JP4397286B2 - 水中油型乳化化粧料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
これらのポリオキシエチレン系界面活性剤が汎用されている理由は、これらの界面活性剤においては、様々なHLB値をもつものが存在するため、それらを組み合せることで幅広いHLB値の調整が可能となり、界面活性剤用途が広がるからである。
そこで、近年においては、ポリオキシエチレン系界面活性剤よりも安全性が高く、風味や臭いの不快感がない界面活性剤として、食品にも広く使用されているポリグリセリン脂肪酸エステルが、化粧料に使用されてきた(特許文献1)。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、温度によって親水性、親油性が変動しにくいため、これを使用して得られた水中油型乳化化粧料も温度変化に対して安定であることが一般的に知られている。
一方、乳化安定性が低い水中油型乳化化粧料は、流通過程や消費者が使用する場合に、苛酷な条件下に置かれると、増粘や固化、分離や凝集等を生じやすく、商品価値が失われやすいという問題がある。特に、商品の保存中の温度変化や輸送中の振とうによって、乳化化粧料が増粘又は固化し、さらには分離や凝集をしてしまうこともあった。
そこで、かかる乳化安定性を高めるために、水中油型乳化化粧料の界面活性剤を改良するアプローチと共に、水中油型乳化化粧料の乳化方法を改善するアプローチがとられ、現在まで様々な乳化方法が開発されてきた。
1981年,「油化学」,第30巻,1号,p38−43
成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水。
成分A’:水酸基価が550〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水。
成分D:水酸基価が200〜500のジグリセリン脂肪酸エステル又は水酸基価が200〜500の平均重合度3〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル。
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、上記効果を奏する水中油型乳化化粧料を製造することができる。
本発明に使用される成分Aであるポリグリセリン脂肪酸エステルは、水酸基価が450〜700で、好ましくは500〜650、特に好ましくは550〜650である。水酸基価が450より小さい場合は、自己乳化性が低いために得られた水中油型乳化化粧料の乳化安定性が悪く、700より大きい場合は、油性成分に溶解せず水中油型乳化化粧料が調製できない。
脂肪酸残基は、直鎖脂肪酸残基、分岐脂肪酸残基のいずれでもよい。直鎖脂肪酸残基は、直鎖飽和脂肪酸残基、直鎖不飽和脂肪酸残基のどちらでも良い。
分岐脂肪酸残基は分岐飽和脂肪酸残基又は分岐不飽和脂肪酸残基のどちらでも良いが、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造における脂肪酸の原料入手の容易さを考慮すると、分岐飽和脂肪酸残基の方が好ましい。
炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基としては、オレイン酸残基、パルミトオレイン酸残基、リシノール酸残基等の不飽和のモノヒドロキシ酸残基等が挙げられ、特にオレイン酸残基が好ましい。オレイン酸残基を50質量%以上含むパーム油等由来の混合脂肪酸残基もこれに含まれる。
炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基としては、イソステアリン酸残基(16−メチルヘプタデカノイル基、15−メチルヘプタデカノイル基、10−メチルヘプタデカノイル基、多分岐のイソステアリン酸残基)、イソパルミチン酸残基(14−メチルペンタデカノイル基)等が挙げられ、イソステアリン酸残基が好ましく、特に16−メチルヘプタデカノイル基が好ましい。
また、ガスクロマトグラフを二重収束マススペクトログラフに導入し、ケミカルアイオニゼーションなどの方法によりイオン化して測定し、次にその親イオンの分子量よりガスクロマトグラム上のピークの分子量を求め、更に化学式よりグリセリンの重合度を求めることにより簡単に行うことができる。ただし、これらの方法に限るものではない。
例えば、特定のポリグリセリン、すなわち、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン(例えば太陽化学(株)製の商品:グレートオイルD−10)、炭素数16〜18の脂肪酸、並びに触媒を反応容器に入れ、200〜250℃で加熱し、窒素ガス気流中で攪拌しながらエステル化反応を行うことにより得ることができる。
なお、成分Aの水酸基価は、ポリグリセリンと脂肪酸の仕込み割合により調整することができる。
本発明に使用される成分Bは、通常化粧料で使用される油性成分であれば何でもあっても良い。かかる油性成分について例示すると、動植物油脂類、半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油、シリコーン油、脂溶性ビタミン、飽和直鎖アルコール及び直鎖モノアルキルグリセリルエーテル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上のものを使用することができる。
