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JP4390028B2 - ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents
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ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ水溶液での現像が可能でかつ感度、現像性に優れたポジ型感光性樹脂に対して、上記特性を保持したまま、表面における撥水特性を改良し、更なる機能付与した新規なポジ型感光性樹脂組成物に関するものである。このポジ型感光性樹脂組成物は特に液晶ディスプレイやELディスプレイにおけるインクジェット方式に対応した遮光材料や隔壁材料として用いるのに好適である。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂に感光性を付与する手法としては、例えば特開昭54−116216号公報及び、特開昭54−116217号公報に記載されている架橋性基を可溶性ポリイミド前駆体に化学的に結合する方法や、特開昭54−145794号公報及び、特開昭57−168942号公報に記載されている架橋性単量体を混合する方法などがある。
【0003】
上記の方法は、露光部が光により架橋不溶化するネガ型であり、現像の際有機溶媒を用いるため安全性に問題があるほか、現像液により露光部の膨潤が起こるため、高解像度の微細加工を行うのが困難である。
【0004】
それに対し、最近ではアルカリ水溶液による現像が可能なポジ型の感光性樹脂材料が開発され、注目を集めている。このような感光性樹脂組成物としてはヒドロキシル基を導入した有機溶媒可溶性のポリイミド樹脂にオルトキノンジアジド化合物を混合した組成物(特開昭64−60630号公報)や、極めて透明性に優れるポリイミドにオルトキノンジアジド化合物を混合した高解像度の感光性樹脂組成物(特開平3−209478号公報)が知られている。
【0005】
これらの方法により、アルカリ水溶液での現像が可能でかつ感度、現像性に優れたポジ型感光性ポリイミド樹脂が得られるようになった。
【0006】
しかしこれらの塗膜は、表面撥水性という観点から見ると、ポリイミド樹脂中にフェノール性水酸基、カルボキシル基、チオフェノール基、スルホン基などを含むことから、表面エネルギーが高く、水や有機溶媒、また染料や顔料を含むインクの塗れ性がよく、その接触角は低くなることが一般的である。
【0007】
一方液晶表示素子や有機EL表示素子を用いた各種ディスプレイ用の表示装置は、小型軽量、低消費電力などの優れた特性から目覚ましい発展を遂げている。これに伴い、表示品位をさらに向上させるために、用いられる部材に対する要求も益々厳しくなっている。この中でも、インクジェット方式を用いたフルカラー表示を行うための基板の作製技術が近年活発に検討されている。たとえば液晶表示素子におけるカラーフィルター作製に関しては、従来の印刷法、電着法、染色法または顔料分散法に対して、あらかじめパターニングされた画素を規定する区画(以下バンクという)を光を遮断する感光性樹脂層で形成し、このバンクに囲まれた開口部内にインク滴を滴下するカラーフィルターおよびその製造方法(特開平10−206627号公報、特開平11−326625号公報、特開平2000−187111号公報)などが提案されている。また有機EL表示素子においてもあらかじめバンクを作製し、同様に発光層となるインクを滴下し、有機EL表示素子を作製する方法(特開平11−54270号公報)が提案されている。
【0008】
しかしインクジェット法でバンクに囲まれたインク滴を滴下する場合、バンクを超えて隣の画素にインク滴が溢れる事態を防ぐため、基板には親インク性を持たせ、バンク表面には撥インク性を持たせる必要がある。
【0009】
上記の目的を達成するため、連続的プラズマ処理により、基板に親インク性を持たせ、かつバンクには撥インク性を持たせることができるとされているが、工程が煩雑である欠点がある。また感光性有機薄膜にフッ素系界面活性剤やポリイミド以外のフッ素系ポリマーを配合した例があるが、相溶性や添加量など、感光性のみならず塗膜性も含めて考慮すべき点が多く、実用的とは言い難かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、ポジ型感光性ポリイミドに対し任意かつ少量、相溶性に優れたポリイミドまたはポリアミック酸を添加することで、アルカリ水溶液での現像が可能、かつ感度、現像性に優れ、現像時、ポストベーク時の膜減りが小さいなどの優れた特性を保持したまま、表面における撥水特性を改良し、更なる機能付与した新規なポジ型感光性樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明を見出すに至った。
【0012】
すなわち本発明は、〔a〕下記式(1)
【0013】
【化4】
【0014】
(R1はテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基であり、R2はジアミンを構成する2価の有機基であり、かつR2の1〜100モル%がフェノール性水酸基、カルボキシル基、チオフェノール基、スルホン基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の基を1個または複数個有し、Kは整数である。)
で表される繰り返し単位を含有し、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)である溶媒可溶性ポリイミドと、〔b〕感光性オルトキノンジアジド化合物と、〔c1〕下記式(2)
【0015】
【化5】
【0016】
(R3はテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基であり、R4はジアミンを構成する2価の有機基であり、かつR4の1〜100モル%が炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の基を1個または複数個有し、lは整数である。)
で表される繰り返し単位を含有し、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)である溶媒可溶性ポリイミドまたは、〔c2〕下記式(3)
【0017】
【化6】
【0018】
(R5はテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基であり、R6はジアミンを構成する2価の有機基であり、かつR6の1〜100モル%が炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の基を1個または複数個有し、mは整数である。)
