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JP4396366B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description

本発明は半導体装置に関し、特に、発熱体としての半導体チップと半導体チップが実装されたヒートシンクとを有する半導体装置に関する。
従来から、半導体素子が形成された半導体チップをヒートシンク上に配置し、半導体チップで発生する熱をヒートシンクが冷却する半導体装置が知られている(例えば、特許文献1など参照)。特許文献1に開示されたヒートシンク(発熱体冷却装置)は、その内部に開孔部を有する仕切り板を設けている。ヒートシンクを流通する冷媒がこの開孔部を通過することによって、冷媒の噴流は半導体チップが配置されている位置に対応するヒートシンクの裏面に直接衝突する。これにより、発熱体である半導体チップの高効率な冷却が可能となる。
特開2002-237691号公報
しかし、ヒートシンクに半導体チップを実際に実装する場合、特許文献1の第1図のように半導体チップを半田付けなどでヒートシンクの主面上に直接に実装することは難しい。一般的な実装方法の一例としては、セラミックス基板などの平板に半導体チップを半田付けなどで機械的に固定し、ボンディングワイヤ又はバンプなどを用いて半導体チップ表面の電極パッドとの電気的接続を予め行い、その後、このセラミックス基板をシリコングリスなどを介してヒートシンク主面上に実装する方法がある。即ち、現実的には、ヒートシンクの主面にシリコングリスなどを介してセラミックス基板が実装され、セラミックス基板の上に半田を介して半導体素子が実装された積層構造を有しているのが一般的であり、ヒートシンクと半導体チップの間の熱抵抗は大きく、効率的な冷却は難しい。
また、内部に冷媒を通す開孔部を有するヒートシンクは内部構造が複雑なため、一体の構造体として成型することは困難である。ヒートシンクを幾つかの構成部材に分け、これらを接合してヒートシンク全体を形成するのが現実的である。即ち、ヒートシンクの下面板と、開孔部を有する仕切り板と、上面板とを、それぞれ側面板を用いて半田付け、ろう付け、溶接、接着などの方法で接合してヒートシンク全体を形成する。なお、上面板と側面板、または下面板と側面板は一体の構造体としてそれぞれ成型することは可能である。
よって上記の現実的な構造により以下の問題点が生じる。即ち、半導体チップをさらに効率良く冷却するために、比較的熱抵抗の大きいシリコングリスを介さずに、半導体チップが実装されているセラミックス基板の裏面に冷媒の噴流を直接衝突させることが効果的であると考えられる。しかし、セラミックス基板をヒートシンク上面に半田付け等の低熱抵抗接合材料を用いて直接接合する際、ヒートシンク内部が中空もしくはヒートシンク上面の裏面側が必ずしも平坦でないことにより、半田付け工程にて必要な昇温条件を得難く、実現困難である。通常、半導体チップを半田付け実装する場合は、ベースプレートの裏面側から加熱する。ベースプレートの裏面が平坦でないと、この加熱を均一に行い難く、半田付け工程に支障を来たす。また、半導体チップの表面に配置された電極パッドに対してワイヤボンディング接続を行なう場合にベースプレートの裏面が平坦でないと確実にセラミックス基板を保持し難く、同工程に支障を来たす。
本発明の特徴は、第1の主面と第1の主面に対向する第2の主面とを有するベースプレートと、第1の主面に接合された半導体チップと、第2の主面に接合された接合面を有する本体部を備えるヒートシンクと、第2の主面のうち半導体チップの端部に対応する位置近傍に配置された環状または枠状の凸部とを有する半導体装置であって、本体部の接合面には半導体チップが配置されている位置に対応して第1の開孔部が形成され、冷媒が流通する冷媒室は、本体部の内部と第1の開孔部から表出した第2の主面及び凸部とで囲まれた領域で定義され、冷媒室を流通する冷媒は第1の開孔部を介して第2の主面及び凸部に直接接触し、凸部の側面は第1の開孔部の側面に接していることを要旨とする。
本発明によれば、発熱体である半導体チップを低熱抵抗で冷却すると同時に、冷媒の漏れを防ぐ半導体装置を提供することが出来る。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
(第1の実施の形態)
