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JP4401720B2 - モータの制御システム - Google Patents
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本発明は、搬送車などに用いられるモータの制御システムに関するものである。
従来のモータの制御システムの応用例として搬送システムがある。近年、搬送システムは、工場内における自動化の流れで、複数の地点間を部品や書類などを搬送することを目的としてよく普及している。かかる搬送システムにおける駆動制御装置は、搬送車を駆動するために、モータを使用してインバータ部によって制御している。この搬送車が搬送要求に応じて移動し目標の位置に停止するために、搬送路の各所にセンサーを配置している。
例えば、下記の特許文献1のように記載されているように、搬送システムは、被搬送物を搬送する搬送車と、該搬送車により搬送される被搬送物を積降ろす複数のステーションと、複数のステーション間に敷設され、搬送車が走行する搬送路と、搬送車の走行制御及びステーションからの搬送要求に対する搬送車の割当て制御を行う搬送制御部とを有する搬送システムにおいて、搬送制御部は、予め設定区分けされた制御ゾーン毎に走行車の走行に関する指令を発生する上位制御部と、制御ゾーン毎に設けられ、搬送車から送信される信号を受信する受信手段を有し、上位制御部からの指令に基づいて自制御ゾーン内における前記搬送車の走行を制御する下位制御部と、上位制御部と下位制御部間の指令を送受信するインタフェース部とを有し、搬送車は自車の位置や速度を検出する検出手段と、検出手段で検出された信号を搬送制御部の下位制御部へ送信する送信手段とを有している。
かかる搬送システムによれば、搬送車自身で搬送車の位置・速度を検出することができ、搬送車を走行させる搬送路に沿って予め設定区分けした制御ゾーン毎に、搬送車の位置、速度を検出するセンサー設ける必要がなく、制御ゾーンに搬送車が存在する場合には、該搬送車を制御できる。
特開平8−47111号公報
しかしながら、上記のように構成されたモータの制御システムは、非制御ゾーンに搬送車が存在する場合、すなわち、搬送車がリニアスケールの検知外では、搬送車を制御しにくいという問題点があった。
さらに、リニア位置検出器から位置情報を検出して、位置・速度演算器からの位置・速度の情報に基づいてコントローラを介してインバータを駆動してモータを動作する一種のオープンループ制御となるため、指令に対する追従性が向上しにくいという問題点があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、移動体自身の検知外でも、モータの回転位置に基づいて移動体の位置を検出できると共に、指令に対する追従性が良いモータの制御システムを提供することを目的とするものである。
第1の発明に係るモータの制御システムは、予め定められた経路を移動する移動体を駆動するモータと、該モータの回転位置を検出して第1の位置検出信号を発生する第1の位置検出手段と、前記経路の所定の範囲に設けられた該範囲における前記移動体の位置を検出して第2の位置検出信号を発生する第2の位置検出手段と、前記第1の位置検出信号に基づいて前記モータの速度検出信号を生成する第1の速度検出手段と、第1の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる第1の速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第1の速度制御手段と、位置指令信号と前記第2の位置検出信号との差となる位置偏差信号に基づいて前記モータを駆動する第2の速度指令信号を発生する位置制御手段と、前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる第2の速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第2の速度制御手段と、前記第1又は第2の位置検出信号に基づいて、前記第2の位置検出手段の端部である第1の位置に前記移動体が達すると発生する切換え信号に基づいて前記第1の速度指令信号から第2の速度指令信号に切換えて前記第1の速度制御手段から前記第2の速度制御手段に切換える第1の切換え手