JP4390463B2 - 液体噴射方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体をターゲットに噴射させる液体噴射装置として、インク滴を紙に噴射させて画像等を印刷するインクジェット式プリンタがある。この種のプリンタにおいては、印刷の途中でインクがなくなることにより種々の不具合が生じることがあった。例えば、印刷ができなくなったり、色の違う印刷に変わったりするなどである。この不具合をなくすために、印刷する前に各色のインクについて印刷に必要な使用量があるか否かを判断するプリンタが開発されている(例えば特許文献1)。このプリンタは、検出したインクカートリッジ内の各色のインクの残量と、印刷するデータに基づいて印刷に必要な各色のインクの使用量とを比較演算して、色毎のインクの残量が使用量以上である場合にすべての印刷を行う。このとき、プリンタは、印刷するデータを解析し各色のインク毎に印刷にて駆動される記録ヘッドの動作回数を算出して、この記録ヘッドの動作回数とそのときの各色のインクの噴射量を掛け合わせることにより、各色のインクについて使用量を求めていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−166622号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、印刷における各色のインクの動作回数は膨大であるため、使用量の演算は、プリンタに大きな負荷をかけることになっていた。そのため、インク量があるか否かの判断に要する時間が長くなり、ユーザがプリンタに印刷実行の指令を与えてから印刷が終了するまでに大幅に時間がかかることとなっていた。
【0005】
特に、この問題は、画像の解像度が高くなって、インクを噴射する回数が増加する傾向がある近年においては、大きな問題となっている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされ、液体噴射装置にかかる負荷を低減して、液体切れが生じるか否かの判断を行いながらも液体噴射の処理時間をより短くすることのできる液体噴射方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体噴射データに基づいて、複数の液体収容体に収容された複数種類の液体を複数のノズルから噴射させてターゲットに所定の液体噴射を行う液体噴射方法において、前記液体収容体内の液体の残量を検出する検出段階と、前記液体噴射データにおけるnライン毎に1ラインの部分データ又はnドット毎(nは2以上の自然数)に1ドットの部分データを解析対象部分データとして抽出して、この解析対象部分データから前記液体噴射の際に使用する各液体の計算基準量を求め、この計算基準量をn倍することにより、使用する各液体の概算の使用量を算出する算出段階と、前記液体収容体内の液体の残量が、前記算出段階で算出された液体の概算の使用量以上あるか否かを判断する判断段階と、前記判断段階において前記残量が前記概算の使用量より少ないと判断された液体がある場合に、当該液体が不足している旨と、当該液体を収容する前記液体収容体の色と、前記残量で液体噴射可能なターゲット数と、液体噴射実行を取り消すためのキャンセルボタンと、前記液体噴射データをすべて解析して厳密な使用量を再度計算するための再計算ボタンと、前記残量で液体噴射可能なターゲット数のみを液体噴射するための液体噴射ボタンと、全部の液体噴射を完了させるために不足している前記液体の噴射量を抑えながら液体噴射するためのセーブ液体噴射ボタンと、を表示画面に表示する表示段階と、を備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体噴射方法において、前記判断段階において前記残量が前記概算の使用量以上ないと判断された液体の残量で、液体噴射可能な前記ターゲットの数を算出する液体噴射可能量算出段階を更に備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液体噴射方法において、前記判断段階において液体の残量が前記概算の使用量以上ないと判断された液体についての噴射量を、前記液体噴射データで定められた噴射量より少ない噴射量に変更する噴射量変更段階を更に備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液体噴射方法において、前記噴射量変更段階において変更された前記噴射量で前記液体を噴射させて形成される全体イメージを表示するためのイメージデータを作成するイメージデータ作成段階を更に備えたことを要旨とする。
【0022】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、液体噴射データから抽出した解析対象部分データに基づいて液体切れが生じるか否かの判断が行われる。すなわち、液体切れの判断を行うために、全液体噴射データに基づいて使用量が算出されず、その一部分を解析した使用量から全液体噴射データに使用される概算の使用量が算出される。液体噴射データの解析には液体噴射装置に大きな負荷がかかるが、抽出した一部分のデータのみを解析すれば、その負荷を軽減することができる。また、算出される概算の使用量は、十分に各種類の液体がある場合に実際に液体噴射装置に所定の液体噴射を行わせるための液体噴射データから抽出されたデータであるので、すなわち実行される液体噴射データの一部であるので、実行される液体噴射で使用される使用量とほぼ近似して算出することができる。従って、液体切れの判断をより正確に行うことができるとももに、液体噴射装置にかかる負荷を低減し、液体噴射実行の指令を受信してから実際にすべての液体噴射が終了するまでの処理時間を短くすることができる。
