と第2反転ローラ22で順にニップされるとともに、これら第1反転ローラ21と第2反転ローラ22の回転により、第4搬送路R4に沿って用紙3が下方に搬送される。そして、用紙3の後端が第4搬送路R4と第5搬送路R5の分岐部を通過すると、第2反転ローラ22の回転方向が反転する。これにより、用紙3は第2反転ローラ22の回転(逆回転)にしたがって上方に搬送されるとともに、図示しないゲート部材に案内されて第4搬送路R4から第5搬送路R5へと送り込まれる。
第5搬送路R5では、再搬送部26を形成する各々の搬送ローラ25に順に用紙3が受け渡されるとともに、最終段の搬送ローラ25によってプレレジストローラ8へと用紙3が受け渡される。次いで、用紙3は、画像が形成されていない第二面を上向きにした状態で、プレレジストローラ8の回転により第2搬送路R2に沿ってレジストローラ9へと搬送される。その際、レジストローラ9に送り込まれる用紙3の先端側にタブが存在することになる。そこで、制御部27においては、予めタブ検知部28で検知したタブ位置に基づいて、このタブ位置に対応するローラ対の圧接状態を解除するようにソレノイド311,321,331,341,351,361を制御する。
具体的には、例えば図5に示すように、用紙(タブ紙)3が斜行した状態で搬送方向(矢印方向)に搬送される場合は、用紙3の先端側に存在するタブ3Aの移動経路上に配置されたローラ対91,92の圧接状態を解除すべく、制御部27は、ソレノイド311,321の駆動状態を第1の駆動状態から第2の駆動状態に切り替える。この切り換えは、第一面の画像形成を終えた用紙3がレジストローラ9に接触する前、さらに詳しくは、用紙3の第一面に画像を形成するときに用紙3の後端がレジストローラ9を抜けてから、この用紙3の第二面に画像を形成するためにプレレジストローラ8で送り込んだ用紙3がレジストローラ9に接触するまでの間に行えばよい。
このようにソレノイド311,321の駆動状態を制御部27で切り換えることにより、用紙3の先端をレジストローラ9に突き当てる際には、ローラ対91を構成する従動ローラ91Bが駆動ローラ91Aから離間した状態になり、ローラ対92を構成する従動ローラ92Bも駆動ローラ92Aから離間した状態になる。そのため、タブ3Aの部分がそれらのローラ対91,92に突き当たって用紙3の進行が妨げられることがない。したがって、画像転写部10で用紙3の第二面に画像を形成するにあたっては、図6に示すように、用紙3の先端(タブ3Aの部分を除く)を複数のローラ対93,94,95,96の圧接部分に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を適切に補正することができる。
また、用紙のタブの部分とレジストローラの各ローラ対の位置関係が図7のようになっている場合は、制御部27でソレノイド331,341の駆動状態を第1の駆動状態から第2の駆動状態に切り替えることにより、タブ3Aの移動経路上に存在するローラ対93,94の圧接状態を解除し、用紙のタブの部分とレジストローラの各ローラ対の位置関係が図8のようになっている場合は、制御部27でソレノイド311,321,331の駆動状態を第1の駆動状態から第2の駆動状態に切り替えることにより、タブ3Aの移動経路上に存在するローラ対91,92,93の圧接状態を解除する。このようにレジストローラ9に送り込まれる用紙(タブ紙)3の先端側にタブ3Aが存在する場合に、タブ検知部28で検知したタブ位置に対応するローラ対の圧接状態を解除するように制御部27でソレノイド311,321,331,341,351,361の駆動状態を制御することにより、用紙3の第二面に画像を形成する際にも、レジストローラ9への突き当てによって用紙の斜行を適切に補正することができる。
