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JP4401768B2 - 洗剤粒子群の製法 - Google Patents
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JP4401768B2 - 洗剤粒子群の製法 - Google Patents

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Description

本発明は、非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体をベース顆粒群によって乾式中和してなる洗剤粒子群の製法に関する。
非石鹸性陰イオン界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートが主体の洗剤が多く製造されている。このような洗剤粒子群を製造する方法として、界面活性剤を直接添加するかわりに前記非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体をその場で炭酸ナトリウムのような水溶性固体アルカリ無機物質によって乾式中和する方法がある。
例えば、高速ミキサー/造粒機中、55℃以下の温度で乾式中和後、液体バインダーの添加により粒状化する洗剤組成物の製造方法(特許文献1)、高速ミキサー/造粒機中、55℃以上の温度で乾式中和後、液体バインダーの添加により粒状化する洗剤組成物の製造方法(特許文献2)、連続型高速ミキサーで乾式中和後中速ミキサーで高嵩密度化し、ついで冷却及び/又は乾燥することにより粒状化する洗剤組成物の製造方法(特許文献3)が開示されている。
しかしながら、これらの方法によって洗剤粒子を製造する場合、中和により生成した非石鹸性陰イオン界面活性剤の粘着性によって粒子が凝集/粗大化するのを抑制する為、混合用の攪拌機構と解砕/分散用の切断機構を高速度で作動させ、粒子状に維持する必要がある。この場合、攪拌/切断条件の最適化により所望の小さな粒径を有する洗剤粒子を製造することは可能であるが、収率良く得ることは困難であり、又、得られた粒子の粒度分布も幅広いものとなる。又、溶解性についても、前述のような従来の方法では、非石鹸性陰イオン界面活性剤がバインダーとなった出発原料の凝集粒子が比較的多く存在し、溶解性を向上することは容易ではない。
これらの課題を解決する方法として、前記酸前駆体中に無機酸を含有することにより、非石鹸性陰イオン界面活性剤の粘着性を抑制し、該陰イオン界面活性剤の含有量を高めることを可能とし、小さな粒径を有する洗剤粒子を収率良く得る製造方法が開示されている(特許文献4)。また、中和時の反応開始剤且つ反応促進剤として水を添加することで、未反応酸前駆体が結合剤として機能しないようにし団子の形成を抑制する製造方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、攪拌/切断によって小さな粒径へと凝集体を解砕している状況については同様であり、収率、粒度分布のシャープ化及び溶解性については改善の余地がある。
以上のように、乾式中和による方法は、陰イオン界面活性剤主体の洗剤粒子群を簡便に製造するのに適した方法であるが、原料の凝集物を解砕しながら造粒することが基本であり、該陰イオン界面活性剤を高配合するとその強いバインダー力のため、凝集が進行し、小粒径化が困難となり造粒収率も低下する。仮に、比較的小さな粒径範囲が解砕により得られても、粒度分布のシャープな溶解性に優れた洗剤粒子群を収率良く得ることは困難である。
一方、特許文献5、6には、乾燥効率向上のために界面活性剤を添加してもよいことが記載されており、実施例として2〜4重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを配合している。しかしながら、特許文献7、8では、界面活性剤を配合することで、得られる顆粒群の表面に被膜が形成される傾向があり、液状界面活性剤組成物に対する吸収速度が低下する傾向があるため、実質的に含有しないことが好ましいとしている。そして、界面活性剤を配合しない場合は、被膜形成阻止剤等を配合しなければ得られる顆粒群の表面に水溶性ポリマーと水溶性無機塩からなる非晶質の被膜が形成されるとしている。
特開平3−33199号公報 特開平4−363398号公報 特開平3−146599号公報 国際公開第98/10052号パンフレット 国際公開第99/29830号パンフレット 国際公開第00/077160号パンフレット 国際公開第00/077148号パンフレット 国際公開第00/077158号パンフレット
そこで、本発明者らは、前記の点について種々検討を行った結果、洗剤において粒度分布をシャープにすることで、外観が良好となるのに加え、流動性の向上といったメリットがあり、また、非石鹸性陰イオン界面活性剤主体の洗剤は手洗い洗濯に使用されることも多く、溶解性が向上することで使用感が向上するメリットがあるという意外な相乗効果が存在することを新たに発見した。
さらに、噴霧乾燥する前のスラリー中に、特定の界面活性剤を極微少量含有させて噴霧乾燥を行なうことで、意外にも、被膜に欠損を生じた或いは表面が粗れた乾式中和に好適なベース顆粒群が得られ、陰イオン界面活性剤の高配合が可能となることを見出した。
したがって、本発明の課題は、コンパクト洗剤に用いるために十分な嵩密度を有した上で、乾式中和による陰イオン界面活性剤を高配合した流動性、溶解性に優れた単核性の洗剤粒子群の製法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、
工程(I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩及び0.0005〜1重量%の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤[(a)成分]を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩が10重量%以下のスラリーを調製する工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程、
工程(III):(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(c)成分]で乾式中和する工程、並びに
工程(IV):工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程
