JP4390767B2 - クレーグラウンド用下層土材、およびクレーグラウンドの施工方法 - Google Patents
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こうした背景の下、本件発明者は、吸湿性や潮解性をもつ無機塩類をグラウンド表土に散布するという従来の表土処理技術にとらわれず、砂塵発生を抑制するための新規な技術について鋭意検討を重ねた。その結果、特定の原料から調製した新規な土材を用いてグラウンドの下層土を改良することにより、下層土からの水分供給によって表土の水分保持を保障し、砂塵発生の抑制を図ることができることを見いだした。
請求項1に記載のクレーグラウンド用下層土材は、「浄水場での水処理過程で発生する沈澱物を加圧・脱水、あるいは天日乾燥してなる浄水ケーキを、粉砕、篩い分けすることにより、粒径3cm以下の粉粒体とされた浄水ケーキ粉粒体」に対して、「活性炭、ゼオライト、ベントナイト、クリンカーアッシュ、パーライト、およびバーミキュライトの中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなり、重力に逆らって保持可能な単位重量当りの水分量が、前記浄水ケーキ粉粒体よりも大となる高保水能資材」を混合してなり、前記浄水ケーキ粉粒体に対する前記高保水能資材の配合量を、CBR値(Carifornia Bearing Ratio;路床土支持力比)が設計CBR値3を上回るように調製してなることを特徴とする。
また、請求項4に記載のクレーグラウンド用下層土材は、請求項2または請求項3に記載のクレーグラウンド用下層土材において、前記高吸水能資材が、デンプン系生分解性高吸水性樹脂、セルロース系生分解性高吸水性樹脂、キチン系生分解性高吸水性樹脂、およびポリアミノ酸系生分解性高吸水性樹脂の中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなる資材であることを特徴とする。
まず第1に、本発明のクレーグラウンド用下層土材の水分が毛管現象によって上昇し、長期間グラウンド表土を湿潤状態に保つことが可能となるため、砂塵発生を抑制したり、その発生期間を短縮することが可能となる。
また第4に、潮解性塩類を散布する従来技術では塩類の流亡や溶脱が生じやすいので、砂塵発生抑制効果を維持するためには、しばしば散布処理を行う必要がある。しかし、本発明のクレーグラウンド用下層土材を用いる方法では、グラウンド整備時あるいはグラウンド更新時においてのみ施工を行うことになるため、日常的なグラウンドの保守管理には手間がかからなくなり、経済的である。
なお、以下の説明においては、「浄水ケーキを粉砕、篩い分けして粒径3cm以下の粉粒体にしたもの(=本発明でいう浄水ケーキ粉粒体)」を、「基本下層土材」と称する。また、「基本下層土材に対して高保水能資材または高吸水能資材のいずれか一方を単独で加えたもの」は、基本下層土材に比べて高い保水能を有するので、これを「保水マット」と称する。さらに、基本下層土材に対して高保水能資材および高吸水能資材の双方を加えたものは、上記保水マットに比べてさらに高い保水能を有するので、これを「改良保水マット」と称する。
(1)製造例
[実施例1]
浄水場より排出する浄水ケーキを粉砕して篩い分けすることにより、粒径3cm以下に調粒された基本下層土材を得た。この基本下層土材100重量部に対して、クリンカーアッシュ50〜100重量部を良く混合し、保水マットを得た。
上記クリンカーアッシュに代えて、クリンカーアッシュと同様に高い空隙を有する活性炭、活性炭を含有する無機資材、ゼオライト、ベントナイト、パーライト、バーミキュライトを利用しても、実施例1と同等な性能を有する保水マットを得ることができる。
浄水場より排出する浄水ケーキを粉砕して篩い分けすることにより、粒径3cm以下に調粒された基本下層土材を得た。この基本下層土材100重量部に対して、0.1〜2.0重量部のポリアクリル酸系高吸水性樹脂を添加して、保水マットを得た。
上記ポリアクリル酸系高吸水性樹脂に代えて、ポリビニル系、ポリアクリルアミド系、およびポリオキシエチレン系などの合成高吸水性樹脂や、デンプン系、セルロース系、キチン系、およびポリアミノ酸系などの生分解性の天然高吸水性樹脂を利用しても、実施例3と同等な性能を有する保水マットを得ることができる。
(2)施工例
