本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置に関する。
近年のデジタルスチルカメラ等の撮像装置には、CCD(Charge Coupled Diode)等の固体撮像素子の出力を液晶画面等の表示装置に表示して、逐次、視認できるものがある。
被写体から撮像レンズを介してCCDで受光した光学像は、CCDによって電気信号に変換されてアナログ/デジタル(A/D)変換部に送られる。そしてデジタル化された画像データは、信号処理をおこなうDSP(Digital Signal Processor)に送られる。
DSPでは、A/D変換部から送られてきた電気信号の補間、アパーチャ強調、ホワイトバランス処理等を行い、更に輝度信号Y及び色差信号Cb、Crに変換してメモリに一時保管する。
以上の動作がデジタルスチルカメラの内部でモニタリング中繰り返されると共に、メモリに一時的に保存されたデータが、逐次DSP内のビデオエンコーダに読み出されて、ビデオエンコーダ内でビデオ信号に変換された後に液晶画面に表示される(特許文献1、2参照)。
一方、デジタルスチルカメラに搭載されるバッテリを有効に活用するために、モニタリング中の消費電力を低下させることが望まれる。
そこで、特許文献2には、画面の更新周期であるフレームレートを下げる発明について開示されている。例えば、フレームレートを低下させても支障がなさそうな撮影モードがユーザによって選択された場合にフレームレートを低下させる。また、被写体が暗く露光時間が所定時間よりも長い場合は、被写体の同じ状態が繰り返されると想定してフレームレートを低下させる。
さらに、ユーザによる操作入力が一定時間行なわれなかった場合に、省電力モードに切り替えて、フレームレートを低下させる。
特開2003−92698号公報(図1)
特開2004−15595号公報(0002段落乃至0008段落、0073段落乃至0160段落)
上記デジタルスチルカメラでは、撮影状況を予め想定して、フレームレートを下げても問題がないと想定される場合に一律にフレームレートを下げる。このため、実際は被写体に動きがある場合や、カメラを左右に動かして広い範囲を撮影する場合(いわゆる、パン)など、被写体の実際の変化に対応するものではないので、被写体の動きに追従できない場合や、被写体に動きがないにも関わらずフレームレートが下がらず消費電力を低減できない場合がある。
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたもので、被写体を表す光学像の状態によって自動的に追従の必要性を判断することで、操作性能や表示性能を低下させることなく省電力化を図ることが可能な撮像装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、被写体を表す光学像を電気信号に変換する撮像手段と、該電気信号に基づいた画像データの信号処理をおこなう信号処理手段と、前記信号処理した画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶した撮像時期の異なる画像データを比較して変化量を抽出する変化量抽出手段と、前記変化量に従って前記撮像手段が光学像を電気信号に変換する周期または画像データを表示する表示手段に出力するためにデータを更新する周期の少なくとも一方の周期を制御するクロック制御手段とを備え、前記クロック制御手段は、前記変化量に従って画像データに変化が有ると判断したときに前記周期を短くするか否かの判定を行なう短周期判定部と、前記変化量に従って画像データに変化が無いと判断したときに周期を長くするか否かの判定をおこなう長周期判定部とを有し、前記短周期判定部は、前記変化量が所定値以上の場合に画像データに変化が有ると判断し、画像データに変化が有ると判断した回数(又は判断し続けた期間)が第1の所定回数(又は第1の所定期間)を超えた場合に前記周期を短くすると判定し、前記長周期判定部は、前記変化量が所定値より小さい場合に画像データに変化が無いと判断し、画像データに変化が無いと判断した回数(又は判断し続けた期間)が第2の所定回数(又は第2の所定期間)を超えた場合に前記周期を長くすると判定し、前記第1の所定回数と前記第2の所定回数(又は前記第1の所定期間と前記第2の所定期間)は異なることを特徴とする。
ここで、前記第1の所定回数は、前記第2の所定回数より少ない(又は前記第1の所定期間は、前記第2の所定期間より短い)設定とすることができる。
