JP4401768B2 - 洗剤粒子群の製法 - Google Patents
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さらに、噴霧乾燥する前のスラリー中に、特定の界面活性剤を極微少量含有させて噴霧乾燥を行なうことで、意外にも、被膜に欠損を生じた或いは表面が粗れた乾式中和に好適なベース顆粒群が得られ、陰イオン界面活性剤の高配合が可能となることを見出した。
工程(I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩及び0.0005〜1重量%の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤[(a)成分]を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩が10重量%以下のスラリーを調製する工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程、
工程(III):(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(c)成分]で乾式中和する工程、並びに
工程(IV):工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程
を含んでなる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の洗剤粒子群の製法に関する。
水溶性ポリマーとしては、有機系のポリマー、無機系のポリマーが挙げられ、例えば、有機系のポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール等が、無機系のポリマーとしては非晶質の珪酸塩等が挙げられるが、中でも、カルボン酸系ポリマーが好ましく、これらのカルボン酸系ポリマーの中でも洗浄力の点からアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩(対イオン:ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン等)が特に優れている。これらのカルボン酸系ポリマーの分子量は1000〜8000が好ましく、2000以上であって且つカルボキシル基を10個以上有するものがさらに好ましい。有機系のポリマーの量としては、ベース顆粒群中0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
したがって、(a)成分の被膜形成を抑制する観点から、スラリー(固形分に対して)中の(a)成分の含有量は、1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下である。また、表面被膜に欠損を生じる或いは表面が粗れた状態にする効果を発現させる観点から、0.0005重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.002重量%以上、更に好ましくは0.003重量%以上である。即ち、前記含有量は、ベース顆粒群中において0.0005〜1重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、より好ましく、0.002〜0.2重量%、更に好ましくは0.003〜0.1重量%である。
前記ベース顆粒群は、以下の工程(I)及び工程(II):
工程(I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩及び0.0005〜1重量%の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤[(a)成分]を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩が10重量%以下のスラリーを調製する工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程。
により調製される。
工程(I)は、ベース顆粒群を調製するためのスラリーを調製する工程である。スラリーは、主として、前記水溶性ポリマー、水溶性無機塩、0.0005〜1重量%(スラリー中の固形分換算)の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤、10重量%(スラリー中の固形分換算)以下の結晶性アルミノ珪酸塩及び水から構成されており、ポンプでの送液可能な状態に調製される。好ましくは、水分30〜70重量%のスラリーであり、より好ましくは35〜60重量%、更に好ましくは40〜56重量%である。また、スラリーの温度は、好ましくは30〜80℃であり、さらに好ましくは40〜70℃である。この範囲において、水溶性ポリマーや水溶性無機塩の溶解率や該スラリーの粘度の点から取り扱いが容易となり、好ましい。
工程(II)は工程(I)にて得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程である。
以上のようにして得られるベース顆粒群の平均粒径は、洗剤粒子群の溶解性の観点より、120〜400μmが好ましく、より好ましくは150〜350μmである。平均粒径は、例えば噴霧ノズル径、噴霧圧力及びスラリー粘度等によって調整することができる。
また、本発明のベース顆粒群の細孔容積に関しては、細孔径0.01〜4μmの細孔容積分布が0.2ml/g以上であることが好ましく、0.25ml/g以上がより好ましく、0.30ml/g以上が更に好ましい。細孔径及び細孔容積分布は、スラリー水分、活性剤添加量、無機塩量及び乾燥時の送風温度等で調整することができる。
工程(III):(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(c)成分]で乾式中和する工程、
工程(IV):工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程
により洗剤粒子群が製造される。