で表される繰り返し単位を含有し、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)であるポリアミック酸とを含有し、成分〔c1〕または成分〔c2〕が全ポリマー重量に対して0.1〜50重量%であることを特徴とするポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物に関するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液によるエッチングが容易であり、所定のパターンを有するマスクを用いて露光することにより、微細かつ寸法精度の高いレリーフパターンを有するポリイミド樹脂塗膜を容易に得ることができる。さらに得られた塗膜は表面撥水性に優れるという特徴を有する。
【0021】
上記の特徴のうち、まずアルカリ溶解性とポジ型感光性を付与するためには、〔a〕アルカリ溶解性が付与された溶媒可溶性ポリイミドと〔b〕感光性オルトキノンジアジド化合物が必須成分であり、次に表面撥水性を付与するためには、〔c1〕撥水性が付与された溶媒可溶性ポリイミドまたは〔c2〕撥水性が付与されたポリアミック酸が必須成分である。
【0022】
本発明の成分である溶媒可溶性ポリイミドおよびポリアミック酸を得る方法は特に限定されないが、通常はジアミンと、テトラカルボン酸またはその誘導体であるテトラカルボン酸二無水物やジカルボン酸ジハロゲン化物などとを反応、重合することによりポリアミック酸が得られ、更にポリアミック酸を脱水閉環することによりポリイミドが得られる。
【0023】
特にポリアミック酸を得る際、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物(以下、酸無水物と略記する)とを、N−メチルピロリドンなどの極性溶媒中で反応、重合させることが一般的である。
【0024】
この場合、ジアミンのモル数と酸無水物の総モル数との比は0.8から1.2であることが望ましい。
【0025】
通常の重縮合反応同様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。重合度が小さすぎると膜の強度が不十分となる。また重合度が大きすぎるとポリイミド膜作製時の作業性が悪くなる場合がある。したがって本発明における生成物の重合度は還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)とするのが好ましい。
【0026】
ジアミンと酸無水物の反応温度は−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
【0027】
ジアミンと酸無水物を反応させる際に使用できる極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m−クレゾール、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらは単独でも、混合して使用しても良い。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、重合反応により生成したポリアミック酸が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。
【0028】
このようにして得られたポリアミック酸はそのまま用いることもでき、またメタノール、エタノール等の貧溶媒に沈殿単離させて回収して用いることもできる。
【0029】
また、ポリアミック酸をポリイミドに転化するには、ポリアミック酸を溶液状態のまま150℃〜250℃で加熱し、脱水閉環させればよく、脱水閉環で生成した水を取り除くためトルエン、またはキシレンなどを添加し共沸脱水すること等も可能である。
【0030】
また、ポリアミック酸をポリイミドに転化する更に簡便な方法として、触媒イミド化がある。
【0031】
この場合はポリイミド前駆体溶液に無水酢酸とトリエチルアミン、ピリジン、イソキノリン、イミダゾール等の三級アミンを添加し、0℃〜200℃の任意の温度でイミド化を行うことができる。
【0032】
この方法は、特に加熱を必要とせず、脱水閉環で生成した水を取り除くための煩雑な操作も必要としないため、ポリアミック酸をポリイミドに転化するのには有効な方法として知られている。しかし、ヒドロキシル基を含有するポリイミド樹脂の場合には、ヒドロキシル基が反応性の高い無水酢酸と反応してしまうため、この方法を採用することはできないという欠点があることが知られている(特開昭64−33133号公報)。
【0033】
本発明の成分〔a〕においては、式(1)中のR2を構成する2価の有機基中に、カルボキシル基、スルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の基を1個または複数個有し、フェノール性水酸基及びチオフェノール基を有さない場合にのみ、この方法を採用できる。
【0034】
<成分〔a〕溶媒可溶性ポリイミド>式(1)中のR2を構成するジアミンは、アルカリ溶解性を付与するために、1〜100モル%がフェノール性水酸基、カルボキシル基、チオフェノール基、スルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の基を1個または複数個有するジアミンである必要があり、アルカリ溶解性と溶媒可溶性を阻害しない範囲であれば、0〜99モル%が上記の基を有さないジアミンであっても構わない。
【0035】
以下にフェノール性水酸基、カルボキシル基、チオフェノール基、スルホン酸基を有するジアミン及びこれらの基を有さないジアミンの具体例を示すが、本発明はこれらに限定される物ではなく、またこれらは1種もしくは複数種同時に用いることができる。
【0036】
フェノール性水酸基を有するジアミンとしては、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,5−ジアミノハイドロキノン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5'−ジメトキシビフェニル、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0037】
カルボキシル基を有するジアミンとしては、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジカルボン酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)スルホン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシ−5,5'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシ−5,5'−ジメトキシビフェニル、1,4−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0038】
チオフェノール基を有するジアミンとしては、1,3−ジアミノ−4−メルカプトベンゼン、1,3−ジアミノ−5−メルカプトベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メルカプトベンゼン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)エーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0039】
