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JP4411702B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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JP4411702B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗大異物の少ないポリエステル/ポリエーテルイミド樹脂組成物に関する。このようなポリエステル/ポリエーテルイミド樹脂組成物は、例えば、フィルム関連用途、包装材料用途、電子電子部品関連用途、建材部門用途等の広範な分野に適し、特に高い耐熱性、透明性と表面の平滑性を要求するフィルム、繊維、樹脂分野の各用途に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは、結晶性、強度、耐薬品性、透明性に優れ、フィルム、繊維、ボトル、押出成型品など様々な用途に使用されている。中でも、フィルム用途ではその優れた機械的特性と経済性のため、磁気記録用、農業用、包装用、建材用などの大量に需要のある分野で用いられている。しかし、ポリエステルフィルムには、用途によっては熱寸法安定性や耐熱性が十分ではなく、磁気記録用途をはじめ各種工業材料用フィルムへの適用に際して限界があった。また、一般に熱寸法安定性や耐熱性を高める上でポリエステルのガラス転移温度を高めるのが有効であることは、当該分野において自明であるが、有効な手段は見出されていなかった。
【0003】
本発明と関係する、ポリエステルとポリエーテルイミド(PEI)のブレンド物については、PEI分率の増加に伴ってガラス転移温度が上昇することが開示されている(例えば、米国特許4141927号、「JOURNAL of APPLIED POLYMER SCIENCE 48 935−937(1993)」、「Macromolecules 28 2845−2851(1995)、POLYMER,38 4043−4048(1997)」等)。
【0004】
しかしながら、これらの文献、特許および刊行物には、ポリエステルとPEIからなり、これらのポリマーやその熱分解物等からなる粗大異物に関して全く記載されておらず、もちろん、そのような高品質のポリエステル樹脂組成物を得る方法についての記載もない。また、上記米国特許では、ブラベンダー、バンバリミキサーの溶融混練装置による溶融法によって、ポリエステルとPEIの相溶性ブレンドを得る方法を開示している。これら装置を用いて相溶性ブレンドを得る場合、溶融剪断場で10分間以上の滞留時間が必要となり、工業的に連続製造することができないという問題があった。また、本発明者らの知見によれば、従来技術による溶融法によるポリエステルとPEIの樹脂組成物は、示差走査熱量測定で得られるガラス転移温度が単一であっても、ポリエーテルイミドや熱分解・ゲル化物等による分散ドメインからなる粗大異物を多数有する樹脂組成物しか得ることができなかった。
【0005】
以上述べたように、単一のガラス転移温度を有するポリエステルとPEIの相溶性ブレンド物が得られることは公知であるが、該相溶性ブレンドからなる樹脂組成物を表面の平滑性が要求されるフィルム用途などの分野では実用化できないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解決し、熱寸法安定性に優れ、生産性の点でも優れた、各種用途へ展開可能な高品質のポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)とを含有し、カルボキシル末端基量が10〜42当量/tonであり、アミノ末端基量が0.4〜5当量/tonであり、組成物中の5μm以上の粗大異物が5個/0.2mg未満であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物を骨子とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するポリエステル(A)は、特に限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、ヘキサメチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−2,6−ナフタレート、ヘキサメチレン−2,6−ナフタレート、シクロヘキサンジメチレン−2,6−ナフタレート単位等から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とするものが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2, 6−ナフタレート(PEN)、その共重合体がポリエーテルイミドとの溶融混練性に優れ、さらに好ましく用いられる。
【0009】