さらに、概算の使用量は液体噴射データからn間隔で抜き出されたデータを解析し、この解析した結果を簡単にn倍して求めている。従って、液体噴射データのn分の1の部分となる液体噴射データから均一に抜き出されたデータを解析してn倍しているので、実際に液体噴射される際の使用量に、より近似した概算の使用量を算出することができる。また、概算の使用量は、液体噴射データにおけるn分の1のデータを抽出しているので、そのデータの解析に基づいて算出される計算基準量は約n分の1の負荷で済む。従って、液体噴射装置にかかる負荷を更に低減して、液体噴射の処理時間を短くすることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、残量が概算の使用量以上ないと判断された液体、すなわち液体噴射の途中で液体切れが生じると判断された液体を用いて液体噴射ができるターゲットの量を表示する。従って、ユーザは、液体を交換せずとも液体噴射ができる量を知ることができるので、液体噴射できる部分を、その液体噴射ができる量に応じて取捨選択して液体噴射することが可能である。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、残量が概算の使用量以上なく液体噴射が行えないと判断された液体の噴射量を、液体噴射データに基づいて定められた噴射量より少ない噴射量に変更して、液体の各噴射量を抑える。従って、噴射量を変更させた液体の含有が少ない液体噴射となるが、より多くの液体噴射を行うことができる。また、噴射量の変更が少しだけの場合には、液体が十分にある場合の液体噴射に近い状態で、より多くの液体噴射を行うことができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、噴射量を変更させた液体について、その変更された噴射量で出来上がる液体噴射のイメージ画面を表示する。
従って、ユーザは、実際にどのような液体噴射となるかを把握することができ、液体が十分にある場合に比べてあまりにも異なるような場合には、液体噴射を実行する前にその液体噴射を中止することも可能となる。すなわち、ターゲットや液体の無駄を低減することが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した液体噴射システムの第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の液体噴射システムとしての印刷システムにおいて、ユーザが使用するコンピュータ11は、液体噴射置としてのインクジェット式のプリンタ(以下、プリンタという。)12に接続されている。同コンピュータ11は、キーボード14及びマウス15を備え、これらが操作されることにより文字入力や設定変更などが行われる。また、同コンピュータ11はモニタ16を備え、このモニタ16を介してユーザに(所定の液体噴射により)印刷する文書又は画像の指定やユーザにより印刷実行の指示などが行われる。
【0030】
一方、プリンタ12は、外部に給紙トレイ17及び排紙トレイ18を備えるとともに、内部に複数の紙送りローラ19を備えている。紙送りローラ19は図2に示す紙送りモータ19aによって適宜駆動される。このため、プリンタ12は、ターゲットである紙Pを給紙トレイ17から導入し、この紙Pを副走査方向Xに搬送させた後、排紙トレイ18に排出する。
【0031】
また、プリンタ12は、内部に、キャリッジ20及びこれに対向するプラテン21を備えている。プラテン21は、印刷時に紙Pを支持する支持台であって、印刷時にはその上方に、前記紙送りローラ19により搬送された紙Pが至る。キャリッジ20は、ガイド軸22に嵌合され、かつキャリッジモータ20aにより駆動されるタイミングベルト23に固着されて、主走査方向(紙面及び前記副走査方向に垂直な方向)に往復移動可能とされている。
【0032】
キャリッジ20には、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロ、ダークイエロ、ブラックの各色のインク(これが「複数種類の液体」に相当)を別々に収容した複数の液体収容体としてのインクカートリッジ25(図では1のみ表示)が搭載されている。各インクカートリッジ25には、その外周面に不揮発性メモリ(EEPROM)25aがそれぞれ取着されている。この不揮発性メモリ25aには、例えば該インクカートリッジ25に貯留されているインクの残量S及び該インクの色などのインクの属性情報と、該カートリッジの種類、取り付けられた回数及び製造年月日などのインクカートリッジ情報とが記憶されている。
【0033】
また、キャリッジ20は、その下面に液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド30を有している。この記録ヘッド30の下面には、図示しないノズルが前記主走査方向及び前記副走査方向に複数配列されている。また、これらノズルから図2に示す噴射手段としての圧電素子30aの伸縮によって、前記インクを11pl(ピコリットル)、7pl及び4plの何れかの大きさのインク滴で紙P上に噴射させる。従って、キャリッジ20は、主走査方向に移動しながら記録ヘッド30から各色のインクを噴射して、紙Pに印刷を行う。
【0034】
次に、この印刷システムの電気的構成について図2を参照して説明する。
コンピュータ11は、図2に示すように、概算使用量算出手段、検出手段、判断手段、液体噴射可能量算出手段、噴射量変更手段及びイメージデータ作成手段としてのCPU40を備えている。このCPU40は、バス線41を介して前記キーボード14、マウス15及びモニタ16に接続されている。また、同CPU40は、図示しないRAM及びROMに接続されている。RAMは、CPU40で算出された数値などの情報を一時的に記憶するものである。また、ROMは、1色のインクで紙Pの全面を印刷したときに使用される使用量(以下、算出基準量という)rを、その紙Pの大きさ毎に予め記憶している。