スルホン酸基を有するジアミンとしては、1,3−ジアミノベンゼン−4−スルホン酸、1,3−ジアミノベンゼン−5−スルホン酸、1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホン酸、ビス(4−アミノベンゼン−3−スルホン酸)エーテル、4,4'−ジアミノビフェニル)3,3'−ジスルホン酸、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルビフェニル−6,6'−ジスルホン酸等が挙げられる。
【0040】
更にこれらの基を複数個有する物としては、ビス(4−アミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0041】
また、触媒イミド化により容易に製造しうる溶媒可溶性ポリイミド樹脂を得るには、カルボキシル基及びスルホン酸基を有するジアミンが好ましい。
【0042】
上記のアルカリ溶解性を付与する基を有しないジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−メチレン-ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)4,4'−メチレン-ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トリジン、m−トリジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。
【0043】
ポリイミドの溶媒可溶性の点からは4,4'−メチレン-ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が好ましい。
【0044】
また、ポリイミドの密着性の点からはシロキサン含有ジアミンを用いることも好ましい。
【0045】
シロキサン含有ジアミンとしては、
【0046】
【化7】
【0047】
(式中、pは1から10の整数を表す)
などを挙げることができる。
【0048】
式(1)中のR1を構成するテトラカルボン酸およびその誘導体は、溶媒可溶性ポリイミドが得られればその構造は特に限定されず、これらは1種でも複数種同時に用いても構わない。
【0049】
あえて酸無水物の具体例を挙げれば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の様な芳香族テトラカルボン酸無水物などを挙げることができる。
【0050】
溶解性の観点からは3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などが好ましい。
【0051】
また、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物の様な脂環式テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物の様な脂肪族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0052】
特に、ポリイミドの溶解性の点からは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物など、4個のカルボニル基が芳香環に直接結合しないテトラカルボン酸からなる酸無水物が好ましい。
【0053】
更に、透明性の高いポリイミド樹脂を得るには、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0054】
<成分〔b〕感光性オルトキノンジアジド>オルトキノンジアジド化合物は、本発明の樹脂組成物にポジ型感光性を付与するのに必須の化合物である。オルトキノンジアジド化合物としては、分子内にオルトキノンジアジド基を含有する化合物であれば良く、特に限定されない。例えばオルトベンゾキノンジアジド化合物、オルトナフトキノンジアジド化合物、オルトキノリンキノンジアジド化合物などが挙げられ、中でもオルトナフトキノンジアジド化合物を用いるのが一般的である。
【0055】
上記オルトキノンジアジド化合物は、通常、オルトキノンジアジドスルホニル化合物として用いられる。
【0056】
これらのオルトキノンジアジドスルホニル化合物は、通常オルトキノンジアジドスルホニルクロライドと、フェノール性水酸基もしくはアミノ基を有する化合物との縮合反応によって得られる。
【0057】
オルトキノンジアジドスルホニルクロライドを構成するオルトキノンジアジドスルホニル成分としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホニルなどを挙げることができる。
【0058】
また、オルトキノンジアジドスルホニルクロライドと反応させる化合物としては、例えば、フェノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、フロログルシノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン、2’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン、2’,6’−ジヒドロキシアセトフェノン、3’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン、2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンなどのフェノール化合物が挙げられる。
【0059】
また、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族アミンを挙げることができる。
【0060】
更に、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのアミノフェノールを挙げることができる。
【0061】
特に、溶解性の点からオルトキノンジアジド化合物としては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホン酸エステルであることが好ましい。これらの化合物は1種又は2種以上用いても良い。
【0062】
<成分〔c1〕溶媒可溶性ポリイミド>式(2)のR4を構成するジアミンは、撥水性を付与するため、1〜100モル%が炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基からなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の基を1個または複数個有する必要があり、撥水性を損なわない範囲であれば、0〜99モル%が上記の基を有しない物でも構わず、これらは1種もしくは複数種同時に用いることができる。
【0063】