荒廃により更新する時期となったグラウンドの表土およびその下層土を取り除いた場所に、上記保水マットを4〜10cm深に展張し、整地・転圧したのち、その上にグラウンド表土を5〜10cm敷きつめて整地する。
(3)性能試験
[試験例1]
クリンカーアッシュ混練によって保水マットの保水能がどの程度増強されるかを調べるため、以下の試験を行った。
下記表1は、底面吸水させたのち、24時間静置後の水分保持能を示す。
次に、高吸水性樹脂添加によって基本下層土材の保水能がどの程度改善されるのかを調べるため、以下の試験を行った。
下記表2は、底面吸水させたのち、24時間静置後の水分保持量を示す。なお、図表には、現物100g当りの保持水分量を表示してある。
次に、高吸水性樹脂の添加量によって保水マットの保水能がどの程度増強されるのかを調べるため、以下の試験を行った。
[上記試験の結果と考察]
各処理区の水分保持量を下記表3に示す。図表には現物100g当たりに換算して表示した。
次に、基本下層土材(粒径3cm以下の浄水ケーキ粉粒体)とクリンカーアッシュを、体積比で等量混和することによって保水マットCを得た。また、基本下層土材(粒径3cm以下の浄水ケーキ粉粒体)100重量部に対して、ポリアクリル酸系高吸水性樹脂(商品名:グラスパワー(登録商標)、顆粒状、栗田工業株式会社製)0.1重量部を添加して保水マットDを得た。
図4は、各処理区における静置後の水分蒸発状況を示す。アクリルカラムからの水分蒸発は、主に表土表面から生じるが、下層土材として基本下層土にクリンカーアッシュを混合した保水マットC区や、高吸水性樹脂を添加した保水マットD区では、基本下層土材区に比べて多かった。このことは、下層の保持水が良好に毛管上昇していること、および保水マット区ではより多くの水分が移行することを示唆する。
基本下層土材とクリンカーアッシュを重量比で等量混合してなる保水マット100重量部に対して、さらに0.1重量部のポリアクリル酸系高吸水性樹脂(商品名:グラスパワー(登録商標)、顆粒状、栗田工業株式会社製)を添加し、改良保水マットを得た。
下記表4は、水分が表土表面に到達するまでに要する時間を示す。
図6に示す1日後の水分保持量は各土壌カラムの最大保水能を示す。改良保水マットを用いた場合、最大保水能は46g/カラムと最も高かった。粘性鉱質土を用いた場合も高い値を示したが、最大保水に達するまでに長時間を要した(上記表4参照)。
上記試験例5で作成した土壌を充填したアクリルカラムの上部に同径のアクリルカラムを接続し、接続部から水漏れしないように隙間をビニルテープによって封じた。アクリルカラム内土壌は前もって湿潤させた後、アクリルカラム上部より100mlの水を静かに注いだ(水深:6.02cmに相当する)。静置後、表面水が土壌に浸透して消失するまでの所要時間を測定した(調査1回目)。さらに、同カラムを風乾させた後、同様の試験を繰り返した(調査2回目)。
下記表5は、各処理区における表土表面から水が浸透消失するまでの時間より算出した透水係数を示す。
老朽化が進んだために砂塵が発生しやすくなったクレーグラウンド表土を風乾し、その200gに対して水を0%、0.5%、1.0%、2.0%となるように添加してよく混合した。その処理土を図7(a)および同図(b)に示す簡易飛砂測定器にかけた。
以上のように構成された簡易飛砂測定器に、上述の処理土を投入した。投入に際しては、上記各処理土(約200g)をポリスチレン製ロート23から約1分程度かけて少しずつ落下させ、飛散する砂塵を各集砂マス32に集めたのち、各集砂マス32毎に重量を測定した。
図8は、水を添加した被験土の飛散分布を示す。風乾土(コントロール)では、飛砂距離の短い集砂マス32に落下するものは少なく、それに反して、水を添加混合した被験土では水添加量の増加に応じて飛砂距離の短い集砂マス32に落下する砂量が増加した。このことは、少量の水添加によってグラウンドからの砂塵発生が抑制できることを示唆する。
例えば、上記試験例1〜7では、特定の高保水能資材(クリンカーアッシュ)や、特定の高吸水能資材(ポリアクリル酸系高吸水性樹脂)を使って各種検証を行ったが、上記実施例2,4に示した高保水能資材や高吸水能資材を使って上記試験例1〜7と同等な試験を実施した場合でも、同様の結果を得ることができる。したがって、実施例2,4に示した高保水能資材や高吸水能資材も、本発明でいう高保水能資材、高吸水能資材として利用することができる。
Claims (5)
- 「浄水場での水処理過程で発生する沈澱物を加圧・脱水、あるいは天日乾燥してなる浄水ケーキを、粉砕、篩い分けすることにより、粒径3cm以下の粉粒体とされた浄水ケーキ粉粒体」に対して、
