JP4416306B2 - メンテナンスシステムおよびメンテナンス方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メンテナンスシステムおよびメンテナンス方法に係り、例えば、建設機械をはじめとする移動式作業機械、定置式作業機械、発電機などのメンテナンスシステムおよびメンテナンス方法に関する。
【0002】
【背景技術】
例えば、ショベルカーやブルドーザなどの建設機械では、バケットやブレードといった大型で大重量の部品が用いられる。このような部品は、作業を続けることで摩耗したり損傷するため、このことによって使用が困難になると、作業現場で部品の交換が行われる。
【0003】
一方、建設機械に用いられる部品には、油圧作業機の作動油やエンジンの潤滑油を濾すためのオイルフィルタ、エンジンに供給される空気を濾すためのエアフィルタなど、各種のフィルタがある。このようなフィルタは、建設機械の稼働時間等に応じて清掃され、清掃後に再び使用される。そして、清掃回数が所定回数に達すると、部品としての性能が著しく低下するために廃棄され、新品のフィルタと交換される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
バケットやブレードの交換が必要な場合、その旨連絡を受けた代理店は、メーカー側に部品の在庫を確認し、在庫があれば、即座に作業現場に輸送して届け、交換を行う。
しかし、このような対応では、部品の輸送に手間がかかるため、その間現場での作業を中断しなければならず、作業に支障を来すという問題がある。特に、在庫が無い場合には、同種の別の建設機械をレンタル業者等から借りることになるので、その分の費用も発生する。
【0006】
ところで、フィルタ等の部品は、建設機械による作業現場などで清掃されるが、作業現場では、清掃後のフィルタに砂粒などの異物が付きやすいため、この異物で油圧回路中のバルブ等が損傷するおそれがある。
また、清掃は建設機械のオペレータに任されているため、オペレータによって清掃具合に大きなばらつきが生じる。従って、清掃が不十分な場合もあり、このような場合には、フィルタの寿命を著しく低下させるといった問題がある。
【0007】
本発明の目的は、メンテナンスを高い水準で確実に行えるメンテナンスシステムおよびメンテナンス方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のメンテナンスシステムは、クライアントで使用される機械のメンテナンスシステムであって、前記機械のある稼働時間での保守管理部品の交換時期を含む保守管理推奨情報を生成する制御手段と、予測された保守管理推奨情報に基づいて使用前の保守管理部品を前記クライアントに配送し、かつ使用後の保守管理部品を回収する物流手段と、回収した保守管理部品を再使用可能に再生する再生手段と、回収した保守管理部品の分析結果から前記機械が異常か否かの判定情報を生成する判定情報生成手段を備えていることを特徴とする。
このようなシステムによれば、保守管理推奨情報から保守管理部品の交換時期が予測される。
そして、この交換時期に従い、新しい保守管理部品をクライアント側に配送して使用中の部品と交換した後、使用後の保守管理部品を回収することにより、回収した保守管理部品の再生作業が、管理された環境下で専属的に行われる。従って、回収した保守管理部品は、清掃などの再生作業時に異物が付着するといった不具合が発生しにくくなるため、メンテナンスに用いられる保守管理部品の再生具合にばらつきが生じにくくなり、メンテナンスが高い水準で安定して行われるようになる。
以上により、前記目的が達成される。
また、このような場合には、回収した保守管理部品の分析結果から得られる判定情報により、機械に潜在する異常が的確に予測されるようになり、この判定情報をクライアントに通知することで、大きな不具合につながる前に早期対応が可能である。
【0013】
請求項2のメンテナンスシステムでは、前記保守管理部品は、前記機械に用いられる作動油または潤滑油用のフィルタであることが望ましい。
フィルタに残留した作動油や潤滑油を分析することにより、例えば、油圧式の作業機や、エンジン、トランスミッションなどの各種金属部分における摩耗状況が的確に予測されるようになる。
【0014】
請求項3のメンテナンスシステムでは、前記保守管理推奨情報からクライアントへの巡回計画を立案する巡回計画立案手段を備えていることが望ましい。
巡回計画立案手段で立案される巡回計画によれば、保守管理部品のメンテナンスが迫ったクライアントに対して、巡回が確実に行われるようになる。
【0015】
