JP4409101B2 - 鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品 - Google Patents
鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4409101B2 JP4409101B2 JP2001020659A JP2001020659A JP4409101B2 JP 4409101 B2 JP4409101 B2 JP 4409101B2 JP 2001020659 A JP2001020659 A JP 2001020659A JP 2001020659 A JP2001020659 A JP 2001020659A JP 4409101 B2 JP4409101 B2 JP 4409101B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cast
- particles
- mold
- molten metal
- main body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳ぐるみ部材とそれを鋳込む鋳造材との間で優れた密着性が得られる、鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複雑な形状の製品や大量生産品には鋳造品が多いが、鋳物品は単一組成金属からなるため、そのまま鋳造しただけでは部位により異なった特性を持たせることは、通常不可能である。そこで従来から、要求性能を満たす鋳ぐるみ部材を特定部分に鋳込んだ鋳造品が製作されている。例えば、自動車等のエンジンでは、軽量で熱伝達性に優れるアルミニウム合金製のシリンダブロックに、ピストンやピストンリングとの摺動性や耐摩耗性に優れる鋳鉄製のシリンダライナが鋳込まれている。
しかし、そのような従来の鋳造品では、境界面における両者の密着性が必ずしも十分ではなかった。例えば、前述のシリンダブロックの場合、700℃程度のAl合金の溶湯で、融点が1200℃付近にあるシリンダライナを溶融密着させることは難しい。
【0003】
また、Al合金製のシリンダブロックと鋳鉄製のシリンダライナとは熱膨張係数が相当異なるため、エンジンが高温になると、内側のシリンダライナの熱膨張率が小さい一方で外側のシリンダブロックの熱膨張率が大きい。このために、鋳造当初では、両者が接合していたとしても、その境界面に生じる大きな熱応力により、両者は引離され、両者間にクリアランスを生じてしまう。このように、鋳ぐるみ部材とそれを鋳込む鋳造材との間の密着性を保持することは、従来から困難であった。
そして、その境界面での密着性が不十分になると、製品の種類にもよるが、熱伝達性、鋳ぐるみ部材の支持強度等が悪化し、また、その境界面からオイルやガスの漏洩等を生じたりする可能性がある。従って、鋳ぐるみ部材を鋳込む鋳造品の場合、両者の密着性を十分に確保することが求められる。そこで、両者の密着性の向上を図れる提案が、次に挙げるような公報等において為されている。
【0004】
▲1▼特開平8−174188号公報では、シリンダライナ(鋳鉄)を鋳込む溶湯(Al合金)と溶着性をもつ金属材(Al合金系ろう材)を、そのシリンダライナの外表面に溶射して、シリンダライナの表面層を改良することにより、両者の密着性を高める方法が開示されている。同じような開示は、特開平10−94867号公報や特開平5−237630号公報にもある。
▲2▼特開平7−139419号公報では、ライナ表面に斜めの構加工を行って密着面積を大きくすると共に、ライナ表面に発生する気泡を上部に排出して両者の密着力を向上させる方法が開示されている。
また、鋳ぐるみ部材であるシリンダライナに係合部を設けて物理的に密着性を高めたものが特開平10−122034号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の場合、溶射に伴いシリンダライナの熱変形を生じたり、溶射を行うための別工程を必要としたりする。
また、後者の場合、本発明者が試験したところによると、鋳ぐるみ部材を鋳込む溶湯の射出条件(ダイカストの場合)によって溶湯の凝固状態が変わり、密着性向上の効果が出現しない場合も多く生じた。しかも、後者の方法では、追加工を必要とするため、生産コスト等から見ても好ましい方法ではない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものである。
つまり、鋳ぐるみ部材とそれを鋳込む鋳造材との間の密着性を確実に向上させることができる、鋳ぐるみ部材を提供することを目的とする。
また、密着性に優れた鋳ぐるみ部材を効率良く生産できる、鋳ぐるみ部材の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、鋳ぐるみ部材と鋳造材とが強固に密着した、鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ね、鋳ぐるみ部材を鋳込んで鋳造する場合に生じる、化学的焼着現象について詳細に検討した結果、凝固時に塩基性酸化物を生成する溶湯を、酸性酸化物(酸性砂)の鋳物砂からなる鋳型に注湯すると、鋳ぐるみ部材の本体表面に、粒子が強固に焼着することを見出し、本発明の鋳ぐるみ部材およびその製造方法を完成させるに至ったものである。
【0008】
(1)すなわち、本発明の鋳ぐるみ部材は、塩基性酸化物を生じる金属元素からなる本体と、該塩基性酸化物と反応して該本体の表面に焼着する酸性酸化物からなる付着粒子とを有し、該本体を鋳造材中に鋳込んだときに該本体と該鋳造材との間の密着性を該付着粒子を介して高められることを特徴とする。
【0009】
