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JP4400720B2 - 水処理システム - Google Patents
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Description

本発明は、凝集剤を注入して被処理水中の懸濁物および/または溶解物を除去する水処理システムに関する。
用水処理や排水処理においては、処理対象とする原水(被処理水)に無機系または有機系の凝集剤を注入して被処理水中に含まれる懸濁物や溶解物を凝集させ、凝集フロックとして除去することが行われる。この際、凝集処理過程における懸濁液をサンプリングして計測槽に導き、沈降分離や濾過等の手段を用いて固液分離処理を行った後にその処理液の濁度を計測したり、或いは濁度計を用いて凝集固液分離後の処理水濁度を計測して上記凝集剤の注入量を制御することが行われる(例えば特許文献1を参照)。
一方、本発明者らは、凝集フロックを形成した固液混合状態の懸濁液中にレーザ光を照射し、上記懸濁液中の懸濁物への上記レーザ光の衝突により発生する散乱光を微少な計測領域において検出することで、凝集物(フロック)および未凝集物による各散乱光成分を互いに区別して前記懸濁液中の粒子の状態を精度良く検出する凝集センサ、更にはこの凝集センサの出力に基づいて原水に対する凝集剤の注入を制御することを提唱した(例えば特許文献2を参照)。
特開平7−204412号公報 特開2002−257715号公報
ところで凝集槽内おける懸濁物や溶解物の凝集状態は、凝集剤の注入量のみならず、そのpH値や水温、更には処理水量によっても影響を受ける。これ故、専ら、その運転条件を一定に保つと共に、凝集処理水にpH調整剤を添加してそのpHを一定化するようにしている。
しかしながら凝集センサによって検出される凝集状態が短時間に変化した場合、その原因が凝集剤の注入量の過不足によるものか、或いはpH調整剤の注入量の過不足によるものかを判別することができないと言う問題がある。そこで凝集槽内に設けたpH計にて凝集処理水のpHを計測するようにしているが、pH計の安定した動作を確保するためにはpH計の校正や電極の洗浄等の定期的なメンテナンスが必要であり、常に応答性・信頼性良く凝集処理水のpHを把握することが困難であると言う不具合がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、凝集剤を注入して被処理水中の懸濁物および/または溶解物を除去するに際して、凝集剤の注入による水質変動とそれ以外の、例えば処理水量やpHの変化等からなる水質変動要因とを区別して検出し、被処理水のpH安定化した状態において凝集剤の注入制御を適切に、しかも迅速に行うことのできる水処理システムを提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係る水処理システムは、被処理水に凝集剤とpH調整剤とを注入して被処理水中の懸濁物および/または溶解物を凝集フロック化して除去するシステムであって、
(a) 凝集剤とpH調整剤とが注入された被処理水のpHを計測するpH計と、
(b) このpH計にて計測された上記被処理水のpHに従って前記被処理水のpHが目標値となるように該被処理水への前記pH調整剤の注入を選択的に制御するpH調整剤注入制御手段と、
(c) 凝集剤とpH調整剤とが注入された被処理水における凝集フロックの状態を検出する凝集状態計測手段と、
(d) この凝集状態計測手段にて計測された前記被処理水の凝集状態に応じて前記凝集剤の注入を制御する凝集剤注入制御手段とを備え、特に
(e) 前記pH調整剤注入制御手段によるpH調整剤の注入情報に基づいて前記pH調整剤の注入中であるか、注入停止後の予め設定した監視時間内であるか、或いは注入停止後の上記監視時間の経過後であるかを判定し、