また、レジストローラ9に用紙3を送り込むプレレジストローラ8を、図9に示すように、レジストローラ9と同様に複数(6つ)のローラ対81,82,83,84,85,86によって構成するとともに、これら複数のローラ対81〜86の圧接状態を個別に解除するためのローラ支持機構(図2及び図3に示すローラ支持機構と同様の機構)を、各々のローラ対81〜86と1:1の対応関係で設け、上述のようにタブ検知部28で検知したタブ位置に応じて制御部27がレジストローラ9用に設けられたローラ支持機構のソレノイドとプレレジストローラ8用に設けられたローラ支持機構のソレノイドの両方を制御するものとしてもよい。
このようなメカ構成及び制御形態を採用することにより、例えば用紙のタブの部分と搬送ローラ及びレジストローラの各ローラ対の位置関係が図9のようになっている場合は、搬送ローラ用のソレノイドの駆動状態とレジストローラ9用のソレノイドの駆動状態を制御部27で適宜切り替えることにより、タブ3Aの移動経路上に存在するローラ対91,92,93の圧接状態を解除するのにあわせて、その上流側のローラ対81,82,83の圧接状態も解除する。この場合、用紙の搬送方向と直交する方向において、プレレジストローラ8の各ローラ対81〜86とレジストローラ9の各ローラ対91〜96は互いに同じ位置に配置されている。そのため、用紙3の先端をレジストローラ9に突き当てて斜行補正を行う際には、その上流側に配置されたプレレジストローラ8のローラ対84,85,86から付与される搬送力によって用紙3の先端がレジストローラ9のローラ対94,95,96に押し付けられる。そのため、用紙3の先端(タブ3Aの部分を除く)をバランス良くレジストローラ9に突き当ててループ状に撓ませることができる。
このように用紙の斜行を補正した後は、第一面に画像を形成する場合と同様に、画像転写部10での画像の到達タイミングに合わせてレジストローラ9を回転させることにより、画像転写部10に用紙3を送り込む。これにより、画像転写部10において、用紙3の第二面(例えば、タブの部分)に画像(トナー画像)が転写される。こうして第二面に画像が形成された用紙3は、バキューム搬送部14から画像定着部15を経由して搬送ローラ16へと受け渡される。そして、搬送ローラ16の回転と図示しないゲート部材の切り換え動作により、用紙3は再び第3搬送路3へと導かれる。
その後、用紙3は搬送ローラ19の回転によって用紙反転部20へと送り込まれる。次いで、用紙3の後端が第3搬送路R3を経由して第6搬送路R6との分岐部を抜けると、第1反転ローラ21と第2反転ローラ22の回転方向が反転する。これにより、用紙3は用紙反転部20でスイッチバックする形で第4搬送路R4を上方に向かって移動するとともに、図示しないゲート部材に案内されて第4搬送路R4から第6搬送路R6へと導かれ、そのまま排出ローラ17を経由して排出トレイ18へと排出される。
なお、上記の動作説明では、両面(第一面と第二面)に画像が形成された用紙3を表裏反転して排出トレイ18に排出するものとしたが、これ以外にも、片面(第一面)に画像が形成された用紙3を用紙反転部20でのスイッチバックにより表裏反転して排出トレイ18に排出する場合もある。また、用紙3の第二面に画像を形成するにあたって、画像形成の対象となる用紙3がタブ紙ではなく通常の矩形の用紙である場合は、用紙3の第一面に画像を形成する場合と同様に制御部27において、全てのソレノイド311,321,331,341,351,361を第1の駆動状態(図3(A)参照)とすることにより、レジストローラ9を構成する各々のローラ対91〜96を圧接状態に保持し、それらのローラ対91〜96の圧接部分に用紙3の先端を突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を適切に補正することができる。
図10は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置が備えるローラ移動機構の構成を示す斜視図である。図においては、レジストローラ9を含む第1のローラユニット41と、プレレジストローラ8を含む第2のローラユニット42が、それぞれ用紙の搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられている。レジストローラ9は、上記第1実施形態の場合と同様に駆動ローラと従動ローラの組み合わせからなる2つのローラ対によって構成され、プレレジストローラ8も、駆動ローラと従動ローラの組み合わせからなる2つのローラ対によって構成されている。