を含んでなる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の洗剤粒子群の製法に関する。
本発明の洗剤粒子群の製法により、乾式中和による陰イオン界面活性剤の多量配合が可能となり、洗浄性能、溶解性及びケーキング性に優れた単核性洗剤粒子群が収率よく得られるという効果が奏される。
本発明に用いられるベース顆粒群は、前記のように、水溶性ポリマー、水溶性塩類及び0.0005〜1重量部の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩の含有量が10重量%以下のスラリーを噴霧乾燥して得られるものであり、かかる構成を有することで、コンパクト洗剤に用いるために十分な嵩密度を有した上で、非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体を乾式中和するのに好適なベース顆粒群が得られ、その結果、非石鹸性陰イオン界面活性剤を高配合した流動性、溶解性に優れた単核性の洗剤粒子群が得られるという効果が奏される。
1.ベース顆粒群[(b)成分]の組成
水溶性ポリマーとしては、有機系のポリマー、無機系のポリマーが挙げられ、例えば、有機系のポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール等が、無機系のポリマーとしては非晶質の珪酸塩等が挙げられるが、中でも、カルボン酸系ポリマーが好ましく、これらのカルボン酸系ポリマーの中でも洗浄力の点からアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩(対イオン:ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン等)が特に優れている。これらのカルボン酸系ポリマーの分子量は1000〜8000が好ましく、2000以上であって且つカルボキシル基を10個以上有するものがさらに好ましい。有機系のポリマーの量としては、ベース顆粒群中0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
又、粒子強度向上の観点からは有機系のポリマーと非晶質の珪酸塩等の無機系のポリマーを併用することが好ましく、特に2号珪酸ナトリウムが好ましい。スラリー中へ前記硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤を配合しても、ベース顆粒群の粒子強度を高く維持することが容易にできる観点から、有機系ポリマーと無機系ポリマーと併用することが好ましい。これらの無機系のポリマーの量としては、溶解性の観点から、ベース顆粒群中15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、8重量%以下が更に好ましく、また、粒子強度向上の点からは、ベース顆粒群中2重量%以上が好ましく5重量%以上が更に好ましい。
水溶性塩類は、炭酸根、炭酸水素根、硫酸根、亜硫酸根、硫酸水素根、塩酸根又はリン酸根等を有するアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩に代表される水溶性の無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の分子量が2000未満の低分子量の水溶性有機塩類がある。中でも結晶化促進の点から炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の水和性の無機塩類が好ましい。水溶性無機塩の量としては、イオン強度の観点からベース顆粒群中5〜80重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、20〜60重量%が更に好ましい。
(a)成分である硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤は、炭素数10〜18のアルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数12〜18のアルキル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキル硫酸塩(エチレンオキサイド平均付加モル数0.1〜3)が好ましく、特にナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン塩が好ましい。中でも、炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、少量でベース顆粒群の被膜に欠損を生じた或いは表面が粗れた乾式中和に好適なベース顆粒群が得られる点から好ましい。
また、工程(I)におけるスラリーが(a)成分を0.0005〜1重量%含有することは、本発明の一つの大きな特徴であるが、(a)成分の配合量が1重量%より多い場合は得られるベース顆粒群の表面に(a)成分である陰イオン界面活性剤の被膜が形成される傾向がある。また、(a)成分を配合しない場合は、被膜形成阻止剤等を配合しなければ得られるベース顆粒群の表面に水溶性ポリマーと水溶性無機塩からなる被膜が形成される傾向がある。
したがって、(a)成分の被膜形成を抑制する観点から、スラリー(固形分に対して)中の(a)成分の含有量は、1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下である。また、表面被膜に欠損を生じる或いは表面が粗れた状態にする効果を発現させる観点から、0.0005重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.002重量%以上、更に好ましくは0.003重量%以上である。即ち、前記含有量は、ベース顆粒群中において0.0005〜1重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、より好ましく、0.002〜0.2重量%、更に好ましくは0.003〜0.1重量%である。
また、該ベース顆粒群は、粒子強度及び洗浄性能の観点から、水不溶性無機物を更に含有することが好ましい。
水不溶性無機物は、アルミノ珪酸塩や、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイトに代表される粘土化合物等がある。中でもゼオライト等の結晶性アルミノ珪酸塩は洗剤組成物中で金属イオン封鎖剤として作用することから好ましい。