注入中または注入停止後の予め設定した監視時間内である場合には、被処理水のpHが適正範囲に調整されているとして前記凝集剤注入制御手段による凝集剤の注入制御を実行させ、注入停止後の予め設定した監視時間経過後であって前記凝集状態計測手段にて計測された凝集フロックの状態から前記被処理水の凝集状態が変化している場合には、前記pH調整剤注入制御手段における制御目標値を補正して前記pH調整剤注入制御手段によるpH調整剤の注入制御を実行させ、これによって前記被処理水のpHを最適化した後に前記凝集剤注入制御手段による凝集剤の注入制御を実行させる制御管理手段
を備えたことを特徴としている。
即ち、本発明に係る水処理システムは、被処理水に対するpH調整剤の注入状態に応じて、そのときの被処理水のpHと凝集状態計測手段にて計測される被処理水の凝集状態との相関から、凝集状態の変化がpH調整剤の注入量の過不足によるものであるか否かを判定し、pH調整剤の注入が適正で被処理水のpHが安定していると認められる場合にだけ凝集剤の注入を制御することを特徴としている。
また本発明に係る水処理システムは、pH調整剤の注入停止後の前記監視時間経過後であって前記凝集状態計測手段にて計測された凝集フロックの状態から前記被処理水の凝集状態が変化していると判定した場合には、前記pH調整剤注入制御手段における制御目標値を補正して前記pH調整剤注入制御手段によるpH調整剤の注入制御を実行させ、これによって前記被処理水のpHを最適化した後に前記凝集剤注入制御手段による凝集剤の注入制御を実行させることを特徴としている。
換言すればpH調整剤の注入が行われていない状態で凝集状態が変化しているような場合には、pH調整剤の注入量が不足であると判定し、その制御目標値の補正やpH計の校正等を実施することでpH調整剤の注入を促し、被処理水のpH調整が適正化された後に凝集剤の注入制御を行うことを特徴としている。
好ましくは前記制御管理手段は、前記制御目標値を補正して前記pH調整剤注入制御手段を作動させて前記被処理水のpHを最適化した後には、前記制御目標値を元の目標値に復元するように構成される。
尚、本発明に係る水処理システムが前記被処理水の流量および/または温度を計測する手段を備えている場合には、流量および/または温度の変動に起因して前記凝集状態計測手段にて計測される前記被処理水の凝集状態が変化しているか否かを判定し、凝集状態の変化が検出された場合には、前記凝集剤注入制御手段の作動を禁止することが好ましい。
上述した如く構成された水処理システムによれば、被処理水へのpH調整剤の注入状態と、凝集状態検出手段にて求められる被処理水の凝集状態との相対関係に応じて凝集剤の注入を制御するので、例えば被処理水のpH調整が適切でない場合には、pH調整が適切になるまで凝集剤の注入量の制御を禁止することで、凝集剤の無駄な注入を未然に防ぐことが可能となる。例えばpH調整剤の注入が行われていない場合であって、且つ凝集状態が不良である場合には、pH調整が不適であると判定し、pH調整剤の注入目標値を補正することで速やかにその適正化を図った後、元の注入目標値に戻すと共に凝集剤の注入制御を開始する。従って凝集剤の注入量の過不足による水質変動が生じた場合にだけ、その注入量を適切に制御することが可能となる。
また被処理水の流量および/または温度をモニタしている場合には、その変化が要因となって凝集状態検出手段にて求められる被処理水の凝集状態が変化していることを容易に判定することが可能となるので、その変動要因を抑えた後に凝集剤の注入を制御することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る水処理システムについて凝集沈殿処理を例に説明する。
図1は用水・排水(被処理水)に対して凝集沈殿処理を行う水処理システムの概略構成図で、1は被処理水を受け入れると共に、被処理水に注入された凝集剤を用いて原水中に含まれる懸濁物や溶解物を凝集させて凝集フロックを生成する凝集反応槽である。また2は上記凝集反応槽1から導かれる懸濁液を沈殿処理して固液分離させた処理水を得る沈殿槽である。