本発明に使用される成分Bを具体的に例示すると以下のものが挙げられ、これらの1種又は2種以上のものを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用される成分Cは、一般に化粧料に使用することのできる水であれば特に制限はないが、精製水を用いるのが好ましい。なお、増粘剤水溶液やpH調整用水溶液中の水、又は水中油型乳化化粧料に配合される成分に由来する水についても、本発明に用いる成分Cに含まれるものとする。
本発明に使用される成分Dは、水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテルである。この成分Dを使用する場合には、成分Aには、水酸基価が550〜700のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
さらに、成分Dは、水酸基価が150〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が150〜500の多価アルコールアルキルエーテルであることがより好ましく、水酸基価が200〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が200〜500の多価アルコールアルキルエーテルであることが最も好ましい。
多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び多価アルコールアルキルエーテルの水酸基価が100〜500の範囲内のものを、水酸基価が550〜700のポリグリセリン脂肪酸エステルの成分Aと併用することで、水中油型乳化化粧料の乳化安定性がさらに向上し、対温度安定性がより優れたものとなる。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分Aの配合量は、0.001〜25質量%であり、好ましくは0.01〜15質量%であり、特に最も好ましくは1〜10質量%である。成分Aの配合量が0.001%未満であると、成分Aが界面活性剤としての機能を果たすことができないために、水中油型乳化化粧料を得ることができない。また、25質量%より多いと、水中油型乳化化粧料の界面活性剤自体の官能が強く現れ、全体としてべとつき感の強いものとなってしまうので好ましくない。
増粘剤としては、キサンタンガム、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を配合することができる。増粘剤の配合量としては、0.1〜0.8%が好ましく、より好ましくは、0.1〜0.7%、最も好ましくは、0.1〜0.6%である。
カルボキシビニルポリマー等の酸性物質を使用する場合は、水中油型乳化化粧料を調製後、アルカリ溶液(例えば1質量%水酸化ナトリウム)を添加し、その後1〜2質量%カルボキシビニルポリマー水溶液を添加することにより、水中油型乳化化粧料を増粘させることができる。場合によっては、先にカルボキシビニルポリマー水溶液を添加し、その後、アルカリ溶液を添加しても良い。
酸化防止剤としては、BHT、BHA、ビタミンC類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。
レシチンとしては、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質等が挙げられ、また、糖脂質としては、スフィンゴ糖脂質等が挙げられる。
植物抽出液としては、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール、エタノール等が挙げられる。
pH調整剤としては、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等が挙げられる。
色素としては、青色1号、青色204号、赤色3号、黄色201号等が挙げられる。
なお、本発明の水中油型乳化化粧料には、必要に応じてポリオキシエチレン基を有する多価アルコール脂肪酸エステルやポリオキシエチレン基を有する多価アルコールアルキルエーテルを配合しても良い。
乳化方法としては、自己乳化法、分散乳化法の他、転相温度乳化法、転相乳化法、液晶乳化法、D相乳化法等の公知の乳化方法を用いることができるが、より簡便に乳化粒子径が小さく保存安定性の高い乳化化粧料が得られる点で、自己乳化法を用いるのが最も好ましい。よって、いずれの乳化方法を用いても乳化安定性の高い水中油型乳化化粧料が製造できるため、汎用性の高い発明である。
まず、成分A及び成分Bを配合した油相を容器に入れて均一混合し、ディスパー撹拌機で均一攪拌したものを、成分Cを配合した水相へ添加し、ディスパー撹拌機(100〜500rpm)で攪拌することにより自己乳化させて水中油型乳化化粧料を製造することができる。また、成分Dを配合する場合には、成分Dを油相に添加することにより製造することができる。
この方法においては、水相に対してA、B両成分が、ラメラ液晶を形成して、速やかに転相させることにより、転相乳化法と同様に乳化粒子を微細化させるため、得られた水中油型乳化化粧料の乳化安定性が向上するものと推測される。
乳化させるときの温度は、好ましくは10〜90℃であり、より好ましくは15〜85℃であり、最も好ましくは20〜80℃である。
なお、この方法においては、通常は攪拌機を使用するが、手回し等の軽い攪拌によっても、容易に水中油型乳化化粧料を製造できる。
