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JP4392806B2 - プラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収システムおよび分別回収方法 - Google Patents
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JP4392806B2 - プラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収システムおよび分別回収方法 - Google Patents

プラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収システムおよび分別回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収システムおよび分別回収方法に関し、さらに詳しくは、紙からなる基材上に樹脂層が形成されてなるプラスチック壁紙の裁断片から、樹脂層に由来のプラスチック片と、基材に由来の紙とを分別して回収するシステムおよび方法に関する。
紙からなる基材上に樹脂層が形成されてなるプラスチック壁紙は、内装材として大量に製造・使用されている。
これらプラスチック壁紙の製造工程および使用時(新規施工時または貼替時)において、プラスチック壁紙の端材または廃材が、産業廃棄物として大量に廃棄されている。
かかるプラスチック壁紙は、基材と樹脂層とが強固に密着していて容易に剥離することができず、上記の端材または廃材から、紙とプラスチックとを分別回収してリサイクル(資源再利用)を行うことは実質的に不可能であった。
ここに、プラスチック壁紙の樹脂層は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート樹脂(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート樹脂(EEA)、エチレン−メチルアクリレート樹脂(EMA)などから構成されており、これらのうち、軟質ポリ塩化ビニルが90%程度を占めている。
また、プラスチック壁紙の樹脂層には、発泡体(発泡樹脂)が多用されている。発泡体からなる樹脂層を有するプラスチック壁紙は、軽量で、風合いが良好で、防音性にも優れている。ここに、発泡体からなる樹脂層を形成するためには、アゾジカルボンアミド(ADCA)、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)などの有機系熱分解型発泡剤が使用される。
現在、これらの製品は殆どリサイクル(資源再利用)されることなく、その大部分は産業廃棄物として焼却処分もしくは埋め立て廃棄処分されている。
塩化ビニル樹脂からなる樹脂層を有するプラスチック壁紙を焼却処分する場合において、塩化ビニル樹脂に起因するとされてきたダイオキシンの問題は、最近の焼却炉技術の改善で問題視されなくなりつつあるが、焼却処分で生ずる塩化水素に起因する酸性成分(塩酸)の焼却炉への影響が懸念されている。
また、発泡体からなる樹脂層を有するプラスチック壁紙の端材または廃材を埋め立て廃棄する場合には、かさ比重が小さく埋め立効率が極めて悪い。
そして、埋め立て処分されるプラスチック壁紙の端材または廃材のうち、基材を構成していた紙は、土壌に含まれる酵素等で経時的に分解されるが、樹脂層を構成していたプラスチックは長年月に亙って土壌中に温存される。
以上に述べたプラスチック壁紙の廃棄処分は、地球環境の面からも適切なる処分方法ではない。更に今後廃棄されるこれらの壁紙の量は増加傾向にあり、適切なる対応が望まれている。
(1)従来、プラスチック壁紙の端材または廃材を機械的な手段で微粉末化し、プラスチックと、紙とを比重の差で分離する方法が試みられている。
しかしながら、このような方法によっては、プラスチックと紙とを完全に分別回収することは不可能であり、回収されたプラスチックには紙が残存し、回収された紙にはプラスチックが残存する。
そして、このような法で回収されたプラスチックを再利用する(例えば、市販のプラスチック原料に混合する)場合において、回収されたプラスチック中に不可避的に残存する紙を完全に均一分散させるために長時間にわたる混練や、さらなる添加剤が必要となるなど、さまざまな支障が生じる。そして、紙が残存するこれらの回収プラスチックの混合割合によっては、最終的に得られる再生製品(例えば、軟質塩化ビニル製品)の風合い、製品の物性が劣るものとなる。
一方、このような方法で回収された紙は、残存するプラスチックのために再生紙としてリサイクルすることはできない。
(2)また、プラスチック壁紙の樹脂層を有機溶剤により溶解して分離する方法が行われている。さらに、樹脂層を有機溶剤により膨潤させた後、当該樹脂層を基材から機械的に掻き取る方法が紹介されている(特許文献1参照)。
しかしながら、このような方法によっても、掻き取られた樹脂層に由来のプラスチック中には、基材に由来の紙が混在し、また、基材には、樹脂層に由来のプラスチックが残存する(完全に掻き取れない)ので、完全なリサイクル(資源有効再利用)はできない。
また、このような方法では、使用した有機溶剤の回収コストが高く、VOC(揮発性有機化合物)の規制をクリアする必要がある。
(3)また、プラスチック壁紙の再利用方法として、これを粉砕して砂と混合し、さらに消臭剤等を加えて猫砂を製造することが行われている。
このような方法は、プラスチック壁紙の再利用ではあるものの、最終的的には、家庭からの廃棄物として処分されるものであり、完全なリサイクル(資源有効再利用)ではない。
特開平9−59423号公報
上記の事情に鑑みて、本発明者は、プラスチック壁紙から、紙とプラスチックとを分別回収する方法として、プラスチック壁紙の裁断片を、セルロース分解酵素の水溶液中に分散させて、この系を攪拌処理することにより、前記裁断片における樹脂層から基材を分離する工程を含む分別回収方法を提案している(特願2008−257330号)。