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第2の発明に係るモータの制御システムは、第2の位置検出信号に基づいてモータの速度検出信号を生成する第2の速度検出手段と、前記第1の切換え手段に同期すると共に、前記第1の速度検出手段から前記第2の速度検出手段に切換える第2の切換え手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第3の発明に係るモータの制御システムは、移動体が前記第1の位置から停止目標位置よりも離れた方向となる第2の位置に達すると、発生する切換え準備信号に基づいて前記第1の速度指令信号よりも低い低速度指令信号を所定時間発生した後、前記第1の切換え手段を切換える制御手段を、備えたことを特徴とするものである。
第4の発明に係るモータの制御システムは、予め定められた経路を移動する移動体を駆動するモータと、該モータの回転位置を検出して第1の位置検出信号を発生する第1の位置検出手段と、前記経路の所定の範囲に設けられた該範囲における前記移動体の位置を検出して第2の位置検出信号を発生する第2の位置検出手段と、前記第1の位置検出信号に基づいて前記モータの速度検出信号を生成する速度検出手段と、位置指令信号と前記第2の位置検出信号との差となる位置偏差信号に基づいて前記モータを駆動する第2の速度指令信号を発生する位置制御手段と、第1の速度指令信号の周波数成分のうち、遮断周波数よりも高い周波数成分を除去すると共に、前記遮断周波数よりも低い周波数を通過して濾過速度指令信号を発生するフィルタ手段と、前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第1の速度制御手段と、前記濾過速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第2の速度制御手段と、前記第1又は第2の位置検出信号に基づいて、前記第2の位置検出手段の端部である第1の位置に前記移動体が達すると発生する切換え信号に基づいて前記濾過速度指令信号から第2の速度指令信号に切換えると共に、前記第2の速度制御手段から前記第1の速度制御手段に切換える切換え手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第5の発明に係るモータの制御システムにおけるフィルタ手段は、第1の速度指令信号を一次遅れにした濾過速度指令信号を発生する、ことを特徴とするものである。
以上のように、第1又は第2の発明によれば、移動体が第2の位置検出手段の検知外でも、第1の位置検出手段に基づいてモータの回転位置より移動体の位置を検出しながら第1の速度制御手段によってモータを速度制御しながら駆動し、移動体の停止位置の手前で発生する切換え信号に基づいて、位置偏差信号を入力して第2の速度指令信号によってモータを位置制御しながら駆動する。
したがって、第1の位置、すなわち、移動体が停止位置の手前までは速度制御によりモータを駆動するので、応答性を向上しつつ、移動体が停止位置の手前に達すると、第1の切換え手段を切換えてモータを位置制御するので、移動体を精度よく目標の位置に停止できるという効果がある。
第3の発明によれば、切換え準備信号に基づいて低速度指令信号によってモータを駆動した後、第1の切換え手段を切換えるので、モータを速度制御から位置制御への切換えショックを低減できるという効果がある。
第4の発明によれば、移動体が第2の位置検出手段の検知外でも、第1の位置検出手段に基づいてモータの回転位置より移動体の位置を検出しながら第の速度制御手段によってモータを速度制御しながら駆動し、移動体の停止位置の手前で発生する切換え信号に基づいて切換え手段を切換え、位置偏差信号を位置制御手段に入力して第2の速度指令信号によってモータを位置制御しながら駆動する。したがって、第1の位置、すなわち、移動体が停止位置の手前までは速度制御によりモータを駆動するので、応答性を向上しつつ、移動体が停止位置の手前に達すると、切換え手段によりモータを位置制御するので、移動体を精度よく目標の位置に停止できる。
しかも、第1の速度指令信号の周波数成分のうち、遮断周波数よりも高い周波数成分を除去すると共に、低い周波数を通過した濾過速度指令信号に基づいてモータを速度制御する。切換え手段に基づいてモータを減速中に速度制御から位置制御に切換えても、濾過速度指令信号と第2の速度指令信号との差が減少するので、モータのトルク変動を抑え、切換えショックを低減できるという効果がある。