本発明の成分Aの原料として使用する3種類のポリグリセリン(太陽化学(株)製の商品:グレートオイルD−10、グレートオイルD−11、グレートオイルD−12)、及び比較として使用するポリグリセリン脂肪酸エステルの原料として使用する4種類のポリグリセリン(太陽化学(株)製の商品:グレートオイルS−10、グレートオイルS−11、グレートオイルS−12、グレートオイルS−13)のガスクロマトグラフ法により測定したポリグリセリン組成分析の結果を表1に示す。各組成分析値は、面積百分率法により算出した。また、ポリグリセリン中に2量体又は3量体の環状物を含む場合、2量体及び3量体のポリグリセリン組成分析値は、それぞれ非環状物と環状物を合わせた値を示す。
表1に示した7種のポリグリセリンをそれぞれ原料として、水酸基価の異なる各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを合成した。以下に、グレートオイルD−10(分析実施例1の原料ポリグリセリン)を原料としたポリグリセリン脂肪酸エステルの製造結果を示す。
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取付けた500ミリリットルの四ツ口フラスコに、ポリグリセリン(太陽化学(株)社製、商品:グレートオイルD−10)220g、イソステアリン酸80g、及びリン酸三カリウム0.1gを入れ、それらを窒素ガス気流中で攪拌しながら200〜250℃に加熱し、エステル化反応を行った。反応後、0.3mlのリン酸を加え、実施例1に使用するポリグリセリンイソステアリン酸エステル243gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価は、462であった。
成分A(分析実施例1〜3のいずれかのポリグリセリンを原料とするポリグリセリン脂肪酸エステル)、成分B及び成分Cを配合した水中油型乳化化粧料を調製した。ここで、実施例1、2、6、9、10以外のものは、成分Dも配合した。調製した各水中油型乳化化粧料の配合を表5〜表10に示す。なお、表5〜表10において、原料ポリグリセリン:分析実施例1、2、3とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルの原料として使用したポリグリセリンがそれぞれ分析実施例1、2、3の原料ポリグリセリンであることを示す。
表5及び表6に示す配合で、以下の製造方法により水中油型乳化化粧料を製造した。
成分A及び成分Bを100ミリリットルのステンレス容器に入れ、70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、300ミリリットルのステンレス容器に成分Cである精製水と1,3−ブチレングリコールを70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でディスパー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、ディスパー攪拌を続けながら1質量%の水酸化ナトリウム水溶液(成分Cを含む)を添加し、さらに1質量%カルボキシビニルポリマー水溶液(成分Cを含む)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料98gを得た。
表5〜表10に示す配合で、実施例1の水中油型乳化化粧料と同様の自己乳化法により実施例2〜11、13〜14の水中油型乳化化粧料を製造した。なお、実施例2〜11、13〜14の水中油型乳化化粧料の中で、成分Dを配合した水中油型乳化化粧料については、成分A、成分B、及び成分Dを100ミリリットルのステンレス容器に入れて油相を調製し、製造を行った。
なお、実施例3〜5、7、8、及び11〜14における成分Aは、成分A’である。
表9及び表10に示す配合で、以下の製造方法により水中油型乳化化粧料を製造した。
70℃に加熱した成分Cである精製水、1,3−ブチレングリコールを300ミリリットルのステンレス容器に入れ、70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。また、成分A、成分B、及び成分Dを70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。
油相をディスパー攪拌(3000rpm)し、その中へ70℃の水相を添加し、さらに70℃で20分間ディスパー攪拌を行った。
その後、ディスパー攪拌を続けながら1質量%の水酸化ナトリウム水溶液(成分Cを含む)を添加し、さらに1質量%カルボキシビニルポリマー水溶液(成分Cを含む)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料98gを得た。
分析比較例1〜4のいずれかのポリグリセリンを原料とするポリグリセリン脂肪酸エステル、成分B及び成分Cを配合した水中油型乳化化粧料を調製した。ここで、比較例2〜9のものは、成分Dも配合した。調製した各水中油型乳化化粧料の配合を表11〜表16に示す。なお、表11〜表16において、原料ポリグリセリン:分析比較例1、2、3、4とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルの原料として使用したポリグリセリンがそれぞれ分析比較例1、2、3、4の原料ポリグリセリンであることを示す。
表11及び表12に示す配合で、以下の製造方法により水中油型乳化化粧料を製造した。