また、前記変化量抽出手段は、前記画像データのうち明るさのデータを基準に変化量を抽出することを特徴とするものであってもよい。
さらに、前記変化量抽出手段は、前記画像データのうちコントラストを基準に変化量を抽出することを特徴とするものであってもよい。
本発明の撮像装置は、撮像時期の異なる画像データを比較して変化量を抽出し、その変化量に従って撮像手段が光学像を電気信号に変換する周期等をクロック制御手段によって制御する。このため、被写体を表す光学像の変化の状態に応じて周期を制御することができる。
また、変化量を抽出するためのデータとして、画像データの明るさのデータ、コントラスト、ホワイトバランスのデータ等を使用する。このため、画像データの変化の有無を精度良く判断できる。
また、周期を短くするか否かの判定をおこなう短周期判定部と、周期を長くするか否かの判定をおこなう長周期判定部とを備えた構成とすることで、追従性を良くするために周期を短くする場合と、周期を長くして追従性が悪くなる場合の判定基準を使い分けることができる。
本発明によれば、被写体を表す光学像の状態によって自動的に追従の必要性を判断することで、操作性能や表示性能を低下させることなく省電力化を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施例による撮像装置としてのデジタルスチルカメラのブロック図である。
被写体から撮像レンズを介して撮像手段としてのCCD1で受光した光は、被写体を表す光学像としてCCD1によって光電変換されて電気信号となる。この変換された電気信号は、サンプリング(CDS)・アナログ/デジタル(A/D)変換部2に送られる。CDS・A/D変換部2は、CCD1の出力信号を相関二重サンプリングによってノイズ成分の除去をしながらサンプリングし、逐次、10ビットのデータにA/D変換して信号処理手段としてのDSP3へ送る。
DSP3は、CDS・A/D変換部2から送られてきたデジタル画像データの補間、アパーチャ強調、ホワイトバランス処理などの処理を行う。そして、前記処理を行なった画像データを、更に輝度信号(Y)及び色差信号(Cb、Cr)に変換して記憶手段としてのフレームバッファ4に一時的に保存する。この動作がモニタリング中繰返されると共に、フレームバッファ4に蓄えられたデータが逐次DSP3内のビデオ信号処理部5に読み出される。
ここで、モニタリングとは、CCD1による撮像、DSP3による信号処理等の周期的におこなう処理動作をいう。
ビデオ信号処理部5では、NTSC方式やPAL方式等のビデオ信号に変換された後に、表示手段としての液晶ディスプレイや外部のテレビジョン受信機等の表示装置6に出力される。
CCD1は、タイミングジェネレータ(TG)7からCCD1へ出力される水平駆動パルスと、垂直ドライバー(VDr)8からCCD1へ出力される垂直駆動パルスと電子シャッタパルスとにより駆動される。
制御手段としてのCPU9は、電子シャッタパルスによりタイミングジェネレータ7やCDS・A/D変換部2を制御する。また、変化量抽出手段としてのCPU9は、フレームバッファ4に記憶した前回のモニタリング時の画像データと、今回の画像データを比較して変化量を抽出する。この変化量を抽出する際に使用する画像データについては後述する。
CPU9内のクロック制御手段としてのクロック制御部14は、クロックジェネレータ10を制御する。すなわち、本実施の形態では、モニタリング中のフレーム(一画面)の更新周期を変更可能にするため、クロック制御部14によってクロックジェネレータ10を制御して、クロックジェネレータ10からタイミングジェネレータ7へ出力するクロック(CCD駆動用パルス)の周波数を変える。このため、モニタリング中のフレームの更新スピードが遅くて(すなわち、更新周期が長い)追従性が悪くなる場合には、更新スピードを変更することができる。
また、タイミングジェネレータ7は、VDr8へCCD1の垂直駆動パルスを出力するとともにCDS・A/D変換部2へクロックを出力する。タイミングジェネレータ7の周波数の発振源は、クロックジェネレータ10から出力されるCCD駆動用パルスであり、このCCD駆動用パルスはタイミングジェネレータ7内の分周器で分周されてDSP3に送られる。
一方、DSP3は、タイミングジェネレータ7から出力されて受信したCCD駆動用パルスをカウントするカウンタが内蔵されており、このカウンタのカウント数が所定のカウント数に達した際に、タイミングジェネレータ7に水平リセット信号、垂直リセット信号等を出力する。
