JP4406982B2 - 固形石鹸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は顔や身体などに使用される皮膚洗浄用の固形石鹸に関する。さらに詳しくは溶解性が良好であり、速泡性および起泡性に優れ、非常に弾力性のある泡質を有し、洗浄時および洗いあがりの使用感などの機能面で優れ、かつ、溶け崩れ、ひび割れを生じにくいなどの保存安定性に優れた固形石鹸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、顔や身体などの皮膚用の洗浄剤として、豊かな泡立ちと日本人にあった好ましい使用感が得られることから、脂肪酸のアルカリ金属塩である石鹸が主に用いられている。中でも、固形石鹸は、少量でよく泡立つなどの利点を有しているため、皮膚洗浄剤として汎用されている。この固形石鹸には、泡立ち、水への溶解性が良好であることなどの機能が求められることはもちろんであるが、比較的長期間浴室などに置かれることから、溶け崩れ、ひび割れが起こりにくいなどの保存安定性が求められている。
【0003】
上記のような機能および保存安定性を満足させるために、固形石鹸(すなわち、脂肪酸アルカリ金属塩)の脂肪酸組成について種々検討されている。例えば、特開平8-311497号公報、特開平9-31497号公報、特開平9-100495公報、特開平10-102099号公報には、脂肪酸として、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とを特定の比率で組み合わせて用いることが記載されている。脂肪酸アルカリ金属塩の脂肪酸組成を変化させる場合、水への溶解性を高めるために不飽和脂肪酸の含有量を増加させる場合が多いが、起泡性の低下という石鹸としての機能の低下の問題のみならず、着色する、臭気が劣化するなどの保存安定性に問題がある。他方、不飽和脂肪酸の含有量を極力抑えた固形石鹸においては、水への溶解性が低下するために速泡性が不十分である、洗浄後につっぱり感が強くなり、使用感が悪くなるなどの機能上の問題があり、さらに保存中にひび割れを起こしやすく、保存安定性に欠けるという問題点を有している。これらに加えて、脂肪酸アルカリ金属塩を主成分とする従来の固形石鹸では、泡質が粗く、弾力性に欠け、洗浄時のきしみ感が強いという問題もあり、これらは、未だ解決できない点として残っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、溶解性が良好であり、速泡性および起泡性に優れ、非常に弾力性のある泡質を有し、洗浄時および洗いあがりの使用感が良好という機能面で優れているばかりでなく、溶け崩れ、ひび割れなどが生じにくいなどの保存安定性に優れた固形石鹸を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために研究を重ねたところ、脂肪酸アルカリ金属塩とタウリン塩またはN-メチルタウリン塩を特定の割合で配合することにより、上記の問題点を解決し、従来にはない特徴のある固形石鹸を得るに至った。すなわち、本発明は、a成分として、炭素数8〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩を50〜95重量%、およびb成分として、以下の式(1)で示される化合物:
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、Rは水素またはメチル基を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのいずれかを表す。)を0.1〜20重量%含有する固形石鹸に関する。
【0008】
好ましい実施態様においては、上記固形石鹸には、さらにc成分として、炭素数8〜22の脂肪酸とアミノ酸またはアミノ酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、もしくは有機アンモニウム塩との塩を0.5〜10重量%含有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
a成分である脂肪酸のアルカリ金属塩を構成する脂肪酸は、炭素数が8〜22である。炭素数が7以下では速泡性および起泡性が低下し、溶け崩れしやすくなり、炭素数が23以上では速泡性、起泡性および保存安定性が低下し、良好な使用感が得られない。炭素数が8〜22の脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、並びに脂肪酸の混合物であるヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸などが挙げられる。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸が速泡性や起泡性、保存安定性の点で特に好ましい。
【0010】
これらの脂肪酸は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸を組み合わせて用いる場合が好ましく、ラウリン酸を15〜35重量%、ミリスチン酸を55〜75重量%およびパルミチン酸を5〜20重量%含有し、かつ、ラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸の合計が95〜100重量%の脂肪酸が好ましく用いられる。
【0011】
上記脂肪酸と塩を構成するアルカリ金属としては、ナトリウムまたはカリウムが挙げられる。アルカリ金属塩を作成する場合に用いるアルカリ剤としては金属水酸化物、金属炭酸化物などが挙げられる。アルカリ金属は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましい場合は、カリウムとナトリウムとを組み合わせて用い、カリウム/ナトリウムの重量比が1/4〜3/2の場合である。より好ましくは、1/2〜1/3である。
【0012】