第5の発明によれば、フィルタ手段を簡易な構成にできるという効果がある。
実施の形態1
本発明の一実施の形態を図1乃至図3によって説明する。図1は、一実施の形態を示す搬送システムの全体構成図、図2は搬送システムの指令・制御系統を示す全体ブロック図、図3は、サーボ制御装置を中心としたブロック図である。
図1において、搬送システム1は、レールを有する経路としての搬送路3と、予め定められた搬送路3の上を動作する複数の移動体としての搬送車5と、搬送車5に搬送物を積み込み、積み降ろしを成すための積み降ろしステーション7と、搬送車5が前進を開始する前進端ステーション9と、搬送車5が到着する後退側ステーション11と、搬送車5のステーション7の停止位置を含むステーション7に沿って配置されると共に、前進端ステーション9から前進側と後退側ステーション11の手前側に設けられた直線状のリニアスケール13とを備えている。
搬送車5には、台5aと、台5aの下部に四つのタイヤ5tが設けられており、タイヤ5tがモータ117の軸に連動して動作するように設けられていて、タイヤ5tが搬送路3の上を移動するように構成されている。
図2において、搬送車5の制御系統は、搬送車5の目標位置、運転開始、停止指令を与えるためにモータ117に位置指令信号θr及び第1の速度指令信号Vr1等を発生して送信する上位コントローラ20を有しており、上位コントローラ20には、モータ117に位置指令信号θr及び速度指令信号Vr1を生成して送信するコントローラ部22と、コントローラ部22からの位置指令信号θr及び速度指令信号Vr1を搬送車5に送信するインタフェース24とを有する。
搬送車5には、上位コントローラ20からの指令を受けるインタフェース30と、タイヤ5tに連動されたモータ117を制御するサーボ制御装置100と、モータ117の一回転内位置を検出すると共に、モータ117の1回転ごとにカウントする多回転位置カウントとを有する絶対値エンコーダ119と、リニアスケール13からの位置検出信号を受け取るリニア位置検出器19とを備えている。なお、絶対値エンコーダ119、リニア位置検出器19は電源が遮断されても、電池などのバックアップにより位置検出信号を保持できるようになっている。
ここで、絶対値エンコーダ119のみではなくリニア位置検出器19を備えているのは、搬送車5のタイヤ5aがスリップし得るので、モータ117の回転した回転検出信号の積算値と、搬送車5が実際に走行した距離が異なるからである。さらに、タイヤ5tの空気圧によって、タイヤ5tの軸からの外側の半径が異なるので、タイヤ5tの外形の変化により回転検出信号の積算値と実際に搬送車5が走行した距離が異なるためである。
サーボ制御装置は、上位コントローラ20から送信された位置指令信号θrと第2の位置検出信号θs2との差となる位置偏差信号θeを求める第1の減算手段としての減算器105と、位置偏差信号θeを入力し、第2の速度指令信号Vr2を発生すると共に、第1のゲインとしての位置ゲインKpを有する位置制御手段としての位置制御回路107と、速度指令信号Vr1,Vr2が入力されるa端子,b端子を有すると共に、搬送車5が目標停止位置の手前となる第1の位置に達したことにより移動体速度制御と位置制御との切換えを成す第1の切換え手段としての切換えスイッチ109と、モータ117の1回転内位置と多回転カウント値及び原点の1回転位置と多回転カウント値より演算して絶対位置としての第1の位置検出信号θs1を求める絶対位置計算部121と、位置検出信号θs1を微分して速度検出信号Vsとする第1の速度検出手段としての速度検出回路123と、切換えスイッチ109のc端子に接続されて速度指令信号Vr1又は速度指令信号Vr2と速度検出信号Vsとの差となる速度偏差信号Veを求める第2の減算手段としての減算器112と、第2のゲインとしての速度ゲインKvを有すると共に、電流指令信号Irを発生する第1、第2の速度制御手段としての速度制御回路113と、電流指令信号Irに基づく電流をモータ117に流す電流制御回路115とから成っている。
上記のように構成された搬送システムの動作を図1乃至図4によって説明する。図4は搬送システムの動作を示すフローチャートである。