被処理水への、例えば無機凝集剤Aの注入は、前記凝集反応槽1への被処理水の供給水系に対して、コンピュータからなる凝集剤注入制御装置3の制御の下でポンプ4を介して行われる。また凝集反応槽1にはポンプ5を介してpH調整剤(例えば苛性ソーダ)Bが注入されるようになっている。このポンプ5によるpH調整剤Bの注入は、基本的には前記凝集反応槽1に設けられたpH計6により計測される被処理水(懸濁液)のpH値に基づき、pHコントローラ7の制御の下で所定のpH値となるように行われる。また前記凝集反応槽1から沈殿槽2に導かれる懸濁液には、ポンプ8を介して適宜、高分子凝集剤Cが注入されるようになっている。
また前記凝集反応槽1には懸濁液の凝集状態を検出する凝集状態計測手段としての凝集センサ11が設けられている。そしてこの凝集センサ11にて検出された情報(濁度およびフロック形成状態)は前記凝集剤注入制御装置3に取り込まれるようになっている。
尚、凝集センサ11は、前述した特許文献2に詳しく紹介されるものであるが、簡単に説明すると、例えば図2に示すように投光部と受光部とを近接配置させて計測対象水(検水)中に設けられるプローブ13と、このプローブ13を介して検水中に振幅変調(AM変調)したレーザ光を照射する発光部14と、検水中の粒子への上記レーザ光の衝突により発生する散乱光を前記プローブ13を介して検出して該計測対象水の濁度やフロック形成状態を検出する検出部15とを備えたものである。特に検出部15においては、散乱光Sの受光量(受光強度)に応じた電気信号を発生する光電変換器の出力から帯域通過フィルタ(BPF)を介して前述した振幅変調した周波数成分Fだけを抽出した後、その振幅変調周波数成分を検波してその包絡線成分Eを求めるように構成される。
このようにしてレーザ光が照射された微小な領域Sにて生じる散乱光について考察すると、この領域Sにおいて懸濁物質からなる微小なコロイド粒子によって生じる散乱光の強度は、微小コロイド粒子の数に比例して大きくなる。そして微小コロイド粒子の数は、その凝集が進んで粒子径の大きいフロックが生成されるに従って減少する。これに対してフロックは微小コロイド粒子が凝集したものであるから、凝集が進むに従ってその数が増えるものの微小コロイド粒子に比較して遙かにその数が少ない。これ故、上記フロックが前述した微小な領域Sに存在する可能性は低く、一時的に微小領域Sに入り込むに過ぎない。但し、フロックが微小領域Sに入り込む頻度は、凝集の進行に伴ってフロックの数が増えるに従って高くなる。
従って前述したようにして微小領域Sにおける散乱光の強度を計測すると、検水中の懸濁物質の凝集が進んで微小コロイド粒子の数が減り、フロックの数が徐々に増えるに従って前記微小領域Sでの散乱光の強度が上記フロックにより一時的に高くなることがあるものの、全体的には低くなる。これ故、フロックの存在によって散乱光強度が一時的に高くなった場合を除いて、その全体的な散乱光の強度に着目すれば、そのときの散乱光強度はフロック化していない未凝集のコロイド粒子の数を示していると看做すことが可能となる。また前述した散乱光の強度に応じた包絡線成分の最低値を検出すれば、検水中における未凝集のコロイド粒子数を求めることができる。更にはフロックにより散乱光の強度が一時的に高くなる周期に着目すれば、凝集により生じたフロックの数(検水中におけるフロックの密度)を求めることが可能となり、一時的な散乱光強度の大きさからフロックの粒子径を求めることも可能となる。
さてこの発明に係る水処理システムが特徴とするところは、前述した無機凝集剤Aの注入を制御する凝集剤注入制御装置3の作動を、前記pHコントローラ7の動作状態(pH調整剤の注入状態)を示す情報を取り込んで制御するように構成した点にある。そして薬注制御装置3においては、その制御管理手段3aにおいてpH調整剤の注入状態と、前記凝集センサ11によって検出される凝集反応槽1内での凝集状態とに従って、前記ポンプ4を介する無機凝集剤Aの注入を制御すると共に、pH調整剤Bの注入制御するpHコントローラ7の作動を制御ようにした点にある。