【0035】
更に、同CPU40は、データ記憶部42及びプログラム記憶部43に接続されている。データ記憶部42は文書データや画像データを記憶している。
プログラム記憶部43には、図示しないCD−ROMなどの情報記録媒体から読み取られてインストールされたプリンタドライバ用プログラムと印刷用アプリケーションプログラムとが組み込まれている。プリンタドライバ用プログラムは、文書データや画像データなどに基づいて作成される液体噴射データである印刷データをプリンタ12で処理可能な中間画像データ(シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロ、ダークイエロ、ブラックの各色について多値化された信号からなる印刷データ)に変換するプログラムである。また、印刷用アプリケーションプログラムは、ユーザ操作に応じて、印刷に必要な情報の取得や演算などを行うために、所定の動作(検出段階、算出段階、判断段階、液体噴射可能量算出段階、噴射量変更段階及びイメージデータ作成段階)をCPU40に行わせるプログラムである。すなわち、CPU40は、この印刷用アプリケーションプログラムに従って、印刷データを作成したり、各色のインクについて、監視判断量R、概算使用量GT及び使用量Tを算出したり、これら算出した量の比較を行ったりする。
【0036】
ここにおいて、監視判断量Rとは、1色のインクで全印刷領域を印刷する際に使用されるインク量であって、印刷される紙Pの大きさと印刷枚数とに基づいて印刷毎に算出される。すなわち、監視判断量Rは、前記算出基準量r×印刷枚数で算出される。
【0037】
また、概算使用量GTは、実際の使用量とほぼ同じ値であるとしてインク切れ(液体切れ)が判断される基準量であり、計算基準量としてのデータ解析量SRを4倍することにより算出される。なお、データ解析量SRは、印刷データから4ライン毎に1ラインずつ抽出したデータのすべてで、使用される各色のインク毎の使用量の合計である。すなわち、印刷データの1/4のデータを解析して得られるインク毎の使用量である。そのため、前記概算使用量GTは、データ解析量SR×4で算出される。
【0038】
更に、前記使用量Tとは、印刷データを解析して得られる噴射回数及びそのときの噴射量から算出されるインク量、すなわちその印刷を完了するために必要なインクの量である。
【0039】
一方、プリンタ12は、CPU45を備えており、このCPU45はインターフェイスIを介して前記コンピュータ11のCPU40に接続されている。CPU45は、バス線46を介してRAM47、ROM48に接続されている。RAM47はコンピュータ11から受信した印刷データを一時的に保存する。ROM48には所定のプログラムが記憶されており、このプログラムに基づいてCPU45が所定の動作を行い、印刷が行われる。
【0040】
また、プリンタ12のCPU45は、送りモータ駆動部51、移動モータ駆動部52、ヘッド駆動部53の各駆動部に接続されている。送りモータ駆動部51は前記紙送りモータ19aを、移動モータ駆動部52は前記キャリッジモータ20aを、ヘッド駆動部53は前記圧電素子30aをそれぞれ駆動させる。
【0041】
更に、プリンタ12のCPU45は、読取部49を有している。この読取部49は、前記キャリッジ20が非作動位置にあるときに前記不揮発性メモリ25aに接続する。すなわち、CPU45は、キャリッジ20が非作動位置にあるときに、読取部49を介して不揮発性メモリ25aに対しデータの読み書きを行う。
【0042】
次に、上述した印刷システムの作用について図3に従って説明する。
ユーザは、コンピュータ11のモニタ16に表示された画像を印刷したい場合には、キーボード14及びマウス15を介して、前記印刷用アプリケーションプログラムを起動する。そして、ユーザは、このプログラムの起動後、キーボード14又はマウス15を介して、印刷する紙Pの大きさ及び印刷枚数を指定し(例えばA4版の紙Pで10枚など)、かつ印刷実行指令の入力を行う(ステップS10)。なお、このときには、これから印刷する画像のデータはデータ記憶部42に保存されている。コンピュータ11は、印刷実行指令が入力されると、指定された画像データをデータ記憶部42から取得し、このデータに基づいて印刷データを作成する(ステップS11)。
【0043】
そして、コンピュータ11は、前記印刷実行指令の入力とともに指定された紙Pの大きさ及び枚数から監視判断量Rを算出する(ステップS12)。詳述すると、CPU40は、まず、指定された大きさ(A4版)の紙Pにおける前記算出基準量をROMから読み出す。次に、CPU40は、この読み出された算出基準量と印刷枚数とを掛け合わせて監視判断量Rを算出する。すなわち、CPU40は、1色のインクで指定された枚数及び指定された大きさの紙Pの全面を印刷したときの値として監視判断量Rを算出する。なお、本実施形態では、各色のインクについて同じ監視判断量Rが算出される。
【0044】
次に、コンピュータ11は、プリンタ12のCPU45に対して、各色のインクカートリッジ25の不揮発性メモリ25aからインクの残量Sのデータを取得する信号を送信する(ステップS13)。この信号を受信したCPU45は、読取部49を介して各インクカートリッジ25の不揮発性メモリ25aのインク情報を読み出し、そのインク情報のうち各インクカートリッジ25のインクの残量Sのデータをコンピュータ11のCPU40に送信する(ステップS14)。
【0045】
そして、コンピュータ11は、上記ステップS13においてCPU45から送信された各色のインクの残量Sが、監視判断量R以下となっているか否かを判断する(ステップS15)。すなわち、コンピュータ11は、監視処理を行う必要があるか否かを判断している。
【0046】
