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JP4409982B2 - 最終処分場のリニューアル構造 - Google Patents
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本発明は、廃棄物を埋め立てた最終処分場を再利用するためのリニューアル構造に関するものである。
廃棄物の最終的な処分場は、民家の周辺では住民とのトラブルなどの問題が絶えないので、図4で示すように人里離れた山11を切り崩して回りにコンクリートの土手10を構築してできた凹状スペースを利用することが多い。この土手10と切り崩した山11との間にできた凹状スペースの内面に、汚染水などが浸透しないように遮水シート2で遮水処理を施し廃棄物20を投棄していく。その廃棄物20が土手10のある高さまで到達すると、廃棄物の上面を遮水シート2で被覆して遮水処理を施し、最終的には覆土工事などを行い、植樹等を施して公共用地等として利用している。
しかしながら、近年の急速な産業の発展と大量消費により、廃棄物は飛躍的に増加し、この傾向は益々強くなっている。このため、最終処分場は年々不足してきているが、新たに山を切り崩して用地を確保することは、自然保護や災害防止の観点からみても、費用の面からも望ましくない。そのため、現在廃棄物が満杯となって覆土工事などが行われた使用済みの最終処分場を有効に再利用したいとの要望が増加してきている。
このような問題があるにも拘わらず、現在のところ、最終処分場を再利用する先行技術は、見当たらない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、廃棄物を埋め立てた最終処分場を有効に再利用することを解決課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明に係る最終処分場のリニューアル構造は、最終処分場の既設の土手の内側に近接して廃棄物の上に簡易土手を構築し、その簡易土手の内側面に遮水処理を施した最終処分場のリニューアル構造であって、
上記廃棄物の上に構築される簡易土手が、該簡易土手の底面全体に設けられる下部反力板の上に複数の盛土層を補強材を介在させて積み重ね、その両側端を、上記補強材が取付けられた法枠で補強すると共に、更に盛土層の上で、且つ、簡易土手の上面全体に上部反力板を設け、これらの上部反力板と盛土層と下部反力板を上下方向に挿通した緊張材によって上下に圧縮して一体化したものである。
本発明の最終処分場のリニューアル構造においては、上記簡易土手の両側端を補強する一方の法枠ともう一方の法枠が、各盛土層の間に介在された補強材によって連結されていることが望ましい。そして、簡易土手の内側面を遮水シートで被覆して遮水処理することが望ましく、複数枚重ねられた遮水シートで被覆して遮水処理を施せばより好ましい。また、簡易土手の内側面にモルタル層、樹脂モルタル層、ゴムアスファルト層、ウレタン樹脂層のいずれかを形成し、その内側に遮水シートを重ねて遮水処理を施してもよい。
本発明の最終処分場のリニューアル構造は、既設の土手の内側の廃棄物の上に簡易土手を構築するため、廃棄物を埋め立てた使用済みの最終処分場を有効に再利用することができる。そのため、新たに山を切り崩して用地を確保する必要がなくなるので、自然保護に貢献できて土砂崩れなどの自然災害も防止できる。また、山を切り崩すとなると莫大な費用が必要となるが、本発明は簡易土手を構築するだけなので施工費用が安く経済的である。そして、簡易土手の内側面には遮水処理を施すので、廃棄物中の有害物質が溶けた汚染水が外部に漏れ出すことはない。また、本発明の簡易土手のように、簡易土手の底面全体に設けられた下部反力板の上に複数の盛土層を補強材を介在させて積み重ね、その両側端を、補強材が取付けられた法枠で補強すると、両側端の法面から土手が崩壊するのを防止しながら、土手を構築することができる。そして、更に盛土層の上で、且つ、簡易土手の上面全体に上部反力板を設け、これらの上部反力板と盛土層と下部反力板を上下方向に挿通した緊張材によって上下に圧縮して一体化すると、盛土層は、緻密に締まって一層強固なものとなり、簡易土手の強度が向上するため崩壊を防ぐことができる。このような工法で構築された簡易土手は、経年による土手の沈下や収縮がほとんどないので、簡易土手の内側面に重ねられる遮水シートが簡易土手からズレたり、簡易土手の内側面に形成されるモルタル層などに歪みが生じたりすることはない。