但し、ゼオライト使用に関しては陰イオン界面活性剤の酸前駆体を用いて乾式中和を伴うため、注意が必要である。ゼオライトの配合量としては、多量に配合すると乾式中和反応時に分解する可能性があり、ベース顆粒群中10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは実質的に配合しないことである。また、分解抑制の為、水酸化ナトリウム等の溶解性が高く、アルカリ強度の高い水溶性アルカリ剤と併用することで配合量を増加させることもできる。
ここで用いる水不溶性無機物の1次粒子の平均粒径は、走査式電子顕微鏡(SEM)等で測定することができる。平均粒径0.1〜20μm程度が好ましく、1次粒子の凝集体を用いることも可能である。水不溶性無機物の含有量は、経済性及び分散性の観点から、ベース顆粒群中、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
また、ベース顆粒群は、該ベース顆粒群から最終の洗剤組成物を調製した場合に好適な蛍光染料、顔料、染料等の補助成分を含んでもよい。
洗剤粒子群中のベース顆粒群の量としては、特に限定されないが、粒子成長度を抑制し、溶解性を向上させる観点から、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%以上が更に好ましい。一方、配合の自由度の観点からは、85重量%以下が好ましく、75重量%以下がより好ましい。
2.ベース顆粒群の製法
前記ベース顆粒群は、以下の工程(I)及び工程(II):
工程(I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩及び0.0005〜1重量%の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤[(a)成分]を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩が10重量%以下のスラリーを調製する工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程。
により調製される。
[工程(I)(スラリーの調製工程)]
工程(I)は、ベース顆粒群を調製するためのスラリーを調製する工程である。スラリーは、主として、前記水溶性ポリマー、水溶性無機塩、0.0005〜1重量%(スラリー中の固形分換算)の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤、10重量%(スラリー中の固形分換算)以下の結晶性アルミノ珪酸塩及びから構成されており、ポンプでの送液可能な状態に調製される。好ましくは、水分30〜70重量%のスラリーであり、より好ましくは35〜60重量%、更に好ましくは40〜56重量%である。また、スラリーの温度は、好ましくは30〜80℃であり、さらに好ましくは40〜70℃である。この範囲において、水溶性ポリマーや水溶性無機塩の溶解率や該スラリーの粘度の点から取り扱いが容易となり、好ましい。
また、前記各成分を添加、混合する順番としては、特に限定されないが、水溶性ポリマーや水溶性無機塩を添加した後、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤を添加することでスラリーの泡立ちが抑制できる点から好ましい。添加形態に関しては、粉末状、水溶液又は酸前駆体の状態でスラリー中に添加することができる。硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤を添加する場合は酸前駆体で添加し、スラリー中で中和を行うことで、予め中和物を調製する必要がなく使用に便利である。
[工程(II)(ベース顆粒群の調製工程)]
工程(II)は工程(I)にて得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程である。
スラリーの微粒化装置としては圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式のいずれでもよいが、得られるベース顆粒群の平均粒径が好ましくは120〜400μmであることから、圧力噴霧ノズルが特に好ましい。噴霧乾燥塔の熱効率や連続運転時の良好な安定性が得られるという観点から、噴霧乾燥塔に供給される高温ガスの温度(以下、送風温度という)としては好ましくは150〜300℃で、より好ましくは170〜250℃である。また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度(以下、排風温度という)は好ましくは70〜125℃で、より好ましくは80〜115℃である。噴霧乾燥塔としては、熱効率やベース顆粒群の粒子強度が向上することから向流塔がより好ましい。
3.ベース顆粒群の物性
以上のようにして得られるベース顆粒群の平均粒径は、洗剤粒子群の溶解性の観点より、120〜400μmが好ましく、より好ましくは150〜350μmである。平均粒径は、例えば噴霧ノズル径、噴霧圧力及びスラリー粘度等によって調整することができる。
ベース顆粒群の嵩密度は、本発明の様にベース顆粒群が乾式中和に用いられる場合はベース顆粒群中の反応エリアを増加させる観点からベース顆粒群の嵩密度は低い方が好ましいが、嵩密度が500g/L以上のコンパクト洗剤を得る観点より、350g/L以上が好ましく、より好ましくは400〜800g/Lである。嵩密度は、スラリー水分、スラリー中の(a)成分添加量、無機塩量及び乾燥時の送風温度等で調整することができる。
ベース顆粒群の粒子強度は、乾式中和を行う際にベース顆粒群が崩壊しないという観点より、好ましくは50〜1000kgf/cm2、より好ましくは100〜600kgf/cm2、更に好ましくは150〜400kgf/cm2である。粒子強度は、水溶性ポリマー量、スラリー水分、スラリー中の(a)成分添加量、無機塩量及び乾燥時の送風温度等で調整することができる。本明細書において、1kgf/cm 2 =9.80665×10 -2 MPaである。
ベース顆粒群の水分量は、ベース顆粒群の取り扱い性の観点より、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%である。水分量は、送風量や送風温度等で調整することができる。
かかる方法で得られるベース顆粒群の表面状態は、被膜が欠損している或いは粗れていることが特徴である。本発明でいう被膜の欠損或いは粗れているとは、顆粒の内部に顆粒の外部から添加される高粘度物質またはペースト状物質(陰イオン界面活性剤の酸前駆体とその中和物の混合物)が容易に到達できる程度に被膜が物理的に部分的に破損している状態を意味する。その形態としては、程度の違いにより、被膜の部分的な剥離や亀裂、開孔等がある。これらは、何れもSEM等の電子顕微鏡を用いて500〜2000倍で観察して、確認することができる。