本発明でいうポリエーテルイミドとは、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリマーであり、溶融成形性を有するポリマーであれば、特に限定されない。例えば、米国特許第4141927、特許第2622678号、特許第2606912号、特許第2606914号、特許第2596565号、特許第2596566号、特許第2598478号のポリエーテルイミド、特許第2598536号、特許第2599171号、特開平9−48852公報、特許第256556号、特許第2564636号、特許第2564637号公報、特許第2563548号、特許第2563547号、特許第2558341号、特許第2558339号、特許第2834580号に記載のポリマーである。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ポリエーテルイミド(B)の主鎖に環状イミド、エーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有されていても良い。
【0010】
本発明の樹脂組成物中の5μm以上の粗大異物は5個/0.2mg未満である必要がある。好ましくは3個/0.2mg未満、最も好ましくは1個/0.2mg未満である。5μm以上の粗大異物が5個/0.2mg以上であれば、透明性と表面の平滑性を要求するフィルム、繊維、樹脂分野の各用途で問題になるばかりでなく、例えばフィルム用途に適用する場合には、延伸性が悪化し、フィルム破れの頻度が高くなったり、均一延伸性が低下する。
【0011】
さらに、0.5μm以上5μm未満の異物個数は、表面の平滑性と成形性の観点から、50個/0.01mg未満であることが好ましく、より好ましくは30個/0.01mg未満、最も好ましくは20個/0.01mg未満である。
【0012】
また、0.3μm以上0.5μm未満の異物個数は、表面の平滑性と成形性の観点から、100個/0.01mg未満が好ましく、より好ましくは70個/0.01mg未満、最も好ましくは50個/0.01mg未満である。
【0013】
本発明のポリエステル樹脂組成物の固有粘度は、溶融押出時の製膜製や分解性や作業性等の観点から、0.5〜1.5dl/gが好ましく、より好ましくは0.55〜1.2dl/g、最も好ましくは0.57〜1dl/gである。
【0014】
本発明に用いられるポリエステル(A)の固有粘度は、ポリエーテルイミド(B)との溶融混練性、溶融押出時の分解性等の観点から、好ましくは0.55〜1.5dl/g、より好ましくは0.6〜1.2dl/g、最も好ましくは0.7〜1dl/gである。また、ポリエーテルイミド(B)の固有粘度は、ポリエステル(A)との溶融混練性、溶融押出時の分解性、粗大異物低減などの観点から、好ましくは0.5〜1.5dl/g、より好ましくは0.6〜1dl/g、最も好ましくは0.65〜0.75dl/gである。
【0015】
本発明のポリエステル樹脂組成物のカルボキシル末端基量は、押出成形性、熱分解性、生産性の観点から、5〜50当量/tonが好ましい。より好ましくは10〜42当量/ton、最も好ましくは20〜35当量/tonである。
【0016】
本発明に用いられるポリエステル(A)中に含まれるカルボキシル末端基量は、ポリエーテルイミド(B)との押出成形性、溶融混練性、溶融押出時の分解性、粗大異物低減などの観点から、5〜60当量/tonが好ましい。より好ましくは20〜50当量/ton、最も好ましくは30〜45当量/tonである。
【0017】
また、ポリエーテルイミド(B)中に含まれるカルボキシル末端基量は、粗大異物低減の観点から1〜20当量/tonが好ましく、3〜8当量/tonがより好ましく、4〜6当量/tonが最も好ましい。
【0018】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物のアミノ末端基量は、押出成形性、熱分解性、生産性の観点から、0.2〜20当量/tonが好ましい。より好ましくは0.3〜10当量/ton、最も好ましくは0.4〜5当量/tonである。
【0019】
本発明に用いられるポリエーテルイミド(B)中に含まれるアミノ末端基量は、粗大異物低減の観点から好ましくは0.2〜10当量/ton、より好ましくは0.3〜5当量/ton、最も好ましくは0.35〜1当量/tonである。
【0020】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ペレット状に加工した場合の白色度(L値)が10〜70であることが好ましい。より好ましいL値は15〜60、最も好ましくは20〜55である。L値が上記範囲内であれば、ポリエステルとポリエーテルイミドの相溶化による耐熱性向上の効果が得やすく、また、フィルム、繊維などの各種用途に使用した場合の透明性、製品の表面平滑性に優れる。
【0021】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は単一であることが好ましい。本発明でいうガラス転移温度は、示差走査熱分析における昇温時の熱流束ギャップからJIS K7121に従って求めることができる。示差走査熱分析による方法のみで判定しにくい場合には、動的粘弾性測定あるいは顕微鏡観察などの形態学的方法を併用しても良い。また、示差走査熱分析によってガラス転移温度を判定する場合は、温度変調法や高感度法を使用することも有効である。
【0022】
