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JP4418638B2 - 防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニット - Google Patents
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JP4418638B2 - 防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニット - Google Patents

防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物用のドアとしてサムターン回し等の防犯対策を講じた防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物用ドアに関する防犯対策の必要性が近年高まっている。特に、ピッキングと呼ばれる手口による窃盗事件が問題となっている。ピッキングは、ピックと呼ばれる針金状の解錠工具を用いて、ドアを開錠する犯罪手法である。この方法は作業が短時間で済むうえ錠を破壊しないため、被害者が犯行に気づき難い。特にディスクシリンダ錠がピッキングに弱いとされているため、ピッキング対策としてはシリンダを交換したディンプルキーを使用するタイプの錠が有効とされている。
【0003】
また、カム送り解錠と呼ばれる手口も存在する。カム送り解錠とは、特殊な道具を用いて、錠シリンダーを迂回し、直接錠ケース内部に働きかけてデッドボルトを作動させ解錠する手口をいい、別名「バイパス解錠」とも呼ばれる。この手口に対しても、錠を交換して、特殊な道具が直接デッドボルトに接触することのないよう錠ケース奥部にカバーを取付ける等の対策を施した錠とすることで、安全性が向上する。
【0004】
これらピッキングあるいはカム送りといった手口に対しては、いずれも錠を交換することで対抗することができる。しかしながら、このような手口に対する対策を講じたドアでも対抗できない「サムターン回し」と呼ばれる手口が新たに登場し、急速に拡大している。これは、玄関ドアにドリルで穴を開け、針金を差し込んで内側から鍵を開ける手口である。サムターンとは、ドアの内側の鍵のつまみである。サムターン回しは、まず手動ドリルで金属製ドアのノブの横に穴を開ける等した後、この穴に針金を約90度に曲げて先端を細工した道具を差し込み、サムターンに引っ掛けて回すことにより鍵を解除する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
サムターン回し対策として、例えばサムターン部分にキャップ等を被せ、サムターンに針金がかけられないようにする方法が提案されている。特にペットボトルなどを切って、両面テープで貼って覆う方法が提唱されている。しかしながら、このような方法は施錠の前に一々キャップ等をセットする必要があり非常に面倒である。さらに、ライター等によりこのようなキャップ部分を溶かす手口も報告されており、有効な対策とはなり得ないのが実情である。
【0006】
また一方で、このような犯罪に対して、解錠を困難にする方法としては、例えばドアの材質を極めて強固にする、あるいは施錠を電子式の鍵とする等の方法が考えられる。しかしながら、ドアを強固にすると、それだけドアが厚く重くなり、ドアとしての本来の使い勝手が悪くなる上、コストがかかるという欠点がある。また、侵入者が金属用の穿孔ドリルを使用する以上、金属製のドアを使用したのでは穴開けはさほど困難ではない。一方、電子式の鍵に交換するには多くのコストがかかる。また、内側から手動で解錠する機構を設ける場合は、解決にならない。内側からの解錠にも電子キーを使用する場合、在宅時における施錠も面倒になるという問題もある。
【0007】
さらにまた、サムターン回し等の手口に限られず、ドアとドア枠の隙間にバール等を挿入してドアをこじ開ける従来の手口においても、十分な対策が講じられていないのが実情である。
【0008】
一方で、侵入者はドアの解錠に5分以上要する場合は解錠を断念するという報告がなされている。この観点から、解錠に5分以上を要する堅牢なドアが防犯対策上要求されている。
【0009】
本発明は、このような要求に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、サムターン回しのような窃盗を効果的に阻止できる防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明の請求項1に記載される防犯ドアは、平板状の金属板で構成されるドア板と、ドア板をドア枠に装着した際にドア板の開閉をロックするためのドアロック機構を備える防犯ドアであって、ドアロック機構は、前記ドア板の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなる厚さ20mm以下のコンクリート板を固定している。そしてこの超高強度高靱性コンクリート系素材は、繊維状あるいは粉状のプラスチックまたは金属を混入されたセメントであり、また金属板の少なくとも一部に露出穴を形成しており、この金属板の露出穴を通じて金属板の裏面に固定されたコンクリート板の一部が露出してなることを特徴とする。
