JP4399520B2 - 遠隔操作式排水栓装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、浴槽や洗面化粧台等の底面に使用される、遠隔操作式の排水栓装置の改良に関するものであって、さらに詳しくは、弁体を上下動させるレリースワイヤと、該レリースワイヤを排水口内の適宜位置に固定させる軸受け部材との接続構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴槽や洗面化粧台等の槽体の底面に開口された排水口には、図8乃至図9に示したように、該排水口の開閉を行う遠隔操作式排水栓装置が備えられている。
以下に、従来よく知られた遠隔操作式排水栓装置を、図面を参照しつつ説明する。
図8に示したように、従来の遠隔操作式排水栓装置は、排水栓、弁体、操作部、レリースワイヤ、軸受け部材、その他の各部材より構成されて成る。
排水栓は、内部に排水口を形成する略円筒形状の部材であって、その外周面に雄螺子を設け、また排水口内周面に、水平に沿って段部を突設している。
弁体は、上記排水口に備えられる部材であって、上下動によって、上記排水口を開閉する。
操作部は、上記弁体の開閉動作を遠隔的に操作する部材であって、該操作部に加えられた操作に対応して、後述するインナーワイヤに進退動作を生じさせると共に、該進退動作を保持するための保持機構としてスラストロック機構を備えて成る。
レリースワイヤは、側面方向に可撓性を備えた中空のアウターチューブと、該アウターチューブの内面を軸方向に進退するインナーワイヤと、インナーワイヤの一端に備えられたロッド部、及びアウターチューブのロッド部側の端部に設けた雄螺子部から成る。
軸受け部材は、排水口に設けた凸部と係合する係合爪を下部に設けた円筒形状のリング部と、該リング部から中心部に向かって延出されたアーム部と、アーム部の中心に設けた、アウターチューブの端部と螺合によって接続する雌螺子を設けた接続部を備えて成る。
また、その他の部材として、上記排水栓の雄螺子を備えた開口部と排水口からの排水を下水側に排出するための排出口、及びレリースワイヤを通すための接続孔を備えた排水エルボを備えて成る。
またこれらを取り付ける浴槽等の槽体は、上方に開口したケーシング等からなり、その底面に排水栓を取り付ける為の取着孔を設けて成る。
【0003】
上記の各部材より構成される遠隔操作式排水栓装置は、以下のようにして浴槽等に設けられた取着孔に取着される。
まず排水栓を、取着孔を介して排水エルボの開口部と螺合させ、排水栓を取着孔に取り付け固定する。次に、レリースワイヤの一方、雄螺子を備えない側を操作部に接続し、更に他方雄螺子を備えた側の端部を、排水エルボの接続孔を介して排水栓の排水口から浴槽内に引き上げる。
更にアウターチューブの端部の雄螺子を、軸受け部材の雌螺子に螺合させて接続した後、軸受け部材のリング部の外周面が排水口の内周面に当接した状態で排水口に軸受け部材を挿入し、更に排水口の段部に係合爪を係合させて、排水口に軸受け部材を固定する。この状態においては、排水口に軸受け部材が固定され、軸受け部材にはアウターチューブが螺合によって固定されているため、アウターチューブは、軸受け部材を介して、排水栓内に配置固定されている。
この状態から、更に弁体をロッド部と接続して、遠隔操作式排水栓装置の取り付けが完了する。
【0004】
上記段落0003のように施工された遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部に操作を加えて、弁体が排水口を閉口した状態とする。この状態より操作部に操作を加えて、スラストロック機構によってインナーワイヤを排水栓側に突出した状態に固定すると、スラストロック部材の軸部が上方に突出した状態で固定される。これによって、弁軸下端が押し上げられ、弁体が上昇し、排水口が開口する。
この状態より再度操作部に操作を加えて、スラストロック機構のインナーワイヤに対する固定を解除すると、インナーワイヤが後退して弁体が下降し、排水口が弁部により閉口される。以後、同様の操作を繰り返すことで排水口の開口/閉口を自在に操作することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
1.上記のような遠隔操作式排水栓装置には、以下のような問題点があった。