また、前記ベース顆粒群の内部構造は、細孔容積分布として水銀ポロシメーターを用いて確認することができる。水銀ポロシメーター(例えば、島津製作所(株)製「ポアサイザ9320」)で測定されるベース顆粒内部の細孔径あたりの細孔容積の分布(以下、細孔容積分布という)において、細孔容積がより大きければ、液状組成物の担持容量は多くなり、そして、細孔径はより小さい方が、毛管現象により一旦吸収した液状組成物を保持する能力(担持力)は高くなる。従って、細孔容積分布のモード径(得られる細孔容積分布中、最大の細孔容積を有する細孔径)が5μm以下であることが好ましく、4μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましく、2μm以下が中でも好ましい。
また、本発明のベース顆粒群の細孔容積に関しては、細孔径0.01〜4μmの細孔容積分布が0.2ml/g以上であることが好ましく、0.25ml/g以上がより好ましく、0.30ml/g以上が更に好ましい。細孔径及び細孔容積分布は、スラリー水分、活性剤添加量、無機塩量及び乾燥時の送風温度等で調整することができる。
本発明においては、前記のようにして得られたベース顆粒群を用いて、以下の工程(III)及び工程(IV):
工程(III):(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(c)成分]で乾式中和する工程、
工程(IV):工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程
により洗剤粒子群が製造される。
4.(c)成分:非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体
(c)成分である非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体とは、非石鹸性陰イオン界面活性剤の前駆体であって酸形態を示し、液状のものをいい、中和反応により塩を形成するものである。よって非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体としては公知の非石鹸性陰イオン界面活性剤の前駆体であって上記の性質を有するものであれば特に限定されないが、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、α−オレフィンスルホン酸(AOS)、アルキル硫酸(AS)、内部オレフィンスルホン酸、脂肪酸エステルスルホン酸、アルキルエーテル硫酸、ジアルキルスルホコハク酸等が挙げられる。このような(c)成分は一成分のみを用いても良く、二成分以上を組み合わせて用いても良い。中でも、経済性、保存安定性及び泡立ちの観点からは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)が好ましい。
(c)成分の量としては、洗浄力及の観点から(b)成分100重量部に対して30重量部以上であり、35重量部以上が好ましく、40重量部以上がより好ましい。一方、粒度分布のシャープさを維持し、かつ(c)成分の中和物の連続相による溶解性低下を抑制する観点から、(b)成分100重量部に対して60重量部以下であり、55重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましい。即ち、(c)成分の量としては、(b)成分100重量部に対して30〜60重量部、好ましくは35〜55重量部、より好ましくは40〜50重量部である。
5.(d)成分:流動助剤
本発明の洗剤粒子群は、洗剤粒子の更なる流動性の向上、保存安定性の向上を目的とし、流動助剤による表面改質を行うことが好ましい。
流動助剤としては、通常用いられる公知のものが使用でき、トリポリリン酸ナトリウム、結晶性もしくは非晶質のアルミノ珪酸塩、ケイソウ土、シリカ等が好適に用いられる。中でも、キレート能を持つトリポリリン酸ナトリウム、ゼオライトが好ましい。キレート能を持つ物質により表面改質することにより、洗浄初期からキレート能が作用し、洗浄能力が向上するためである。流動特性の観点からはゼオライトがより好ましく、すすぎ性の観点からはトリポリリン酸ナトリウムがより好ましい。また、常温で粉末の界面活性剤も流動助剤として使用でき、洗濯時の起泡力といった泡挙動の最適化や洗浄能力の向上に有効である。
尚、流動助剤として使用する粒子は、被覆性の観点から、洗剤粒子群の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径を持つことが望ましい。そのため、所望の粒径まで粉砕機を用いて粉砕することも有効な手段である。該微粉体の平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)、または顕微鏡観察による測定等で測定される。また、添加する順番に関しては、粒径の大きいものから添加すると流動性の観点から好ましい。
又、流動助剤の量は、流動特性を維持する観点から、洗剤粒子群中、2〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましい。
尚、流動助剤としてゼオライトを用いる場合は、分解抑制の観点から中和反応が終了した後に表面改質することが好ましい。
6.(b)成分以外の粉体原料
粉体原料は(b)ベース顆粒群と併用することで、界面活性剤の高配合及び、混合機内の付着の低減ができ、また洗浄力の向上を図ることができる。尚、ここで言う粉体原料とは、常温で粉末の界面活性剤以外の洗浄力強化剤或いは吸油剤を意味し、具体的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性珪酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能いずれも有する基剤等や、金属イオン封鎖能には乏しいが、高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート等を指す。
該粉体原料の配合量は、(b)成分100重量部に対し0〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは3〜15重量部である。この範囲において、生産性並びに洗浄力のより向上した洗剤粒子群が得られる。
7.洗剤粒子群の製造方法
本発明の洗剤粒子群は、前記のように、工程(III)、工程(IV)により製造される。
7−1.工程(III)