まず、上位コントローラ20から搬送指令が発生すると(ステップS60)、上位コントローラ20のコントローラ部22が搬送車7の位置を確認する(ステップS61)。リニア位置検出器19がリニアスケール13の位置を読み出し、リニア位置検出器19から搬送車の位置が確認できるか否かを判断し(ステップS62)、搬送車の現在位置がリニアスケール13の上にいない場合は、絶対値エンコーダ119からの1回転内カウンタと多回転カウンタとを読み出すことにより搬送路3における概略の現在位置を検知する(ステップS63)。ここで、予め搬送路3の端から端まで搬送車を移動しながら絶対値エンコーダ119の1回転内位置と多回転カウンタ値とから絶対位置計算部121を介して第1の位置検出信号θs1およびリニア位置検出器19からの第2の位置検出信号θs2を走査しておき、各リニアスケール13と、絶対値エンコーダ119との関係を把握している。また、搬送車5のタイヤ5tがスリップすることも想定し、この位置情報の走査と修正は通常の搬送動作を行うなかでも実行するようにしている。
上位コントローラ20は目標位置の方向が把握できているので、第1の速度指令信号θs1を発生してインタフェース30を介して端子aに与えると共に、切換えスイッチ109をa側に倒して、減算器112に入力すると、減算器112は、位置検出信号θs1を速度検出回路123に介して得た速度検出信号との差となる速度偏差信号を速度制御回路113に入力して電流制御回路115によりモータ117を駆動する(ステップS64)。
ステップS64では、絶対値エンコーダ119の位置検出信号θs1を介した速度検出信号によるフィードバック制御で、速度制御系のセミクローズド制御になっている。
上位コントローラ20は、搬送車5が第1の位置から目標停止位置よりも離れた方向となる第2の位置に達した否かを、位置検出信号θs1の値が予め定められた値に達したか否かにより判断する(ステップS65)。かかる判断は、リニア位置検出器19の位置検出信号θs2により搬送車5が目標停止位置のリニアスケール13の1つ手前のスケール13を通過したことにより近傍と判断しても良い。
ステップS65において、搬送車5が上記第1の位置から停止目標位置に離れた方向となる第2の位置に達すると、上位コントローラ20は、切換え準備信号を発生してモータ117の回転速度を低下させるように第1の速度指令信号Vr2よりも低い低速度指令信号に基づいてモータ117を駆動する(ステップS66)。モータ117を速度制御から位置制御に切換えるには、すなわち、切換えスイッチ109をa端子からb端子に切換えるには、搬送車5が第1の位置となる目標停止位置の手前に設けられたリニアスケール13の端部に進入したか否かを判断する(ステップS67)。搬送車5が進入すると、上位コントローラ20は切換え信号を発生して切換えスイッチ109をa側からb側に投入してモータ119を速度制御から位置制御に切換える(ステップS69)。
減算器105が上位コントローラ20からの位置指令信号θrとリニア位置検出器19からの位置検出信号θs2との差となる位置偏差信号を求めて位置制御回路107に入力し、位置制御回路107が速度指令信号Vr2を減算器112に入力する。減算器112が位置検出信号θs2を速度検出回路123に介して得た速度検出信号Vsとの差となる速度偏差信号を速度制御回路113に入力し、電流制御回路115がモータ117を駆動する(ステップS70)。搬送車5が目標位置まで移動を行い、移動完了となる(ステップS71)。
ここで、位置ループは、位置指令信号θrを減算器105に入力し、位置偏差θeに基づく位置制御回路107→切換えスイッチ109→減算器112→速度制御回路113→電流制御回路115→モータ117→リニア位置検出器19→減算器105からなる位置指令信号θrによる閉ループをいい、位置ループによりモータ117を制御している。
速度ループは、速度指令信号Vr1又は速度指令信号Vr2を減算器112に入力し、減算器112が速度指令信号Vr1又は速度指令信号Vr2と速度検出信号Vsとの差となる速度偏差Veを求め、速度偏差Veに基づく速度制御回路113→電流制御回路115→モータ117→エンコーダ119→速度検出回路123→減算器112からなる速度指令信号Vr1,Vr2による閉ループをいう。
ここで、位置制御とは上記位置ループと速度ループを有する制御をいい、速度制御とは、上記速度ループを有する制御をいう。
実施の形態2.