分析比較例1のポリグリセリンを原料とするポリグリセリン脂肪酸エステル及び成分Bを100ミリリットルのステンレス容器に入れ、70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、300ミリリットルのステンレス容器に成分Cである精製水と1,3−ブチレングリコールを70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。
その後、70℃でディスパー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
その後、ディスパー攪拌を続けながら1質量%の水酸化ナトリウム水溶液(成分Cを含む)を添加し、さらに1質量%カルボキシビニルポリマー水溶液(成分Cを含む)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料98gを得た。
表11〜表16に示す配合で、比較例1の水中油型乳化化粧料と同様の自己乳化法により比較例2〜12の水中油型乳化化粧料を製造した。なお、比較例2〜15の水中油型乳化化粧料の中で、成分Dを配合した水中油型乳化化粧料については、成分B、及び成分Dを100ミリリットルのステンレス容器に入れて油相を調製し、製造を行った。
〔対温度安定性評価〕
(1) 高温安定性:
水中油型乳化化粧料を50℃で1ヶ月間静置保存後、油相の分離やクリーミングが無いかどうか観察した。その結果、安定であったものを○、クリーミングをしていたものを△、油相分離をしていたものを×とした。
この評価で安定であると、保管及び流通時の高温状態に対しても乳化が安定な乳化化粧料であると判断できる。
(2) 低温安定性:
水中油型乳化化粧料を5℃で6ヶ月間静置保存後、油相の分離やクリーミングが無いかどうか観察した。その結果、安定であったものを○、クリーミングをしていたものを△、油相分離をしていたものを×とした。
この評価で安定であると、保管及び流通時の低温状態に対しても乳化が安定な乳化化粧料であると判断できる。
(3) 温度変化安定性:
水中油型乳化化粧料を−10℃と40℃に24時間ごとに変化させる保存を1ヶ月間行った後、油相の分離やクリーミングが無いかどうか観察した。その結果、安定であったものを○、クリーミングをしていたものを△、油相分離をしていたものを×とした。
この評価で安定であると、保管及び流通時の温度変化に対しても乳化が安定な乳化化粧料であると判断できる。
(4) 高温振とう安定性:
ヤマト科学(株)製のシェイキングバスに、水中油型乳化化粧料10mlを充填した20ml蓋付き試験管をセットし、50℃で3cmの距離を60回/分の速さで24時間往復振とうさせた後、油相の分離やクリーミングが無いかどうか観察した。その結果、安定であったものを○、クリーミングをしていたものを△、油相分離をしていたものを×とした。
この評価で安定であると、流通時の衝撃に対しても乳化が安定な乳化化粧料であると判断できる。
水中油型乳化化粧料の官能評価は、20名の評価パネラーに対して、きめ、べたつき感、透明感、収まり、の4つの項目を評価することによって行った。具体的には、20名の評価パネラーが、水中油型乳化化粧料を上腕内側部に塗布したときの4つの項目について、官能評価基準にもとづいて評価点をつけてもらい、得られた20名の評価点の平均値を算出することによって行った。評価点の平均値が4に近いほど官能の評価結果が良いことから使用感が優れたものであり、0に近いほど官能の評価結果が悪いことから使用感が悪いものと判断できる。官能評価の表示は◎○△□×の5つで行った。
4つの評価項目の官能評価基準について、表11〜表14に示す。ただし、きめや粘度については、得られた水中油型乳化化粧料が通常の水とほとんど同等であるものについては、測定または評価をしなかった。
(1) 平均乳化粒子径(nm又はμm)
得られた水中油型乳化化粧料を精製水で希釈し、株式会社堀場製作所製の粒度分布測定装置LA−300を用いて測定した。ただし、平均乳化粒子径が0.1μm以下のものについては、ベックマンコールター株式会社製の粒度分布測定装置N4PLUSを用いて測定した。
(2) 粘度(単位:mPa・s)
株式会社東京計器製のB型粘度計を使用し、25℃、ローターNo.3、6rpm、1minの条件で、水中油型乳化化粧料の粘度を測定した。
(3) pH値:
株式会社堀場製作所社製のpHメーターを使用し、25℃での水中油型乳化化粧料のpHを測定した。
表27に示す配合の水中油型乳化化粧料であるエモリエントクリームを調製した。
まず、原料(1)〜(7)を100ミリリットルのステンレス容器に入れ、70℃に加熱しながらディスパー攪拌(3000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、原料(8)〜(11)を70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でディスパー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、ディスパー攪拌を続けながら原料(12)を添加し、さらに原料(13)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料であるエモリエントクリーム96gを得た。
得られたエモリエントクリームについて対温度安定性評価、官能評価、及び物性評価を行った。各評価結果を表28に示す。なお、各評価の評価方法は、先に説明した実施例1〜14の水中油型乳化化粧料の評価と同じ方法で行った。評価結果からわかるように実施例15のエモリエントクリームは、安定性に優れ、使用感にもすぐれた水中油型乳化化粧料であることが確認された。