ポリエステルとポリエーテルイミドの両者が相溶した場合のTgは、ポリエチレンテレフタレートのTgとポリエーテルイミドのペレットのTgの間に存在することが一般的に知られている。なお、単一のガラス転位点温度(Tg)を有するとは、理想的には、文字通り、Tgが唯一1つのみ認められ、それ以外のTgないしはそれに相当するものが全く、認められないことであるが、前記Tgの熱流束のギャップ以外に熱流束のギャップ様のものが認められたとしても、前記Tgの1/10以下の熱流束のギャップである場合には、これを無視し、単一のガラス転位点温度(Tg)を有するものと見なす。また、ガラス転移温度付近に、5mJ/mg以下のショルダーがあっても、単一のTgを有するものと見なす。
【0023】
本発明のポリエステル樹脂組成物のTgは、成形性の観点から、80〜180℃が好ましく、より好ましくは90〜160℃、最も好ましくは100〜120℃である。
【0024】
本発明に用いられるポリエーテルイミド(A)のガラス転移温度は、ポリエステル(B)との溶融混練性の観点から、350℃以下、より好ましくは250℃以下のポリエーテルイミドが好ましく、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物が、ポリエステル(A)との相溶性、コスト、溶融成形性等の観点から最も好ましい。このポリエーテルイミドは、GEプラスチックス株式会社製で「Ultem1000または5000シリーズ」の商標名で知られているものである。
【0025】
本発明の樹脂組成物には、相溶化剤、無機粒子や有機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤などを本発明の効果が損なわれない程度の少量であれば添加することができる。
【0026】
本発明で用いられるポリエステル(A)中に含まれるモノマー状態のジエチレングリコールの量は、粗大異物低減などの観点から、5重量%以下が好ましい。より好ましくは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下である。
【0027】
さらにポリエステル(A)は、粗大異物低減などの観点から、金属元素を1〜500ppm含有することが好ましい。より好ましくは2〜400ppm、さらに好ましくは3〜300ppmである。
【0028】
ポリエステル(A)に金属原子を含有せしめる方法としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、および亜鉛、マンガン等の金属原子を含有する化合物、ゲルマニウム、アンチモン、およびチタンからなる化合物、具体的には、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、塩化リチウム、塩化マンガンなどを挙げることができる。
【0029】
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム酸化物、水酸化物、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙げることができる。
【0030】
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン等を挙げることができる。
【0031】
また、チタン化合物としては、二酸化チタン等の酸化物、水酸化チタニウム等の水酸化物、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラブトキシチタネート等のアルコキシド化合物、テトラヒドロキシエチルチタネート等のグリコキシド化合物、フェノキシド化合物、酢酸塩等の化合物を挙げることができる。
【0032】
ポリエステル樹脂組成物中に含有する金属化合物とリン化合物とのモル比(M/P)は、特に限定されないが、好ましくは0.01≦M/P≦5、さらに好ましくは0.05≦M/P≦3、最も好ましくは0.1≦M/P≦2である。なお、この場合のMは、アルカリ金属化合物の価数は1価であり、アルカリ土類金属、亜鉛、またはマンガン化合物は、2価の金属化合物であることを考慮し計算される。即ち、M=m*n(mは金属化合物のモル数、nは価数)である。
【0033】
次いで、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明するが、本発明は、下記の製造方法に限定されないことは無論である。
【0034】
本発明では、前記の好ましい原料を使用して2種のポリマーを効率よく相溶化させるには、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)の重量分率(A/B)が10/90〜90/10であことが好ましい。重量分率を30/70〜70/30に設定するのがより好ましく、40/60〜60/40が最も好ましい。このような好ましい重量分率にて溶融混練を行った場合、粗大異物数が激減し、高品質の樹脂組成物が得られやすいからである。
【0035】
また、ポリエステル(A)の重量分率が70%を越える樹脂組成物中には粗大分散物が残存し易く、粗大異物が増加して本発明の樹脂組成物が得られにくくなる傾向があるので、この場合、一度ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)の重量分率(A/B)が10/90〜70/30のチップを作成し、得られた樹脂組成物をポリエステル(A)と共に再度溶融混練し、ポリエステル(A)の重量分率が70%を越える樹脂組成物を得る方法が好ましい。
【0036】