【0011】
この構成によって、金属板とコンクリート板を組み合わせた複合材からなるドアを構成でき、金属用ドリルのみでは容易に穿孔できない防犯性を高めたドアが実現される。またコンクリート板に超高強度高靱性コンクリート系素材を使用することで、薄くしても強度を増し、ドア全体の重量も軽量化できる。
【0012】
また、請求項2に記載される防犯ドアは、請求項1に記載される防犯ドアであって、前記コンクリート板は、接着材としてゴム系接着材を介して前記金属板の表面に装着されてなることを特徴とする。
【0013】
この構成によって、ドアをドリル等の高速回転体で穿孔しようとしてもゴム系接着材がドリルの刃表面に付着して切削を妨げ、穿孔の進行を困難にすることができ、防犯性を高めることが実現される。
【0014】
さらに、請求項3に記載される防犯ドアは、請求項1または2に記載される防犯ドアであって、前記コンクリート板の間にハニカム構造体を備えてなることを特徴とする。
【0015】
この構成によって、防犯性を高めつつドアの重量が重くなることを回避できる。
【0016】
さらにまた、請求項4に記載される防犯ドアは、請求項1から3のいずれかに記載される防犯ドアであって、コンクリート板を2枚以上使用してなることを特徴とする。
【0017】
この構成によって、ドアの意匠性を高めると共に、コンクリート板を使用していることを侵入者に知られ、侵入を思い止まらせる効果が期待できる。
【0018】
さらにまた、請求項5に記載される防犯ドアは、請求項2から4のいずれかに記載される防犯ドアであって、前記接着材は所定の外力が加わるとコンクリート板が金属板から剥離するよう構成されてなることを特徴とする。
【0019】
この構成によって、侵入者がドリル等を使用した際にコンクリート板が外れて穿孔を困難にし、防犯性を高めることが実現される。
【0020】
また、請求項6に記載される防犯ドアは、請求項1ないし5のいずれか一に記載される防犯ドアであって、前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、アルミニウム板を固定してなることを特徴とする。
【0021】
この構成によって、ドアをドリル等の高速回転体で穿孔しようとしてもアルミニウム粉がドリルの刃表面に付着して切削を妨げ、穿孔の進行を困難にすることができ、防犯性を高めることが実現される。
【0022】
さらに、請求項7に記載される防犯ドアは、平板状の金属板で構成されるドア板と、ドア板をドア枠に装着した際にドア板の開閉をロックするためのドアロック機構を備える防犯ドアであって、ドアロック機構は、ドア板の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、糊状の粘性を有する粘着材を封入した粘着層を固定してなることを特徴とする。
【0023】
この構成によって、ドアをドリル等の高速回転体で穿孔しようとしても粘着層がドリルの刃表面に付着して切削を妨げ、穿孔の進行を困難にすることができ、防犯性を高めることが実現される。
【0024】
また、請求項8に記載される防犯ドアのドア枠は、防犯ドアを装着するドア枠であって、前記ドア枠は、前記防犯ドアの開閉をロックするためのドア枠側ドアロック機構を備えており、ドアロック機構は、ドア枠の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、前記ドア枠の内部において、少なくとも前記ドア枠側ドアロック機構の周辺部分に、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなるコンクリートブロックを挿入している。そして超高強度高靱性コンクリート系素材は、繊維状あるいは粉状のプラスチックまたは金属を混入されたセメントであり、金属板の少なくとも一部に露出穴を形成しており、この金属板の露出穴を通じて金属板の裏面に固定されたコンクリート板の一部が露出してなることを特徴とする。
【0025】
この構成によって、バール等でドアをこじ開ける押し入りを困難にすることができる。
【0026】
また、請求項9に記載されるドア枠ユニットは、平板状の金属板で構成されるドア板と、ドア板をドア枠に装着した際にドア板の開閉をロックするためのドアロック機構を備える防犯ドアと、前記防犯ドアを装着するドア枠とを備えるドア枠ユニットであって、ドアロック機構は、ドア板の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンである。前記防犯ドアは、前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなる厚さ20mm以下のコンクリート板を固定してなり、前記ドア枠は、その内部において、少なくとも前記ドア枠側ドアロック機構の周辺部分に、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなるコンクリートブロックを挿入している。また超高強度高靱性コンクリート系素材は、繊維状あるいは粉状のプラスチックまたは金属を混入されたセメントであり、金属板の少なくとも一部に露出穴を形成しており、この金属板の露出穴を通じて金属板の裏面に固定されたコンクリート板の一部が露出してなることを特徴とする。