鋳ぐるみ部材の本体表面にできる金属元素の塩基性酸化物と、付着粒子の酸性酸化物とが反応して、付着粒子が本体の表面に焼着し、両者が強固に結合していると共に、付着粒子がその本体表面から突き出て、本体表面が種々の形状をした細かな凹凸状となっている。
そして、この鋳ぐるみ部材が鋳込まれると、その付着粒子の周囲を取囲むように、鋳造材の溶湯が回り込み、いわゆるその付着粒子がアンカまたは楔(くさび)となって、鋳ぐるみ部材と鋳造材とをその境界面で離脱困難に、物理的に結合する。
このように、鋳ぐるみ部材の本体表面に化学的に強固に結合した付着粒子が、さらに、鋳造材と物理的に強固に結合し、この付着粒子を介することにより、鋳ぐるみ部材とそれを鋳込む鋳造材とが強固に連結され、両者の密着性が著しく向上することとなる。
【0010】
ここで、付着粒子の酸性酸化物と反応する塩基性酸化物は、鋳ぐるみ部材自体の製造中(例えば、鋳造中)にできるものでも、鋳ぐるみ部材の製造後にできるものでも良い。また、その塩基性酸化物を形成する金属元素は、鋳ぐるみ部材本体の主成分でなくても良く、添加した合金成分でも良い。付着粒子も、酸性酸化物が主成分である場合に限らない。また、塩基性酸化物と酸性酸化物とはそれぞれ1種以上必要であるが、一方もしくは両方が複数種からなるものでも良い。これらのことは、特に断らない限り、以下同様である。
なお、塩基性酸化物と酸性酸化物との間での焼着反応については、詳細を後述する。
【0011】
(2)また、この鋳ぐるみ部材は、例えば、次の本発明の製造方法により製造することができる。
すなわち、本発明の鋳ぐるみ部材の製造方法は、凝固層表面に塩基性酸化物を生じる金属元素を含む溶湯を調製する溶湯調製工程と、該塩基性酸化物と反応する酸性酸化物からなる付着粒子をキャビティ内面の少なくとも一部に有する鋳型に該溶湯を注湯する注湯工程と、該溶湯を冷却凝固する凝固工程とからなり、該付着粒子が鋳込まれる表面に焼着した鋳ぐるみ部材を得ることを特徴とする。
ここで、付着粒子を設ける範囲を「キャビティ内面の少なくとも一部」としたのは、鋳ぐるみ部材を鋳込む鋳造材と接する部分に、付着粒子が存在すれば十分だからであり、鋳造材と接触しない表面にまで付着粒子は設ける必要ないからである(以下、同様)。
【0015】
(3)この鋳ぐるみ部材は、例えば、次の本発明の製造方法により製造することができる。
すなわち、本発明の鋳ぐるみ部材の製造方法は、金属元素を主成分とする溶湯を調製する溶湯調製工程と、該溶湯と主成分の金属元素を同一とし該溶湯に少なくとも表面部分が溶融する付着粒子をキャビティ内面の少なくとも一部に有する鋳型に該溶湯を注湯する注湯工程と、該溶湯を冷却凝固する凝固工程とからなり、該付着粒子が鋳込まれる表面に焼着した鋳ぐるみ部材を得ることを特徴とする。
【0016】
ここで、付着粒子は、本体を形成する溶湯と主成分の金属元素を同一とするため、両者の融点は同一か、または近接しており、その溶湯に接した付着粒子は、少なくともその溶湯に接する表面の一部分が溶融することになる。もっとも、その溶融は、付着粒子全体が溶融する必要はなく、付着粒子が鋳ぐるみ部材の本体表面に溶着すれば、十分である。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
(1)鋳ぐるみ部材
塩基性酸化物は、酸と反応して塩をつくる酸化物であるが、本発明でいう塩基性酸化物は金属酸化物である。例えば、FeO、Fe2O3、Mn2O3等の鉄系酸化物やマンガン系酸化物が塩基性酸化物として代表的である。その他、鋳ぐるみ部材の材質(組成)により、塩基性酸化物はCaO、MgO、Na2O、K2O等でも良い。また、Al2O3等の両性酸化物でも良い。
例えば、鋳ぐるみ部材が鉄製であるとき、その本体に鋳鉄、鋳鋼、マンガン鋼のいずれかを用いることができる。鋳造品自体は軽合金製であっても、強度、耐摩耗性、摺動性等の観点から、鉄製の鋳ぐるみ部材が多用されている。これは、付着粒子を焼着ではなく溶着させた場合にも言えることである。溶着する付着粒子について言換えると、鋳ぐるみ部材と付着粒子との主成分の金属元素が鉄であると、好ましい。
【0018】
特に、その本体が、組成全体を100質量%としたときに、マンガン(Mn)が0.3質量%以上、1.0質量%以下の含有量とすると好ましい。
これは、0.3質量%以下では反応が生じにくく、焼着が起りにくいからであり、Mnが1.0質量%を超えると、溶湯の表面張力が低下し、さし込み欠陥が増加するためである。
酸性酸化物は、塩基と反応して塩をつくる酸化物であるが、本発明でいう酸性酸化物は上記塩基性酸化物と反応して焼着反応を生じるものである。例えば、鋳物砂として一般的な珪砂の主成分であるSiO2が、酸性酸化物として代表的である。その他、酸性酸化物は、ジルコン砂の主成分であるZrSiO4やムライト粒子の主成分である3Al2O3・2SiO2〜2Al2O3SiO2等でも良い。
そこで、付着粒子を、珪砂、ジルコン砂、ムライト粒子のいずれか1種以上とすると、好ましい。
もっとも、塩基性酸化物と酸性酸化物とは、鋳ぐるみ部材の組成と使用する鋳物砂を考慮して、相性の良いものを選択すると好ましい。
【0019】
ところで、塩基性酸化物と酸性酸化物との焼着反応について、FeO(塩基性酸化物)とSiO2(酸性酸化物)とを例にとり説明する。この場合、次の化学式の右向きの反応が進行して、塩基性酸化物と酸性酸化物との境界面にファヤライト(fayalite)が生成される。
2FeO+SiO2→2FeO・SiO2(fayalite)
このファヤライトは、非常に大きな強度を有し、塩基性酸化物と酸性酸化物とが強固に結合して容易に剥がすことはできない。そして、このファヤライトを介することにより、酸性酸化物からなる付着粒子は、表面に塩基性酸化物を備える鋳ぐるみ部材上に強固に結合することとなる。そして、この付着粒子は、ショットブラスト等では容易に落とすことはできない。
