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JP4411682B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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JP4411682B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁シートとその絶縁シートに形成された内部導体とを積層して形成される積層チップインダクタや積層チップコンデンサ等の積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の積層セラミック電子部品である積層チップインダクタとしては、実願昭59−162031号(実開昭61−76928号)のマイクロフィルムに記載されたものが知られている。
【0003】
以下、従来の積層チップインダクタについて、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図1は従来の積層チップインダクタの分解斜視図、図2は同積層チップインダクタの断面図である。
【0005】
図1、図2において、1は上下方向に積層された絶縁シートで、この絶縁シート1には銀などからなるコの字またはL字状の内部導体2が形成され、且つ絶縁シート1は樹脂と可塑剤と溶剤とを溶解させたビークルと、NiZnCu系等のフェライト粉末とを混練して構成されている。また絶縁シート1は内部導体2が形成されない複数の絶縁シート1a(以下絶縁シート1aとする)と、内部導体2の上下に位置する複数の絶縁シート1b(以下絶縁シート1bとする)とからなる。3は銀などからなるバイア電極で、前記内部導体2に形成されている。そして前記内部導体2に形成されたバイア電極3同士を電気的に接続するように複数の内部導体2同士を接続することによって、1つの螺旋状のコイルが形成される。このとき、保護層となり且つ適当な磁界を形成するための絶縁シート1aがコイルの上下に積層されている。4は銀などからなる引き出し部で、この引き出し部4は最上面および最下面の内部導体2に形成され、且つ絶縁シート1bの少なくとも端面に設けられている。5は銀などからなる端面電極で、この端面電極5は絶縁シート1aおよび絶縁シート1bと内部導体2とを上下方向に積層した積層物の端面に、引き出し部4と電気的に接続されるように設けられている。
【0006】
上記のように構成された従来の積層チップインダクタの製造方法について、次にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0007】
図1、図2において、まず、樹脂と可塑剤と溶剤とを溶解させたビークルに、NiZnCu系等のフェライト粉末を混練してセラミック塗料を得る。
【0008】
次に、このセラミック塗料を塗工し乾燥して絶縁シート1aおよび絶縁シート1bを成形する。
【0009】
次に、絶縁シート1bに穴開け加工した後、銀または銀パラジウム等の導体ペーストをスクリーン印刷等により穴に充填して複数のバイア電極3を形成する。
【0010】
次に、バイア電極3が形成された絶縁シート1bに銀または銀パラジウム等の導体ペーストを用い、バイア電極3と電気的に接続された所定のパターンをスクリーン印刷等で形成して内部導体2を設け、バイア電極3と電気的に接続された絶縁シート1bを得る。
【0011】
次に、内部導体2同士が接触しないように、複数の内部導体2と複数の絶縁シート1bとを交互に、且つ上下方向に積層する。このとき、内部導体2に形成されたバイア電極3同士が電気的に接続されるようにして、複数の内部導体2同士を接続し、独立した螺旋状のコイルを形成する。
【0012】
次に、最上面および最下面の絶縁シート1bの少なくとも端面に、銀などからなる引き出し部4を設ける。
【0013】
次に、コイルの上下に、保護層となり且つ適当な磁界を形成するための絶縁シート1aを積層して、絶縁シート1aおよび絶縁シート1bと内部導体2とを上下方向に積層した積層物を得る。
【0014】
次に、個片1つに所定の数のコイルが形成されるように、この積層物を所定の大きさに切断して、個片状の積層物にばらす。
【0015】