即ち、凝集剤注入制御装置3の制御管理手段3aにおいては、懸濁液のpHが所定の範囲内に安定していることを条件としてポンプ4の作動を制御し、所定の凝集状態(濁度)が得られるように無機凝集剤Aの注入を制御している。そして所定量のpH調整剤Bを注入しても懸濁液のpHが低いレベルで安定しているような場合には、pHコントローラ7における制御目標値を補正する(例えばpHを上げる)等してpH調整剤の注入を促し、懸濁液のpHが所定のレベルで安定した後に上記制御目標値を復元させると共に、前述した無機凝集剤Aの注入制御を開始するものとなっている。
具体的には管理制御手段3aは、前記pHコントローラ7から求められる薬注情報からpH調整剤Bの注入中であるか、注入停止後の予め設定した監視時間内であるか、或いは注入停止後の上記監視時間経過後であるかを判定している。そしてこのpH調整剤の注入状態に応じて、次のようにしてその制御を管理している。
<pH調整剤Bの注入停止後の所定時間経過後>
即ち、pH調整剤Bの注入が行われていないと判断される場合、制御管理手段3aは凝集センサ11の出力が予め設定された幅を超えて変動しているか否かを判定している。そして凝集センサ11の出力が大きく変化しているような場合には、制御管理手段3aは、例えば図3に示すような凝集センサ11の出力と懸濁液のpHとの関係に従い、凝集センサ11の出力変化がpHの低下に起因するものであると判定する。そして凝集不良の要因がpHの変動であると判断して前述したpHコントローラ7における制御目標値を補正し、pH調整剤Bの注入を促す。そして懸濁液のpHが所定の適正範囲になったことを確認した後、前記第1の凝集センサ11の出力に基づいて無機凝集剤Aの注入制御を実行する。
<pH調整剤Bの注入中、または注入停止後の予め設定した監視時間内>
一方、pH調整剤Bの注入が行われている場合には、通常、pH計6の出力に基づいて懸濁液のpHは所定の適正範囲内に調整されている。従ってこの場合には、制御管理手段3aは、例えば図4に示す凝集剤Aの注入量と凝集センサ11の出力との関係に従って無機凝集剤の注入制御を実行させ、その凝集状態の安定化を図る。
かくして上述した如くpHコントローラ7の作動状態からpH調整剤Bの注入が行われているか否かを判断すれば、凝集センサ11によって検出される懸濁液の凝集状態の変動が、pH調整剤Bの過不足に起因しているか否かを容易に判断することができ、懸濁液のpHを適正範囲に調整した後に無機凝集剤Aの注入を効率的に制御することができる。従って凝集センサ11を介して検出される凝集状態が悪くなっている要因がpH調整剤Bの不足である場合に、無機凝集剤Aを過剰に注入するような無駄がなくなる等の効果が奏せられる。
<正常時>
凝集沈降処理が正常に実施されている場合、凝集反応槽1内でのフロックは原水中の懸濁成分を取り込んで成長する。これ故、凝集フロックを除去した液相の濁度(未凝集のコロイド粒子等による濁度)は最も低い状態となる。この際、凝集センサ11を介して検出される懸濁液の濁度、特にフロックの影響を排した未凝集のコロイド粒子等に起因する濁度は最も低い値となる。また凝集センサ11を介して検出される情報は、成長したフロックに関する情報を多く含むので前述したフロックによる一時的に高い散乱光の強度が大きくなる。
凝集薬液の不足>
これに対して無機凝集剤の注入量が不足した場合には、凝集反応槽1でのフロック形成が未熟となる。この結果、フロックが小さくなるので前述したフロックによる一時的に高く散乱光強度が小さくなる。またフロックに取り込まれない懸濁物質が液中に増えるので、懸濁液の濁度、特にフロックの影響を排した未凝集のコロイド粒子等に起因する濁度が上昇することになる。従って凝集センサ11にて検出される情報の変化をモニタし、フロックにより一時的に高くなる散乱光強度が小さくなったこと、或いは懸濁液の濁度、特にフロックの影響を排した未凝集のコロイド粒子等に起因する濁度はが上昇したことが検出されれば、その要因が凝集剤の不足であると判断することができる。