第1のローラユニット41は、レジストローラ9と、一対のシュート部材43A,43Bと、ローラ回転用の駆動モータ44とを有するもので、これらのユニット部品が例えば図示しない共通のユニット筐体に取り付けられることにより、ユニット全体が一体に移動し得る構成となっている。レジストローラ9の各ローラ対は、一対のシュート部材43A,43Bに形成された切欠部で圧接状態に保持されている。また、駆動モータ44を駆動すると、この駆動力によってレジストローラ9が回転するようになっている。
同様に、第2のローラユニット42は、プレレジストローラ8と、一対のシュート部材45A,45Bと、ローラ回転用の駆動モータ46とを有するもので、これらのユニット部品が例えば図示しない共通のユニット筐体に取り付けられることにより、ユニット全体が一体に移動し得る構成となっている。プレレジストローラ8の各ローラ対は、一対のシュート部材45A,45Bに形成された切欠部で圧接状態に保持されている。そして、駆動モータ46を駆動すると、この駆動力によってプレレジストローラ8が回転するようになっている。
また、第1のローラユニット41は、第1のローラ移動機構47によって移動可能に支持されている。第1のローラ移動機構47は、第1のローラユニット41を用紙の搬送方向と直交する方向(レジストローラ9の回転軸と平行な方向)に移動させるもので、大きくは、移動のための駆動源となる駆動モータ48と、第1のローラユニット41を用紙の搬送方向と直交する方向に移動可能に案内支持するガイド機構49と、駆動モータ48の駆動力をガイド機構49に伝達する動力伝達機構50とによって構成されている。
駆動モータ48は、例えば回転方向と回転量の制御が容易なパルスモータを用いて構成されるものである。
ガイド機構49は、ユニット支持ブラケット51と、一対のガイドシャフト52と、移動部材53とを用いて構成されている。ユニット支持ブラケット51の一端部には上記シュート部材43Bの折り曲げ部がネジ止め、接着等で固定状態で取り付けられている。一対のガイドシャフト52は、それぞれ断面円形の丸シャフトからなるもので、用紙の搬送方向と直交する方向に沿って互いに平行に配置されている。また、各々のガイドシャフト52の両端部は、板状のベース部材54に一体に形成されたシャフト支持部54A,54Bに嵌合状態で固定されている。移動部材53は、平面視略コ字形をなすもので、相対向する部分をそれぞれ一対のガイドシャフト52に嵌合した状態で、当該一対のガイドシャフト52に沿って移動自在に支持されている。また、移動部材53の下端部はユニット支持ブラケット51に固定されている。
動力伝達機構50は、大小2つのプーリ55,56と無端状のベルト57とを用いて構成されている。大径側のプーリ55は、上記ベース部材54に取り付けられた駆動モータ48の回転軸(駆動軸)に嵌合固定されている。小径側のプーリ56は、大径側のプーリ55から所定の距離を隔てた位置で、ベース部材54上に回転自在に取り付けられている。ベルト57は、上記2つのプーリ55,56にループ形状に張設されている。また、ベルト57の一部は、上述したユニット支持ブラケット51の他端部にネジ止め、接着等で固定されている。
上記構成からなる第1のローラ移動機構47において、駆動モータ48の駆動により大径側のプーリ55を回転させると、このプーリ55を駆動プーリとしてベルト57が走行するとともに、このベルト57の走行にしたがって小径側(従動側)のプーリ56が回転する。また、ベルト57が走行すると、これにしたがってユニット支持ブラケット51と移動部材53も移動する。また、ユニット支持ブラケット51が移動すると、これと一体に第1のローラユニット41も移動する。その際、移動部材53は一対のガイドシャフト52に沿って移動するため、ユニット支持ブラケット51の移動方向は一対のガイドシャフト52によって案内される。したがって、一対のガイドシャフト52を用紙の搬送方向と直交する向きで配置することにより、ユニット支持ブラケット51に取り付けられた第1のローラユニット41を用紙の搬送方向と直交する方向に移動させることができる。