また所望の撥水性を得るためには、炭素数6以上が好ましく、さらに好ましくは炭素数12〜20である。
【0064】
炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有するジアミンは、分子内に長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有していれば特に限定されないが、あえて長鎖アルキル基、含フッ素アルキル基を有するジアミンの具体例を挙げれば、4−ヘキシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−オクチルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−デシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−ドデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−ヘキサデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−オクタデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ビスヘキシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、5−(ヘキシルオキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、5−(1−オクチルオキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、5−(1−デシルオキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、5−(1−ドデシルオキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、5−(1−ヘキサデシルオキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、5−(1−オクタデシルオキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ビスオクチルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ビスデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ビスドデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ビスヘキサデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ビスオクタデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン、ヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、オクチル−3,5−ジアミノベンゾエート、デシル−3,5−ジアミノベンゾエート、ドデシル−3,5−ジアミノベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジアミノベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジアミノベンゾエートなどの長鎖アルキル基含有ジアミン、4−ペルフルオロヘキシル−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペルフルオロオクチル−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペルフルオロデシル−1,3−ジアミノベンゼン、5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルー1−オキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、5−(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル−1−オキシメチル)−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペルフルオロデシル−1,3−ジアミノベンゼン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−3,5−ジアミノベンゾエート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル−3,5−ジアミノベンゾエートなどの含フッ素アルキル基含有ジアミンが挙げられる。
【0065】
本発明の撥水性を損なわない範囲で用いられる、長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有しないジアミンとして、あえて具体例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−メチレン-ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)4,4'−メチレン-ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トリジン、m−トリジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。
【0066】
ポリイミドの溶解性の観点からは4,4'−メチレン-ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が好ましいが、それらに限定されるものではなく、反応性を考慮し、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、を用いることは勿論好ましい。
【0067】
また、ポリイミドの密着性の点からはシロキサン含有ジアミンも好ましい。
【0068】
シロキサン含有ジアミン成分としては、
【0069】
【化8】
【0070】
(式中、pは1から10の整数を表す)
などを挙げることができる。
【0071】
式(2)中のR3を構成するテトラカルボン酸およびその誘導体は、特に限定されないが、透明性と溶媒可溶性を考慮し、脂環式または脂肪族が好ましく、これらは1種でも複数種同時に用いても構わない。
【0072】
あえて脂環式または脂肪族の酸無水物の具体例を挙げれば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物の様な脂環式テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物の様な脂肪族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0073】