上記遠隔操作式排水栓装置において、軸受け部とレリースワイヤの接続作業は、レリースワイヤの先端に設けた雄螺子を、軸受け部材の後端に設けた雌螺子に螺合させて行っている。施工者は浴槽の開口の方向、即ち上方からしか軸受け部材を確認できないため、螺合箇所は軸受け部材の陰となって直接視認することはほぼ不可能であり、このため施工作業が困難で、且つ施工不良などが頻繁に発生していた。
2.軸受け部とレリースワイヤの接続は螺合によって行われているが、遠隔操作式排水栓装置の使用によって軸受け部やレリースワイヤが振動すると、軸受け部とレリースワイヤとの螺合がゆるみ、最終的には軸受け部とレリースワイヤとの螺合が解除されてレリースワイヤが脱落する場合があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解決するために発明されたものであって、遠隔操作式排水栓装置の施工において、視認性の向上を含め、アウターチューブと軸受け部材との接続に関わる施工を容易とするとともに、従来の遠隔操作式排水栓装置に比べて、軸受け部とレリースワイヤの接続がより確実に行われる遠隔操作式排水栓装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置は、排水口(1)を設けた排水栓(2)と、該排水口(1)を開閉する弁体(3)と、弁体(3)の開閉動作を遠隔操作的に操作する操作部(4)と、弁体(3)と操作部(4)を接続する、中空の筒状体であるアウターチューブ(5a)、及び該アウターチューブ(5a)内を摺動自在に進退動作し、操作部(4)の操作を弁体(3)に伝達して排水口(1)の開閉を行うインナーワイヤ(5b)を備えたレリースワイヤ(5)と、排水口(1)内に配置され、アウターチューブ(5a)の端部を弁体(3)の昇降に適切な位置に配置固定する軸受け部材(6)と、より構成される遠隔操作式排水栓装置において、軸受け部材(6)に、弾性によって拡径する拡径部(10)を構成し、該拡径部(10)が拡径した状態でのみアウターチューブ(5a)の端部が挿通可能な挿通孔(11)を設けると共に、拡径部(10)の周囲に被冠して、拡径部(10)の拡径を防止する環状部分を有する係止部材(7)を備えて、レリースワイヤ(5)が挿通孔(11)から抜脱不能となって固定されることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0009】
請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置は、段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置において、係止部材(7)と軸受け部材(6)とを、螺合によって固定させたことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0010】
請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置は、段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置において、係止部材(7)と軸受け部材(6)とに、凹凸によって係合する係合部(8)を設けたことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0011】
請求項4に記載の遠隔操作式排水栓装置は、段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置において、拡径部(10)の弾性が、挿通孔(11)の周壁の複数箇所を軸方向に沿って途中位置まで切り欠いた切欠部(9)によって生じることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0012】
請求項5に記載の遠隔操作式排水栓装置は、
段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置において、拡径部(10)の弾性が、挿通孔(11)の周壁の一箇所を軸方向に沿って完全に切り欠いた切欠部(9)によって生じることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を、図面を参照にしつつ説明する。
本発明の第1実施例は、図1乃至図3に示したように、排水栓(2)、弁体(3)、操作部(4)、レリースワイヤ(5)、軸受け部材(6)、その他の各部材より構成されて成る。
