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JP4414376B2 - 発声補助装置 - Google Patents
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本発明は、喉頭摘出者の発声を補助する発声補助装置に関する。
喉頭摘出者が発声する方法としては、食道発声法以外に、手術により気管と食道の間に通路を設け、そこに人工発生器を埋め込む方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、食道発声法はその習得に多大な苦労・苦痛を伴い、人工発声器を埋め込む方法も大掛かりな手術が必要となり体への負担が大きいのみならず、人工発声器に唾液や食物が流入しやすく問題があった。
その他の方法として、近年では、外部から頸部に電気人工喉頭を押し当て、その原音を頸部皮膚より舌根の方向に向かって伝導させ、この原音を鼻腔、口腔等で共鳴させて発声可能とするものが種々提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、振動呼気を流通させて発声するものではなく、金属的、機械的な音となってしまう。
実開昭62−192718号公報 特開2001−86583号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、体内に埋め込むのではなく、手軽に携帯して使用でき、手術による苦痛や体への負担、困難な食道発声法の習得も不要であり、しかも振動空気を利用することにより健常者に近い音の発声が可能となる発声補助装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、携帯可能な空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気に振動を付与するための振動付与部と、口又は鼻孔に挿入され、前記振動付与部で振動を付与された振動空気を口腔内に導くための振動空気導入管と、よりなり、前記振動付与部が、開閉操作できる空気流路を複数並列に設けるとともに、各流路に音程の異なるリードをそれぞれ設けてなり、単又は複数の一部の流路のみ選択的に開閉することにより、当該選択された流路にのみ空気が供給されて該流路内のリードにより当該音程の振動が付与される発声補助装置を構成した。
ここで、振動付与部が、流路中に空気の流れを受けて振動するリードを設けてなるものが好ましい。
さらに、リードは、アルミ箔からなる薄板で構成されているものが好ましい。
また、空気供給手段が、空気を蓄積するエアータンクと、前記エアータンクに空気を貯めるためのエアーポンプと、供給する空気圧を調整するための圧力調整弁とよりなるものが好ましい。
また、エアーポンプとして電動コンプレッサーを設けてなるものが好ましい。
また、空気供給手段が、携帯用のエアーボンベと、供給される空気圧を調整するための圧力調整弁とよりなるものが好ましい。
さらに、流路内の空気を加湿するための加湿手段を設けることが好ましい。
また、振動空気導入管が、頭、首又は耳に装着される係止具を経由して口又は鼻孔へ伸びるチューブを構成したものが好ましい。
以上にしてなる本願発明に係る発声補助装置によれば、手軽に携帯し、振動空気導入管を口又は鼻孔に挿入するだけで使用でき、手術による苦痛や体への負担、困難な食道発声法の習得も不要である。
また、振動付与部で生成した振動空気を口腔内に導くことにより発声可能としたので、健常者に近い発声が可能である。
振動付与部として、流路中に空気の流れを受けて振動するリードを設たので、人の声帯に近い振動空気を生成することができる。
振動付与部として、開閉操作できる空気流路を複数並列に設けるとともに、各流路に音程の異なるリードをそれぞれ設け、単又は複数の一部の流路のみ選択的に開閉することにより、当該選択された流路にのみ空気が供給されて該流路内のリードにより当該音程の振動が付与されるので、男性、女性、子供に応じた音程を適時選んで使用できることは勿論のこと、出にくい音も音程を変えることで発声可能となり、発声の幅を広げることができ、歌を歌うことや人間以外の動物の鳴声などを出すことも可能となる。さらに、同時に2〜3音程を口内に入れることで、声を和音に変えることも可能となる。
リードを、アルミ箔からなる薄板で構成したので、少量の空気で振動を生成することができる。
空気供給手段を、空気を蓄積するエアータンクと、前記エアータンクに空気を貯めるためのエアーポンプと、供給する空気圧を調整するための圧力調整弁とより構成したので、エアータンク内に多くの空気を貯めておくことができ、一度に発声できる語数を増やすことができる。
エアーポンプとして電動コンプレッサーを設けたので、使用者の負担を減らすことができ、また、空気供給手段として、携帯用のエアーボンベと、供給される空気圧を調整するための圧力調整弁とを設けたので、ポンプが不要となりコンパクト化が可能となる。