具体的な分別回収方法としては、底部排水口を備えた外側槽(タンク本体)と、貫通孔が多数形成された穿孔板よりなる内側槽とからなる二重構造の処理タンク内で酵素水溶液を調製し、この処理タンク内に、プラスチック壁紙の裁断片を仕込み、この系(裁断片の分散液)の機械的攪拌を行う。これにより、裁断片を構成していた基材(紙)は、繊維状に分解され、樹脂層から分離された状態で紙含有懸濁液を構成し、他方、樹脂層を構成していたプラスチック片は、裁断片の形状を維持したまま紙含有懸濁液中に浮遊分散することになる。
次いで、このプラスチック片の分散液のうち、内側槽の穿孔板を通過可能な紙含有懸濁液を、処理タンク(外側槽)の底部排水口から排出して遠心分離機に供給し、当該遠心分離機により、紙を濾別して回収する。
他方、処理タンク(内側槽)内に残留しているプラスチック片を水で洗浄後取り出し、これを十分に乾燥することにより、樹脂層に由来するプラスチック片を得る。
このような分別回収方法によれば、プラスチック壁紙を構成する樹脂層から、基材である紙を確実に分離することができるので、プラスチック片と、紙とを確実に分別回収することができ、回収されたプラスチック片は、リサイクル(資源再利用)可能な材料として再生することができる。
しかしながら、上記のような分別回収方法においては、回収されたプラスチック片に、一旦分離された繊維状の紙が再付着するという問題がある。このため、回収されたプラスチック片を水などにより洗浄する工程が必要となる。
本発明は、以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、プラスチック壁紙の裁断片から、プラスチック片と紙とを確実に分別回収することができ、プラスチック片に、紙が(再)付着することがない分別回収システムおよび分別回収方法を提供することにある。
本発明者は、きわめて困難とされていたプラスチック壁紙のリサイクル(資源再利用)方法について鋭意検討を重ねた結果、壁紙の基材を構成する紙の主成分がセルロース繊維であることに着眼し、細胞壁溶解酵素剤や細胞崩壊酵素剤などとよばれるセルロースを分解可能な酵素で、基材(紙)を繊維状に分解することにより、樹脂層から基材が完全に分離され、この結果、プラスチックと紙とを確実に分別回収することができることを見出し、また、紙を濾別して濾過機から流出される酵素水溶液を分離処理タンクに還流すること(分離処理タンクと、濾過機とを含む酵素水溶液の循環サイクルを構成すること)により、樹脂層から分離される紙が分離処理室に残留することはなく、分離処理タンク内のプラスチック片が酵素水溶液により洗浄されて紙が完全に除去されることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の分別回収システムは、紙からなる基材上に樹脂層が形成されてなるプラスチック壁紙の裁断片を、セルロースを分解可能な酵素の水溶液中に分散させて、この系を攪拌処理することにより、前記裁断片における樹脂層から基材を分離し、基材に由来する繊維状に分解された紙と、樹脂層に由来するプラスチック片とを分別して回収するためのシステムであって、
前記酵素水溶液を収容する分離処理タンク(10)と、
前記分離処理タンク(10)の内部空間を、前記裁断片が仕込まれる分離処理室(10A)と、ホッパー状の底壁により区画される排液室(10B)とに仕切るように設けられ、繊維状に分解された紙は通過させるが、前記裁断片およびプラスチック片は通過させない径の貫通孔が多数形成されてなる穿孔板(12)と、
攪拌軸(21)、攪拌羽根(22)および駆動モータ(23)を備え、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)において、前記裁断片および/またはプラスチック片の分散液を攪拌するための攪拌機(20)と、
前記分離処理タンク(10)の排液室(10B)から排出される紙含有懸濁液(繊維状の紙が酵素水溶液に含有された懸濁液)を、紙と酵素水溶液とに分離することのできる濾過機(30)と、
前記分離処理タンク(10)の排液室(10B)と、前記濾過機(30)の流入部とを連通する第1配管路(P1)と、
前記濾過機(30)の流出部と、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)とを連通する第2配管路(P2)と、
前記第1配管路(P1)または前記第2配管路(P2)に設けられ、前記排液室(10B)から排出される紙含有懸濁液を前記濾過機(30)に流入させるとともに、前記濾過機(30)から流出される酵素水溶液を前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させるための第1のポンプ(41)と、
前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に収容されているプラスチック片の分散液を受け入れるプラスチック分散液受けタンク(50)と、
前記プラスチック分散液受けタンク(50)の内部に収納されたプラスチック分別回収用ネット(60)と、
前記プラスチック分散液受けタンク(50)の排液口に連結され、前記プラスチック分散液受けタンク(50)の内部と、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)とを連通する第3配管路(P3)と、
前記第3配管路(P3)に設けられ、前記プラスチック分散液受けタンク(50)から排出される酵素水溶液を前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させるための第2のポンプ(42)と、
を備えてなることを特徴とする。
本発明の分別回収システムにおいては、前記濾過機(30)が、フィルタープレスからなることが好ましい。
また、前記プラスチック分別回収用ネット(60)は、その底部が開閉可能に構成されていることが好ましい。