コンピュータ11は、すべてのインクカートリッジ25内の各インクの残量Sが監視判断量Rより多いと、すなわち監視判断量R以下でないと判断した場合(ステップS15にてNO)には、プリンタドライバ用プログラムに従って、印刷データを中間画像データに変換する(ステップS16)。
【0047】
次に、コンピュータ11は、図4に示すように、印刷する紙Pの大きさ及び印刷枚数に基づいてこの印刷に要する時間を算出する(ステップS17)。ここにおいて、印刷に要する時間は、これから印刷する紙Pの大きさにおける平均印刷時間とその印刷枚数との積で求められる。そして、コンピュータ11は、算出した印刷に要する時間をモニタ16に表示する(ステップS18)。更に、コンピュータ11は、変換した中間画像データをプリンタ12に送信する(ステップS19)。
【0048】
プリンタ12では、その中間画像データに基づいて印刷が行われる(ステップS20)。詳述すると、プリンタ12のCPU45は、受信した中間画像データをまずRAM47に一時的に保存する。そして、CPU45は、この一時的に記憶したデータ及びROM48のプログラムに基づいて、各駆動部51〜53に駆動信号を与える。これにより、CPU45は、キャリッジ20を移動させながら、その記録ヘッド30の図示しないノズルから前記印刷データから定まる11pl,7pl,4plの大きさの各インク滴を噴射させる。なお、送りモータ駆動部51は、記録ヘッド30が前記主走査方向に1回移動する毎に稼動されて、印刷しながら紙Pを搬送している。なお、印刷中にプリンタ12のRAM47は、インクカートリッジ25の各色のインクを各ノズルから噴射させた回数及びその回数毎に実際に噴射させた噴射量Eを記憶する。
【0049】
そして、印刷が終了すると、プリンタ12のCPU45は、RAM47に記憶した今回の印刷で実際に使用したインクの使用量(前記噴射量Eの総和)Wを印刷開始時の残量Sから引いて各インクの残量SLを算出する(ステップS21)。そして、同CPU45は、インクの残量SLを新たな残量Sとして、読取部49を介して各色のインクカートリッジ25の不揮発性メモリ25aにそれぞれ記憶させる(ステップS22)。次に、プリンタ12は印刷終了信号をコンピュータ11に送信する(ステップS23)。これによりコンピュータ11は、モニタ16に印刷が終了したことを表示する(ステップS24)。
【0050】
一方、コンピュータ11は、残量Sが監視判断量R以下のインクがあると判断した場合(図3のステップS15にてYES)には、このインクカートリッジ25の概算使用量GTを算出する(ステップS25)。すなわち、コンピュータ11は、図5に示すように、まず、印刷データの4ライン毎に1ラインのデータ(3ラインおきのデータ)を抽出する(ステップS251)。ここにおいて、「1ラインのデータ」とは、紙Pを印刷する際に前記記録ヘッド30が主走査方向に端から端まで1回移動した際に、各ノズルから噴射させる噴射回数及びそれぞれの噴射量のデータである。そして、実際に抽出されるデータは、4ライン目、8ライン目、12ライン目・・・4×m(mは整数)目のラインが抽出される。
【0051】
次に、コンピュータ11は、抽出した4ライン毎の1ラインデータ(4ライン目、8ライン目、12ライン目・・・4×m(mは整数)目の全データ)に基づいて使用する各インクの噴射回数及びその噴射量の積をインク色毎に合計して、前記データ解析量SRをインク色毎に求める(ステップS252)。すなわち、印刷データの1/4部分における各色の使用量の合計となるデータ解析量SRをインク毎に算出する。そして、このデータ解析量SRを4倍して各色のインク毎の概算使用量GTを算出する(ステップS253)。
【0052】
次に、コンピュータ11は、残量Sが監視判断量R以下と判断された色のすべてのインクについて、上記ステップS13にて取得された残量Sと、ステップS25にて算出された概算使用量GTとを比較する。そして、コンピュータ11は、残量Sが監視判断量R以下と判断されたインクのうち、残量Sが概算使用量GTより少ないインクを収容したインクカートリッジ25が1つ以上あるか否かを判断する(ステップS26)。コンピュータ11は、残量Sが概算使用量GTより少ないインクを収容したインクカートリッジ25がない、すなわちすべてのインクの残量Sが概算使用量GT以上あると判断した場合(ステップS26にてYES)には、印刷データから中間画像データを作成する(ステップS16)。そして、上記ステップS17〜ステップS24の処理を行って印刷を完了させる。
【0053】
一方、残量Sが概算使用量GTより少ないと判断されたインクを収容するインクカートリッジ25が1つでもある場合(ステップS26にてNO)には、そのインクの残量Sで、ユーザにより指定された大きさの紙P(すなわちA4版の紙)において何枚の印刷が可能か(液体噴射が可能なターゲット数)を算出する(ステップS27)。この印刷枚数の算出は、前記インクの残量Sを前記ROMに記憶されている算出基準量rで割ることにより行われる。このとき、インクの残量Sが概算使用量GTより少ないインクカートリッジ25が複数ある場合には、インクの残量Sが最も少ない色のインクで印刷可能な枚数を算出する。すなわち、印刷可能枚数は、インクの残量(複数ある場合には残量Sが最も少ない色のインクの残量)S/算出基準量rで算出される。
【0054】
次に、コンピュータ11は、図7で示すように、インクが不足している旨と、そのように判断されたインクを収容するインクカートリッジ25の色(例えば「シアン」)及びそのインクで印刷可能な枚数(例えば「4枚」)を表示画面Gとしてモニタ16に表示する(ステップS28)。この表示画面Gには、キャンセルボタンCBと、再計算ボタンRBと、印刷ボタンPBと、セーブ印刷ボタンSBとが表示されている。このキャンセルボタンCBは、印刷枚数の再設定をするなどのために上記ステップS11で指示した印刷実行を取り消すためのボタンである。また、再計算ボタンRBは、インクが本当に不足しているか否かを判断するために、実際に印刷される印刷データから、噴射量と噴射回数とを算出して再度計算するためのボタンである。更に、印刷ボタンPBは、現在のインク量で印刷可能な枚数のみを印刷するためのボタンである。また、セーブ印刷ボタンSBは、全部の印刷を完了させるために、インクが不足されているとされた色のインクの噴射量を抑えながら、印刷するためのボタンである。
