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JP4390979B2 - 電量滴定装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液体の水素イオン濃度(pH)の滴定に用いる電量滴定装置に係り、特に陰極を容易に、かつ、短時間で設置できるようにした電量滴定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電量滴定とは、滴定試薬を電解によって発生させ、滴定終了までに試薬の電解発生までに加えられた電気量を測定して、電気分解の法則から試料の定量を行う滴定方法である。
【0003】
上記方法を実現する装置として、陰極と陽極の間に隔膜を備えた構成と、当該隔膜を備えない構成とがある。隔膜を備えた構成は、例えば実公昭62−10686号公報に記載されているように、試料液を貯留する電解槽と、この電解槽に上方から挿入される電解セルを備え、この電解セル内には下端面が多孔質の電解隔膜により塞がれる陰極室が形成される。電解槽内で、電解セルの外側の空間は陽極室と呼ばれ、前記電解角膜を挟んで陰極室内には陰極が、陽極室内には陽極がそれぞれ配置される。
【0004】
隔膜のない構成は、例えば図4に示す構成となっており、試料液1を貯留する電解槽2と、この電解槽2に上方から挿入される電解セル3を備え、この電解セル3は該セル3外の試料液1に接する陽極4と該セル3内で試料液1に接する陰極5とを有し、両極4、5の間には電解隔膜は備えられていない。
【0005】
このように電解隔膜が無い電量滴定装置では、陰極5の電流密度を高める必要があるので、陰極5を図示しない測定回路に接続する導線7は例えば電解セル3の管体6内に埋め込んで試料液1と接触させないようにしている。
なお、電解槽2内で電解セル3の内外2室に区分される各室は電解セル3の外側を陽極室8と呼び、内側を陰極室9と呼んでいる。
【0006】
ここで、電解セル3の管体6はガラスで作られ、前記導線7には例えば白金線が用いられているので、陰極5側の導線7の先端部を電解セル3の管体6内に埋め込む方法としては、例えば次のような方法が採用されている。
図5に示すように、導線7をガラス細管からなる絶縁管10に挿通し、この導線7の先端を予め陰極5の分だけ絶縁管10の先端から長く引き出しておき、この絶縁管10を電解セル3の上から差込んで陰極室9の周面に溶着する。この後、導線7の先端部を陰極室9の絶縁管10と反対側の周面に向かって折り曲げ、その先端を固定する。
【0007】
陰極側の導線7の先端は、管体6の内面に突き当てられ、その周囲に盛り上げ用のガラス棒を当てて、管体6の中空部側から高温のガス炎を吹き当ててガラス棒と管体6の内面とを溶解して冷却すると言う方法で管体6の内面に固定される。
この方法に替わる方法としては、例えば図6に示すように、予め陰極室9内に陰極5の両端を管体6の内面に固定してから、導線7を挿通した絶縁管10を電解セル3の上から陰極室9に差込み、陰極室9の内面に溶着する。この後、導線7の先端を電極5に溶接するという方法が採用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した図5に示す方法を採用すると、導線7を挿通した絶縁管10を電解セル3の上方から陰極室9に差込み、陰極室9の周面に溶着する他に、陰極5の先端を陰極室9の周面に溶着する必要があり、非常に面倒で高度の熟練を要する作業が必要になるという問題がある。
【0009】
又、図6に示す方法では、陰極5の両端を陰極室9の内面に溶着する必要があり、更に面倒になる上、狭い陰極室9内で陰極5と導線7とを溶接しなければならず、面倒で困難な作業が更に増えることになる。
【0010】
本発明は、このような従来技術の技術的課題を解決し、陰極を容易に、かつ、短時間で設置できるようにした電量滴定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料液を貯留する電解槽と、この電解槽に上方から挿入され、内部に陰極を、下端に陽極を支持する電解セルとを備え、電解セル内に形成された陰極室に配置される陰極に接続される導線が試料液から絶縁される電量滴定装置において、前記目的を達成するため、以下の手段を採用する。