更に、前記攪拌機(20)には、分離処理中において、前記貫通孔を塞ぐように前記穿孔板(12)に吸着される前記裁断片および/またはそれに由来する物(プラスチック片および貫通孔を通過できない紙の塊状物)を除去する清掃手段(25)が設けられていることが好ましい。
本発明の分別回収方法は、本発明の分別回収システムによって、プラスチック壁紙から、紙とプラスチック片とを分別して回収する方法であって、
前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に、プラスチック壁紙の裁断片を仕込み、当該裁断片を酵素水溶液中に分散させて、この系を、攪拌機(20)により攪拌処理するとともに、前記濾過機(30)および第1のポンプ(41)を稼働させて、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)、排液室(10B)、前記第1配管路(P1)、前記濾過機(30)、前記第2配管路(P2)を流路として、前記酵素水溶液を循環させることにより、前記分離処理室(10A)において、前記裁断片を構成する樹脂層から基材を分離し、前記樹脂層に由来のプラスチック片が、基材に由来の紙による紙含有懸濁液(繊維状の紙が酵素水溶液に含有されてなる懸濁液)に分散してなるプラスチック片の分散液を得るとともに、このプラスチック片の分散液のうち、前記穿孔板(12)の貫通孔を通過して前記排液室(10B)に流入された紙含有懸濁液を、当該排液室(10B)から排出させ、前記第1のポンプ(41)によって、前記第1配管路(P1)を通して前記濾過機(30)に流入させ、当該濾過機(30)において、紙と酵素水溶液とに分離し、分離された酵素水溶液を、前記第2配管路(P2)を通して、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させる工程と、
前記流路における酵素水溶液の循環を停止し、前記濾過機(30)により分離された紙を回収する工程と、
前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に残留する、前記プラスチック片が酵素水溶液に分散されてなるプラスチック片の分散液を、前記プラスチック分散液受けタンク(50)に移送し、その内部に収納された前記プラスチック分別回収用ネット(60)によりプラスチック片を回収し、前記プラスチック分散液受けタンク(50)に残留する酵素水溶液を、前記第2のポンプ(42)によって、前記第3配管路(P3)を通して、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させる工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の分別回収方法においては、前記プラスチック分散液受けタンク(50)から前記プラスチック分別回収用ネット(60)を釣り上げて搬出した後、当該プラスチック分別回収用ネット(60)の底部を開いて、プラスチック片を取り出すことが好ましい。
本発明の分別回収システムおよび分別回収方法によれば、プラスチック壁紙の裁断片を構成する樹脂層から、基材である紙を完全に分離することができるので、プラスチック片と紙とを確実に分別して回収することができる。
また、本発明の分別回収システムおよび分別回収方法によれば、分離処理タンクの分離処理室において樹脂層から分離された繊維状の紙は、酵素水溶液に含有されてなる紙含有懸濁液の形態で排液室を経て濾過機に流入され、当該濾過機よって濾別されるので、分散処理室に残留することはなく、また、当該濾過機から流出される酵素水溶液が分離処理室に還流されるので、分離処理室に残留するプラスチック片に紙が(再)付着することはない。従って、水などで洗浄することなく、回収されたプラスチック片を直ちに再利用することができる。
また、フィルタープレスなどの濾過機の機能で、回収すべき紙に含まれる酵素水溶液をできるだけ回収することで、酵素水溶液のロスが低減されるとともに、紙の含水率が低減して、乾燥に要するエネルギーコストを軽減することができる。
また、底部が開閉可能に構成されているプラスチック分別回収用ネットを、プラスチック分散液受けタンクから釣り上げて搬出した後、当該プラスチック分別回収用ネットの底部を開いて、プラスチック片を取り出すことによれば、大量のプラスチック片を迅速かつ容易に回収することができる。
本発明により回収されたプラスチック片は、これを乾燥することにより、再利用可能なプラスチックに要求される物性を有するものとなり、従って、リサイクル(資源再利用)可能な材料として再生することができる。
本発明により回収された紙は、プラスチックを全く含まない純粋なパルプであり、再生紙あるいは壁紙の基材として再利用することができる。
以下、本発明の分別回収方法について詳細に説明する。
<分別回収システム>
本発明の分別回収システムは、紙からなる基材上に樹脂層が形成されてなるプラスチック壁紙の裁断片を、セルロースを分解可能な酵素(以下、「セルロース分解酵素」と略記する。)の水溶液(酵素水溶液)中に分散させて、この系を攪拌処理することにより、前記裁断片における樹脂層から基材を分離し、基材に由来の紙と、樹脂層に由来のプラスチック片とを分別して回収するためのシステムある。
図1は、本発明の分別回収システムの一実施形態の概略構成を示す説明図である。
この実施形態の分別回収システムは、分離処理タンク10と、穿孔板12と、攪拌機20と、濾過機30と、第1配管路P1と、第2配管路P2と、第1のポンプ41と、プラスチック分散液受けタンク50と、プラスチック分別回収用ネット60と、第3配管路P3と、第2のポンプ42とを備えてなる。
分離処理タンク10は、天板と、円筒状の側壁と、ホッパー状の底壁とにより、その内部空間が区画され、分離処理タンク10には、温水または低圧水蒸気を循環させるジャケット13が設けられている。