請求項4のメンテナンスシステムでは、前記制御手段を有する機械メーカー側のネットワークコンピュータと、このネットワークコンピュータにネットワークを介してそれぞれ接続された前記クライアント側のクライアント端末および前記物流手段を有する代理店側の代理店端末とを備え、前記保守管理推奨情報は、前記メーカー側のネットワークコンピュータからネットワークを介して前記クライアントおよび代理店側双方の端末に出力されることが望ましい。
このような場合には、生成された保守管理推奨情報がコンピュータネットワークを介してクライアントおよび代理店側双方の端末に出力されることにより、クライアント側では、保守管理部品の交換が遅延なく確実に行われ、代理店側では、クライアントへの対応も確実かつタイムリーに行われるようになる。
【0017】
請求項5のメンテナンス方法は、クライアントで使用される機械のメンテナンス方法であって、前記機械のある稼働時間での保守管理部品の交換時期を含む保守管理推奨情報を生成する手順と、予測された保守管理推奨情報に基づく使用前の保守管理部品を前記クライアントに配送し、かつ使用後の保守管理部品を回収する手順と、回収した保守管理部品を再使用可能に再生する手順と、回収した保守管理部品の分析結果から前記機械が異常か否かの判定情報を生成する手順とをふむことを特徴とする。
このような方法は、請求項1のメンテナンスシステムを構築することで実現可能であり、前述した本発明の目的が達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
[全体構成]
本実施形態のメンテナンスシステムは、図1に示すように、各クライアントCが所有する機械(例えば、建設機械)M1の保守管理推奨情報をメーカMから配信し、代理店Dにおいて、保守管理が必要な部品(保守管理部品)に係るサービスを行う例である。
【0020】
このような保守管理部品としては、第1には、例えば、各種建設機械に用いられる大型で大重量のブレード、バケット、クローラ、タイヤ、その他の各種アタッチメントなどのクライアント側保管部品である。この保管部品は、メーカM所有の新品のものがクライアントCの在庫エリアIAに必要数だけ在庫されており、メーカM側からの保守管理推奨情報に基づいて交換され、使用後には代理店Dによって引き取られる。そして、使用した保管部品についてのみ、クライアントCはメーカMあるいは代理店Dに対して相当額を支払う。
【0021】
第2には、例えば、建設機械の油圧式作業機に用いられる作動油、エンジンの潤滑用に用いられる潤滑油の他、これらのオイル類を濾すためのフィルタなどであり、このフィルタは清掃することで複数回繰り返し使用される再生可能部品である。使用中の再生可能部品は、保守管理推奨情報に基づいて新品と交換された後、代理店Dによって回収されてメーカM側に引き渡される。そして、交換した分について、クライアントCはメーカMあるいは代理店Dに相当額を支払う。
【0022】
図2、図3には、再生可能部品として、それぞれタイプの異なるオイルフィルタ100,200が示されている。
オイルフィルタ100,200は、フィルタケース110,210と、インレット121,221およびアウトレット122,222が設けられたフィルタカバー120,220と、中空で外部と連通可能とされたセンタコア130,230と、センタコア130,230の周囲に配置された洗浄可能なオイルエレメント(濾過材)140,240とを含んで構成されている。また、フィルタケース110,210には、オイルフィルタ200に代表して示すように、再生回数や当該オイルフィルタ200を識別するための情報を含んだバーコードラベル211が貼設されている。
【0023】
さらに、オイルフィルタ100において、センタコア130の図中下端側のプレッシャプレート131には、濾過前のオイルが保存される油保存部150が設けられ、センタコア130内の下方位置には、濾過後のオイルが保存される油保存部160が設けられている。
一方、オイルフィルタ200でも同様に、フィルタケース110の図中下端側には、濾過前のオイルが保存される油保存部250が設けられ、センタコア230内の下方位置には、濾過後のオイルが保存される油保存部260が設けられている。
【0024】
図1に戻って、このメンテナンスシステムは、インターネットなどのコンピュータネットワーク1と、クライアントCに配置されて前記コンピュータネットワーク1に接続されたクライアント端末CTと、代理店Dに配置されて前記コンピュータネットワーク1に接続された代理店端末DTと、メーカM側に配置されて前記クライアント端末CTおよび代理店端末DTにコンピュータネットワーク1を介して接続されたサーバ(ネットワークコンピュータ)SVとを含んで構成されている。