本発明の第1乃至第6の実施の形態においては、発熱体及び当該発熱体から生じる熱を冷却するヒートシンクを有する装置の一例として、半導体素子が形成された半導体チップ及び半導体チップからの発熱を冷却するヒートシンクを備えた半導体装置について説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わる半導体装置は、第1の主面15aと第1の主面15aに対向する第2の主面15bとを有するベースプレート1と、第1の主面15aに半田付け等で接合された半導体チップ2と、第2の主面15bに接合された接合面16を有する本体部3を備えるヒートシンク8と、第2の主面15bに配置された凸部19と、第1の開孔部9の側面に沿って配置されたゴム部材31と、半導体チップ2とベースプレート1との間に配置されたセラミックス基板33とを少なくとも有する。
本体部3の接合面16には半導体チップ2が配置されている位置に対応して第1の開孔部9が形成されている。凸部19は第1の開孔部9に差し込まれている。半導体チップ2からの熱を冷却する冷媒が流通する冷媒室11は、本体部3の内部と第1の開孔部9から表出した第2の主面15b及び凸部19とで囲まれた領域で定義される。冷媒室11を流通する冷媒は第1の開孔部9を介して第2の主面15b及び凸部19に直接接触する。凸部19の側面はゴム部材31を介して第1の開孔部9の側面に接している。
ヒートシンク8は、本体部3の内部にベースプレート1に平行に配置された仕切り板5と、第1の主面15aの外周部分に配置された押さえ部4とを更に有する。また、半導体装置は、更に押さえ部4と本体部3とを圧接接合する固定部品(例えば、ネジ27)を有する。本体部3及び押さえ部4は、ネジ27により、ベースプレート1及び接着層32を挟んでいる。仕切り板5は、半導体チップ2が配置されている位置に対応して第2の開孔部10を有する。冷媒室11は、仕切り板5を境にしてベースプレート1側に位置する第1の冷媒室12と第2の冷媒室13とに分けられている。また、図示は省略するが、冷媒が冷媒室11の内部へ流入するための冷媒流入孔が第2の冷媒室13の一部に配置され、冷媒が冷媒室11の内部から流出するための冷媒流出孔が第1の冷媒室12の一部に配置されている。
図2に示すように、第1の冷媒室12からベースプレート1側を見たとき、凸部19は環状または枠状の形状を有する放熱フィンであり、放熱フィン19の内側にはベースプレート1の第2の主面15bが表出している。ゴム部材31が放熱フィン19の外周全体に接触して配置され、ヒートシンク8の本体部3がゴム部材31の外周全体に接触して配置されている。即ち、第1の開孔部9全体にゴム部材31が嵌め込まれ、ゴム部材31の内側にベースプレート1の第2の主面15b上に設けた放熱フィン19が嵌め込まれている。放熱フィン19は、半導体チップ2の外周端部に対応する位置近傍に配置されている。放熱フィン19は接着によりベースプレート1の第2の主面15bに接合されている。ベースプレート1の第2の主面15bも、接着によりヒートシンク3の接合面16に接合されている。
冷媒(例えば水)は、冷媒流入孔から第2の冷媒室13内に流入し、第2の開孔部10を経て第2の冷媒室13から第1の冷媒室12へ流れ、冷媒流出孔から流出する。第2の開孔部10を通過して第2の冷媒室13から第1の冷媒室12へ流れる時に、冷媒の噴流は、第1の開孔部9を経てベースプレート1の第2の主面15bに直接衝突する。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、本体部3の内部と第1の開孔部9から表出したベースプレート1の第2の主面15b及び凸部(放熱フィン)19とで囲まれた領域が冷媒室11として定義され、冷媒室11を流通する冷媒は、第1の開孔部9を介してベースプレート1の第2の主面15b及び放熱フィン19に直接接触することになる。したがって、発熱体である半導体チップ2を低熱抵抗で冷却することが出来る。即ち、従来のシリコングリスのような比較的熱抵抗の大きい部分を介すること無く、半導体チップ2で生じる熱を冷媒に伝達することが出来る。更に、冷媒に直接接する放熱フィン19が熱交換面積を増大させるので、より一層低熱抵抗化が実現される。また更に、凸部が環状または枠状の放熱フィン19であることにより、半導体チップ2をさらに低熱抵抗で冷却することが可能になる。
また、放熱フィン19と第1の開孔部9の側面とをゴム部材31を介して接触させているので、ヒートシンク8の肉厚が厚い場合でも、放熱フィン19自体が栓としての機能を有し、ベースプレート1の第2の主面15bに接触する冷媒が冷媒室11の外側に漏れることを確実に防止することが可能になる。
更に、冷媒が第2の冷媒室13から第2の開孔部10を経て第1の冷媒室12へ流れることにより、冷媒の噴流は第1の開孔部9を経てベースプレート1の第2の主面15bに直接衝突することになる。したがって、さらにベースプレート1上の半導体チップ2を効率良く冷却することが出来る。