【0027】
この構成によって、金属板とコンクリート板を組み合わせた複合材からなるドアを構成でき、金属用ドリルのみでは容易に穿孔できない防犯性を高めたドアが実現される。またコンクリート板に超高強度高靱性コンクリート系素材を使用することで、薄くしても強度を増し、ドア全体の重量も軽量化できる。さらにバール等でドアをこじ開ける押し入りを困難にすることもできる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニットを例示するものであって、本発明は防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニットを以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよい。
【0029】
本発明の防犯ドアは、建物用のドアとして使用でき、室内用のドア、あるいは室外、玄関用ドアなどいずれの用途においても使用できるが、好適には侵入者の進入経路に面するドアに使用する。
【0030】
本発明の一実施例に係る防犯ドアの概要を図1および図2に示す。図1はドアの正面図、図2は図1のドアのII−II’線における縦断面図である。この図に示すように、防犯ドアは、ドアの両面には表面材として金属板1A、1Bがそれぞれ固定される。以下、便宜上金属板1Aを表側すなわち室外に近い側とし、金属板1Bを裏側、すなわち室外に近い側として区別する。ただ、両者を入れ替えても同様の効果を得られることは言うまでもない。
【0031】
[コンクリート板]
各金属板1A、1Bの裏側には、それぞれ接着材5を介してコンクリート板2A、2Bが固定されている。コンクリート板2A、2Bは、超高強度高靱性コンクリート系素材で構成される。超高強度高靱性コンクリート系素材は、プラスチックや金属等を繊維状、紛状にして混入したセメントを硬化させて形成される。このコンクリートは、通常のコンクリートよりも高強度であり、強度あたりの重量が軽量であるという特長がある。よって薄い板状に形成して軽量かつ高強度にできる。また、硬化前のセメント状態では粘性が高いため、振動させて流動性を高めたゾル状にして成形する。これによって、微細な形状に成形することが可能となり、例えば表面に線条や凹凸の模様を形成することができる。本実施の形態においては、セメントとして太平洋セメント株式会社製DUCTAL(商標)を使用した。
【0032】
サムターン回しは、ドアロック機構3のサムターン近辺に金属用ドリル等で穿孔して行われる。このため、侵入者が穿孔し易い位置、すなわちドアロック機構3の近辺にコンクリート板2A、2Bを配置する。ドアをコンクリート板と金属板の複合構造とすることで、金属用のドリルでは金属板を貫通することはできても、コンクリート板を貫通することは困難である。また、コンクリート用のドリルでは逆に金属板を穿孔することは困難である。金属、コンクリート両用のドリル刃が存在しない現状では、侵入者がこの複合材のドアを貫通する穴を穿孔しようとすればドリルの刃を交換する必要があり、手間と時間がかかる。報告によれば、解錠に5分以上要する場合は侵入者は侵入を諦めるとされているので、上記の構成によって解錠に要する時間と手間をかけさせ、侵入を断念させる効果が期待できる。
【0033】
コンクリート板2A、2Bは、ドアの開閉をロックするドアロック機構3の周辺に配置する。穿孔されやすい位置にコンクリート板2A、2Bを設けることによって、サムターン回しを困難にすることができる。また、コンクリート板2A、2Bを金属板1A、1Bの全面を覆うように設けることもできる。なお、図2においては2枚の金属板1A、1Bにそれぞれコンクリート板2A、2Bを1枚固定しているが、金属板1A、1Bの両面にコンクリート板を固定したり、コンクリート板を2枚以上積層して固定してもよく、あるいはいずれかの金属板にコンクリート板を1枚のみ固定してもよい。
【0034】
また、図3に示すように、コンクリート板2A、2Bを固定する金属板1A、1Bに、部分的に露出穴4を一以上形成してもよい。露出穴4は、ドアの外面側の金属板1Aに設けることが好ましい。この構成では、露出穴4を通じて金属板1Aの裏面に固定されたコンクリート板1Aの一部が露出するので、ドアの表面から金属製のドアの一部にコンクリート板1Aの地肌が現れ、ドア表面の質感を多彩にして意匠的に優れたドアとすることができる。さらに、侵入者に対しても、ドアが金属とコンクリートの複合体であることを知らせるので、サムターン回しが困難であることを見せて侵入を断念させるという効果も期待できる。また、この構成においても必ずしもコンクリート板を金属板の全面に設ける必要はなく、ドアロック機構3の近辺および露出穴4の露出部分に設けてもよい。この構成によって必要な部分のみにコンクリート板を配置して、コンクリート板の使用量を減らし、ドアの重量を軽くすることができる。さらに、金属板に露出穴4を設けた分だけ金属板の使用量も減るので、軽量化に貢献できる。もちろん、金属板1A、1Bの両方に露出穴4を設けてもよい。露出穴4の数や大きさ、レイアウトは嗜好に応じて自由にデザインできる。