工程(III)は、(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の(c)成分を混合し、乾式中和する工程である。工程(III)においては、(b)成分に対して(c)成分を均一に混合することが好ましい。添加方法としては、ノズルにて噴霧し、できるだけ均一に添加することが好ましい。
また、工程(III)において、(b)成分に該(b)成分100重量部に対して5〜60重量部の非イオン界面活性剤をさらに添加することは、洗浄性能の向上や(c)成分の中和物の粘性を抑制することで、粒子成長を抑制し非石鹸性陰イオン界面活性剤の高配合ができるという観点から好ましい。
非イオン界面活性剤としては、洗浄力の点から融点が30℃以下のものが好ましく、より好ましくは25℃以下のものである。特に炭素数10〜14のアルコールにアルキレンオキシドを6〜10モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
非イオン界面活性剤の添加順序は特に限定されないが、(1):(c)成分を添加した後非イオン界面活性剤を添加する方法、(2):非イオン界面活性剤を添加した後(c)成分を添加する方法、(3):(c)成分と非イオン界面活性剤を同時に添加する方法、(4):非イオン界面活性剤と(c)成分の一部又は全部を予め混合した後、残りの(c)成分を添加する方法等がある。
添加方法は、例えば細孔容積や細孔径といったベース顆粒群の物性、非イオン界面活性剤の種類や添加量及び耐酸性、或いは非石鹸性陰イオン界面活性剤の種類や添加量によって適宜選択すればよいが、(2)、(3)、(4)の添加方法を用いることにより、非石鹸性陰イオン界面活性剤の高配合時に、より粒子成長を抑制した洗剤粒子群を得ることができる。
工程(III)における(b)成分と(c)成分との混合条件は、(b)成分が実質的に崩壊しない程度の混合条件を選択すればよい。例えば、攪拌翼を具備した混合機を用いる場合、好ましくは機内に具備された撹拌翼のフルード数が0.5〜4、更に好ましくは0.5〜2、特に好ましくは0.8〜1.4に調整することが望ましい。
さらに、攪拌翼及び解砕翼を具備する混合機を用いてもよい。かかる混合機を用いて乾式中和する場合、従来では凝集物の解砕及び混合を促進する点から該解砕翼を高速回転させることが通例であった。しかしながら本発明においては、かかる場合、(b)成分の崩壊を抑制する観点から、解砕翼を実質的に回転させないことが好ましい。解砕翼を実質的に回転させないとは、該解砕翼を全く回転させないこと、又は該解砕翼の形状、大きさ等を鑑みて、(b)成分を実質的に崩壊させない範囲内で、該解砕翼近傍の各種原料の滞留を防止する目的で該解砕翼を回転させることをいう。具体的にはフルード数として好ましくは200以下、より好ましくは100以下である。
本工程において、(a)成分が実質的に崩壊していない状態とは、混合物中の(b)成分の70%以上がその形態を維持している状態をいう。その確認方法として、例えば有機溶媒を用いて得られた混合物から可溶分を抽出して得られた後の粒子をSEM観察する方法が挙げられる。(b)成分が実質的に崩壊していない場合、洗剤粒子群の溶解性、流動性の向上という利点がある。
本発明で定義するフルード数は、下式にて算出する。
フルード数(Fr)=V2 /(R×g)
ここで、V:攪拌翼・解砕翼の先端の周速[ m/s]
R:攪拌翼・解砕翼の回転半径[ m]
g:重力加速度[ m/s2 ]
乾式中和時の混合物の温度は、(c)成分が中和されることによる増粘を抑制する為、温度が高い方が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。また、(c)成分や非イオン界面活性剤の熱安定性の点から、100℃以下が好ましく、95℃以下が更に好ましい。混合物の温度を高くすることで、(c)成分の中和物の粘度が抑制され、中和物をより容易に(b)成分に浸透させることができる。中和時の温度の調整はジャケット等により行うことができ、ジャケットを備えた構造が好ましい。また、投入原料の温度調整により行うこともできる。
中和時間は(c)成分添加終了後2 分〜10分程度が好ましく、3分〜8分程度が更に好ましい。
好ましい混合装置として具体的には、以下のものが挙げられる。回分式で行う場合は、(イ)〜(ハ)のものが好ましい。(イ)ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等、(ロ)リボンミキサー(日和機械工業(株)製)等、(ハ)ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。上記の混合機の中でさらに好ましくは、レディゲミキサー、プロシェアミキサー等がある。また、上記の混合機の連続型の装置を用いてベース顆粒群と界面活性剤を混合させてもよい。また、上記以外の混合機の連続型の装置としては、フレキソミックス型((株)パウレック製)、タービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
7−2.工程(IV)
工程(IV)は工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程であり、工程(IV)を行うことにより、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性を向上させることができる。
工程(IV)の混合条件としては、好ましくは混合機内に具備された撹拌翼のフルード数が好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、解砕翼が具備されている場合は該解砕翼のフルード数が好ましくは200以上、より好ましくは500以上である。周速がこの範囲であれば、流動性の優れた単核性洗剤粒子が得られる。
上記条件で流動助剤[(d)成分]を工程(III) で得られた混合物と混合させることで、流動助剤がベース顆粒の表面を被覆し、流動性に優れた単核性洗剤粒子が得られるが、添加する順番に関して、粒径の大きいものから添加すると流動性の向上の観点から好ましい。また、混合物が中和物の粘着力により弱い凝集を起こしている場合は、流動助剤は混合初期において連続層を断ち切る粉砕助剤としての機能を有する。
好ましい混合装置としては、工程(III)で例示した混合装置が好ましい。更に混合装置内にチョッパーのような解砕翼を備えている混合装置が好ましく、そのような装置としてレディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)等がある。