【0020】
さらに、このような焼着反応は、例えば、SiO2などの酸性鋳物砂に鋳鉄などの塩基性酸化物(FeO)を生成する溶湯を注湯した後の凝固途中で起り易い。
鋳ぐるみ部材の本体表面に、酸性酸化物である付着粒子が焼着している様子を図1に模式的に表した。また、付着粒子が鋳鉄製シリンダライナの外周表面全体に均一に焼着している様子を模式的に図2に示した。
このように、従来のシリンダライナでは、熱膨張差により密着性を保持することが難しいが、本発明の確鋳ぐるみ部材を用いると、両者の密着性を高められ、シリンダライナとシリンダブロックとの間の熱伝達性を確保でき、また、エンジン性能や耐久性の向上を図ることができる。
いずれにしても、付着粒子(例えば、鋳物砂)が鋳ぐるみ部材の本体表面に点在し、その表面から突出てが存在するため、本発明の鋳ぐるみ部材を鋳造材の溶湯(特に高圧の溶湯)中に鋳込むと、その付着粒子が溶湯に鋳ぐまれ、付着粒子のアンカ効果または楔効果によって、鋳ぐるみ部材が鋳造材に強固に密着することとなる。
【0021】
ところで、付着粒子は、平均粒径を100μm以上、さらには、150μm以上とすると好ましい。
鋳ぐるみ部材の表面から突出している部分が大きい程、または鋳ぐるみ部材の表面に種々の凹凸が形成されている程、回り込んだ鋳造材の溶湯と付着粒子とが複雑に絡まり、鋳ぐるみ部材と鋳造材との密着性をより強固にできるからである。
ここで、平均粒径とは、画像処理を用いて付着粒子の断面積と等価な面積の円の直径を、サンプル数n=300について平均化したものである。
なお、これは、焼着した付着粒子に限らず、前述の溶着した付着粒子についても言えることである。以降、特に断らない限り、両種の付着粒子に共通する説明である。
【0022】
また、前記付着粒子は、前記本体が鋳込まれる鋳込表面積の5〜80%、さらに望ましくは20〜60%に分布していると、好適である。
付着粒子の存在する領域が鋳込表面積の5%未満では、十分な密着力を得ることができず、80%を越えると、付着粒子間の溶湯の回り込みが困難になり、アンカ効果が殆ど望めず、密着力が低下するからである。
【0023】
(2)鋳ぐるみ部材の製造方法
本発明の鋳ぐるみ部材の製造方法は、溶湯調製工程と、注湯工程と、凝固工程とからなる。各工程は、鋳ぐるみ部材の材質や形状等に応じて、従来の種々の方法を利用できるが、本発明の製造方法では、所望の成分に調製された溶湯の注がれる鋳型、特にキャビティの内面に特徴がある。つまり、前述したように、そのキャビティ内面の少なくとも一部には、焼着または溶着する付着粒子が存在する。
そして、その付着粒子が酸性酸化物からなるときは、塩基性酸化物と反応して付着粒子の焼着した鋳ぐるみ部材が得られ、その付着粒子が鉄粉からなるときは、溶湯により少なくとも一部が溶融して付着粒子の溶着した鋳ぐるみ部材が得られる。
【0024】
ところで、表面に付着粒子が適度に付着した鋳ぐるみ部材を得るために、前記付着粒子の存在する前記キャビティ内面の表面粗さが、15〜150μmRz(十点平均粗さ)、さらに望ましくは60〜150μmRzであると、好適である。
つまり、15μmRz以上の荒れたキャビティ内面とすることにより、溶湯と付着粒子との接触面積が増えると共に溶湯の付着粒子中に浸透する量(浸透量)が増加して、その溶湯が付着粒子(例えば、珪砂等の鋳物砂粒)をくるむ量が増える。
これにより、溶湯(塩基性酸化物)と付着粒子(酸性酸化物)との焼着反応が促進されたり、溶湯と付着粒子との溶融反応が促進されたりして、多数の付着粒子が表面に付着した鋳ぐるみ部材が得られる。
一方、キャビティ内面の表面粗さが150μmRzを越えると、鋳ぐるみ部材の寸法精度が保証できなくなり好ましくない。
【0025】
ところで、鋳ぐるみ部材を砂型鋳造する場合、砂型の造型は、粘結剤に被覆された珪砂等の鋳物砂が充填された鋳枠を、模型(木型、金型、樹脂型など)定盤にセットした造型機を用いて行われるのが一般的である。しかし、一般的に模型の表面は滑らかであり、仮に、模型の表面粗さを調整しても、砂型のキャビティの内面の表面粗さを上記のような値とすることは困難である。
そこで、前記キャビティは、前記付着粒子からなる鋳物砂を固化させた鋳型ブロックを切削加工して形成されたものとすると、好適である。
付着粒子からなる鋳物砂を固化させた鋳型ブロックを、エンドミル等の切削工具を用いて切削加工すると、切削工具が鋳物砂をはぎ取りながらキヤビティを創成するため、表面の滑らかな焼成型に比べて、キャビティ内面の表面粗度が適度に粗い鋳型(砂型)が容易に得られる。
【0026】
切削加工により形成された砂型表面の状態およびその砂型への溶湯浸透状態と、滑らかな焼成型により作製された砂型表面の状態およびその砂型への溶湯浸透状態とを、ぞれぞれ、図3、図4に模式的に示した。なお、図3、図4は、溶湯が鋳鉄の溶湯で、付着粒子(鋳物砂)が珪砂である場合を例示したものである。これらの図からも、砂型のキャビティ内面が切削加工により形成されていると、溶湯が回り込み易く、つまり浸透量が多く、表面に多くの付着粒子が強固に焼着または溶着した鋳ぐるみ部材が得られることが解る。
そして、キャビティ内面を切削加工する場合、前記鋳物砂を珪砂とし、前記鋳型ブロックが樹脂バインダーでコーティングした該珪砂を成形後に硬化させたものであると、好適である。
【0027】
珪砂は酸性酸化物であると共に鋳物砂として一般的であり、樹脂バインダーでコーティングされた珪砂(鋳物砂)の入手は容易である。また、熱硬化性樹脂を粘結剤(バインダー)として使用すると、水や粘土からなる粘結剤を使用する場合に比べて、砂型の強度を高くすることができ、切削加工しても型くずれを起し難く、好都合である。
なお、バインダーとなる樹脂には、フラン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の硬化性樹脂がある。