最も好ましいa成分は、ラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸を上記特定の割合で混合し、これとカリウム/ナトリウムの重量比が1/4〜3/2の金属アルカリ剤とから構成される脂肪酸アルカリ金属塩か、あるいは、ラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸のナトリウム塩またはカリウム塩を上記比率になるように組み合わせて構成される脂肪酸アルカリ金属塩である。
【0013】
a成分は、50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%含有される。a成分が50重量%未満では溶け崩れを起こしやすくなり、速泡性および起泡性が低下する。95重量%を超えると、好ましい泡質、良好な使用感が得られず、溶解性および保存安定性が悪くなる。
【0014】
b成分としては、以下の式(1)で示される化合物:
【0015】
【化3】
【0016】
が用いられる。Rは水素またはメチル基を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのいずれかである。すなわち、Rが水素の場合は、b成分はタウリンのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩のいずれかである。Rがメチル基の場合は、メチルタウリンのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩のいずれかである。これらのタウリン塩またはメチルタウリン塩は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】
タウリンまたはN-メチルタウリンと塩を形成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。また、有機アンモニウムとしては、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムなどが挙げられる。
【0018】
b成分は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%含まれるが、b成分が0.1重量%未満では好ましい泡質、良好な使用感が得られず、さらに溶解性が悪くなる。b成分が20重量%を超えると溶け崩れが起こりやすくなり、保存安定性が悪くなる。
【0019】
本発明の固形石鹸には、さらにc成分として、炭素数8〜22の脂肪酸とアミノ酸またはアミノ酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくは有機アンモニウム塩との塩(以下、脂肪酸塩ということがある。)を含有することができる。c成分の添加により、速泡性、起泡性、泡質を損なうことなく溶解性や保存安定性を向上させることができる。これらのc成分である脂肪酸塩は、単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
【0020】
c成分の脂肪酸塩を構成する脂肪酸は、炭素数が8〜22であり、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、並びに混合物であるヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸などが挙げられる。c成分の脂肪酸の炭素数が7以下では速泡性および起泡性が低下し、溶け崩れしやすくなり、炭素数が23以上では速泡性、起泡性および保存安定性が低下し、良好な使用感が得られない。
【0021】
c成分の脂肪酸塩の形成に用いられるアミノ酸の例としてはアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸、グリシン、ザルコシン、アラニン、β-アラニン、フェニルアラニン、バリン、口イシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、テアニン、セリン、プロリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノカプロン酸などの中性アミノ酸、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン、リジン、トリプトファンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。
【0022】
また、脂肪酸塩の形成に用いられるアミノ酸塩は、アミノ酸とアルカリ金属、アンモニウム、もしくは有機アンモニウムとの塩である。具体的には、アミノ酸とナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムとの塩などが挙げられる。c成分は、好ましくは、0.5〜10重量%含有される。
【0023】
なお、本発明の固形石鹸においては、洗浄時のきしみ感をさらに緩和する目的でクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などのα-ヒドロキシ酸またはその塩、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコールを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。具体的にはクエン酸0.03〜1重量%およびグリセリン0.1〜5重量%を添加することが好ましい。
【0024】
