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本発明は、ICカードに関する。特に本発明は、本人認証の時だけ所有者の顔画像を表示するICカードに関する。
人は、キャッシュカード、クレジットカード、医療機関の診察カードなど、複数のカードを所持している。近年、これら複数のカードを一枚のICカードに統合するための技術開発が進められている(例えば非特許文献1参照)。
伊土誠一監修「ICカード情報流通プラットホーム−21世紀情報社会のキーテクノロジー−」電気通信協会、2001年5月10日
ICカードが所有者の個人情報を保持している場合、本人認証を行ってからICカードを動作させことが好ましい。本人認証方法の一つに、ICカードに所有者の顔画像を表示させ、この顔画像がICカードの使用者の顔に一致するか否かを人の目が判断する方法がある。一方で、ICカードに顔画像が常に表示されていると、他人のICカードを取得した人は、このICカードの所有者が自分に似ているか否かを判断することができる。そして、ICカードが悪用される場合もある。このため、本人認証の時にのみICカードに所有者の顔画像を表示させることが好ましい。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるICカードを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
即ち、本発明の第1の形態によると、外部から無線で受け取る電力により動作するICカードであって、当該ICカードを所有する所有者の顔画像を保持する顔画像保持部と、当該ICカードの表面に設けられた表示部と、無線により電力を受け取った場合に、顔画像保持部が保持している顔画像を用いて所有者の顔を表示部に表示させる表示制御部とを備えるICカードを提供する。
第1の形態において、顔画像保持部は、顔画像の動画を格納しており、表示制御部は、顔画像保持部から動画を読み出して、表示部に所有者の顔を動画表示させてもよい。
この場合、顔画像保持部は、所有者の顔を順次異なる方向から撮像した動画を格納していてもよい。
顔画像保持部は、表情が異なる複数の顔画像を保持しており、表示制御部は、顔画像保持部から複数の顔画像を順次読み出し、それぞれの顔画像に基づいて、表情が異なる所有者の複数の顔をそれぞれ表示部に表示させてもよい。
顔画像保持部は顔画像の3次元データを格納しており、表示制御部は、3次元データを用いて所有者の顔を、向きを変更しつつ表示部に表示させてもよい。
所有者の識別情報を格納する識別情報保持部を更に備え、表示制御部は、識別情報格納部から識別情報が読み出されるときに、当該ICカードを利用する利用目的を受信し、利用目的に応じて、表示部に顔画像を表示するか否かを判断してもよい。
無線で受け取った電力の一部を蓄積する蓄電部を更に備え、表示部は、無線によって電力を受け取ることができなくなった後に、人が顔画像を視認するのに必要な時間、蓄電部に蓄積された電力を用いて顔画像を表示してもよい。
無線によって電力を受け取ることができなくなった後、蓄電部に蓄積された電力を表示部に提供すると共に、表示制御部の少なくとも一部に対する電力の提供を遮断する電力制御部を更に備えてもよい。
表示部は、複数の発光画素、および複数の発光画素のそれぞれの上に設けられ、発光画素が発光を終えた後にも継続して発光する蛍光体を有してもよい。
顔画像保持部は、所有者の秘密鍵で暗号化された顔画像を保持しており、所有者の識別情報を保持する識別情報保持部と、所有者の識別情報に基づいて検索される所有者の公開鍵を受信する公開鍵受信部と、公開鍵に基づいて顔画像を復号する復号部とを更に備え、表示制御部は、復号部が復号した顔画像を用いて所有者の顔を表示部に表示させてもよい。
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態であるICカード100の正面図である。ICカード100は、表面に表示部110を備えており、また、予め所有者の顔画像を保持している。表示部110は、例えば液晶表示パネルやELパネルである。
ICカード100は、電池を内蔵しておらず、外部の無線発信装置20から、予め定められた周波数の無線によって電力を受け取る。そして、受け取った電力を用いて、表示部110に、予め保持している所有者の顔画像を表示する。
このため、ICカード100の使用者がICカード100の所有者であると目視で判断することができる。
また、無線を受信しない限り、ICカード100は、所有者の顔画像を表示しない。従って、ICカード100は、使用者を認証する必要があるとき以外に所有者の顔画像を表示しない。
