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JP4397980B2 - ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法 - Google Patents
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JP4397980B2 - ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法の改良に関し、さらに詳しくは、液晶表示装置用スペーサなどとして好適な有機無機複合粒子を製造するための中間粒子として、あるいはそれ自体液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして用いられる、真球状であって、粒径分布が単分散状のポリオルガノシロキサン微粒子を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粒径分布が単分散状のシリカ粒子(以下、単に単分散シリカ粒子ということがある)は、各種充填材やセラミックス原料などとして有用であることが知られているが、特に最近では、液晶表示装置のスペーサとしての用途が注目され、使用され始めている。
【0003】
液晶表示装置のスペーサには、従来ガラスファイバーチップあるいは合成樹脂の微粒子が用いられてきた。しかしながらガラスファイバーチップはファイバー径精度には優れているものの、その長さにばらつきが大きく、余りに長いものは目視され画質を低下するおそれがあり、またその端部が鋭利であるため、基板上に成形された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいは電気素子などを傷つけてしまうおそれがある。また、合成樹脂の微粒子は粒径精度が劣るため、液晶表示装置用スペーサとして要求される性能を満たし得ないことがある。したがって、より高度のギャップ精度を要求される場合には、粒径精度が良く、かつ球形で、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはITO導電膜等の電気素子を傷つけるおそれのないものが要求される。
【0004】
これらの要求を満たすものとして、シリコンアルコキシドを加水分解・重縮合することによって得られたシリカ微粒子が提案されている。このシリカ微粒子は、
(1)純度が高く、溶出成分による液晶への影響が少ない
(2)粒径精度が良く、下式
CV(%)=[微粒子径の標準偏差(μm)]
/[平均粒子径(μm)]×100
で得られるCV値(変動係数)を10%以下とすることができる
(3)ほとんど完全な真球にすることができるため、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはITO導電膜等の電気素子などを傷つけることが少ない
などの利点を有している。
【0005】
しかしながら、このようなシリカ単独からなる粒子は、硬くて弾力性に乏しく、かつ付着性に劣ることから、液晶セルに液晶を注入する過程でシリカ微粒子の一部が移動し、この移動の際に配向膜が損傷を受けて配向斑が生じることがある。また、液晶の注入時に液晶セル周囲に付着した液晶は一般に超音波洗浄により除去されるが、この超音波洗浄のときにシリカ微粒子の一部に移動が起こり、この移動により配向膜が損傷を受けて配向斑が生じることがある。したがって、表示特性の高い液晶表示装置を高い生産性の下に製造するためには、液晶セルの形成後に行われる液晶注入や超音波洗浄のときにスペーサの移動が実質的に起こらないようにする必要がある。
【0006】
このため、液晶セルの形成後に実質的に移動が起こらないスペーサとして、シリカ微粒子の表面に合成樹脂被膜を設けた有機無機複合粒子が、これまで種々提案されている。
例えば、シリカ微粒子の表面に静電気力によって市販の合成樹脂粉末を吸着させた後、これに衝撃力を加え、その際に発生する熱により前記合成樹脂の一部を融解させて合成樹脂粉末同士を接合させると共に合成樹脂粉末をシリカ微粒子に固定させてなるものが提案されている(特開昭63−94224号公報)。しかしながら、このものは、合成樹脂粉末とシリカ微粒子との結合力が充分でないため、シリカ微粒子表面に付着した樹脂層が剥離しやすく、また剥離した樹脂層が液晶物質を損傷するおそれがある。
【0007】
また、特開平5−232480号公報には、所定の活性水素を有する架橋重合体粒子の表面にSi−H基を導入し、このSi−H基をグリシジル基に変換し、さらにこのグリシジル基をビニル基に変換した後、ビニル基を導入した当該架橋重合体粒子の表面にグラフト重合法により、熱可塑性樹脂製の付着層を形成してなる液晶スペーサが開示されている。しかしながら、このスペーサにおいては、その製造過程において樹脂被覆粒子同士が凝集しやすく、表面に均一な樹脂被膜を有する単分散の樹脂被覆粒子を製造することは困難である上、架橋重合体粒子表面にビニル基を導入するまでの工程が煩雑であって、製造コストが高くつくのを免れないなどの欠点がある。
【0008】
そこで、本発明者らは、このような有機無機複合粒子がもつ欠点を改良したものとして、先に、焼成シリカ微粒子の表面にビニル基を有するシランカップリング剤を介して形成された単層構造または複数層構造からなる熱可塑性樹脂被膜を有する樹脂被覆シリカ微粒子を見出した。この樹脂被覆シリカ微粒子は、付着性に優れ、配向膜などを損傷することがなく、また樹脂被膜の耐剥離性もかなり良好であり、かつ単分散粒子であるなど、優れた利点を有している。しかしながら、焼成シリカ微粒子を得るための焼成工程やシランカップリング剤による処理工程を必要とし、操作が煩雑である上、樹脂被膜がシランカップリング剤を介して焼成シリカ微粒子表面に形成されているため、樹脂被膜の耐剥離性については、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
【0009】