【0055】
このとき、図7に示すように表示画面Gの「インク不足」という表示に応じて、ユーザがその不足として表示された色(シアン)のインクを収容しているインクカートリッジ25を、同色のインクでそれよりインクの残量Sがあるインクカートリッジ25に交換したとする。インクカートリッジ25の交換によりプリンタ12は、インクが交換されたことをコンピュータ11に送信する(ステップS29)。そして、コンピュータ11は、インクカートリッジ25が交換されたと判断し(ステップS30にてYES)、上記ステップS13以降の処理を繰り返して行う。
【0056】
一方、コンピュータ11は、インクカートリッジ25が交換されなかった場合(ステップS30にてNO)には、ユーザにより表示画面GのキャンセルボタンCB、セーブ印刷ボタンSB及び再計算ボタンRBの何れかが選択されたか否かを判断する(図6のステップS31,S32,S36,S38)。
【0057】
例えば、ユーザによりキャンセルボタンCBが選択された場合には、コンピュータ11は、印刷が取り消されたと判断して処理を終了する(ステップS31にてYES)。
【0058】
一方、再計算ボタンRBがユーザにより選択された場合には、コンピュータ11は、再計算すると判断する(ステップS32にてYES)。この場合には、上記ステップS11で作成した印刷データをすべて解析し、使用量Tを厳密に算出する(ステップS33)。次に、コンピュータ11は、表示画面Gにインク不足として表示されたインクの残量Sが、算出された使用量T以上あるか否かを判断する(ステップS34)。そして、コンピュータ11は、インクの残量Sが使用量T以上あると判断した場合(ステップS34にてYES)には、印刷データを中間画像データに変換する(ステップS35)。そして、コンピュータ11は、上記ステップS17〜ステップS22の処理を行って、印刷を完了させる。
【0059】
一方、印刷ボタンPBがユーザにより選択された場合(ステップS36にてYES)には、コンピュータ11は、印刷可能な枚数(1〜4頁までの4枚)の印刷データを中間画像データに変換する(ステップS37)。そして、コンピュータ11は、印刷可能な枚数が終了する印刷時間の算出し(ステップS17)、この印刷時間の表示を行う(ステップS18)など(上記ステップS17〜S22)の処理を行って、印刷を完了させる。
【0060】
また、セーブ印刷ボタンSBがユーザにより選択された場合には、コンピュータ11は、インクの残量Sが少ない色について、噴射量を減少させて印刷するセーブ印刷処理が選択されたと判断する(ステップS38)。コンピュータ11は、セーブ印刷処理が選択されたと判断した場合(ステップS38にてYES)には、次に、どのように噴射量を減少させるかを決定し、その噴射量に設定変更する(ステップS39にてYES)。例えば、インクが十分ある場合には11pl、7pl、4plと設定されている各噴射量E1を、7pl、4pl、0plの噴射量E2に変更する。
【0061】
そして、コンピュータ11は、インクの残量Sが概算使用量GTより少ないと判断されたインクについて、そのときに算出した噴射量E1を噴射量E2に変更した場合の使用量Tを算出する(ステップS40)。そして、コンピュータ11は、インクの残量Sが算出した使用量T以上あるか否かを判断する(ステップS41)。インクの残量Sが使用量Tより少ない場合には(ステップS41にてNO)、再びステップS39に戻って、先に変更した噴射量E2において7pl,4plと設定した各噴射量を4pl、0plと再度変更して、ステップS40及びステップS41を行う。すなわち、インクの残量Sが使用量T以上となるまで、上記ステップS39〜S41の処理を繰り返す。
【0062】
そして、コンピュータ11は、インクの残量Sが算出された使用量T以上あると判断した場合(ステップS42にてYES)には、その噴射量E2に基づいて、プレビュ画面のデータを作成し、そのプレビュ画面を表示する(ステップS43)。すなわち、このプレビュ画面には、インクが不足するとされたシアンの色成分が少なくなっている画像(すなわち少ない量のインクを噴射させて形成される全体のイメージ)が表示される。なお、このプレビュ画面には、この画像とともに印刷実行ボタン又はキャンセルボタンの2つのボタンが表示される。コンピュータ11は、このプレビュ画面を閲覧したユーザによりキャンセルボタンが選択されたと判断した場合(ステップS43にてNO)には、この印刷は行わないと判断し、図7に示す表示画面Gを表示して(ステップS28)、これ以降の処理を行う。
【0063】
一方、コンピュータ11は、ユーザにより印刷実行ボタンが選択された場合(ステップS43にてYES)には、プレビュ画面を表示するために使用された印刷データ(すなわち、インクの残量Sが少ない色のインクの噴射量を変更している印刷データ)に基づいて中間画像データを作成する(ステップS44)。そして、コンピュータ11は、上記ステップS17〜ステップS22の処理を行って、印刷を完了させる。
【0064】