ここで、CCD駆動用パルスはクロックジェネレータ10から出力される。これはクロックジェネレータ10に取りつけられたCCD駆動用水晶発振子11の発振周波数のクロックを分周する回路を、クロックジェネレータ10の内部に比較的簡単に内蔵できるからである。このようにCCD駆動用パルスを分周することにより、モニタリング中の低消費電力化などが可能になる。
この実施の形態では、クロックジェネレータ10は、CCD駆動用水晶発振子11を用いた水晶発振回路で発生したクロックと、これを分周器で2分周したクロックの二種類のクロックを、CCD駆動用パルスとして選択的に出力する。もちろん、CCD駆動用水晶発振子11を用いた水晶発振回路で発生したクロックを分周する分周器は、複数段用意してもよいが、ここでは説明の簡略化と、CCD駆動用パルスを遅くすれば(低周波数化すれば)するほどモニタリングのフレームの更新スピードも遅くなってしまうことから、現実性を考えてクロックを2分周する分周器とした。
実際にCCD駆動用パルスを分周することによって得られる低消費電力化の効果として顕著なものは、タイミングジェネレータ7の内部のロジック系の低消費電力化、CCD1の水平、垂直駆動出力用バッファの低消費電力化であり、およそCCD駆動用パルスを2分周する場合であれば消費電力が半分になるというようにCCD駆動用パルスを分周する分周器の分周比に比例する。この他、上述のブロック(ロジック系、CCD1の水平、垂直駆動出力用バッファ)ほどの効果はないものの、CDS・A/D変換部2の消費電力も減少する。
本実施の形態では、モニタリング中のフレームの更新周期をクロック制御部14によって最適な状態に制御することで、操作性能や表示性能を低下させることなく省電力化を図ることができる。すなわち、クロック制御部14において被写体を表す光学像の状態に応じて追従の必要性を自動的に判断する。
クロック制御部14での判断は、変化量抽出手段によって抽出された画像データの変化量に基づいておこなう。画像データの変化量を抽出するために使用するデータは、DSP3内で生成する。図3は、DSP3内の具体的構成の一例を示す図である。
CDS・A/D変換部2から入力したデジタル画像データは、色分離部16においてR(赤),G(緑),B(青)の各色成分に分離される。そして、信号補間部17において分離されたR,G,Bの各画像データを補間し、ペデスタル調整部18でR,G,Bの各画像データの黒レベルを調整する。
また、ホワイトバランス調整部19では、R,Bの各画像データの白レベルを調整し、デジタルゲイン調整部20では、CPU9により設定されたゲイン(増幅度)でR,G,Bの各画像データを補正する。
さらに、ガンマ変換部21において、R,G,Bの各画像データのγ変換を行い、マトリクス部22でR,G,Bの画像データを色差信号(Cb、Cr)と輝度信号(Y)とに分離する。ビデオ信号処理部5では、分離された色差信号(Cb、Cr)と輝度信号(Y)とに基づいてビデオ信号を生成して表示装置6に出力する。
また、DSP3内には、ペデスタル調整部18によるペデスタル調整後のR,G,Bの各画像データのうちのG画素について、隣接する画素間で差分を求めてコントラストとしてCPU9に出力するコントラスト算出回路25を備えている。ここで、G画素の値が、画素間で大きく異なるということは、その画素間でG成分が大きく異なるということであり、言い換えればコントラストが高いということである。
さらに、DSP3内には、画像データの輝度データ(Y)を検出するY演算部23と、そこで検出した輝度データ(Y)に応じてデジタルカウント値をAE(自動露出)評価値としてCPU9に出力するAE評価値回路26とを備えている。
またDSP3は、ホワイトバランス調整部19による調整後のR,G,Bの各画像データの輝度データ(Y)を検出するY演算部27と、Y演算部27で検出した各色の輝度データ(Y)をそれぞれカウントして各色のAWB(自動ホワイトバランス)評価値としてCPU9に出力するAWB評価値回路28と、CPU9とのインターフェースであるCPU・I/F29を備えている。
マトリクス部22で分離された画像データの色差信号(Cb、Cr)と輝度信号(Y)は、画像データを周波数成分に変換するDCT(Discrete Cosine Transform)15にDCT・I/F30を介して送信される。