本発明の樹脂組成物を得る製造方法は、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)を押出機に投入し、(1)スクリュー剪断速度を30秒-1以上、300秒-1未満、(2)押出温度を280℃以上、320℃以下、(3)ポリマーの吐出時間を30秒以上、10分以下に設定して、樹脂組成物を成形する工程を含むことを特徴とするものである。
【0037】
上記(1)については、押出機のスクリュー剪断速度(=πDN/h、D:スクリュー直径、N:スクリュー回転数、h:スクリュー計量部の溝深さ)は50秒-1以上、250秒-1未満がより好ましく、90秒-1以上、200秒-1未満に設定するのが、ポリエステル(A)の熱分解抑止およびポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)の相溶化の観点から好ましい。ポリエステル(A)またはポリエーテルイミド(B)の微分散化の促進と相溶化ならびに粗大分散物の低減の観点から、スクリューの長さと直径の比が20以上、好ましくは25以上の各種ミキシング型スクリューを使用することが好ましい。ミキシング型スクリューとは、ニーディングディスク、ロータ型などが適している。押出機は一軸でも二軸混練タイプのいずれでも良いが、高剪断・低発熱タイプのスクリューを使用することが有効で、二軸タイプが好ましく用いられる。また本発明では、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)の相溶化およびポリエステル(A)の熱分解抑制の観点から、押出温度を290℃以上、320℃以下とするのが好ましい。また、ポリマーの吐出時間は1.5分以上、6分以下とするのがより好ましく、2分以上、5分以下に設定するのが最も好ましい。吐出時間は、フィーダ、ギアポンプの運転条件や押出機のスクリュー回転数を変更することにより適宜変更できる。ポリマーの吐出時間とは押出機および単管、フィルター、口金も含めた押出工程の全容積Vをポリマーの吐出量Qで割った値V/Qである。吐出時間は、フィーダー、ギアポンプの運転条件や押出機のスクリュー回転数を変更することにより適宜変更できる。
【0038】
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
【0039】
(1)樹脂組成物中の粗大異物の数
測定にはハイビジョン画像解析装置を適用し、測定装置として、ハイビジョンパーソナル画像解析システムとして(株)ピアス製PIAS−IV、光学顕微鏡としてLeitz社製Metaloplanを使用した。
【0040】
(A)プレパラート作製
スライドグラスの上に試料0.2mgを乗せ、280℃にて溶融した後、挟み込むようにカバーグラスをその上に置く。試料はスライドガラスとカバーグラス間で引き延ばされた状態になりこれをプレパラートとする。
【0041】
(B)調整法および測定条件
光学顕微鏡の対物レンズは32倍に設定して、透過法で検鏡し、画像解析装置のハイビジョンモニターにその画像を取り込む。このとき、対物レンズが高倍率であり焦点深度が小さくなるため、上側の面にピントを合わせると上側の表層約1μm程度の部分を観察することになる。
【0042】
また、このとき、モニター上での観察倍率は1560倍となる。画像を入力する場合は白黒画像で、入力した画像は二値化を行って輝度変換する。このときの濃度レベルを表す輝度値は160に設定する。設定前は、あらかじめブランク値として試料をセットしない条件で測定したときの輝度平均値が183になるように、光学顕微鏡の絞り等の明るさを調節する。
【0043】
(C)測定
二値化して得られた画素の等価円の直径を分散径とし、粗大分散物の数をカウントした。測定は5回繰り返し行い、その平均値を粗大異物数とした。
【0044】
(2)フィルムの表面粗大突起の数
測定面100cm2同士を2枚重ね合わせて静電気力(印加電圧5.4kV)で密着させた後、2枚のフィルム間で粗大突起の光の干渉によって生じるニュートン環から粗大突起の高さを判定した。2重環以上の粗大突起を突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起として判定し、その数を数えた。尚、光源はハロゲンランプに564nmのバンドパスフィルターをかけて用いた。
【0045】
(3)固有粘度(IV)
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
【0046】
(4)カルボキシル末端基量
ポリマーをオルトクロロクレゾール/クロロホルム(重量比7/3)に90〜100℃で溶解し、アルカリで電位差測定して求めた。
【0047】
(5)アミノ末端基量
ポリマー1gを100ml用ビーカーに精秤し、クロロホルム/メタノール/フェノール混合溶媒に溶解させる。その後、少量の水を加えて撹拌しながら0.1mol−HClで電位差滴定を行い定量した。
自動滴定装置:三菱化学製GT−05型
使用電極 :ガラス電極・参照電極。
【0048】
(6)L値
スガ試験機株式会社製カラーコンピューターを用いて照度45度、受光0度の条件で光を照射して測定した。
【0049】
(7)ガラス転移温度(Tg)
JIS K7121に従って、測定した。
装置:セイコー電子工業(株)製“ロボットDSC−RDC220”
データ解析−“ディスクセッションSSC/5200”
サンプル質量:5mg
昇温速度:20℃/分。
【0050】
(8)ジエチレングリコール量