混合時間は、0.5〜3分程度が好ましい。また、混合物の温度は中和物の粘度を抑制する点から40℃以上が好ましく50℃以上がより好ましい。また、(c)成分及び非イオン界面活性剤の熱安定性の点から100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。
8.洗剤粒子群の物性
前記製法により得られる洗剤粒子群は、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/Lのものである。
中でも、本発明による洗剤粒子群の好ましい物性は、以下の通りである。平均粒径は、好ましくは150〜650μm、更に好ましくは180〜400μmである。嵩密度は、好ましくは500〜1000g/L、より好ましくは600〜900g/L、更に好ましくは650〜850g/Lである。耐ケーキング性は、好ましくは篩通過率が90%以上、より好ましくは95%以上である。流動性は好ましくは8秒以下更に好ましくは7秒以下である。
また、洗剤粒子群は、洗剤粒子の溶解性を高め、洗浄成分の機能を早期に発現させる観点から、単核性の洗剤粒子群であることが好ましい。「単核性の洗剤粒子群」とは、単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群を意味する。「単核性洗剤粒子」とは、ベース顆粒群に界面活性剤組成物が担持されてなる洗剤粒子であって、1個の洗剤粒子の中に1個のベース顆粒を核として有する洗剤粒子をいう。
単核性を表現する因子として、次式で定義される粒子成長度を用いることができ、好ましい粒子成長度は0.95〜1.4、より好ましくは1.0〜1.35、更に好ましくは1.05〜1.3である。
粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベース顆粒群の平均粒径)
最終の洗剤粒子群とは、前記工程(I)〜(IV)を経て得られる洗剤粒子群のことをいう。
洗剤粒子群の単核性の確認方法について例示すると、単核性は下記(a)法、(b)法、(c)法のうち少なくとも一つの方法により確認することができる。(a)法:洗剤粒子群の平均粒径付近から任意にサンプリングした洗剤粒子を切断し、洗剤粒子内における担持用顆粒の有無及びその個数を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによって洗剤粒子の単核性を確認する方法。(b)法:洗剤粒子内の担持用顆粒中の水溶性ポリマーを溶解しない有機溶媒(例えば、担持用顆粒中に、水溶性ポリマーとしてポリアクリル酸塩、界面活性剤として陰イオン性界面活性剤(LAS)や非イオン性界面活性剤が存在する場合、エタノールを好適に用いることができる)により、洗剤粒子中の有機溶媒可溶分を抽出し、その後の有機溶媒不溶分をSEM観察によって観察する方法。即ち、1個の洗剤粒子を上記有機溶媒で処理して得た有機溶媒不溶分に1個の担持用顆粒が存在する場合、単核性の洗剤粒子であることがわかる。(c)法:樹脂で包理した洗剤粒子の切断面の2次元の元素分布をエネルギー分散形X線分光器(EDS)や電子線マイクロアナライザー(EPMA)等で検出することによって洗剤粒子の単核性を確認する方法。
本発明の製法により得られる洗剤粒子群は高速溶解性を実現することができる場合が好ましい。高速溶解とは、以下の方法で算出される洗剤粒子群の溶解率が90%以上である性質をいう。
25℃に調整した71.2mgCaCO3 /Lに相当する1Lの硬水(Ca/Mgのモル比7/3)を1Lビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1Lガラスビーカー)の中に満たし、25℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800r/min)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなるように縮分・秤量した洗剤粒子を攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中の洗剤粒子分散液を重量既知のJIS Z 8801(ASTM No.200に相当)規定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗剤粒子を篩と共に重量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。回収した洗剤粒子の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、乾燥した洗剤粒子の溶残物と篩と回収容器の合計の重量を測定し、篩上に残留した洗剤粒子群の乾燥重量を求める。そして、次式によって洗剤粒子群の溶解率(%)を算出する。尚、重量の測定は精密天秤を用いて行うこととする。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100
S : 洗剤粒子群の投入重量(g)
T : 篩上に残留した洗剤粒子群の乾燥重量(g)
10.ベース顆粒群及び洗剤粒子群の物性の測定方法
ベース顆粒群及び洗剤粒子群の物性値は以下の方法で測定できる。
1)平均粒径:JIS Z 8801規定の標準篩を用いて5分間振動させた後、各篩目のサイズによる重量分布から測定できる。
2)嵩密度:JIS K 3362規定の方法により測定できる。
3)粒子強度:内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に、試料20gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)、TVP1型タッピング式密充填カサ密度測定器、タッピング条件;周期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行い、その時の試料高さ(初期試料高さ)を測定する。その後、加圧試験機にて容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−変位曲線の測定を行い、変位率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積で除した値を粒子強度とする。
4)水分量:ベース顆粒群の水分測定は赤外線水分計法により行う。即ち、試料3gを重量既知の試料皿にはかり採り、赤外線水分計(ケット科学研究所(株)製(赤外線ランプ185W))により3分間試料の加熱、乾燥を行う。乾燥後、試料皿と乾燥試料の重量をはかる。前記操作により得られた乾燥前後の容器と試料の重量の差分を試料のはかり採り量で除し100を掛けることにより試料中の水分量を計算する。