また、CCD1を使用して合焦位置を検出する場合もあり、これをCCD−AF(内部AF)という。CCD−AFでは、フォーカスレンズ系を移動して、CCD1から出力される画像信号に応じた被写体のコントラストを示すAF(自動合焦)評価値をサンプリングし、AF評価値のピーク位置を合焦位置とする山登りサーボ方式を使用する。
以上において説明した構成によって抽出された画像データの変化量に従って、CCD1が被写体を表す光学像を電気信号に変換する周期を、クロック制御部14によって制御する。以下、より具体的な制御の流れを実施例により説明する。
図1は、モニタリング中の基本的な制御の流れを示したフローチャートである。
まず、モニタリング開始時のフレームの更新周期を設定するために、クロックジェネレータ10にモニタリング用の初期値を設定する(S1)。
モニタリングが開始されると、上述したようにCCD1が被写体の光学像を電気信号に変換し、変換した電気信号に基づいてDSP3で信号処理が行なわれる(S2)。この処理は、初期値設定した周期に従って繰り返される。
そして、DSP3内の信号処理によって得られた画像データのコントラスト、AE評価値またはAWB評価値を、それ以前に撮像された画像データを基にした値と比較して変化量を抽出する。変化量を抽出するために現在の画像データと比較する画像データは、現在の画像データの一フレーム前に撮像した画像データであっても、任意の回数または時間を遡った数フレーム前の画像データであってもよい。ここで、以前の画像データはフレームバッファ4に記憶されている。
抽出された変化量は、予め設定した所定値と比較して、所定値以上に達しているか否かを判定する(S3)。変化量が大きければ、被写体が動いていたり、カメラをパンしたりして、被写体を表す光学像が短時間で変化していると判断できる。また、変化量が小さければ、被写体が静止していたり、カメラが固定されていたりして光学像に変化がない状態と判断できる。
そこで、変化量が所定値以上となる場合は、動きの追従性を良くするために高いクロック(短い周期)をクロックジェネレータ10に設定する(S4)。また、変化量が所定値を下回る場合は、動きが少ない画像と判断し低いクロック(長い周期)をクロックジェネレータ10に設定する(S5)。例えば、短い周期としては、1/30秒(フレームレート1/30)として1秒間にフレームを30回更新させる。また、長い周期としては、1/15秒(フレームレート1/15)として1秒間にフレームを15回更新させる。
クロックジェネレータ10を設定した後は、再びモニタリング処理(S2)まで戻って画像データの変化量の抽出を繰り返す。実施例1では、変化量に従ってクロックジェネレータ10の設定を変更したり、変更せずにそのまま維持したりしてモニタリングを続けるため、光学像の変化が大きいときはフレームの更新周期を短くして追従性を良くする事で高い操作性能を維持でき、光学像の変化が小さいときはフレームの更新周期を長くして追従性を低下させることで消費電力を低減することができる。
以上において周期の異なるクロックを選択する基準となる変化量は、AE評価値、画像データのコントラストまたはAWB評価値のいずれであってもよい。
例えば、前回のモニタリング(フレーム)で抽出したAE評価値と今回のモニタリング(フレーム)で抽出したAE評価値を比較し、2つの評価値の差が所定値以上となった場合、画像データは「変化有り」の状態であるとする。このAE評価値は露出に関する評価値であり、画像データの明るさを示すデータの一つである。
また、画像データのコントラストを、前回モニタリングした画像データと比較すれば、コントラストを基準に変化量を抽出したことになる。そして、前回のモニタリングで抽出したコントラストと今回のモニタリングで抽出したコントラストの差が所定値以上の場合、画像データは「変化有り」の状態であるとする。
さらに、前回のモニタリングで抽出したAWB評価値と今回のモニタリングで抽出したAWB評価値を比較して変化量を抽出することもできる。ホワイトバランスに関する評価値であるAWB評価値を基準にすれば、ホワイトバランスのデータを基準に画像データの変化の有無を判断したことになる。
これら3種類の評価値は、組み合わせて使用することができる。例えば、3種類すべての評価値の変化量が所定値以上になったときに画像データを「変化有り」の状態であると判断することができる。また、3種類のうち、例えばAE評価値とAWB評価値の変化量が所定値以上であれば、コントラストの変化量が所定値を下回っていても画像データを「変化有り」の状態であるとすることができる。このように複数の評価値を組み合わせることで、画像データの変化の有無の判断精度を向上させることができる。
