JP4411764B2 - 電磁調理器の加熱コイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁誘導作用により鍋底を発熱させ、鍋の中の食品を調理する電磁調理器に関し、特にその渦巻形加熱コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記加熱コイルは、一般にリッツ線が中空の渦巻状に巻かれた後、巻線間が融着固化されて円盤体に形成され、絶縁物(耐熱樹脂)からなるコイルベースに支持されている。コイル巻線の巻き始め及び巻き終わりの引出し線は、コイルベースに固定保持されるが、この固定には紐で縛ったり、接着剤で固着したりする手段が採用されている。しかし、このような手段は手間がかかる上、耐熱性の紐や接着剤は材料コストが高い。そこで、コイルベースに一体に突出部を設け、この突出部に引出し線を巻き付けて留めるようにしたものがある(特開平7−57864号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、すでに述べたように、加熱コイルはリッツ線を渦巻状に巻いた後、巻線間を融着固化して巻線が解けないようにしているが、その場合、線材にはエナメル線などの素線の表面に融着材が予め施された融着層付きのものを用い、巻線はそのまま恒温槽に入れて融着固化させている。従って、この融着処理の後では引出し線は固くなり、巻き付けることが困難になる。そのため、引出し線をコイルベースの突出部に巻き付けて固定する加熱コイルにおいては、従来は加熱コイルを単体で巻線・固化することができず、コイルベース自体を巻き枠としてリッツ線を巻線し、その引出し線をコイルベース突出部に巻き付けた上で、これら全体を恒温槽に入れて融着固化するという工程を採用していた。しかし、このような工程は、コイルベースに直に巻線しなければならないため作業性が悪く、生産性が低いという問題があった。
そこで、この発明の課題は、引出し線を巻き付けて簡易に留める構造を採用しながら、加熱コイル単体での巻線・固化を可能として、生産性の向上を図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、渦巻状に巻いたリッツ線の巻線間を融着固化して円盤体に形成し、絶縁物のコイルベースに支持させる電磁調理器の加熱コイルにおいて、前記加熱コイルの巻き始めの引出し線を前記円盤体の中心側から外周側に導く案内部と、この案内部の外周側端部から突出し、前記加熱コイルの巻き始め及び巻き終わりの引出し線が巻き付けられる線留め部とからなる引出し線ホルダを前記コイルベースと別体として設け、この引出し線ホルダの前記線留め部に前記加熱コイルの巻き始め及び巻き終わりの引出し線を巻き留めた上で、前記案内部を前記コイルベースに嵌め付けることにより前記引出し線ホルダを前記コイルベースに保持させものとする(請求項1)。この請求項1によれば、引出し線を巻き付ける引出し線ホルダはコイルベースと別体であるため、加熱コイルは単体で巻線するとともに、その引出し線を引出し線ホルダに巻き付けてから融着・固化処理を行い、これをコイルベースに組み合わせて一体化することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6に基づいて、この発明の実施の形態を説明する。図1は加熱コイルを示し、図1(A)は上面図、図1(B)は側面図、図1(C)は裏面図である。図1において、加熱コイル1は、融着層付きのリッツ線が渦巻状に巻かれて中空の円盤体に形成され、巻き始め及び巻き終わりの引出し線1a及び1bは引出し線ホルダ2に巻き付けられて留められた上で、図示しない恒温槽内で加熱され(例えば、160℃,20分)、巻線間が融着固化されて図示形状を保っている。
【0006】
図2は引出し線ホルダ2の拡大図で、(A)は上面図、(B)側面図、(C)は裏面図である。耐熱樹脂から成形された引出し線ホルダ2は、加熱コイル1の円盤体の中心側に位置する中心側端部から、同じく外周側に突出する外周側端部までテーパ状に幅が広くなる案内部2aと、その外周側端部の左右に突出する一対の線留め部2bとからなるT字状に形成されている。案内部2aの裏面側には、巻き始めの引出し線1aを案内する案内溝2cが形成され、またその底部の中心側及び外周側には切欠2d及び2eが設けられている。
【0007】
引出し線ホルダ2は、図1に示すように、加熱コイル1の円盤体裏面に沿って半径方向に配置され、切欠2d及び案内溝2c(図2)を介して巻き始めの引出し線1aを円盤体中心側から外周側に導く。この引出し線1aは切欠2eを介して一方の線留め部2bに2巻きされている。また、巻き終わりの引出し線1bは、他方の線留め部1bに1巻きされている。各引出し線1a,1bの先端には、それぞれ圧着端子3が取り付けられている。
【0008】
図3は加熱コイル1を支持するコイルベースの上面図、図4は図3のP部の斜視図、図5は加熱コイル1を支持したコイルベースの図3のV−V線に沿う縦断面図である。図3において、耐熱樹脂からなるコイルベース4は、円筒状のハブ4a、環状の枠体4b及びそれらの間をつなぐ放射状のスポーク1cからなり、枠体4b及びスポーク4cはH形断面に形成されている。枠体4bの3箇所には、取付脚4dが設けられている。また、ハブ4aの中心に、十字状のスポークを介して、図示しない温度センサを保持するセンサ保持部4eが設けられている。
【0009】
図5に示すように、加熱コイル1は中空穴1c(図1)を介して、ハブ4aに嵌合され、コイルベース4の上面に載置支持される。なお、5は加熱コイル1の磁束漏れを防ぐフェライトコアで、コイルベース4のスポーク4c内に予め装着されている。その際、引出し線ホルダ2の中心側はコイルベース4のリブ4f(図3)で支承され、外周側は枠体4bで支承されるが、図4に示すように、枠体4bの支承部には凹部4gが切り欠き形成され、引出し線ホルダ2は案内部2aが凹部4gに嵌め込まれて左右方向に位置決めされるとともに、凹部4g内の一部に切り残された突片4hに案内部2aに形成された凹部2f(図3,図4)が噛み合って、前後方向に位置決めされる。コイルベース4上の加熱コイル1は、コイルベース4に掛け留めされる図示しないコイル押えにより押圧保持される。
【0010】
最後に、図6に基づいて、回転式の巻線治具を用いた加熱コイル1の巻線方法を説明する。図6において、巻線治具6は、垂直軸の回りに回転する回転台7、その上に積み重ねられる1段又は複数段の巻枠8及び最上段に重ねられる押え板9からなっている。回転台7は手動又はモータ駆動により容易に回転するように、図示しない軸受に支持されている。回転台7の中心にはガイドロッド10が垂直に立ち上げられ、その上端部にねじが切られている。また、回転台7の上面には、中心を挟んで一対の円柱ピン7aが固着されている。