5)耐ケーキング性:JIS P 3801に規定される2種型ろ紙(例えば、東洋濾紙(株)製「定性No.2濾紙」)を用いた縦×横×高さ=10cm×6cm×4cmの上面が開口した容器を作る。この箱に試料100gを入れ、その上にアクリル樹脂板と鉛板(又は鉄板)の合計重量15g+250gをのせる。これを温度30℃、湿度80%の恒温恒湿器中に放置し、7日後にケーキング状態について判定を行う。判定は、以下のようにして通過率を求めることによって行う。通過率が高いほど、耐ケーキング性が高く、洗剤粒子群として好ましい物性である。
<篩通過率>
試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過した粉末重量を計り、試験後の試料に対する通過率(%)を求める。
6)流動性
流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間とする。
7)ピーク細孔径(モード径)
本発明に用いられるベース顆粒群の細孔容積分布は、水銀ポロシメータ(島津製作所(株)製「ポアサイザ9320」)を用いて測定することができる。
8)細孔容積分布
ベース顆粒群の細孔容積の測定は、島津製作所(株)製、「SHIMADZU製ポアサイザ9320」を用い、その取扱説明書に基づいて以下のように行う。即ち、ベース顆粒群をセルに入れ、圧入する水銀を低圧部(0〜14.2psia)と高圧部(14.2〜30000psia)に分け測定する。前後2個ずつのデータの移動平均をとって測定データの平滑化を行い、0.01〜4μmの範囲におけるモード径及び0.01〜4μmの細孔容積分布を求める。
洗剤粒子群のRosin-Rammler 数(n)は、値が大きい程、粒度分布がシャープであることを示すが、nとしては2.0以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、3.0以上が更に好ましい。
Rosin-Rammler 数(n)の算出には以下の式を用いる。
log(log(100/R(Dp)))=n log(Dp/De)
R(Dp) :粒径Dpμm以上の粉体の累積率[%]
Dp :粒子径[μm]
De :平均粒子径[μm]
n :Rosin-Rammler 数[−]
洗剤粒子群の収率は、平均粒径を測定した際に1000μmの篩目を通過した試料の重量分率から求められる。かかる収率は90%以上が好ましく、92%以上がより好ましく95%以上が更に好ましい。
かかる物性を有する本発明の洗剤粒子群は、衣料用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤等の洗剤組成物に好適に使用することができる。
9.洗剤組成物
本発明の洗剤組成物は、前記洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成分(例えば、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、粉末活性剤等)を含有する。この場合において、洗剤組成物は、前記洗剤粒子群を洗剤組成物中に50重量%以上含有することが好ましく、60重量%以上がより好ましく、80重量%以上が更に好ましい。これにより、保存安定性、溶解性に優れ、粒度分布のシャープな洗剤組成物を提供することができる。
実施例1
攪拌翼を有した混合槽に脱イオン水を加え、水温が60℃に達した後に硫酸ナトリウム(「中性無水芒硝」、四国化成(株)製)、40重量%の2号珪酸ソーダ水溶液(富士化学(株)製)、トリポリ燐酸ソーダ(下関三井化学(株)製)の順で添加して10分間攪拌した。更に炭酸ナトリウム(「デンス灰」、セントラル硝子(株)製)を添加して5分間攪拌した。次いで、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(重量平均分子量10000、花王(株)製)を添加し、10分間攪拌した。その後、50重量%のLAS −Na水溶液(「ネオペレックスFS」、花王(株)製の中和物の水溶液)を添加して10分間攪拌した後、ラインミルにて循環粉砕しつつ60分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は59℃であった。このスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を得た。このベース顆粒群の組成及び物性を表1に示す。
得られたベース顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、図1に示すように、該顆粒表面に欠損が認められた(図1)。
次に、得られたベース顆粒群47重量部、炭酸ナトリウム(「デンス灰」、セントラル硝子(株)製)10重量部、重炭酸ナトリウム(東ソー(株)製)3重量部をレディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付き)に投入し、主軸80r/min(フルード数1.1)、チョッパー停止で1分間攪拌を行なった。続いて、LAS前駆体20重量部(「ネオペレックスFS」、花王(株)製)を2分間で投入し、回転数80r/min(フルード数1.1)、チョッパー停止にて6分間攪拌混合して乾式中和反応を行った。
続いて、ポリエチレングリコール(「K−PEG6000」、重量平均分子量8500、花王(株) 製)1 .0重量部を20秒間で添加し、回転数80r/min(フルード数1.1)、チョッパー停止にて2分間攪拌混合した。
続いて上記混合物と結晶性アルミノ珪酸塩(PQ Chemicals(thailand)社製、商品名「VALFOR100」)14重量部と粉砕機にて12μmに粉砕したトリポリ燐酸ソーダ5重量部を投入し、主軸180r/min(フルード数5.4)とチョッパー3600r/min(フルード数870)にて1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい、ケーキング性の低い粒子群であった。
実施例2
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEM にて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められた。
次に、得られたベース顆粒群47重量部、炭酸ナトリウム(「デンス灰」、セントラル硝子(株)製)5重量部、重炭酸ナトリウム(東ソー(株)製)3重量部をリボンミキサー(不二パウダル(株)製、容量90L、ジャケット付き)に投入し、回転数60r/min(フルード数0.8)で1分間攪拌を行なった。続いて、下記液状界面活性剤組成物を1分間で投入し、回転数60r/minにて1分間攪拌を行なった後に、LAS前駆体20重量部(「ネオペレックスFS」、花王(株)製)を2分間で投入し、回転数60r/minにて6分間攪拌混合して乾式中和反応を行った。