本実施形態の印刷システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、印刷データから4ライン毎に抽出したデータに基づいて各色のインクの概算使用量GTを算出した(ステップS253)。そして、各色のインクにつきインク切れが生じるか否かについての判断は、それぞれの概算使用量GTと残量Sとを比較することに行っている(ステップS25)。従って、インク切れの判断は、全印刷データ(全液体噴射データ)を解析した使用量Tではなく、印刷データの4分の1のデータに基づいて算出された概算使用量GTによって行われる。そのため、コンピュータ11に大きな負荷がかかる印刷データの解析を少なくすることができるので、その負荷を低減することができる。また、これにより印刷実行の指令から印刷完了まで(ステップS11〜S24)の印刷時間を短くすることができる。更に、概算使用量GTは、実際にプリンタ12に印刷を行わせる印刷データの一部のデータであるので、実際の印刷で使用される使用量Tとほぼ近似した値として算出することができる。すなわち、インク切れの判断をより正確にできるとともに、負荷を低減して液体噴射の処理時間である印刷時間を短くすることができる。
【0065】
(2)本実施形態では、印刷データから4ライン毎に抽出したデータを解析し、この解析により得たデータ解析量SRを4倍することにより概算使用量GTを求めている。すなわち、印刷データの4分の1の部分を、その印刷データから均一に抜き出し、その解析でえられたデータ解析量SRを4倍しているので、実際に印刷される際の使用量に、より近似した使用量を算出することができる。また、概算使用量GTは印刷データの4分の1のデータに基づいて算出されたデータ解析量SRを単純に4倍しているだけであるので、概算使用量GTの算出のために、印刷データの解析でコンピュータ11のCPU40にかかる負荷は、約4分の1にすることができる。
【0066】
(3)本実施形態では、インクの残量Sが概算使用量GTより少ないインクカートリッジ25がある場合には、このインクの残量Sで印刷可能な枚数を算出し(ステップS27)、そのインクが不足している旨と算出した印刷可能枚数(4枚)を表示した(ステップS28)。従って、ユーザは、インク不足となるインクを収容したインクカートリッジ25を交換せずとも、その印刷可能な枚数分(1頁〜4頁)を印刷できる。また、ユーザは、現在のインクにより印刷できる枚数を知ることができるので、印刷する枚数を4枚に減らしたり、印刷する紙Pを小さくしてより多くの枚数を印刷したりすることにより、印刷したい部分を選択して印刷することができる。
【0067】
(4)本実施形態では、ユーザがセーブ印刷ボタンSBを選択した際には、残量Sが概算使用量GTより少ないインクの噴射量E1を変更して、より多くの印刷が行えるインクの噴射量E2に変更した(ステップS39〜S41)。従って、そのインクの各噴射量を抑えてより多くの印刷を行うことができる。
【0068】
(5)本実施形態では、インクが十分にある場合に11pl、7pl及び4plとして噴射されるインク滴をそれぞれ7pl、4pl、0plのインク滴とした。すなわち、1番大きい噴射量の11plは1番大きい噴射量7plに、2番目に大きい噴射量7plは2番目に大きく噴射量4plにというように噴射量を変更した。従って、インク切れが生じると判断されたインクの色味を全体的に均一に減少させることができるので、印刷される画像の一部の色味が特に減少するということはない。すなわち、インクが十分にある場合の印刷により近い状態で印刷することができる。
【0069】
(6)本実施形態では、噴射量を減少させたインクの噴射量E2で出来上がる印刷のイメージをプレビュ画面として表示した(ステップS42)。従って、ユーザは、実際にどのような印刷となるかを把握することができ、インクが十分にある場合の印刷に比べて大きく異なる場合には、印刷を実行する前に、その印刷を中止することも可能となる。そのため、紙Pやインクの無駄を低減することができる。
【0070】
(7)本実施形態によれば、各色のインクカートリッジ25のインクの残量Sが監視判断量R以下となった場合(ステップS15にてYES)にのみ、残量Sが、概算使用量GT以上あるか否か、すなわち印刷途中で切れることなく印刷可能か否かを監視する(ステップS26)。従って、インクの残量Sが多いインクカートリッジ25については、印刷データを解析して得られる概算使用量GTを算出する前に、インク切れが生じないと判断して残量計算しないので、一層、印刷時間を短くすることができる。
【0071】
(8)本実施形態によれば、プリンタ12を実行する前に、コンピュータ11はその印刷に要する時間を算出して(ステップS17)、表示した(ステップS18)。従って、ユーザは、プリンタ12の印刷終了時間を把握することができ、印刷中はプリンタ12から離れて他のことをしていても、印刷終了時間にプリンタ12に戻ってくればプリンタ12に次の印刷を続けて行うことができる。すなわち、ユーザは、プリンタ12の印刷時間を有効活用することができる。
【0072】
(9)本実施形態によれば、プリンタ12は印刷終了後、各インクの残量Sを算出して(ステップS21)、それら残量Sを不揮発性メモリ25aに記憶した(ステップS22)。従って、コンピュータ11は、プリンタ12から各インクの残量Sを迅速に得ることができ、ユーザにより印刷実行指令が入力されてから印刷が終了するまで(ステップS11〜S24)の時間をより短くすることができる。
【0073】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した液体噴射システムとしての印刷システムの第2実施形態を図3、図4、図6、図8及び図9に従って説明する。なお、本実施形態は、図3に示された概算使用量GTが算出されるまでの二点鎖線で示す部分の処理手順が異なるため、主にその部分について説明する。
【0074】
図9に示すように、ユーザは、上記第1実施形態と同様に、プログラムの起動後、印刷する紙Pの大きさ及び印刷枚数を指定し、かつ印刷実行指令の入力を行う(ステップS10)。例えばA4版の紙Pで10枚の印刷が実行されたとする。そして、コンピュータ11は、印刷実行指令が入力されると、上記第1実施形態と異なり印刷データを作成せずに、監視判断量Rを算出する(ステップS12)。次に、コンピュータ11は、インクの残量データを取得し(ステップS13、S14)、インクの残量Sが監視判断量R以下のものであるか否かを判断する(ステップS15)。
