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JP4402199B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents
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JP4402199B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気圧縮機、真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール式流体機械は、ケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、前記固定スクロールと軸方向で摺接する旋回スクロールと、該旋回スクロールと固定スクロールとの間に画成された複数の圧縮室とを備えたものが知られている。
【0003】
この種の従来技術によるスクロール式流体機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロールを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出する。
【0004】
また、他の従来技術では、第1,第2の固定スクロールを軸方向に離間して対向配置すると共に、該第1,第2の固定スクロール間には鏡板の両面側にそれぞれラップ部が設けられた旋回スクロールを旋回可能に設け、この旋回スクロールの各ラップ部と各固定スクロールのラップ部との間でそれぞれ複数の圧縮室を画成する構成としたものも知られている(特開平7−103151号公報等)。
【0005】
この他の従来技術は、圧縮運転時に第1の固定スクロールと旋回スクロールとの間の圧縮室内で発生するスラスト荷重と第2の固定スクロールと旋回スクロールとの間の圧縮室内で発生するスラスト荷重とを互いに相殺し、旋回スクロールの挙動の安定化等を図る構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した他の従来技術によるスクロール式流体機械では、第1の固定スクロールと旋回スクロールとの間の圧縮室内で発生するスラスト荷重(以下、スラスト荷重F1 という)と、第2の固定スクロールと旋回スクロールとの間の圧縮室内で発生するスラスト荷重(以下、スラスト荷重F2 という)とを互いに軸方向で相殺する構成となっている。
【0007】
しかし、圧縮運転時に第1の固定スクロール側の圧縮室内、第2の固定スクロール側の圧縮室内にはそれぞれ圧力変動が生じるため、前記スラスト荷重F1 ,F2 を互いに完全にバランスさせることは難しいのが実状である。
【0008】
そして、このようにスラスト荷重F1 ,F2 のバランスの安定性が悪くなると、旋回スクロールが第1,第2の固定スクロール間で軸方向に振動し、旋回時の挙動が不安定になるという問題がある。
【0009】
また、このような旋回スクロールの振動を最小限に抑えるために、例えば旋回スクロールの鏡板両面側にそれぞれスラスト受けを設け、該各スラスト受けによって前記スラスト荷重F1 ,F2 をそれぞれ支持する方法も考えられる。
【0010】
しかし、この場合にはスラスト受けが2個必要になり、これらのスラスト受けによって、流体機械の構造の複雑化、大型化等を招き、全体の製作コスト等が高くつくという問題がある。
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、圧縮運転時に圧縮室内で圧力変動が生じた場合でも、旋回スクロールの挙動を常に安定させることができると共に、構造の簡略化、製作コストの低減化等を図ることができるようにしたスクロール式流体機械を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明によるスクロール式流体機械は、ケーシングと該ケーシングの軸線上に位置して該ケーシングの両端側に固定的に設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された第1,第2の固定スクロールとからなる固定側部材と、該第1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケーシング内に設けられ、ロータとステータとが前記ケーシングの軸線と同一方向となるように配置された電動機と、該電動機と前記第1,第2の固定スクロールとの間に位置して外周側が前記ケーシングに固定的に設けられた外輪、該外輪の内周側に回転可能に設けられ内周側が外輪の軸線に対して径方向に偏心した偏心軸線を有する中輪および該中輪の内周側に回転可能に設けられ前記偏心軸線を中心として回転可能な内輪からなる第1,第2の偏心軸受と、前記電動機のロータを挟んで該各偏心軸受の中輪間に位置して設けられた中空軸体からなり前記ロータによって前記中輪と一体に回転する回転軸と、該回転軸内を前記偏心軸線上に遊嵌して設けられ、前記各偏心軸受の内輪内周側に固定的に支持されて前記各内輪と一体に旋回運動すると共に、軸方向の両端側で前記第1,第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を相殺して支持する旋回軸と、前記第1,第2の固定スクロールと対面して該旋回軸の両端側に固定的に設けられ、鏡板に前記第1,第2の固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された第1,第2の旋回スクロールと、該第1,第2の旋回スクロールのうち少なくともいずれか一方の旋回スクロールと前記固定側部材との間に設けられ、該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備え、前記第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重に比較して大となるように設定し、前記ケーシングの内周側には、前記第1の旋回スクロールの背面側に位置して該第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を前記旋回軸と共に支持するための補助スラスト受けを設ける構成としている。
【0013】
このように構成したことにより、電動機を作動してロータを回転すると、該ロータによって回転軸は回転運動を行い、このときに偏心軸受の中輪は外輪の内周側で回転軸と一体に回転運動を行う。そして、偏心軸受の中輪は、内周側が外輪の軸線に対して径方向に偏心した偏心軸線を有し、この中輪の内周側には前記偏心軸線を中心として回転する内輪を設けているから、前述の如く中輪が回転することにより、旋回軸は内輪と一体に旋回運動を行い、第1,第2の旋回スクロールをそれぞれ自転防止機構によって回転が防止された状態で旋回させることができる。
【0014】
従って、ケーシングに固定的に設けられた第1,第2の固定スクロールに対して第1,第2の旋回スクロールが旋回運動すると、複数の圧縮室に吸込まれた流体は徐々に圧縮される。
【0015】
また、このような圧縮運転時には第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重と第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重とを、旋回軸によって相殺して支持することができる。
【0016】
ここで、第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重は、第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重よりも大きく設定されているから、第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重の一部をこの背面側に設けられた補助スラスト受けによって支持することができる。これにより、圧縮室内に小さな圧力変動等が生じた場合でも、第1の旋回スクロールを補助スラスト受けに常に押付けることができ、各旋回スクロールの両方を1個の補助スラスト受けによって軸方向に位置決めした状態で安定して旋回させることができる。
【0017】
また、請求項2の発明は、ケーシングには第1,第2の固定スクロールのラップ部内周側にそれぞれ位置して第1,第2の吐出口を設け、該第1の吐出口の通路抵抗は前記第2の吐出口の通路抵抗に比較して大となるように設定している。
【0018】
