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JP4414446B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents
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Description

本発明は、出力が50W以下の比較的低出力で、安価に提供可能なスイッチング電源回路に関するものである。
図5は、リニアACアダプタと呼ばれる初期の直流電源回路を示している。この図5において、AC入力端子10、11間に入力した商用の交流電圧Viは、トランス12で所定の電圧に変換され、全波等の整流器13で整流され、平滑コンデンサ14で平滑化され、直流電圧Voと直流電流Ioが直流出力端子15、16を介して負荷17に供給される。
この図5に示したリニアACアダプタと呼ばれる簡便で、安価な直流電源回路では、入力交流電圧Viが高かったり低かったりすると、図6に示すように、その高低に応じて出力電圧VoがV1,V2,V3のように変化するだけでなく、特に問題となるのは、直流出力電流Ioが増加すると、出力電圧Voが次第に低下する傾向にあることである。そのため、すでに出回っている電子機器などの負荷17の中には、直流出力電流Ioが増加すると、出力電圧Voが次第に低下する特性に合わせて設計されているものが多い。
最近は、出力が50W以下の比較的低出力の直流電源回路には、図5に示すものに代えて、図7に示すようなRCC(Ringing Choke Convertor)方式のスイッチング電源回路が使用されてきている(非特許文献1)。
この図7において、+側端子18と−側端子19との間に、AC電圧を整流した直流電圧が印加されると、起動抵抗21を介してMOS・FETからなる第1スイッチング素子22のゲートに閾値電圧以上の電圧が瞬時に印加される。すると、第1スイッチング素子22に微小なドレイン電流が流れ、これにより、フライバックトランス24の励磁コイル25に電圧が発生し、その影響でドライブコイル27にも電圧が発生する。このドライブコイル27に発生した電圧は、抵抗31、33,コンデンサ34を介して第1スイッチング素子22のゲートに加わり、これにより正帰還ループが形成されて、第1スイッチング素子22は、図8(a)のt1時に瞬時にオン状態となる。このとき第1スイッチング素子22のドレイン・ソース間電圧Vdsは、図8(a)に示すように0となる。第1スイッチング素子22がオン状態となったことにより、フライバックトランス24には、+側端子18と−側端子19の間に印加した直流電圧と略同等の電圧が印加され、ドライブコイル27には、励磁コイル25の巻数に対する出力コイル26の巻数比によって決まる図8(d)に示すような電圧Vdが発生する。
このドライブコイル27に発生する電圧Vdにより、抵抗31、フォトカプラ32の受光素子46を介してコンデンサ28に充電が始まる。コンデンサ28に充電される電圧Vcは、図8(e)に示すような波形となり、この電圧Vcがt2時に第2スイッチング素子23のベース・エミッタ間電圧Vdeに達すると、第2スイッチング素子23にベース電流が流れてオン状態となる。第2スイッチング素子23がオン状態になると、第1スイッチング素子22のゲート・ソース間電圧が略0Vとなるため、第1スイッチング素子22は、瞬時にオフ状態となる。第1スイッチング素子22がオンしてからオフするまでの期間t1〜t2に、図8(b)に示すように、励磁コイル25に電流Idが流れる。
第1スイッチング素子22がt2時にオフすると同時に、2次側の出力コイル26に励磁コイル25側とは正負反転した電圧が発生する。この電圧は、整流ダイオード40,平滑コンデンサ41でそれぞれ整流、平滑化されて負荷17に供給される。このとき、出力コイル26に流れる電流Ioを図8(c)に示す。この電流Ioは、急激に立ち上がり、以後徐々に0に向って減少していき、整流ダイオード40がオフするまで降下する。この整流ダイオード40がオフするt3時と同時に、出力コイル26の内部の残留磁束により、ドライブコイル27に、図8(d)に示す反転した電圧Vdが発生し、再び第1スイッチング素子22をオンにする。この間、コンデンサ28には、抵抗29とツェナーダイオード30を介して反転した電圧Vdにより負に充電される。この発振動作を繰り返すことで出力電圧が得られる。
ここで、抵抗48で検出した出力電圧Voは、ツェナーダイオード47の基準電圧Vrefと比較され、出力電圧Voが基準電圧Vrefを超えると、その差分がフォトカプラ32の発光素子45に流れる。これにより、フォトカプラ32の受光素子46のコレクタ・エミッタ間のインピーダンスが変化するので、第1スイッチング素子22のオン期間にコンデンサ28を充電する経路にある抵抗31、フォトカプラ32の受光素子46,コンデンサ28による時定数が変化する。すると、コンデンサ電圧Vcが出力電圧Voに対応して、すなわち、出力電圧Voが高くなればそれだけ早くコンデンサ電圧VcがVbeに達し、逆に出力電圧Voが低くなればそれだけ遅くコンデンサ電圧VcがVbeに達する。コンデンサ電圧VcがVbeに達すると、第2スイッチング素子23をオンして第1スイッチング素子22をオフする。この時定数の変化により、VcがVbeに達するまでの時間が変化し、第1スイッチング素子22のオン期間がコントロールされ、出力電圧Voが安定する。
なお、図7において、励磁コイル25と並列に、スイッチング電源における切り替わりの過渡状態で発生する高いスパイク電圧を防止するため、ダイオード35,コンデンサ36,抵抗37からなるスナバー回路38が接続されている。
戸川治朗著「実用電源回路設計ハンドブック」CQ出版、1999年3月1日第17版発行、P.140〜147。
図7に示すスイッチング電源回路は、図5に示す直流電源回路に比較して、回路は複雑であるが、図9に示す特性図のように、商用の入力交流電圧Viが高かったり低かったりしても、出力電圧VoはV1,V2,V3のように略一定となるだけでなく、出力電流Ioが増加しても出力電圧Voにほとんど変化がなく一定となる。また、発信周波数が数十〜数百kHzときわめて高いため、特にトランスが極めて小型化され、それに伴って全体の構成も小型化されている。
しかしながら、すでに出回っている負荷17の中には、直流出力電流Ioが増加するに従い出力電圧Voが次第に低下する旧来の直流電源回路の特性(図6)に合わせて設計されているものが数多く存在し、そのため、図5に示す旧来の直流電源回路に代えて図7に示すスイッチング電源回路を使用すると、負荷17が正常に作動しなくなる恐れがある。
また、図7に示すスイッチング電源回路は、出力電圧Voが基準電圧Vrefを超えると、フォトカプラ32の発光素子45に電流が流れて発光し、これを受光素子46が受光して受光素子46,コンデンサ28による時定数が変化するように構成されているため、特に、フォトカプラ32や出力電圧Voの検出回路など、高価な素子を必要とする、という問題があった。
本発明は、安価、小型で、旧来の直流電源回路と同等の特性を有するスイッチング電源回路を提供することを目的とするものである。
本発明によるスイッチング電源回路は、1次側に励磁コイル63,ドライブコイル65を有し、2次側に出力コイル64を有するフライバックトランス62と、前記ドライブコイル65から電圧が印加されて自励発振し、前記励磁コイル63を励磁するバイポーラトランジスタからなる第1スイッチング素子60と、この第1スイッチング素子60のスイッチングタイムを制御するバイポーラトランジスタからなる第2スイッチング素子54と、この第2スイッチング素子54のベース・エミッタ間に接続され、前記ドライブコイル65からの電流を、インピーダンス回路を介して供給されるタイミングコンデンサ55とを具備し、前記励磁コイル63にAC電圧を整流した直流電圧を供給し、スイッチングして前記出力コイル64から出力するようにしたスイッチング電源回路において、前記フライバックトランス62に、前記出力コイル64と磁気的に密に結合したセンシングコイル66を設け、このセンシングコイル66を、ツェナーダイオード56を介して前記タイミングコンデンサ55に接続し、前記センシングコイル66から出力される交流電圧を整流平滑化して2次側直流電圧として検出した検出電圧と、前記ツェナーダイオード56の基準電圧との差分を前記タイミングコンデンサ55に供給して充放電時間を変化させて前記第2スイッチング素子54のスイッチングのタイミングを変化させることにより、前記第1スイッチング素子60のスイッチングタイムを制御するようにし、前記インピーダンス回路の設定によって出力電流が増加するに従い出力電圧が低くなる特性を調整するようにしたことを特徴とする。
タイミングコンデンサ55に接続されるインピーダンス回路は、抵抗53からなる例、抵抗53と、抵抗67とコンデンサ68の並列回路とを直列に接続したものからなる例、抵抗53とインダクタ69の直列回路からなる例などにより、出力電圧と出力電流の関係を表す特性を変えることができる。
請求項1記載の発明によれば、フライバックトランスに、出力コイルと磁気的に密に結合したセンシングコイルを設け、このセンシングコイルを、ツェナーダイオードを介してタイミングコンデンサに接続し、センシングコイルから出力される交流電圧を整流平滑化して2次側直流電圧として検出した検出電圧と、ツェナーダイオードの基準電圧との差分をタイミングコンデンサに供給して充放電時間を変化させて第2スイッチング素子のスイッチングのタイミングを変化させることにより、第1スイッチング素子のスイッチングタイムを制御するようにしたので、すでに出回っている電子機器などの負荷であって、直流出力電流Ioが増加すると、出力電圧Voが次第に低下する特性に合わせて設計されているものに使用されるACアダプタとして好適である。また、フォトカプラや出力電圧Voの検出回路などにより1次側にフィードバックする必要がなく、しかも、1次側と2次側の間の絶縁が容易になり、さらに、高価な素子を必要とせず、安価に提供できると共に、発信周波数が数十〜数百kHzときわめて高いため、特にトランスが極めて小型化され、それに伴って全体の構成も小型化できる。
タイミングコンデンサに接続されるインピーダンス回路は、抵抗を用いたり、抵抗と、抵抗とコンデンサの並列回路とを直列に接続したものを用いたり、抵抗とインダクタの直列回路からなるものを用いたりすることで、直流出力電流Ioが増加すると、出力電圧Voが次第に低下する特性を任意に調整することができる。
本発明のスイッチング電源回路は、1次側に励磁コイル63,ドライブコイル65を有し、2次側に出力コイル64を有するフライバックトランス62と、前記ドライブコイル65から電圧が印加されて自励発振し、前記励磁コイル63を励磁するバイポーラトランジスタからなる第1スイッチング素子60と、この第1スイッチング素子60のスイッチングタイムを制御するバイポーラトランジスタからなる第2スイッチング素子54と、この第2スイッチング素子54のベース・エミッタ間に接続され、前記ドライブコイル65からの電流を、インピーダンス回路を介して供給されるタイミングコンデンサ55とを具備し、前記励磁コイル63にAC電圧を整流した直流電圧を供給し、スイッチングして前記出力コイル64から出力するようにしたRCC方式が採用され、前記フライバックトランス62に、前記出力コイル64と磁気的に密に結合したセンシングコイル66を設け、このセンシングコイル66を、ツェナーダイオード56を介して前記タイミングコンデンサ55に接続し、前記センシングコイル66から出力される交流電圧を整流平滑化して2次側直流電圧として検出した検出電圧と、前記ツェナーダイオード56の基準電圧との差分を前記タイミングコンデンサ55に供給して充放電時間を変化させて前記第2スイッチング素子54のスイッチングのタイミングを変化させることにより、前記第1スイッチング素子60のスイッチングタイムを制御する。
タイミングコンデンサ55に接続されるインピーダンス回路は、抵抗53のみによる例、抵抗53と、抵抗67とコンデンサ68の並列回路とを直列に接続したものからなる例、抵抗53とインダクタ69の直列回路からなる例などにより、直流出力電流Ioが増加すると、出力電圧Voが次第に低下する特性を任意に調整する。
本発明によるスイッチング電源回路の実施例1を示す図1において、商用のAC電源49を整流器13で整流した直流電源を+側端子18と−側端子19との間に供給し、これらの端子18,19間に、平滑コンデンサ20と、起動用抵抗50とバイポーラトランジスタからなる第2スイッチング素子54との直列回路と、フライバックトランス62の励磁コイル63とバイポーラトランジスタからなる第1スイッチング素子60との直列回路とを互いに並列に接続する。前記第1スイッチング素子60のベースは、前記起動用抵抗50と第2スイッチング素子54の接続点と、コンデンサ51の一端と、ダイオード61のカソードとに接続され、このダイオード61のアノードは第1スイッチング素子60のエミッタに接続されている。前記コンデンサ51の他端には、抵抗52,インピーダンス回路としての充電抵抗53,タイミングコンデンサ55を介して−側端子19に接続され、充電抵抗53とタイミングコンデンサ55の接続点は、前記第2スイッチング素子54のベースとツェナーダイオード56のアノードに接続されている。
前記フライバックトランス62には、前記励磁コイル63に加えて、出力コイル64とドライブコイル65とセンシングコイル66が設けられている。特に、本発明では、前記出力コイル64とセンシングコイル66は、磁気的に密に結合し、かつ、同極性に設けられている。前記ドライブコイル65とセンシングコイル66との接続点は、前記−側端子19と平滑コンデンサ58の一端に接続され、前記ドライブコイル65の他端は、前記抵抗52と充電抵抗53の接続点に接続され、前記センシングコイル66の他端は検波ダイオード59のアノードに接続され、この検波ダイオード59のカソードは、前記平滑コンデンサ58の他端に接続されると共に、抵抗57を介して前記ツェナーダイオード56のカソードに接続されている。
前記フライバックトランス62の出力コイル64の一端には、整流ダイオード40を介して平滑コンデンサ41の一端に接続されると共に、出力端子42を介して負荷17の一端に接続され、また、前記出力コイル64の他端には、前記平滑コンデンサ41の他端に接続されると共に、出力端子43を介して前記負荷17の他端に接続されている。
前記励磁コイル25と並列に、スイッチング電源における切り替わりの過渡状態で発生する高いスパイク電圧を防止するため、ダイオード35,コンデンサ36,抵抗37からなるスナバー回路38が接続されている。
なお、フライバックトランス62の励磁コイル63,出力コイル64,ドライブコイル65,センシングコイル66における黒点側が巻きはじめを表している。
以上のような構成における作用を図2に基づき説明する。
+側端子18と−側端子19の間に直流電圧が印加されると、起動用抵抗50を通って第1スイッチング素子60のベースに電流が流れ、発振が開始し、図2のt1時に瞬時に第1スイッチング素子60がオン状態になる。この第1スイッチング素子60がオン状態になると、この第1スイッチング素子60のコレクタ・エミッタ間電圧Vceが図2(a)に示すように、略0Vになるので、励磁コイル63には、+側端子18の電圧に等しい電圧Viが発生し、また、ドライブコイル65には、励磁コイル63の巻き数をN1とドライブコイル65の巻き数をN2としたとき、電圧Vi×N2/N1倍の電圧Vdが発生する。同時に、出力コイル64とセンシングコイル66には、図2(f)に示すような電圧Vi×N3/N1=Veが発生するが、出力コイル64は極性が逆であり、整流ダイオード40,検波ダイオード59には、電流が流れない。
前記ドライブコイル65に発生した電圧Vdは、抵抗52とコンデンサ51を介して第1スイッチング素子60のベースに電流を流してオン状態を保持している。同時に充電抵抗53を通してタイミングコンデンサ55を充電する。図2(b)に示すタイミングコンデンサ55の電圧Vcが第2スイッチング素子54のVbeに達すると、第2スイッチング素子54はt2時にオンし、第2スイッチング素子54のコレクタに接続されている第1スイッチング素子60のベースは、第2スイッチング素子54を介して−側端子19の−側電位になり、オフ状態になる。
ここで、第1スイッチング素子60がオンしてからオフするまでに第1スイッチング素子60のコレクタと励磁コイル63に流れる電流Idは、図2(c)に示すような鋸歯状波形となる。
t2時に第1スイッチング素子60がオフすると、励磁コイル63,ドライブコイル65,センシングコイル66,出力コイル64は、フライバック原理により、それぞれ電圧の極性が反転するので、出力コイル64は、出力側に図2(d)に示すような電流Ioを供給する。この電流Ioを供給している間、励磁コイル63には、図2(a)に示すような電圧が発生する。また、ドライブコイル65には、図2(e)に示すような電圧Vdが発生し、センシングコイル66には、図2(f)に示すような電圧Veが発生する。
t2時にフライバック原理により、それぞれ電圧の極性が反転した瞬間、第2スイッチング素子54のベース・エミッタ間に接続されたタイミングコンデンサ55は、電圧が反転したドライブコイル65により、充電抵抗53を介して図2(b)のように逆方向に充電を開始する。この状態は、ドライブコイル65の電圧極性が再び反転するt3時まで続く。
図2(c)に示すように、t2時に励磁コイル63の電流Idが停止した瞬間、この励磁コイル63に蓄積した磁気エネルギーは、
(1/2)・L・Id・Id(Lは励磁コイル63のインダクタンス)
であり、このエネルギーが出力コイル64により整流ダイオード40を介して図2(d)の電流Ioのように放出される。t3時点で放出が完了すると同時に、出力コイル64の電流Ioが停止するので、フライバック原理により瞬間にしてすべてのコイルの極性が反転する。
ドライブコイル65から抵抗52,コンデンサ51を介して第1スイッチング素子60にベース電流が流れ、この第1スイッチング素子60がオン状態になり、図2のt1時に戻る。t1〜t3を1周期としてこれを繰り返し、出力側の電力を負荷17に供給する。
つぎに、出力電圧を図3の特性図のように制御する方法を説明する。
出力電圧Voは、出力コイル64に発生する電圧Veを整流ダイオード40と平滑コンデンサ41で整流、平滑化したものであり、図7に示す従来のRCC方式の回路では、この出力電圧Voを出力側で直接検出し、フォトカプラ32等を用いて1次側にフィードバックして出力電圧Voの制御を行っていた。
しかるに、本発明では、出力コイル64と電磁結合を密にした同極性のセンシングコイル66を設け、センシングコイル66に発生する電圧Veが出力コイル64に発生する電圧Veに近似していることを利用し、センシングコイル66に発生する電圧Veを、検波ダイオード59と平滑コンデンサ58で整流、平滑化して直流のセンシング電圧を得て、間接的に出力電圧Voとして検出し、これを使用して出力電圧Voを制御している。
例えば、出力電圧Voが設定値より高くなったものとすると、上述のように、電圧Veも高くなり、ダイオード59とコンデンサ58で整流・平滑化されたセンシングコイル66からの直流電圧が抵抗57,ツェナーダイオード56を介してタイミングコンデンサ55に供給されて充電電流Icを増加させるので、このタイミングコンデンサ55の充電電圧Vcが第2スイッチング素子54のVbe間電圧に到達する時間が図2(b)の1点鎖線で示すt41時のように短くなる。その結果、第1スイッチング素子60のオン期間が短くなるので、出力電圧Voは低くなる。
逆に、出力電圧Voが設定値より低くなったものとすると、ツェナーダイオード56がオフしてセンシングコイル66からの充電電流がなくなり、充電抵抗53側からだけの充電となるので、タイミングコンデンサ55の充電電圧Vcが第2スイッチング素子54のVbe間電圧に到達する時間が図2(b)の2点鎖線で示すt42時のように長くなる。その結果、第1スイッチング素子60のオン期間が長くなるので、出力電圧Voは高くなる。
このようにして、タイミングコンデンサ55の充電時間を制御することで,第1スイッチング素子60のオン時間を制御し、出力電圧Voを一定に保っている。
このスイッチング電源回路の出力電圧Vo、出力電流Ioの特性は、図3に示すように、出力電流Ioが増加するに従い出力電圧Voが低くなる。その理由は、センシングコイル66に発生する電圧Veが、出力コイル64に発生する電圧Veと、これを整流・平滑化した電圧Voとは、正確に一致しておらず、負荷17側に流れる電流Ioが増加すると、出力線のインピーダンスによる電圧降下分は制御できないということにある。本発明は、この特性を巧みに利用したものである。
この出力電圧Vo、出力電流Ioの特性を、図3に示したように、出力電流Ioが増加するに従い出力電圧Voが低くなる特性Vo1やVo2に任意に補正するためには、充電抵抗53をインピーダンス回路網に置き換え、タイミングコンデンサ55の充電曲線を変えることにより実現できる。その詳細を図4(a)(b)(c)に基づき説明する。
・図4(a)において、インピーダンス回路網が
(a1)は、充電抵抗53のみの場合、
(a2)は、抵抗53に直列に、抵抗67とコンデンサ68の並列回路を付加した場合、
(a3)は、抵抗53にインダクタ69を直列に付加した場合
をそれぞれ示している。
・図4(b)は、上記3種類の回路網を通してタイミングコンデンサ55を充電するときの充電電流特性を、横軸を時間、縦軸を電流で示したもので、この図4(b)において、
実線(Ia1)は、前記(a1)に対応し、
点線(Ia2)は、前記(a2)に対応し、
一点鎖線(Ia3)は、前記(a3)に対応している。
・図4(c)は、本発明によるスイッチング電源回路の出力電圧電流特性を示すもので、この図4(c)において、
実線(Va1)は、前記(a1)に対応し、
点線(Va2)は、前記(a2)に対応し、
一点鎖線(Va3)は、前記(a3)に対応している。
図4(a)(b)(c)をさらに詳しく説明する。
図4(b)において、点線特性の(Ia2)の場合、実線特性の(Ia1)と比較すると、充電電流Icが所定の電流値iに到達する時間がΔt1だけ短くなっており、タイミングコンデンサ55の充電電圧Vcが第2スイッチング素子54のVbeに到達する時間も短くなり、第1スイッチング素子60のオン時間も短くなるので、出力電圧Voは低下する。この状態が図4(c)の点線特性Va2である。
同様に、図4(b)において、一点鎖線特性の(Ia3)の場合、実線特性の(Ia1)と比較すると、充電電流Icが所定の電流値iに到達する時間がΔt2だけ長くなっており、タイミングコンデンサ55の充電電圧Vcが第2スイッチング素子54のVbeに到達する時間も長くなり、第1スイッチング素子60のオン時間も長くなるので、出力電圧Voは上昇する。この状態が図4(c)の一点鎖線特性Va3である。