流路内の空気を加湿するための加湿手段を設けたので、口内が乾燥し、咽喉を痛めてしまうことを未然に防止できる。
振動空気導入管が、頭、首又は耳に装着される係止具を経由して口又は鼻孔へ伸びるチューブを構成したので、チューブを手に持つ必要がなくハンズフリーとなり、相手にまったく違和感を与えずに会話することができる。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る発声補助装置の全体構成を示す図であり、図1及び図2は第1実施形態、図3及び図4は第2実施形態、図5は第3実施形態を示し、図中符号1は発声補助装置、2は空気供給手段、3は振動付与部、4は振動空気導入管をそれぞれ示している。
本発明の発声補助装置1は、図1に示すように、携帯可能な空気供給手段2と、該空気供給手段2から供給される空気に振動を付与するための振動付与部3と、口又は鼻孔に挿入され、前記振動付与部で振動を付与された振動空気を口腔内に導くための振動空気導入管4とより構成したことを特徴とする。
空気供給手段2は、自然発声する場合における肺に相当するものであり、本例では逆支弁からなる吸入バルブ21と吐出バルブ22を備えた手動エアーポンプ20が用いられている。この手動エアーポンプ20を手で握って作動させることにより、後述するリード部30へ空気が供給され、振動空気を生成することができる。手動エアーポンプ20の容量は、一握りで1〜5語音ほどの発声が可能となるものが好ましい。
この空気供給手段2の下流側に設けられている振動付与部3は、声帯の代わりに空気に振動を与えるものであり、具体的には、図2に示すように、リード31を片持ち支持したリード部30が構成されている。このリード31は、空気が流れるとその流れを受けて振動し、通過する空気に対して振動を与えるものであり、これにより人の声帯に近い振動空気を生成することができる。
リード31は、少量の空気で振動を生成することができるように薄いアルミ箔より構成されているが、その他の材質からなるものでもよい。また、大きさ、薄さ、突出寸法等を適宜設定することにより、使用者に応じた音程の振動数に設定することができる。例えば、使用者が男性の場合は低い音程のリードを使用し、女性の場合は高い音程のリードを使用すればよい。
リード部30は、各種音程の異なるリードを装着したものに交換可能に構成されており、交換により音程の違った振動空気を生成できる。
なお、リード出口の流路が何らかの原因で詰まった場合、音が出なくなる。また、リードに水滴が付いた場合も、音が出なくなる。これを未然に防止するための方法として、リードの代わりに小型スピーカを設け、空気に強制的に振動を与えてもよい。これにより、たとえ流路閉鎖が生じても音が切れることは無く、スピーカーからの音量、音程、音色を変えることにより、様々な声が出せる。
振動空気を口腔内に流入させる振動空気導入管4は、具体的には、内径3〜5mmφの医療用チューブ41が使用される。口に挿入されるチューブ41の径が大きすぎると口腔内で噛んでしまい、口の動きが規制される。また、小さすぎると空気の流れが悪くなり、音が出なくなるか非常に小さくなってしまう。
本例では、頭や首、耳に装着されるヘッドセットのような係止具42を経由して口へ伸びるように構成されている。これにより該チューブ41を手に持つ必要もなくなり、違和感なく会話することが可能となって便利である。チューブ41は鼻孔に挿入し、鼻孔から振動空気を口腔内に供給するものでも良い。
次に、図3及び図4に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態は、図3に示すように、空気供給手段2として、エアーポンプ20と、その吐出側に、一度に発声できる語数を増やすために、空気を蓄積するエアータンク23が設けられている。図4は、空気供給手段2のエア回路構成図である。
通常、人が話をする時、連続で話す時間は3〜5秒以内、口から発する空気の圧力は0.01〜0.05kg/cm2、流出する空気量は約1L(リットル)である。
本例では、さらにエアータンク23の排出側に圧力調整弁24が取り付けられている。圧力調整弁24は、振動付与部3を介して口腔内に供給される流路内空気の圧力を調整するものである。具体的には、通常の人が話す際に口から発する0.01〜0.05kg/cm2程度の空気圧に調整される。
このような圧力調整弁24を設けることにより、前記エアータンク23で蓄積する空気圧を7kg/cm2程度まで上げることができ、相当量の空気を貯めることが可能である。
エアーポンプ20としては、小型手動ポンプが設けられ、電気のない地域においても対応可能とされているが、手動のもの以外に小型のコンプレッサーを用いることも好ましい例である。
また、小型のエアーボンベを設け、エアーポンプ20を不要としたものも好ましい例である。
また、図3、図4の例では、流路を開閉する手動の流路開閉弁25が設けられており、発声の際、レバー等の操作により当該流路開閉弁25を開くことにより、ポンプに貯めた空気が振動付与部3を介して口腔内に送られるものである。