更に、半導体チップ2の端部に対応する位置に放熱フィン19を設け、また、冷媒の噴流がベースプレート1の第2の主面15bに直接衝突するようにしたため、噴流が実際に衝突する半導体チップ2の中央部に対応する位置では、衝突噴流による乱流で熱交換が行なわれる。また同時に、半導体チップ2の端部に対応する位置に配置された放熱フィン19は、高い熱交換能力を発揮する。これにより、一層低熱抵抗で半導体チップ2を冷却することが出来る。この場合も、放熱フィン19と第1の開孔部9との接触により、冷媒漏れを確実に防止することが可能となる。
更に、放熱フィン19が環状または枠状の形状であるので、放熱フィン19を第1の開孔部9に接触させつつ差し込む際に生じる力によっても、放熱フィン19が変形することが無い機械的強度を容易に持たせることが可能となる。
更に、第1の開孔部9にゴム部材31を嵌め込み、放熱フィン19の側面と第1の開孔部9の側面との接触部分にゴム部材31を介在させることにより、ゴム部材31が封止材としての役割を発揮し、放熱フィン19と第1の開孔部9の接触面からの冷媒漏れをさらに確実に防止することが可能となる。放熱フィン19と第1の開孔部9に微細な加工精度のバラツキが生じたとしても、ゴム部材31が変形封止することにより冷媒漏れを防止できる。このため放熱フィン19と第1の開孔部9の加工精度を高くすることによる加工費の増大も防ぐことが可能となる。
ここで、第1の実施の形態により低熱抵抗化が実現される理由を図3及び図4を参照して説明する。図3(a)は放熱フィン19がある場合の半導体チップ2の近傍の断面構造概略を示し、図3(b)は単位面積あたりの冷却能力を示す。図3(b)中の横軸は半導体チップ2の中心からの距離を模擬し、縦軸は冷媒による単位面積当たりの冷却能力を模擬する。チップ2の中央部分は冷媒噴流が衝突することにより、高い冷却能力を発揮する。また半導体チップ2の端部部分も、冷媒が衝突後横に流れる際に冷媒がぶつかるように放熱フィン19を配したので、比較的高い冷却能力を発揮できる。一方、図4(a)は放熱フィン19が無い場合の半導体チップ2の近傍の断面構造概略を示し、図4(b)は単位面積あたりの冷却能力を示す。噴流が直接衝突する部分以外の熱交換能力は、放熱フィン19がある場合に比べて相対的にかなり低くなる。よって、第1の実施の形態によれば、半導体チップ2の実装部分の全域に渡って高い冷却能力を発揮し、結果として低熱抵抗での冷却が可能になる。
なお、第1の実施の形態では、押さえ部4と本体部3とをネジ27等の圧接部材により加圧することにより、ベースプレート1とヒートシンク8の本体部3とを接合させていた。これにより、押さえ部4と本体部3とを強固に結合できるので、ベースプレート1とヒートシンク8の本体部3との結合力も増大する。したがって、冷媒の衝突などによる圧力がベースプレート1の第2の主面15bに加重印加されても、冷媒漏れをさらに確実に防止することが可能となる。
また、圧接部材を用いる代わりに、押さえ部4と本体部3とを接着により接合しても構わない。この場合、容易にかつネジ留め用のスペースを設けることなく、冷媒漏れを防止できる。また、容易に、少ない構成材料でヒートシンク8を構成することが可能となり、ヒートシンク8の低コスト化を更に図れる。
更に、圧接部材を用いる場合及び接着を用いる場合であって、ベースプレート1とヒートシンク8とが異種材料で構成され熱膨張係数が異なる場合であっても、熱応力による信頼性上の懸念を回避できる。この場合、押さえ部4と本体部3を同種材料で形成することにより、これらの接合部位での熱応力による信頼性上の懸念は生じない。
なお、ベースプレート1の第1の主面15a上にセラミックス基板33を介して半導体チップ2を実装する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ベースプレート1がセラミックス基板若しくはセラミックス基板と金属部材による積層基板であっても構わない。この場合、ベースプレート1部分の熱抵抗が無いので、さらに半導体チップ2を低熱抵抗で冷却できる。また、セラミックス基板とヒートシンク8との間で熱膨張係数が異なっても、熱応力よる信頼性上の懸念は生じない。或いは、ベースプレート1が金属板からなり、この金属板の表面(第1の主面15a)上に半導体チップ2を実装すると共に、この金属板の裏面に絶縁層を設けても構わない。この場合、ベースプレート1が半導体チップ2の配線層としての機能を持ち、かつ絶縁層で電気的絶縁を図ることができる。さらに、セラミックス基板部分の熱抵抗が無いので、さらに半導体チップ2を低熱抵抗で冷却できる共に、一般的に高コストなセラミックス基板を用いないことにより低コスト化を図ることが可能となる。