さらに本発明の固形石鹸は、所望により一般に配合される成分、例えば、アルキルエーテルサルフェート型陰イオン性界面活性剤、アシルイセチオネート型陰イオン性界面活性剤、アシルメチルタウレート型陰イオン性界面活性剤、アミドエーテルサルフェート型陰イオン性界面活性剤、アシルアミノ酸塩型陰イオン性界面活性剤、アルキルエーテルカルボキシレート型陰イオン性界面活性剤などの陰イオン性界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、アミドアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルグリシン型両性界面活性剤、アルキルイミノジ酢酸型両性界面活性剤、β-アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジアミノエチルグリシン型両性界面活性剤、アルキルスルホベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、アルキルホスホベタイン型両性界面活性剤などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ソルビタンエステル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンエステル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、アミンオキシド型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド型非イオン性界面活性剤などの非イオン性界面活性剤、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ラノリン、レシチンなどの油分、セルロースエーテル型陽イオン性高分子化合物、陽イオン性ポリビニルピロリドン誘導体、陽イオン性ポリアクリル酸誘導体、陽イオン性ポリアミド誘導体、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸アミドの共重合体、アルキルポリエチレンイミンなどの陽イオン性高分子化合物、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体などのシリコーン誘導体、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性高分子、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどの防腐剤、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロトリ酢酸三ナトリウムなどのキレート剤、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体などの紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、その他、色素、香料などを本発明の効果を損なわない程度に含むことができる。
【0025】
【実施例】
本発明を実施例により貝体的に説明する。
【0026】
実施例における固形石鹸の調製法、試験法および評価法を以下に説明する。
【0027】
(固形石鹸の調製法)
脂肪酸を5L双腕式混練機(入江商会(株)製PNV-5型)に入れ、約80℃に加熱し、28重量%水酸化ナトリウム水溶液または28重量%水酸化カリウム水溶液との混合液(Na/Kの重量比2/1〜3/1)を脂肪酸と当モル量添加して、85〜95℃で約5分間、攪拌混合した(a成分の調製)後、b成分であるタウリン塩またはN-メチルタウリン塩、必要に応じて、c成分である脂肪酸とアミノ酸塩との塩、その他の成分であるグリセリン、クエン酸などを添加し、更にその温度で攪拌混合を続けて乾燥させながら水分量を調節した。得られた組成物を押し出し機((株)佐藤鉄工所製)を用いて、混練および押し出しを行ない、棒状石鹸を得た後、型打ち機(理研精機(株)製MP-2B型)で成形して固形石鹸を調製した。
【0028】
(試験法および評価法)
(1)溶解性
得られた固形石鹸を底面積3cm2の直方体に切断した。(株)蔵持化学器械製作所製の石鹸摩擦溶解度試験器を用いて、得られた直方体の石鹸の底面と水で馴染ませたフィルムとをフィルムを回転させることにより5分間摩擦させて重量(W1)を測定し、さらに再度、石鹸の底面と水で馴染ませたフィルムとを5分間摩擦させて重量(W2)を測定して、次式により摩擦溶解度を算出した。摩擦溶解度が15以上の石鹸を溶解性の良好な固形石鹸であると評価した。なお、水温は40℃で試験した。
摩擦溶解度=〔(W1−W2)×100〕/3
【0029】
表1〜4では、摩擦溶解度が15以上の場合を○、15未満の場合を×で示した。
【0030】
(2)起泡力
岩谷産業(株)製ミルサー(型番−FM−100)のカップに人工硬水(炭酸カルシウム換算で100ppmになるように塩化カルシウムとイオン交換水で調製)で調製した石鹸濃度0.25重量%の水溶液を50gとり、これに人工汚垢(オリーブ油50重量%、オレイン酸20重量%、ラノリン10重量%、流動パラフィン10重量%、スクワレン10重量%からなる)を0.3g添加してカップに蓋をし、40℃で1時間静置した。1時間後、カップをミルサーにとりつけ、3000rpmで5秒間攪拌し、攪拌停止から1分後の泡の高さを測定した。カップの最低位置からの泡の高さが9cm以上の場合を起泡力が高いと評価した。表1〜4では、泡の高さが9cm以上の場合を○で、9cm未満の場合を×で示した。
【0031】
(3)泡の持続力
上記(2)の起泡力の測定において、攪拌停止から5分後の泡の高さを測定し、次の式から求めた数値が90%以上の場合を泡の持続力が高いと評価した。
持続率(%)=[(5分後の泡の高さ)/(1分後の泡の高さ)]×100
【0032】
表1〜4では、持続率が90%以上の場合を○で、90%未満の場合を×で示した。
【0033】
(4)速泡性
男女各10名をパネラーとし、綿タオルを使用して固形石鹸を泡立てたときの泡の立ち方について評価した。泡が速やかに立ち、速泡性が良いと感じた場合を2点、泡が立つまで若干時間を要すると感じた場合を1点、泡が立つまで非常に時間を要し、速泡性が悪いと感じた場合を0点として20名の合計点から、次の3段階で評価した。
○:速泡性が良好である(合計点30点以上)。