このような問題を解決するには、例えばビニル基などの非加水分解性の重合性官能基と加水分解性のアルコキシル基がケイ素原子に結合したケイ素化合物を加水分解・縮合させて、分子中に重合性官能基をもつポリオルガノシロキサン微粒子を生成させ、このものと重合性モノマーとを反応させることにより、極めて簡単な操作で、付着性および樹脂被膜の耐剥離性に優れる有機無機複合粒子が得られる。この方法において重要なことは、液晶表示装置用スペーサとして好適な複合粒子を得るために、中間粒子である重合性官能基をもつポリオルガノシロキサン微粒子を、好ましくは平均粒径が0.5〜15μmで、粒度分布の変動係数(CV値)が3.0%以下になるように調製することである。
【0010】
一方、平均粒径が0.5〜15μmで、CV値が3.0%以下の球状ポリメチルシルセスキオキサンなどのポリオルガノシロキサン微粒子は、それ自体液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして有用である。
【0011】
このようなポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法として、例えばオルガノアルコキシシランやその部分加水分解縮合物と、アンモニアやアミンを含む水溶液または水と有機溶剤との混合溶剤溶液とを、実質上混合することなく、2層状態を保持しながら反応させる方法が知られている(例えば、特公平4−70335号公報など)。
【0012】
しかしながら、この方法においては、生成するポリオルガノシロキサン微粒子の粒径は、仕込み時の下層中のアンモニアやアミンの濃度によって制御されるが、核粒子の生成が不確定なため、発生粒子核数にバラツキが生じやすく、同一反応条件で反応を行っても、最終的に得られる粒子の径が目的とする粒径にならないという問題がある。
【0013】
このように、所望の粒径が得られないと、厳密にその粒径精度が要求される液晶表示装置用スペーサなどには使用しにくいという問題が生じる。
【0014】
さらに、前記方法においては、巨大粒子が生成しやすいという問題もある。この巨大粒子は、所望する粒子同士の反応途中での合一(合体)によって生じるため、その体積は所望粒子の2倍あるいは整数倍になることから、巨大粒子の占める体積分率が高くなる。したがって、巨大粒子生成率が増加することにより、歩留まり(所望粒子の収率)が著しく低下するという好ましくない事態を招来する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、液晶表示装置用スペーサなどとして好適な有機無機複合粒子を製造するための中間粒子として、あるいはそれ自体液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして用いられるポリオルガノシロキサン微粒子を、所望の粒径のもの、好ましくは平均粒径0.5〜15μm、CV値3.0%以下のものが得られ、かつ巨大粒子の生成が抑制されるように、効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のケイ素化合物を、特定の界面活性剤を所定の割合で含有するアンモニアやアミンの水性溶液中で加水分解・縮合させることにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、一般式(I)
1nSi(OR24-n ・・・(I)
(式中、R1CH 2 =CH−基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるビニルアルコキシシラン化合物を、HLB値(親水性親油性バランス値)が18〜42のアニオン性界面活性剤を0重量%を超え、0.01重量%以下含有するアンモニアおよび/またはアミンの水性溶液中において、加水分解・縮合させることを特徴とするポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、原料として、一般式(I)
1nSi(OR24-n ・・・(I)
で表されるケイ素化合物が用いられる。
【0019】
上記一般式(I)において、R1は炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、上記置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。この置換基を有するアルキル基の例としては、γ−アクリロイルオキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数2〜20のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、また、このアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0020】
一方、R2は炭素数1〜6のアルキル基であって、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。nは1〜3の整数であり、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、またOR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0021】
前記一般式(I)で表されるケイ素化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、トリビニルエトキシシランなどが挙げられる。
【0022】
本発明においては、原料として、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、このケイ素化合物の中で、R1がCH2=CH−基であるビニルアルコキシシラン化合物およびR1がCH3−基であるメチルアルコキシシラン化合物が好ましい。そして、上記ビニルアルコキシシラン化合物の中で、ビニルトリメトキシシランが、メチルアルコキシシラン化合物の中で、メチルトリメトキシシランが特に好適である。