【0012】
即ち、絶縁管に挿通した導線の先端部を該絶縁管の先端部から外に引き出し、該絶縁管の先端部の周囲に巻き付けることにより陰極が形成され、この絶縁管を電解セルの管体内に形成した陰極室に挿入し、該陰極室内の所定の位置に固定したという手段を採用する。
【0013】
これにより、陰極は、予め電解セルの管体外で、陰極用導線を絶縁管に通し、その先を絶縁管から引き出して絶縁管に巻付けることにより、簡単に、かつ、短時間で絶縁管に支持させることができる。そして、この陰極を支持している絶縁管を、電解セル内に挿入し、溶着、融着、接着、粘着などにより電解セル内の所定の位置に固定することにより、簡単に陰極を電解セル内の所定の位置に固定することができる。その結果、従来技術では必要とされている狭い陰極室の中で陰極室の周面に陰極を固定したり、導線と陰極とを溶接したりするなどの面倒で高度の熟練を要する作業が不要になる。
【0014】
ところで、本発明において、電解槽、電解セルの管体、絶縁管などの素材は、絶縁性を備えるものであれば特に限定されないが、通常ガラスを使用している。従って上記絶縁管を電解セルの内周面にあてがって、電解セルの外側から加熱することにより電解セルの管体と絶縁管を相互に融着することは極めて容易となる。
【0015】
又、絶縁管の下端部に陰極導線の先端部を何周巻き付けるかは特に限定されないが、絶縁管の径を、上記陰極導線の先端部が1回巻回される程度で適度の電流密度を保つような径に設計するの好ましい。
【0016】
【発明の実施の態様】
本発明の一実施例に係る電量滴定装置を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。図中、図1は本発明の構成を示す断面図であり、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB−B線断面図である。
【0017】
図1に示すように、この電量滴定装置は、試料液1を貯留する電解槽2と、この電解槽2に着脱自在に上方から挿入される電解セル3とを備え、この電解セル3はガラスからなる管体6と、この管体6内に形成された陰極室9内に配置される陰極5と、前記管体6の下端に固定された陽極4とを有している。
【0018】
前記陰極室9は、断面が円形で下面6aが全面的に開放された縦軸筒形に形成され、又、図1ないし図3に示すように、その下端から所定の高さの位置に四方に向かって開口6bが形成されている。
【0019】
又、この電解セル3は、下端部が前記陰極室9の中心で前記陽極4から所定の高さに位置するように固定される絶縁管10と、予めこの絶縁管10内に挿通され、先端部が該絶縁管10の下端部から引き出されて該絶縁管10の外周囲に巻付けられた陰極側の導線7とを備えている。
【0020】
前記絶縁管10は、L字を上下から突き合わせた形状に屈曲し、この屈曲部から下方の部分が所定の外径を備えるガラス管からなり、その上端部が陰極室9の天井11に融着されるとともに、前記屈曲部よりも下方の部分をガラス製の支持部材12で陰極室9の周面に連結される。
【0021】
この絶縁管10の上端部は、例えば前記天井11に形成した下孔13に挿通され、管体6の外側からガス炎を吹きつけて天井11に融着される。なお、この際に絶縁管10の上端部とこれに挿通された導線7との間の隙間は溶解したガラスで密封される。
【0022】
又、前記連結軸12は、その一端を予め電解セル3の外で絶縁管10の融着させておき、管体6に絶縁管10とともに組み込んでからその他端を管体6の外側からガス炎を吹きつけて陰極室9の周面に融着させる。
【0023】
前記陰極線側の導線7の下端部は、絶縁管10の下端部の周壁を貫通して絶縁管10の外側に引き出されて絶縁管10の周りに1周巻きつけられることにより、陰極室9内の試料液1に接する陰極5を構成することになる。