【0035】
[接着材5]
コンクリート板2A、2Bは、接着材5にて金属板1A、1Bの裏側に固定される。接着材5はゴム系の接着材が好適に利用できる。ゴム系接着材は粘性があるため、仮にドリル等の回転体でドアを穿孔しようとしても、粘性のある接着材5がドリルに絡まって、ドリル表面が接着剤で覆われ、切れ味が極減させて穿孔の進行が困難になる。よって、粘性のある接着層をドアの断面に設けることで、ドリル等の穿孔に対抗することができる。例えば、接着剤を塗布した両面テープを利用すれば、金属板1A、1Bとコンクリート板2A、2Bの貼り合わせ作業が容易となる。あるいは、接着剤を貼り合わせ面に別途塗布してもよい。
【0036】
また、金属板1A、1Bの裏面に固定するコンクリート板2A、2Bの固定強度を意図的に弱めておくこともできる。特に、ドリル等でドアを穿孔しようとした際、その振動や衝撃でコンクリート板2A、2Bが剥離されるように調整することが好ましい。このようにすることで、侵入者がドアに貫通孔を穿孔しようとしてドリルを使用すると金属板1A、1Bの内側でコンクリート板2A、2Bがはずれるようにできる。固定状態を解かれたコンクリート板は自由に移動するため、ドリルで貫通しようとしても固定されないコンクリート板自体が動いてしまい、穿孔位置が定まらない。ドリルによる穿孔の際には、穿孔の対象物を固定しておく必要があり、固定されない対象物にドリルを当接しても対象物が安定せず、いわゆる「踊ってしまう」状態となって、穿孔が極めて困難となる。特に、2枚のコンクリート板2A、2Bを使用する構成では、ドアの内部で2枚のコンクリート板2A、2Bが外れることで極めて不安定な状態となり、貫通は一層困難となる。よって、このようにコンクリート板が剥離し易い固定状態を意図的に作り出すことでも、サムターン回し対策が実現される。上記の固定状態を実現するためには、例えば接着力を弱めた接着材5を使用したり、接着面をコンクリート板全面とせず、一部のみに接着材5を設ける等の方法が利用できる。
【0037】
[粘着層]
あるいは、上記コンクリート板を接着材で固定する方法に代わって、あるいはこれに加えて、ドアの内側に粘性を有する粘着材を封入した粘着層を設けてもよい。例えば、高粘性の液体を袋状の容器に収納したり、あるいはゲル状の粘着剤を膜状に塗布した粘着層を、金属板1A、1Bの裏側のドアロック機構3の周辺部分、あるいは全面に設ける。この構成によっても、上記と同様ドリル等の回転体で穿孔する際に粘着材がドリル表面に糊状に付着し、鋭利な刃面が粘着材で被覆されて切れ味が低下し、穿孔の進行が困難となる。穿孔を継続するにはドリルの表面に付着した糊状の粘着材を一々除去する必要があり、非常に手間がかかる。よって、この構成においてもドアの穿孔を著しく困難にして、サムターン回しを防止することができる。また粘着層を設ける構成は、コンクリート板を使用しなくとも、ドアの内面に粘着層を設けるだけで足りるため、安価にかつ簡単に実現することができる。さらに、粘着層は全面に設けなくとも、ドアロック機構3の周辺部分のみに配置することで、より安価に構成することができる。さらに、金属板1A、1Bの両方に設けずとも、いずれか一方、好ましくはドアの表面側の金属板1Aの裏面に設ける。
【0038】
[アルミニウム板]
さらにまた、上記コンクリート板を接着材で固定する方法や粘着層を設ける構成に代わって、あるいはこれに加えて、ドアの内側にアルミニウム板を設けてもよい。アルミニウム板を穿孔すると、アルミニウム粉が発生する。このアルミニウム粉も、穿孔の継続に支障をきたす。ドリル等の回転体の表面にアルミニウム粉が付着して、刃面の切れ味を低下させるからである。よって上記と同様、穿孔を継続するにはドリルの刃に付着したアルミニウム粉を除去してやる必要があり、手間がかかる。したがって、この方法でも侵入者の解錠を面倒にできるため、サムターン回し対策を実現できる。またアルミニウム板は全面に設ける必要はなく、ドアロック機構3の近辺にのみ設けてもよい。さらに、上記と同様アルミニウムを固定する接着材を、穿孔の振動で剥離する強度に調整してもよいことはいうまでもない。
【0039】
[ハニカム構造体6]