これにより、圧縮運転時に第1の吐出口の通路抵抗を、第2の吐出口の通路抵抗に比較して大きくできるから、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室内の圧力を、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室内の圧力よりも高い状態に保持することができる。この結果、第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重は、第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重よりも大きくすることができる。
【0019】
また、請求項3の発明は、ケーシングには第1,第2の固定スクロールのラップ部外周側にそれぞれ位置して第1,第2の吸込口を設け、該第1の吸込口の通路抵抗は、前記第2の吸込口の通路抵抗に比較して小となるように設定している。この場合でも、請求項3の発明と同様に第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室内の圧力を、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室内の圧力よりも高い状態に保持することができる。
【0020】
次に、請求項4の発明は、第1の固定スクロールまたは第1の旋回スクロールは、ラップ部の最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度を、第2の固定スクロールまたは第2の旋回スクロールに比較して当該最内周端側で大きく形成している。これにより、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の最内周側の圧縮室内の圧力を、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとの間の最内周側の圧縮室内よりも高い状態に保持することができる。
【0021】
請求項5の発明は、第1の固定スクロールまたは第1の旋回スクロールは、ラップ部の最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度を前記第2の固定スクロールまたは第2の旋回スクロールに比較して当該最外周端側で大きく形成している。これにより、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の最内周側の圧縮室内の圧力を、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとの間の最内周側での圧縮室内よりも高い状態に保持することができる。
【0022】
次に、請求項6の発明は、第1,第2の固定スクロールはケーシング内に軸方向に移動可能に設け、前記第1,第2の固定スクロールの鏡板背面側にはそれぞれ前記ケーシングとの間に位置して圧縮室内の中間圧が導かれる第1,第2の圧力室を設け、該第1の圧力室に導かれる中間圧は第2の圧力室内に導かれる中間圧よりも大となるように設定している。これにより第1の旋回スクロールを第1の圧力室に導かれる中間圧により補助スラスト受けに押付けることができる。
【0023】
また、請求項7の発明は、第1の旋回スクロールの鏡板と補助スラスト受けとの対向面のうちいずれか一方の対向面側には磁性体を設け、他方の対向面側には該磁性体と対応した位置に前記旋回スクロールを吸引する磁石を設ける構成としている。これにより第1の旋回スクロールを磁性体および磁石によって補助スラスト受け側に吸引して、該補助スラスト受けに安定して押付けることができる。
【0024】
一方、請求項8の発明は、電動機はステータをロータに対して第2の旋回スクロール側寄りに一定寸法だけ偏心させ、またはロータをステータに対して第1の旋回スクロール側に僅かに偏心させてなる。これによりロータとステータとの間に作用する磁気吸引力によって、第1の旋回スクロールを補助スラスト受け側に押付けることができる。
【0025】
さらに、請求項9の発明は、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとによって第1の圧縮機構を構成し、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとによって第2の圧縮機構を構成し、該第2の圧縮機構の吐出口は前記第1の圧縮機構の吸込口に接続する構成としている。この場合でも、第1の旋回スクロール側の圧縮室内の圧力を、請求項1の発明と同様に第1の旋回スクロール側の圧縮室よりも常に高い状態に保持することができる。
【0026】
また、請求項10の発明のように、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとからなる第1の圧縮機構を流体圧縮機として構成すると共に、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとからなる第2の圧縮機構を真空ポンプとして構成した場合でも、第1の旋回スクロール側の圧縮室内の圧力を、請求項1の発明と同様に第1の旋回スクロール側の圧縮室よりも常に高い状態に保持することができる。
【0027】
さらに、請求項11の発明は、第1の固定スクロールはケーシング内に軸方向に移動可能に設け、第1の固定スクロールの背面側にはケーシングとの間に位置して前記第1の固定スクロールを第1の旋回スクロール側に向けて常時付勢するための付勢手段を設けている。これにより第1の旋回スクロールを付勢手段による付勢力によって補助スラスト受けに向けて押付けることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0029】
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示し、1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成する筒状のケーシングで、該ケーシング1は、図1に示す如く軸線O1 −O1 を有する筒部2と、該筒部2の両端側を施蓋する左,右の蓋部3A,3Bとによって構成されている。そして、ケーシング1は、後述の固定スクロール4A,4Bと共に固定側部材を構成するものである。
【0030】
4A,4Bは第1、第2の固定スクロールで、該第1,第2の固定スクロール4A,4Bは、ケーシング1の軸方向両側に位置して筒部2の内周側に軸方向に僅かに可動に設けられている。
【0031】
そして、第1,第2の固定スクロール4A,4Bのうち、該第1の固定スクロール4Aは、図1に示す如く略円板状に形成され、中心がケーシング1の軸線O1 −O1 と一致するように配設された鏡板5Aと、該鏡板5Aの表面に立設された渦巻状のラップ部6Aと、鏡板5Aの外周側から該ラップ部6Aとは逆向きに軸方向に突出し、筒部2の内周側に嵌合して固定的に設けられた嵌合筒部7Aと、該嵌合筒部7Aと鏡板5Aとの角隅部に形成され後述のOリング29Aが嵌着されるOリング嵌着溝8Aとによって構成されている。また、第2の固定スクロール4Bについても、鏡板5B、ラップ部6Bおよび嵌合筒部7B、Oリング嵌着溝8Bによって構成されている。
【0032】
9は固定スクロール4A,4B間に位置してケーシング1内の中間部に設けられた電動機で、該電動機9は、ケーシング1の内周側に固定的に設けられたコイル10を有するステータ11と、該ステータ11の内周側に該ステータ11によって回転するように配設されたコイル12を有するロータ13とによって構成されている。そして、ステータ11の軸線とロータ13の軸線はケーシング1の軸線O1 −O1 と同一軸線上に配置されている。
【0033】
14A,14Bは固定スクロール4Aと電動機9との間にそれぞれ位置して後述する支持枠31A,31Bの内周側に設けられた第1,第2の偏心軸受で、該第1の偏心軸受14Aは、図2ないし図5に示す如く、外輪15Aと、該外輪15Aの内周側に複数の針状ころ16Aによって回転可能に設けられた中輪17Aと、該中輪17Aの内周側に複数の針状ころ18Aによって回転可能に設けられた内輪19A等とによって構成されている。
【0034】
ここで、外輪15Aは、外周側が後述する支持枠31Aの取付筒部32A内周側に圧入して取付けられている。これにより、外輪15Aの内周側の軸線と外周側の軸線とは、共に軸線O1 −O1 と一致して配置される。
【0035】