【0028】
また、付着粒子の焼着した鋳ぐるみ部材を製造する場合、キャビティの内面に、前記塩基性酸化物を塗布しておいても良い。
塩基性酸化物をキャビティの内面に塗布しておくことにより、前述した焼着反応がより一層促進させ、例えば、ファヤライトが鋳ぐるみ部材の本体表面に多く生成される。その結果、塩基性酸化物を生じる金属元素(例えば、鋳鉄中のMn量等)を多くしなくとも、鋳ぐるみ部材の表面に付着粒子を容易に焼着させることもできる。
【0029】
さらに、前記鋳型は、少なくともそのキャビティの内面を、前記付着粒子を含む塗型材で形成された塗型であっても良い。
塗型は、特に、鋳造後の塑性加工や切削加工が困難な、形状の複雑な鋳ぐるみ部材を製作する場合に適する。
ところで、鋳ぐるみ部材の表面に付着粒子がすべて焼着または溶着することは殆どなく、付着粒子(鋳物砂等を含む)が鋳ぐるみ部材の表面に残留する。そこで、そのような残留物を除去することが好ましい。
従って、本発明の鋳ぐるみ部材の製造方法が、さらに、前記付着粒子の付着している前記鋳ぐるみ部材の表面から溶着または焼着していない残留粒子を除去する除去工程を備えると、好適である。
この除去工程は、例えば、ショットブラスト、ショットピーニング、タンブラ、エアブラスト、ハイドロブラスト等を使用して鋳ぐるみ部材の表面を清浄にする工程であるが、特に、ショットブラストによると、容易で確実である。
【0030】
(3)鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品
上述した本発明の鋳ぐるみ部材を用いると、鋳ぐるみ部材と鋳造材との密着性に優れた鋳造品が得られる。従って、本発明は次にような鋳造品に関するものでもある。
すなわち、本発明の鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品は、塩基性酸化物を生じる金属元素からなる本体と該塩基性酸化物と反応して該本体の表面に焼着する酸性酸化物からなる付着粒子とを有する鋳ぐるみ部材を、鋳造材中に鋳込んで該鋳ぐるみ部材と該鋳造材との間の密着性を高めたことを特徴とする。
【0031】
また、本発明の鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品は、金属製の本体と該本体と主成分の金属元素を同一とする該本体の表面に溶着した付着粒子とからなる鋳ぐるみ部材を、鋳造材中に鋳込んで該鋳ぐるみ部材と該鋳造材との間の密着性を高めたことを特徴とする。
なお、鋳造材の溶湯の圧力が大きい程、より多くの付着粒子をその溶湯が鋳ぐるため、大きな射出圧力が得られる金型鋳造(ダイカスト)により鋳造品が製造されることが好ましい。溶湯の材質にもよるが、射出圧力が20〜100MPa、さらには65〜80MPaであると、好ましい。100MPa以下としたのは、射出圧力が大きすぎると、非常に大型の設備が必要となり経済的でないからである。また、その溶湯の温度は、当然湯回り不良の生じない温度以上とすることが望ましく、例えば、ADC12合金を用いた場合なら、640〜680℃とするのが好ましい。
【0032】
このような鋳造品の具体例として、例えば、シリンダライナを鋳込んだシリンダブロック、シャフトを鋳込んだスーパチャージャ等のロータ、シャフトを鋳込んだ斜板式コンプレッサの斜板、鋳鉄製ディスクを鋳込んだディスクブレーキ、本発明の鋳ぐるみ部材を用いることにより、それらの鋳造品の強度、耐摩耗性、熱伝導性、熱伝達性等を向上させることができる。しかも、本発明の鋳ぐるみ部材を用いれば、鋳ぐるみ部材の本体に追加工等を施すことなく、鋳造材との密着性を容易に確保することが可能となる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
以下に示す第1〜7鋳ぐるみ部材を製作して、本発明に係る鋳ぐるみ部材の評価を行った。
(1)鋳ぐるみ部材とそれを鋳込んだ鋳造品の製作
▲1▼第1鋳ぐるみ部材
鋳ぐるみ部材の形状は、長さ140×内径68×外径75(mm)の円筒状とした。
円筒状の鋳ぐるみ部材を製作するために、半円筒のキャビティを持つ焼成用鋳型を作製し、レジン(1.7%)をコーティングした平均粒径150μmの6号珪砂を充填後、300℃で焼成し、鋳型1を作製した。
別途、同じ条件で外径68mmの円柱状中子(鋳型2)を製作し、鋳型2を鋳型1の筒内部に挿入し両鋳型を組合わせることにより、円筒部材用鋳型(ライナ鋳型)を製作した。
そして、FCA12を熔解して鋳鉄の溶湯を得た後(溶湯調製工程)、前述の鋳型にこの溶湯を1350℃で注湯し(注湯工程)、鋳型内冷却の条件で冷却して凝固させた(凝固工程)。
得られた鋳ぐるみ部材の外周面に、ガラスビーズを用いてショットピーニングを行い、未焼着の砂粒(付着粒子)を落とし洗浄して(除去工程)、各鋳ぐるみ部材を得た。
【0034】
▲2▼第2〜7鋳ぐるみ部材
第1鋳ぐるみ部材に対して、使用した鋳型材(鋳物砂)の種類や粒径のみを変更し、その他は第1鋳ぐるみ部材と同様にして、第2〜7鋳ぐるみ部材を得た。各部材の異同を表1にまとめて示す。
なお、鋳ぐるみ部材の製作に使用した、いずれの鋳型内面(キャビティ内面)粗さも、15〜25μmであった。
【0035】
【表1】
【0036】
▲3▼こうして得た各鋳ぐるみ部材を、3500t(3500000kg)のダイカスト機に取り付け、ADC12合金溶湯を700kg/cm2(68.65MPa)の圧力で射出し、鋳ぐるみ部材を鋳込んだAl合金製の鋳造品を製作した。
【0037】
(2)鋳ぐるみ部材の評価
▲1▼第1鋳ぐるみ部材を用いた鋳造品の接合部断面の様子を図5に示す。なお、図5は、その接合部断面を示す40倍の顕微鏡写真である。