【0075】
コンピュータ11は、インクの残量Sが監視判断量R以下のインクカートリッジ25が1つもないと判断した場合(ステップS15にてNO)には、印刷データを作成し(ステップS151)、この印刷データを中間画像データに変換して(ステップS16)、図4で示すステップS17以降の処理を行う。
【0076】
一方、インクの残量Sが監視判断量R以下のインクカートリッジ25があった場合には、概算使用量GTを算出する(ステップS25)。すなわち、この概算使用量GTは、次のように求められる。
【0077】
図8に示すように、まず、コンピュータ11は、前記印刷実行指令の入力とともに指定された紙Pの4分の1の大きさの紙Pに対して印刷する際の縮小印刷データを作成する。すなわち、A4版の紙Pの1/4の大きさであるA6版の紙に印刷するための印刷データが作成される(ステップS256)。
【0078】
次に、A6版の紙に印刷するための印刷データの解析が行われて、A6版の紙に印刷する際に必要な各色のインクの縮小データ解析量SUが算出される(ステップS257)。そして、コンピュータ11は、この縮小データ解析量SUを4倍して、概算使用量GTを算出する(ステップS258)。
【0079】
次に、コンピュータ11は、図9に示すように、ステップS15で監視判断量R以下であると判断されたインクの残量Sが概算使用量GT以上あるか否かを判断する(ステップS26)。そして、コンピュータ11は、インクの残量Sが監視判断量R以下と判断されたインクがすべて概算使用量GT以上あると判断された場合(ステップS26にてYES)には、印刷データを作成し(ステップS151)、上記ステップS16以降の処理を行う。
【0080】
一方、コンピュータ11は、インクの残量Sが、監視判断量R以下であるが、概算使用量GTより少ない(概算使用量GT以上ない)と判断された場合(ステップS26にてNO)には上記第1実施形態で上述したステップS27以降の処理が行われる。
【0081】
従って、本実施形態によれば、上記実施形態に記載の(1)、(3)〜(9)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(10)本実施形態では、コンピュータ11は、実際に印刷されるA4版の紙Pの4分の1の大きさのA6版の紙に印刷するとした際の印刷データを作成する(ステップS256)。そして、この印刷データを解析して縮小データ解析量SUが求め(ステップS257)、この縮小データ解析量SUを4倍して、概算使用量GTを算出する(ステップS258)。従って、実際に印刷する印刷データの4分の1のデータを解析することにより概算使用量GTを算出しているので、コンピュータ11のCPU40にかかる負荷を低減するとともに、印刷時間を短くすることができる。更に、本実施形態で求めた概算使用量GTは、印刷される画像を縮小したときの印刷データに基づいて算出されるため、各インクについて、算出された使用量及びその割合などが、実際の印刷で必要となる使用量やその割合とほぼ同様に算出される。従って、印刷時間を短くすることができるだけでなく、より的確に印刷切れを判断することができる。
【0082】
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態においては、プリンタ12は、11pl,7pl,4plの3種類の噴射量を有するとして説明したが、20pl,10pl,6plの3種類の噴射量や39pl,7pl,4plの3種類の噴射量としてもよい。また、これらの噴射量をすべて有するプリンタ12としてもよい。この場合には、セーブ印刷における減少させる噴射量をより細かく設定することができ、印刷される画像は、インクが十分にある場合に印刷される画像により近い画像となることも可能である。
【0083】
○上記実施形態においては、前記コンピュータ11において行われる処理をプリンタ12により実行させた印刷システムとしてもよい。この場合、コンピュータ11を不要とすることができる。
【0084】
○上記実施形態においては、記録ヘッド30を備えたキャリッジ20にインクカートリッジ25が搭載されたプリンタ12について説明した。これに代えて、キャリッジ20にインクカートリッジ25が搭載されていないプリンタ12、すなわちインクカートリッジ25が固定されている大型の紙に印刷を行うプリンタであってもよい。
【0085】
○上記実施形態おいては、各インクカートリッジ25に取着された不揮発性メモリ25aに残量Sを記憶させ、この不揮発性メモリ25aから残量Sを読み出すことによりインクの残量を検出した。これに代えて、インクカートリッジ25内に現在収容されているインクの体積や重さを測定してもよい。
【0086】
○上記第1実施形態においては、概算使用量GTの算出は、印刷データから4ライン毎に抽出した解析対象部分データに基づいて行われた。解析対象部分データは、このようにライン毎以外にも、例えばドット(これは、紙Pに印刷される際に副走査方向に並ぶドット)毎に抽出したデータであってもよい。また、所定の領域L(図10においては横3ドット×縦3ドット)から1ドット(図10においては中心の1ドットD)であってもよい。更に、解析対象部分データは、印刷データをコンピュータ11からプリンタ12に送信する際のデータであるラスタデータの一部を適宜抽出してもよい。
【0087】
○上記第1実施形態においては、印刷データから抽出される解析対象部分データは4ライン毎とした。勿論、解析対象部分データは、4ライン毎に限定されず、自然数(n)分の1のデータであれば何でもよい。
【0088】