また、中輪17Aは、針状ころ16Aによって外輪15Aの内周側に位置決めされている。これにより中輪17Aの外周側は外輪15Aの軸線O1 −O1 上に配置され、この軸線O1 −O1 を中心に回転する構成となっている。
【0036】
これに対し、中輪17Aの内周側は、内輪19Aが収容される部位が収容穴17A1 となり、該収容穴17A1 は外輪15Aの軸線O1 −O1 に対して径方向に一定寸法δだけ偏心した偏心軸線O2 −O2 を有している。また、この中輪17Aの内周側には後述の回転軸20が取付けられる取付段部17A2 が形成され、該取付段部17A2 は軸線O1 −O1 と同軸線上に配置されている。
【0037】
さらに、内輪19Aは、針状ころ18Aによって中輪17Aの内周側に位置決めされている。これにより内輪19Aは、内周側と外周側とが共に偏心軸線O2 −O2 上に配置され、この偏心軸線O2 −O2 を中心に回転する構成となっている。
【0038】
かくして、偏心軸受14Aは、回転軸20によって中輪17Aが外輪15Aに対して回転することにより、内輪19Aが軸線O1 −O1 を中心として寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行う構成となっている。
【0039】
また、第2の偏心軸受14Bについても、外輪15B、針状ころ16B、中輪17B、針状ころ18Bおよび内輪19Bによって構成され、中輪17Bには収容穴17B1 と取付段部17B2 とが設けられている。
【0040】
20は電動機9のロータ13を挟んで偏心軸受14A,14Bの中輪17A,17B間に位置して設けられた回転軸で、該回転軸20は、中空軸体として形成され、電動機9のロータ13内周側に挿嵌されて固定的に設けられている。そして、回転軸20は、両端側がそれぞれ中輪17A,17Bの取付段部17A2 ,17B2 に固着され、ロータ13と一体となって回転することにより中輪17A,17Bを回転させるものである。
【0041】
ここで、回転軸20は、図1に示す如く、外周側が外輪15A,15Bの軸線O1 −O1 上に配置されるのに対し、内周側は中輪17A,17Bの偏心軸線O2 −O2 上に配置されている。このため、回転軸20は、図6、図7に示すように軸線O1 −O1 を挟んで偏心軸線O2 −O2 側とは反対側の部位の肉厚を寸法d1 とし、偏心軸線O2 −O2 側の肉厚を寸法d2 とすると、d1 >d2 の関係に設定される。
【0042】
21は回転軸20内を遊嵌して設けられ、偏心軸受14A,14Bの内輪19A,19Bに固定的に支持された旋回軸で、該旋回軸21は、偏心軸線O2 −O2 上に配置され、その両端側はそれぞれ内輪19A,19Bの内周側に挿嵌されて固着されている。そして、旋回軸21は、内輪19A,19Bと一体となって旋回運動することにより、旋回軸21の両端側に設けられた後述の旋回スクロール22A,22Bを旋回させるものである。
【0043】
また、旋回軸21は、その両端部が主スラスト受け21A,21Bとなってそれぞれ旋回スクロール22A,22Bの鏡板23A,23Bに当接している。このため、主スラスト受け21A,21Bは、後述する旋回スクロール22Aに作用するスラスト荷重F1 ,旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 を軸方向に相殺して支持し、旋回スクロール22A,22Bを軸方向に対して位置決めするスペーサとして構成される。
【0044】
22A,22Bは固定スクロール4A,4Bと対面して旋回軸21の軸方向両端側にそれぞれ固定的に設けられた第1,第2の旋回スクロールで、該第1の旋回スクロール22Aは、円板状に形成された鏡板23Aと、該鏡板23Aの表面側から軸方向に立設された渦巻状のラップ部24Aとによって構成されている。
【0045】
また、旋回スクロール22Aの鏡板23Aには、その背面側の中央に筒状突起25Aが突設され、該筒状突起25Aは旋回軸21の内周に嵌合して固着されている。これにより旋回スクロール22Aは旋回軸21と一体となって寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行う。そして、旋回スクロール22Aのラップ部24Aは、固定スクロール4Aのラップ部6Aに対し例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部6A,24A間には複数の圧縮室26A,26A,…が画成される。
【0046】
そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、後述の吸込口35Aから外周側の圧縮室26A内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール22Aが旋回運動する間に各圧縮室26A内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室26Aから後述の吐出口36Aを介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0047】
また、第2の旋回スクロール22Bについても、鏡板23B、ラップ部24Bおよび筒状突起25Bによって構成され、固定スクロール4Bとの間には複数の圧縮室26Bが画成される。
【0048】
27A,27Bは固定スクロール4A,4Bの鏡板5A,5Bにそれぞれ穿設された第1,第2の背圧孔で、該第1の背圧孔27Aは、各圧縮室26Aのうち吸込口35A側となる最外周側の圧縮室26Aと吐出口36A側となる最内周側の圧縮室26Aとの間の中間の圧縮室26A内に連通し、該圧縮室26A内の中間圧を背圧として後述の圧力室28A内に導くものである。また、第2の背圧孔27Bについても背圧孔27Aと同様に構成されている。
【0049】
28A,28Bはケーシング1の蓋部3A,3Bと固定スクロール4A,4Bの鏡板5A,5Bとの間にそれぞれ形成された第1,第2の圧力室で、該第1の圧力室28Aは、圧縮室26A内の中間圧を背圧孔27Aを介して鏡板5Aの背面側に導き、この中間圧によって固定スクロール4Aを旋回スクロール22A側へと軸方向に押圧する構成となっている。また、第2の圧力室28Bについても、圧力室28Aと同様に構成されている。
【0050】
29A,29Bはケーシング1と固定スクロール4A,4Bの鏡板5A,5B外周側との間にそれぞれ設けられたOリングで、これらのOリング29A,29Bは、最外周側の圧縮室26A,26Bと圧力室28A,28Bとの間を気密にシールするものである。
【0051】
30A,30Bは固定スクロール4A,4Bの鏡板5A,5B中心側と後述する吐出口36A,36Bとの間にそれぞれ設けられたOリングで、これらのOリング30A,30Bは、最内周側の圧縮室26A,26Bと圧力室28A,28Bとの間を気密にシールするものである。
【0052】
31A,31Bは固定スクロール4A,4Bと電動機9との間に位置してケーシング1の内周側に設けられた第1,第2の支持枠を示し、該第1の支持枠31Aは、ケーシング1の筒部2内周側に固着して取付けられた取付筒部32Aと、後述する旋回スクロール22Aの鏡板23A背面側に位置して該取付筒部32Aから径方向内側に突出して設けられた環状の支持部33Aとによって構成されている。
【0053】
そして、支持枠31Aの支持部33Aは、その端面が旋回スクロール22Aの鏡板23Aに摺接し、該旋回スクロール22Aに作用する後述のスラスト荷重F1 を旋回軸21と共に支持する補助スラスト受け33A1 を構成している。また、この支持部33Aには後述するオルダムリング34Aのリング溝が形成され、該オルダムリング34Aを摺動可能に支持する構成となっている。
【0054】
また、第2の支持枠31Bについても、取付筒部32Bと支持部33Bとによって支持枠31Aとほぼ同様に構成されている。しかし、後述するように旋回スクロール22Aに作用するスラスト荷重F1 は旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 よりも大きくなるため、この支持枠31Bには、スラスト荷重F2 が作用することはない。
【0055】
このため、支持枠31Bの支持部33Bには、後述した支持枠31Aの支持部33Aのように補助スラスト受け33A1 は存在せず、図3に示すように旋回スクロール22Bの鏡板23Bとの間に微小隙間Sが確保され、該旋回スクロール22Bに対して非接触の状態におかれている。
【0056】