この図5から、鋳ぐるみ部材の表面部には珪砂が入組んだように分散し、鋳ぐるみ部材と鋳造材とを強固に接着していることが解る。
また、この鋳ぐるみ部材と鋳造材との密着強度を、ロードセル(荷重計)を用いて測定したところ、700kg/cm2(68.65MPa)であり、鋳造材のアルミ基材単体での剪断強度が1400kg/cm2(137.3MPa)であることから考えても、その密着強度が非常に大きいものであることが解った。
【0038】
▲2▼第2〜5鋳ぐるみ部材を鋳込んだ各鋳造品についても、同様に密着強度を調べた。その結果を付着粒子の粒径順に図6に示す。使用した鋳物砂(付着粒子)は、珪砂とムライトであり、種類が異なるものの、両者ともに酸性砂である点で共通する。そして、いずれの鋳ぐるみ部材においても、その粒径に拘らず、各鋳物砂が強固に鋳ぐるみ部材の本体表面に付着していた。
但し、図6から解るように、平均粒径が100μm以下の鋳物砂を用いた場合、鋳ぐるみ部材と鋳造材との密着強度は十分ではなかった。これは、付着粒子の鋳ぐるみ部材表面からの突出量が少なく、Al合金の鋳造材中における付着粒子のアンカ効果が不十分であったためと思われる。
【0039】
▲3▼第1鋳ぐるみ部材と第6鋳ぐるみ部材との鋳肌面のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を、図7および図8にそれぞれ示す。
図7から解るように、酸性酸化物からなる酸性砂(珪砂)を使用した場合、多数の珪砂が鋳ぐるみ部材の鋳肌面に焼着し、画像処理装置により測定したところ、その面積率は60%程度であった。
一方、図8から解るように、オリビン砂を使用した場合、鋳ぐるみ部材の鋳肌面に殆どオリビン砂が焼着しておらず、その面積率は3%程度であった。これは、オリビン砂のMgOが塩基性であるため、酸性酸化物FeOと反応せず、焼着反応が進行し難かったためと思われる。
また、第1鋳ぐるみ部材と第6鋳ぐるみ部材とを鋳込んだ鋳造品について、前述したのと同様に、密着強度をそれぞれ調べた結果を図9に示す。この図から、粒子が殆ど焼着していない第6鋳ぐるみ部材の場合、鋳ぐるみ部材と鋳造材との間の密着強度が殆どないことが解る。
【0040】
▲4▼鉄粉を固めた鋳型をもちいて製作した第7鋳ぐるみ部材の表面断面状態を図10に模式的に示した。
この場合、上述の焼着と異なり、鉄粉が鋳ぐるみ部材の表面に多数溶着していた。そして、この第7鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品について、密着強度を調べたところ、900kg/cm2(88.26MPa)と非常に大きいものであることが解った。
【0041】
(実施例2)
以下に示す第1〜5シリンダライナ(鋳ぐるみ部材)を製作して、本発明に係る鋳ぐるみ部材の評価を行った。
なお、製作したシリンダライナの形状は共通で、長さ140×内径68×外径75(mm)とした。
(1)シリンダライナの製造
▲1▼第1シリンダライナ
円筒状のシリンダライナを製作するために、半円筒の滑らかなキャビティを持つ焼成用鋳型を作製し、レジン(1.7%)をコーティングした平均粒径150μmの6号珪砂を充填後、300℃で焼成し、鋳型(砂型)を作製した。この鋳型の表面粗さは10μmRzであった。こうして製作した鋳型を2つ合わせて、円筒状のキャビティをもつ鋳型(砂型)を作製した。そして、実施例1と同様に、その鋳型と中子とを組合わせてライナ鋳型を製作した。
このライナ鋳型に、FCA12を熔解し鋳鉄の溶湯を得て(溶湯調製工程)、この溶湯を前述の鋳型の上部から1350℃で注湯し(注湯工程)、その後鋳型内自然冷却の条件で冷却して凝固させた後(凝固工程)、取出してシリンダライナを得た。
こうして得られたシリンダライナの外周面に、ガラスビーズのショットピーニングを行い、未焼着の砂粒(付着粒子)を落とし清浄にした(除去工程)。
【0042】
▲2▼第2シリンダライナ
先ず、第1シリンダライナの場合と同じ珪砂を用いて、この珪砂を110×110×170mmの枠型に充填後、焼成して鋳型ブロックを製作した。次に、この鋳型ブロックの上面からφ6mm×長さ200mmの超硬エンドミルで、内径68mm×外径75mm×深さ140mmの同心円状の溝加工を行い、鋳型(砂型)を製作した。このときの表面粗さは50μmRzであった。
これ以降は、第1シリンダライナと同様にして、溶湯の注湯、凝固、取出しを行い、第2シリンダライナを得た。
【0043】
▲3▼第3シリンダライナ
第3シリンダライナは、第2シリンダライナに対して、使用する鋳物砂と、鋳型のキャビティを切削加工するエンドミル径とを変更して製作したものである。
すなわち、先ず、フラン樹脂をコーティングした平均粒径250μmの5号珪砂を、110×110×170mmの枠型に充填後、反応硬化させて鋳型ブロックを製作した。
次に、この鋳型ブロックの上面からφ5mm×長さ200mmの超硬エンドミルで、内径68mm×外径75mm×深さ140mmの同心円状の溝加工を行い、鋳型(砂型)を製作した。このときの表面粗さは150μmRzであった。
これ以降は、第1シリンダライナと同様にして、溶湯の注湯、凝固、取出しを行い、第3シリンダライナを製作した。
【0044】
▲4▼第4シリンダライナ
円筒状のシリンダライナを製作するために、半円筒のキャビティを持つ焼成用鋳型を作製した。このキャビティ面を磨くことなく、加工面の粗さとした。
以降は、第1シリンダライナの場合と同様に、レジンをコーティングした平均粒径150μmの6号珪砂を充填後、300℃で焼成し、鋳型を作製した。この鋳型の表面粗さは15μmRzであった。こうして製作した鋳型を2つ合わせて、円筒状のキャビティをもつ鋳型(砂型)を作製した。そして、実施例1等と同様に、中子を組合わせてライナ鋳型を製作した。
さらに、第1シリンダライナの場合と同様に、溶湯の注湯、凝固、取出しを行い、第4シリンダライナを製作した。