分離処理タンク10の天板には、裁断片を仕込む際の仕込口11Aが形成されている。11は仕込口11Aの蓋であり、蓋11は、分離処理中には閉じられている。
分離処理タンク10の内部空間(酵素水溶液の収容空間)は、穿孔板12により、円筒状の側壁により区画される分離処理室10Aと、ホッパー状の底壁により区画される排液室10Bとに仕切られている。
分離処理タンク10には、酵素水溶液(図示省略)が収容され、分離処理タンク10の内部(分離処理室10A)にプラスチック壁紙の裁断片が仕込まれ、分離処理室10Aにおいて、裁断片を構成する樹脂層から基材を分離する処理がなされる。
分離処理室10Aと排液室10Bとを仕切る穿孔板12は、分離処理タンク10の底部近傍に設けられている。
穿孔板12は、多数の貫通孔が形成されているパンチングプレートである。
穿孔板12の厚さは、例えば1〜10mmとされる。また、穿孔板12に形成された貫通孔の径は、紙含有懸濁液(繊維状の紙が酵素水溶液に含有された懸濁液)および前記酵素水溶液は通過できるが、壁紙の裁断片およびプラスチック片は通過できない径とされ、例えば4〜6mmである。
この穿孔板12により、壁紙の裁断片および/またはプラスチック片の分散液を、壁紙および/またはプラスチック片と、紙含有懸濁液および/または酵素水溶液とに分別することができる。
分離処理タンク10の側壁の下方には、分離処理室10Aの液体(プラスチック片の分散液)を排出するための排液口14Aが形成されている。この排液口14Aには、開閉バルブ15A(分離処理中は閉じた状態である)を介して、排出される液体(プラスチック片の分散液)をプラスチック分散液受けタンク50に案内するエルボ管からなるガイドパイプ16が取り付けられている。ここに、開閉バルブ15Aとしては、例えばバタフライバルブを使用することができる。
分離処理タンク10の底壁には、排液室10Bの液体(紙含有懸濁液または酵素水溶液)を排出するための排液口14Bが形成されている。この排液口14Bには、開閉バルブ15B(分離処理中は開いた状態である)が取り付けられている。ここに、開閉バルブ15Bとしては、例えばボールバルブを使用することができる。
攪拌機20は、分離処理タンク10の分離処理室10Aに収容される液体(壁紙の裁断片および/またはプラスチック片の分散液)を攪拌するための手段であり、攪拌軸21と攪拌羽根22と駆動モータ23とを備えている。
攪拌羽根22の形状および大きさは、壁紙の裁断片を酵素水溶液中に分散させることができるのであれば特に限定されるものではない。
攪拌機20には、分離処理中において、貫通孔を塞ぐように穿孔板12に吸着される前記裁断片および/またはそれに由来する物(プラスチック片・貫通孔を通過できない紙の塊状物)を除去する清掃手段25が設けられている。
この清掃手段25は、例えば、攪拌軸21の下端に取り付けられた攪拌羽根251の下面に、一定の剛性を有する複数の線状部材252が植設されてなる。なお、線状部材252に代えて爪状部材が植設されていてもよい。
この清掃手段25により、貫通孔を塞ぐように穿孔板12に吸着されている裁断片などが除去される結果、分離処理室10Aから排液室10Bへの液体(紙含有懸濁液または酵素水溶液)の移送、ひいては液体の循環をスムーズに行うことができる。
濾過機30は、分離処理タンク10の排液室10Bから排出される紙含有懸濁液を、紙と酵素水溶液とに分離(固液分離)するための手段である。
好適な濾過機30としてはフィルタープレスを挙げることができる。フィルタープレスを使用することにより、紙の含水率を低減させることができ、酵素水溶液のロスが抑制されるとともに、乾燥に要するエネルギーコストを軽減することができる。
第1配管路P1は、分離処理タンク10の排液室10Bと、濾過機30の流入部とを連通する管路であり、排液室10B(排液口14B)から排出される紙含有懸濁液を濾過機30に供給する際の流路となる。
第2配管路P2は、濾過機30の流出部と、分離処理タンク10の分離処理室10Aとを連通する管路であり、濾過機30から流出される酵素水溶液を分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流させる際の流路となる。
第1配管路P1には、第1のポンプ41が設けられている。
第1のポンプ41は、排液室10B(排液口14B)から排出される紙含有懸濁液を濾過機30に流入させる(移送する)とともに、濾過機30から流出される酵素水溶液を分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流させるための圧送ポンプである。好適な第1のポンプ41としては、高圧ダイヤフラムポンプ、ギアポンプなどを挙げることができる。
プラスチック分散液受けタンク50は、分離処理の終了後に分離処理タンク10の分離処理室10A(排液口14A)から排出されるプラスチック片の分散液(酵素水溶液中にプラスチック片が浮遊している状態の分散液)を受け入れて収容するタンクである。
プラスチック分散液受けタンク50は、円筒状の側壁およびホッパー状の底壁により区画される内部空間を有し、上部(天面)が開放され、底壁には、内部に収容された液体(酵素水溶液)を排出するための排液口が形成されている。
プラスチック分散液受けタンク50の内部に収納されているプラスチック分別回収用ネット60は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維からなる。
プラスチック分別回収用ネット60のメッシュサイズとしては、回収するプラスチック片(仕込んだ裁断片)のサイズに応じて適宜選択することができる。
プラスチック分別回収用ネット60の上部(天面)は開放されている。
一方、プラスチック分別回収用ネット60の底部は開閉可能に構成されている。すなわち、プラスチック分散液受けタンク50内において、プラスチック分別回収用ネット60の底部は、縄(図示省略)などにより緊縛されて閉じているが、プラスチック分散液受けタンク50から搬出後、縄を解くことにより、底部を開放状態にすることができる。