排水栓(2)は、内部に排水口(1)を形成する略円筒形状の部材であって、その外周面に雄螺子を設け、また排水口(1)内周面に、水平に沿って段部(16)を突設している。
弁体(3)は、上記排水口(1)に備えられる部材であって、上下動によって上記排水口(1)を開閉する。
操作部(4)は、上記弁体(3)の開閉動作を遠隔的に操作する部材であって、該操作部(4)に加えられた操作に対応して後述するインナーワイヤ(5b)に進退動作を生じさせると共に、該進退動作を保持するための保持機構としてスラストロック機構を備えて成る。
レリースワイヤ(5)は、側面方向に可撓性を備えた中空のアウターチューブ(5a)と、該アウターチューブ(5a)の内面を軸方向に進退するインナーワイヤ(5b)と、インナーワイヤ(5b)の一端に備えられたロッド部(5c)、及びアウターチューブ(5a)のロッド部(5c)側の端部に設けた鍔部(5d)から成る。
軸受け部材(6)は、排水口(1)に設けた段部(16)と係合する係合爪(6a)を下部に設けた円筒形状のリング部(6b)と、該リング部(6b)から中心部に向かって延出されたアーム部(6c)と、アーム部(6c)の中心に設けた、軸受け部(6d)から成る樹脂製の部材であって、該軸受け部(6d)には中央に挿通孔(11)を設けると共に、外側面に凸部を設け、また軸方向に沿って上方の端部から途中の位置まで切欠を設けており、この切欠によって得られた弾性によって軸受け部(6d)中の挿通孔(11)の外壁部が拡径し、この拡径状態においてのみ、挿通孔(11)にアウターチューブ(5a)端部の鍔部(5d)が挿通可能となる。
更に軸受け部(6d)の周囲に被冠して、該軸受け部(6d)の拡径部(10)の拡径を防止する環状部分を有するとともに、該環状部分の側面に、軸受け部(6d)の凸部と対応して軸受け部材(6)に係止する為の凹部を設けた係止部材(7)を設けてなる。
また、その他の部材として、上記排水栓(2)の雄螺子を備えた開口部と排水口(1)からの排水を下水側に排出するための排出口(15b)、及びレリースワイヤ(5)を通すための接続孔(15a)を備えた排水エルボ(15)を備えて成る。
またこれらを取り付ける浴槽等の槽体は、上方に開口したケーシング等からなり、その底面に排水栓(2)を取り付ける為の取着孔を設けて成る。
【0015】
上記の各部材より構成される遠隔操作式排水栓装置は、以下のようにして浴槽等に設けられた取着孔に取着される。
まず排水栓(2)を、取着孔を介して排水エルボ(15)の開口部と螺合させ、排水栓(2)を取着孔に取り付け固定する。次に、レリースワイヤ(5)の一方、鍔部(5d)を備えない側を操作部(4)に接続し、更に他方雄螺子を備えた側の端部を、排水エルボの接続孔(15a)を介して排水栓(2)の排水口(1)から浴槽内に引き上げる。
更にアウターチューブ(5a)の端部の鍔部(5d)を、軸受け部材(6)の挿通孔(11)の下方から上方に向かって挿通させる。拡径部(10)は軸受け部(6d)に設けた切欠によって生じる弾性によって拡径可能に構成されているため、拡径部(10)が鍔部(5d)に押し広げられるようにして拡径し、最終的にはアウターチューブの端部に設けた鍔部(5d)が、挿通孔(11)を貫通して挿通孔(11)の上方に突出する。
更にこの状態から、係止部材(7)を鍔部(5d)ごと軸受け部材(6)に被冠させ、凸部と凹部を嵌合させることで、拡径部(10)が拡径不能となり、レリースワイヤ(5)が挿通孔(11)から抜脱不能となって固定され、軸受け部材(6)へのレリースワイヤ(5)の取付が完了する。
この後、軸受け部材(6)のリング部(6d)の外周面が排水口(1)の内周面に当接した状態で排水口(1)に軸受け部材(6)を挿入し、更に排水口(1)の段部(16)に係合爪(6a)を係合させて、排水口(1)に軸受け部材(6d)を固定する。この状態においては、排水口(1)に軸受け部材(6)が固定され、軸受け部材(6)にはアウターチューブ(5a)が固定されているため、アウターチューブ(5a)は、軸受け部材(6)を介して、排水栓(2)内に配置固定されている。
この状態から、更に弁体(3)をロッド部(5c)と接続して、遠隔操作式排水栓装置の取り付けが完了する。
【0016】
上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置は、上記段落0004に記載した従来例の遠隔操作式排水栓装置の使用法と同様の方法によって、遠隔操作的に排水口を開閉することができる。
【0023】