34A,34Bは支持枠31A,31Bと旋回スクロール22A,22Bとの間にそれぞれ設けられた自転防止機構としての第1,第2のオルダムリングで、該第1のオルダムリング34Aは、旋回スクロール22Aの鏡板23Aと支持枠31Aの支持部33Aとの間で直交する2軸方向にガイドされることにより、旋回スクロール22Aの自転を防止する構成となっている。また、第2のオルダムリング34Bについても、オルダムリング34Aと同様に構成されている。
【0057】
35A,35Bは固定スクロール4A,4Bのラップ部6A,6B外周側にそれぞれ位置してケーシング1の筒部2に設けられた第1,第2の吸込口で、該第1の吸込口35Aは、最外周側の圧縮室26A内に開口し、外部の空気をこの圧縮室26A内に導くものである。また、第2の吸込口35Bについても、吸込口35Aと同様に構成されている。
【0058】
36A,36Bは固定スクロール4A,4Bのラップ部6A,6B中心側にそれぞれ位置してケーシング1の蓋部3A,3Bに設けられた第1,第2の吐出口で、該第1の吐出口36Aは、最内周側の圧縮室26A内に開口し、圧縮室26Aで圧縮された圧縮空気を外部に吐出させるものである。また、第2の吐出口36Bについても、吐出口36Aとほぼ同様に構成されている。
【0059】
ここで、吐出口36Aの通路面積S1 は、図2、図3に示すように吐出口36Bの通路面積S2 よりも小さく(S1 <S2 )設定されている。このため、吐出口36A内を圧縮空気が流れるときの通路抵抗は、吐出口36B内を圧縮空気が流れるときの流路抵抗よりも大きくなる。
【0060】
これにより第1の旋回スクロール22Aに作用するスラスト荷重F1 (図2参照)は、後述する理由によって第2の旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 (図3参照)に比較して大きくなるように設定されている。
【0061】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0062】
まず、電動モータによって電動機9のロータ13を回転すると、該ロータ13と一体となった回転軸20は回転運動を行い、このときに回転軸20の両端側に設けた2個の偏心軸受14A,14Bの中輪17A,17Bは、それぞれ外輪15A,15Bの内周側で回転軸20と一体に回転運動を行う。
【0063】
ここで、偏心軸受14A,14Bの中輪17A,17Bは、外輪15A,15Bの軸線O1 −O1 に対して径方向に寸法δだけ偏心した偏心軸線O2 −O2 を有するから、中輪17A,17Bが上述の如く外輪15A,15Bに対して軸線O1 −O1 を中心に回転することにより、中輪17A,17Bの内周側に設けた内輪19A,19Bは、軸線O1 −O1 を中心として寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行い、この内輪19A,19Bと一体となった旋回軸21によって旋回スクロール22A,22Bをそれぞれ旋回させる。
【0064】
そして、このように旋回スクロール22A,22Bが旋回するときには、旋回スクロール22A,22Bはオルダムリング34A,34Bによって自転が防止され、公転のみを行う。
【0065】
この結果、固定スクロール4Aと旋回スクロール22Aとの間に画成された各圧縮室26Aはそれぞれ連続的に縮小し、これにより固定スクロール4Aの吸込口35Aから吸込んだ外気を各圧縮室26Aで順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロール4Aの吐出口36Aから外部の空気タンク(図示せず)等に貯留させる。
【0066】
また、固定スクロール4Bと旋回スクロール22Bとの間に画成された各圧縮室26Bについても、それぞれが連続的に縮小することにより、固定スクロール4Bの吸込口35Bから吸込んだ外気を各圧縮室26Bで順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロール4Bの吐出口36Bから前記空気タンク等に貯留させる。
【0067】
また、本実施の形態では、旋回軸21の主スラスト受け21A,21Bを第1,第2の旋回スクロール22A,22Bの背面側に当接させる構成としたから、圧縮運転時に旋回スクロール22Aに作用するスラスト荷重F1 と旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 とを、旋回軸21によって軸方向で互いに相殺して支持することができ、旋回スクロール22A,22Bの挙動の安定化を図ることができる。
【0068】
しかし、本実施の形態では、第1の吐出口36Aの通路面積S1 を、第2の吐出口36Bの通路面積S2 よりも小さく(S1 <S2 )形成することにより、吐出口36A内を流れる圧縮空気の通路抵抗を、吐出口36B内を流れる圧縮空気の通路抵抗よりも大きくしたから、該圧縮室26A内の圧力を圧縮室26Bの圧力よりも常に高い状態に保持することができる。
【0069】
これにより、第1の旋回スクロール22Aに作用するスラスト荷重F1 は、第2の旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 よりも大きく設定されるから、第1の旋回スクロール22Aは図1中の矢示A方向に動こうとする。しかし、支持枠31Aの支持部33Aには、補助スラスト受け33A1 が設けられているから、第1の旋回スクロール22Aの鏡板23A背面側は、この補助スラスト受け33A1 に当接することができる。
【0070】
かくして、本実施の形態では、第1,第2の旋回スクロール22A,22Bに作用するスラスト荷重F1 ,F2 は、旋回軸21によって互いに相殺され、かつ第1の旋回スクロール22Aに作用するスラスト荷重F1 は第2の旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 よりも僅かに大きく、この僅かに大きなスラスト荷重F1 は、支持部33Aの補助スラスト受け33A1 によって支持されている。
【0071】
このため、圧縮運転時に例え圧縮室26A,26B内で小さな圧力変動が生じたとしても、第1の旋回スクロール22Aを第1の支持枠31Aに比較的小さな力をもって常に押付けることができ、支持枠31Aによって旋回スクロール22A,22Bを軸方向に位置決めした状態で保持することができる。そして、該旋回スクロール22A,22Bの軸方向に対する振動を抑えて、挙動の安定化を一層図ることができる。
【0072】
また、前述の如く1個の支持枠31Aのみによって旋回スクロール22A,22Bの両方を位置決めできるから、第2の旋回スクロール22Bに作用するスラスト荷重F2 が第2の支持枠31Bに伝わるのを遮断することができる。これにより支持枠31Bの材料強度を支持枠31Aよりもさらに低く抑えて、該支持枠31Bの製作コスト等を一層低減することができる。
【0073】
一方、偏心軸受14A,14Bによって旋回軸21の両端側を軸支することにより、この旋回軸21の両端側に一体に設けた旋回スクロール22A,22Bを旋回させる構成としたから、旋回軸21の両端側には、旋回スクロール22A,22Bを旋回運動させるために、例えばクランク軸を追加して設ける必要をなくすことができ、これによって装置全体を軸方向に小型化して形成することができる。
【0074】
さらに、中空軸体からなる回転軸20は、旋回スクロール22A,22Bの偏心方向とは反対側の部位を肉厚に形成したから、旋回スクロール22A,22Bの旋回運動に対するバランスをこの回転軸20によってとることができる。これにより回転軸20にはバランスウエイト等の機構を特別に設ける必要がなくなり、全体の部品点数を削減でき、装置全体の構造を簡略化することができる。
【0075】
さらにまた、固定スクロール4A,4Bの背面側に圧力室28A,28Bを設け、この圧力室28A,28Bには背圧孔27A,27Bを介して圧縮室26A,26B内の中間圧を導く構成としたから、固定スクロール4A,4Bを旋回スクロール22A,22Bの鏡板23A,23B側に向けて押圧し続けることができ、ラップ部6A,6Bの先端と相手方の鏡板23A,23Bの表面との間でスラスト方向のギャップが変化するのを抑えることができ、圧縮効率を高めることができる。
【0076】
次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0077】
