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JP4403795B2 - 制御弁式鉛蓄電池 - Google Patents
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本発明は、制御弁式鉛蓄電池に関するものである。
図7は、従来から使用されている一般的な制御弁式鉛蓄電池の概略図である。すなわち、正極板11や負極板12などの発電素子がセパレータ13を介して積層されており、正極板11や負極板12の耳部18が極柱2を有するストラップ16に溶接されて極板群を形成する。
ここで、蓋3の端子部1には、図5に示されるようなリング状凹凸部9を有するブッシング4がインサート成型によって、埋め込まれた状態で形成されている(図4)。
次に、極板群を電槽14に収納した後に、ブッシング4がインサート成型されている蓋3を被せる。すなわち、極板群の上部の極柱2を、略円筒形状をしたブッシング4の中央の穴部を貫通するように嵌合させ、電槽14と蓋3との対向部分を接合、例えば、熱溶着をして一体化する。
蓋3のブッシング4と極柱2との嵌合部を加熱溶接、例えば、バーナ溶接をして溶接部5を形成する(図6)。そして、上方からエポキシ樹脂7aを流し込んで固化させて密封するとともに、極柱2を蓋3にしっかりと固定する(図6)。
ここで、極柱2の上方には、外部負荷に接続するための黄銅芯が埋め込まれており、その中央には雌ネジが切られている(図6)。そして、黄銅芯6の部分に図示されていない圧着端子などの付いたリード線を、ボルトなどを用いて締め付けることによって、端子部1に固定する。
なお、長期間にわたる制御弁式鉛蓄電池の使用によって、ブッシング4の外側面部分と樹脂製の蓋3との境界部分を通って、電解液として使用をしている希硫酸が外部へ濾液する場合が認められた。
そこで、従来のブッシング4の外側面部分には、リング状凹凸部9が設けられており、この部分の密着性を強化するとともに、希硫酸電解液が外部へ濾液するまでの距離を稼ぐための工夫がされている。
さらに、ブッシング4の内側も蓋3との成型時に被覆して、希硫酸電解液が外部へ濾液するまでの距離を稼ぐ検討もされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2002−313315号公報
しかしながら、制御弁式鉛蓄電池は長期間にわたって使用がされると、内部の希硫酸電解液によって、鉛合金製の極柱2の表面やブッシング4の内側面部分で硫酸鉛化(主に、負極部で発生する。)したり、酸化鉛化(主に、正極部で発生する。)することが知られている。
そして、前記した硫酸鉛や酸化鉛が、ブッシング4の内側面部分と極柱2との間の隙間7部分に蓄積すると、略円筒形状をしたブッシング4に外側方向に力がかかる。ここで、鉛合金製のブッシング4と樹脂製の蓋3とは、物理的な結合力でしか接合していない。その結果、蓋3からブッシング4が剥がれて、希硫酸電解液が外部に漏れるという問題点が認められていた。
本発明の目的は、長期間の使用をした場合においても、希硫酸電解液が外部に漏れにくい構造の制御弁式鉛蓄電池を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明に係わる一実施の形態として、蓋に埋めこまれているブッシングの底部に凹部8を設けておき、該凹部8には蓋3を構成する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂が充填されているものである。
また、本発明に係わる他の実施の形態として、ブッシングの底部と蓋との密着部分にあらかじめ凹部8(空間部分)を設けておき、この凹部8に接着剤、例えば、エポキシ樹脂を充填するようにしたものである。
加えて、本発明に係わる制御弁式鉛蓄電池は、あらかじめ略円筒形状をしたブッシングの外側面に、溶液型ホットメルト接着剤を塗布しておき、その後に樹脂にインサート成型をした蓋を用いるものである。
すなわち、請求項1の発明は、リング状凹凸部を有する略円筒形状をしたブッシングが、合成樹脂製の蓋に埋め込まれている制御弁式鉛蓄電池において、
前記ブッシングの底面部分には凹部が構成されており、
該凹部には溶液型ホットメルト接着剤が存在することを特徴とするものである。
本発明の効果として、内部の希硫酸電解液が外部に濾液しにくい制御弁式鉛蓄電池を提供できるために優れたものである。
以下において、本発明の実施をするための最良の形態を詳細に説明する。
1.蓋の作製
後述するように、各種のブッシング4が埋め込まれている蓋3を用いた。これらのブッシング4は鉛合金製であり、略円筒形状をしており、その側面部分には多数のリング状凹凸部9を有している(図5)。なお、これらのブッシング4は、鋳造によって作製されている。