<凝集剤の過剰>
また無機凝集剤が過剰に注入された場合、フロックの成長に伴って前述したフロックによる散乱光の強度は或る程度の変化を呈する。しかし急激に大きく形成されたフロックは崩れ易く、これに起因して細かなフロック(ピンフロック)が多量に形成される。このピンフロックは微少でその数も多いので、凝集センサ11では未凝集のコロイド粒子と区別することは困難である。この為、凝集センサ11により検出される懸濁液の濁度やフロック(ピンフロックを除く)の影響を排した未凝集のコロイド粒子等に起因する濁度が上昇する。つまり凝集剤が過剰な場合には、凝集剤が不足する場合と同様に懸濁液の濁度やフロック(ピンフロックを除く)の影響を排した未凝集のコロイド粒子等に起因する濁度が上昇するが、フロックによる一時的に高い散乱光の強度は或る程度の大きさを持つ。従ってこの散乱光の強度の違いを判定することで、凝集剤が過剰であるか、逆に不足しているかを区別することができる。
<pH変動>
ところで懸濁液のpHが所定の値から外れた場合(pH変動が生じた場合)には、pHが所定の値に或る場合に比較して懸濁液の凝集剤注入量の過不足に対して懸濁液の凝集状態がより鋭敏に反応する。この為、凝集センサ11を用いて検出される懸濁液の濁度やフロックの情報は、短い時間間隔で矯激に変動するようになる。しかし沈殿槽2で固液分離された処理水に着目すると、pH変動による懸濁液の凝集状態の急激な変動は、容量の大きい沈殿槽2でのバッファ(緩衝)機能により平均化されるため、沈殿槽2に設けられる凝集センサによって検出される情報はpH変動の影響を殆ど受けない。
一方、pHが所定の値に制御されている場合には、凝集剤の注入量が過剰であり、又は不足すると、pH変動が生じている場合に比較して懸濁液の濁度は徐々に変動する。従って沈殿槽2で固液分離された処理水の濁度は、凝集反応槽1における懸濁液の濁度の上昇ほど早くはないが、次第に上昇することになる。この凝集反応槽1内における懸濁液の濁度の上昇と、固液分離された処理水の濁度の上昇の違いは、沈殿槽2における懸濁液の滞留時間だけ、処理水の濁度ピークが遅れて発生することから識別できる。
従って、沈殿槽2での処理水の状態(凝集状態)を調べれば、凝集センサ11によって検出される懸濁液の凝集状態の変動の程度や、沈殿槽2における懸濁液の対流時間分の時間的な遅れはあるものの、pHの変動の有無を容易に判定することが可能となる。また凝集反応槽1に設けた凝集センサ11により検出される懸濁液の濁度、特にフロックの影響を排した未凝集のコロイド粒子等に起因する濁度の上昇の度合い(変動信号の平均値)をモニタすれば、凝集フロックの崩れの程度を判断することができる。
<処理水量や界面変動の影響>
ここで処理水量の増加や界面の上昇に伴う処理水へのフロックの混入に起因する処理水濁度の上昇について考察する。この処理水量の増加や界面の上昇は、凝集反応槽1での凝集状態は殆ど関与しないので、凝集センサ11により検出される情報(信号)の変化は殆どない。しかしフロックのリークによって沈殿槽2でのフロックの数が多くなる。従って凝集センサ11により検出される情報に変化がなく、沈殿槽2でのフロックの数だけが上昇するような場合には、処理水量の増加や界面の上昇に伴ってフロックのリークが発生していると判断することができる。
このような場合にはフロックのリークが収まるのを待つか、フロックリークの発生をオペレータに通知し、敢えて凝集剤の注入制御を行わないことが望ましい。尚、流量計等を用いて処理水量を監視しているならば、その流量変動の情報を用いて上述したフロックリークが処理水量の増大に要因するものであるか、或いは界面の異常上昇に原因するものであるかを判断することが可能となる。