第3配管路P3は、プラスチック分散液受けタンク50の排液口に連結され、プラスチック分散液受けタンク50の内部と、分離処理タンク10の分離処理室10Aとを連通する管路であり、プラスチック分散液受けタンク50から排出される酵素水溶液を分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流させる際の流路となる。
第3配管路P3には、第2のポンプ42が設けられている。
第2のポンプ42は、プラスチック分散液受けタンク50から排出される酵素水溶液を分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流させるための揚水ポンプである。
<分別回収方法>
次に、本実施形態の分別回収システムを使用して行う、プラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収方法について説明する。
〔1〕裁断片の層分離および紙の濾別工程:
この工程では、開閉バルブ15Aを閉じた状態とし、開閉バルブ15Bを開いた状態とする。
酵素水溶液が収容された分離処理タンク10の分離処理室10Aに、プラスチック壁紙の裁断片を仕込み、当該裁断片を酵素水溶液中に分散させ、この系(裁断片が分散された酵素水溶液)を、攪拌機20(攪拌羽根22および攪拌羽根251)により攪拌処理するとともに、濾過機30および第1のポンプ41を稼働させて、分離処理タンク10の分離処理室10A、排液室10B、第1配管路P1、濾過機30、第2配管路P2を流路として酵素水溶液を循環させる。
これにより、基材を構成する紙が分解され、樹脂層から基材(繊維状に分解された紙)が分離され、分離処理室10Aにおいて、基材に由来の紙による紙含有懸濁液に、裁断片の形状が維持された樹脂層に由来のプラスチック片が浮遊分散されてなるプラスチック片の分散液が得られるとともに、このプラスチック片の分散液(プラスチック片が分散された紙含有懸濁液)のうち、穿孔板12の貫通孔を通過して排液室10Bに流入された紙含有懸濁液は、当該排液室10Bから排出され、第1のポンプ41によって、第1配管路P1を通って濾過機30に流入され、濾過機30において紙と酵素水溶液とに分離される。分離された酵素水溶液は、第2配管路P2を通り、分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流される。
排液室10Bにおける紙含有懸濁液の排出に伴い、分離処理室10Aにおける紙含有懸濁液が、穿孔板12を通過して排液室10Bに移行するとともに、この分離処理室10Aには、濾過機30からの酵素水溶液が供給される。このようにして、分離処理タンク10の分離処理室10A、排液室10B、第1配管路P1、濾過機30、第2配管路P2を流路として、酵素水溶液(分離処理タンク10から濾過機30に至る流路では紙含有懸濁液)が循環される。これにより、分離処理タンク10内における液量が一定に維持されるとともに、分離処理室10Aにおける分離処理(繊維状に分解された紙の発生)と並行して、下流に位置する濾過機30において、紙が連続的に濾別されるので、分離処理タンク10(分離処理室10A・排液室10B)の内部における紙含有懸濁液中の紙の含有割合は経時的に低下し、最終的には、紙を含有しない酵素水溶液が前記流路を循環することになり、分離処理室10Aにおけるプラスチック片は、酵素水溶液により洗浄されることになる。この結果、プラスチック片に紙が(再)付着することはない。
実質的に紙を含有しない酵素水溶液が前記流路を循環していることを確認した後、攪拌機20による攪拌処理を停止し、濾過機30および第1のポンプ41の稼働(酵素水溶液の循環)を停止し、開閉バルブ15Bを閉じてこの工程を終了する。
この工程の終了時において、分離処理タンク10の分離処理室10Aには、プラスチック片の分散液(プラスチック片が分散された酵素水溶液)が存在し、基材由来の紙は存在しない。
酵素水溶液を構成するセルロース分解酵素としては、不溶性基質である天然セルロースを分解する活性を有する酵素であれば特に限定されるものではなく、細胞壁(膜)溶解酵素剤や細胞崩壊酵素剤などとよばれるものを好適に使用することができる。
かかるセルロース分解酵素としては、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼおよびアミラーゼなどを例示することができる。
これらのセルロース分解酵素(セルラーゼ)は、繊維改質剤や繊維処理剤などとして市販されている。セルロース分解酵素の市販品としては、「セルラーゼGODO TCL」(合同酒精株式会社製)、「セルラーゼ“オノズカ”3S」(ヤクルト薬品工業株式会社製)、「エンチロンCM−40L」(洛東化成工業株式会社製)、「エンチロンGK−200」(洛東化成工業株式会社製)、「ドリラーゼ20」(協和醗酵株式会社製)、「セルラーゼA「アマノ」3」(天野エンザイム株式会社)などを例示することができる。
酵素水溶液におけるセルロース分解酵素の濃度としては、通常0.005〜10質量%とされ、好ましくは0.05〜5質量%とされる。
酵素水溶液の水素イオン濃度は、酵素水溶液中のセルロース分解酵素の種類(市販品の仕様)などによって異なるが、セルロース分解の活性および安定性を維持する観点から、水素イオン濃度指数(pH)が3〜10の範囲であることが好ましい。pHの値は、酸またはアルカリを添加することにより適宜調整することができる。
酵素水溶液の水素イオン濃度指数(pH)を酸性(<7)に調整するために使用する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸を使用することも可能であるが、食品添加剤などとして使用される有機弱酸を使用することは、環境面の観点から好ましい。
有機弱酸としては、クエン酸、酒石酸、りんご酸、酢酸、シュウ酸、琥珀酸、グルコン酸などを例示することができる。