また、背景技術の欄で示した特許文献1に開示された発熱体冷却装置において、半導体チップをセラミックス基板上に実装し、ヒートシンク上面を開口し、セラミックス基板の裏面が直接冷媒に接触するように構成した場合、ヒートシンク開口部分とセラミックス基板の接合界面において冷媒漏れが起きない構造上の対策が困難となる。接着または半田付けあるいは溶接により接合した場合、一般にセラミックス基板とヒートシンクを構成する金属材料とでは熱膨張係数が異なり、熱応力による信頼性上の懸念がある。さらに、冷媒の圧力が該接合を剥がす方向に作用するため、前述した信頼性上の懸念と相まって、冷媒漏れの可能性を否定できない。また、半導体チップが実装されているセラミックス基板に対して半田付けや溶接を行なう際の高温工程により半導体チップに損傷を与える懸念、あるいは必要な温度まで昇温させ難い等の問題が有る。これに対して、本発明の第1の実施の形態に係わる半導体装置によれば、上述したようにベースプレート1とヒートシンク8との接合の信頼性は高く、より確実に冷媒漏れを防止することが出来る。
また、背景技術の欄で示した特許文献1に開示された発熱体冷却装置において、半導体チップが実装されているセラミックス基板とヒートシンク上面とをOリングを介して接合した場合、Oリング自体の幅に加えて、該Oリングに均一に大きな加重を印加させる為に、ネジ等で圧接させるための領域も必要になる。この為、装置の小型化に大きな支障を来たす。これに対して、本発明の第1の実施の形態に係わる半導体装置によれば、Oリングを用いる必要がないため、装置全体を小型化することが出来る。
(第2の実施の形態)
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態に係わる半導体装置において、放熱フィン19とベースプレート1とは接着剤34により接合されている。その他の構成要素は図1及び図2に示した半導体装置と同一であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、製造工程において、ベースプレート1の裏面(第2の主面15b)側を平坦にできるので、放熱フィン19を装着する前に先ず半導体チップ2をベースプレート1の第1の主面15a上に実装し、ボンディングパッド電極等の接続を行なう際に、ベースプレート1の裏面が平坦で無いことによって生じる製造工程上の課題が無くなる。よって製造コストを低減できる。
また、放熱フィン19が環状または枠状の形状であることにより、放熱フィン19を第1の開孔部9にゴム部材31を介して接触させつつ差し込む際に生じる力に対する機械的強度を放熱フィン19自体が有する。このため、放熱フィン19がベースプレート1から剥がれることも防止できる。
更に、半導体チップ2の冷却は、半導体チップ2の中央部分に対する位置に衝突する冷媒によって行なわれ、半導体チップ2の端部に位置する放熱フィン19を接着することにより、半導体チップ2の実装部分の全域に渡って高い冷却能力を得られる。
(第3の実施の形態)
図6に示すように、本発明の第3の実施の形態に係わる半導体装置において、ベースプレート1がセラミックス基板33からなる。その他の構成要素は、図5に示した半導体装置と同一であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、ベースプレート部において金属板部分の熱抵抗が無くなるため、半導体チップ2を更に低熱抵抗で冷却することが可能となる。
また、セラミックス基板33の裏面(第2の主面15b)に小面積の放熱フィン19を接着することにより、接着剤34による接着界面で生じる応力を小さく抑え、かつ一般に接着剤34は応力緩和機能を有することもあり信頼性上の懸念を生じさせないことが出来る。なお、第1実施の形態と同様に、セラミックス基板33とヒートシンク8の構成材料の間で熱膨張係数が異なっても、熱応力よる信頼性上の懸念は生じない。
更に、セラミックス基板33上に半導体チップ2を従来通りの実装工程で実装できるので、装置の製造コストも低減できる。
(第3の実施の形態の変形例)
図7に示すように、本発明の第3の実施の形態の変形例に係わる半導体装置において、ベースプレート1は、半導体チップ2が接合された金属板35から成るヒートスプレッダと、金属板35の第2の主面15b側に配置された絶縁層36とを備える。即ち、ベースプレート1が金属板35であり、金属板35の表面(第1の主面15a)上に半導体チップ2を実装すると共に、金属板35の裏面に絶縁物領域を設けた。その他の構成要素は、図6に示した半導体装置と同一であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態の変形例によれば、ベースプレート(金属板35)が半導体チップ2の配線としての機能を持ち、かつ絶縁層36で半導体チップ2の電気的絶縁を図ることができる。