ドアの芯体にはハニカム構造体6を使用する。図2の例においては、コンクリート板2A、2Bの間にハニカム構造体6としてハニカムコアを備える。このハニカムコアは、難燃性の紙製で構成され、軽量である。また断面を蜂の巣状とすることで強度を高め、さらに各ハニカムが空気層を構成し、防音、断熱効果を得られる。このため、ドアを軽量、強固にできる。ハニカム構造体6は軽量であるため、例えばドア全体を厚くするためにハニカム構造体6を厚くしても、ドアの重量は軽量に維持できる。ドアの厚さは、好ましくは33mm〜50mm、さらに好ましくは36mm〜40mmとする。一般にコンクリート板を厚くするに従って強度が増すので、十分な強度が得られる場合は超高強度高靱性コンクリート系素材以外の部材を使用することもできる。一方、コンクリート板を厚くするに従って重量も重くなるので、ドアの使用目的に応じて支障のない重量となるように設定する。
【0040】
[ドアロック機構3]
また、ドアはドアロック機構3を備えている。本発明はドアの構造に特長を有するものであって、ドアロック機構3に特長を有するものでないため、ドアロック機構を特定せず、ドアロック機構には、現在開発されている、あるいは将来開発されるものが適宜利用できる。例えば、図4に示すドアロック機構が利用できる。図4(a)はドアに固定されるドアロック機構の分解斜視図を、図4(b)はその断面図をそれぞれ示している。好ましくは、ピッキングやカム送り対策を施したいシリンダ錠を使用する。
【0041】
本実施の形態に係るドアは、開閉など容易に扱えるよう、軽量にすることが好ましい。この例では、ドア全体の重量が60kg以下となるように各部材の材質、厚さ等を設定する。各層の厚みは、例えばコンクリート板2A、2Bを5mm〜15mm、好ましくは6mm〜10mm、最も好ましくは8mm〜10mmとする。また金属板1A、1Bは、0.5mm〜4mmのものが利用でき、例えば0.6、0.8、1.6、2.3、3.2mmのものが利用できる。
【0042】
[ドア枠7]
次に、本実施の形態に係るドアを装着するドア枠7を図5に示す。この図に示すドア枠7は、金属板1A、1Bを折曲して形成されたドア枠本体の内部の空間に、コンクリートブロック8を挿入している。コンクリートブロック8には、上述した超高強度高靱性コンクリート系素材が利用できる。ドア枠7には、内部の空間にモルタル等を流し込んで強度を持たせることが好ましいとされているが、ドア枠7の内部にはドアの開閉をロックするためのドア枠側ドアロック機構等を設けるため、実際にはモルタル注入等が困難となる。しかし何ら補強がなされていないドア枠では、侵入者がドアロックを破ることを十分に防ぎきれないという不安がある。例えばドアがロックされている状態で、ドア枠とドアの隙間で、ドアロック機構の部分にバール等を押し当てて、テコの原理によりドア枠とドアの隙間をこじ開け、ドアからドア枠に向かって突出しているデッドボルトの長さ分以上にドア枠がへこませられると、ドアは破られてしまう。
【0043】
そこで本実施の形態では、この部分でドア枠を強化するために、ドア枠の内部に強固なコンクリートブロック8を配置している。コンクリートブロック8は、ドア枠7の厚さ方向にほぼ等しい厚さで、好ましくは図6に示すようにドアロック機構3の位置する部分に配置される。また、ドア枠7の縦方向の全長にわたって、あるいは全周にわたって配置してもよい。コンクリートブロック8は、ドア枠内に収納可能なように、予めドア枠内部の形状に合致する形状で、挿入できる大きさに若干小さくして形成される。また、コンクリートをドア枠内部に注入して打設する方法でもコンクリートブロックをドア枠内部に設けることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニットは、防犯対策が施され、特にサムターン回しによる侵入に対抗できる。それは、本発明が、金属板のドアにコンクリート板を組み合わせた複合材で構成しているからである。金属以外の材料を組み合わせた複合材を使用することで、金属用ドリルでは穿孔が困難となり、これによって単に金属用ドリルを使ってドアに貫通孔を開口し、ごく短時間で解錠されるという事態を回避し得る。さらに、粘性のある接着材や粘着層を設けることで、さらにドリル等の表面にこれらを付着させ、穿孔を困難にする。また、アルミニウム板を組み合わせることで、同様にアルミニウム粉をドリルに付着させて穿孔の進行を妨げることができる。さらにまた、ドア枠をコンクリートブロックで裏打ちすることで、バール等による押し入りにも対抗できる。このように、本発明によれば、防犯性を高めて安心して使用できる防犯ドア、ドア枠およびドア枠ユニットが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る防犯ドアの正面図である。
【図2】図1に示すドアを波線で切断した状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る防犯ドアの正面図である。
【図4】ドアロック機構の一例を示す分解斜視図および断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る防犯ドアのドア枠を示す水平断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る防犯ドアのドア枠を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1、1A、1B・・・金属板