そして、図1〜4に示されるように、ブッシング4のリング状凹凸部9が蓋3にインサート成型される。すなわち、各種形状のブッシング4を、従来から使用していた手法で、合成樹脂であるポリプロピレン樹脂をインサート成型をすることによって、埋め込んである蓋3を使用して実験をした(図1〜4)。
2.制御弁式鉛蓄電池の作製
図7は、実験に使用した制御弁式鉛蓄電池の概略図である。すなわち、正極板11や負極板12などの発電素子がセパレータ13を介して積層されており、正極板11や負極板12の耳部18が極柱2を有するストラップ16に溶接されて極板群を形成する。
ここで、蓋3の端子部1には、図5に示されるようなリング状凹凸部9を有するブッシング4がインサート成型によって、埋め込まれた状態で形成されている(図1〜4)。
次に、極板群を電槽14に収納した後に、ブッシング4が埋め込まれている蓋3を被せる。すなわち、極板群の極柱2は、略円筒形状をしたブッシング4の中央の穴部を貫通するように嵌合させ、電槽14と蓋3との対向部分を接合、例えば、熱溶着をする。
蓋3のブッシング4と極柱2の嵌合部を加熱、例えば、バーナ溶接して、溶接部5を形成する(図6)。そして、上方からエポキシ樹脂7aを流し込んで固化させて密封するとともに、極柱2を蓋3にしっかりと固定する。
ここで、極柱2の上方には、外部負荷に接続するための黄銅芯が埋め込まれており、その中央には雌ネジが切られている。そして、黄銅芯6に図示されていない圧着端子などの付いたリード線を、ボルトなどを用いて締め付けることによって、端子部1に固定する。
そして、従来の手法で、希硫酸電解液を注液した後に電槽化成をし、安全弁を取り付けて密閉して、2V−1000Ah(ただし、20時間率放電容量)の制御弁式制御弁式鉛蓄電池を作製した。
3.制御弁式鉛蓄電池の濾液試験
作製した制御弁式鉛蓄電池は、60℃の試験環境下で、6セルを直列に接続し、13.65Vの定電圧充電を18ヶ月間連続して行う加速寿命試験を行った。その後、それぞれの制御弁式鉛蓄電池の端子部1を解体して、ブッシング4のリング状凹凸部9のどの部分まで(図1の1段目〜8段目の部分)、内部の希硫酸電解液が這い上がってきているかの調査をした。
以下に、本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
図1−(a)に示すように、底面部分に、凹部8を有する略円筒形状をしたブッシング4を用いて蓋7を作製した。ここで、実施例1に用いたブッシング4は、凹部8の内側部分と外側部分とが、ほぼ同程度の高さになるように設けられている。
すなわち、鉛合金製のブッシング4の底面部分には凹部8を有しており、該凹部8には、蓋3を構成する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂が充填されていることを特徴としている。その他の制御弁式鉛蓄電池の作製条件や試験条件は上記したものである。
(実施例2)
図1−(b)に示すように、底面部分に、凹部8を有する略円筒形状をしたブッシング4を用いて蓋7を作製した。ここで、実施例2に用いたブッシング4は、凹部8の内側部分が外側部分よりも、突出するように設けられている。
すなわち、鉛合金製のブッシング4の底面部分には凹部8を有しており、該凹部8には、蓋3を構成する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂が充填されていることを特徴としている。その他の制御弁式鉛蓄電池の作製条件や試験条件は上記したものである。
(実施例3)
図2−(a)に示すように、底面部分の内側が外側よりも、突出する略円筒形状をしたブッシング4を用いて蓋7を作製した。そして、ブッシング4の内側部分と蓋3を構成する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂との間には、凹部8(空間部分)を構成しておき、該凹部8に接着剤、例えば、エポキシ樹脂7bを充填した。
すなわち、鉛合金製のブッシング4の底面部分において、ブッシング4と蓋3を構成する合成樹脂との間には凹部8を構成し、該凹部8にはエポキシ樹脂7bが充填されていることを特徴としている。その他の制御弁式鉛蓄電池の作製条件や試験条件は上記したものである。
(実施例4)
図2−(b)に示すように、底面部分の内側が外側よりも、突出する略円筒形状をしたブッシング4を用いて蓋7を作製した。そして、ブッシング4の内側部分と蓋3を構成する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂との間には、図2−(a)と同様の凹部8(空間部分)を構成しておき、該凹部8に接着剤、例えば、エポキシ樹脂7bを充填した。