△:速泡性がやや悪い(合計点20点以上30点未満)。
×:速泡性が悪い(合計点20点未満)。
【0034】
(5)泡質
男女各10名をパネラーとし、固形石鹸で体を洗浄した時の泡質を評価した。泡が細かく弾力性があると感じた場合を2点、泡がやや粗いと感じた場合を1点、泡が粗く弾力性がないと感じた場合を0点として20名の合計点から、次の3段階で評価した。
○:泡質が良好である(合計点30点以上)。
△:泡質がやや悪い(合計点20点以上30点未満)。
×:泡質が悪い(合計点20点未満)。
【0035】
(6)洗浄時のきしみ感
男女各10名をパネラーとし、固形石鹸で体を洗浄し、お湯で洗い流した時のきしみ感を評価した。きしみ感がないと感じた場合を2点、少しきしみ感があると感じた場合を1点、きしみ感が強いと感じた場合を0点として20名の合計点から、次の3段階で評価した。
無 :きしみ感がない(合計点30点以上)。
やや有:少しきしみ感がある(合計点20点以上30点未満)。
有 :きしみ感が強い(合計点20点未満)。
【0036】
(7)洗浄後の肌のつっぱり感
男女各10名をパネラーとし、固形石鹸で体を洗浄した後の肌のつっぱり感を評価した。肌が全くつっぱらないと感じた場合を2点、少しつっぱると感じた場合を1点、非常につっぱると感じた場合を0点として20名の合計点から、次の3段階で評価した。
無 :つっぱり感がない(合計点30点以上)。
やや有:少しつっぱり感がある(合計点20点以上30点未満)。
有 :非常につっぱる(合計点20点未満)。
【0037】
(8)溶け崩れ
固形石鹸を25℃の水中に1時間浸漬させた後、2時間乾燥し、2時間後に表面の状態を目視で観察して次の4段階で評価した。◎および○を溶け崩れのしにくい(耐溶け崩れ性のある)固形石鹸であると評価した。
◎:試験前の状態とほとんど変化がなく、十分硬さがあり溶け崩れを生じていない。
○:表面だけ柔らかく内部は固い状態であり、ほぼ溶け崩れを生じていない。
△:内部まで若干柔らかくなり、多少溶け崩れを生じている。
×:内部まで柔らかくなり、完全に溶け崩れを生じている。
【0038】
(9)保存安定性
固形石鹸を40℃の開放系で1ヶ月間保存し、その外観を観察して、次の3段階で評価した。
○:安定性良好(1ヶ月間外観および臭気の変化がない)
△:安定性やや不良(若干着色やひび割れを生じる、または臭気がやや劣化する)
×:安定性不良(着色やひび割れが著しい、または臭気の劣化が著しい)
【0039】
実施例1〜10および比較例1〜6
表1〜3に示す組成の固形石鹸を調製し、上記の評価法に従い評価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
表1〜3から、本発明の実施例1〜10の固形石鹸は、溶解性が良好であり、速泡性および起泡性に優れ、非常に弾力性のある泡質を有し、洗浄時および洗いあがりの使用感が良好で、溶け崩れやひび割れを生じにくく、かつ保存安定性に優れた固形石鹸であることがわかる。
【0044】
比較例1の固形石鹸はa成分の含有量が50重量%より少ないため、攪拌停止1分後の泡高さ、速泡性が悪く、溶け崩れしやすい。
【0045】
比較例2の固形石鹸はa成分の含有量が95重量%を超えているため、溶解性が低く、好ましい泡質が得られず、洗浄時のきしみ感と洗浄後の肌のつっぱり感が強く、保存安定性が悪い。
【0046】
比較例3の固形石鹸はb成分の含有量が0.1重量%より少ないため、溶解性と泡の持続率が低く、好ましい泡質が得られず、洗浄時のきしみ感と洗浄後の肌のつっぱり感が強い。
【0047】
比較例4の固形石鹸はb成分の含有量が10重量%を超えているため、溶け崩れしやすく、保存安定性が悪い。
【0048】
比較例5の固形石鹸はb成分を含有せず、攪拌停止1分後の泡高さ、泡の持続率が低く、好ましい泡質が得られず、洗浄時のきしみ感が強く、保存安定性が悪い。
【0049】
比較例6の固形石鹸はb成分を含有せず、溶解性、泡の持続率および速泡性が低く、好ましい泡質が得られず、洗浄時のきしみ感および洗浄後の肌のつっぱり感が強く、保存安定性が悪い。
【0050】
実施例11および比較例7
透明石鹸を以下の方法で調製し、上記の試験法および評価法に従って評価した。
【0051】
(透明石鹸の調製方法)
脂肪酸を5L双腕式混練機(入江商会(株)製PNV−5型)に入れ、約80℃に加熱し、28重量%の水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの混合水溶液(Na/Kの重量比が2/1)を脂肪酸と当モル量添加して85〜95℃で約5分間攪拌混合した(a成分の調製)後、実施例11にはb成分であるタウリンナトリウムを添加した。c成分は添加せず、グリセリン、および砂糖を添加した。更にその温度で攪拌混合を続け、乾燥させながら水分量を調節した。そして、その組成物を押し出し機((株)佐藤鉄工所製)で混練および押し出しを行ない棒状石鹸を得た後、型打ち機(理研精機(株)製MP−2B型)で成形して透明石鹸を調製した。得られた透明石鹸を上記基準で評価した。表4に透明石鹸の組成と評価結果を示す。
【0052】
【表4】
【0053】
表4より実施例11の透明石鹸は、溶解性が良好であり、速泡性および起泡性に優れ、非常に弾力性のある泡質を有し、洗浄時および洗いあがりの使用感が良好で、溶け崩れやひび割れを生じにくく、かつ保存安定性に優れた透明石鹸であることがわかる。
【0054】
比較例7の透明石鹸はb成分を含有していないため、泡の持続率が低く、好ましい泡質が得られず、洗浄時のきしみ感が強く、保存安定性が悪い。
【0055】
【発明の効果】
本発明の固形石鹸は、溶解性が良好であり、速泡性および起泡性に優れ、非常に弾力性のある泡質を有し、洗浄時および洗いあがりの使用感が良好で、溶け崩れやひび割れを生じにくく、かつ保存安定性に優れているので、性能および安定性の両方の点から皮膚洗浄剤として有効である。
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