【0024】
前記陽極4は、白金金網からなり、陰極室9内に配置された別の絶縁管14に挿通され、管体6の下端部から管体6の外側に引き出された陽極側の導線15に接続している。
【0025】
なお、前記電解槽2には、陽極室8に試料液1を注入するための注入口、電解の終了を検出する終点検出電極16、陽極室8を大気中に連通させる大気連通口17が設けられ、この大気連通口17には、必要に応じて、乾燥剤を充填した乾燥器を装着して、大気中の水分が陽極室8に侵入することを防止する。又、前記陽極室8内には、試料液1を撹拌する撹拌器19が設けられる。
【0026】
更に、必要に応じて、前記電解セル2には、陽極室8の上部と陰極室9の上部とを連通させる連通孔(図示略)が形成され、この連通孔で陽極・陰極両室8、9を連通させることにより、いずれかの室の内圧が異常上昇したり、陽極室8内の雰囲気が酸化性になったりすることを防止している。
【0027】
さて、上述したように、この電量滴定装置では、電極セル3外で、絶縁管10に陰極側の導線7を挿通し、この導線7の先端を絶縁管10の先端から引き出してその外周面に巻付けることにより陰極5が形成され、この後、絶縁管10を陰極室9内に挿入して所定の位置に配置し、更にこの後、電解セル3の外側から加熱することにより、絶縁管10を陰極室9内の所定の位置に固定する。
【0028】
したがって、狭い陰極室9内にガス炎を吹き込んで陰極5を管体6内に固定するのに比べるとはるかに簡単に、かつ、短時間で、しかも正確な位置に陰極5を固定することができるのである。
【0029】
なお、この実施例では、絶縁管10の周囲に巻付けた陰極5の巻き始め部分に陰極5の終端を溶接しているが、この溶接作業も陰極室3の外で行うことができるので、狭い陰極室9内で陰極5と陰極側の導線7とを溶接する場合に比べてすこぶる簡単に、かつ、短時間で溶接することができる。
【0030】
又、本発明において、陰極5の線径及び展開長さは特に限定されないが、適度の電流密度を保つようにこれらを設計することが好ましい。又、絶縁管10の外径及び導線7の巻吸数も特に限定されないが、1回の巻数で適度の電流密度を保つ程度に設計することが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、前記電解セルの管体内に形成される陰極室に、下端部が前記電解セルの中心で前記陽極から所定の高さに位置するように固定される絶縁管と、予めこの絶縁管内に挿通され、先端部が該絶縁管の下端部から引き出されて該絶縁管の外周囲に巻付けられた陰極側の導線とを設け、この絶縁管の周囲に巻付けられた導線の先端部で前記陰極が構成されるので、陰極管の外で絶縁管の周りに陰極用導線の先端部を巻付けて陰極を絶縁管に支持させ、この絶縁管を陰極室内の所定の位置に配置することにより簡単にかつ短時間で陰極を陰極室内の所定の位置に正確に配置できる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図を示す断面図である。
【図2】本発明の要部の断面図である。
【図3】従来例の構成図である。
【図4】従来例の要部の断面図である。
【図5】従来例の要部の断面図である。
【図6】従来例の要部の断面図である。
【符号の説明】
1 試料液
2 電解槽
3 電解セル
4 陽極
5 陰極
6 管体
7 導線
9 陰極室
10 絶縁管

Claims (1)

  1. 試料液を貯留する電解槽と、この電解槽に上方から挿入され、内部に陰極と陽極を支持する電解セルとを備え、電解セル内に形成された陰極室に配置される陰極に接続される導線が試料液から絶縁される電量滴定装置において、
    前記導線を試料液から絶縁する絶縁管内に挿通した導線の先端部を該絶縁管の先端部から外に引き出し、該絶縁管の先端部の周囲に巻き付けることにより陰極が形成され、この絶縁管を電解セルの管体内に形成した陰極室に挿入し、該陰極室内の所定の位置に固定したことを特徴とする電量滴定装置。
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