然るに、本実施の形態の特徴は、ケーシング1には、第1の実施の形態で述べた第1,第2の吸込口35A,35Bに替えて第1,第2の吸込口41A,41Bを設け、該第1の吸込口41Aの通路面積を第2の吸込口41Bの通路面積よりも大きく形成すると共に、第1,第2の吐出口42A,42Bを、互いに同一の通路面積をもって形成したことにある。
【0078】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、吸込口41A内の通路抵抗を吸込口41Bの流路抵抗に比較して小さくできるから、第1の旋回スクロール22A側の圧縮室26A内の圧力を、第2の旋回スクロール22B側の圧縮室26Bよりも常に高い状態に保持することができ、第1の旋回スクロール22Aを支持枠31Aの補助スラスト受け33A1 に押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0079】
次に、図9は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1,吐出口を廃止すると共に、第1,第2の旋回スクロールの鏡板中心部には旋回軸の内部と連通する第1,第2の連通孔をそれぞれ形成すると共に、第1の連通孔の通路面積を第2の吐出口よりも小さく形成したことにある。
【0080】
なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0081】
51A,51Bはケーシング1内に設けられた本実施の形態で用いる第1,第2の固定スクロールで、該第1の固定スクロール51Aは、第1の実施の形態による固定スクロール4Aとほぼ同様に、略円板状の鏡板52Aと、該鏡板52Aの表面に立設された渦巻状のラップ部53Aと、鏡板52Aの外周側に設けられた嵌合筒部54Aとによって構成されている。しかし、固定スクロール51Aには、第1の実施の形態による吐出口36Aが廃止されている点で異なる。
【0082】
また、第2の固定スクロール51Bは、鏡板52B、ラップ部53Bおよび嵌合筒部54Bによって構成されているものの、第1の固定スクロール51Aと異なり、該固定スクロール51Bには吐出口36Bが設けられている点で異なる。
【0083】
55A,55Bは固定スクロール51A,51Bの鏡板52A,52B中心部に設けられた第1,第2の連通孔で、これらの連通孔55A,55Bは、固定スクロール51A側の圧縮室26Aと固定スクロール51B側の圧縮室26Bとを旋回軸21の内部を通じて互いに連通させるものである。
【0084】
このため、圧縮室26Aからの圧縮空気は、連通孔55A,55B、旋回軸21を介して圧縮室26B側に導かれ、この圧縮室26Bによって圧縮された圧縮空気と一緒に吐出口36Bから外部に向けて吐出される。ここで、連通孔55Aの通路面積は、第2の吐出口36Bよりも小さく形成されている。
【0085】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、圧縮運転時に圧縮室26Aからの圧縮空気が連通孔55Aを流れるときの通路抵抗を、圧縮室26Bからの圧縮空気が吐出口36B内を流れるときの通路抵抗よりも大きくでき、第1の旋回スクロール22Aを支持枠31Aの補助スラスト受け33A1 に押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
次に、図10,図11は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1の固定スクロール、第1の旋回スクロールは、それぞれのラップ部の最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度を、第2の固定スクロール、第2の旋回スクロールに比較して当該最外周端側で大きく形成したことにある。
【0087】
なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0088】
図中、61A,61Bは本実施の形態に用いる第1,第2の固定スクロールで、該第1の固定スクロール61Aは、前記第1の実施の形態による固定スクロール4Aとほぼ同様に、鏡板62Aおよびラップ部63A等によって構成されている。また、第2の固定スクロール61Bについても鏡板62Bおよびラップ部63B等によって構成されている。
【0089】
ここで、第1の固定スクロール61Aのラップ部63Aは、最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度が、第2の固定スクロール61Bのラップ部63Bに比較して、当該最内周端側で図11中に示す角度θ1 分だけ大きく形成されている。
【0090】
また、図示しない第1の旋回スクロールについても、第1の固定スクロール61Aと同様にラップ部の渦巻き角度が第2の固定スクロール61Bよりも大きく形成されている。
【0091】
かくして、このように構成される本実施の形態では、第1の固定スクロール61Aのラップ部63Aと第1の旋回スクロールのラップ部との間の圧縮室の全体容量を、第2の固定スクロール61Bのラップ部63Bと第2の旋回スクロールのラップ部との間の圧縮室の全体容量よりも増やすことができる。
【0092】
従って、本実施の形態によれば、圧縮運転時に第1の固定スクロール61Aと第1の旋回スクロールとの間の最内周側での圧縮室内の圧力を、第2の固定スクロール61Bと第2の旋回スクロールとの間の最内周側での圧縮室内の圧力よりも常に高い状態に保持することができる。これによって第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重よりも大きく設定することができ、第1の旋回スクロールを支持枠31Aの補助スラスト受け33A1 に押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0093】
次に、図12、図13は本発明の第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1の固定スクロール、第1の旋回スクロールは、それぞれのラップ部の最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度を、第2の固定スクロール、第2の旋回スクロールに比較して当該最内周端側で大きく形成したことにある。
【0094】
なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0095】
図中、71A,71Bは本実施の形態に用いる第1,第2の旋回スクロールで、該第1の旋回スクロール71Aは、前記第1の実施の形態による旋回スクロール22Aとほぼ同様に、鏡板72Aおよびラップ部73A等によって構成されている。また、第2の旋回スクロール71Bについても鏡板72Bおよびラップ部73B等によって構成されている。
【0096】
ここで、第1の旋回スクロール71Aのラップ部73Aは、最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度が、第2の旋回スクロール71Bのラップ部73Bに比較して、当該最内周端側で図13中に示す角度θ2 分だけ大きく形成されている。
【0097】
また、図示しない第1の固定スクロールについても、第1の旋回スクロール71Aと同様にラップ部の渦巻き角度が第2の固定スクロールよりも大きく形成されている。
【0098】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第4の実施の形態と同様に、圧縮運転時に第1の固定スクロールと第1の旋回スクロール71Aとの間の最内周側での圧縮室内の圧力を、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロール71Bとの間の最内周側での圧縮室内の圧力よりも常に高い状態に保持することができ、第1の旋回スクロール71Aを支持枠31Aの補助スラスト受け33A1 に押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0099】
次に、図14、図15は本発明の第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1の圧力室に導かれる中間圧を第2の圧力室に導かれる中間圧よりも大となるように設定したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0100】