(c)成分である非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体とは、非石鹸性陰イオン界面活性剤の前駆体であって酸形態を示し、液状のものをいい、中和反応により塩を形成するものである。よって非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体としては公知の非石鹸性陰イオン界面活性剤の前駆体であって上記の性質を有するものであれば特に限定されないが、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、α−オレフィンスルホン酸(AOS)、アルキル硫酸(AS)、内部オレフィンスルホン酸、脂肪酸エステルスルホン酸、アルキルエーテル硫酸、ジアルキルスルホコハク酸等が挙げられる。このような(c)成分は一成分のみを用いても良く、二成分以上を組み合わせて用いても良い。中でも、経済性、保存安定性及び泡立ちの観点からは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)が好ましい。
本発明の洗剤粒子群は、洗剤粒子の更なる流動性の向上、保存安定性の向上を目的とし、流動助剤による表面改質を行うことが好ましい。
粉体原料は(b)ベース顆粒群と併用することで、界面活性剤の高配合及び、混合機内の付着の低減ができ、また洗浄力の向上を図ることができる。尚、ここで言う粉体原料とは、常温で粉末の界面活性剤以外の洗浄力強化剤或いは吸油剤を意味し、具体的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性珪酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能いずれも有する基剤等や、金属イオン封鎖能には乏しいが、高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート等を指す。
本発明の洗剤粒子群は、前記のように、工程(III)、工程(IV)により製造される。
工程(III)は、(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の(c)成分を混合し、乾式中和する工程である。工程(III)においては、(b)成分に対して(c)成分を均一に混合することが好ましい。添加方法としては、ノズルにて噴霧し、できるだけ均一に添加することが好ましい。
フルード数(Fr)=V2 /(R×g)
ここで、V:攪拌翼・解砕翼の先端の周速[ m/s]
R:攪拌翼・解砕翼の回転半径[ m]
g:重力加速度[ m/s2 ]
工程(IV)は工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程であり、工程(IV)を行うことにより、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性を向上させることができる。
前記製法により得られる洗剤粒子群は、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/Lのものである。
中でも、本発明による洗剤粒子群の好ましい物性は、以下の通りである。平均粒径は、好ましくは150〜650μm、更に好ましくは180〜400μmである。嵩密度は、好ましくは500〜1000g/L、より好ましくは600〜900g/L、更に好ましくは650〜850g/Lである。耐ケーキング性は、好ましくは篩通過率が90%以上、より好ましくは95%以上である。流動性は好ましくは8秒以下更に好ましくは7秒以下である。
粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベース顆粒群の平均粒径)
最終の洗剤粒子群とは、前記工程(I)〜(IV)を経て得られる洗剤粒子群のことをいう。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100
S : 洗剤粒子群の投入重量(g)
T : 篩上に残留した洗剤粒子群の乾燥重量(g)
ベース顆粒群及び洗剤粒子群の物性値は以下の方法で測定できる。
<篩通過率>
試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過した粉末重量を計り、試験後の試料に対する通過率(%)を求める。
流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間とする。
本発明に用いられるベース顆粒群の細孔容積分布は、水銀ポロシメータ(島津製作所(株)製「ポアサイザ9320」)を用いて測定することができる。
ベース顆粒群の細孔容積の測定は、島津製作所(株)製、「SHIMADZU製ポアサイザ9320」を用い、その取扱説明書に基づいて以下のように行う。即ち、ベース顆粒群をセルに入れ、圧入する水銀を低圧部(0〜14.2psia)と高圧部(14.2〜30000psia)に分け測定する。前後2個ずつのデータの移動平均をとって測定データの平滑化を行い、0.01〜4μmの範囲におけるモード径及び0.01〜4μmの細孔容積分布を求める。
log(log(100/R(Dp)))=n log(Dp/De)
R(Dp) :粒径Dpμm以上の粉体の累積率[%]
Dp :粒子径[μm]
De :平均粒子径[μm]
n :Rosin-Rammler 数[−]
本発明の洗剤組成物は、前記洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成分(例えば、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、粉末活性剤等)を含有する。この場合において、洗剤組成物は、前記洗剤粒子群を洗剤組成物中に50重量%以上含有することが好ましく、60重量%以上がより好ましく、80重量%以上が更に好ましい。これにより、保存安定性、溶解性に優れ、粒度分布のシャープな洗剤組成物を提供することができる。