最後に、これらの個片状の積層物を焼成した後、各個片状の積層物の端面に引き出し部4と電気的に接続されるように導体ペーストを塗布して焼成することにより、端面電極5を形成し、必要に応じてニッケルやはんだ等で端面電極5にめっき処理を施して従来の積層チップインダクタを製造していた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の積層セラミック電子部品は、絶縁シート1bと内部導体2とを交互になるように積層し、そして絶縁シート1bと内部導体2は、熱圧着では接着せず、通常は内部導体2をスクリーン印刷などの印刷工法で形成するが、このとき乾燥工程で絶縁シート1bにおける可塑剤が蒸発するため、絶縁シート1b間の接着力が弱くなり、これにより、絶縁シート1b間に空気の噛み込みが発生したり、絶縁シート1b間の層間剥離不良(デラミネーション)が発生して、絶縁シート1b間の接着性が劣化し易くなっていた。さらに、現在大電流対応として直流抵抗値の低いものが求められているため内部導体2の厚みを厚くする傾向にあるが、これは層間剥離不良が増加する傾向にある。
【0017】
また、絶縁シート1b間の接着力を向上させるために絶縁シート1中の可塑剤量を一様に多くすると、個片状の積層物に切断する際に個片状の積層物の絶縁シート1同士が接着しやすくなるため、個片状の積層物の再付着が発生して歩留まりが低下する原因となっていた。
【0018】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、歩留まりを低下させることなく、内部導体が形成された絶縁シート間の接着性を向上させることができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、バイア電極が形成される絶縁シート、バイア電極が形成されない絶縁シートおよび複数の内部導体を用意する工程と、前記複数の内部導体同士が前記バイア電極を介して電気的に接続されるように、前記バイア電極が形成される絶縁シートとバイア電極が形成されない絶縁シートを積層して積層物を得る工程と、前記積層物を焼成する工程とを備え、前記バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量を、前記バイア電極が形成されない絶縁シートにおける可塑剤の量より多くするとともに、前記バイア電極を印刷工法で形成し、かつ積層する前に前記バイア電極が形成される絶縁シートを乾燥するようにしたもので、この製造方法によれば、歩留まりを低下させることなく、内部導体が形成された絶縁シート間の接着性を向上させることができるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、バイア電極が形成される絶縁シート、バイア電極が形成されない絶縁シートおよび複数の内部導体を用意する工程と、前記複数の内部導体同士が前記バイア電極を介して電気的に接続されるように、前記バイア電極が形成される絶縁シートとバイア電極が形成されない絶縁シートを積層して積層物を得る工程と、前記積層物を焼成する工程とを備え、前記バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量を、前記バイア電極が形成されない絶縁シートにおける可塑剤の量より多くするとともに、前記バイア電極を印刷工法で形成し、かつ積層する前に前記バイア電極が形成される絶縁シートを乾燥するようにしたもので、この製造方法によれば、バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量を多くしたため、乾燥工程でバイア電極が形成される絶縁シートの可塑剤が蒸発しても、バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤を所定の量以上に確保することができ、これにより、バイア電極が形成される絶縁シート間の接着力が強くなるため、バイア電極が形成される絶縁シート間に空気の噛み込みが発生したり、絶縁シート間の層間剥離不良が発生するということはなくなり、その結果、バイア電極が形成される絶縁シート間の接着性が向上するということに加えて、バイア電極が形成されない絶縁シートにおける可塑剤の量を、バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量より少なくしたため、個片状の積層物に切断する際に個片状の積層物の絶縁シート同士が接着されにくくなり、これにより、個片状の積層物の再付着が発生せず歩留まりの低下を防ぐことができるという作用を有するものである。
【0021】
以下、本発明の一実施の形態における積層セラミック電子部品である積層チップインダクタについて、図面を参照しながら説明する。
【0022】
本発明の一実施の形態における積層チップインダクタの構成は、図1、図2に示した上記従来の積層チップインダクタと同じであるため、その説明は省略し、同じ符号を付ける。
【0023】
以下、本発明の一実施の形態における積層チップインダクタの製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1、図2において、まず、ブチラール等の樹脂とフタール酸系の可塑剤等と酢酸ブチル等の溶剤とを溶解させたビークルと、Ni、Zn、Cu、Mn、Biのうち少なくとも一つを含むフェライト材料とを混練してセラミック塗料を得る。