実施例2では、画像データの変化量を抽出する基準として、AE評価値を使用する具体的な実施例について説明する。
図4(a)は自動合焦動作を行った直後の画面イメージであり、図4(b)は自動合焦動作を行った後に被写体までの距離が変化した状態の画面イメージを示している。
この実施例2においては、図4(a),(b)に示すように、画面を縦12×横16のブロックに分割し、分割されたブロック毎に、Y演算部23により、輝度データ(Y)を作成する。
ここで、R,G,B各画像データから、輝度データ(Y)への変換は次式によってできることが知られている。
Y=0.3R+0.6G+0.1B
そして、このようにして作成された輝度データ(Y)の値を、AE評価値回路26において、値の大きさによって「A」,「B」,「C」の3つの輝度カテゴリ(AE評価値)に分類する。ここで、平均輝度値が184以上のブロックを輝度カテゴリ「A」とし、平均輝度値が92以上で且つ184未満のブロックを輝度カテゴリ「B」とし、平均輝度値が92未満のブロックをカテゴリ「C」として表示する。
図5(a)は、図4(a)の画面イメージを輝度カテゴリに置き換えた図であり、カメラが描かれている部分に「B」と「C」が分布し、その周りの被写体がない部分には「A」が分布している。
また、図5(b)は、図4(b)の画面イメージを輝度カテゴリに置き換えた図であり、画面全体に占めるカメラの比率が小さくなった分だけ「B」と「C」の分布範囲が小さくなっている。
このような輝度データの作成は、フレーム更新毎に行い、作成した結果をフレームバッファ4に保存する。そして、フレームバッファ4に保存した新しい輝度カテゴリのデータと、古い輝度カテゴリのデータとをクロック制御部14(CPU9)で比較する。
なお、フレームバッファ4に保存する度に輝度カテゴリのデータを比較すると、変化量が顕著に現れないおそれがあるため、例えば200msec間隔で比較する。
図6には、図5(a)と図5(b)を比較した際に、輝度カテゴリが変化したブロックを塗りつぶした図を示す。この図では28個のブロックが塗りつぶされている。
そして、輝度カテゴリが変化したブロック数が、例えば、全体のブロック数の10%を超えた場合には、画像データの変化量が所定値以上であると判定する。
実施例2では、28/192×100=14.6%の輝度カテゴリが変化しているので、被写体までの距離が変化することによって被写体を表す光学像が短時間で変化していると判断して、追従性が良くなるクロックを選択して、クロックジェネレータ10を設定する。
実施例3では、画像データの変化量を抽出する基準として、コントラストを使用する具体的な実施例について説明する。
この実施例3では、自動合焦動作を行った直後と被写体までの距離が変化した状態の画面イメージには、実施例2と同じ図4を使用する。
そして、この実施例3では、画面を縦12×横16に分割したブロックごとに、ブロック内に複数存在するG(緑)画素について、隣接した画素間で値の差分をとってブロック内の平均値を求める。
例えば、1ブロック内の画素数が150画素であるとすると、R,G,Bにより画像データが構成されているので、G画素の画素数はその1/3の50画素となる。コントラスト算出回路25では、この50画素に対して、隣接する画素間で差分を求め、求めた差分を全て加算し、加算した結果を画素数の50で割ることでブロック毎のG画素の差分平均値を求めることができる。
なお、このブロック毎のG画素の差分平均値は、CPU9により演算して求めても良い。
ここで、G画素の値が、画素間で大きく異なるということは、その画素間でG成分が大きく異なるということであり、言い換えればコントラストが高いということである。すなわち、ブロック毎のG画素の差分平均値を求めることは、ブロック毎のコントラストを求めていることといえる。
そこで、実施例3では、このブロック毎のG画素の差分平均値をコントラストと称することにする。
図7(a)は、図4(a)の画面イメージのコントラストが所定値以上の値であるブロックに「○」を付した図であり、図7(b)は、図4(b)の画面イメージのコントラストが所定値以上の値であるブロックに「○」を付した図である。ここで、「○」は、コントラストが128以上の値であるブロックに付した。
そして、実施例3では、「○」を付したブロックの位置が、フレームの更新によって移動したか否かによって、被写体の状態の変化を検出するようにしている。このようなブロック毎のコントラストの検出は、輝度カテゴリの変化に合わせて、例えば200msecでおこない、更新前後の値を比較するとよい。