【0023】
本発明においては、アニオン性界面活性剤を含有するアンモニアおよび/またはアミンの水性溶液中において、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物の加水分解・縮合を行うが、上記アンモニアやアミンは、該ケイ素化合物の加水分解・縮合反応の触媒である。ここで、アミンとしては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミンなどを好ましく挙げることができる。このアンモニアやアミンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、毒性が少なく、除去が容易で、かつ安価なことから、アンモニアが好適である。
【0024】
アンモニアおよび/またはアミンの水性溶液としては、水または水と水混和性有機溶剤との混合溶剤にアンモニアおよび/またはアミンを溶解した溶液が挙げられる。ここで、水混和性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。
【0025】
アンモニアやアミンの使用量としては特に制限はないが、反応開始前の下層の水層のpHが、7.5〜11.0の範囲になるように選定するのが好ましい。
【0026】
本発明においては、アニオン性界面活性剤としては、HLB値が18〜42の範囲にあるものが用いられる。このHLB値は、親水性と親油性のバランスを表す指標であり、その値が小さいほど、親油性が高い。HLB値が上記範囲を逸脱するものでは、本発明の効果が十分に発揮されない。このようなアニオン性界面活性剤としては、HLB値が18〜42の範囲にあればよく、特に制限はないが、例えばアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸アルカリ塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩などが挙げられる。これらの中で、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキル硫酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18の脂肪酸アルカリ塩が好ましく、特にドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネート、オレイン酸カリウムが好適である。また、このアニオン性界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
本発明においては、このアンモニアおよび/またはアミンの水性溶液中のアニオン性界面活性剤の濃度は、0.01重量%以下の範囲で選ばれる。この濃度が0.01重量%を超えると粒度分布の変動係数(CV値)が3.0%以下のポリオルガノシロキサン微粒子が生成しにくくなり、本発明の目的が達せられない場合が生じる。アニオン性界面活性剤の濃度が高くなるに伴い、生成するポリオルガノシロキサン微粒子の平均粒径が小さくなる傾向にあり、したがって、この濃度を上記範囲内で変えることによって、ポリオルガノシロキサン微粒子の平均粒径を制御することができる。好ましくは0.000001〜0.008重量%である。
【0028】
反応温度は、通常0〜50℃の範囲で選ばれる。反応時間は、反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、一般的には1〜20時間程度で充分である。なお、反応の途中で、縮合反応を促進させるために、アンモニアおよび/またはアミンを適宜量追添してもよい。
【0029】
反応終了後、常法に従い、生成した微粒子を充分に洗浄したのち、必要ならば分級処理を行い、巨大粒子または微小粒子を取り除き、乾燥処理を行う。分級処理方法としては特に制限はないが、粒径により沈降速度が異なるのを利用して分級を行う湿式分級法が好ましい。乾燥処理は、通常100〜200℃の範囲の温度で加熱することにより行われるが、凍結乾燥法を採用することもできる。
【0030】
ポリオルガノシロキサン微粒子は、液晶装置用スペーサとして必要な圧縮強度を得るために、必要に応じ、焼成処理してもよい。この焼成処理は、窒素などの不活性雰囲気下または真空中において、200〜1000℃、特に300〜800℃の範囲の温度で行うのが好ましい。この温度が200℃未満では充分な圧縮強度が得られない場合があるし、1000℃を超えると粒子が硬くなりすぎる場合があり、好ましくない。焼成温度の選定は、粒子を構成する有機基の種類に依存しており、熱分解しやすい有機基を有する場合、上記焼成温度範囲において比較的低い温度で処理するのが望ましく、反対に熱分解しにくい有機基を有する場合には上記焼成温度範囲内で高温で処理するのが好ましい。いずれにしても、必要となる破壊強度や弾性率に応じて最適な条件を選定すればよい。また、焼成装置については特に制限はなく、電気炉やロータリーキルンなどを用いることができるが、粒子の攪拌が可能なロータリーキルン中で焼成するのが有利である。
【0031】
このような本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、平均粒径が、通常0.5〜15μm、好ましくは0.8〜10μmであり、また、粒度分布の変動係数(CV値)が、通常3.0%以下であって真球状の単分散粒子である。
なお、変動係数(CV値)は、下式により求めることができる。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
【0032】
また、本発明の方法によれば、HLB値が18〜42の範囲にあるアニオン性界面活性剤を添加することにより、このアニオン性界面活性剤を添加しない場合に比べて、巨大粒子の生成を低く抑えることができる。本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、巨大粒子を平均粒子径の1.3倍以上の粒子径を有する粒子と定義した場合の巨大粒子の割合を5%以下にすることができ、歩留まりの向上を達成することができる。