水溶液のpHを、例えば4〜5の範囲内に調整するために使用する有機弱酸の濃度は、通常0.0005〜5質量%とされる。
酵素水溶液の水素イオン濃度指数(pH)をアルカリ性(7<)に調整するために使用するアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を使用することも可能であるが、環境を考慮し、食品にも添加できる弱アルカリを使用することが好ましい。
弱アルカリとしては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの塩を例示することができる。
酵素水溶液のpHを、例えば8〜10の範囲内とするために使用するアルカリの濃度は、通常0.001〜10質量%とされ、好ましくは0.01〜5重量%とされる。
酵素水溶液中に分散させる裁断片の形状は特に限定されるものではないが、四角形、特に正方形が好ましい。
また、裁断片の好適なサイズとしては、処理設備の規模および攪拌方式にもよるが、プラスチックおよび紙の回収を容易にし、回収された紙の品質を維持する観点から、例えば1cm2 (例えば1cm×1cm)以上であることが好ましく、さらに好ましくは1〜2,500cm2 であることが好ましく、特に好ましくは1〜1,000cm2 とされる。
裁断片のサイズが過小である場合(例えば、粉砕機により粉砕した場合)には、プラスチック回収工程および紙回収工程において、これらの分別回収が困難となり、また、回収された紙にプラスチックが混入するために、その品質が低下するおそれがある。
裁断片を得るための裁断方法としては特に限定されるものではない。
また、「裁断片」には、壁紙の端材または廃材が含まれる(裁断工程は必須ではない)。
酵素水溶液中に分散させる裁断片の量(仕込量)としては、樹脂層の発泡倍率などによって適宜調整することができる。
ここに、非発泡樹脂層を有する壁紙(非発泡製品)の裁断片の仕込み量は、酵素水溶液100質量部に対して10〜18質量部とされる。
また、低発泡樹脂層(発泡倍率=2〜4倍)を有する壁紙(低発泡製品)の裁断片の仕込み量は、酵素水溶液100質量部に対して10〜15質量部とされる。
また、高発泡樹脂層(発泡倍率=5〜8倍)を有する壁紙(高発泡製品)の裁断片の仕込み量は、酵素水溶液100質量部に対して8〜12質量部とされる。
攪拌時の温度(処理温度)としては、水溶液中のセルロース分解酵素の種類(市販品の仕様)などによって異なるが、セルロース分解酵素の活性を維持する観点から20〜70℃であることが好ましい。
分離処理時間(攪拌時間=酵素水溶液の循環時間)としては、裁断片の樹脂層を構成するプラスチックの種類・重合度・可塑剤の種類および使用量・発泡性および発泡倍率・エンボッシングの程度、セルロース分解酵素の種類および使用量、並びに処理温度などによっても異なるが、通常2〜4時間で、裁断片の樹脂層からの基材の分離を完結することができる。
〔2〕紙の回収工程:
この工程では、濾過機30により分離(濾別)された紙を回収する。回収された紙は、乾燥工程(図示省略)に送られる。
〔3〕プラスチック片の分別回収工程:
この工程では、開閉バルブ15Aを開いて、分離処理タンク10の分離処理室10Aに残留しているプラスチック片の分散液(プラスチック片が分散された酵素水溶液)を、プラスチック分別回収用ネット60が収納されているプラスチック分散液受けタンク50に移す。
次いで、図2に示すように、プラスチック分別回収用ネット60を釣り上げて、プラスチック分散液受けタンク50からプラスチック片(図示省略)を搬出した後、プラスチック分別回収用ネット60の底部を緊縛している縄を解いて底部を開放状態とすることにより、プラスチック片を回収容器70内に落下させる。このような構成によれば、大量のプラスチック片(重量物)を迅速かつ容易に回収することができる。プラスチック分別回収用ネット60から取り出されたプラスチック片は、乾燥工程(図示省略)に送られる。
また、プラスチック分散液受けタンク50内に残留する酵素水溶液は、第2のポンプ42によって、第3配管路P3を通り、分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流される。
本実施形態の分別回収方法によれば、分離処理タンク10の分離処理室10Aにおいて樹脂層から分離された繊維状の紙は、酵素水溶液に分散されてなる紙含有懸濁液の形態で排液室10Bを経て濾過機30に流入し、この濾過機30より濾別されるので、分散処理室10Aに残留することはなく、また、濾過機30から流出される紙を含まない酵素水溶液が分離処理室10Aに還流されるので、分離処理室10Aに残留するプラスチック片に、紙が(再)付着することはない。従って、水などで洗浄することなく、回収されたプラスチック片を直ちに再利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、この実施例に係る分別回収方法は、図1に示すような構成の分別回収システムを使用して行った。この分別回収システムを構成する装置として以下のものである。
(1)分離処理タンク10:
・材質:SUS304
・内容量:6000L
・温水循環加熱が可能なジャケット13を有する。
(2)穿孔板12(パンチングプレート):
・材質:SUS304
・板厚:3mm
・貫通孔径:6mm
(3)濾過機30:
・全自動圧搾フィルタープレス(株式会社マキノ製)
(4)第1のポンプ41:
・ギアポンプ「OH−15G型」(大東工業株式会社製)
(5)第2のポンプ42(揚水ポンプ):
・MSN型ナイロンコーティング製多段渦巻ポンプ
(6)プラスチック分散液受けタンク50:
・材質:SUS304
・内容量:5000L
(7)プラスチック分別回収用ネット60(底部開閉):
・ナイロン製ネット(20メッシュ)
・内容量:約1200L
(8)開閉バルブ15A:
・バタフライバルブ(径=300mm)
(9)開閉バルブ15B:
・ボールバルブ「Z600型50A」(株式会社キッツ製)
<実施例1>