特に透明性と溶媒可溶性の点から1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物が好ましい。
【0074】
<成分〔c2〕ポリアミック酸>式(3)中のR5を構成するジアミンは、撥水性を付与するため1〜100モル%が炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基からなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の基を1個または複数個有する必要があり、撥水性を損なわない範囲であれば、0〜99モル%が上記の基を有しない物であっても構わず、これらは1種もしくは複数種同時に用いることができる。
【0075】
また所望の撥水性を得るためには、炭素数6以上が好ましく、さらに好ましくは炭素数12〜20である。
【0076】
炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有するジアミンは、分子内に長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有していれば特に限定されないが、あえて長鎖アルキル基、含フッ素アルキル基を有するジアミンの具体例を挙げれば、前記、式(2)のR4を構成するジアミンで例示した長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有するジアミンを挙げることができる。
【0077】
また同様に本発明の撥水性を損なわない範囲で用いられる、長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有しないジアミンも、式(2)のR4を構成するジアミンで例示した、長鎖アルキル基もしくは含フッ素アルキル基を有しないジアミンを挙げることができる。
【0078】
式(3)中のR6を構成するテトラカルボン酸およびその誘導体は特に限定されず、これらは1種でも複数種同時に用いても構わない。
【0079】
あえて酸無水物の具体例を挙げれば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の様な芳香族テトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物の様な脂環式テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物の様な脂肪族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0080】
特に透明性の点から1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物などが好ましい。
【0081】
<本発明の組成物>本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を得るためには、〔a〕式(1)で表される溶媒可溶性ポリイミドと、〔b〕感光性オルトキノンジアジド化合物と、〔c1〕式(2)で表される溶媒可溶性ポリイミドまたは〔c2〕式(3)で表されるポリアミック酸とを混合もしくは添加すればよく、その方法としては特に限定されない。
【0082】
この際、成分〔c1〕または成分〔c2〕の配合量は、塗膜の撥水性を調整する上で、任意に調整することができるが、好ましくは全ポリマー重量に対して0.1〜50重量%であり、より好ましくは0.1〜20重量%である。この配合量が多くなるとアルカリ現像性が低下するなど、本発明の効果を充分に得られないことがある。
【0083】
また、成分〔b〕の配合量は、成分〔a〕100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましく、配合量が1重量部より少ないと、得られる組成物の露光時の感度が著しく低くなり、パターン形成ができず、また、100重量部より多いと、得られる組成物より形成される膜の機械的性質、電気的特性などが低下する。
【0084】
本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物は、液晶表示素子やEL表示素子などに用いられる場合、有機溶媒に溶解された溶液として用いられる。
【0085】
この有機溶媒は、〔a〕、〔b〕、〔c1〕または〔c2〕の成分を均一に溶解するものであれば、特に限定されない。
【0086】
その具体例としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m−クレゾール、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0087】
その他、基板への塗布性や印刷性、さらには保存安定性など目的に応じ本組成物の溶解性を阻害しない限りは、他の有機溶媒を混合して使用してもよい。そのような有機溶媒の具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、乳酸エチル、乳酸ブチル、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどが挙げられる。
【0088】
上記のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物溶液の濃度は、各成分が有機溶媒に均一に溶解している限りは、特に限定されない。加工面の容易さから、1〜50重量%の範囲が一般的である。
【0089】
本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物は、ITO膜付きガラス基板、SiO2付きガラス基板、Cr膜付きガラス基板などの基材上に回転塗布した後、50〜130℃で予備乾燥して膜を形成することができる。この際、シラン系のカップリング剤などを処理した基板を用いることはもちろん好ましい。
【0090】
上記の膜上に所定のパターンを有するマスクを装着し、光を照射し、アルカリ現像液で現像することにより、露光部が洗い出されて端面のシャープなレリーフパターンが得られる。
【0091】
光源には超高圧水銀ランプが使用されるのが一般的であり、光源とマスクの間に分光フィルターを挟むことで、i−線(365nm)、h−線(405nm)やg−線(436nm)などを分光照射することが可能であるが、本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物はこれらいずれの波長の光を用いてもパターン形成が可能である。
【0092】
さらに、マスクパターンを本発明の感光性ポリイミド樹脂組成物に転写する方法はコンタクトアライナーを用いた密着露光やプロキシミティ露光、ステッパを用いた縮小投影露光が可能である。
【0093】
現像の際使用される現像液はアルカリ水溶液であればどのようなものでもよく、苛性カリウム、苛性ソーダなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。
【0094】