2A、2B・・・コンクリート板
3・・・ドアロック機構
4・・・露出穴
5・・・接着材
6・・・ハニカム構造体
7・・・ドア枠
8・・・コンクリートブロック

Claims (9)

  1. 平板状の金属板で構成されるドア板と、ドア板をドア枠に装着した際にドア板の開閉をロックするためのドアロック機構を備える防犯ドアであって、
    前記ドアロック機構は、前記ドア板の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、
    前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなる厚さ20mm以下のコンクリート板を固定しており、
    前記超高強度高靱性コンクリート系素材は、繊維状あるいは粉状のプラスチックまたは金属を混入されたセメントであり、
    前記金属板の少なくとも一部に露出穴を形成しており、前記金属板の露出穴を通じて金属板の裏面に固定されたコンクリート板の一部が露出してなることを特徴とする防犯ドア。
  2. 請求項1に記載される防犯ドアであって、前記コンクリート板は、接着材としてゴム系接着材を介して前記金属板の表面に装着されてなることを特徴とする防犯ドア。
  3. 請求項1または2に記載される防犯ドアであって、前記コンクリート板の間にハニカム構造体を備えてなることを特徴とする防犯ドア。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載される防犯ドアであって、前記コンクリート板を2枚以上使用してなることを特徴とする防犯ドアのドア枠。
  5. 請求項2から4のいずれかに記載される防犯ドアであって、前記接着材は所定の外力が加わるとコンクリート板が金属板から剥離するよう構成されてなることを特徴とする防犯ドア。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一に記載される防犯ドアであって、
    前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、アルミニウム板を固定してなることを特徴とする防犯ドア。
  7. 平板状の金属板で構成されるドア板と、ドア板をドア枠に装着した際にドア板の開閉をロックするためのドアロック機構を備える防犯ドアであって、
    前記ドアロック機構は、ドア板の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、
    前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、粘性を有する粘着材を封入した糊状の粘着層を固定してなることを特徴とする防犯ドア。
  8. 防犯ドアを装着するドア枠であって、
    前記ドア枠は、前記防犯ドアの開閉をロックするためのドア枠側ドアロック機構を備えており、
    前記ドアロック機構は、ドア枠の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、
    前記ドア枠の内部において、少なくとも前記ドア枠側ドアロック機構の周辺部分に、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなるコンクリートブロックを挿入しており、
    前記超高強度高靱性コンクリート系素材は、繊維状あるいは粉状のプラスチックまたは金属を混入されたセメントであり、
    前記金属板の少なくとも一部に露出穴を形成しており、前記金属板の露出穴を通じて金属板の裏面に固定されたコンクリート板の一部が露出してなることを特徴とする防犯ドアのドア枠。
  9. 平板状の金属板で構成されるドア板と、ドア板をドア枠に装着した際にドア板の開閉をロックするためのドアロック機構を備える防犯ドアと、前記防犯ドアを装着するドア枠とを備えるドア枠ユニットであって、
    前記ドアロック機構は、ドア板の内側に設けられた鍵のつまみを回転して解錠、施錠するサムターンであり、
    前記防犯ドアは、前記金属板の内面に、少なくとも前記ドアロック機構の周辺部分において、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなる厚さ20mm以下のコンクリート板を固定してなり、
    前記ドア枠は、その内部において、少なくとも前記ドア枠側ドアロック機構の周辺部分に、超高強度高靱性コンクリート系素材よりなるコンクリートブロックを挿入しており、
    前記超高強度高靱性コンクリート系素材は、繊維状あるいは粉状のプラスチックまたは金属を混入されたセメントであり、
    前記金属板の少なくとも一部に露出穴を形成しており、前記金属板の露出穴を通じて金属板の裏面に固定されたコンクリート板の一部が露出してなることを特徴とするドア枠ユニット。
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