また、簡易土手の内側面を遮水シートで被覆すると、容易で確実な遮水処理を施すことができ、リニューアルした部分からの汚染水の洩出を防止することができる。
更に、複数枚重ねられた遮水シートで被覆すれば、遮水がより一層確実になり、安全性が高められる。
また、簡易土手の内側面にモルタル層、樹脂モルタル層、ゴムアスファルト層、ウレタン樹脂層のいずれかを形成し、その内側に遮水シートを重ねることでも、容易で確実な遮水処理を行うことができる。
以下、図面に基づいて本発明の代表的な実施形態を詳述するが、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る最終処分場のリニューアル構造を示す概略断面図、図2は同リニューアル構造の要部拡大断面図、図3は簡易土手の両側端を補強する法枠の斜視図である。
この最終処分場のリニューアル構造は、図1に示すように、既設の最終処分場の凹状スペースが廃棄物20で満杯になった時、既設の土手10に近接して廃棄物20の上に簡易土手1を構築し、その内側面を遮水シート2で遮水して、簡易土手1と切り崩した山11との間の廃棄物20上方のスペースを新たな廃棄スペースとして増設するものである。リニューアルの対象となる最終処分場は、この実施例では既設の土手10と切り崩した山11との間にできた凹状スペースの内面を、1枚又は2枚重ねした遮水シート2で被覆することによって汚染水が外部に漏れないようにし、この凹状スペースに廃棄物20を投棄するようにしたものであるが、周囲を土手10で囲んで廃棄物投棄用の凹状スペースを形成したものでもよい。
既設の土手10は、断面が台形もしくは長方形のコンクリート製の土手であり、図1、図4のように廃棄物20を凹状スペースに山積みにしてもその圧力に充分耐えることができる強度を備えている。簡易土手1はこの既設の土手10の内側に一体的に形成してもよく、このように一体的に形成すれば、簡易土手1の強度や耐圧性が向上するため、廃棄物の圧力に充分耐えることができる。
簡易土手1は、図2に示すようにコンクリート製の下部反力板1aが、既設の土手10の内側に近接して形成されている。この下部反力板1aの上には盛土層が補強材4を介して複数積み重ねられ、最上部にコンクリート製の上部反力板1bが載置されている。各盛土層1eの両側端には法面の崩壊を防止するための法枠3が埋設されており、各盛土層1eの間に介在された引張強度が大きい合成樹脂製のネットからなる補強材4によって、両側端の法枠3が連結されている。そして、緊張材1cが上部反力板1bから各盛土層1e、コンクリート製の下部反力板1aへと上下方向に挿通されている。この緊張材1cはPC鋼棒などからなるもので、その下端が下部反力板1aに固定されており、上端の雄ネジ形成部分に締着具1dを螺合して締め付けることにより、上部反力板1b、各盛土層1e、下部反力板1aを上下に圧縮、一体化させて簡易土手1が構築されている。このように緊張材1cで上下方向に圧縮すると、各盛土層1eの盛土が横方向へと押し出される力が働くが、各盛土層1eの両側面(法面)は法枠3で補強されているため盛土の崩落を防止することができる。緊張材1cの下端は、この実施例のように、コンクリートを打設して下部反力板1aを形成する時に該コンクリートに垂直に立てて固定すると、施工性が向上する。
尚、図示はしていないが、緊張材1cを下部反力板1aにも貫通させて、緊張材1cの上端と下端を締着具1dにより締め付けて圧縮してもよい。また、この実施例では、補強材4として合成樹脂製のネットを盛土層に介在させたが、引張強度が大きい補強材であれば合成樹脂製のネットに限定されるものではなく、例えば、鉄の格子や金網なども好適に使用される。また、簡易土手1は容易に構築できて高強度のものならどのようなものでもよく、例えばコンクリートブロックで構築したり、発泡スチロールを内包させた軽量の盛土などで構築してもよい。
上記の法枠3は、図3に示すように、太い金属線3dを格子状に配置し、各交差部分を溶接した高強度の溶接金網からなる水平部材3aと、その先端から後端に傾斜して立上がる同じく溶接金網からなる立上がり部材3bとを連結部材3cで連結固定したものであって、水平部材3aの後端には補強材4が取付られており、前述したように、この補強材4によってもう一方の端部にある法枠3と連結されている。