【0033】
本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、粒径が制御された真球状の単分散粒子であって、それ自体液晶表示装置用のスペーサや標準粒子として用いることができる。
【0034】
また、この微粒子が、例えば原料としてビニルアルコキシシラン化合物を用いて得られたポリビニルシロキサン微粒子である場合には、分子内に重合性官能基のビニル基を有するので、これに重合性モノマーを反応させることにより、真球状の単分散粒子である有機無機複合粒子を製造することができる。この際用いられる重合性モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、γ−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのアクリル酸エステル類およびこれらに対応するメタクリル酸エステル類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物、さらには多官能性モノマーであるエチレングリコールジアクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリントリアクリレートなどの多価アルコールのアクリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの多価アルコールのメタクリレート類、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0035】
これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に、多官能性モノマーを用いることにより、液晶と接した際に膨潤や溶解しにくい耐薬品性に優れる架橋樹脂の被膜が形成されるので、多官能性モノマーの使用は有利である。
【0036】
この有機無機複合粒子は、特に液晶表示装置用スペーサとして好適に用いられる。この複合粒子を液晶表示装置のスペーサとして用いた場合、液晶セルに液晶を注入する過程や超音波洗浄時に移動が起こりにくく、配向膜などに損傷を与えることがない上、超音波振動により散布液に分散させた場合でも樹脂被膜の剥離が実質的に起らないなどの効果を奏する。
【0037】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
磁気撹拌装置付き100ミリリットル容のプラスチック容器に、水80.0gを仕込み、さらにドデシル硫酸ナトリウム(HLB値40)0.004g(アンモニア水性溶液の全量に対して0.005重量%)、1規定のアンモニア水0.03ミリリットルを仕込んだのち、撹拌を行った。次いで、これにビニルトリメトキシシラン8gを加え、室温で撹拌しながら反応を開始した。
【0038】
上層の有無を観察し、上層が消失するまで撹拌を続行した。上層が消失した時点で25重量%アンモニア水0.5ミリリットルを添加し、さらに一晩室温で撹拌を続けたのち、反応を終了させた。
【0039】
反応終了後、沈降速度の差を利用した湿式分級を行い、極小粒子を取り除き、目的のポリビニルシロキサン微粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子(平均粒子径の1.3倍以上の粒子径を有する粒子)の生成率を表1に示す。また、図1に走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、図2に低倍SEM写真を示す。
【0040】
実施例2、3
実施例1において、ドデシル硫酸ナトリウムの添加量を、アンモニア水性溶液の全量に対して、表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリビニルシロキサン微粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表1に示す。
【0041】
比較例1
実施例1において、ドデシル硫酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施してポリビニルシロキサン微粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表1に示す。また、図3に低倍SEM写真を示す。
【0042】
比較例2
実施例1において、ドデシル硫酸ナトリウムの添加を0.04g(アンモニア水性溶液の全量に対して0.05重量%)に変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリビニルシロキサン微粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表1に示す。
【0043】
比較例3
実施例1において、ドデシル硫酸ナトリウムの添加を0.4g(アンモニア水性溶液の全量に対して0.5重量%)に変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリビニルシロキサン微粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表1に示す。
【0044】
実施例4
磁気撹拌装置付き100ミリリットル容のプラスチック容器に、水80.0gを仕込み、さらにオレイン酸カリウム(HLB値20)0.0008g(アンモニア水性溶液の全量に対して0.001重量%)、1規定のアンモニア水0.02ミリリットルを仕込んだのち、撹拌を行った。次いで、これにビニルトリメトキシシラン8gを加え、室温で撹拌しながら反応を開始した。
【0045】
上層の有無を観察し、上層が消失するまで撹拌を続行した。上層が消失した時点で25重量%アンモニア水0.5ミリリットルを添加し、さらに一晩室温で撹拌を続けたのち、反応を終了させた。
【0046】