表29に示す配合の水中油型乳化化粧料である乳液を調製した。
まず、原料(1)〜(5)を100ミリリットルのステンレス容器に入れ、70℃に加熱しながらディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、原料(6)及び(7)を75℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でディスパー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、ディスパー攪拌を続けながら原料(8)を添加し、さらに原料(9)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料である乳液97gを得た。
得られた乳液について対温度安定性評価、官能評価、及び物性評価を行った。各評価結果を表30に示す。なお、各評価の評価方法は、先に説明した実施例1〜14の水中油型乳化化粧料の評価と同じ方法で行った。
評価結果からわかるように実施例16の乳液は、安定性に優れ、使用感にもすぐれた水中油型乳化化粧料であることが確認された。
表31に示す配合の水中油型乳化化粧料である乳液を調製した。
まず、原料(1)〜(4)を50ミリリットルのステンレス容器に入れ、70℃に加熱しながらディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、原料(5)〜(7)を75℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でディスパー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、ディスパー攪拌を続けながら原料(8)を添加し、さらに原料(9)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料である乳液97gを得た。
得られた乳液について対温度安定性評価、官能評価、及び物性評価を行った。各評価結果を表32に示す。なお、各評価の評価方法は、先に説明した実施例1〜14の水中油型乳化化粧料の評価と同じ方法で行った。
評価結果からわかるように実施例17の乳液は、安定性に優れ、使用感にもすぐれた水中油型乳化化粧料であることが確認された。
なお、配合表(表31)中の成分Aは、成分A’である。
表33に示す配合の水中油型乳化化粧料である日焼け止めクリームを調製した。
まず、原料(1)〜(8)を300ミリリットルのステンレス容器に入れ、75℃に加熱しながらディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、原料(9)〜(12)を70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でホモミキサー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、ホモミキサー攪拌を続けながら原料(13)を添加後、10分間ディスパー攪拌した。攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料である日焼け止めクリーム397gを得た。
得られた日焼け止めクリームについて対温度安定性評価、官能評価、及び物性評価を行った。各評価結果を表34に示す。なお、各評価の評価方法は、先に説明した実施例1〜14の水中油型乳化化粧料の評価と同じ方法で行った。
評価結果からわかるように実施例18の日焼け止めクリームは、安定性に優れ、使用感にもすぐれた水中油型乳化化粧料であることが確認された。
なお、配合表(表33)中の成分Aは、成分A’である。
表35に示す配合の水中油型乳化化粧料である化粧水を調製した。
まず、原料(1)〜(4)を100ミリリットルのステンレス容器に入れ、75℃に加熱しながらディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、原料(5)〜(8)を70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でディスパー撹拌機(1000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、10分間ディスパー攪拌した後、攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料である化粧水499gを得た。
得られた化粧水について対温度安定性評価、官能評価、及び物性評価を行った。各評価結果を表36に示す。なお、各評価の評価方法は、先に説明した実施例1〜14の水中油型乳化化粧料の評価と同じ方法で行ったが、きめ及び粘度については評価しなかった。
評価結果からわかるように実施例19の化粧水は、安定性に優れ、使用感にもすぐれた水中油型乳化化粧料であることが確認された。
なお、配合表(表35)中の成分Aは、成分A’である。
表37に示す配合の水中油型乳化化粧料であるクレンジングクリームを調製した。
まず、原料(1)〜(4)を100ミリリットルのステンレス容器に入れ、75℃に加熱しながらディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、油相を得た。また、原料(5)および(6)を70℃でディスパー攪拌(1000rpm)により混合溶解し、水相を得た。その後、70℃でディスパー撹拌機(2000rpm)で攪拌している水相へ、70℃の油相を添加した。