【0025】
[クライアント端末]
クライアント端末CTは、機械M1の機種データ、使用条件および稼働環境条件などを入力するキーボードなどの入力手段11、液晶画面などからなる表示手段12、制御手段14、およびハードディスク装置などからなる図示略の記憶手段を備えている。
このうちの制御手段14は、前記入力手段11から入力された機械M1の機種データ、使用条件、および稼働環境条件をコンピュータネットワーク1を介してサーバSVに送信するとともに、サーバSVから配信された情報を表示手段12に表示する機能を備えている。
【0026】
ここで、各機械M1には、その機械M1の各部の状態を計測する状態計測手段15が付設され、この状態計測手段15からの計測情報(例えば、サービスメーターによる稼働時間、エンジン回転数、バッテリー電圧、燃料量、冷却水温、その他の建設機械M1を駆動するための要素を検知するセンサからの情報)が無線出力され、図示しない通信衛星、衛星地球局、ネットワーク管制局、およびコンピュータネットワーク1を通じてサーバSVへリアルタイムで送信されるようになっている。
【0027】
[代理店端末]
代理店端末DTもクライアント端末CTと同様に、入力手段11、表示手段12、記憶手段13、および制御手段14を備えている。
制御手段14も略同様な機能を備えている他、クライアントCを巡回訪問する際の巡回計画を自動的に立案する巡回計画立案手段を備えている。この巡回計画立案手段については後述する。
【0028】
[サーバ]
サーバSVは、図4に示すように、表示手段20と、入力制御手段21と、出力制御手段22と、メインプログラムや各種データベースを記憶した記憶手段23〜29と、制御手段30とを備え、図1に示す総括管理部門41で管理されている。
記憶手段23には標準条件DB(データベース)が、記憶手段24には稼働環境条件DB(データベース)が、記憶手段25には使用条件DB(データベース)が、記憶手段26には修理・部品使用実績DB(データベース)が、記憶手段27には号機別DB(データベース)が、記憶手段28には価格情報DB(データベース)が、記憶手段29にはメインプログラムが、それぞれ記憶されている。
なお、標準条件DBを記憶した記憶手段23、稼働環境条件DBを記憶した記憶手段24および使用条件DBを記憶した記憶手段25によって、機械の機種毎に使用条件および稼働環境条件に応じたメンテナンス条件を記憶した保守管理情報記憶手段が構成されている。
【0029】
標準条件DBは、図5に示すように、機種毎(機種A,B,C)に保守管理項目テーブル23A,23B,23Cを備えている。各保守管理項目テーブル23A〜23Cには、予め設定した保守管理項目(総体部、潤滑油、足まわり、エンジン、油圧ポンプ、ブレード、バケット、各種アタッチメントなどについての保守管理項目)について、いつの時点(例えば、時間H1,H2・間隔)で点検や整備を実施するかが設定されている。また、品番情報が付加されている。
稼働環境条件DBは、機種毎に、稼働環境条件に応じた各種保守管理項目テーブルを備えている。例えば、機種Aの場合には、図6に示すように、砂塵地域、高地地域、勾配現場毎に保守管理項目テーブル24A,24B,24Cを備えている。各保守管理項目テーブル24A〜24Cには、予め設定した保守管理項目について、いつの時点(例えば、時間H1,H2・間隔)で点検や整備を実施するかが設定されている。
【0030】
使用条件DBは、各機種毎に、使用条件に応じた各種保守管理項目テーブルを備えている。例えば、機種Aの場合には、図7に示すように、異なる条件1(低質潤滑油、低質燃料)、条件2、条件3毎に保守管理項目テーブル25A,25B,25Cを備えている。各保守管理項目テーブル25A〜25Cには、予め設定した保守管理項目について、いつの時点(例えば、時間H1,H2・間隔)で点検や整備を実施するかが設定されている。
修理・部品使用実績DBには、実際に使用された部品に関する使用実績データが逐次記憶され、前述したオイルフィルタ100,200のバーコード情報も、オイルフィルタ100,200を交換する毎に交換履歴として記憶されるようになっている。
【0031】
号機別DBは、図8に示すように、各機種毎に、号機別管理データファイル27A,27B,27Cを備えている。各号機別管理データファイル27A〜27Cには、各号機毎に、使用条件、稼働環境条件、計測情報、リコメンド情報などが記憶されている。
価格情報DBには、図9に示すように、各種部品の部品品番ごとにその部品の価格が記憶されているとともに、作業コードごとにその作業に関する価格が記憶されている。