また、図1のセラミックス基板33部分の熱抵抗が無くなるので、図1の半導体装置に比べてさらに半導体チップ2を低熱抵抗で冷却できると共に、一般的に高コストなセラミックス基板33を用いないことにより低コスト化を図ることが可能となる。
更に、金属板35裏面の絶縁層36上に小面積の放熱フィン19を接着することにより、接着界面で生じる応力を小さく抑え、かつ一般に応力緩和機能を有する接着剤34により、信頼性上の懸念は生じさせない。なお、第1実施の形態と同様に、ベースプレート(金属板35)とヒートシンク8の材料の間で熱膨張係数が異なっても、熱応力よる信頼性上の懸念は生じない。
(第4の実施の形態)
図8に示すように、本発明の第4の実施の形態に係わる半導体装置において、ゴム部材37は、本体部3の接合面16上に延伸されている。具体的には、ゴム部材37の内周は、第1の開孔部9の側面に沿って嵌め込まれ、そのまま接合面16上に延伸されて、ゴム部材37の外周端が本体部3の側面にまで達している。したがって、ベースプレート1は、本体部3の接合面16の上にゴム部材37を介して配置され、押さえ部4及び本体部3はゴム部材37及びベースプレート1を挟み込んでいる。その他の構成要素は、図5に示した半導体装置と同一であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、ゴム部材37とベースプレート1及び本体部3との間の接触面積が増えるので、さらに確実に冷媒漏れを防止することができる。なお、発熱体である半導体チップ2に対応する位置にゴム部材37は配置されないため、半導体チップ2の低熱抵抗化に全く影響を与えない。
(第5の実施の形態)
図9に示すように、本発明の第5の実施の形態に係わる半導体装置において、半導体チップはモールド樹脂38により封止され、ベースプレート1は、モールド樹脂38により封止された半導体チップが接合された金属板35から成るヒートスプレッダと、金属板35の第2の主面15b側に配置された絶縁層36とを備える。その他の構成要素は、図7に示した半導体装置と同一であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態によれば、モールド樹脂38によりパッケージ封止された半導体チップをベースプレート1上に実装して、上述した第1乃至第4の実施の形態に係わる半導体装置と同様な作用効果を生じせしめることができる。一般的に、モールド樹脂38によりパッケージ封止された半導体チップは、金属板35からなるヒートスプレッダの第1の主面15a上に半導体チップ2を実装し、半導体チップ2の近傍をモールド樹脂38等で封止することにより製造される。このため、絶縁層36の裏面と本体部3の接合面16等は半田付けなどで容易に接合できる。
また、放熱フィン19を接着剤34により絶縁層36の第2の主面15bに接合することで、ヒートスプレッダとベースプレートの半田付け接合部位に影響を与えない。
さらに、一般的に工業的に多く生産され低コスト化を図り易いモールド樹脂パッケージ封止の半導体チップを低熱抵抗で冷却することが可能となる。
(第6の実施の形態)
図10に示すように、本発明の第6の実施の形態に係わる半導体装置において、ベースプレート1の第1の主面15a側に、複数の半導体チップがモールド樹脂により封止された密閉体としてのモジュール39が配置され、本体部3と押さえ部4は、ベースプレート1及びモジュール39を挟み込んでいる。ベースプレート1は、その第1の主面15a上に複数の半導体チップ2が実装されていると共にモールド樹脂により封止された密閉体39の支持基板である。
また、押さえ部4の端部はコの字型形状を有し、本体部3及びベースプレート1の側面はコの字型形状の内部に差し込まれている。即ち、ヒートシンク8の接合面16は、複数の半導体チップの各々の位置に対応する部分が開孔されている。ベースプレート1の第2の主面15b上には、複数の半導体チップの各々の位置に対応する部分に前述の凸部(放熱フィン)19が配置されている。密閉モジュール体39とヒートシンク8とは、接着またはネジ27等の圧接部材により接合されている。第1の開孔部9は、複数の半導体チップ2が配置されている位置にそれぞれ対応して形成されている。凸部(放熱フィン)19及びゴム部材31も複数の半導体チップ2が配置されている位置にそれぞれ対応して配置されている。更に、仕切り板5には、複数の半導体チップ2が配置されている位置にそれぞれ対応して第2の開孔部10が形成されている。
その他の構成要素は、図8に示した半導体装置と同一であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明の第6の実施の形態によれば、電力用半導体チップを樹脂によりパッケージングした、いわゆるパワーモジュール内の電力用半導体チップを低熱抵抗で冷却できる。一般的に工業的に多く生産され低コスト化を図り易いパワーモジュールにおいて、電力用半導体チップの冷却における低熱抵抗化を図ることが可能となる。