〔1〕裁断工程(前工程):
ポリ塩化ビニルからなる樹脂層を備えたプラスチック壁紙(日本ビニル工業株式会社製)を油圧切断機(丸精製作所社製)で裁断して、200mm×200mmの裁断片を得た。
〔2〕裁断片の層分離および紙の濾別工程:
開閉バルブ15Aおよび開閉バルブ15Bを閉じた状態とし、分離処理タンク10内において、セルラーゼの市販品「エンチロンGK−200」(洛東化成工業株式会社製)20kgを水5000Lに溶解することにより、pH6.8の酵素水溶液(セルラーゼ濃度=0.4%)を調製した。次いで、ジャケット13に70℃の温水を循環させて、酵素水溶液の温度を30℃に昇温した。
次いで、この分離処理タンク10内に、裁断工程で得られた裁断片500kgを仕込み、攪拌機20(攪拌羽根22および攪拌羽根251)により、裁断片が分散された酵素水溶液の攪拌を開始するとともに、開閉バルブ15Bを開いて、濾過機30および第1のポンプ41を稼働させ、分離処理タンク10(分離処理室10A・排液室10B)、第1配管路P1、濾過機30、第2配管路P2を流路として酵素水溶液を循環させた。ここに、分離処理タンク10内の液温を30℃に制御し、攪拌速度は20rpmとした。
これにより、裁断片の基材を構成する紙が分解され、樹脂層から、繊維状に分解された紙が分離され、分離処理室10Aにおいて、紙含有懸濁液にプラスチック片が浮遊分散されてなるプラスチック片の分散液が得られるとともに、このプラスチック片の分散液のうち、穿孔板12の貫通孔を通過して排液室10Bに流入された紙含有懸濁液は、当該排液室10Bから排出され、第1のポンプ41によって、第1配管路P1を通して濾過機30に流入され、濾過機30において紙と酵素水溶液とに分離された。分離された酵素水溶液は、第2配管路P2を通り、分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流された。
分離処理室10Aにおける攪拌操作および前記流路(分離処理室10A→排液室10B→第1配管路P1→濾過機30→第2配管路P2→分離処理室10A)における酵素水溶液の循環を3時間にわたり継続して行った。
この間、第1のポンプ41による背圧のため、分離処理室10Aにおける穿孔板12の表面(貫通孔形成面)に、裁断片、プラスチック片、紙の塊状物が貫通孔に吸着されて、貫通孔の一部を塞いだが、これらは、清掃手段25(線状部材252)によって直ちに除去されたため、分離処理室10Aから排液室10Bへの液体(紙含有懸濁液または酵素水溶液)の移送はスムーズに行われた。
3時間にわたる攪拌操作および循環処理(紙の濾別処理)によって、裁断片を構成する樹脂層から、基材である紙を完全に分離することができた。また、分離された基材由来の紙は、濾過機30によって実質的にすべてが濾別処理され、前記流路に循環される酵素水溶液には、紙の含有は認められなかった。なお、3時間経過後における酵素水溶液のpHは6.9と、処理前から殆ど変化しなかった。
〔3〕紙の回収工程:
3時間にわたる攪拌操作および循環処理の完了後、濾過機30および第1のポンプ41の稼働を停止し、開閉バルブ15Bを閉じた後、濾過機30(フィルタープレス)により濾別した紙を取り出した。取り出された紙の水分(酵素水溶液)の含有率は平均66%であった。取り出した紙は、箱型熱風循環乾燥機により乾燥処理した。このようにして回収した紙の質量(乾燥質量)は99.5kgであった。
〔4〕プラスチック片の分別回収工程:
開閉バルブ15Aを開いて、分離処理室10Aに残留しているプラスチック片の分散液を、プラスチック分別回収用ネット60が収納されているプラスチック分散液受けタンク50に移した。その後、図2に示すように、チェーンブロック(図示省略)によりプラスチック分別回収用ネット60を釣り上げて、プラスチック分散液受けタンク50からプラスチック片(図示省略)を搬出した後、プラスチック分別回収用ネット60の底部を開放状態にして、プラスチック片を回収容器70に落下させ、箱型熱風循環乾燥機により乾燥処理した。
また、プラスチック分散液受けタンク50内に残留している酵素水溶液を、排液口から排出し、第2のポンプ42を稼働させて、第3配管路P3を通して分離処理タンク10の分離処理室10Aに還流させた。
以上のようにして回収されたプラスチック片の質量(乾燥質量)は400kgであり、これらのプラスチック片には、紙の付着は全く認められなかった。
本発明の分別回収システムの一実施形態の概略構成を示す説明図である。 プラスチック片の回収操作を模式的に示す説明図である。
符号の説明
10 分離処理タンク
10A 分離処理室
10B 排液室
11 蓋
12 穿孔板
13 ジャケット
14A 排液口
14B 排液口
15A 開閉バルブ
15B 開閉バルブ
16 ガイドパイプ
20 攪拌機
21 攪拌軸
22 攪拌羽根
23 駆動モータ
25 清掃手段
251 攪拌羽根
252 線状部材
30 濾過機
41 第1のポンプ
42 第2のポンプ
50 プラスチック分散液受けタンク
60 プラスチック分別回収用ネット
70 回収容器
P1 第1配管路
P2 第2配管路
P3 第3配管路

Claims (6)

  1. 紙からなる基材上に樹脂層が形成されてなるプラスチック壁紙の裁断片を、セルロースを分解可能な酵素の水溶液中に分散させて、この系を攪拌処理することにより、前記裁断片における樹脂層から基材を分離し、基材に由来する繊維状に分解された紙と、樹脂層に由来するプラスチック片とを分別して回収するためのシステムであって、
    前記酵素水溶液を収容する分離処理タンク(10)と、
    前記分離処理タンク(10)の内部空間を、前記裁断片が仕込まれる分離処理室(10A)と、ホッパー状の底壁により区画される排液室(10B)とに仕切るように設けられ、繊維状に分解された紙は通過させるが、前記裁断片およびプラスチック片は通過させない径の貫通孔が多数形成されてなる穿孔板(12)と、