図2は、ICカード100の回路図である。ICカード100は、コイル12
、処理回路14、整流子16及びコンデンサ18を備える。処理回路14は、表示部110を含む。
コイル12は、一端が接地しており、かつ処理回路14の−側に接続している。コイル12の他端は、整流子16を介して処理回路14の+側に接続している。また、コンデンサ18は処理回路14と並列に設けられている。コンデンサ18は蓄電部の一例である。
この回路構成において、コイル12は、無線発信装置20が発信した電磁波によって電力を生じさせる。コイル12に生じた電力は、整流子16及びコンデンサ18によって整流され、処理回路14に供給される。また、コイル12に生じた電力の一部はコンデンサ18に蓄電される。
コンデンサ18の容量は、無線による電力の供給が止まった後に、表示部110に表示された顔画像を人が視認するために必要な時間表示を継続させるために必要な大きさである。この表示を継続させる時間は、例えば1秒以上5秒以下である。
従って、顔認証を行った人がICカード100を所有者に返却した後も、ICカード100の表示部110は、しばらくの間顔画像を表示する。このため、ICカード100の所持者は、顔認証時に表示部110に表示された顔を視認することができる。
図3は、処理回路14の機能構成を示すブロック図である。処理回路14は、表示部110の他に、電力制御部120、顔画像保持部130、識別情報保持部140、公開鍵受信部150、復号部160、及び表示制御部170を有する。
電力制御部120は、コイル12及び/又はコンデンサ18から供給される電力を、表示部110に供給するか否かを制御する。また、公開鍵受信部150、復号部160、及び表示制御部170に電力を供給するか否かを制御する。顔画像保持部130はICカードの所有者の顔画像を、ICカード100の所有者の秘密鍵で暗号化された状態で保持する。識別情報保持部140は、ICカード100の所有者の識別情報、例えばIDを保持する。公開鍵受信部150は、ICカード100の所有者の公開鍵を外部から受信する。復号部160は、公開鍵受信部150が受信した公開鍵を用いて所有者の顔画像を復号する。表示制御部170は、復号された所有者の顔画像を表示部110が有する画像メモリに展開する。
なお、各部の動作の詳細については、フローチャートを用いて後述する。
図4は、ICカード100の動作を示すフローチャートである。無線発信装置20が無線を発信し、コイル12に電力が生じた場合(S10)、電力制御部120は、顔画像保持部130、識別情報保持部140、公開鍵受信部150、復号部160、及び表示制御部170に電力を供給する。公開鍵受信部150は識別情報保持部140から所有者の識別情報を読み出し(S20)、読み出した識別情報を外部に出力して公開鍵を要求する(S30)。識別情報を受信した外部の装置は、所有者の識別情報に基づいて所有者の公開鍵を検索し、検索した公開鍵を公開鍵受信部150に送信して受信させる(S40)。
そして、電力制御部120、復号部160、及び表示制御部170は画像表示処理を行う(S50)。
従って、ICカード100は、所有者の識別情報に基づいて所有者の公開鍵を検索することができる。
図5は、図4のS50の一例である。本例は、顔画像保持部130が、所有者の顔の動画を保持している場合のICカード100の動作を示す。顔画像保持部130が保持している動画は、例えばICカード100の所有者の顔を順次異なる方向から撮像したものである。
復号部160は、顔画像保持部130から、秘密鍵で暗号化された動画を読み出し(S100)、公開鍵受信部150が受信した公開鍵を用いて復号する(S110)。復号に失敗した場合(S120:No)、ICカード100は、顔画像保持部130が保持している顔画像は改ざんされた可能性があると判断して処理を終了する。
復号部160が復号に成功した場合(S120:Yes)、電力制御部120は、表示部110に電力を供給する。表示制御部170は、無線の受信がするまで(S140)、表示部110に動画を表示させる(S130)。
従って、表示部110が表示する顔画像の信頼性は高くなる。
また、目視で顔認証を行う人は、ICカード100の所持者の顔と、ICカード100の所有者の顔を、様々な向きから照合することができる。
そして、無線の受信が終了した場合、電力制御部120は、顔画像保持部130、識別情報保持部140、公開鍵受信部150、復号部160、及び表示制御部170への電力供給を遮断する(S150)。このため、ICカード100は、コンデンサ18が蓄えている電力を利用して長い時間表示部110の表示を維持することができる。