攪拌翼を有した混合槽に脱イオン水を加え、水温が60℃に達した後に硫酸ナトリウム(「中性無水芒硝」、四国化成(株)製)、40重量%の2号珪酸ソーダ水溶液(富士化学(株)製)、トリポリ燐酸ソーダ(下関三井化学(株)製)の順で添加して10分間攪拌した。更に炭酸ナトリウム(「デンス灰」、セントラル硝子(株)製)を添加して5分間攪拌した。次いで、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(重量平均分子量10000、花王(株)製)を添加し、10分間攪拌した。その後、50重量%のLAS −Na水溶液(「ネオペレックスFS」、花王(株)製の中和物の水溶液)を添加して10分間攪拌した後、ラインミルにて循環粉砕しつつ60分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は59℃であった。このスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を得た。このベース顆粒群の組成及び物性を表1に示す。
得られたベース顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、図1に示すように、該顆粒表面に欠損が認められた(図1)。
続いて、ポリエチレングリコール(「K−PEG6000」、重量平均分子量8500、花王(株) 製)1 .0重量部を20秒間で添加し、回転数80r/min(フルード数1.1)、チョッパー停止にて2分間攪拌混合した。
続いて上記混合物と結晶性アルミノ珪酸塩(PQ Chemicals(thailand)社製、商品名「VALFOR100」)14重量部と粉砕機にて12μmに粉砕したトリポリ燐酸ソーダ5重量部を投入し、主軸180r/min(フルード数5.4)とチョッパー3600r/min(フルード数870)にて1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい、ケーキング性の低い粒子群であった。
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEM にて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められた。
続いて上記混合物と結晶性アルミノ珪酸塩(PQ Chemicals(thailand)社製、商品名「VALFOR100」)14重量部と粉砕機にて12μmに粉砕したトリポリ燐酸ソーダ5重量部を投入し、主軸180r/min(フルード数5.4)とチョッパー3600r/min(フルード数870)にて30秒間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、ケーキング性の低い、実施例1の洗剤粒子群よりも粒子成長の小さい粒子群であった。
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Na水溶液の替りにAS−Na(「エマール10パウダー」花王(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められた。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい、ケーキング性の低い粒子群であった。
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Na水溶液の替りに30重量%のES−Na(「エマール227−pH11」、花王(株)製)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められた。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい、ケーキング性の低い粒子群であった。
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Naを配合しない以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られたベース顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、図2に示すように、該顆粒表面に欠損が認められなかった。
得られた洗剤粒子群は、粒子成長度が大きい粒子群であった。
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Na水溶液の替りにパルミチン酸ナトリウム(「ルナックP−95」、花王(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められなかった。
得られた洗剤粒子群は、粒子成長度が大きい粒子群であった。
Claims (5)
- 工程(I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩及び0.0005〜0.5重量%の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤[(a)成分]を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩が10重量%以下のスラリーを調製する工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程、
工程(III):(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(c)成分]で乾式中和する工程、並びに
工程(IV):工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程
を含んでなる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の洗剤粒子群の製法。 - (b)成分の平均粒径が120〜400μm、嵩密度が350g/L以上、また水銀ポロシメータによる細孔容積分布のモード径が5μm以下であり、細孔径0.01〜4μmの細孔容積分布が0.2ml/g以上であり、粒子強度が50〜1000kgf/cm2 (ここで、1kgf/cm 2 =9.80665×10 -2 MPa)である請求項1記載の製法。
- (b)成分中の非晶質の珪酸塩の含有量が2〜15重量%である請求項1又は2記載の製法。
- 工程(III)において、攪拌翼を具備した混合機を用い、該撹拌翼のフルード数が0.5〜4の条件にて乾式中和を行う請求項1〜3いずれか記載の製法。
- 工程(III)において、(b)成分100重量部に対して5〜60重量部の非イオン界面活性剤を添加する工程を有する請求項1〜4いずれか記載の製法。
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