「活性炭、ゼオライト、ベントナイト、クリンカーアッシュ、パーライト、バーミキュライト、およびALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)粉粒体の中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなり、重力に逆らって保持可能な単位重量当りの水分量が、前記浄水ケーキ粉粒体よりも大となる高保水能資材」を混合してなり、
前記浄水ケーキ粉粒体に対する前記高保水能資材の配合量を、CBR値(Carifornia Bearing Ratio;路床土支持力比)が設計CBR値3を上回るように調製してなる
ことを特徴とするクレーグラウンド用下層土材。 - 「浄水場での水処理過程で発生する沈澱物を加圧・脱水、あるいは天日乾燥してなる浄水ケーキを、粉砕、篩い分けすることにより、粒径3cm以下の粉粒体とされた浄水ケーキ粉粒体」に対して、
「デンプン系生分解性高吸水性樹脂、セルロース系生分解性高吸水性樹脂、キチン系生分解性高吸水性樹脂、ポリアミノ酸系生分解性高吸水性樹脂、ポリアクリル酸系非生分解性合成高吸水性樹脂、ポリビニルアルコール系非生分解性合成高吸水性樹脂、ポリアクリルアミド系非生分解性合成高吸水性樹脂、およびポリオキシエチレン系非生分解性合成高吸水性樹脂の中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなり、樹脂の構造内に包含した水を重力では離さない資材であって、その包含可能な単位重量当たりの水分量が、前記浄水ケーキ粉粒体よりも大となる高吸水能資材」を混合してなり、
前記浄水ケーキ粉粒体に対する前記高吸水能資材の配合量を、CBR値(Carifornia Bearing Ratio;路床土支持力比)が設計CBR値3を上回るように調製してなる
ことを特徴とするクレーグラウンド用下層土材。 - 「浄水場での水処理過程で発生する沈澱物を加圧・脱水、あるいは天日乾燥してなる浄水ケーキを、粉砕、篩い分けすることにより、粒径3cm以下の粉粒体とされた浄水ケーキ粉粒体」に対して、
「活性炭、ゼオライト、ベントナイト、クリンカーアッシュ、パーライト、バーミキュライト、およびALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)粉粒体の中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなり、重力に逆らって保持可能な単位重量当りの水分量が、前記浄水ケーキ粉粒体よりも大となる高保水能資材」、および「デンプン系生分解性高吸水性樹脂、セルロース系生分解性高吸水性樹脂、キチン系生分解性高吸水性樹脂、ポリアミノ酸系生分解性高吸水性樹脂、ポリアクリル酸系非生分解性合成高吸水性樹脂、ポリビニルアルコール系非生分解性合成高吸水性樹脂、ポリアクリルアミド系非生分解性合成高吸水性樹脂、およびポリオキシエチレン系非生分解性合成高吸水性樹脂の中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなり、樹脂の構造内に包含した水を重力では離さない資材であって、その包含可能な単位重量当たりの水分量が、前記浄水ケーキ粉粒体よりも大となる高吸水能資材」を混合してなり、
前記浄水ケーキ粉粒体に対する前記高保水能資材および前記高吸水能資材の配合量を、CBR値(Carifornia Bearing Ratio;路床土支持力比)が設計CBR値3を上回るように調製してなる
ことを特徴とするクレーグラウンド用下層土材。 - 前記高吸水能資材が、デンプン系生分解性高吸水性樹脂、セルロース系生分解性高吸水性樹脂、キチン系生分解性高吸水性樹脂、およびポリアミノ酸系生分解性高吸水性樹脂の中から選ばれるいずれか1種または2種以上の混合物からなる資材である
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のクレーグラウンド用下層土材。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のクレーグラウンド用下層土材を展張し、その上にグラウンド表土を敷きつめて整地する
ことを特徴とするクレーグラウンドの施工方法。
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