これらの現像液は5〜50℃で使用可能であるが、本組成物は、露光部の溶解性が高く、汎用の2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて室温で容易に現像を行うことができる。
【0095】
かくして得られたレリーフパターンを有する基板を200〜400℃で熱処理を行うことにより、耐熱性、耐薬品性、電気特性に優れ、良好なレリーフパターンを有するポリイミド塗膜を得ることができる。
【0096】
本発明の組成物は、高感度、高解像度のポジ型感光特性を有し、しかもアルカリ水溶液によるエッチングが容易であり、所定パターンを有するマスクを用いて露光することにより、微細形状かつ寸法精度の高いレリーフパターンを有するポリイミド樹脂塗膜を容易に得ることができ、さらに表面撥水性に優れた塗膜を得ることができる。
【0097】
本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物は、特に液晶ディスプレイやELディスプレイにおけるインクジェット方式に対応した遮光材料や隔壁材料として用いるのに好適である。
【0098】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0099】
【実施例】
実施例1
(ポリイミド樹脂組成物の合成)
1,3−ジアミノ−5−安息香酸2.74g、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン18.16g、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物11.53gをN−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する)183.80g中室温で6時間反応した。NMPで固形分6.0重量%に希釈後、無水酢酸、ピリジンを加え40℃で2時間、脱水閉環反応を行った。この溶液をメタノール中に投入後、ろ別乾燥して、数平均分子量が38,000(繰り返し単位換算でk=70)のポリイミド粉末〔A〕を得た。還元粘度は1.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)であった。
【0100】
またp−フェニレンジアミン5.52g、4−オクタデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン3.39g、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物18.02gをNMP152.60g中室温で6時間反応した。NMPで固形分6.0重量%に希釈後、無水酢酸、ピリジンを加え40℃で2時間、脱水閉環反応を行った。この溶液をメタノール中に投入後、ろ別乾燥して、数平均分子量が17,000(繰り返し単位換算でl=38)のポリイミド粉末〔C〕を得た。還元粘度は0.6dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)であった。
【0101】
上記ポリイミド粉末〔A〕をγ−ブチロラクトンに溶解させ樹脂濃度15%とした溶液20gに、感光性オルトキノンジアジド化合物〔B〕(2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン1モルに対して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸が3モル置換したエステル化合物)0.90gを加え、室温で1時間攪拌し均一な溶液が得られた。
【0102】
次いでポリイミド粉末〔C〕をγ−ブチロラクトンに溶解させ樹脂濃度15%とした溶液を0.20g(全ポリマー重量に対しポリイミド粉末〔C〕が1重量%)添加し、さらに室温で6時間攪拌し、1μmのフィルタによりろ過し、本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物の溶液を得た。
【0103】
(感光特性の評価)
この感光性ポリイミド樹脂溶液をSiO2付きガラス基板上にスピンコーターを用いて直接塗布し、ホットプレート上80℃で10分間加熱することで膜厚1.60μmの塗膜を得た。この塗膜にテストマスクを通して紫外線照射装置(キャノン社製 PLA−501)により、紫外光(フィルターを用いて取り出した365nm光)を1000mJ/cm2の範囲で照射した。露光後、23℃のアルカリ現像液(東京応化社製、NMD-3)に120秒間浸漬することにより現像を行った後、純水で20秒間リンスした。その結果、露光量を340mJ/cm2以上照射した部分でパターン形成が確認された。現像後の膜厚は1.60μmであった。パターン解像度は、ライン/スペースで4μmまでパターン剥離なく形成された。得られたフィルムを170℃、30分、250℃1時間間循環乾燥炉で加熱し、膜厚1.39μmポリイミドパターンを得た。
【0104】
(撥水性の評価)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物溶液を、SiO2付きガラス基板上にスピンコーターを用いて直接塗布し、ホットプレート上80℃で10分間加熱することで膜厚1.60μmの塗膜を得た。この塗膜にマスクを通して紫外線照射装置により、紫外光(フィルターを用いて取り出した365nm光)を1000mJ/cm2の範囲で照射した。露光後、23℃のアルカリ現像液に120秒間浸漬することにより現像を行った後、純水で20秒間リンスした。現像後の膜厚は1.39μmであった。得られたフィルムを170℃、30分、250℃1時間循環乾燥炉で加熱し、膜厚1.65μmの均一なポリイミド塗膜を得た。この塗膜上の水とヨウ化メチレンの接触角を測定したところ、それぞれ63.1°、30.8°であった。また、下記計算により塗膜の表面エネルギーを算出した。
【0105】
【数1】
【0106】
【数2】
【0107】
θ;塗膜上の液体の接触角
γL;液体の表面エネルギー
γL d;液体の表面エネルギー分散項
γL p;液体の表面エネルギー極性項
γS;塗膜の表面エネルギー
γS d;塗膜の表面エネルギー分散項
γS p;塗膜の表面エネルギー極性項
ここで、水の接触角をθ1、ヨウ化メチレンの接触角をθ2とし、水の表面エネルギー(γL= 72.8 、γL d= 29.1 、γL p= 43.7 ){dyn/cm}、ヨウ化メチレンの表面エネルギー(γL= 50.8 、γL d= 46.8 、γL p= 4.0 ){dyn/cm}を代入すると
【0108】
【数3】
【0109】
となり、θ1、θ2にそれぞれ測定値を代入し、上記式を連立させてγS d、γS pを求める。
【0110】
その結果、塗膜の表面エネルギーは、45.6dyn/cmであった。また露光部のSiO2基板の水とヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ40.7°、6.9°であり、表面エネルギーは、58.9dyn/cmであった。
【0111】
実施例2