そして凝集剤注入制御装置3においては、上述した如くして求めた水質変動の要因(判定結果)に従い、水質変動の要因が凝集剤の過不足である場合にだけ、ポンプ4の作動をフィードバック制御して凝集剤の注入量を適正化するものとなっている。換言すれば凝集剤の過不足以外の要因で水質変動が生じた場合には、凝集剤の注入量制御を禁止し、その時点での注入量を保つものとなっている。従って凝集条件に変動に対してその要因に応じた対策を適切に講じることが可能となり、安定した凝集剤の注入制御を行うことが可能となる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここでは凝集沈殿を行う水処理システムを例に説明したが、加圧浮上処理により固液分離する水処理システムにも同様に適用することができる。この加圧浮上処理においては凝集剤が過剰な場合、フロック強度が低いことに起因して加圧処理時にフロックが壊れてピンフロックとなる。逆に凝集剤が不足する場合には、前述した凝集沈殿処理の場合と同様にフロックに取り込まれない懸濁物質が多く残ることになる。
また実施形態においては、凝集剤の過不足以外の要因で水質が変動した場合には、その要因に応じて沈殿槽2におけるスラッジの引き抜き量を制御することも勿論可能である。更には水処理設備の運転情報(処理水量や界面位置、pH値等)を入力しながら水質変動の要因を更に精度良く特定するように構成すること可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係る水処理システムの腰部概略構成図。 図1に示す水処理システムに用いられる凝集センサの例を示す図。 凝集反応処理水のpHと凝集センサの出力との関係を示す図。 凝集薬液の注入量と凝集センサの出力との関係を示す図。
符号の説明
1 凝集反応槽
2 沈殿槽
3 凝集剤注入制御装置
3a 制御管理手段
7 pHコントローラ
11 凝集センサ

Claims (2)

  1. 被処理水に凝集剤とpH調整剤とを注入して被処理水中の懸濁物および/または溶解物を凝集化して除去する水処理システムにおいて、
    前記凝集剤とpH調整剤とが注入された被処理水のpHを計測するpH計と、
    このpH計にて計測された上記被処理水のpHに従って前記被処理水のpHが目標値となるように該被処理水への前記pH調整剤の注入を選択的に制御するpH調整剤注入制御手段と、
    前記凝集剤とpH調整剤とが注入された被処理水における凝集フロックの状態を検出する凝集状態計測手段と、
    この凝集状態計測手段にて計測された前記被処理水の凝集状態に応じて前記凝集剤の注入を制御する凝集剤注入制御手段と、
    前記pH調整剤注入制御手段および前記凝集剤注入制御手段の作動を制御する制御管理手段とを具備し、
    前記制御管理手段は、前記pH調整剤注入制御手段によるpH調整剤の注入情報に基づいて前記pH調整剤の注入中であるか、注入停止後の予め設定した監視時間内である場合には、被処理水のpHが適正範囲に調整されているとして前記凝集剤注入制御手段による凝集剤の注入制御を実行させ、
    一方、前記pH調整剤の注入停止後の前記監視時間経過後であって前記凝集状態計測手段にて計測された凝集フロックの状態から前記被処理水の凝集状態が変化している場合には、前記pH調整剤注入制御手段における制御目標値を補正して前記pH調整剤注入制御手段によるpH調整剤の注入制御を実行させ、これによって前記被処理水のpHを最適化した後に前記凝集剤注入制御手段による凝集剤の注入制御を実行させる
    ことを特徴とする水処理システム。
  2. 前記制御管理手段は、前記制御目標値を補正して前記pH調整剤注入制御手段を作動させて前記被処理水のpHを最適化した後には、前記制御目標値を元の目標値に復元するものである請求項1に記載の水処理システム。
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