図中、81A,82Aは第1の固定スクロール4Aの鏡板5Aに穿設された本実施の形態で用いる内周側、外周側の第1の背圧孔で、該背圧孔81A,82Aは、第1の実施の形態で述べた背圧孔27Aとほぼ同様に、固定スクロール4Aと旋回スクロールとの間の圧縮室内の中間圧を第1の圧力室28Aに導く構成となっている。
【0101】
81B,82Bは第2の固定スクロール4Bの鏡板5Bに穿設された本実施の形態で用いる内周側、外周側の第2の背圧孔で、該各背圧孔81B,82Bにつても、背圧孔81A,82Aとほぼ同様に構成されている。
【0102】
ここで、第1の背圧孔81Aは、図14中に一点鎖線で示すように、第2の背圧孔81Bと対応した位置から角度θ3 分だけラップ部6Aの渦巻き方向に沿って外周側に離間して配置されている。また、第1の背圧孔82Aについても、第2の背圧孔82Bと対応した位置から角度θ3 分だけラップ部6Aの渦巻き方向に沿って外周側に離間して配置されている。
【0103】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、圧縮運転時に第1の圧力室28Aに導かれる中間圧を、第2の圧力室28Bに導かれる中間圧よりも常に大きい状態に保持することができ、この第1の圧力室28Aに導かれる中間圧により第1の固定スクロール4Aを第1の旋回スクロールと一緒に支持枠側に向けて押圧でき、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0104】
次に、図16は本発明の第7の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0105】
然るに、本実施の形態の特徴は、第1の旋回スクロール22Aの鏡板23Aには、支持枠31Aとの対向面側に位置して磁性体91を設けると共に、支持枠31Aの支持部33Aには、旋回スクロール22Aとの対向面側に位置して旋回スクロール22Aを吸引する磁石92を設ける構成としたことにある。
【0106】
ここで、磁性体91は例えば金属材料によって円板状に形成され、旋回スクロール22Aの鏡板23A背面側に埋設されている。また、磁石92はリング状に形成され、支持枠31Aの支持部33A内周側に嵌着されている。なお、ケーシング1には第1の実施の形態で述べた吐出口36Aに替えて吐出口93Aが設けられている。
【0107】
かくして、このように構成される本実施例でも、磁性体91と磁石92との間に作用する磁気吸引力により第1の旋回スクロール22Aを、支持枠31A側に吸引して支持部33Aの補助スラスト受け33A1 に安定して押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0108】
この場合、例えば図17に示す変形例のように、支持枠31Aの支持部33A側に磁性体91′を設け、第1の旋回スクロール22Aの鏡板23A側に磁石92′を設ける構成としてもよい。
【0109】
次に、図18は本発明の第8の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、電動機を構成するステータをロータに対して第2の旋回スクロール側寄りに僅かに偏心させ、またはロータをステータに対して第1の旋回スクロール側寄りに僅かに偏心させる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0110】
図中、101は第1の実施の形態で述べた電動機9に替えてケーシング1内に設けられた本実施の形態で用いる電動機で、該電動機101は、第1の実施の形態による電動機9とほぼ同様にコイル102を有するステータ103と、コイル104を有するロータ105とによって構成されている。
【0111】
しかし、この電動機101は、ステータ103の中心線03 −O3 がロータ105の中心線O4 −O4 に対して寸法β分だけ第2の旋回スクロール22B側寄りに偏心して配置されている点で、第1の実施の形態のものとは異なっている。
【0112】
なお、106A,106Bは本実施の形態で用いる第1,第2の吐出口で、該第1,第2の吐出口106A,106Bは、互いにほぼ同一の通路面積をもって形成されている点で、第1の実施の形態による吐出口36A,36Bとは異なっている。
【0113】
かくして、このように構成される本実施の形態では、ロータ105をステータ103との間で作用する磁気吸引力によって第2の固定スクロール4B側に引き寄せることができるから、このロータ105に回転軸20、偏心軸受14A,14B、旋回軸21を介して一体となった第1,第2の旋回スクロール22A,22Bを、ロータ105と同様に第2の固定スクロール4B側に引き寄せることができる。これにより第1の旋回スクロール22Aを支持枠31Aに押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0114】
この場合、図19に示す変形例のように、電動機101′は、ロータ105′をステータ103′に対して寸法βだけ第1の旋回スクロール22A側に偏心して配置する構成としてもよい。
【0115】
次に、図20は本発明の第9の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1の吸込口を第2の吐出口に接続する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0116】
図中、111は第1の吸込口35Aと後述する第2の吐出口115Bとの間に位置してケーシング1外に設けられた中間冷却器で、該中間冷却器111は、例えば熱交換機112、ファン113等を備えた冷却装置によって構成され、接続配管114A,114Bによってそれぞれ吸込口35A、吐出口115Bに接続されている。そして、この中間冷却器111は、吐出口115Bから吐出された高温の吐出空気を冷却して吸込口35Aに導くものである。
【0117】
なお、115A,115Bは本実施の形態で用いる第1,第2の吐出口で、該第1,第2の吐出口115A,115Bは、互いに同一の通路面積をもって形成されている点で、第1の実施の形態による吐出口36A,36Bとは異なっている。
【0118】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第2の旋回スクロール22B側の圧縮室26Bによって圧縮された圧縮空気は、第1の旋回スクロール22A側の圧縮室26Aによって再度圧縮されるから、圧縮室26A内の圧力を圧縮室26Bよりも高い状態に保持することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。また、吐出口115Bからの圧縮空気を、中間冷却器111によって予め冷却した状態で吸込口35Aに導くことができ、圧縮機の圧縮効率を高めることができる。
【0119】
次に、図21は本発明の第10の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとからなる第1の圧縮機構を空気圧縮機として用いると共に、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとからなる第2の圧縮機構を真空ポンプとして用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0120】
図中、121は空気タンクで、該空気タンク121は、接続配管122によって後述の吐出口125Aに接続され、該吐出口125Aから吐出された圧縮空気を蓄える構成となっている。かくして、第1の固定スクロール4Aと第1の旋回スクロール22Aとからなる第1の圧縮機構は、外部の空気を圧縮室26Aによって圧縮して、高圧の圧縮空気を空気タンク121に向けて吐出する空気圧縮機として機能する。
【0121】
123は真空チャンバで、該真空チャンバ123は、接続配管124によって後述の吸込口35Bに接続され、その内部は真空状態に保持されている。かくして、第2の固定スクロール4Bと第2の旋回スクロール22Bとからなる第2の圧縮機構は、真空チャンバ123内の空気等の残留ガスを圧縮室26B内に吸込んで外部に排出する真空ポンプとして機能する。
【0122】
なお、125A,125Bは本実施の形態で用いる第1,第2の吐出口で、該第1,第2の吐出口125A,125Bは、互いに同一の通路面積をもって形成されている点で、第1の実施の形態による吐出口36A,36Bとは異なっている。