【0032】
前記制御手段30は、前記クライアント端末CTや代理店端末DTから送信された機械M1の機種データ、使用条件、および稼働環境条件に対応するメンテナンス条件(つまり、保守管理項目テーブルに規定された条件)を前記記憶手段23〜25から読み出し、このメンテナンス条件を基に機械M1のある稼働時間での保守管理推奨情報を予測し、その予測した保守管理推奨情報を表示手段20に表示し、かつ、コンピュータネットワーク1を介してクライアント端末CTおよび代理店端末DTに配信する機能の他に、次の機能や手段を備えている。
【0033】
(A)状態計測手段15からの計測情報を加味して、保守管理推奨情報を最適化する機能。
(B)状態計測手段15からの計測情報を基に機械の異常部位を推定し、この部位における部品交換の必要の有無を判定し、その結果を表示手段20に表示する部位別判定手段。
(C)予測した保守管理推奨情報と、記憶手段23〜25に記憶されたメンテナンス条件とに基づいて、記憶手段23〜25に記憶されたメンテナンス条件のうち部品交換条件を見直す部品交換条件見直手段。
(D)予測した保守管理推奨情報をいくつかの条件に従って実行する際、各条件において必要な費用の見積もりを行い、その見積内容を表示手段20に表示する手段。
(E)使用後の保守管理部品(具体的には、オイルフィルタ100,200)の詳細な分析結果に基づき、機械に異常が認められるか否かの判定情報を生成する判定情報生成手段。
【0034】
[メンテナンス方法]
ここでは、代理店Dにおいて、クライアントCが所有する機械M1をメンテナンスする方法について、図10を参照しながら説明する。
代理店DあるいはクライアントCにおいて、入力手段11からデータ入力を行う。例えば、顧客名(クライアントC1名)、機種(機械M1の機種)、仕様、号機、時期情報(月日、時間、累積稼働時間、稼働時間)などを入力したのち、機械M1の稼働環境条件および使用条件を入力する。
稼働環境条件としては、例えば、機械M1が実際に作業する地域が砂塵地域であるか、高地地域であるか、勾配現場であるかなどを入力する。使用条件としては、機械M1の使用条件、例えば、使用燃料の種別、硫黄分、潤滑油の種別などを入力する。
すると、制御手段によって、これらの情報がコンピュータネットワーク1を介してサーバSVへ送信されるとともに、状態計測手段15で計測された計測情報も、一定時間ごとにコンピュータネットワーク1を介してサーバSVへ送信される。
【0035】
サーバSVでは、図10に示すフローチャートに従って処理を行う。
ST1(ステップ1)において、顧客名(クライアントC名)、機種(機械M1の機種)、仕様、号機、時期情報(月日、時間、累積稼働時間、稼働時間)などが入力されたか否かをチェックし、入力されたことを条件としてST2の処理へ進む。
【0036】
ST2において、入力されたデータのうち、機種データに対応する保守管理項目テーブルを標準条件DBより抽出する。つまり、図5に示す標準条件DBのうちから、機種データに対応する保守管理項目テーブル23A〜23Cを抽出する。これにより、入力された機種データに対して、標準条件での必要な部品やサービスが抽出される。
【0037】
ST3において、稼働環境条件および使用条件が入力されたことを認識し、これらの条件が入力されたことを条件としてST4の処理へ進む。
【0038】
ST4において、入力された稼働環境条件および使用条件に対応する保守管理項目テーブル24A〜24C,25A〜25Cを使用条件DBおよび稼働環境条件DBより抽出し、このうち、標準条件DBの保守管理項目テーブル23A〜23Cと異なる項目を抽出する。つまり、図6および図7に示す稼働環境条件DBおよび使用条件DBから、入力された稼働環境条件および使用条件に対応する保守管理項目テーブルを抽出し、このうち、標準条件DBの保守管理項目テーブルと異なる項目を抽出し、これを標準条件DBの保守管理項目テーブルに置き換える。これにより、入力された稼働環境条件および使用条件での必要な部品やサービスが抽出される。
【0039】
ST5において、抽出した項目について、各稼働時間での保守管理推奨情報を予測する。
例えば、抽出された保守管理項目テーブルについて規定されている条件と、入力された機械の累積稼働時間とから、各部品の交換時期やオーバホール時期などの保守管理推奨情報を予測する。この際、クライアント端末CT1を通じて送信される状態計測手段15からの計測情報も加味して、保守管理推奨情報を予測する。
【0040】