【0025】
次に、このセラミック塗料をPET等の支持体の上面にドクターブレード法等のシート成形方法により塗布し、約70℃で乾燥して絶縁シート1aを得る。
【0026】
次にフタール酸系の可塑剤量を増やし、同様の方法で絶縁シート1bを得る。
【0027】
次に、絶縁シート1bにパンチング等により穴開け加工した後、銀または銀パラジウム等の導体ペーストをスクリーン印刷等により穴に充填して、約70℃で10分間乾燥し複数のバイア電極3を形成する。
【0028】
次に、複数のバイア電極3が形成された絶縁シート1bに銀または銀パラジウム等の導体ペーストを用い、バイア電極3と電気的に接続された所定のパターンをスクリーン印刷等で形成し、約70℃で10分間乾燥して複数の内部導体2を設け、バイア電極3と電気的に接続された複数の絶縁シート1bを得る。
【0029】
次に、約130℃で発泡する粘着シート上に絶縁シート1aを積層しPET等の支持体を剥離する。さらにその上に絶縁シート1a同士が接するように絶縁シート1aを置き、約60℃から120℃で熱圧着して積層しPET等の支持体を剥離する。この積層を数回繰り返して、絶縁シート1aの積層体を形成する。
【0030】
次に、内部導体2同士が接触しないように、複数の内部導体2と複数の絶縁シート1bとを交互に、且つ上下方向に上記した方法と同様の方法で積層する。このとき、内部導体2に形成されたバイア電極3同士が電気的に接続されるようにして、複数の内部導体2同士を接続し、独立した複数の螺旋状のコイルを形成する。
【0031】
なお、この場合、内部導体2が位置する上下の少なくとも一方の絶縁シート1bにおける可塑剤の量を増やすようにしてもよい。
【0032】
次に、最上面および最下面の絶縁シート1bの少なくとも端面に、銀などからなる引き出し部4を設ける。
【0033】
次に、コイルの上下に、保護層となり且つ適当な磁界を形成するための絶縁シート1aの積層体を積層して、絶縁シート1aおよび絶縁シート1bと内部導体2とを上下方向に積層した積層物を得る。
【0034】
次に、個片1つに所定の数のコイルが形成されるように、この積層物を所定の大きさに切断し、発泡シートを発泡させて個片状の積層物にばらす。
【0035】
最後に、これらの個片状の積層物を約900℃で3時間焼成した後、各個片状の積層物の端面に引き出し部4と電気的に接続されるように導体ペーストを塗布、乾燥し、且つ約850℃で焼成することにより、端面電極5を形成する。また、必要に応じてニッケルやはんだ等で端面電極5にめっき処理を施して本発明の一実施の形態における積層チップインダクタを製造する。
【0036】
なお、絶縁シート1aおよび絶縁シート1bにおける可塑剤の量は、絶縁シート1aや絶縁シート1bの寸法、内部導体2の厚み、表面積などによって決まるもので、絶縁シート1b間の接着力が強くなり、且つ個片状の積層物の再付着が発生しないような所定の量になっている。
【0037】
(表1)は、本発明の一実施の形態における積層チップインダクタにおいて、絶縁シート1aおよび絶縁シート1bに含まれる可塑剤量と、層間剥離不良率および個片状の積層物の再付着発生率との関係を示したものである。
【0038】
この場合、フェライト材料はNiZnCu系で比表面積5m2/g、平均粒子径0.9μmのもの、絶縁シート1aおよび絶縁シート1bは厚みが90μmから130μmのもの、内部導体2は厚みが16μmから35μmのものを使用した。なお、可塑剤の量はフェライト材料を100とした場合の重量%で示している。
【0039】
【表1】
Figure 0004411682
【0040】
(表1)から明らかなように、絶縁シート1aにおける可塑剤の量が6.50wt%の場合、絶縁シート1bにおける可塑剤の量が6.75wt%のとき、層間剥離不良率および個片状の積層物の再付着発生率がともに0.1%で、両方とも最もよくなっている。しかし、絶縁シート1bにおける可塑剤の量を絶縁シート1aにおける可塑剤の量と同じ6.50wt%まで減らしたときは層間剥離不良率が1%となり、逆に7.00wt%以上に増やすと層間剥離不良は無くなるが、個片状の積層物の再付着発生率が急増する。
【0041】
また、絶縁シート1aにおける可塑剤の量が6.75wt%の場合、絶縁シート1bにおける可塑剤の量を6.75wt%以上としても、層間剥離不良は無くなるが、個片状の積層物の再付着発生率は多い。
【0042】