○上記第2実施形態においては、概算使用量GTを算出するために、実際に印刷する紙Pの4分の1の大きさの紙に印刷する縮小データを作成し、それを解析した。勿論、作成された縮小データの大きさはこれに限定されない。しかしながら、実際に印刷される画像と見た目がほとんど同じ画像として縮小できれば、実際の印刷で必要な使用量Tにより近い概算使用量GTを算出することができる。
【0089】
○上記各実地形態では、液体噴射装置として、インクを噴射するプリンタ(ファクシミリ、コピア等を含む印刷装置)について説明したが、他の液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【0090】
次に、上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)液体噴射データに基づいて、複数の液体収容体に収容された複数の液体を複数のノズルから噴射させてターゲットに液体噴射を行う液体噴射方法において、前記液体の残量が、前記ターゲットに対して液体噴射を完了するために必要な使用量より少ない場合に、前記液体噴射データで定められた噴射量より少ない噴射量に変更して前記ターゲットに液体噴射を行うことを特徴とする液体噴射方法。
【0091】
従って、この(a)に記載の発明によれば、液体収容体内の残量が少ない液体について、それぞれの噴射量を抑えることができ、液体収容体を交換せずとも、より多くの液体噴射を行うことができる。
【0092】
【発明の効果】
本発明は、所定の液体噴射中に液体切れを起こすか否かの判断は、液体噴射データから抽出したデータに基づいて算出された概算使用量と、液体の残量とを比較して行った。そのため、液体切れの判断を行うために全液体噴射データに基づいて使用量は算出されないので、液体噴射装置にかかる負荷を軽減することができる。すなわち、液体噴射装置にかかる負荷を低減し、液体噴射実行の指令を受信してから実際に液体噴射が終了するまでの処理時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における印刷システムの概略構成図。
【図2】同印刷システムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態における印刷処理の第1の処理手順を示す流れ図。
【図4】同印刷処理の第2の処理手順を示す流れ図。
【図5】第1実施形態における概算使用量の算出の処理手順を示す流れ図。
【図6】実施形態における印刷処理の第3の処理手順を示す流れ図。
【図7】実施形態におけるインク不足を表示する表示画面の説明図。
【図8】第2実施形態における概算使用量の算出の処理手順を示す流れ図。
【図9】第2実施形態における概算使用量の算出までの印刷処理の処理手順を示す流れ図。
【図10】変更例における概算使用量の算出の抽出データの位置を示す説明図。
【符号の説明】
E1 噴射量
E2 変更された噴射量
GT 概算使用量
P ターゲットとしての紙
S 残量
ST 計算基準量としてのデータ解析量
SU 縮小計算基準量としての縮小データ解析量
T 使用量
11 概算使用量算出手段、検出手段、判断手段、液体噴射可能量算出手段、噴射量変更手段及びイメージデータ作成手段としてのコンピュータ
12 液体噴射装置としてのプリンタ
25 液体収容体としてのインクカートリッジ
30 液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド
30a 噴射手段としての圧電素子
Claims (4)
- 液体噴射データに基づいて、複数の液体収容体に収容された複数種類の液体を複数のノズルから噴射させてターゲットに所定の液体噴射を行う液体噴射方法において、
前記液体収容体内の液体の残量を検出する検出段階と、
前記液体噴射データにおけるnライン毎に1ラインの部分データ又はnドット毎(nは2以上の自然数)に1ドットの部分データを解析対象部分データとして抽出して、この解析対象部分データから前記液体噴射の際に使用する各液体の計算基準量を求め、この計算基準量をn倍することにより、使用する各液体の概算の使用量を算出する算出段階と、
前記液体収容体内の液体の残量が、前記算出段階で算出された液体の概算の使用量以上あるか否かを判断する判断段階と、
前記判断段階において前記残量が前記概算の使用量より少ないと判断された液体がある場合に、当該液体が不足している旨と、当該液体を収容する前記液体収容体の色と、前記残量で液体噴射可能なターゲット数と、液体噴射実行を取り消すためのキャンセルボタンと、前記液体噴射データをすべて解析して厳密な使用量を再度計算するための再計算ボタンと、前記残量で液体噴射可能なターゲット数のみを液体噴射するための液体噴射ボタンと、全部の液体噴射を完了させるために不足している前記液体の噴射量を抑えながら液体噴射するためのセーブ液体噴射ボタンと、を表示画面に表示する表示段階と、
を備えたことを特徴とする液体噴射方法。 - 前記判断段階において前記残量が前記概算の使用量以上ないと判断された液体の残量で、液体噴射可能な前記ターゲットの数を算出する液体噴射可能量算出段階を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射方法。
- 前記判断段階において液体の残量が前記概算の使用量以上ないと判断された液体についての噴射量を、前記液体噴射データで定められた噴射量より少ない噴射量に変更する噴射量変更段階を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射方法。
- 前記噴射量変更段階において変更された前記噴射量で前記液体を噴射させて形成される全体イメージを表示するためのイメージデータを作成するイメージデータ作成段階を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射方法。
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