本発明の他の実施の形態をサーボ制御装置のブロック図を示す図5によって説明する。図5中、図3と同一符号は同一又は相当部分を示し、説明を省略する。
図5において、サーボ制御装置における第2の切換え手段としての切換えスイッチ209は切換えスイッチ109と連動して動作すると共に、端子aが絶対位置計算部121の出力に接続され、b端子がリニア位置検出器19の出力に接続され、c端子が速度検出回路123及びインタフェース21に接続されている。
かかるサーボ制御装置を有する搬送システムでも、図4に示すフローチャートにしたがって動作させることにより実施の形態1と同様の作用、効果を奏するものである。
実施の形態3.
実施の形態1に示すようにモータの一定区間の低速度走行を有することなく、減速中に速度制御から位置制御に切換えると、モータ117の出力トルクが不連続になって機械的なショックを生じる。
そこで、本実施の形態では、モータ117の一定区間の低速度走行を有することなく、速度制御から位置制御に移行しても、機械的なショックが緩和された搬送システムを得るものである。
<機械的なショックが生じる理由>
かかる理由を図6及び図7によって説明する。図6は図3に示すサーボ制御装置の制御ブロック図である。図7(a)はそのブロック線図である。
図6の制御ブロック図では、速度制御、位置制御の位置検出信号はエンコーダ119としている。図7のブロック線図は、速度ゲインKvの単位を(rad/s)とし、簡略化のためにモータ117の慣性モーメントと電流制御回路115との伝達特性を合わせて「1」としている。かかるブロック線図に基づいて位置指令信号θrから位置偏差信号θeまでの伝達特性は、ラプラス演算子をsとすると下式となる。
θe=θr−Kv・Ve/s ・・・・・(1)
また、位置指令信号θから速度偏差信号Veまでの伝達特性は下式となる。
Ve=θr・s−Kv・Ve/s ・・・・・(2)
上記(1)式及び(2)式より位置偏差θeと位置指令信号θrと関係を求めると下式となる。
θe=s・θr/(s+Kv) ・・・・・(3)
この(3)式において、位置指令信号θrをランプ入力1/s、速度Vとして一定速時における位置偏差Θeを、最終値定理により求めると下記となる。
Figure 0004401720
次に、切換えスイッチ109をa端子からb端子に投入して位置制御に基づく速度指令信号Vr2に切換えた場合、切換え直後の位置偏差θeをθe´とすれば、図3に示すサーボ制御装置は図7(b)に示すブロック線図となる。このブロック線図に基づいて位置指令信号θrから位置偏差θe´までの伝達特性は、下式となる。
θe´=θr−Kv・Ve/s ・・・・・(5)
また、位置指令信号θrから速度偏差Veまでの伝達特性は下式となる。
Ve=θe´・Kp−Kv・Ve/s ・・・・・(6)
上記(5)式及び(6)式より位置偏差θe´と位置指令信号θrと関係を求めると下式となる。
θe´=θr・s(s+Kv)/(s+s・Kv+Kv・Kp) ・・・・(7)
この(7)式において、位置指令信号θrをランプ入力1/s、速度Vとして一定速時における位置偏差Θe´を最終値定理により求めると下記となる。
Figure 0004401720
このようなサーボ制御装置において、切換え時のショックをなくすには、上記(4)式の位置偏差Θeと上記(8)式の位置偏差Θe´が等しければ生じない、すなわち、速度ゲインKvと位置ゲインKpとが等しければ、生じない。
しかしながら、一般に、速度ループ(マイナーループ)の速度ゲインKは、最も高速に応答するために、位置ループ(メジャーループ)の位置ゲインKpに対して十分に大きい。すなわち、Kv≫Kpであるので、Θe≫Θe´となり、速度ループから位置ループに切換えると、位置偏差Θeから位置偏差Θe´に急激な変化に起因してモータ117の出力トルクが急激に変動するので、機械的なショックが生じるのである。
<速度制御から位置制御への切換えを円滑にするサーボ制御装置の構成>
かかるサーボ制御装置を図8によって説明する。図8中、図3及び図66と同一符号は同一又は相当部分を示し、説明を省略する。