これと同様に、第2のローラユニット42は、第2のローラ移動機構59によって移動可能に支持されている。第2のローラ移動機構は、第2のローラユニット42を用紙の搬送方向と直交する方向に移動させるもので、上記第1のローラ移動機構47と同様に移動用の駆動モータ60と、ガイド機構61と、動力伝達機構62とによって構成されている。なお、ガイド機構61及び動力伝達機構62については、上記第1のローラ移動機構47のガイド機構49及び動力伝達機構50と全く同様であるため詳細な説明を省略する。
第1のローラユニット41と第2のローラユニット42との間には一対のシュート部材63A,63Bが配置されている。一対のシュート部材63A,63Bは、上記一対のシュート部材43A,43B及び一対のシュート部材45A,45Bとともに第2搬送路R2を形成するものである。シュート部材63A,63Bによって形成される搬送路上にはループ形成のための膨らみ部64が設けられている。この膨らみ部64は、一方のシュート部材63Aを外側に膨らませるように曲げることにより形成されている。また、膨らみ部64はプレレジストローラ8寄りに形成されている。
図11は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送制御系の構成として、特に、ローラ移動用のモータの駆動を制御する制御系の構成を示すブロック図である。図において、制御部65は、上述した第1のローラ移動機構47に設けられた駆動モータ48と第2のローラ移動機構59に設けられた駆動モータ60を個別に制御するものである。タブ検知部66は、先述したタブ検知部28と同様に、画像形成の対象となる用紙がタブ紙であるか否かを判別し、タブ紙であると認識した場合は、そのタブ位置を検知するものである。タブ検知部66によるタブ位置の検知結果は制御部65に入力される。これに対して、制御部65は、タブ検知部66の検知結果に基づいて駆動モータ48,60を制御する。具体的な制御形態については後段で詳しく説明する。
続いて、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。まず、画像形成の対象となる用紙3がタブ紙であって、このタブ紙の両面に画像を形成するにあたっては、上記第1実施形態の場合と同様の手順で用紙3の送り出し及びタブ位置の検知を行った後、プレレジストローラ8の回転にしたがって用紙3の先端(タブと反対側の用紙3の辺部)を回転停止状態のレジストローラ9の圧接部分(用紙をニップする部分)に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を補正する。その際、用紙3のループは、レジストローラ9の手前(上流側)で第2搬送路R2に設けられた膨らみ部64(図10参照)に形成される。
また、用紙3がプレレジストローラ8に到達するのに先立って、制御部27は、例えば図示しない用紙サイズ検知センサから得られる検知信号に基づいて、用紙の搬送方向と直交する方向における用紙幅を把握し、この用紙幅の情報に基づいて駆動モータ48,60を駆動することにより、レジストローラ9を構成する2つのローラ対と、プレレジストローラ8を構成する2つのローラ対が、それぞれ用紙幅の中心からほぼ均等な距離を隔てた位置に配置されるように、第1のローラユニット41と第2のローラユニット42を用紙の搬送方向と直交する方向に移動させる。これにより、画像転写部10で用紙3の第一面に画像を形成するにあたっては、搬送方向の上流側からプレレジストローラ8で送り込んだ用紙3の先端をレジストローラ9の圧接部分に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を適切に補正することができる。