さらに、10分間攪拌した後、攪拌を続けながら30℃まで冷却し、水中油型乳化化粧料を取出した。25℃下で24時間静置することにより、水中油型乳化化粧料であるクレンジングクリーム499gを得た。
得られたクレンジングクリームについて対温度安定性評価、官能評価、及び物性評価を行った。各評価結果を表38に示す。なお、各評価の評価方法は、先に説明した実施例1〜14の水中油型乳化化粧料の評価と同じ方法で行ったが、クレンジングクリームでは必要としない官能である透明感と収まりについては評価しなかった。
評価結果からわかるように実施例20のクレンジングクリームは、安定性に優れ、使用感にもすぐれており、さらに化粧料に対するクレンジング力も優れた水中油型乳化化粧料であることが確認された。
Claims (14)
- 次の成分Aの配合量が0.001〜25質量%、成分Bの配合量が0.001〜60質量%、及び成分Cの配合量が10〜99質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水。 - 成分Aの配合量が0.01〜15質量%、成分Bの配合量が0.01〜50質量%、及び成分Cの配合量が30〜95質量%である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分Aの炭素数16〜18の脂肪酸残基がイソステアリン酸残基、オレイン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
- 増粘剤を配合したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
- 水中油型乳化化粧料が、一般クリーム・乳液、日焼け・日焼け止めクリーム、ひげそり用クリーム、クレンジングクリーム、洗顔クリーム、一般化粧水、日焼け・日焼け止めローション、ひげそり用ローション、美容液、口紅、ジェル、クレンジングジェル、モイスチャージェル、パック、乳化型ファンデーション、乳化アイシャドー、ネイルトリートメント、シャンプー、リンス、ヘアトリートメントから選ばれる1種である請求項1から4のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法であって、成分A及び成分Bを配合した油相を、成分Cを配合した水相に添加して乳化させることを特徴とする水中油型乳化化粧料の製造方法。
- 乳化させるときの温度が10〜90℃であることを特徴とする請求項6に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
- 次の成分A’の配合量が0.001〜25質量%、成分Bの配合量が0.001〜60質量%、成分Cの配合量が10〜99質量%、及び成分Dの配合量が、成分A’の配合量に対して1〜100質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
成分A’:水酸基価が550〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水。
成分D:水酸基価が200〜500のジグリセリン脂肪酸エステル又は水酸基価が200〜500の平均重合度3〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル。 - 成分A’の配合量が0.01〜15質量%、成分Bの配合量が0.01〜50質量%、成分Cの配合量が30〜95質量%、及び成分Dの配合量が、成分A’の配合量に対して1〜100質量%であることを特徴とする請求項8に記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分A’の炭素数16〜18の脂肪酸残基がイソステアリン酸残基、オレイン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の水中油型乳化化粧料。
- 増粘剤を配合したことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
- 水中油型乳化化粧料が、一般クリーム・乳液、日焼け・日焼け止めクリーム、ひげそり用クリーム、一般化粧水、日焼け・日焼け止めローション、ひげそり用ローション、美容液、口紅、ジェル、クレンジングジェル、モイスチャージェル、パック、乳化型ファンデーション、乳化アイシャドー、ネイルトリートメント、シャンプー、リンス、ヘアトリートメントから選ばれる1種である請求項8から11のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
- 請求項8から12のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法であって、成分A’、成分B、及び成分Dを配合した油相を、成分Cを配合した水相に添加して乳化させることを特徴とする水中油型乳化化粧料の製造方法。
- 乳化させるときの温度が10〜90℃であることを特徴とする請求項13に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
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