【0123】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の旋回スクロール22A側の圧縮室26A内の圧力を、第2の旋回スクロール22B側の圧縮室26B内の圧力よりも常に高い状態に保持することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0124】
次に、図22は本発明の第11の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ケーシング1と第1の固定スクロール4Aの背面側との間に画成された第1の圧力室28A内に付勢手段としての皿ばね131を設け、この皿ばね131によって第1の固定スクロール4Aを第1の旋回スクロール22A側に向けて常時付勢する構成としたことにある。なお、ケーシング1には第1の実施の形態で述べた吐出口36Aに替えて第1の吐出口132Aが設けられている。
【0125】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、皿ばね131のばね力によって第1の旋回スクロール4Aを支持枠31Aに押付けることができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0126】
なお、第2の実施の形態では、第1,第2の吐出口42A,42Bを、互いに同一の通路面積をもって形成するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、第1の実施の形態と同様に第1の吐出口42Aの通路面積を第2の吐出口42Bよりも小さく形成する構成としてもよい。また、第3〜第11の実施の形態についても、前述と同様に、第1の吐出口の通路面積を第2の吐出口の通路面積よりも小さく形成する構成としてよい。
【0127】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明では、第1,第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を旋回軸によって軸方向で相殺して支持すると共に、この第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を、第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重に比較して大となるように設定し、この大きくした分のスラスト荷重を補助スラスト受けによって支持する構成としたから、圧縮運転時に圧縮室内に圧力変動が生じたとしても、第1の旋回スクロールを補助スラスト受けに対し比較的小さな力をもって押付けることができる。
【0128】
これにより第1,第2の旋回スクロールを1個の補助スラスト受けのみによって軸方向に位置決めした状態で旋回させることができ、該各旋回スクロールの振動を抑えて、挙動の安定化を図ることができると共に、流体機械の構造の簡略化、製作コストの低減化等を図ることができる。
【0129】
また、請求項2の発明は、第1の吐出口内を流れる流体の流路抵抗を、第2の吐出口内を流れる流体の流路抵抗に比較して大となるように設定したから、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室内の圧力を、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室よりも高い状態に保持することができ、請求項1とほぼ同様の効果を得ることができる。このことは、請求項3の発明についても同様である。
【0130】
さらに、請求項4の発明では、第1の固定スクロールまたは旋回スクロールのラップ部の渦巻き角度を、第2の固定スクロールまたは旋回スクロールに比較してラップ部の最内周端側で大きく形成する構成としたから、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の内周側の圧縮室内の圧力を、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間の圧縮室よりも高い状態に保持することができ、これによっても請求項1とほぼ同様の効果を得ることができる。このことは、請求項5の発明についても同様である。
【0131】
また、請求項6の発明のように、第1の圧力室に導かれる中間圧を第2の圧力室に導かれる中間力よりも大となるように設定した場合でも、第1の旋回スクロールを第1の固定スクロールと一緒に補助スラスト受けに向けて押付けることができ、請求項1の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0132】
また、請求項7の発明のように、第1の旋回スクロールの鏡板とスラスト受けとの対向面のうち、少なくともいずれか一方の対向面側に磁性体を設け、他方の対向面側に前記旋回スクロールを吸引する磁石を設ける構成とした場合でも、第1の旋回スクロールを磁性体、磁石によって補助スラスト受け側に吸引して押付けることができ、請求項1の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0133】
また、請求項8の発明は、電動機のステータをロータに対して第2の旋回スクロール側寄りに僅かに偏心させ、またはロータをステータに対して第1の旋回スクロール側に僅かに偏心させる構成としたから、ロータをステータとの間で作用する磁気吸引力によって第2の固定スクロール側に吸引することができ、これによって第1の旋回スクロールを補助スラスト受け側に押付けることができ、請求項1の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0134】
さらに、請求項9の発明は、第1の圧縮機構側の吸込口を第2の圧縮機構側の吐出口に接続する構成としたから、第1の圧縮機構側の圧縮室内の圧力を、第2の圧縮機構側の圧縮室内の圧力よりも高い状態に保持することができ、請求項1の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。このことは、請求項10の発明についても同様である。
【0135】
また、請求項11の発明のように、付勢手段によって第1の固定スクロールを第1の旋回スクロール側に向けて常時付勢する構成とした場合でも、第1の旋回スクロールを第1の固定スクロールと一緒に補助スラスト受けに向けて押付けることができ、請求項1の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の第1の旋回スクロール、第1の支持枠および第1の吐出口等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図3】図1中の第2の固定スクロール、第2の支持枠および第2の吐出口等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図4】図2中の第1の偏心軸受を単体で示す縦断面図である。
【図5】図4中の矢示V−V方向からみた横断面図である。
【図6】図1中の回転軸を単体で示す拡大縦断面図である。
【図7】図6中の矢示 VII−VII 方向からみた横断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第1の固定スクロールを単体で示す正面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第2の固定スクロールを単体で示す正面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第1の旋回スクロールを単体で示す正面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第2の旋回スクロールを単体で示す正面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第1の固定スクロールを単体で示す正面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第2の固定スクロールを単体で示す正面図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第1の旋回スクロール、支持枠、磁性体および磁石等を示す要部縦断面図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態の変形例によるスクロール式空気圧縮機の第1の旋回スクロール、支持枠、磁性体および磁石等を示す要部縦断面図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態の変形例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図20】本発明の第9の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図21】本発明の第10の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図22】本発明の第11の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の第1の旋回スクロール、支持枠および皿ばね等を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