すなわち、コントラストの値が128以上のブロックの位置を示す情報をフレームバッファ4に保存し、新たにコントラストを検出した時に、前回のコントラストの値が128以上のブロックの位置との比較をクロック制御部14(CPU9)で行う。
図8には、図7(a)と図7(b)を比較した際に、コントラストが高いブロック(「○」を付したブロック)の位置が変化したブロックを塗りつぶして示したものである。この図では34個のブロックが塗りつぶされている。
そして、コントラストが高いブロックの位置が変化したブロック数が、例えば全体のブロック数の10%を越えた場合には、画像データの変化量が所定値以上であると判定する。
実施例3では、34/192×100=17.7%のコントラストの高いブロックの位置が変化しているので、被写体までの距離が変化することによって被写体を表す光学像が短時間で変化していると判断して、追従性が良くなるクロックを選択して、クロックジェネレータ10を設定する。
図9は、周期を変更するクロック制御部14の中に、周期を短くするか否かの判定をおこなう短周期判定部と、周期を長くするか否かの判定をおこなう長周期判定部とを有する撮像装置の制御の流れを示したフローチャートである。
まず、実施例1と同様にモニタリング用の初期値をクロックジェネレータ10に設定する(S11)。
また、実施例2では、モニタリングの現在の状態を示すフラグを設ける。フラグは、追従性が良くなるクロック(短周期)を使用する「追従性モード」と、追従性が悪くなるクロック(長周期)を使用する「省電力モード」の2種類とする。最初のフラグは「追従性モード」に設定しておく(S12)。
そして、実施例1と同様にモニタリング処理をおこない(S13)、画像データの変化量に従って今回のモニタリングした画像データは「変化有り」の状態であるのか、「変化無し」の状態であるのかを判断する(S14)。例えば、前回のモニタリングしたフレームと今回のモニタリングしたフレームを比較して、画像データの変化量が所定値以上であれば「変化有り」、所定値より小さければ「変化無し」とする。
画像データが「変化有り」であった場合、短周期判定部に移行する。そして、現在のフラグが「追従性モード」と「省電力モード」のいずれであるかを確認する(S15)。フラグが「追従性モード」であれば、「変化有り」の状態とフラグが一致しているので、そのままモニタリング処理(S13)まで戻って引き続きモニタリングを続ける。
フラグが「省電力モード」の場合は、「変化有り」という今回の画像データの状態とフラグが異なることになる。そこで、「変化有り」が今回のモニタリングに至るまで何回あったかを計測する(S16)。「変化有り」の計測は、カウンタによる回数の計測であっても、タイマによる時間の計測であってもよい。
ここで、「変化有り」と判定された今回までのモニタリング(フレーム)の合計が、所定回数を超えていなければ、画像データの変化は一時的なものと考えて「省電力モード」のままモニタリング処理(S13)に戻る。
これに対して、「変化有り」と判定されたフレームの合計が所定回数を超えていれば、「省電力モード」のままでは追従性が悪くなると判断して、追従性が良くなるクロックを選択するようにクロックジェネレータ10を設定する(S17)。そして、クロックの変更に合わせてフラグを「追従性モード」に変更し(S18)、追従性が良くなるクロックによってモニタリングを続ける。
以上が短周期判定部の処理であるが、モードを切り替えるための判定基準となる「変化有り」の所定回数は、充分に少ない回数である方がよい。例えば、カメラをパンしたり、被写体が動いたりする場合などは、ユーザは直ぐに被写体に追従して撮影を行ないたい場合が多いからである。
一方、ステップ14(S14)において、画像データの変化量が所定値より小さく「変化無し」と判定された場合は、長周期判定部へ移行する。
ここでもまず、現在のフラグの確認をおこなう(S19)。フラグが「省電力モード」の場合、「変化無し」という状態とフラグが一致しているので、そのままモニタリング処理(S13)に戻る。
フラグが「追従性モード」の場合は、「変化無し」という今回の画像データの状態とフラグが異なるため、「変化無し」が今回のモニタリングに至るまで何回あったかを計測する(S20)。「変化無し」の計測は、回数の計測であっても、時間の計測であってもよい。