図8において、速度指令信号Vr1を入力すると共に、濾過速度指令信号Vrfを発生するフィルタ手段としての速度フィルタ回路106とを備えている。速度フィルタ回路106は、速度指令信号Vr1の周波数成分うち、遮断周波数fcよりも高い周波数成分を除去し、遮断周波数fcよりも低い周波数を通過させる一次遅れのローパス特性を有している。なお、遮断角周波数ωfは、遮断周波数fcに2πを乗じた2πfc(rad/s)となる。
ここで、速度フィルタ回路106が一次遅れの特性を有していると、速度ループから位置ループへの切換えの際に、すなわち、切換えスイッチ109をa端子からb端子に切換えた際に、速度ループの位置偏差θeと位置ループの位置偏差θe´とを同一にし得ることを説明する。
まず、切換えスイッチ109をa端子に投入して速度ループによりモータ117を制御している場合、位置指令信号θrから速度偏差Veまでの伝達特性は、上記(2)式及び図7(a)を参考にし、速度フィルタ回路106の伝達関数Gf(s)すると、下式となる。
Ve=θr・s・Gf(s)−Kv・Ve/s ・・・・・(9)
上記(1)式及び(9)式より位置指令信号θrと位置偏差θeとの比を求めると下式となる。
θe=θr・{s+Kv−Kv・Gf(s)}/(s+Kv) ・・・・(10)
切換えスイッチ109がa端子からb端子に切換えられて位置ループによりモータ117を制御している場合、位置偏差θe´は、上記(7)式となり、一定速時の位置偏差Θe´は上記(8)式になる。
上記(10)式における位置偏差θeによる一定速時の位置偏差Θeが上記(8)式の位置偏差Θe´(V/Kp)のようにその値が定数になるには、上記(10)式における分子のラプラス演算子sの次数を同一にし、分母に定数を含む式にすれば良い。分母に定数を含まずにラプラス演算子sの次数のみであれば、最終値定理によってs→0とすると、分母がゼロとなり、位置偏差Θeが無限大となるからである。
この要件を満たすには、伝達関数Gf(s)が=1/(1+sT)とするのが適当であり、Gf(s)=1/(1+sT)を上記(10)式に代入して下式を得る。
θe=θr・s[sT+(1+Kv・T)]/[s・T+s(1+Kv・T)+Kv]・・(11)
上記(11)式において、位置指令信号θr、ランプ入力1/s、速度Vとして一定速時における位置偏差Θeは、最終値定理により下式となる。
Figure 0004401720
この(12)式の位置偏差Θeと上記(8)式の位置偏差Θe´とが等しい場合に、切換えショックが発生しないので、上記(8)式と上記(12)式とを等しいとおいて、位置ゲインKpと速
度ゲインKvとの関係を求めると、下式となる。
Kp=(Kv・ωf)/(Kv+ωf) ・・・・(13)
ここに、ωf:時定数Tfの逆数である遮断角周波数(rad/s)
したがって、上記(13)式を満たすように位置ゲインKp,速度ゲインKvを設定する。かかる構成により図4に示すフローチャートにしたがって搬送システムを動作させると、第1位置に搬送車5が達すると、上位コントローラ20は切換え信号を発生してサーボ制御装置は切換えスイッチ109をa端子からb端子に倒して、濾過速度指令信号Vrfから速度指令信号Vr2に切換えて速度制御回路113、電流制御回路115を介してモータ117を駆動する。したがって、停止準備信号によりモータ117を一定区間の低速度走行を有することなく、モータ117の減速中に速度制御から位置制御に切換えても、モータ117の出力トルクが連続になるので、機械的なショックが低減される。
上記のように搬送車を効率よく移動して、正確に位置決めできる搬送システムの用途に適用できる。
一実施の形態を示す搬送システムの全体構成図である。 図1に示す搬送システムの制御系統図である。 図2に示すサーボ制御装置のブロック図である。 図1に示す搬送システムの動作を示すフローチャートである。 他の実施の形態を示すサーボ制御装置のブロック図である。 図2に示すサーボ制御装置の制御ブロック図である。 図2に示すサーボ制御装置の切換えスイッチをa端子に投入したブロック(a)、切換えスイッチをb端子に投入したブロック(b)である。 他の実施の形態を示すサーボ制御装置の制御ブロック図である。
符号の説明
5 搬送車、19 リニア位置検出器、107 位置制御回路、113 速度制御回路、117 モータ、119 エンコーダ、123 速度検出回路。

Claims (5)