図6は、図5に示したS50における動作の第1の変形例を示す。本変形例において、顔画像保持部130は、複数の静止顔画像を保持している。複数の静止顔画像は、互いに表情が異なっているか、又は互いに顔の向きが異なっている。本例において、複数の静止顔画像は一つの画像群すなわち一つのデータとして暗号化されているが、個々に別個のデータとして暗号化されていてもよい。
復号部160は、顔画像保持部130から画像群を読み出し(S210)、公開鍵受信部150が受信した公開鍵を用いて復号する(S220)。復号に失敗した場合(S230:No)、ICカード100は、顔画像保持部130が保持している画像群は改ざんされた可能性があると判断して処理を終了する。
電力供給部120は、表示部110への電力供給を開始する。そして、表示制御部170は、画像群を構成する複数の静止顔画像から一つの画像を選択し、表示部110に表示させる(S240)。表示制御部170は、予め定められた時間経過した後(S250)に、表示している画像を更新する(S260)。予め定められた時間は、例えば1秒以上5秒以下である。
このため、目視で顔認証を行う人は、ICカード100を所持している人の顔と、ICカード100の所有者の顔を、複数の表情又は複数の向きで照合することができる。
そして、無線発信装置120から無線を受信しなくなった場合(S270:Yes)、電力制御部120は、顔画像保持部130、識別情報保持部140、公開鍵受信部150、復号部160、及び表示制御部170への電力供給を遮断する(S280)。
図7は、図5に示したS50における動作の第2の変形例を示す。本変形例において、顔画像保持部130は、所有者の顔の3次元データを保持している。
電力制御部120は、復号部160に電力を供給する。復号部160は、顔画像保持部130から3次元データを読み出し(S210)、公開鍵受信部150が受信した公開鍵を用いて復号する(S220)。復号に失敗した場合(S230:No)、ICカード100は、顔画像保持部130が保持している3次元データは改ざんされた可能性があると判断して処理を終了する。
電力供給部120は、表示部110への電力供給を開始する。そして、表示制御部170は、顔の角度の初期値を設定する(S340)。そして、設定した角度から見た顔画像を、顔の3次元データに基づいて生成し(S350)、表示部110に表示させる(S360)。そして、表示制御部170は、予め定められた時間経過した後(S370)に、設定した角度を更新し(S380)、無線の受信が継続していることを条件に(S390:No)、新たに顔画像を生成し(S350)、表示部110が表示している顔画像を更新する(360)。ここで、予め定められた時間は、例えば1秒以上5秒以下である。
このため、目視で顔認証を行う人は、ICカード100を所持している人の顔と、ICカード100の所有者の顔を、複数の向きで照合することができる。
そして、無線の受信が終了した場合(S390:Yes)、電力制御部120は、顔画像保持部130、識別情報保持部140、公開鍵受信部150、復号部160、及び表示制御部170への電力供給を遮断する(S395)。この動作の詳細は、図5のS150と同じであるため詳細を省略する。
なお、表示制御部170は、表示させるべき所有者の顔の向きを外部から指定されてもよい。この場合、表示制御部170は、所有者の顔を指定された向きで静止画として表示させてもよい。
図8は、処理回路14の変形例を示すブロック図である。本例において、処理回路14は、表示部110、電力制御部120、顔画像保持部130、識別情報保持部140、表示制御部170、表示可否保持部175、及び発信部180を有する。
表示可否保持部175は、ICカード100の利用目的を示す情報に対応付けて、ICカード100の所有者の顔画像を表示するか否かを示す情報を保持している。表示可否情報保持部175は、利用目的の重要性が高い場合、利用目的を示す情報に対応付けて、所有者の顔画像を表示する旨を示す情報を保持している。また、利用目的の重要性が低い場合、利用目的を示す情報に対応付けて、所有者の顔画像を表示しない旨を示す情報を保持している。利用目的の重要性が高い場合とは、例えばICカード100が決済機能を有する場合において、決済金額が予め定められた額以上の場合である。
そして、発信部180は、識別情報保持部140が保持している所有者の識別情報を外部に発信する。また、表示制御部170は、ICカード100の利用目的を示す情報を無線で外部から受信する。表示制御部170は、受信した利用目的を示す情報を表示可否保持部175に照合し、所有者の顔画像を表示するか否かを判断する。所有者の顔画像を表示すると判断した場合、表示制御部170は表示部110に顔画像を表示させる。