また、モジュール39内の半導体チップのそれぞれに対応する位置に放熱フィン19を接着することにより、パワーモジュールの構造を変えずに、かつ高温印加工程による半導体チップの性能悪化の懸念も一切無く、容易に本構成を実現できる。結果として、より一層低コスト化を図ることが可能になる。
更に、モジュール39とヒートシンク8とを接着により接合すれば、これらの接着接合を容易に行なえる。或いは、モジュール39とヒートシンク8とをネジ27等の圧接部材により接合させる場合は、より一層強固にこれらを接合でき、冷媒漏れを更に確実に防止できる。
更に、一般的に、パワーモジュールにはネジ留め用の開孔部があるので、新規にパワーモジュールを加工することに伴うコストは発生しない。また、冷媒漏れ防止機構は前述の放熱フィン19と第1の開孔部9との接触により実現される。したがって、ネジ留めを多数行なう必要は無く、装置全体の面積の増加を避けつつ、低熱抵抗化と低コスト化を実現することが出来る。
更に、全ての半導体チップ2に対応する位置に大きな1つの開孔部を形成した場合、その開口部分の面積が大きくなる。結果としてベースプレート1の裏面に加重される冷媒圧力も大きなり、ベースプレート1とヒートシンク8との接合面16における冷媒漏れを防止することが困難になる。これに対して、本発明の第6の実施の形態に係わる半導体装置によれば、小面積の複数の第1の開孔部9を形成することにより、ベースプレート1の裏面に加重される冷媒圧力が小さくなり、ベースプレート1とヒートシンク8の接合面16との接合部における冷媒漏れを確実に防止することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、本発明の第1乃至第6の実施の形態及びその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
以上説明したように、本発明の第1乃至第6の実施の形態によれば、製造工程上の特に困難な部分や半導体チップ2の性能を悪化させるような工程を用いず、且つシリコングリスなど熱抵抗の大きい領域を介さずに、半導体チップ2を低熱抵抗で冷却できる半導体装置を提供することが出来る。
また、従来は信頼性上の懸念となる可能性が大きかった、ベースプレート1と第1の開孔部9との接合部分における冷媒漏れ防止に関しても、より一層確実に当該冷媒漏れ防止を図かることができる。
更に、冷媒が直接ベースプレート1の第2の主面15bに接触する面積が小さいので、冷媒圧力による加重が小さい。このため、上述の冷媒漏れ防止効果がさらに向上する。また、各構成材料の熱膨張係数の相違による熱応力による信頼性懸念も回避できる。
本発明は、例えば、電気自動車用モータなどの負荷としての交流モータを駆動するために供せられるインバータ装置として産業上利用することが出来る。
本発明の第1の実施の形態に係わる半導体装置を示す断面図である。 第1の冷媒室からベースプレート側を見たときの平面図である。 図3(a)は放熱フィンがある場合における半導体チップの近傍の断面構造概略を示す模式図であり、図3(b)は放熱フィンがある場合における単位面積あたりの冷却能力を示すグラフである。 図4(a)は放熱フィンがない場合における半導体チップの近傍の断面構造概略を示す模式図であり、図4(b)は放熱フィンがない場合における単位面積あたりの冷却能力を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係わる半導体装置を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる半導体装置を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態の変形例に係わる半導体装置を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係わる半導体装置を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係わる半導体装置を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係わる半導体装置を示す断面図である。
符号の説明
1…ベースプレート
2…半導体チップ
3…本体部
4…押さえ部
5…仕切り板
8…ヒートシンク
9…第1の開孔部
10…第2の開孔部
11…冷媒室
12…第1の冷媒室
13…第2の冷媒室
15a…第1の主面
15b…第2の主面
16…接合面
19…凸部(放熱フィン)
27…ネジ