4A,4B,51A,51B,61A,61B 固定スクロール
5A,5B,23A,23B,52A,52B,62A,62B,72A,72B 鏡板
6A,6B,24A,24B,53A,53B,63A,63B,73A,73B ラップ部
9,101,101′ 電動機
11,103,103′ ステータ
13,105,105′ ロータ
14A,14B 偏心軸受
15A,15B 外輪
17A,17B 中輪
19A,19B 内輪
20 回転軸
21 旋回軸
21A,21B 主スラスト受け
22A,22B,71A,71B 旋回スクロール
26A,26B 圧縮室
27A,27B,81A,81B,82A,82B 背圧孔
31A,31B 支持枠
33A1 ,33B1 補助スラスト受け
34A,34B オルダムリング(自転防止機構)
35A,35B,41A,41B 吸込口
36A,36B,42A,42B,93A,106A,106B,115A,115B,125A,125B,132A 吐出口
91,91′ 磁性体
92,92′ 磁石
131 皿ばね(付勢手段)

Claims (11)

  1. ケーシングと該ケーシングの軸線上に位置して該ケーシングの両端側に固定的に設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された第1,第2の固定スクロールとからなる固定側部材と、
    該第1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケーシング内に設けられ、ロータとステータとが前記ケーシングの軸線と同一方向となるように配置された電動機と、
    該電動機と前記第1,第2の固定スクロールとの間に位置して外周側が前記ケーシングに固定的に設けられた外輪、該外輪の内周側に回転可能に設けられ内周側が外輪の軸線に対して径方向に偏心した偏心軸線を有する中輪および該中輪の内周側に回転可能に設けられ前記偏心軸線を中心として回転可能な内輪からなる第1,第2の偏心軸受と、
    前記電動機のロータを挟んで該各偏心軸受の中輪間に位置して設けられた中空軸体からなり前記ロータによって前記中輪と一体に回転する回転軸と、
    該回転軸内を前記偏心軸線上に遊嵌して設けられ、前記各偏心軸受の内輪内周側に固定的に支持されて前記各内輪と一体に旋回運動すると共に、軸方向の両端側で前記第1,第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を相殺して支持する旋回軸と、
    前記第1,第2の固定スクロールと対面して該旋回軸の両端側に固定的に設けられ、鏡板に前記第1,第2の固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された第1,第2の旋回スクロールと、
    該第1,第2の旋回スクロールのうち少なくともいずれか一方の旋回スクロールと前記固定側部材との間に設けられ、該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備え、
    前記第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を第2の旋回スクロールに作用するスラスト荷重に比較して大となるように設定し、前記ケーシングの内周側には、前記第1の旋回スクロールの背面側に位置して該第1の旋回スクロールに作用するスラスト荷重を前記旋回軸と共に支持するための補助スラスト受けを設ける構成としてなるスクロール式流体機械。
  2. 前記ケーシングには前記第1,第2の固定スクロールのラップ部内周側にそれぞれ位置して第1,第2の吐出口を設け、該第1の吐出口の通路抵抗は前記第2の吐出口の通路抵抗に比較して大となるように設定してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記ケーシングには前記第1,第2の固定スクロールのラップ部外周側にそれぞれ位置して第1,第2の吸込口を設け、該第1の吸込口の通路抵抗は前記第2の吸込口の通路抵抗に比較して小となるように設定してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記第1の固定スクロールまたは第1の旋回スクロールは、前記ラップ部の最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度を前記第2の固定スクロールまたは第2の旋回スクロールに比較して当該最内周端側で大きく形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記第1の固定スクロールまたは第1の旋回スクロールは、前記ラップ部の最内周端から最外周端に亘る渦巻き角度を前記第2の固定スクロールまたは第2の旋回スクロールに比較して当該最外周端側で大きく形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  6. 前記第1,第2の固定スクロールは前記ケーシング内に軸方向に移動可能に設け、前記第1,第2の固定スクロールの鏡板背面側にはそれぞれ前記ケーシングとの間に位置して前記圧縮室内の中間圧が導かれる第1,第2の圧力室を設け、該第1の圧力室内に導かれる中間圧は第2の圧力室に導かれる中間圧よりも大となるように設定してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  7. 前記第1の旋回スクロールの鏡板と補助スラスト受けとの対向面のうちいずれか一方の対向面側には磁性体を設け、他方の対向面側には該磁性体と対応した位置に前記旋回スクロールを吸引する磁石を設ける構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  8. 前記電動機は前記ステータをロータに対して前記第2の旋回スクロール側寄りに僅かに偏心させ、または前記ロータをステータに対して第1の旋回スクロール側に僅かに偏心させてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  9. 前記第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとによって第1の圧縮機構を構成し、前記第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとによって第2の圧縮機構を構成し、該第2の圧縮機構の吐出口は前記第1の圧縮機構の吸込口に接続する構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  10. 前記第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとからなる第1の圧縮機構を流体圧縮機として構成すると共に、前記第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとからなる第2の圧縮機構を真空ポンプとして構成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  11. 前記第1の固定スクロールは前記ケーシング内に軸方向に移動可能に設け、前記第1の固定スクロールの背面側にはケーシングとの間に位置して前記第1の固定スクロールを前記第1の旋回スクロール側に向けて常時付勢するための付勢手段を設けてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
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