【0045】
(2)シリンダブロック(鋳造品)の製造
上述の第1〜4シリンダライナについて、それぞれ4個づつ鋳込んだ4気筒のシリンダブロックを製作した。つまり、各シリンダライナを、3500t(3500000kg)のダイカスト機に取り付け、注湯温度640℃のADC12合金溶湯を700kg/cm2(68.65MPa)の圧力で射出して、4つのシリンダライナを鋳込んだ4気筒のAl合金製シリンダブロックを、各種シリンダライナ毎に製作した。
【0046】
(3)シリンダブロックの評価
製作した各シリンダブロックについて、そのボア部に切り込みを入れ、破断状況を観察し、また、開放ひずみを測定した。ここで言う開放ひずみとは、次のようなものである。
つまり、アルミ溶湯は、固体に変化する過程での凝固、冷却により収縮しようとするが、鋳ぐるんだライナが拘束しているため、作製したアルミ鋳物は引張られた状態となっている。そのため、めがね形状鋳物のめがね中心部にひずみゲージを貼り、側面部を破断すると、鋳物は縮もうとして、そのひずみゲージには圧縮(マイナス)ひずみが測定される。こうして測定されるひずみ量を開放ひずみと呼ぶ。
【0047】
▲1▼第1シリンダライナを用いた場合、図11に示すように、切り込みを入れると、すぐにブロック側のAl合金製鋳造材が破断し、そのボア間で測定した開放ひずみは、−1500μmと非常に大きいものであった。
シリンダブロック側のAl合金とシリンダライナ側の鋳鉄との間には熱膨張差があるため、凝固過程における収縮で、Al合金側には引張応力が作用する。ところが、第1シリンダライナの表面とシリンダブロック側のAl合金との界面の様子は、図12から解るように、両者の間にアンカとなる粒子が殆ど存在していないため、密着力が皆無であることが解った。そして、この結果、前述の大きな開放ひずみが生じたものと考えられる。なお、図12は、その界面の様子を示す12倍のマクロ観察写真である(後述の図14も同様)。
【0048】
▲2▼第2シリンダライナを用いた場合、図13(a)に示すように、シリンダブロック側のAl合金部分に切り込みを入れても破断せず、図13(b)に示すように、シリンダライナ部分にまで切り込みを入れシリンダライナが破断してはじめて、ひずみが開放された。
このときのボア間の開放ひずみは、−300μmと、非常に小さいものであった。
これは、第2シリンダライナの場合、界面の状態を示す図14から解るように、シリンダライナの表面に焼着した砂粒(付着粒子)がADC12合金にくるまれて、付着粒子によるアンカ効果によって、両者間に強い密着力が生じている。そして、このような付着粒子が介在することにより、シリンダブロックに切り込みを入れても、鋳鉄製のシリンダライナがシリンダブロックのAl合金を保持しているため、ボア間までひずみが開放されなかったと考えられる。
【0049】
▲3▼第3シリンダライナを用いた場合、第2シリンダライナと同様で、図13に示すように、切り込みを入れても破断せず、シリンダライナ部分にまで切り込みを入れシリンダライナが破断してはじめて、ひずみが開放された。そして、このときの開放ひずみは、−290μmと非常に小さいものであった。
【0050】
▲4▼第4シリンダライナを用いた場合も、第2、3シリンダライナと同様で、図13に示すように、切り込みを入れても破断せず、シリンダライナ部分にまで切り込みを入れシリンダライナが破断してはじめて、ひずみが開放された。そして、このときの開放ひずみは、−500μmと非常に小さいものであった。
【0051】
▲5▼以上の評価をもとに、各シリンダライナを製作した鋳型(砂型)のキャビティ内面の表面粗さと、得られたシリンダライナを鋳込んだシリンダブロックのボア間に生じる開放ひずみとの関係を図15に示す。
これから、その表面粗さが15μmRzを越えると、開放ひずみが急減し、シリンダライナとシリンダブロックとの間の密着力が急増していることが解る。
【0052】
(4)塩基性酸化物の塗布
さらに、第1シリンダライナを製作した焼成鋳型の滑らかなキャビティ内面に、塩基性酸化物であるFe2O3を塗布して、第1シリンダライナの場合と同様に鋳鉄を注湯、凝固、取出し等して、第5シリンダライナを製作した。
この第5シリンダライナを鋳込んだシリンダブロックは、キャビティ内面の表面粗さがは10μmと小さかったにも拘らず、シリンダライナとシリンダブロックとの間に大きな密着力が得られ、シリンダライナの拘束除去時の開放ひずみも−300μmと非常に小さいものであった。
これは、塩基性酸化物(Fe2O3)の存在により、シリンダライナの表面における焼着反応が促進され、その表面に付着粒子が多数付着したためと考えられる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の鋳ぐるみ部材によれば、その本体表面に付着した多数の粒子がアンカのように作用し、それを鋳込んだ鋳造品との間の密着性を著しく高めることができる。
【0054】
また、本発明の鋳ぐるみ部材の製造方法によれば、付着粒子が表面に焼着または溶着した鋳ぐるみ部材を容易に、また、効率的に得ることができる。
【0055】
さらに、本発明の鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品によれば、鋳ぐるみ部材と鋳造材との間の密着性が高く、両者の間の強度、熱伝達性、熱伝導性、耐漏洩性等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳ぐるみ部材の本体表面に酸性酸化物である付着粒子が焼着している様子を示す模式図である。
【図2】付着粒子がシリンダライナの外周表面全体に均一に焼着している様子を示す模式図である。
【図3】切削加工により形成された砂型への溶湯浸透状態を示す模式図である。