続いて上記混合物と結晶性アルミノ珪酸塩(PQ Chemicals(thailand)社製、商品名「VALFOR100」)14重量部と粉砕機にて12μmに粉砕したトリポリ燐酸ソーダ5重量部を投入し、主軸180r/min(フルード数5.4)とチョッパー3600r/min(フルード数870)にて30秒間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、ケーキング性の低い、実施例1の洗剤粒子群よりも粒子成長の小さい粒子群であった。
なお、液状界面活性剤組成物は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(「エマルゲン108KM」、EO8.5、花王(株)製)5重量部、ポリエチレングリコール(「K−PEG6000」、重量平均分子量8500、花王(株) 製)1重量部を60℃の条件下で混合して作製した。
実施例3
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Na水溶液の替りにAS−Na(「エマール10パウダー」花王(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められた。
次いで、得られたベース顆粒群を用いる以外は実施例2と同様にして洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい、ケーキング性の低い粒子群であった。
実施例4
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Na水溶液の替りに30重量%のES−Na(「エマール227−pH11」、花王(株)製)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められた。
次いで、得られたベース顆粒群を用いる以外は実施例2と同様にして洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい、ケーキング性の低い粒子群であった。
比較例1
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Naを配合しない以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られたベース顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、図2に示すように、該顆粒表面に欠損が認められなかった。
次いで、得られたベース顆粒群を用いる以外は実施例1と同様にして洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、粒子成長度が大きい粒子群であった。
比較例2
表1に示す組成となるようにベース顆粒群用のスラリーを調製し、LAS−Na水溶液の替りにパルミチン酸ナトリウム(「ルナックP−95」、花王(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にしてベース顆粒群を調製した。得られたベース顆粒群の物性を表1に示す。
得られた顆粒群の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面に欠損が認められなかった。
次いで、得られたベース顆粒群を用いる以外は実施例2と同様にして洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は、粒子成長度が大きい粒子群であった。
Figure 0004401768
Figure 0004401768
表1、2の結果より、実施例1〜4で得られたベース顆粒群を用いて得られる洗剤粒子群は、比較例1〜2で得られたものに比べて、いずれも粒度分布がシャープなものであり、造粒収率が高く、粒子成長度が小さい流動性に優れたものであることがわかる。
本発明の製法により得られる洗剤粒子群は、衣料用粉末洗剤、自動食器用洗剤等に好適に使用される。
図1は、実施例1で得られたベース顆粒群表面のSEM像を示す。 図2は、比較例1で得られたベース顆粒群表面のSEM像を示す。

Claims (5)

  1. 工程(I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩及び0.0005〜0.5重量%の硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤[(a)成分]を含有し、且つ結晶性アルミノ珪酸塩が10重量%以下のスラリーを調製する工程、
    工程(II):工程(I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群[(b)成分]を調製する工程、
    工程(III):(b)成分を(b)成分100重量部に対して30〜60重量部の非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(c)成分]で乾式中和する工程、並びに
    工程(IV):工程(III)で得られる混合物に流動助剤[(d)成分]を添加して表面改質を行う工程
    を含んでなる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の洗剤粒子群の製法。
  2. (b)成分の平均粒径が120〜400μm、嵩密度が350g/L以上、また水銀ポロシメータによる細孔容積分布のモード径が5μm以下であり、細孔径0.01〜4μmの細孔容積分布が0.2ml/g以上であり、粒子強度が50〜1000kgf/cm2 (ここで、1kgf/cm 2 =9.80665×10 -2 MPa)である請求項1記載の製法。
  3. (b)成分中の非晶質の珪酸塩の含有量が2〜15重量%である請求項1又は2記載の製法。
  4. 工程(III)において、攪拌翼を具備した混合機を用い、該撹拌翼のフルード数が0.5〜4の条件にて乾式中和を行う請求項1〜3いずれか記載の製法。
  5. 工程(III)において、(b)成分100重量部に対して5〜60重量部の非イオン界面活性剤を添加する工程を有する請求項1〜4いずれか記載の製法。
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