【0011】
巻枠8は中心にガイドロッド11と嵌合する貫通穴があけられ、それを囲んで巻胴8aが段差状に設けられている。巻胴8aの高さ及び外径は、加熱コイル1の中空穴1c及びリッツ線の線径に見合う大きさに設定されている。巻胴8aの上面には円柱ピン7aに相当する円柱ピン8bが固着され、図示しないが巻枠8の裏面には、回転台7の円柱ピン7a又は下段の巻枠8の円柱ピン8bを嵌合させる円柱凹部が設けられている。
【0012】
更に、巻枠8の上面には、引出し線ホルダ2を収納する凹部8cが形成されている。押え板9は巻枠8と同径の円板で、中心にガイドロッド10と嵌合する貫通穴があけられ、またそれを挟んで巻枠8の円柱ピン8bを嵌合させる一対の穴9aがあけられている。
【0013】
このような治具6は、巻線作業に先だって回転台7上に巻枠8を積み重ね、最後に押え板9を重ねて、ガイドロッド10にナット11をねじ込み、締め付け固定する。その際、回転台7及び巻枠8の円柱ピン7a及び8bを巻枠裏面の円柱凹部に順次嵌合させ、また最上段の巻枠8の円柱ピン8bを押え板9の穴9aに嵌合させて全体を一体的に連結する。この治具6を用いて加熱コイル1を巻線するには、まずリッツ線の一端を巻き始めの引出し線1aとして引出し線ホルダ2の一方の線留め部2bに巻き付け、次いで案内部2aの案内溝2cに通して切欠2dから引き出す。
【0014】
そして、この引出し線ホルダ2を最下段の巻枠8の凹部8cに嵌め込み、引き出したリッツ線を巻胴8aに巻き掛け、これを引っ張りながら治具6を矢印方向に回転させ、渦巻状に巻線する。所定回数の巻線が終わったら、リッツ線の終端を巻き終わりの引出し線1bとしてもう一方の線留め部2bに巻き付ける。次いで、この線をそのまま2段目の巻枠8まで伸ばし、同様の作業を繰り返す。全段の巻線が終了したらリッツ線を切断し、巻線状態の治具6をそのまま恒温槽に入れて巻線の融着固化を行う。固化が終了したら、引出し線同士を切り離し、治具6を分解して加熱コイル1を1個ずつ取り出す。図1及び図2は、このようにして製作された加熱コイル1を示している。なお、図示実施の形態で示した引出し線ホルダ2の形状や保持構造、巻線治具6は一例を示すものであり、この発明はこれらの形状や構造に限定されるものではない。
【0015】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、加熱コイルの引出し線をコイルベースと別体の引出し線ホルダに巻き付けて留め、この引出し線ホルダをコイルベースに保持させるようにしたので、加熱コイル単体で専用の治具を用いて迅速に巻線を行うことができ、加熱コイルの生産性を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態の加熱コイルを示し、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は裏面図である。
【図2】 図1における引出し線ホルダを示し、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は裏面図である。
【図3】 コイルベースの平面図である。
【図4】 図3のP部斜視図である。
【図5】 図3のコイルベースに図1の加熱コイルを支持させた状態の縦断面図である。
【図6】 図1の加熱コイルを巻線する治具の斜視図である。
【符号の説明】
1 加熱コイル
1a 巻き始めの引出し線
1b 巻き終わりの引出し線
2 引出し線ホルダ
2a 案内部
2b 線留め部
4 コイルベース
5 フェライトコア
6 巻線治具
Claims (1)
- 渦巻状に巻いたリッツ線の巻線間を融着固化して円盤体に形成し、絶縁物のコイルベースに支持させる電磁調理器の加熱コイルにおいて、
前記加熱コイルの巻き始めの引出し線を前記円盤体の中心側から外周側に導く案内部と、この案内部の外周側端部から突出し、前記加熱コイルの巻き始め及び巻き終わりの引出し線が巻き付けられる線留め部とからなる引出し線ホルダを前記コイルベースと別体として設け、この引出し線ホルダの前記線留め部に前記加熱コイルの巻き始め及び巻き終わりの引出し線を巻き留めた上で、前記案内部を前記コイルベースに嵌め付けることにより前記引出し線ホルダを前記コイルベースに保持させたことを特徴とする電磁調理器の加熱コイル。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2000283802A JP4411764B2 (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 電磁調理器の加熱コイル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000283802A JP4411764B2 (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 電磁調理器の加熱コイル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002093556A JP2002093556A (ja) | 2002-03-29 |
| JP4411764B2 true JP4411764B2 (ja) | 2010-02-10 |
Family
ID=18768110
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000283802A Expired - Lifetime JP4411764B2 (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 電磁調理器の加熱コイル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4411764B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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|---|---|---|---|---|
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2000
- 2000-09-19 JP JP2000283802A patent/JP4411764B2/ja not_active Expired - Lifetime
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