この流路開閉弁25を短期間開ければ一語ずつ発声でき、連続して開ければ連なった音声を発することが可能となる。手動開閉以外に、ボタン操作で自動的に(電磁的に)開閉動作させることも好ましい。
なお、エアータンクから供給される空気は乾燥しており、長時間の使用により口内が乾燥し、咽喉を痛めてしまうおそれもあるため、開閉弁25のタンク側又は下流側に加湿手段を設けることも好ましい。例えば、このような加湿手段としては、圧縮空気の圧力を水を溜めた容器の水面に作用させ、吸上げパイプから水を吸上げてベンチュリ部を通過する圧縮空気中に滴下させることにより霧状に拡散混合させるものが好ましいが、このような構成に何ら限定されない。
その他の構成については、基本的には第1実施形態と同様であるので、同一構造には同一符号を付してその説明は省略する。
次に、図5に基づき、本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態は、振動付与部3として、連続で音程を変えることができるように構成した例であり、図5に示すように、開閉操作できる複数の空気流路40A〜40Dが並列に設けられ、各流路には、音程の異なるリードを装着したリード部30A〜30Dとスイッチ27で操作される電磁開閉弁26,・・・が設けられている。
そして、通常状態では、電磁開閉弁26,・・・によりすべての流路が閉鎖されており、単又は複数の一部の流路のみスイッチ27で開閉操作することで、当該スイッチで選択された流路にのみ空気が供給され、該流路内のリードによって当該音程の振動が付与され、該振動空気がチューブから放出されて、口内に供給される。
このように音程を切替できる振動付与部3を構成することで、男性、女性、子供に応じた音程を選んで使用できることは勿論のこと、口腔内の形によっては出にくい音も音程を変えることで発声可能となり、発声の幅を広げることが可能となる。さらに、通常の会話以外にも、例えば音程を切替ながら歌を歌うことも可能となり、自ら発声できる者が使用して音痴を治すこともできる。
本例では、4段階の音程を用意したものを例示したが、さらに多くの音程、たとえばドレミファソラシド・・・の音程を用意すれば、より複雑な歌も歌うことができ、一度に複数の流路を開いて和音を出すことも可能である。
電磁開閉弁26の代わりに、ボタン押下等により機械的に流路を開閉する手動開閉弁を用いてもよい。
このように複数のリード部30A〜30Dを併設したものでは、空気の流量を十分に供給するため電気的に作動するエアーコンプレッサーを設けたものや、第2実施形態で示したように手動エアーポンプやコンプレッサーで作成した圧縮空気を貯蓄するためのエアーポンプを設けたものが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の第1実施形態に係る発声補助装置を示す説明図。 振動付与部を構成するリード部の断面図。 第2実施形態に係る発声補助装置を示す説明図。 同じく第2実施形態における空気供給手段を示す回路説明図。 第3実施形態に係る振動付与部を示す回路説明図。
符号の説明
1 発声補助装置
2 空気供給手段
3 振動付与部
4 振動空気導入管
20 エアーポンプ
21 吸入バルブ
22 吐出バルブ
23 エアータンク
24 圧力調整弁
25、26 開閉弁
27 スイッチ
30、30A〜30D リード部
31 リード
40A〜40D 空気流路
41 チューブ
42 係止具

Claims (7)

  1. 携帯可能な空気供給手段と、
    該空気供給手段から供給される空気に振動を付与するための振動付与部と、
    口又は鼻孔に挿入され、前記振動付与部で振動を付与された振動空気を口腔内に導くための振動空気導入管と、
    よりなり、
    前記振動付与部が、開閉操作できる空気流路を複数並列に設けるとともに、各流路に音程の異なるリードをそれぞれ設けてなり、単又は複数の一部の流路のみ選択的に開閉することにより、当該選択された流路にのみ空気が供給されて該流路内のリードにより当該音程の振動が付与される発声補助装置。
  2. 前記リードが、アルミ箔からなる薄板で構成されている請求項記載の発声補助装置。
  3. 前記空気供給手段が、空気を蓄積するエアータンクと、前記エアータンクに空気を貯めるためのエアーポンプと、供給する空気圧を調整するための圧力調整弁とよりなる請求項1又は2記載の発声補助装置。
  4. 前記エアーポンプとして電動コンプレッサーを設けてなる請求項記載の発声補助装置。
  5. 前記空気供給手段が、携帯用のエアーボンベと、供給される空気圧を調整するための圧力調整弁とよりなる請求項1又は2記載の発声補助装置。
  6. 流路内の空気を加湿するための加湿手段を設けてなる請求項1〜の何れか1項に記載の発声補助装置。
  7. 前記振動空気導入管が、頭、首又は耳に装着される係止具を経由して口又は鼻孔へ伸びるチューブを構成してなる請求項1〜の何れか1項に記載の発声補助装置。
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