【図4】滑らかな焼成型により作製された砂型への溶湯浸透状態を示す模式図である。
【図5】第1実施例に係る第1鋳ぐるみ部材を用いた鋳造品の接合部の断面状態を示す顕微鏡組織写真である。
【図6】第1実施例に挙げた各鋳ぐるみ部材について、鋳造材との密着強度と付着粒子の粒径との関係を示すグラフである。
【図7】第1実施例に係る第1鋳ぐるみ部材の鋳肌面を示すSEM写真である。
【図8】第1実施例中に挙げた第6鋳ぐるみ部材の鋳肌面を示すSEM写真である。
【図9】第1実施例中に挙げた第1鋳ぐるみ部材と第6鋳ぐるみ部材とを鋳込んだ鋳造品の密着強度を対比したグラフである。
【図10】第1実施例に係る、鉄粉の鋳型を用いて製作した第7鋳ぐるみ部材表面の断面状態を示す模式図である。
【図11】第2実施例中に挙げた第1シリンダライナを鋳込んだシリンダブロックに切り込みを入れ、破断した様子を示す模式図である。
【図12】第2実施例中に挙げた第1シリンダライナとシリンダブロックとの界面の様子を示すマクロ観察写真である。
【図13】第2実施例に係る第2シリンダライナを鋳込んだシリンダブロックに切り込みを入れた様子を示す模式図であり、同図(a)はシリンダブロックのAl合金部分にのみ切り込みを入れた場合であり、同図(b)はシリンダライナにまで切り込みを入れた場合である。
【図14】第2実施例中に係る第2シリンダライナとシリンダブロックとの界面の様子を示すマクロ観察写真である。
【図15】第2実施例に挙げた各シリンダライナを製作した鋳型(砂型)のキャビティ内面の表面粗さと、得られたシリンダライナを鋳込んだシリンダブロックのボア間に生じる開放ひずみとの関係を示すグラフである。
Claims (16)
- 塩基性酸化物を生じる金属元素からなる本体と、
該塩基性酸化物と反応して該本体の表面に焼着する酸性酸化物からなる付着粒子とを有し、
該本体を鋳造材中に鋳込んだときに該本体と該鋳造材との間の密着性を該付着粒子を介して高められることを特徴とする鋳ぐるみ部材。 - 前記付着粒子は、平均粒径を100μm以上とする請求項1に記載の鋳ぐるみ部材。
- 前記付着粒子は、前記本体が鋳込まれる鋳込表面積の5〜80%に分布している請求項1に記載の鋳ぐるみ部材。
- 前記付着粒子は、珪砂、ジルコン砂、ムライト粒子のいずれか1種以上である請求項1記載の鋳ぐるみ部材。
- 前記本体は、鋳鉄、鋳鋼、マンガン鋼のいずれかからなる請求項1に記載の鋳ぐるみ部材。
- 前記本体は、組成全体を100質量%としたときに、マンガンを0.3質量%以上含む請求項5記載の鋳ぐるみ部材。
- 前記本体は、シリンダライナである請求項1に記載の鋳ぐるみ部材。
- 塩基性酸化物を生じる金属元素からなる本体と該塩基性酸化物と反応して該本体の表面に焼着する酸性酸化物からなる付着粒子とを有する鋳ぐるみ部材を、鋳造材中に鋳込んで該鋳ぐるみ部材と該鋳造材との間の密着性を高めたことを特徴とする鋳ぐるみ部材を鋳込んだ鋳造品。
- 凝固層表面に塩基性酸化物を生じる金属元素を含む溶湯を調製する溶湯調製工程と、該塩基性酸化物と反応する酸性酸化物からなる付着粒子をキャビティ内面の少なくとも一部に有する鋳型に該溶湯を注湯する注湯工程と、該溶湯を冷却凝固する凝固工程とからなり、該付着粒子が鋳込まれる表面に焼着した鋳ぐるみ部材を得ることを特徴とする鋳ぐるみ部材の製造方法。
- 金属元素を主成分とする溶湯を調製する溶湯調製工程と、
該溶湯と主成分の金属元素を同一とし該溶湯に少なくとも表面部分が溶融する付着粒子をキャビティ内面の少なくとも一部に有する鋳型に該溶湯を注湯する注湯工程と、
該溶湯を冷却凝固する凝固工程とからなり、該付着粒子が鋳込まれる表面に焼着した鋳ぐるみ部材を得ることを特徴とする鋳ぐるみ部材の製造方法。 - さらに、前記付着粒子の付着している前記鋳ぐるみ部材の表面から溶着または焼着していない残留粒子を除去する除去工程を備える請求項9または10に記載の鋳ぐるみ部材の製造方法。
- 前記付着粒子の存在する前記キャビティ内面の表面粗さは、15〜150μmRz(十点平均粗さ)である請求項9または10に記載の鋳ぐるみ部材の製造方法。
- 前記キャビティは、前記付着粒子からなる鋳物砂を固化させた鋳型ブロックを切削加工して形成されたものである請求項9記載の鋳ぐるみ部材の製造方法。
- 前記鋳物砂は珪砂であり、前記鋳型ブロックは樹脂バインダーでコーティングした該珪砂を成形後に硬化させたものである請求項13に記載の鋳ぐるみ部材の製造方法。
- 前記キャビティの内面には、前記塩基性酸化物が塗布されている請求項9に記載の鋳ぐるみ部材の製造方法。
- 前記鋳型は、少なくとも前記キャビティの内面を前記付着粒子を含む塗型材で形成した鋳型である請求項9または10に記載の鋳ぐるみ部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001020659A JP4409101B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001020659A JP4409101B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002224813A JP2002224813A (ja) | 2002-08-13 |
| JP4409101B2 true JP4409101B2 (ja) | 2010-02-03 |
Family
ID=18886336
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001020659A Expired - Fee Related JP4409101B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4409101B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4532527B2 (ja) * | 2007-06-27 | 2010-08-25 | 株式会社栗本鐵工所 | 鋳造複合材 |