続いて、上記第1実施形態と同様に、画像転写部10での画像の到達タイミングに合わせてレジストローラ9を回転させることにより、画像転写部10に用紙3を送り込んで第一面(例えば、タブの部分)に画像を形成した後、この用紙3をバキューム搬送部14及び画像定着部15を経由して第3搬送路R3から第4搬送路R4へと送り込む。さらに、用紙3を用紙反転部20及び再搬送部26を経由して用紙3を第2搬送路R2に送り込む。この場合、用紙3は、画像が形成されていない第二面を上向きにした状態で、プレレジストローラ8の回転により第2搬送路R2に沿ってレジストローラ9へと搬送されるため、レジストローラ9に送り込まれる用紙3の先端側にタブが存在することになる。そこで、制御部65においては、予めタブ検知部28で検知したタブ位置に基づいて、このタブ位置を回避する位置にレジストローラ9及びプレレジストローラ8を移動するように駆動モータ48,60を制御する。
具体的には、例えば図12に示すように、用紙(タブ紙)3が斜行した状態で搬送方向(矢印方向)に搬送される場合に、この用紙3がプレレジストローラ8に到達する前の段階で、制御部65が駆動モータ48,60を駆動し、これによって上記第1のローラユニット41と第2のローラユニット42を用紙の搬送方向と直交する方向(タブ3Aの位置と反対側)に移動させることにより、用紙3の先端側に存在するタブ3Aの移動経路からレジストローラ9とプレレジストローラ8の位置をずらす。
このように制御部27で駆動モータ48,60を制御することにより、用紙3の先端を回転停止状態のレジストローラ9に突き当てる際には、タブ位置を回避する位置にレジストローラ9とプレレジストローラ8が移動した状態になる。そのため、タブ3Aの部分がレジストローラ9に突き当たって用紙3の進行が妨げられることがない。したがって、画像転写部10で用紙3の第二面に画像を形成するにあたっては、その上流側で図13に示すように、用紙3の先端(タブ3Aの部分を除く)をレジストローラ9の圧接部分に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を適切に補正することができる。また、レジストローラ9と一緒にプレレジストローラ8を移動させることにより、用紙の搬送方向と直交する方向(図13の上下方向)において、レジストローラ9への用紙3の突き当て位置とプレレジストローラ8による用紙3のニップ位置が同じ位置になるため、用紙3の先端(タブ3Aの部分を除く)をバランス良くレジストローラ9に突き当ててループ状に撓ませることができる。
また、図14(A)に示すように、用紙3のタブ3Aの部分が用紙幅の中央に存在する場合は、このタブ3Aの部分を2つのローラ対で跨ぐような位置関係でレジストローラ9とプレレジストローラ8を配置し、図14(B)に示すように、用紙3のタブ3Aの部分が上記図12の場合と反対側に存在する場合は、そのタブ位置と反対側に寄せてレジストローラ9とプレレジストローラ8を配置する。このようにレジストローラ9に送り込まれる用紙(タブ紙)3の先端側にタブ3Aが存在する場合に、タブ検知部28で検知したタブ位置を回避する位置にレジストローラ9とプレレジストローラ8を移動するように制御部27で駆動モータ48,69を制御することにより、用紙3の第二面に画像を形成する際にも、レジストローラ9への突き当てによって用紙の斜行を適切に補正することができる。
このように用紙の斜行を補正した後は、上記第1実施形態と同様の手順で用紙3が排出トレイ18に排出される。また、用紙3の第二面に画像を形成するにあたって、画像形成の対象となる用紙3がタブ紙ではなく通常の矩形の用紙である場合は、用紙3の第一面に画像を形成する場合と同様の位置関係で用紙3の先端をレジストローラ9に突き当ててループ状に撓ませることにより、用紙の斜行を適切に補正することができる。
3…用紙、3A…タブ、8…プレレジストローラ、9…レジストローラ、10…画像転写部(画像形成部)、27,65…制御部、28,66…タブ検知部、31〜36…ローラ支持機構、41…第1のローラユニット、42…第2のローラユニット、47…第1のローラ移動機構、48,60…駆動モータ、59…第2のローラ移動機構、91〜96,81〜86…ローラ対、311,321,331,341,351,361…ソレノイド