水平部材3aや立上がり部材3bの縦線及び横線として使用する金属線は、表面に防錆処理を施した太さ5〜8mm程度の鉄線や鋼線が好適に使用される。また、縦線及び横線の間隔は、充分な耐圧強度が得られるように50〜100mm程度に設定することが望ましい。
立上がり部材3bの上部と水平部材3aの後部を連結する連結部材3cも、上記と同様の鉄線や鋼線からなるもので、その上端と下端を略環状に折り曲げて、立上がり部材3bと水平部材3aが所定の法面角度となるように連結してある。この実施例の法枠3は、連結部材3cによって立上がり部材3bと水平部材3aが任意の角度に容易に調整できるので便利ではあるが、法面角度に合うように折り曲げた鉄格子やエキスパンドメタルなどを法枠として使用してももちろんよい。
上記の簡易土手1は簡単に構築できるにもかかわらず、強度が大きく、廃棄物の圧力に充分に耐え得るものであり、また、雨が降っても法面が崩落する心配はなく、経年による土手の沈下や収縮もほとんど生じない。この簡易土手1は、既存の最終処分場が、廃棄物で満杯になり、覆土工事を行った上に構築することもできるし、簡易土手1の下面に遮水処理を施すことで、まだ覆土工事を行っていない廃棄物の上に構築することもできる。
図2に示すように、簡易土手1の内側の法面は、合成樹脂製の遮水シート2で2重に遮水処理されている。遮水シート2は一枚でも構わないが、汚染水が外部に漏れ出さないようにより確実に遮水するためには、2枚重ねにして被覆するのが望ましい。また、簡易土手1の内側の法面にモルタル層、樹脂モルタル層、ゴムアスファルト層、ウレタン樹脂層のいずれかを吹き付けにより形成し、その内側を合成樹脂製の遮水シート2で被覆して遮水処理を行うことも望ましい。このように簡易土手1の内側の法面に遮水シート2を重ねたり、モルタル層等を形成しても、前記のように簡易土手1は経年による土手の沈下や収縮が生じにくいため、遮水シート2が簡易土手1からズレて剥がれたり、モルタル層等に歪みが生じて亀裂が入ったりする心配はない。更に、簡易土手1の外側の法面に植生シートなどを敷いて植物を生育させてもよい。
以上のような最終処分場のリニューアル構造は、簡易土手1を構築してその内側の法面に遮水処理を施すだけで簡単に施工できるので施工性が良く、工費も安価であるため経済的に優れ、廃棄物で満杯となった最終処分場を有効に再利用できる。
本発明の一実施形態に係る最終処分場のリニューアル構造を示す概略断面図である。 同リニューアル構造の要部拡大断面図である。 簡易土手の両側端を補強する法枠の斜視図である。 従来の最終処分場の概略断面図である。
符号の説明
1 簡易土手
1a 下部反力板
1b 上部反力板
1c 緊張材
1e 盛土層
2 遮水シート
3 法枠
4 補強材
10 既設の土手
20 廃棄物

Claims (5)

  1. 最終処分場の既設の土手の内側に近接して廃棄物の上に簡易土手を構築し、その簡易土手の内側面に遮水処理を施した最終処分場のリニューアル構造であって、
    上記廃棄物の上に構築される簡易土手が、該簡易土手の底面全体に設けられる下部反力板の上に複数の盛土層を補強材を介在させて積み重ね、その両側端を、上記補強材が取付けられた法枠で補強すると共に、更に盛土層の上で、且つ、簡易土手の上面全体に上部反力板を設け、これらの上部反力板と盛土層と下部反力板を上下方向に挿通した緊張材によって上下に圧縮して一体化したものであることを特徴とする最終処分場のリニューアル構造。
  2. 上記簡易土手の両側端を補強する一方の法枠ともう一方の法枠が、各盛土層の間に介在された補強材によって連結されていることを特徴とする請求項1に記載の最終処分場のリニューアル構造。
  3. 簡易土手の内側面を遮水シートで被覆して遮水処理を施した請求項1に記載の最終処分場のリニューアル構造。
  4. 簡易土手の内側面を複数枚重ねられた遮水シートで被覆して遮水処理を施した請求項1に記載の最終処分場のリニューアル構造。
  5. 簡易土手の内側面にモルタル層、樹脂モルタル層、ゴムアスファルト層、ウレタン樹脂層のいずれかを形成し、その内側に遮水シートを重ねて遮水処理を施した請求項1に記載の最終処分場のリニューアル構造。
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