| CN102159341B (zh) | 2009-03-11 | 2014-09-10 | 新东工业株式会社 | 铸造用模具的型腔面的加工方法 |
-
2001
- 2001-01-29 JP JP2001020659A patent/JP4409101B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002224813A (ja) | 2002-08-13 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US7383805B2 (en) | Cylinder liner for insert casting and method for manufacturing thereof | |
| JP3253605B2 (ja) | 鋳ぐるみ用鋳鉄部材、それを用いた鋳ぐるみ製品、及び鋳ぐるみ用鋳鉄部材の製造方法 | |
| US7921901B2 (en) | Sacrificial sleeves for die casting aluminum alloys | |
| JP4409101B2 (ja) | 鋳ぐるみ部材とその製造方法およびそれを鋳込んだ鋳造品 | |
| CN102159347B (zh) | Mmc气缸套及用于生产该mmc气缸套的方法 | |
| JP3248011B2 (ja) | 特殊中子を用いた鋳造方法 | |
| JP6979171B2 (ja) | 鋳包み用部材及びその製造方法 | |
| EP0882534B1 (en) | Apparatus and use of the apparatus for producing a cylinder block of an internal combustion engine | |
| US20040261969A1 (en) | Method for producing castings, molding sand and its use for carrying out said method | |
| KR100806481B1 (ko) | 라이닝지지판 및 라이닝지지판의 생산방법 | |
| JP2001334357A (ja) | 鋳ぐるみ製品 | |
| CN116804418A (zh) | 用替代材料制成曲轴的系统和方法 | |
| KR100893960B1 (ko) | 거친 외부 표면을 갖는 경합금 베어링 부시의 제조 방법 | |
| JPS6224172B2 (ja) | ||
| CN104226898A (zh) | 一种斗齿的熔模铸造方法 | |
| JPS61172666A (ja) | 繊維強化筒状部材の製造方法 | |
| JP2001340940A (ja) | 鋳造用鋳型及びその製造方法 | |
| JP4266816B2 (ja) | 外側の粗い表面を備えた軽金属製のシリンダライナを製造するための方法 | |
| JP2003230952A (ja) | 鋳物製品の製造方法 | |
| JPH0925848A (ja) | エンジンのシリンダブロックおよびその製造方法 | |
| JPS63248552A (ja) | 圧力鋳造用砂中子 | |
| JP2001071118A (ja) | 鋳包み部材並びに該部材の鋳包み方法 | |
| JPH08155588A (ja) | 成形用特殊中子を用いて成形した成形品 | |
| KR20250115015A (ko) | 냉각핀을 가지는 실린더의 중력주조 방법 | |
| ZA200401957B (en) | Method for producing castings, molding sand and its use for carrying out said method. |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070607 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090519 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090521 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090623 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090820 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090924 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091110 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091111 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120 Year of fee payment: 3 |
|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120 Year of fee payment: 3 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120 Year of fee payment: 4 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |