JP4415451B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧ドーム式の複数の圧縮機を備えた冷凍装置に関し、特に、各圧縮機の冷凍機油の量を均等にするための均油構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の圧縮機からなる圧縮機構を備えた冷凍装置は、例えば、図16に示すように、圧縮機構(11)と、四路切換弁(12)と、室外熱交換器(13)と、室外膨張弁(14)と、受液器(15)と、室内膨張弁(16)と、室内熱交換器(17)と、アキュムレータ(18)とが順に接続されて、冷媒回路(10)が構成されている。
【0003】
上記冷凍装置において、圧縮機構(11)を、例えば、インバータにより回転数制御される容量可変の第1圧縮機(21)と、オンオフ制御される定容量の第2圧縮機(22)とから構成し、圧縮機(21,22) を2台とも運転するときには各圧縮機(21,22) に冷凍機油(潤滑油)を均等に回収し、1台だけ運転するときには運転中の圧縮機(21)の冷凍機油が停止中の圧縮機(22)に流入しないように構成したものがある(特開平3−17469号(特許第2865707号)公報参照)。図16は、この圧縮機構を適用した回路構成としている。
【0004】
この公報に記載の冷凍装置では、高圧ドーム式の2台の圧縮機(21,22) が用いられている。高圧ドーム式圧縮機は、油溜まり部が吐出側(高圧側)にある圧縮機である。そして、2台の圧縮機(21,22) からの吐出配管(21d,22d) が合流した部分に油分離器(51)を設け、さらに、油分離器(51)から第2圧縮機(22)の吸入側に接続された油戻し配管(52)と、両圧縮機(21,22) の油溜まり部を連通する均油管(53)と、両圧縮機(21,22) の吸入側を短絡する油連絡管(54)とを設けた構成としている。また、油戻し配管(52)には減圧機構(55)を設け、均油管(53)には逆止弁または電磁弁(56)を設け、第2圧縮機(22)の吐出側と吸入側には逆止弁(57)を設けるようにしている(第2圧縮機(22)の吸入側の逆止弁は図示を省略している)。
【0005】
この構成によれば、圧縮機(21,22) を2台とも運転する時、油分離器(51)で分離した油はまず第2圧縮機(22)に戻され、さらに第2圧縮機(22)から均油管(53)を介して第1圧縮機(21)に回収される。また、第1圧縮機(21)を1台だけ運転する時は、該第1圧縮機(21)から吐出された冷媒に含まれる冷凍機油は、油分離器(51)で分離された後、油戻し配管(52)を通って停止中の第2圧縮機(22)の吸入側に戻されるが、該第2圧縮機(22)の内部圧力のために該第2圧縮機(22)には回収されずに、油連絡管(54)を通って第1圧縮機(21)に回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の構造では、油分離器(51)と油戻し配管(52)が必要であるうえ、均油管(53)と油連絡管(54)なども必要なため、構造が複雑であるという問題があった。
【0007】
また、例えば圧縮機(21,22) を2台とも運転しているとき、第2圧縮機(22)の油面が均油管(53)よりも低い状態になっていると、冷凍機油が均油管(53)に流れないために第1圧縮機(21)には回収されず、第1圧縮機(21)側で冷凍機油が不足するおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、高圧ドーム式の複数台の圧縮機を用いる冷凍装置において、均油構造の複雑化を回避しながら、一方の圧縮機で冷凍機油不足が生じるような不具合の発生も防止できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数台の圧縮機を運転する場合は一の圧縮機から他の一の圧縮機に余剰の冷凍機油を戻し、圧縮機を1台だけ運転する場合は余剰の冷凍機油をその圧縮機に戻す油戻し通路を設けたものである。
【0010】
具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、高圧ドーム式の複数の圧縮機(21,22,23)が並列に接続されてなる圧縮機構(11)を備えた冷凍装置を前提としている。そして、一の圧縮機(21,22,23)の油溜まり部(21o,22o,23o) と他の一の圧縮機(22,23,21)の吸入管(22s,23s,21s) とを一組として、各組毎に油溜まり部(21o,22o,23o) と吸入管(22s,23s,21s) とを連通する油戻し通路(34,35,36)を設けたものである。
【0011】
なお、各油戻し通路(34,35,36)の圧縮機側端部は、例えば、各圧縮機(21,22,23)内で油溜まり部(21o,22o,23o) に向かって下向きに開口するように構成するとよい。ただし、各圧縮機(21,22,23)内での各通路(34,35,36)の向きは、これに限らず、所定の油面が確保できる限りは、上向き、下向き、横向きなどから任意に選定すればよい。
【0012】
また、上記第1の解決手段では、各圧縮機(21,22,23)への吸入側ガス配管(19Gs)を、基管(31,31a,31b)と、該基管(31,31a,31b)から分岐して各圧縮機(21,22,23)の吸入管(21s,22s,23s) に連通する分岐管(32a,32b,32c,32d) とから構成し、油戻し通路(34,35,36)を吸入管(21s,22s,23s) に分岐管(32a,32b,32c,32d) を介して接続するとともに、各分岐管(32a,32b,32c,32d) に、基管(31,31a,31b)との合流点から少なくとも油戻し通路(34,35,36)との合流点まで上方へ向かって傾斜する傾斜部(32i) を設ける構成としている。
【0013】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、傾斜部(32i) を、少なくとも圧縮機構(11)の容量制御時における停止側圧縮機(22,23) への分岐管(32b,32d) に設けるようにしたものである。
【0014】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第1または第2の解決手段において、圧縮機構(11)を、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2圧縮機(22)とから構成し、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) の間と、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) の間に、それぞれ油戻し通路(34,35) を設ける構成としたものである。
【0015】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1または第2の解決手段において、圧縮機構(11)を、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2圧縮機(22)と、定容量の第3圧縮機(23)とから構成して、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) の間と、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第3圧縮機(23)の吸入管(23s) の間と、第3圧縮機(23)の油溜まり部(23o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) の間に、それぞれ油戻し通路(34,35,36)を設ける構成としたものである。
【0016】
また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1ないし第4の何れか1の解決手段において、各油戻し通路(34,35,36)に減圧機構(41,43,44a,44b) を設けるようにしたものである。
【0017】
また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第5の解決手段において、減圧機構をキャピラリチューブ(41)により構成したものである。
【0018】
また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第5の解決手段において、各油戻し通路(34,35) を、第1通路(34a,35a) と該第1通路(34a,35a) の中間点から吸入管(21s,22s) 側に分岐した第2通路(34b,35b) とを備えた構成とし、減圧機構を、第1通路(34a,35a) と第2通路(34b,35b) の一方(34a,35a) に設けられた電磁弁(43)及びキャピラリチューブ(41)と、その他方(34b,35b) に設けられたキャピラリチューブ(41)により構成したものである。
【0019】
また、本発明が講じた第8の解決手段は、上記第5の解決手段において、減圧機構を電子膨張弁(44a,44b) により構成したものである。
【0020】
−作用−
上記第1の解決手段では、各圧縮機(21,22,23)が高圧ドーム式であり、冷凍機油は圧縮機(21,22,23)の内部の高圧部分にある油溜まり部(21o,22o,23o) に滞留する。そして、例えば2台の圧縮機(21,22) を用いて2台とも運転する場合は、各圧縮機(21,22) に、もう一台の圧縮機(22,21) の油溜まり部(22o,21o) から冷凍機油が冷媒とともに吸入される。また、圧縮機(21,22) を1台だけ運転する場合は、運転中の圧縮機(21)において、冷凍機油が該圧縮機(21)内の高圧圧力によって冷媒とともに油戻し通路(34)を流出するとともに、該圧縮機(21)に再度吸引されて回収される。
【0021】
また、この第1の解決手段では、吸入側ガス配管(19Gs)の分岐管(32a〜32d)が、基管(31)との合流点から少なくとも油戻し通路(34,35,36)との合流点まで上方へ向かって傾斜している。逆に言えば、分岐管(32a〜32d)は、油戻し通路(34,35,36)との合流点から基管(31)との合流点まで下方に向かって傾斜していることになる。このため、運転中の圧縮機(21,22,23)から、冷凍機油と冷媒が油戻し通路(34,35,36)と分岐管(32a〜32d)を通って停止中の圧縮機(22,23) の方には流れず、傾斜部(32i) に沿って基管(31)との合流点の方へ流れてから運転中の圧縮機(21)に回収される。
【0022】
また、上記第2の解決手段では、傾斜部(32i) を、少なくとも圧縮機構(11)の容量制御時に停止する圧縮機(22,23)への分岐管(32b,32d) に設けているので、上記第2の解決手段の動作が確実に行われる。
【0023】
また、上記第3の解決手段では、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2圧縮機(22)の2台で圧縮機構(11)が構成された場合に、上記各解決手段の動作が確実に行われ、上記第5の解決手段では、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2,第3圧縮機(22,23) の3台で圧縮機構(11)が構成された場合に、上記各解決手段の動作が確実に行われる。
【0024】
また、上記第5〜第8の解決手段では、キャピラリチューブ(41)や電子膨張弁(44a,44b) により構成された減圧機構(41,43,44a,44b) が各油戻し通路(34,35,36)に設けられているので、油戻し通路(34,35,36)における流量が過剰になるのを抑えながら各圧縮機(21,22,23)に冷凍機油を回収することができる。
【0025】
特に、上記第7の解決手段では、各油戻し通路(34,35) を第1通路(34a,35a) と第2通路(34b,35b) とから構成して、第1通路(34a,35a) と第2通路(34b,35b) の一方を電磁弁(43)で閉鎖できるようにしている。したがって、例えば、高圧縮比の時には冷媒と冷凍機油が過剰に戻りやすいのに対して電磁弁(43)を閉じて流量を減らし、低圧縮比の時には返油量が少なくなりやすいのに対して電磁弁(43)を開いて流量を増やすことで、いずれも適量の冷凍機油が冷媒とともに回収される。このことは、圧縮機(21,22) を2台とも運転する場合も、1台だけ運転する場合も同様である。
【0026】
また、上記第8の解決手段では、油戻し通路(34,35) における流量を電子膨張弁(44a,44b) により制御できる。したがって、例えば、高圧ドーム式の複数の圧縮機(21,22) を、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2圧縮機(22)として、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) の間と、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) の間に、それぞれ電子膨張弁(44a,44b) を有する油戻し通路(34,35) を設けた場合に、両圧縮機(21,22) の運転中には、圧縮比が所定値よりも高くなると電子膨張弁(44a,44b) の開度を小さくすることで適量の冷凍機油を各圧縮機(21,22) に回収でき、冷媒の戻りも過剰にはならない。また、第1圧縮機(21)のみの運転中は、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) に連通した電子膨張弁(44b) を全閉とした状態で、圧縮比が所定値よりも高くなると第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) に連通した電子膨張弁(44a) の開度を小さくすることで、適量の冷凍機油を圧縮機(21)に回収でき、冷媒の戻りも過剰にはならない。
【0027】
【発明の効果】
上記第1の解決手段によれば、一の圧縮機(21,22,23)の油溜まり部(21o,22o,23o) と他の一の圧縮機(22,23,24)の吸入管(22s,23s,24s) とを油戻し通路(34,35,36)で連絡することによって、例えば2台の圧縮機(21,22) を用いて2台とも運転する場合は、各圧縮機(21,22) にもう一台の圧縮機(22,21) の油溜まり部(22o,21o) から冷凍機油と冷媒が吸入され、圧縮機(21)を1台だけ運転する場合は、運転中の圧縮機(21)において、冷凍機油が圧縮機(21)内の高圧圧力によって冷媒とともに油戻し通路(34)を流出するとともに該圧縮機(21)に再度吸引されて回収される。したがって、構造を簡素化しながら、一の圧縮機で冷凍機油不足が生じるような不具合の発生も防止できる。
【0028】
また、上記第1,第2の解決手段によれば、圧縮機(21)を1台だけ運転するときに、冷凍機油が停止中の圧縮機(22,23) の方には流れずに、分岐管(32a〜32d)を通って運転中の圧縮機(21)に回収される。したがって、運転中の圧縮機(21)における冷凍機油不足の発生を防止でき、しかも停止側圧縮機(22,23) には冷媒と冷凍機油が戻らないため、再起動時に液圧縮が生じることも防止できる。
【0029】
また、上記第3の解決手段によれば、圧縮機構(11)を容量可変の第1圧縮機(21)と定容量の第2圧縮機(22)の2台で構成した場合に、上記第1または第2の解決手段の機構を実用化することが可能となり、上記第4の解決手段によれば、圧縮機構(11)を容量可変の第1圧縮機(21)と定容量の第2,第3圧縮機(22,23) の3台で構成した場合に、上記第1または第2の解決手段の機構を実用化することが可能となる。
【0030】
また、上記第5ないし第8の解決手段によれば、各圧縮機(21,22,23)において冷媒が過剰に戻るのを抑えながら冷凍機油を適量回収することができ、特に第6の解決手段によれば、減圧機構にキャピラリチューブ(41)を用いているので構造を簡素化できる。
【0031】
また、上記第7の解決手段によれば、キャピラリチューブ(41)と電磁弁(43)とを組み合わせて用いるようにしているので、圧縮比に応じた流量調整をすることで冷凍機油の回収動作を確実に行いながら、構成が複雑になるのも抑えられる。さらに、例えば、圧縮機構(11)を容量可変の第1圧縮機(21)と定容量の第2圧縮機(22)とから構成した場合に、油戻し通路(34,35) の電磁弁(43)の具体的な制御も含めた形で装置を実用化できる。
【0032】
また、上記第8の解決手段では、減圧機構に電子膨張弁(44a,44b) を用いることで油戻し通路(34,35) における流量調整を圧縮比により対応した形で行うことができる。また、例えば、圧縮機構(11)を容量可変の第1圧縮機(21)と定容量の第2圧縮機(22)とから構成した場合に、油戻し通路(34,35) の電子膨張弁(44a,44b) の具体的な制御も含めた形で装置を実用化できる。
【0033】
【発明の参考技術1】
−構成−
以下、本発明の参考技術1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0034】
<回路構成>
図1は、本参考技術1に係る冷凍装置(1) の冷媒回路図であり、この冷凍装置(1) は、ビルなどで用いられるマルチ型の空気調和装置に構成され、複数の室内ユニット(2) が1台の室外ユニット(3) に並列に接続されている。
【0035】
この空気調和装置の冷媒回路(10)は、圧縮機構(11)と、四路切換弁(12)と、室外熱交換器(13)と、室外膨張弁(14)と、受液器(15)と、室内膨張弁(16)と、室内熱交換器(17)と、アキュムレータ(18)とが、冷媒配管(19)により順に接続されて、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う閉回路に構成されている。そして、各室内ユニット(2) に、室内膨張弁(16)と室内熱交換器(17)とが設けられ、他の機器が室外ユニット(3) に設けられている。なお、室外ユニット(3) には、室外熱交換器(13)に送風する室外ファン(3f)が設けられ、室内ユニット(2) には、室内熱交換器(17)を通して室内へ送風する室内ファン(2f)が設けられている。
【0036】
圧縮機構(11)は、2台の高圧ドーム式の圧縮機(21,22) が、図1の部分拡大図である図2に示すように並列に接続されて構成されている。2台の圧縮機(21,22) には、インバータにより回転数制御される容量可変の第1圧縮機(21)と、オンオフ制御される定容量の第2圧縮機(22)とが用いられている。そして、アキュムレータ(18)からの吸入側ガス配管(19Gs)が基管(31)から2本の分岐管(32a,32b) に分岐して各圧縮機(21,22) の吸入管(21s,22s) に接続される一方、各圧縮機(21,22) の吐出管(21d,22d) は合流して吐出側ガス配管(19Gd)に接続されている。また、第2圧縮機(22)の吐出管(22d) には、冷媒の逆流を防止する逆止弁(33)が設けられている。
【0037】
なお、圧縮機構(11)は、所定の能力までは、第2圧縮機(22)が停止した状態で第1圧縮機(21)のみがインバータにより回転数を制御されて運転される。また、所定以上の能力が要求されるときは、第2圧縮機(22)が起動した状態で、第1圧縮機(21)がインバータにより回転数を制御されて運転される。以上のように、圧縮機構(11)は、要求される能力に応じて容量が制御されるようになっている。
【0038】
<冷凍機油の回収構造>
各圧縮機(21,22) は、圧縮機(21,22) の内部の高圧部分に冷凍機油を貯留する油溜まり部(21o,22o) を有している。そして、一の圧縮機(21,22) の油溜まり部(21o,22o) と他の一の圧縮機(22,21) の吸入管(22s,21s) とを一組として、各組毎に油溜まり部(21o,22o) と吸入管(22s,21s) とを連通する油戻し通路(34,35) が設けられている。
【0039】
より具体的には、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) の間に分岐管(32b) を介して第1油戻し通路(34)が設けられ、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) の間に分岐管(32a) を介して第2油戻し通路(35)が設けられている。また、各油戻し通路(34,35) には、減圧機構として、キャピラリチューブ(41)が設けられている。各油戻し通路(34,35) の圧縮機側の端部は、各圧縮機(21,22) 内で油溜まり部(21o,22o) に向かって下向きに開口するように構成されている。
【0040】
なお、図示していないが、吐出側ガス配管(19Gd)には、各圧縮機(21,22) の吐出管(21d,22d) が合流した部分に油分離器を設けて、冷媒から冷凍機油を分離してアキュムレータ(18)に戻すようにしてもよい。
【0041】
−運転動作−
次に、この空気調和装置(1) の運転動作について説明する。
【0042】
<空調運転>
まず、圧縮機構(11)は、所定の容量までは第1圧縮機(21)のみを運転し、該第1圧縮機(11)の回転数を制御して必要な容量に対応する。また、その所定の容量を超える能力が要求される場合は、第2圧縮機(22)も起動した状態として第1圧縮機(21)の回転数を制御して、必要な容量に対応する。
【0043】
以上のように圧縮機構(11)の容量制御を行いながら、冷房運転時は四路切換弁(12)を図1の実線の接続状態に設定し、暖房運転時は四路切換弁(12)を破線の接続状態に設定する。
【0044】
そして、冷房運転時、圧縮機構(11)から吐出されたガス冷媒は、四路切換弁(12)を通って室外熱交換器(13)に流入し、室外空気と熱交換して凝縮する。室外熱交換器(13)で凝縮した液冷媒は、冷房運転時には全開に設定されている室外膨張弁(14)を通過して、受液器(15)に余剰分を貯留しながら各室内ユニット(2) へ分流する。
【0045】
各室内ユニット(2) において、冷媒は室内膨張弁(16)で所定の低圧に減圧され、室内熱交換器(17)に流入する。室内熱交換器(17)では、冷媒が室内空気と熱交換して蒸発し、その際に冷却された空気が室内ファン(2f)によって室内へ吹き出され、室内が冷房される。なお、停止中の室内ユニット(2) では室内膨張弁(16)が全閉に制御されて、冷媒が室内熱交換器(17)に流れないようになっており、室内ファン(2f)も停止する。また、空気調和装置(1) は、このような室内ユニット(2) 側の動作状況に応じて、上記圧縮機構(11)の容量制御が行われるように構成されている。
【0046】
室内熱交換器(17)を流出したガス冷媒は、四路切換弁(12)を経てアキュムレータ(18)に流入し、該アキュムレータ(18)で液冷媒が分離された後、圧縮機構(11)に戻る。冷房運転時は、このようにして冷媒が冷媒回路(10)を循環し、所定の室内が冷房されることになる。
【0047】
また、暖房運転時には、圧縮機構(11)から吐出されたガス冷媒は、四路切換弁(12)を通って各室内熱交換器(17)に流入し、室内空気と熱交換して凝縮する。そして、その際に加熱された空気が室内ファン(2f)によって室内へ吹き出され、室内が暖房される。なお、この場合にも、停止中の室内ユニット(2) では室内膨張弁(16)が全閉に制御されて、冷媒が室内熱交換器(17)を流通しないようになっており、室内ファン(2f)も停止する。また、圧縮機構(11)は、暖房運転時にも冷房運転時と同様に、このような室内ユニット(2) 側の動作状況に応じて容量が制御されるように構成されている。
【0048】
動作中の室内ユニット(2) において室内熱交換器(17)を流出した液冷媒は、全開に設定されている室内膨張弁(16)を通過して、受液器(15)に余剰分を貯留しながら室外膨張弁(14)へ流れて所定の低圧に減圧される。そして、室外熱交換器(13)で室外空気と熱交換して蒸発し、四路切換弁(12)を経てアキュムレータ(18)に流入した後、該アキュムレータ(18)で液冷媒が分離され、圧縮機構(11)に戻る。暖房運転時は、このようにして冷媒が冷媒回路(10)を循環し、所定の室内が暖房されることになる。
【0049】
<冷凍機油の回収>
次に、冷凍機油の回収動作について説明する。
【0050】
本参考技術1においては、各圧縮機(21,22) が高圧ドーム式であり、冷凍機油は圧縮機(21,22) の内部の高圧部分にある油溜まり部(21o,22o) に滞留する。そして、例えば圧縮機(21,22) を2台とも運転する場合は、各圧縮機(21,22) の運転に伴って冷凍機油が冷媒と共に各油戻し通路(34,35) に押し出され、一方の圧縮機(21,22) から他方の圧縮機(22,21) に冷凍機油が回収されることになる。
【0051】
この場合、一方の圧縮機(21,22) に冷凍機油が多く溜まっている状態になっていると他方の圧縮機(22,21) に吸入されるが、冷凍機油の少ない圧縮機から多い圧縮機へは吸入されないので、圧縮機(21,22) 毎の冷凍機油の量が均一化される。
【0052】
また、圧縮機(21,22) を1台だけ運転する場合は、運転中の第1圧縮機(21)において、冷凍機油が第1圧縮機(21)内の高圧圧力によって冷媒と共に第1油戻し通路(34)から流出する。そして、流出した冷媒と冷凍機油は、該第1圧縮機(21)に吸引されて回収されることになる。したがって、停止中の第2圧縮機(22)に冷凍機油と冷媒が溜まってしまうことを防止できる。
【0053】
また、各油戻し通路(34,35) には、キャピラリチューブ(41)が減圧機構として設けられているので、油戻し通路(34,35) における冷媒と冷凍機油の流量を適度に抑えながら各圧縮機(21,22) に冷凍機油が回収される。
【0054】
−参考技術1の効果−
本参考技術1によれば、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) とを第1油戻し通路(34)で連絡し、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) とを第2油戻し通路(35)で連絡したことによって、圧縮機(21,22) を2台とも運転する場合は、各圧縮機(21,22) に他方の圧縮機(22,21) の油溜まり部(22o,21o) から冷凍機油が吸入され、冷凍機油量が均一化される。また、第1圧縮機(21)を1台だけ運転する場合は、運転中の第1圧縮機(21)において、冷凍機油が第1圧縮機(21)内の高圧圧力によって冷媒と共に第1油戻し通路(34)を流出するとともに該第1圧縮機(21)に再度吸引されて回収される。したがって、構造を簡素化しながら、冷凍機油の過不足が生じるような不具合の発生も防止できる。特に、減圧機構にキャピラリチューブ(41)を用いているので、構造を簡素化しながらも、油戻し通路(34,35) での冷媒流量の増加による性能の低下を防止できる。
【0055】
【発明の実施の形態1】
本発明の実施形態1は、図3に示すように、圧縮機(21,22) への吸入側ガス配管(19Gs)を参考技術1とは異なる構成としたもので、その他の部分については参考技術1と同様に構成されている。
【0056】
圧縮機(21,22) への吸入側ガス配管(19Gs)は、基管(31)と、各圧縮機(21,22) への分岐管(32a,32b) とから構成されている。そして、本実施形態1において、各分岐管(32a,32b) は、基管(31)との合流点から上方へ向かって傾斜する傾斜部(32i) を備えている。なお、傾斜部(32i) は基管(31)との合流点から少なくとも油戻し通路(34,35) との合流点まで形成しておけばよい。また、図3には両圧縮機(21,22) への分岐管(32a,32b) に傾斜部(32i) を設けた例を示しているが、傾斜部(32i) は、少なくとも圧縮機構(11)の容量制御時に停止側圧縮機となる第2圧縮機(22)側の分岐管(32b) に設けておけばよい。
【0057】
図4には、吸入側ガス配管(19Gs)の分岐管(32a,32b) と油戻し通路(34,35) とを接続した外観図を示している。図示するように、吸入側ガス配管(19Gs)の基管(31)はY形の配管継手(42)を介して各圧縮機(21,22) への分岐管(32a,32b) に接続されている。そして、第1圧縮機(21)への分岐管(32a) の傾斜部(32i) に第2圧縮機(22)からの第2油戻し通路(35)が接続され、第2圧縮機(22)への分岐管(32b) の傾斜部(32i) に第1圧縮機(21)からの第1油戻し通路(34)が接続されている。
【0058】
−運転動作−
本実施形態1においても、冷房運転時と暖房運転時の冷媒の循環動作は参考技術1と同様に行われる。
【0059】
一方、冷凍機油の回収動作は、以下のようにして行われる。
【0060】
すなわち、圧縮機(21,22) を2台とも運転する場合は、参考技術1と同様に各圧縮機(21,22) の運転に伴って冷凍機油が冷媒と共に油戻し通路(34,35) に押し出され、他方の圧縮機(22,21) に吸入されて冷凍機油と冷媒が回収される。そして、この場合も、一方の圧縮機(21,22) に冷凍機油が多く溜まっている状態になっていると他方の圧縮機(22,21) に吸入され、冷凍機油の少ない圧縮機から多い圧縮機へは吸入されないので、圧縮機(21,22) 毎の冷凍機油の量が均一化される。
【0061】
また、第1圧縮機(21)を1台だけ運転する場合は、冷凍機油が第1圧縮機(21)内の高圧圧力によって冷媒と共に第1油戻し通路(34)から流出し、流出した冷媒と冷凍機油は、該圧縮機(21)に吸引されて回収される。本実施形態1では、吸入側ガス配管(19Gs)の第2分岐管(32b) が、基管(31)との合流点から少なくとも第1油戻し通路(34)との合流点まで上方へ向かって傾斜しており、逆に言えば、分岐管(32b) が、第1油戻し通路(34)との合流点から基管(31)との合流点まで下方に向かって傾斜している。したがって、第1圧縮機(21)から流出した冷媒及び冷凍機油が傾斜に沿って下方へ流れるため、停止中の第2圧縮機(22)の方には流れずに、基管(31)との合流点の方へ流れてから、運転中の第1圧縮機(21)に確実に回収される。
【0062】
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1によれば、停止中の第2圧縮機(22)に冷凍機油と冷媒が溜まってしまうことを確実に防止できるので、第2圧縮機(22)の再起動時に液圧縮が生じることを確実に防止できる。また、運転中の第1圧縮機(21)における冷凍機油不足の発生も防止できる。
【0063】
【発明の参考技術2】
本発明の参考技術2は、図5に示すように、参考技術1とは各油戻し通路(34,35) を異なる構成としたものである。
【0064】
具体的に、各油戻し通路(34,35) は、第1通路(34a,35a) と、該第1通路の中間点から吸入管(21s,22s) 側に分岐した第2通路(34b,35b) とを備えている。そして、減圧機構は、第1通路(34a,35a) に設けられたキャピラリチューブ(41)及び電磁弁(43)と、第2通路(34b,35b) に設けられたキャピラリチューブ(41)により構成されている。
【0065】
そして、この参考技術2では、空気調和装置(1) の運転制御を行うコントローラ(制御手段)(47)が、圧縮機構(11)の運転中に、圧縮比が所定値よりも高くなると各電磁弁(43)を閉鎖するように構成されている。また、コントローラ(47)により圧縮比に応じた制御を行うために、吸入側ガス配管(19Gs)には低圧圧力センサ(45)が設けられ、吐出側ガス配管(19Gd)には高圧圧力センサ(46)が設けられている。
【0066】
−運転動作−
本参考技術2においても、冷房運転時と暖房運転時の基本的な冷媒の流れは参考技術1と同様であり、空調運転自体は参考技術1にしたがって行われる。
【0067】
一方、冷凍機油の回収動作は、以下のようにして行われる。
【0068】
すなわち、高圧圧力の変化などの運転条件の変動に伴って、圧縮比が所定値以上に高くなっている場合は第1通路(34a,35a) の電磁弁(43)を閉じ、圧縮比がその所定値よりも低い場合は該電磁弁(43)を開くようにしている。
【0069】
そして、このようにすることにより、参考技術1の構成では、キャピラリチューブ(41)による減圧の程度によっては低圧縮比の時に冷凍機油が戻りにくくなったり、高圧縮比の時に冷凍機油と冷媒が戻りすぎたりするおそれがあるのに対して、本参考技術2では、低圧縮比の時に2つの通路(34a,35a,34b,35b) を使うことで冷凍機油が戻りやすくなり、高圧縮比の時には1つの通路(34b,35b) のみを使うことで冷凍機油と冷媒が戻りすぎるのを防止できる。
【0070】
以上の動作は、両圧縮機(21,22) を運転する場合と、第1圧縮機(21)のみを運転する場合のいずれにも行われる。
【0071】
−参考技術2の効果−
したがって、本参考技術2によれば、低圧縮比の時には冷凍機油を戻しやすくすることができるので機構の信頼性を高めることができ、高圧縮比の時には冷凍機油と冷媒が過剰に流れるのを防止できるので性能が低下するのを抑えられる。
【0072】
【発明の参考技術3】
本発明の参考技術3は、図6に示すように、参考技術1とは各油戻し通路(34,35) を異なる構成としたものである。
【0073】
具体的に、各油戻し通路(34,35) は、参考技術1において減圧機構としてキャピラリチューブ(41)が設けられた構成としているのに対して、本参考技術3では減圧機構としてキャピラリチューブ(41)に代えて電子膨張弁(44a,44b) を用いた構成としている。具体的に、第1油戻し通路(34)に第1電子膨張弁(44a) を設け、第2油戻し通路(35)に第2電子膨張弁(44b) を設けている。
【0074】
また、圧縮機構(11)の吸入側ガス配管(19Gs)には低圧圧力センサ(45)が設けられ、圧縮機構(11)の吐出側ガス配管(19Gd)には高圧圧力センサ(46)が設けられている。そして、空気調和装置(1) の運転制御を行うコントローラ(制御手段)(47)が、各圧力センサ(45,46) と電子膨張弁(44a,44b) に接続されている。このコントローラ(47)は、両圧縮機(21,22) の運転中は、圧縮比が所定値よりも高い状態になると、両電子膨張弁(44a,44b) の開度を小さくして絞った状態とする。また、第1圧縮機(21)のみの運転中は、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) に連通した第2電子膨張弁(44b) を全閉としながら、圧縮比が所定値よりも高い状態になると、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) に連通した第1電子膨張弁(44a) の開度を小さくして絞った状態とするように構成されている。
【0075】
−運転動作−
本参考技術3においても、冷房運転時と暖房運転時の基本的な冷媒の流れは参考技術1と同様であり、空調運転自体は参考技術1に即して行われる。
【0076】
一方、冷凍機油の回収動作は、図7のフローチャートにしたがって以下のようにして行われる。
【0077】
まず、ステップST1において、A:Compと示した第1圧縮機(21)がオンかオフかを判別する。そして、第1圧縮機(21)がオフの場合は、第2圧縮機(22)も停止している状態で、このときにはステップST1の判別を繰り返し行う。つまり、ステップST1では、第1圧縮機(21)の起動に待機している。
【0078】
ステップST1で第1圧縮機(21)がオンになっていると判断すると、ステップST2へ進んで、B:Compと示した第2圧縮機(22)がオンかオフかを判別する。そして、オンの場合はステップST4へ進み、オフの場合はステップST5へ進む。なお、ステップST4,5では、いずれも圧縮比が所定値よりも高いかどうかを判別するため、このステップST4,5へ進む前に、ステップST3において、予め低圧圧力センサ(45)と高圧圧力センサ(46)の検出データがコントローラ(47)に与えられる。
【0079】
ステップST4の判別を行う場合、両圧縮機(21,22) が運転されている状態である。そして、この条件下で高圧縮比である(圧縮比が所定値よりも高い)と判断されると、ステップST7において両電子膨張弁(44a,44b) (図では第1電子膨張弁(44a) をEVAと表し、第2電子膨張弁(44b) をEVBと表している)を低圧縮比の時よりも絞り、冷凍機油と冷媒が油戻し通路(34,35) を流れにくくなるようにする。また、ステップST4の判別の結果、所定値よりも低圧縮比であると判断されると、ステップST7において両電子膨張弁(44a,44b) を高圧縮比の時よりも開き、冷凍機油が油戻し通路(34,35) を流れやすい状態にして回収を確実に行えるようにする。なお、このフローチャートで、N2pls とN1pls は電子膨張弁(44a,44b) の開度を表し、N2pls の方がN1pls よりも電子膨張弁(44a,44b) を絞った状態を表している。
【0080】
一方、ステップST5の判別を行う場合は、第1圧縮機(21)のみが運転されている。このとき、高圧縮比であると判断されると、ステップST8において第2電子膨張弁(44b) を全閉として、第1電子膨張弁(44a) を低圧縮比の時よりも絞る。また、ステップST5の判別の結果、所定値よりも低圧縮比であると判断されると、ステップST9において第2電子膨張弁(44b) を全閉として、第1電子膨張弁(44a) を高圧縮比の時よりも開くようにする。以上のように、第1圧縮機(21)のみを運転しているときは、第2電子膨張弁(44b) を閉鎖して第1電子膨張弁(44a) の開度を調整するようにしている。
【0081】
−参考技術3の効果−
したがって、本参考技術3によれば、参考技術2と同様に、低圧縮比の時には冷凍機油を戻しやすくすることができるので信頼性を高めることができ、高圧縮比の時には冷凍機油と冷媒が過剰に戻るのを防止できるので性能が低下するのを抑えられる。しかも、本参考技術3では電子膨張弁(44a,44b) を用いているので、圧縮比に応じて開度をより細かく調整することにより、参考技術2と比較して、さらに信頼性を高めながら性能が低下するのを防止することが可能となる。
【0082】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、図8に示すように、圧縮機構(11)を3台の圧縮機(21,22,23)で構成した空気調和装置に関するものである。この空気調和装置(1) の冷媒回路(10)は、圧縮機構(11)の構成が異なる点を除いて、上記実施形態1及び各参考技術と同様に構成されている。
【0083】
圧縮機構(11)は、インバータにより回転数制御される容量可変の第1圧縮機(21)と、オンオフ制御される定容量の第2,第3圧縮機(22,23) とから構成されている。そして、各圧縮機(21,22,23)の吸入管(21s,22s,23s) 同士が接続され、かつ吐出管(21d,22d,23d) 同士が接続されて、3台の圧縮機(21,22,23)が並列に接続されている。
【0084】
具体的には、吸入側ガス配管(19Gs)の基管(31)が第1基管(31a) と第2基管(31b) の2本に分岐するとともに、第1基管(31a) に対して第1圧縮機(21)と第2圧縮機(22)が第1,第2分岐管(32a,32b) を介して並列に接続され、第2基管(31b) に対して第1圧縮機(21)と第3圧縮機(23)が第3,第4分岐管(32c,32d) を介して並列に接続されている。そして、第1圧縮機(21)に関しては、1本の吸入管(21s) が第1分岐管(32a) と第3分岐管(32c) を介して第1基管(31a) と第2基管(31b) のそれぞれに接続されている。
【0085】
一方、吐出側は、第1圧縮機(21)の吐出管(21d) と第2圧縮機(22)の吐出管(22d) が合流して吐出側ガス配管(19Gd)に接続され、第3圧縮機(23)の吐出管(23d) は第1圧縮機(21)の吐出管(21d) に合流している。そして、第2圧縮機(22)と第3圧縮機(23)の吐出管(22d,23d) には、第2,第3圧縮機(22,23) からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(33)が設けられている。
【0086】
また、各油戻し通路(34,35,36)については、第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) への分岐管(32b) とが第1油戻し通路(34)で接続され、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第3圧縮機(23)の吸入管(23s) への分岐管(32d) とが第2油戻し通路(35)で接続され、第3圧縮機(23)の油溜まり部(23o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) への分岐管(32c) とが第3油戻し通路(36)で接続されている。なお、第3油戻し通路(36)は、第1基管(31a) 側の分岐管(32a) に接続してもよい。また、各吸入管(21s,22s,23s) に接続された分岐管(32a,32b,32c,32d) は、それぞれ、第1基管(31a) 及び第2基管(31b) との合流点から上方へ向かって傾斜するように構成されている。
【0087】
図9には、吸入側ガス配管(19Gs)の分岐管(32b,32c,32d) と油戻し通路(34,35,36)とを接続した外観図を示している。図示するように、吸入側ガス配管(19Gd)の基管(31)はY形の配管継手(42)を介して第1,第2基管(31a,31b) の2本に分岐し、第1基管(31a) が第2分岐管(32b) を介して第2圧縮機(22)の吸入側に接続され、該分岐管(32b)の傾斜部(32i) に第1圧縮機(21)からの油戻し通路(34)が接続されている。なお、図9では省略しているが、第1基管(31a) は第1分岐管(32a) を介して第1圧縮機(21)の吸入側にも接続されている。
【0088】
また、第2基管(31b) は、Y型の配管継手(42)を介して第3分岐管(32c) と第4分岐管(32d) に分岐し、第3分岐管(32c) が第1圧縮機(21)の吸入側に接続され、第4分岐管(32d) が第3圧縮機(23)の吸入側に接続されている。そして、第3分岐管(32c) の傾斜部(32i) に第3圧縮機(23)からの油戻し通路(36)が接続され、第4分岐管(32d) の傾斜部(32i) に第2圧縮機(22)からの油戻し通路(35)が接続されている。
【0089】
各圧縮機(21,22,23)は、冷凍装置としての必要な能力を得るために、図10に示すように容量制御される。つまり、第1の所定の能力Q1までは、第2圧縮機(22)と第3圧縮機(23)が停止した状態で第1圧縮機(21)のみがインバータにより回転数を制御されて運転される。また、第1の所定の能力Q1以上で第2の所定の能力Q2までは、第2圧縮機(22)が起動して第3圧縮機(23)が停止した状態で、第1圧縮機(21)がインバータにより回転数を制御されて運転される。さらに、第2の所定の能力Q2以上になると、第2圧縮機(22)と第3圧縮機(23)が起動した状態で第1圧縮機(21)がインバータにより回転数を制御されて運転される。以上のように制御することにより、圧縮機構(11)の容量を所定値に制御するようにしている。
【0090】
−運転動作−
本実施形態2の空気調和装置は、以上のように圧縮機構(11)の容量制御を行いながら冷房運転と暖房運転を行い、所定の能力を得ることができる。空調運転時に冷媒が循環する動作は参考技術1と同様である。
【0091】
一方、冷凍機油の回収動作は、以下のようにして行われる。
【0092】
まず、圧縮機(21)を1台だけ運転する場合は、図11において、冷媒は実線の矢印にしたがって流れ、冷凍機油は破線の矢印にしたがって流れる。具体的に、冷媒は、基管(31)から第1,第2基管(31a,31b) に分流した後、第1,第3分岐管(32a,32c) を通って吸入管(21s) で合流し、第1圧縮機(21)に吸入される。そして、所定の高圧圧力まで圧縮されて吐出管(21d) から流出し、吐出側ガス配管(19Gd)を通って室外熱交換器(13)または室内熱交換器(17)へ流れて行く。第2圧縮機(22)と第3圧縮機(23)の吐出管(22d,23d) には逆止弁(33)が設けられているので、第1圧縮機(21)の吐出冷媒は室外熱交換器(13)または室内熱交換器(17)側へのみ流れる。
【0093】
第1圧縮機(21)から吐出される冷媒には冷凍機油が含まれているため、冷凍機油も冷媒回路(10)内を循環する。そして、第1圧縮機(21)に戻ってきた冷凍機油は、油溜まり部(21o) で所定のレベルを超えると冷媒とともに油戻し通路(34)から押し出されて流出する。流出した冷媒と冷凍機油は第2分岐管(32b) との合流点から、該分岐管(32b) の傾斜部(32i) に沿って下向きに流れて吸入側のガス冷媒と混合され、第1圧縮機(21)に吸入される。したがって、第1圧縮機(21)内の冷凍機油が第2圧縮機(22)や第3圧縮機(23)に流れることはなく、第1圧縮機(21)の冷凍機油は所定のレベルに維持される。
【0094】
次に、第1圧縮機(21)と第2圧縮機(22)を運転する場合は、図12に示すように、冷媒は基管(31)から第1,第2基管(31a,31b) に分流した後、第1,第2,第3分岐管(32a,32b,32c) を通って第1,第2圧縮機(21,22) に吸入される。そして、各圧縮機(21,22) で所定の高圧まで圧縮されて吐出管(21d,22d) から流出し、冷媒回路(10)を循環して各圧縮機(21,22) に戻る。なお、第3圧縮機(23)の吐出管には逆止弁(33)が設けられているので、吐出管(23d) から第3圧縮機(23)への冷媒の逆流は生じない。
【0095】
また、第1圧縮機(21)内の冷凍機油は、所定のレベルを超えると冷媒とともに油戻し通路(34)から押し出されて流出する。流出した冷凍機油と冷媒は、油戻し通路(34)が第2分岐管(32b) に合流していて、その合流点が第1圧縮機(21)の吸入管(21s) よりも第2圧縮機(22)の吸入管(22s) に近接して設けられているために、吸入ガス冷媒と合流して第2圧縮機(22)に吸入される。また、第2圧縮機(22)内の冷凍機油と冷媒は、同様に所定のレベルを超えると油戻し通路(35)から押し出されて流出する。そして、第4分岐管(32d) との合流点に達すると、該分岐管(32d) の傾斜部(32i) に沿って第2基管(31b) との合流点の方向へ流れ、吸入ガス冷媒と合流して第1圧縮機(21)に吸入される。
【0096】
このように、圧縮機(21,22) を2台運転しているときは、第1圧縮機(21)内の冷凍機油と第2圧縮機(22)内の冷凍機油は第3圧縮機(23)には流入せずに、運転中の第1圧縮機(21)と第2圧縮機(22)に回収されて、第1,第2圧縮機(21,22) 内で所定のレベルに維持される。
【0097】
次に、圧縮機(21,22,23)を3台とも運転する場合は、図13に示すように、冷媒は基管(31)から第1,第2基管(31a,31b) に分流した後、各分岐管(32a〜32d)を通って全ての圧縮機(21,22,23)に吸入される。そして、各圧縮機(21,22,23)において所定の高圧まで圧縮されて吐出管(21d,22d,23d) から流出し、吐出側ガス配管(19Gd)で合流して冷媒回路(10)を循環する。このとき、冷凍機油も冷媒の中に含まれた状態で冷媒回路(10)を循環する。
【0098】
この場合、第1圧縮機(21)内の冷凍機油が所定のレベルを超えると、図12と同じ流れで冷媒とともに第2圧縮機(22)に回収される。また、第2圧縮機(22)内の冷凍機油は、所定のレベルを超えると冷媒とともに油戻し通路(35)から押し出されて流出し、第4分岐管(32d) との合流点に達した後、該合流点が第1圧縮機(21)の吸入管(21s) よりも第3圧縮機(23)の吸入管(23s) に近接して設けられているために、吸入ガス冷媒と合流して第3圧縮機(23)に吸入される。さらに、第3圧縮機(23)内の冷凍機油は、所定のレベルを超えると冷媒とともに油戻し通路(36)から流出して第3分岐管(32c) との合流点に達した後、該合流点が第1圧縮機(21)の吸入管(21s) に近接しているために吸入ガス冷媒と合流して第1圧縮機(21)に吸入される。
【0099】
圧縮機(21,22,23)を3台とも運転しているときは、以上のようにして全ての圧縮機(21,22,23)について冷凍機油が所定のレベルに維持されることとなる。
【0100】
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、圧縮機構(11)を3台の圧縮機(21,22,23)で構成した場合に、各圧縮機(21,22,23)間に油戻し通路(34,35,36)を設けるだけで各圧縮機(21,22,23)において冷凍機油を所定のレベルに維持できる。したがって、構成の複雑化を回避しながら、一の圧縮機(21,22,23)で冷凍機油不足が生じるような不具合の発生も防止できる。
【0101】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0102】
例えば、上記各実施形態は、本発明を空気調和装置(1) に適用した例としたが、圧縮機構(11)が複数の高圧ドーム式圧縮機から構成されている冷凍装置であれば、空気調和装置に限らず、本発明を適用することは可能である。
【0103】
また、参考技術2,3に示す構成の減圧機構(41,43)(44) は、分岐管(32a,32b) を傾斜させた実施形態1の圧縮機構(11)の油戻し通路(34,35)に設けて他の実施形態にしてもよいし、実施形態2の圧縮機構(11)の油戻し通路(34,35,36)に設けてもよい。
【0104】
さらに、圧縮機構(11)は、インバータ制御による可変容量の圧縮機(21)とオンオフ制御を行う定容量の圧縮機(22,23) との組み合わせに限らず、定容量の圧縮機(11)同士など、他の組み合わせとしてもよいし、オンオフ制御などを含む容量制御の方法を適宜変更してもよい。
【0105】
また、上記各実施形態及び参考技術では、各油戻し通路(34,35,36)の圧縮機側の端部を、各圧縮機(21,22,23)内で油溜まり部(21o,22o,23o) に向かって下向きに開口するように構成しているが、所定の油面が確保できる限りは、各圧縮機(21,22,23)内での各通路(34,35,36)の開口の向きは、上向き、下向き、横向きなどから任意に選定すればよい。図14(a)には上向きにした例を示し、図14(b)には横向きにした例を示している。
【0106】
また、例えば図4に示した吸入側ガス配管(19Gs)の分岐管(32a,32b) と油戻し通路(34,35) との接続例は、参考として、図15に示すように変更してもよい。この例では図4の傾斜部(32i) を設けず、第2圧縮機(22)への分岐管(32b) の垂直な部分に第1圧縮機(21)からの油戻し通路(35)を接続し、第1圧縮機(21)への分岐管(32a) の垂直な部分に第2圧縮機(22)からの油戻し通路(34)を接続している。このため、第1圧縮機(21)のみの運転時は該第1圧縮機(21)から流出した冷凍機油が第2圧縮機(22)へは流れずに第1圧縮機(21)に回収され、両圧縮機(21,22) の運転時は各圧縮機(21,22) から流出した冷凍機油が他方の圧縮機(22,21) へ流れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考技術1に係る空気調和装置の冷媒回路図である。
【図2】 図1の冷媒回路における圧縮機構の拡大図である。
【図3】 本発明の実施形態1に係る空気調和装置の圧縮機構を示す拡大図である。
【図4】 図3の圧縮機構において吸入管と油戻し通路とを接続した外観図である。
【図5】 本発明の参考技術2に係る空気調和装置の圧縮機構を示す拡大図である。
【図6】 本発明の参考技術3に係る空気調和装置の圧縮機構を示す拡大図である。
【図7】 参考技術3に係る空気調和装置における冷凍機油回収時の制御を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の実施形態2に係る空気調和装置の圧縮機構を示す拡大図である。
【図9】 図8の圧縮機構において吸入管と油戻し通路とを接続した外観図である。
【図10】 実施形態2において圧縮機構の容量制御をする場合の運転状態を示す図である。
【図11】 図8の圧縮機構で圧縮機を1台運転する場合の冷媒と冷凍機油の流れを示す図である。
【図12】 図8の圧縮機構で圧縮機を2台運転する場合の冷媒と冷凍機油の流れを示す図である。
【図13】 図8の圧縮機構で圧縮機を3台運転する場合の冷媒と冷凍機油の流れを示す図である。
【図14】 (a)図及び(b)図は、各圧縮機内で各通路の向きを変更した例を示す図である。
【図15】 図4の変形例(参考例)を示す図である。
【図16】 従来の冷凍装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
(1) 冷凍装置
(10) 冷媒回路
(11) 圧縮機構
(19Gs) 吸入側ガス配管
(21) 第1圧縮機
(22) 第2圧縮機
(23) 第3圧縮機
(21o,22o,23o) 油溜まり部
(21s,22s,23s) 吸入管
(31,31a,31b) 基管
(31i) 傾斜部
(32a,32b,32c,32d) 分岐管
(34,35,36) 油戻し通路
(34a,35a) 第1通路
(34b,35b) 第2通路
(41) キャピラリチューブ(減圧機構)
(43) 電磁弁(減圧機構)
(44a,44b) 電子膨張弁(減圧機構)
(47) コントローラ(制御手段)
Claims (8)
- 高圧ドーム式の複数の圧縮機(21,22,23)が並列に接続されてなる圧縮機構(11)を備えた冷凍装置であって、
一の圧縮機(21,22,23)の油溜まり部(21o,22o,23o) と他の一の圧縮機(22,23,21)の吸入管(22s,23s,21s) とを一組として、各組毎に油溜まり部(21o,22o,23o) と吸入管(22s,23s,21s) とを連通する油戻し通路(34,35,36)が設けられ、
各圧縮機(21,22,23)への吸入側ガス配管(19Gs)が、基管(31,31a,31b)と、該基管(31,31a,31b)から分岐して各圧縮機(21,22,23)の吸入管(21s,22s,23s) に連通する分岐管(32a,32b,32c,32d) とからなり、油戻し通路(34,35,36) が分岐管(32a,32b,32c,32d) を介して吸入管(21s,22s,23s) に接続されるとともに、各分岐管(32a,32b,32c,32d) は、基管(31,31a,31b)との合流点から少なくとも油戻し通路(34,35,36)との合流点まで上方へ向かって傾斜する傾斜部(32i) を備えている冷凍装置。 - 傾斜部(32i) は、少なくとも、圧縮機構(11)の容量制御時に停止する圧縮機(22,23) への分岐管(32b,32d) に設けられている請求項1記載の冷凍装置。
- 圧縮機構(11)は、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2圧縮機(22)とから構成され、
第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) の間と、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) の間に、それぞれ油戻し通路(34,35) が設けられている請求項1または2記載の冷凍装置。 - 圧縮機構(11)は、容量可変の第1圧縮機(21)と、定容量の第2圧縮機(22)と、定容量の第3圧縮機(23)とから構成され、
第1圧縮機(21)の油溜まり部(21o) と第2圧縮機(22)の吸入管(22s) の間と、第2圧縮機(22)の油溜まり部(22o) と第3圧縮機(23)の吸入管(23s) の間と、第3圧縮機(23)の油溜まり部(23o) と第1圧縮機(21)の吸入管(21s) の間に、それぞれ油戻し通路(34,35,36)が設けられている請求項1または2記載の冷凍装置。 - 各油戻し通路(34,35,36)に減圧機構(41,43,44a,44b) が設けられている請求項1ないし4の何れか1記載の冷凍装置。
- 減圧機構がキャピラリチューブ(41)により構成されている請求項5記載の冷凍装置。
- 各油戻し通路(34,35) は、第1通路(34a,35a) と該第1通路(34a,35a) の中間点から吸入管(21s,22s) 側に分岐した第2通路(34b,35b) とを備え、
減圧機構は、第1通路(34a,35a) と第2通路(34b,35b) の一方(34a,35a) に設けられた電磁弁(43)及びキャピラリチューブ(41)と、その他方(34b,35b) に設けられたキャピラリチューブ(41)により構成されている請求項5記載の冷凍装置。 - 減圧機構が電子膨張弁(44a,44b) により構成されている請求項5記載の冷凍装置。
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