そして、「変化無し」と判定された今回までのモニタリングの合計が、所定回数を超えていなければ、一時的に変化量が少ないだけであると考えて「追従性モード」のままモニタリング処理(S13)に戻る。
これに対して、「変化無し」と判定されたモニタリングの合計が所定回数を超えていれば、「追従性モード」のままでは変化が少ない光学像に対して同じ画像データの更新を繰り返し、電力が浪費されると判断して、追従性が悪くなるクロックを選択するようにクロックジェネレータ10を設定する(S21)。そして、クロックの変更に合わせてフラグを「省電力モード」に変更し(S22)、追従性が悪くなるクロックによってモニタリングを続ける。
以上の長周期判定部では、モードを切り替えるための判定基準となる「変化無し」の所定回数は、充分に多い回数である方がよい。例えば、動物などの被写体は、今は動きが止まっている場合であっても直ぐに動き出す可能性もあるなど、省電力モードへの移行を遅らせた方が良いケースがあるからである。すなわち、一度、省電力モードに変更されると、フレームの更新周期が長くなるため、被写体の動きに追従できなくて操作性能や表示性能が低下する場合があるからである。
このように、短周期判定部と長周期判定部では、周期を変更する判定を行なう際に基準とする所定回数や所定期間を使い分けるのが好ましい。追従性が必要であると判定する短周期判定部の判定期間を短くし、追従性が必要ないと判定する長周期判定部の判定期間を長くすることで、操作性能や表示性能を落とすことなく低消費電力の撮像装置とすることができる。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、以上においてはCCD1のフレームの更新周期を制御することによってデジタルスチルカメラの内部処理に使用される消費電力を低減させたが、表示装置6に画像データを出力するためにDSP3で行なわれるデータを更新するための周期を制御しても良い。
例えば、クロックジェネレータ10は、内部のPLL回路にてUSB用のクロックをDSP3へ出力する。また、構成によっては、クロックジェネレータ10はCPU用のクロックやビデオ信号処理部5用(DSP3用)クロックを生成することも可能である。また、DSP3は、USBドライバーを介してパーソナルコンピュータと画像データのやりとりを行うこともできる。
このようなクロックジェネレータ10においてPLL回路によって生成するUSB用のクロックは、限られた場合にのみ使用される可能性があるクロックであるという特徴はあるが、これらのクロックも画像データの変化量に従って制御することで、操作性能や表示性能を低下させることなく撮像装置の低消費電力化を図ることができる。
また、表示装置6にビデオ信号を送信するビデオ信号処理部5へのフレームバッファ4からの読み出し周期や、ビデオ信号への変換周期や、表示装置6にビデオ信号を転送する周期を、画像データの変化量に従って制御することで、表示性能を維持したまま消費電力を低減することができる。
さらに、撮像装置としてデジタルビデオカメラに適用することもできる。
本発明の最良の実施の形態の撮像装置におけるモニタリング中の判断の流れを示すフローチャートである。
撮像装置の構成の概略を示すブロック図である。
撮像装置のDSP内部の構成の実施例を示すブロック図である。
撮像装置の表示画面及び画面分割イメージを模式的に示す図であって、(a)は光学像が変化する前、(b)は被写体までの距離が変化することにより光学像が変化した後を示す図である。
光学像の輝度カテゴリを示す図であって、(a)は光学像が変化する前、(b)は被写体までの距離が変化することにより光学像が変化した後の図である。
図5(a)と図5(b)を比較した際に、輝度カテゴリが変化したブロックを示す図である。
光学像のコントラストの高いブロックを示す図であって、(a)は光学像が変化する前、(b)は被写体までの距離が変化することにより光学像が変化した後の図である。
図7(a)と図7(b)を比較した際に、コントラストが高い位置が変化したブロックを示す図である。
周期を短くするときと長くするときで判定部が異なる場合のモニタリング中の判断の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 CCD(撮像手段)
3 DSP(信号処理手段)
4 フレームバッファ(記憶手段)
6 表示装置(表示手段)
9 CPU
14 クロック制御部(クロック制御手段)
25 コントラスト算出回路
26 AE評価値回路