部品の交換時期の予測については、図11(A)および(B)に示すデータを用いて行う。図11(A)は、横軸を稼働時間、縦軸を部品毎の特性値とし、稼働環境条件および使用条件に応じて、部品交換確率直線a1,a2,a3,d1,d2の傾きを変化させたグラフである。つまり、部品交換確率直線a1,a2,a3,d1,d2の傾きが大きくなるに従って、部品の交換限界に達するまでの稼働時間が短くなるように設定されている。
図11(B)は、横軸を稼働時間、縦軸を交換確率とし、図11(A)の部品交換確率直線a1〜a3,d1〜d2に対応する部品寿命分布曲線a,dを示している。部品の交換が必要かの判断にあたっては、稼働時間が入力された稼働環境条件および使用条件に対応する部品寿命分布曲線a,dの95%値に達したときに、交換が必要である旨の指示を出力するようになっている。ちなみに、稼働環境条件や使用条件によっって、部品交換確率直線の傾きが大きくなった部品については、保守管理推奨情報として、高品質な部品の使用を推奨することも可能である。
【0041】
ST6において、ST5の処理によって得られた保守管理推奨情報を表示し、かつ、コンピュータネットワーク1を通じてクライアント端末CTおよび代理店端末DTに送信する。
例えば、ST5の処理によって得られた保守管理推奨情報が図12に示すように表示される。図12の表示において、次回のリコメンド内容(保守管理推奨情報)として、上段にはオイル、オイルフィルタ交換が必要である旨、この交換が必要と予測される機械の稼働時間(サービスメータ:9,250)、整備時期(2000/3/30)がそれぞれ表示され、中段には備考としてオイル、オイルフィルタ交換リコメンドが表示され、下段にはその備考欄のオイル、オイルフィルタ交換を実行するときにかかる費用がオプション1,オプション2として表示されている。
【0042】
なお、図12において、左側上下段には機種、データおよび稼働環境条件が表示され、中央下段には使用条件が表示され、右側上下段にはジャンプおよび計測情報が表示されている。ここで、計測情報には、前記状態計測手段15からの計測情報を基に推定した機械の異常部位と、その状況が表示されている。つまり、サーバSVの制御手段30は、状態計測手段15からの計測情報を基に機械M1の異常部位を推定し、この部位における部品交換の必要の有無を判定し、その結果を表示手段20に表示する部位別判定手段を備えている。
【0043】
図12において、費用のオプション1,オプション2をクリックすると、図13に示すように、オプション1,オプション2の詳細情報が表示されるようになっている。つまり、サーバSVの制御手段30では、予測した保守管理推奨情報をいくつかの条件に従って実行する際、各条件において必要な費用の見積もりを行い、その見積内容を表示手段20に表示する機能を備えている。この際、見積額を算出するにあたっては、図9に示す価格情報DBを用いて費用の見積もりを行う。
【0044】
ST7において、上述した各種データを号機別DBへ格納する。
なお、予測した保守管理推奨情報と、前記標準DB、稼働環境条件DBおよび使用条件DBに記憶された保守管理項目のメンテナンス条件とが大幅にずれているような場合には、制御手段30は、各DBに記憶されたメンテナンス条件を見直し、より予測値に近い値に書き換える。つまり、制御手段30は、予測した保守管理推奨情報と前記記憶手段23〜25に記憶されたメンテナンス条件とに基づいて、記憶手段23〜25に記憶されたメンテナンス条件のうち部品交換条件を見直す部品交換条件見直手段を備える。
【0045】
この後、前述した保守管理推奨情報に基づき、代理店Dでは、オイルフィルタ100,200の交換等のために、サービスカー等でクライアントCを訪問する。
この際、代理店端末DTでは、巡回計画立案手段を立ち上げることにより、受信した複数クライアントCの保守管理推奨情報から、必要となるメンテナンスの内容を判断し、各クライアントCへの訪問日、最適な訪問ルート、メンテナンスに必要な部品、メンテナンスに費やす時間、コストなどを巡回計画として出力表示する。そして、担当員はこの巡回計画に従って各クライアントCを訪問することになる。
【0046】
クライアントCの訪問時に、保守管理推奨情報に基づいて特にオイルフィルタ100,200を交換した場合には、代理店Dの担当員は、使用後のオイルフィルタ100,200を回収し、メーカMの再生工程に回す。
なお、オイルフィルタの交換の際には、新しいオイルフィルタのバーコードラベル(図3のバーコードラベル211参照)が読み込まれ、最新の交換履歴として修理・部品使用実績DBに記憶される。また、本実施形態では、代理店Dによる新たなオイルフィルタの配送や、使用後のオイルフィルタの回収を伴った巡回業務自体が本発明に係る物流手段の一つになっている。