本発明の実施例は上記のようであるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で、自由にその構成を変更することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成したため、以下のような優れた効果を奏する。
1)軸受け部材とアウターチューブの端部との接続は、アウターチューブの端部を挿通孔から上方に突出させた後、軸受け部材の上面側で行われる。このため従来例の構造に比べて視認性が遙かに向上すると共に、作業自体も従来の軸受け部材と浴槽底面の狭い空間ではなく、軸受け部材よりも上方の全ての空間を使って行うことができるので、作業性も向上している。
2)請求項3の方法によれば、軸受け部材とレリースワイヤとの接続をほぼワンタッチで行うことができ、作業性が大いに向上する。また請求項2による方法においても、螺合が行われる箇所は軸受け部材の上方であるため、上記1)にある理由から、視認性、作業性、共に従来の方法より向上している。
3)従来例の方法によれば、軸受け部材とアウターチューブの端部との接続は軸受け部材の下方の端部で行われていたため、使用時の振動などによって螺合がゆるむと、重力によって螺合の解除が加速的に進行し、最終的にはレリースワイヤが脱落してしまう構造となっていたが、本発明の遠隔操作式排水栓装置の軸受け部とレリースワイヤとの接続は、請求項1によれば係止部材を挿通孔の上方から下方に配置することで施工が完了する構造であり、使用時の振動によって生じる、接続を解除する方向の作用と、各部材に働く重力とが拮抗するため、従来の遠隔操作式排水栓装置に比べて、軸受け部材とレリースワイヤの接続が解除されにくい、信頼性の高い構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す、全体施工図である。
【図2】本発明の第一実施例を示す、(イ)部品構成断面図、(ロ)取付断面図である。
【図3】本発明の第一実施例を示す、斜視図である。
【図8】従来例を示す、全体施工図である。
【図9】従来例を示す、(イ)部品構成断面図、(ロ)取付断面図である。
Claims (5)
- 排水口(1)を設けた排水栓(2)と、
該排水口(1)を開閉する弁体(3)と、
弁体(3)の開閉動作を遠隔操作的に操作する操作部(4)と、
弁体(3)と操作部(4)を接続する、中空の筒状体であるアウターチューブ(5a)、及び該アウターチューブ(5a)内を摺動自在に進退動作し、操作部(4)の操作を弁体(3)に伝達して排水口(1)の開閉を行うインナーワイヤ(5b)を備えたレリースワイヤ(5)と、
排水口(1)内に配置され、アウターチューブ(5a)の端部を弁体(3)の昇降に適切な位置に配置固定する軸受け部材(6)と、より構成される遠隔操作式排水栓装置において、
軸受け部材(6)に、弾性によって拡径する拡径部(10)を構成し、該拡径部(10)が拡径した状態でのみアウターチューブ(5a)の端部が挿通可能な挿通孔(11)を設けると共に、
拡径部(10)の周囲に被冠して、拡径部(10)の拡径を防止する環状部分を有する係止部材(7)を備えて、レリースワイヤ(5)が挿通孔(11)から抜脱不能となって固定されることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置において、
係止部材(7)と軸受け部材(6)とを、螺合によって固定させたことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置において、
係止部材(7)と軸受け部材(6)とに、凹凸によって係合する係合部(8)を設けたことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置において、
拡径部(10)の弾性が、挿通孔(11)の周壁の複数箇所を軸方向に沿って途中位置まで切り欠いた切欠部(9)によって生じることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置において、
拡径部(10)の弾性が、挿通孔(11)の周壁の一箇所を軸方向に沿って完全に切り欠いた切欠部(9)によって生じることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。
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