すなわち、鉛合金製のブッシング4の底面部分において、ブッシング4と蓋3を構成する合成樹脂との間には凹部8を構成し、該凹部8にはエポキシ樹脂7bが充填されていることを特徴としている。その他の制御弁式鉛蓄電池の作製条件や試験条件は上記したものである。
(実施例5)
図1−(a)に示すように、実施例1と同様に、底面部分に凹部8を有する略円筒形状をしたブッシング4を用いて蓋7を作製した。
ここで、あらかじめ略円筒形状をしたブッシング4の外側面のリング状凹凸部9に、溶液型ホットメルト接着剤(アロンメルトPPET−1505SG28、東亞合成株式会社製)をハケ19を用いて塗布し(図8)、約25℃の雰囲気中で約25時間乾燥させ、その後にポリプロピレン樹脂を用いてブッシング4をインサート成型した蓋3を用いた。すなわち、ブッシング4と蓋3との境界部分には、溶液型ホットメルト接着剤が存在することを特徴としている。
加えて、鉛合金製のブッシング4の底面部分には凹部8を有しており、該凹部8には、蓋3を構成する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂が充填されていることを特徴としている。その他の制御弁式鉛蓄電池の作製条件や試験条件は上記したものである。
(比較例)
比較例として、図4に示すように、鋳造した状態のブッシング4をそのまま用い、その後にポリプロピレン樹脂を用いてインサート成型した蓋3を用いた。すなわち、略円筒形状をしたブッシング4の底面部分が、樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂で覆われている構造をしている、従来から用いられている蓋3を用いた。その他の制御弁式鉛蓄電池の作製条件や試験条件は上記したものである。
これら5種類の制御弁式鉛蓄電池を、上記した条件で加速寿命試験をした後に、解体調査し、試薬を用いて酸反応を試験して、電解液の這い上がり状況を確認した。その結果、比較例では、図5に示されるブッシングの5段目まで酸反応があったのに対して、本発明に係わる実施例1〜5では酸反応が認められなかった。ここで、視覚的には、実施例5のように、ブッシング4及び蓋3の境界部分にホットメルト接着剤が存在させると、実施例1〜実施例4に比べて、ブッシング4と蓋3との境界の1段目において、希硫酸電解液がさらに入り込みにくくなっていることが確認できた。
本発明に係わる制御弁式鉛蓄電池は、ブッシング4及び蓋3の底面部分に凹部8が形成されており、該凹部8は蓋3を構成するポリプロピレン樹脂又はエポキシ樹脂7bで被覆されている。その結果、希硫酸電解液がブッシング4と蓋3との境界に入り込みにくくなっており、濾液しにくくなっているものと考えられる。
なお、実施例3(図2−(a))又は実施例4(図2−(b))の構造に替えて、(図3−(a))又は(図3−(b))のような構造を用いても、ほぼ同様の良好な結果が得られた。
なお、詳細な結果については省略したが、実施例5で使用をしたホットメルト接着剤のR&B軟化点(なお、R&B軟化点の測定方法の詳細については、JISK6363にて規定されている。)は100℃〜300℃が好ましく、200℃〜250℃のものを用いるとするとさらに好ましいことが分かった。
本発明を用いると、蓋とブッシングとの境界部分から、内部の電解液が濾液しにくい構造の制御弁式鉛蓄電池を提供することができる。
本発明に係わるブッシング部の断面概略図である。 本発明に係わるブッシング部の断面概略図である。 本発明に係わるブッシング部の断面概略図である。 従来のブッシング部の断面概略図である。 ブッシングの形状を示す概略図である。 制御弁式鉛蓄電池のブッシング部分付近の断面概略図である。 制御弁式鉛蓄電池の切欠き図である。 ブッシングの外側面に溶液型ホットメルト接着剤の塗布する工程の概略図である。
符号の説明
1:端子部、2:極柱、3:蓋、4:ブッシング、5:溶接部、6:黄銅芯、
7a,b:エポキシ樹脂、8:凹部、9:リング状凹凸部、11:正極板、12:負極板、
13:セパレータ、14:電槽、15:安全弁部、16:ストラップ、18:耳部、
19:ハケ

Claims (1)

  1. リング状凹凸部を有する略円筒形状をしたブッシングが、合成樹脂製の蓋に埋め込まれている制御弁式鉛蓄電池において、
    前記ブッシングの底面部分には凹部が構成されており、
    該凹部には溶液型ホットメルト接着剤が存在することを特徴とする制御弁式鉛蓄電池。
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