このようにして、電源の出力電圧電流特性を任意に調整することができる。
本発明によるスイッチング電源回路の一実施例を示す電気回路図である。 図1における各部の動作波形図である。 本発明のスイッチング電源回路による出力電圧と出力電流の関係を示す特性図である。 (a)は、インピーダンス回路53の異なる例を示す電気回路図、(b)は、インピーダンス回路53の異なる例による電流の時間的な変化を表す特性図、(c)は、インピーダンス回路53の異なる例による出力電圧と出力電流の関係を示す特性図である。 最も簡便なACアダプタを示す電気回路図である。 図5の回路による出力電圧と出力電流の関係を示す特性図である。 従来のRCC方式のスイッチング電源回路を示す電気回路図である。 図7における各部の動作波形図である。 図7のスイッチング電源回路による出力電圧と出力電流の関係を示す特性図である。
符号の説明
10…AC入力端子、11…AC入力端子、12…トランス、13…整流器、14…平滑コンデンサ、15…直流出力端子、16…直流出力端子、17…負荷、18…+側端子、19…−側端子、20…平滑コンデンサ、21…起動抵抗、22…第1スイッチング素子、23…第2スイッチング素子、24…フライバックトランス、25…励磁コイル、26…出力コイル、27…ドライブコイル、28…コンデンサ、29…抵抗、30…ツェナーダイオード、31…抵抗、32…フォトカプラ、33…抵抗、34…コンデンサ、35…ダイオード、36…コンデンサ、37…抵抗、38…スナバー回路、40…整流ダイオード、41…平滑コンデンサ、42…出力端子、43…出力端子、44…抵抗、45…発光素子、46…受光素子、47…ツェナーダイオード、48…抵抗、49…AC電源、50…起動用抵抗、51…コンデンサ、52…抵抗、53…充電抵抗、54…第2スイッチング素子、55…タイミングコンデンサ、56…ツェナーダイオード、57…抵抗、58…平滑コンデンサ、59…検波ダイオード、60…第1スイッチング素子、61…ダイオード、62…フライバックトランス、63…励磁コイル、64…出力コイル、65…ドライブコイル、66…センシングコイル、67…抵抗、68…コンデンサ、69…インダクタ。

Claims (4)

  1. 1次側に励磁コイル,ドライブコイルを有し、2次側に出力コイルを有するフライバックトランスと、前記ドライブコイルから電圧が印加されて自励発振し、前記励磁コイルを励磁するバイポーラトランジスタからなる第1スイッチング素子と、この第1スイッチング素子のスイッチングタイムを制御するバイポーラトランジスタからなる第2スイッチング素子と、この第2スイッチング素子のベース・エミッタ間に接続され、前記ドライブコイルからの電流を、インピーダンス回路を介して供給されるタイミングコンデンサとを具備し、前記励磁コイルにAC電圧を整流した直流電圧を供給し、スイッチングして前記出力コイルから出力するようにしたスイッチング電源回路において、前記フライバックトランスに、前記出力コイルと磁気的に密に結合したセンシングコイルを設け、このセンシングコイルを、ツェナーダイオードを介して前記タイミングコンデンサに接続し、前記センシングコイルから出力される交流電圧を整流平滑化して2次側直流電圧として検出した検出電圧と、前記ツェナーダイオードの基準電圧との差分を前記タイミングコンデンサに供給して充放電時間を変化させて前記第2スイッチング素子のスイッチングのタイミングを変化させることにより、前記第1スイッチング素子のスイッチングタイムを制御するようにし、前記インピーダンス回路の設定によって出力電流が増加するに従い出力電圧が低くなる特性を調整するようにしたことを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. タイミングコンデンサに接続されるインピーダンス回路は、抵抗からなることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源回路。
  3. タイミングコンデンサに接続されるインピーダンス回路は、抵抗と、抵抗とコンデンサの並列回路とを直列に接続したものからなることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源回路。
  4. タイミングコンデンサに接続されるインピーダンス回路は、抵抗とインダクタの直列回路からなることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源回路。
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