実施例1で、ポリイミド粉末〔C〕をγ−ブチロラクトンに溶解させ樹脂濃度15%とした溶液0.20gを1.05g(全ポリマー重量に対しポリイミド粉末〔C〕が5重量%)に変更した以外は実施例1に従ってポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物の溶液を得た。
【0112】
調製したポジ型感光性樹脂組成物の溶液を用いて、実施例1に準拠して膜厚1.65μmの塗膜を得た。その結果、露光量を400mJ/cm2以上照射した部分でパターン形成が確認された。現像後の膜厚は約1.65μmであった。パターン解像度は、ライン/スペースで5μmまでパターン剥離なく形成された。得られたフィルムを170℃30分間、250℃60分間循環乾燥炉で加熱し、膜厚1.42μmポリイミドパターンを得た。実施例1に準拠して求めた水とヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ73.1°、38.0°であり、表面エネルギーは、40.8dyn/cmであった。また露光部のSiO2基板の水とヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ43.1°、14.8°であり、表面エネルギーは、57.2dyn/cmであった。
【0113】
比較例1
実施例1でポリイミド粉末〔C〕を添加しなかった以外は、実施例1に従ってポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物の溶液を得た。
【0114】
調製したポジ型感光性樹脂組成物の溶液を用いて、実施例1に準拠して膜厚1.52μmの塗膜を得た。その結果、露光量を400mJ/cm2以上照射した部分でパターン形成が確認された。現像後の膜厚は約1.49μmであった。パターン解像度は、ライン/スペースで5μmまでパターン剥離なく形成された。得られたフィルムを170℃30分間、250℃60分間循環乾燥炉で加熱し、膜厚1.32μmポリイミドパターンを得た。実施例1に準拠して求めた水とヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ43.6°、12.5°であり、表面エネルギーは、57.1dyn/cmであった。また露光部のSiO2基板の水とヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ43.5°、6.3°であり、表面エネルギーは、57.6dyn/cmであった。
【0115】
【発明の効果】
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより、アルカリ水溶液での現像が可能かつ感度、現像性に優れたポジ型感光性樹脂に対して、上記特性を保持したまま、表面における撥水特性を改良した均一な塗膜を得ることができる。

Claims (8)

  1. 〔a〕下記式(1)
    (Rはテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基であり、Rはジアミンを構成する2価の有機基であり、かつRの1〜100モル%がフェノール性水酸基、カルボキシル基、チオフェノール基、スルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の基を1個または複数個有し、Kは整数である。)
    で表される繰り返し単位を含有し、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)である溶媒可溶性ポリイミドと、〔b〕感光性オルトキノンジアジド化合物と、〔c1〕下記式(2)
    (Rはテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基であり、Rはジアミンを構成する2価の有機基であり、かつRの1〜100モル%が炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは炭素数6以上の含フッ素アルキル基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の基を1個または複数個有し、lは整数である。)で表される繰り返し単位を含有し、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)である溶媒可溶性ポリイミドまたは、〔c2〕下記式(3)
    (Rはテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基であり、Rはジアミンを構成する2価の有機基であり、かつRの1〜100モル%が炭素数6以上の長鎖アルキル基もしくは炭素数6以上の含フッ素アルキル基からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の基を1個または複数個有し、mは整数である。)
    で表される繰り返し単位を含有し、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)であるポリアミック酸とを含有し、成分〔c1〕または成分〔c2〕が全ポリマー重量に対して0.1〜50重量%であることを特徴とするポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  2. 成分〔b〕が成分〔a〕100重量部に対して1〜100重量部である請求項1に記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  3. 成分〔b〕が1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1または請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 式(1)のRが1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  5. 式(2)のRまたは式(3)のRが脂環式または脂肪族のテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  6. 式(2)のRが3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンコハク酸およびその誘導体を構成する4価の有機基を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  7. 式(2)のRがp-フェニレンジアミンを構成する2価の有機基を含有する請求項1乃至6のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  8. 式(3)のRが1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸およびその誘導体を構成する4価の有機基を含有する請求項1乃至7のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
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