【0047】
以下には、図14に示すフローチャートに従い、オイルフィルタ100,200の交換後の流れについて説明する。
図14のST1において、代理店Dの担当員は、回収したオイルフィルタ100,200を図1に示すメーカMの再生手段としてのフィルタ再生・生産部門42に引き渡す。
【0048】
ST2において、フィルタ再生・生産部門42では、オイルフィルタ100,200を専用のライン(工程)を通して分解する。このオイルフィルタ100,200の分解の際には、内部の油保存部150,160,250,260から残留油を取り出す。各残留油は、当該オイルフィルタ100,200のバーコードラベル211の情報と関連付けられ、結果的にサーバSVに格納された機械M1の各種データと関連付けられる。
【0049】
次のST3においては、バーコードラベル211からの情報により、オイルエレメント140,240の再生回数、すなわち洗浄回数を割り出す。今回の再生により、オイルエレメント140,240の洗浄回数が所定回数を超えると判断した場合、あるいはオイルエレメント140,240の構成部品が検査により再使用できないと判断された場合には、ST4として、オイルエレメント140,240は再使用されずに廃棄されるか、別の用途の資源としてライン上から外される。
【0050】
ST5において、再生可能と判断されたオイルフィルタ100,200の各部品を洗浄し、再組立を行い、新たなバーコードラベル211を貼り付ける。
【0051】
次いで、ST6として、メーカM内では、取り出した濾過前、濾過後の各残留油をオイル分析部門43に持ち込み、オイル分析部門43では、残溜油の分析を行うとともに、例えば、濾過前のオイルから、鉄、銅、クロム、アルミ、シリコン、鉛、ナトリウム、水分などの含有量を分析し、正常値であるか否かの判定を下す。このような分析結果は、サーバSVに送信される。
【0052】
ST7として、この分析結果を受信すると、サーバSVでは、前述の判定情報生成手段が立ち上がり、受信した分析結果から判定情報を生成し、この判定情報をコンピュータネットワーク1を介してクライアントCTおよび代理店端末DTに出力する。つまり、サーバSVの制御手段30は、オイルフィルタ100,200の詳細な分析結果に基づき、機械に異常が認められるか否かの判定情報を生成する判定情報生成手段を備える。
そして、クライアントCおよび代理店Dは、この判定情報に基づいて適切な対応をとることになる。また、再生されたオイルフィルタ100,200は、メーカMまたは代理店Dにて在庫される。
【0053】
ところで、交換が必要な保守管理部品としては、オイルフィルタ100,200のみならず、建設機械のバケットやブレードといった大型で大重量のクライアント側保管部品も含まれる。
このような保管部品は、保守管理推奨情報に基づいてクライアントCで交換されるが、この交換にあたっては、予め在庫されている在庫エリアIA内の部品と交換され、交換した後に新たな保管部品が代理店D等によって補充される。そして、この交換に伴って不要になった部品は、代理店D側に引き取られる。
なお、そのような大重量の保管部品をトレーラ等で運ぶといった代理店D側の業務自体も、本発明に係る物流手段に含まれる。
【0054】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態のメンテナンスシステムでは、機械M1の保守管理部品に関し、その交換時期を含んだ保守管理推奨情報が種々の条件と照らし合わせてサーバSVの制御手段30で生成されるので、保守管理部品が使用不能に陥る前に、この保守管理推奨情報に基づいてメンテナンスを確実に実施できる。
【0055】
(2)特に保守管理部品であるオイルフィルタ100,200は、使用後に代理店Dによって回収され、メーカM側の管理下で分解、洗浄、再組立等の再生されるため、この再生作業を機械M1のオペレータ等が行う従来の場合に比して、異物混入等の問題を生じにくくでき、再生作業を高い水準で実施できる。従って、オイルフィルタ100,200の再生具合を良好にでき、その部品寿命が極端に短くなるのを防止できるうえ、機械M1に取り付けられた際の部品性能も確実に発揮できる。
【0056】
(3)サーバSVの制御手段30は判定情報生成手段を備え、回収したオイルフィルタ100,200からの残留油の分析結果から、機械M1が異常か否かの判定情報を生成するため、この判定情報により、機械M1に潜在する異常を的確に予測できる。そして、この判定情報をクライアントに通知することで、大きな不具合につながる前に早期に対応できる。
【0057】