試料をアミノ分解した後、ガスクロマトグラフィーを用いてジエチレングリコールの定量を行った。
【0051】
(9)樹脂組成物中の金属元素量
蛍光X線により、ゲルマニウム、アンチモン、チタン各元素量の強度をそれぞれの標準物質から得られた検量線と比較して定量した。
【0052】
【実施例】
本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
【0053】
実施例1
公知の方法により得られた固有粘度0.75のPETのペレット(50重量%)とポリエーテルイミド(固有粘度=0.68、カルボキシル末端基量=5.0当量/ton、アミノ末端基量=0.4当量/ton(GEプラスチックス株式会社登録商標:ウルテム1010))(50重量%)を、同方向回転型二軸混練押出機(東芝機械株式会社TEM−35B)を用いて、押出温度300℃、剪断速度150秒-1、滞留時間3.5分の条件下で混練後、吐出して水冷後ペレタイズしてペレットに成型した。
【0054】
得られたペレットに含まれる5μm以上の粗大異物を測定したところ、表3に示すように、粗大異物の少ない高品質のペレットであった。また、色調を測定したところ、白さを表すL値は35であり、PEIの分散性は良好であった。
【0055】
該ペレットを単軸押出機(φ=90mm、L/D=28)に投入し、Tダイよりシート状に吐出し、得られたシートを延伸温度120℃で二軸延伸することにより、厚さ8μmのフィルムを得た。得られたフィルムの表面粗大突起は2個/100cm2であり表面の平滑性に優れた高品質のフィルムであった。
【0056】
実施例2、3
PETとPEIの組成とPEIの固有粘度、カルボキシル末端基量、アミノ末端基量を変え、表1に記載した条件にて混練を行った。得られたペレットに含まれる5μm以上の粗大異物は本発明の範囲内であったため、フィルムに加工したときの表面粗大突起が少なく、高品質の樹脂組成物が得られた。
【0057】
実施例4
ポリエステル(A)としてポリエチレン−2,6−ナフタレート(固有粘度0.65)を用い、表1に示す条件にて混練を行った。
【0058】
実施例5
固有粘度0.65(dl/g)のPETのペレット60重量%と実施例1にて作成したPET/PEI(50/50重量%)チップ40重量%を、単軸混練押出機(φ=90mm、L/D=28)に投入し、表1に示す条件にて溶融押出を行い、Tダイよりシート状に吐出し、得られたシートを延伸温度120℃で二軸延伸することにより、厚さ8μmのフィルムを得た。
【0059】
表3に示すように、得られたフィルム中に含まれる粗大異物の量は0.8個/0.2mgであり、フィルム表面の粗大突起は5個/100cm2であり表面の平滑性に優れた高品質のフィルムであった。
【0060】
比較例1〜3
表1に示すPETのペレットとポリエーテルイミドを、表1に示す組成、溶融押出条件にて、同方向回転型二軸混練押出機(東芝機械株式会社TEM−35B)を用いてペレットに成型した。
【0061】
表3に示すように、得られたペレットに含まれる5μm以上の粗大異物を測定したところ、本発明の範囲外となっていたため、フィルムにしたときの表面粗大突起が多い、低品質の樹脂組成物であった。
【0062】
【表1】
Figure 0004411702
【表2】
Figure 0004411702
【表3】
Figure 0004411702
【発明の効果】
本発明によれば、単一のガラス転移温度を有するポリエステルとPEIの相溶性ブレンド物において、ポリエーテルイミドや熱分解・ゲル化物等による分散ドメインからなる粗大異物が極めて少ない樹脂組成物が得られることにより、粗大突起の少ない、表面の平滑な該相溶性ブレンドからなる樹脂組成物が得られる。そして、熱寸法安定性に優れ、生産性の点でも優れた、各種用途へ展開可能な高品質のポリエステル樹脂組成物を提供することが可能となり、当該組成物は、例えば、フィルム関連用途、包装材料用途、電子電子部品関連用途、建材部門用途等の広範な分野に適し、特に高い耐熱性、透明性と表面の平滑性を要求するフィルム、繊維、樹脂分野の各用途に適用可能である。

Claims (5)

  1. ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)とを含有し、カルボキシル末端基量が10〜42当量/tonであり、アミノ末端基量が0.4〜5当量/tonであり、組成物中の5μm以上の粗大異物が5個/0.2mg未満であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. ポリエーテルイミド(B)の含有量が1〜95重量%である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 固有粘度が0.5〜1.5dl/gである請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. ペレット状に加工した組成物の白色度のL値が10〜70である請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. DSCにより観察されるガラス転移温度(Tg)が単一である請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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