    攪拌軸(21)、攪拌羽根(22)および駆動モータ(23)を備え、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)において、前記裁断片および/またはプラスチック片の分散液を攪拌するための攪拌機(20)と、
    前記分離処理タンク(10)の排液室(10B)から排出される紙含有懸濁液を、紙と酵素水溶液とに分離することのできる濾過機(30)と、
    前記分離処理タンク(10)の排液室(10B)と、前記濾過機(30)の流入部とを連通する第1配管路(P1)と、
    前記濾過機(30)の流出部と、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)とを連通する第2配管路(P2)と、
    前記第1配管路(P1)または前記第2配管路(P2)に設けられ、前記排液室(10B)から排出される紙含有懸濁液を前記濾過機(30)に流入させるとともに、前記濾過機(30)から流出される酵素水溶液を前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させるための第1のポンプ(41)と、
    前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に収容されているプラスチック片の分散液を受け入れるプラスチック分散液受けタンク(50)と、
    前記プラスチック分散液受けタンク(50)の内部に収納されたプラスチック分別回収用ネット(60)と、
    前記プラスチック分散液受けタンク(50)の排液口に連結され、前記プラスチック分散液受けタンク(50)の内部と、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)とを連通する第3配管路(P3)と、
    前記第3配管路(P3)に設けられ、前記プラスチック分散液受けタンク(50)から排出される酵素水溶液を前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させるための第2のポンプ(42)と、
    を備えてなることを特徴とするプラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収システム。
  2. 前記濾過機(30)が、フィルタープレスからなることを特徴とする請求項1に記載の分別回収システム。
  3. 前記プラスチック分別回収用ネット(60)は、その底部が開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分別回収システム。
  4. 前記攪拌機(20)には、前記貫通孔を塞ぐように前記穿孔板(12)に吸着される前記裁断片および/またはそれに由来する物を除去する清掃手段(25)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の分別回収システム。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の分別回収システムによって、プラスチック壁紙から、紙とプラスチック片とを分別して回収する方法であって、
    酵素水溶液を収容する前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に、プラスチック壁紙の裁断片を仕込み、当該裁断片を酵素水溶液中に分散させて、この系を、攪拌機(20)により攪拌処理するとともに、前記濾過機(30)および第1のポンプ(41)を稼働させて、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)、排液室(10B)、前記第1配管路(P1)、前記濾過機(30)、前記第2配管路(P2)を流路として、前記酵素水溶液を循環させることにより、前記分離処理室(10A)において、前記裁断片を構成する樹脂層から基材を分離し、前記樹脂層に由来のプラスチック片が、基材に由来の紙による紙含有懸濁液に分散してなるプラスチック片の分散液を得るとともに、このプラスチック片の分散液のうち、前記穿孔板(12)の貫通孔を通過して前記排液室(10B)に流入された紙含有懸濁液を、当該排液室(10B)から排出させ、前記第1のポンプ(41)によって、前記第1配管路(P1)を通して前記濾過機(30)に流入させ、当該濾過機(30)において、紙と酵素水溶液とに分離し、分離された酵素水溶液を、前記第2配管路(P2)を通して、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させる工程と、
    前記流路における酵素水溶液の循環を停止し、前記濾過機(30)により分離された紙を回収する工程と、
    前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に残留する、前記プラスチック片が酵素水溶液に分散されてなるプラスチック片の分散液を、前記プラスチック分散液受けタンク(50)に移送し、その内部に収納された前記プラスチック分別回収用ネット(60)によりプラスチック片を回収し、前記プラスチック分散液受けタンク(50)に残留する酵素水溶液を、前記第2のポンプ(42)によって、前記第3配管路(P3)を通して、前記分離処理タンク(10)の分離処理室(10A)に還流させる工程と、
    を含むことを特徴とするプラスチック壁紙からのプラスチックと紙の分別回収方法。
  6. 請求項3に記載の分別回収システムによって、プラスチック壁紙から、紙とプラスチック片とを分別して回収する方法であって、
    前記プラスチック分散液受けタンク(50)から前記プラスチック分別回収用ネット(60)を釣り上げて搬出した後、当該プラスチック分別回収用ネット(60)の底部を開いて、プラスチック片を取り出すことを特徴とする請求項5に記載の分別回収方法。
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