つまり、フェライト材料としてNiZnCu系で比表面積5m2/g、平均粒子径0.9μmのもの、絶縁シート1aおよび絶縁シート1bとして厚みが90μmから130μmのもの、内部導体2として厚みが16μmから35μmのものを使用した場合は、絶縁シート1aにおける可塑剤の量が6.50wt%であるとき、絶縁シート1bにおける可塑剤の量を6.75wt%という具合に絶縁シート1aにおける可塑剤の量より多くすれば、層間剥離不良率および個片状の積層物の再付着発生率がともによくなる。しかし、絶縁シート1aにおける可塑剤の量を6.75wt%に増やすと、個片状の積層物に切断する際に個片状の積層物の絶縁シート1同士が接着し易くなるため、個片状の積層物の再付着発生率が多くなる。
【0043】
このように、本発明の一実施の形態における積層チップインダクタにおいては、絶縁シート1bにおける可塑剤の量を多くしたため、乾燥工程で絶縁シート1bの可塑剤が蒸発しても、絶縁シート1bにおける可塑剤を所定の量以上に確保することができ、これにより、絶縁シート1b間の接着力が強くなるため、絶縁シート1b間に空気の噛み込みが発生したり、絶縁シート1b間の層間剥離不良が発生するということはなくなり、その結果、絶縁シート1b間の接着性が向上するということに加えて、絶縁シート1aにおける可塑剤の量を、絶縁シート1bにおける可塑剤の量より少なくしたため、個片状の積層物に切断する際に個片状の積層物の絶縁シート同士が接着しにくくなり、これにより、個片状の積層物の再付着が発生せず歩留まりの低下を防ぐことができるという効果が得られるものである。
【0044】
なお、上記した本発明の一実施の形態においては、コイルが螺旋状のものについて説明したが、コイルが渦巻き状のものでも構わないものである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、バイア電極が形成される絶縁シート、バイア電極が形成されない絶縁シートおよび複数の内部導体を用意する工程と、前記複数の内部導体同士が前記バイア電極を介して電気的に接続されるように、前記バイア電極が形成される絶縁シートとバイア電極が形成されない絶縁シートを積層して積層物を得る工程と、前記積層物を焼成する工程とを備え、前記バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量を、前記バイア電極が形成されない絶縁シートにおける可塑剤の量より多くするとともに、前記バイア電極を印刷工法で形成し、かつ積層する前に前記バイア電極が形成される絶縁シートを乾燥するようにしたもので、この製造方法によれば、バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量を多くしたため、乾燥工程でバイア電極が形成される絶縁シートの可塑剤が蒸発しても、バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤を所定の量以上に確保することができ、これにより、バイア電極が形成される絶縁シート間の接着力が強くなるため、バイア電極が形成される絶縁シート間に空気の噛み込みが発生したり、絶縁シート間の層間剥離不良が発生したりするということはなくなり、その結果、バイア電極が形成される絶縁シート間の接着性が向上するということに加えて、バイア電極が形成されない絶縁シートにおける可塑剤の量を、バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量より少なくしたため、個片状の積層物に切断する際に個片状の積層物の絶縁シート同士が接着されにくくなり、これにより、個片状の積層物の再付着が発生せず歩留まりの低下を防ぐことができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来および本発明の一実施の形態における積層チップインダクタの分解斜視図
【図2】 従来および本発明の一実施の形態における積層チップインダクタの断面図
【符号の説明】
1 絶縁シート
1a 内部導体が形成されない絶縁シート
1b 内部導体の上下に位置する絶縁シート
2 内部導体
バイア電極

Claims (1)

  1. バイア電極が形成される絶縁シート、バイア電極が形成されない絶縁シートおよび複数の内部導体を用意する工程と、前記複数の内部導体同士が前記バイア電極を介して電気的に接続されるように、前記バイア電極が形成される絶縁シートとバイア電極が形成されない絶縁シートを積層して積層物を得る工程と、前記積層物を焼成する工程とを備え、前記バイア電極が形成される絶縁シートにおける可塑剤の量を、前記バイア電極が形成されない絶縁シートにおける可塑剤の量より多くするとともに、前記バイア電極を印刷工法で形成し、かつ積層する前に前記バイア電極が形成される絶縁シートを乾燥するようにした積層セラミック電子部品の製造方法。
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