このため、ICカード100は、ICカード100の利用目的の重要性が低い場合、表示部110に所有者の顔画像を表示しない。従って、ICカード100は、なるべく自分の顔をカードに表示させたくない、という一般使用者の要求に、更に沿うことができる。
なお、顔画像を表示させるときの処理回路14の動作は、図5のS100及びS130〜S150、図6のS210及びS240〜S280、若しくは図7のS310及びS340〜S395と同じであるため説明を省略する。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば表示部110は、図9に示すように、バックライト112、バックライト112からの光を画素ごとに透過又は遮断する複数のシャッタ114、及び画素ごとに設けられ、シャッタ114を透過した光によって発光する複数の蛍光体116を備えてもよい。複数の蛍光体116のそれぞれは、例えば赤、緑、及び青を発光する蛍光体を有する。この場合、蛍光体116は、発光画素が発光を終えた後にも継続して発光する。従って、顔認証を行った人がICカード100を返却した後も、ICカード100の表示部110は、しばらくの間顔を表示する。このため、ICカード100の所持者は、顔認証時に表示部110に表示された顔を視認することができる。
(発明の効果)
上記説明から明らかなように、本発明によれば、本人認証の時だけICカードに所有者の顔画像を表示させることができる。
本発明の実施形態であるICカード100の正面図である。 ICカード100の回路図である。 処理回路14の機能構成を示すブロック図である。 ICカード100の動作を示すフローチャートである。 図4のS50の一例を示すフローチャートである。 図5に示したS50における動作の第1の変形例を示すフローチャートである。 図5に示したS50における動作の第2の変形例を示すフローチャートである。 処理回路14の変形例を示すブロック図である。 表示部110の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 ICカード
18 コンデンサ(蓄電部)
20 無線発信装置
110 表示部
120 電力制御部
130 顔画像保持部
140 識別情報保持部
150 公開鍵受信部
160 復号部
170 表示制御部
180 発信部

Claims (5)

  1. 外部から無線で受け取る電力により動作するICカードであって、
    当該ICカードを所有する所有者の顔画像を保持する顔画像保持部と、
    当該ICカードの表面に設けられた表示部と、
    前記無線により前記電力を受け取った場合に、前記顔画像保持部が保持している前記顔画像を用いて前記所有者の顔を前記表示部に表示させる表示制御部と
    を備え、
    前記顔画像保持部は前記顔画像の3次元データを格納しており、
    前記表示制御部は、前記3次元データを用いて前記所有者の顔を、向きを変更しつつ前記表示部に表示させることを特徴とするICカード。
  2. 前記無線で受け取った前記電力の一部を蓄積する蓄電部を更に備え、
    前記表示部は、前記無線によって前記電力を受け取ることができなくなった後に、人が前記顔画像を視認するのに必要な時間、前記蓄電部に蓄積された電力を用いて前記顔画像を表示することを特徴とする請求項1に記載のICカード。
  3. 前記無線によって前記電力を受け取ることができなくなった後、前記蓄電部に蓄積された前記電力を前記表示部に提供すると共に、前記表示制御部に対する前記電力の提供を遮断する電力制御部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のICカード。
  4. 前記表示部は、発光体、および前記発光体が発光を終えた後に発光し、前記表示部に表示されていた前記顔画像を表示させる蛍光体を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のICカード。
  5. 前記顔画像保持部は、前記所有者の秘密鍵で暗号化された前記顔画像を保持しており、
    前記所有者の識別情報を保持する識別情報保持部と、
    記所有者の前記識別情報に基づいて検索される前記所有者の公開鍵を受信する公開鍵受信部と、
    前記公開鍵に基づいて前記顔画像を復号する復号部とを更に備え、
    前記表示制御部は、前記復号部が復号した前記顔画像を用いて前記所有者の顔を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のICカード。
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