(4)また、オイルフィルタ100,200に残留した作動油や潤滑油の残留油を分析することにより、オイルポンプ、油圧バルブ、エンジン、トランスミッション等における作動油や潤滑油が流通する部位での金属摩耗などを確実に把握することができ、部品交換等によって的確に対処できる。
【0058】
(5)オイルフィルタ100,200には、残留油を保存する油保存部150,160,250,260が設けられているから、オイル分析を支障なく行えるだけの残留油を確実に保存でき、分析結果の信頼性を向上させることができる。
【0059】
(6)代理店端末DTの制御手段14は、保守管理推奨情報からクライアントCへの巡回計画を立案する巡回計画立案手段を備えているため、複数のクライアントCの保守管理推奨情報が逐一生成されるような場合でも、各クライアントCへの訪問日、最適な訪問ルート、メンテナンスに必要な部品、メンテナンスに費やす時間、コストなどを巡回計画として出力させることができ、担当員による巡回計画の立案の手間を省くことができるとともに、訪問するクライアントCの抜けを防止でき、巡回を確実に実施できる。
【0060】
(7)サーバSV、クライアント端末CT、および代理店端末DTは、コンピュータネットワーク1を介して互いに接続されているので、生成された保守管理推奨情報をコンピュータネットワーク1を介してクライアントCおよび代理店D側双方の端末CT、DTに出力されることができる。従って、クライアントC側では、保守管理部品の交換を遅延なく確実に行え、代理店D側では、クライアントCへの対応を確実かつタイムリーに行える。
【0061】
(8)クライアントC側には、近くに在庫エリアIAが設けられ、バケットやブレードといった大型で大重量の保管部品がバッファとして常時在庫されているため、メーカMからの配送や取扱に手間のかかるこれらの保管部品も早急に交換できる。この際、保管部品の交換時期に関する情報を、オイルフィルタ100,200などと同様に保守管理推奨情報として取得できるので、使用中の部品が使用不能になる前に交換することも可能である。従って、使用中の部品によって作業に支障が出る前に、新たな保管部品に手早く交換できるうえ、レンタル業者などから別の機械を借りる必要もなく、経費も節減できる。
【0062】
(9)保守管理推奨情報を生成するにあたり、サーバSVは、クライアント端末CTおよび代理店端末DTから送信された機械M1の機種データ、稼働環境条件および使用条件に対応する保守管理項目テーブルを抽出し、この保守管理項目テーブルに規定されたメンテナンス条件を基に機械M1のある稼働時間での保守管理推奨情報を予測し、その予測した保守管理推奨情報を表示手段20に表示する。従って、クライアントCや代理店Dに負担をかけることなく、機械M1の個々の稼働環境条件や使用条件を考慮した最適な保守管理推奨情報を容易に得ることができる。そのため、クライアントCや代理店Dにおける機械M1の管理作業も容易にでき、特に、整備やオーバホールなどの管理スケジュールも容易に立てることができるから、機械管理の工数削減が実現できる。しかも、機械生涯の経費も予測できる。
【0063】
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、保管部品は大型で大重量の保守管理部品であってあったが、これに限定されず、オイルやオイルフィルタ100,200のように、代理店Dのサービスカー等によって容易に配送できる保守管理部品であってもよい。
ただし、前記実施形態のように、メーカMからの配送が容易でない保守管理部品を在庫エリアIAへの保管部品として予め保管しておくことが、より効果的である。
【0064】
また、再生可能な保守管理部品としては、前記実施形態のオイルフィルタ100,200に限定されず、例えば、エンジンに供給される空気用のエアフィルタであってもよく、その他の適宜な部品であってよい。
【0065】
さらに、クライアント端末CT、代理店端末DTとしては、パーソナルコンピュータの他、例えば、ブラウザ機能を有する携帯電話や携帯情報端末(PDA)などであってもよい。このような端末を用いれば、有線の通信回線や商用電源が整備されていない建設現場などの場所からでも、コンピュータネットワーク1を介して本システムを有効に利用できる。
【0066】
そして、本発明のシステムを、コンピュータネットワーク1を介して接続されたクライアント端末CT、代理店端末DT、およびサーバSVで構成する他、スタンドアロンタイプのコンピュータで実現してもよい。このような場合でも、同様な作用効果が期待できる。
このような場合、保守管理推奨情報の送受信は、ファックス等で行われる。