31…ゴム部材
32、37…接着層
33…セラミックス基板
34…接着剤
35…金属板
36…絶縁層
38…モールド樹脂
39…密閉体(モジュール)

Claims (15)

  1. 第1の主面と第1の主面に対向する第2の主面とを有するベースプレートと、
    前記第1の主面に接合された半導体チップと、
    前記第2の主面に接合された接合面を有する本体部を備えるヒートシンクと、
    前記第2の主面のうち前記半導体チップの端部に対応する位置近傍に配置された環状または枠状の凸部とを有し、
    前記接合面には前記半導体チップが配置されている位置に対応して第1の開孔部が形成され、前記本体部の内部と前記第1の開孔部から表出した前記第2の主面及び前記凸部とで囲まれた領域で定義される冷媒室を流通する冷媒は前記第1の開孔部を介して前記第2の主面及び前記凸部に直接接触し、前記凸部の側面は前記第1の開孔部の側面に接していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ヒートシンクは、前記本体部の内部に前記ベースプレートに平行に配置された仕切り板を更に有し、前記仕切り板は、前記半導体チップが配置されている位置に対応して第2の開孔部を有し、前記冷媒室は、前記仕切り板を境にして前記ベースプレート側に位置する第1の冷媒室と第2の冷媒室とに分けられ、前記冷媒は前記第2の冷媒室から前記第2の開孔部を経て前記第1の冷媒室へ流れることにより前記第1の開孔部を経て前記第2の主面に衝突することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記凸部は放熱フィンであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記放熱フィンは接着により前記ベースプレートに接合されていることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  5. 前記第1の開孔部の側面に沿って配置されたゴム部材を更に有し、前記凸部の側面は前記ゴム部材を介して前記第1の開孔部の側面に接していることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の半導体装置。
  6. 前記ベースプレートは、接着により前記ヒートシンクに接合されていることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の半導体装置。
  7. 前記ヒートシンクは、前記第1の主面の外周部分に配置された押さえ部を更に有し、前記本体部及び前記押さえ部が前記ベースプレートを挟むことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の半導体装置。
  8. 前記押さえ部と前記本体部とを圧接接合する固定部品を更に有することを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
  9. 前記半導体チップと前記ベースプレートとの間に配置されたセラミックス基板を更に有することを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載の半導体装置。
  10. 前記ベースプレートは、セラミックス基板、或いはセラミックス基板及び金属部材の積層基板からなることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載の半導体装置。
  11. 前記ベースプレートは、前記半導体チップが接合された金属板と、前記金属板の前記第2の主面側に配置された絶縁層とを備えることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載の半導体装置。
  12. 前記ゴム部材は、前記本体部の接合面上に延伸されていることを特徴とする請求項5乃至11何れか1項記載の半導体装置。
  13. 前記半導体チップはモールド樹脂により封止されていることを特徴とする請求項1乃至12何れか1項記載の半導体装置。
  14. 前記ベースプレートの前記第1の主面に、複数の半導体チップがモールド樹脂により封止された密閉体としてのモジュールが配置され、前記本体部と前記押さえ部は、前記ベースプレート及び前記モジュールを挟み込むことを特徴とする請求項7又は8記載の半導体装置。
  15. 前記半導体装置は、負荷としての交流モータを駆動する為に供せられるインバータ装置からなることを特徴とする請求項1乃至14何れか1項記載の半導体装置。
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