  1. 予め定められた経路を移動する移動体を駆動するモータと、
    該モータの回転位置を検出して第1の位置検出信号を発生する第1の位置検出手段と、
    前記経路の所定の範囲に設けられた該範囲における前記移動体の位置を検出して第2の位置検出信号を発生する第2の位置検出手段と、
    前記第1の位置検出信号に基づいて前記モータの速度検出信号を生成する第1の速度検出手段と、
    第1の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる第1の速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第1の速度制御手段と、
    位置指令信号と前記第2の位置検出信号との差となる位置偏差信号に基づいて前記モータを駆動する第2の速度指令信号を発生する位置制御手段と、
    前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる第2の速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第2の速度制御手段と、
    前記第1又は第2の位置検出信号に基づいて、前記第2の位置検出手段の端部である第1の位置に前記移動体が達すると発生する切換え信号に基づいて前記第1の速度指令信号から第2の速度指令信号に切換えて前記第1の速度制御手段から前記第2の速度制御手段に切換える第1の切換え手段と、
    を備えたことを特徴とするモータの制御システム。
  2. 前記第2の位置検出信号に基づいて前記モータの速度検出信号を生成する第2の速度検出手段と、
    前記第1の切換え手段に同期すると共に、前記第1の速度検出手段から前記第2の速度検出手段に切換える第2の切換え手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のモータの制御システム。
  3. 前記移動体が前記第1の位置から停止目標位置よりも離れた方向となる第2の位置に達すると、発生する切換え準備信号に基づいて前記第1の速度指令信号よりも低い低速度指令信号を所定時間発生した後、前記第1の切換え手段を切換える制御手段を、
    備えたことを特徴とする請求項1に記載のモータの制御システム。
  4. 予め定められた経路を移動する移動体を駆動するモータと、
    該モータの回転位置を検出して第1の位置検出信号を発生する第1の位置検出手段と、
    前記経路の所定の範囲に設けられた該範囲における前記移動体の位置を検出して第2の位置検出信号を発生する第2の位置検出手段と、
    前記第1の位置検出信号に基づいて前記モータの速度検出信号を生成する速度検出手段と、
    位置指令信号と前記第2の位置検出信号との差となる位置偏差信号に基づいて前記モータを駆動する第2の速度指令信号を発生する位置制御手段と、
    第1の速度指令信号の周波数成分のうち、遮断周波数よりも高い周波数成分を除去すると共に、前記遮断周波数よりも低い周波数を通過して濾過速度指令信号を発生するフィルタ手段と、
    前記第2の速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第1の速度制御手段と、
    前記濾過速度指令信号と前記速度検出信号との差となる速度偏差信号に基づいて前記モータを駆動する電流指令信号を発生する第2の速度制御手段と、
    前記第1又は第2の位置検出信号に基づいて、前記第2の位置検出手段の端部である第1の位置に前記移動体が達すると発生する切換え信号に基づいて前記濾過速度指令信号から第2の速度指令信号に切換えると共に、前記第2の速度制御手段から前記第1の速度制御手段に切換える切換え手段と、
    を備えたことを特徴とするモータの制御システム。
  5. 前記フィルタ手段は、前記第1の速度指令信号を一次遅れにした前記濾過速度指令信号を発生する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータの制御システム。
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