【0067】
なお、前記実施形態では、建設機械の管理システムについて説明したが、本発明のシステムは、これに限らず、移動式作業機械、定置式作業機械、発電機などの駆動源を備えた機械一般に適用することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、回収した保守管理部品の再生作業時に異物が付着るといった不具合を発生しにくくできるため、メンテナンスに用いられる保守管理部品の再生具合にばらつきを生じにくくでき、メンテナンスを高い水準で行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる機械の管理システム全体を示す模式図である。
【図2】同上実施形態で用いられる再生可能な保守管理部品を示す断面図である。
【図3】同上実施形態で用いられる再生可能な別の保守管理部品を示す断面図である。
【図4】同上実施形態におけるサーバを示すブロック図である。
【図5】同上実施形態におけるサーバに記憶された標準条件DB(データベース)を示す模式図である。
【図6】同上実施形態におけるサーバに記憶された稼働環境条件DB(データベース)を示す模式図である。
【図7】同上実施形態におけるサーバに記憶された使用条件DB(データベース)を示す模式図である。
【図8】同上実施形態におけるサーバに記憶された号機別DB(データベース)を示す模式図である。
【図9】同上実施形態におけるサーバに記憶された価格情報DB(データベース)を示す模式図である。
【図10】同上実施形態におけるサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】同上実施形態におけるサーバの部位別判定手段の判定原理を示す図である。
【図12】同上実施形態におけるサーバの表示画面を示す図である。
【図13】同上実施形態におけるサーバの表示画面を示す図である。
【図14】同上実施形態における保守管理部品の交換後の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 コンピュータネットワーク
30 制御手段
100,200 再生可能な保守管理部品であるオイルフィルタ
C クライアント
D 代理店
M メーカ
CT クライアント端末
DT 代理店端末
M1 機械
SV ネットワークコンピュータであるサーバ
Claims (5)
- クライアントで使用される機械のメンテナンスシステムであって、
前記機械のある稼働時間での保守管理部品の交換時期を含む保守管理推奨情報を生成する制御手段と、
予測された保守管理推奨情報に基づいて使用前の保守管理部品を前記クライアントに配 送し、かつ使用後の保守管理部品を回収する物流手段と、
回収した保守管理部品を再使用可能に再生する再生手段と、
回収した保守管理部品の分析結果から前記機械が異常か否かの判定情報を生成する判定情報生成手段を備えている
ことを特徴とするメンテナンスシステム。 - 請求項1に記載のメンテナンスシステムにおいて、
前記保守管理部品は、前記機械に用いられる作動油または潤滑油用のフィルタであることを特徴とするメンテナンスシステム。 - 請求項1または請求項2に記載のメンテナンスシステムにおいて、
前記保守管理推奨情報からクライアントへの巡回計画を立案する巡回計画立案手段を備えていることを特徴とするメンテナンスシステム。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のメンテナンスシステムにおいて、
前記制御手段を有する機械メーカー側のネットワークコンピュータと、このネットワークコンピュータにネットワークを介してそれぞれ接続された前記クライアント側のクライアント端末および前記物流手段を有する代理店側の代理店端末とを備え、前記保守管理推奨情報は、前記メーカー側のネットワークコンピュータからネットワークを介して前記クライアントおよび代理店側双方の端末に出力されることを特徴とするメンテナンスシステム。 - クライアントで使用される機械のメンテナンス方法であって、
前記機械のある稼働時間での保守管理部品の交換時期を含む保守管理推奨情報を生成する手順と、予測された保守管理推奨情報に基づいて使用前の保守管理部品を前記クライアントに配送し、かつ使用後の保守管理部品を回収する手順と、回収した保守管理部品を再使用可能に再生する手順と、回収した保守管理部品の分析結果から前記機械が異常か否かの判定情報を生成する手順とをふむことを特徴とするメンテナンス方法。
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