反応終了後、沈降速度の差を利用した湿式分級を行い、極小粒子を取り除き、目的のポリビニルシロキサン微粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004397980
[注]
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
KOL:オレイン酸カリウム
測定不能:細かすぎて分級不能
【0048】
実施例5
300ミリリットル容のプラスチック容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(HLB値40)0.005重量%を含む水溶液240ミリリットルを仕込んだ。この溶液を磁気攪拌装置にて攪拌しながら、1規定のアンモニア水0.10ミリリットルを加え、5分間均一に攪拌した。次いで、攪拌子の回転数を60rpmとし、これにメチルトリメトキシシラン24gをゆっくりと添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。
【0049】
これを室温にて上層が完全に消失するまで同回転数で攪拌したのち、25重量%のアンモニア水2.0ミリリットルを加え、1時間攪拌後、攪拌を停止し、反応液を静置して粒子を沈降させた。上澄みをデカンテーションにより除去し、メタノール200ミリリットルを加えて沈降粒子を再分散させたのち、粒子を沈降させた。上澄み除去、メタノール再分散、粒子の沈降の操作を2回繰り返し、メタノールを除去後乾燥を行った。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表2に示す。
【0050】
比較例4
実施例3において、ドデシル硫酸ナトリウム0.005重量%を含む水溶液240ミリリットルの代わりに、水240ミリリットルを用いた以外は、実施例3と同様に実施して、粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表2に示す。
【0051】
比較例5
実施例3において、ドデシル硫酸ナトリウム0.005重量%を含む水溶液の代わりに、ドデシル硫酸ナトリウム0.05重量%を含む水溶液を用いた以外は、実施例3と同様に実施して、粒子を得た。
この粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表2に示す。
【0052】
実施例6〜8
実施例3において、ドデシル硫酸ナトリウム0.005重量%を含む水溶液の代わりに、表2に示す濃度のドデシル硫酸ナトリウムを含む水溶液を用いた以外は、実施例3と同様に実施し、粒子を得た。
各粒子の平均粒径、CV値、巨大粒子の生成率を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004397980
[注]
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
【0054】
実施例9、10
実施例1および実施例5で得られたポリオルガノシロキサン微粒子を表3に示す条件下に焼成処理し、焼成ポリオルガノシロキサン微粒子を得た。
【0055】
【表3】
Figure 0004397980
【0056】
焼成後に得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、表3に示すような破壊強度を有し、液晶表示装置用スペーサとして特に好適であることが明らかとなった。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、液晶表示装置用スペーサなどとして好適な有機無機複合粒子を製造するための中間粒子として、あるいはそれ自体液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして用いられる、粒径が制御された真球状の単分散粒子であるポリオルガノシロキサン微粒子を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリビニルシロキサン微粒子の走査型電子顕微鏡写真図である。
【図2】実施例1で得られたポリビニルシロキサン微粒子の低倍率走査型電子顕微鏡写真図である。
【図3】比較例1で得られたポリビニルシロキサン微粒子の低倍率走査型電子顕微鏡写真図である。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    1nSi(OR24-n ・・・(I)
    (式中、R1CH 2 =CH−基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるビニルアルコキシシラン化合物を、HLB値(親水性親油性バランス値)が18〜42のアニオン性界面活性剤を0重量%を超え、0.01重量%以下含有するアンモニアおよび/またはアミンの水性溶液中において、加水分解・縮合させることを特徴とするポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法。
  2. ビニルアルコキシシラン化合物がビニルトリメトキシシランである請求項に記載の製造方法。
  3. ポリオルガノシロキサン微粒子が、平均粒径0.5〜15μmおよび粒度分布の分散度(CV値)3.0%以下のものである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. アニオン性界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムである請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 加水分解・縮合後に得られた粒子について焼成処理を行う請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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